JP5772741B2 - 固定具およびカーテンエアバッグ固定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スペーサを有する固定具、およびその固定具を用いたカーテンエアバッグ固定装置に関する。カーテンエアバッグを、以下、「CSA」ともいう。なお、CSAは、Curtain Shield Airbag の略である。
特許文献1は、クリップ本体と、ロックピンと、クリップ本体軸方向に弾性変形可能な弾性片を有する従来スペーサと、を備えた固定具、およびその固定具を用いてCSAを車両のボデーに取り付けたCSA固定装置を開示している。
図13−図15は特許文献1に開示された従来スペーサ170を示す。
また、図10は2点鎖線で示した従来スペーサ170を本発明のクリップ本体10に装着した場合および従来スペーサ170を本発明のCSA固定装置2に装着した場合を後述する本発明との比較で示す。
また、図12は従来スペーサ170を本発明のクリップ本体10と同じ構造のクリップ本体110に装着した従来固定具101を示す。
図11の2点鎖線部分は従来スペーサ170をもつ固定具101のボデー固定具取付孔への挿入荷重対スペーサ変形量特性を、本発明との比較で示している。
図12−図15の従来固定具101において、スペーサ170は平面視がほぼ長方形状であり、長方形状の中央部にクリップ本体110の長方形断面の本体脚部140が嵌合する平面視がほぼ長方形状の脚部嵌合孔172を有する。脚部嵌合孔172の周囲縁部の四辺形リングは剛体部174であり、剛体部174はクリップ本体110の中心軸線と直交する同一平面上にある。スペーサ170は、剛体部174の各四辺から折れ曲がって脚部嵌合孔172とクリップ本体110の本体頭部112から離れる方向に斜めに直線状に延びる4つの弾性片176を有している。
図10において、従来スペーサ170とCSA80のタブ80bはクリップ本体10の本体頭部12とボデー90との間に介在されている。クリップ本体10の本体頭部12、CSA80のタブ80b、スペーサ170、ボデー90の何れかの間に隙間(以下、「ガタ」ともいう)が存在する場合、そのガタ量dがスペーサ170の弾性片176の圧縮弾性変形範囲内にあれば、弾性片176はその圧縮弾性変形によってガタを除去する。ただし、図10の2点鎖線はガタが自由状態の弾性片176とボデー90との間にガタが存在し、弾性片176の圧縮弾性変形ではガタを吸収できない状態を示している。
特開2008−020006号公報
従来のスペーサ170には、つぎの点で改善の余地がある。
図12において、クリップ本体110の本体頭部112とボデーとの間のクリップ本体軸方向長さ(「首下長さ」ともいう)が長い固定具101に対応する場合、従来スペーサ170では弾性片176の長さを長くしないと、図10に示すように弾性片176の弾性変形によって首下長さにおけるガタ量dを吸収できない。ガタがあると適切な挿入荷重を得ることができず、異音の発生の原因にもなる。これは、図11で2点鎖線で示すように、ボデー90の固定具取付孔90dへの所定の基準挿入荷重(たとえば、40N)に対するスペーサ170の弾性片176のクリップ本体軸方向弾性変形量が小さい(たとえば、0.3mm)ためである。
また、図10においてガタ量dが無くなるまで弾性片176を長くすると、スペーサ170のボデー90への取り付けエリア、すなわちスペーサ170がボデー90と接する領域の面積が増えて取付スペース上不利になる。その結果、固定具101およびCSAの細幅Aピラーへの搭載が困難になる。
本発明の目的は、スペーサのボデーへの取り付けエリアを従来より増やすことなく、ボデーの固定具取付孔への固定具の基準挿入荷重に対するスペーサのクリップ本体軸方向弾性変形量を従来スペーサの弾性変形量に比べて大きくできる、固定具、およびその固定具を用いたCSA固定装置を提供することにある。
上記目的を達成する本発明の固定具およびそれを用いたCSA固定装置はつぎのとおりである。
(1)本発明の固定具は、本体頭部と本体脚部を有するクリップ本体と、クリップ本体に挿入可能なロックピンと、中央部に脚部嵌合孔を有しこのこの脚部嵌合孔にてクリップ本体の本体脚部と嵌合するスペーサと、を備える。スペーサは、このスペーサの平面視での一方向と平行な方向における脚部嵌合孔の両端よりも脚部嵌合孔の中心寄りのスペーサ部位からスペーサの平面視での一方向の両端にわたって形成されクリップ本体軸方向に弾性変形可能な弾性変形部を有している。
また、本体脚部の断面形状、スペーサの平面視形状、脚部嵌合孔の形状は、何れも長方形状である。スペーサの一方向は長方形状スペーサの長手方向である。長方形状には、長方形状の角部を丸めた形状や長方形状の辺を湾曲させたり凹凸させた形状を含むものとする(以下、同じ)。
また、スペーサのクリップ本体頭部対向面の背面には、脚部嵌合孔のスペーサ長手方向両端よりも脚部嵌合孔のスペーサ長手方向中心寄りの部位に、クリップ本体軸方向に本体頭部から離れる側に互いに同一面まで突出する複数の突起が形成されている。この複数の突起は、スペーサ長手方向の中央部に位置する第1の突起と、第1の突起からスペーサ長手方向に隔たったスペーサ部位に位置する第2の突起とを含む。
)上記()の固定具において、スペーサの弾性変形部は、スペーサの長手方向両端に近づくにつれて本体頭部から離れる側に湾曲または傾斜しており、かつ、第2の突起の部位を除きスペーサの長手方向両端に近づくにつれて板厚が薄くなっている。
)上記(1)または(2)の固定具を用いて被取付部材であるCSAを車両のボデーに固定するCSA固定装置であって、本体脚部が、CSAに複数形成されたタブの脚部挿通孔と、スペーサの脚部嵌合孔とを挿通して、ボデーに形成された固定具取付孔に押し込まれ、ロックピンがクリップ本体に本保持位置まで挿入されており、この状態でスペーサの弾性変形部はクリップ本体軸方向に圧縮弾性変形している。
スペーサは、弾性変形部の圧縮弾性変形により、クリップ本体の本体頭部とボデー間の距離のバラツキにかかわらず、本体頭部とタブとスペーサとボデー間のガタを除去している。
上記(1)の固定具によれば、弾性変形部がスペーサの平面視での一方向と平行な方向における脚部嵌合孔の両端よりも脚部嵌合孔の中心寄りのスペーサ部位からスペーサの平面視での一方向の両端にわたって形成されているので、従来スペーサと比較して弾性変形できる範囲がスペーサの平面視での一方向と平行な方向に拡大する。すなわち、本発明のスペーサの弾性変形部の長さが従来スペーサの弾性片の長さより長くなる。また、従来スペーサに比べて脚部嵌合孔の周囲縁部自体から弾性変形部が始まる。
これによって、たとえば図11に示すように、ボデー固定具取付孔への固定具の所定の基準挿入荷重(たとえば、40N)に対するスペーサのクリップ本体軸方向弾性変形量が、従来スペーサの弾性変形量よりも、たとえば0.3mmから3.3mmへと増大する。その結果、たとえば図10に示すように、スペーサの長さを従来スペーサより長くすることなくスペーサ先端をボデーに当てて弾性変形部をクリップ本体軸方向に圧縮弾性変形させることができる。
その結果、適正な挿入荷重を得ることができ、クリップ本体の本体頭部とボデーとの間のクリップ本体軸方向距離(首下長さ)のバラツキ、または首下長さが長い固定具に対応できる。また、スペーサを選択使用することなく、固定具および被取付部材のガタツキを安定して抑制できる。
また、本体脚部の断面形状、スペーサの平面視形状、脚部嵌合孔の形状は、何れも長方形状であり、スペーサの一方向を長方形状スペーサの長手方向としたので、長方形状スペーサの長手方向と直交する方向に固定具の寸法を増大することなく、細幅フロントピラーに容易に対応できる。
また、互いに同一面まで突出する複数の突起が形成されているので、突起を治具側に向けて治具上にセットしたスペーサを取り出してクリップ本体に組み付ける際に、スペーサの治具上への載置が安定する。
上記()の固定具によれば、スペーサの弾性変形部が湾曲または傾斜しており、かつ、スペーサの長手方向両端に近づくにつれて厚さが薄くなっているので、弾性変形部はその全長にわたってほぼ均一に弾性変形できる。弾性変形部は根元部だけで弾性変形するのではない。その結果、固定具の挿入荷重変化量に対するスペーサのクリップ本体軸方向弾性変形量が増大する。
上記()のCSA固定装置によれば、スペーサが、弾性変形部の圧縮弾性変形により、クリップ本体の本体頭部とボデー間の距離(首下長さ)のバラツキ、増大にかかわらず、クリップ本体の本体頭部、CSAタブ、スペーサ、ボデー間のガタを吸収できるので、CSAの固定において、首下長さのバラツキ、増大に合わせてスペーサを選択使用する必要がなくなる。また、1種の固定具を首下長さが異なる複数種の車両に共通に使用でき、複数種の車両にまたがって固定具の共用化をはかることができる。
本発明の一実施例に係る固定具の斜視図である。 図1の固定具の正面図である。 図1の固定具の側面図である。 固定具の車両における配置図である。 CSA固定装置のAピラー部位における拡大断面図である。 固定具のうちスペーサの斜視図である。 図6のスペーサの正面図である。 図6のスペーサの背面図である。 図6のスペーサの側面図である。 本発明のスペーサおよび特許文献1の従来スペーサ(2点鎖線にて示したもの)を本発明の固定クリップに装着した固定具の正面図である。 ボデー固定具取付孔への固定具の挿入荷重対スペーサ厚さ方向変形量のグラフであって、実線が本発明固定具の特性、2点鎖線が従来固定具の特性を示す。 図6の従来スペーサを本発明のクリップ本体と同じ構造のクリップ本体に装着した従来固定具の正面図である。 特許文献1に開示の従来スペーサの斜視図である。 図13の従来スペーサの正面図である。 図13の従来スペーサの側面図である。
本発明の一実施例に係る固定具1、およびその固定具を用いてCSAを車両のボデーに取り付けるCSA固定装置2を、図1−図11を参照して説明する。
図5において、FRは車両前方を示し、INは車両左右方向の内側方向を示す。
〔CSA固定装置〕
図5に示すように、CSA固定装置2は、固定具1を用いて被取付部材、たとえばCSA80を車両のボデー90に固定する装置である。
CSA固定装置2は、被取付部材、たとえばCSA80と、CSA80をタブ80b部位にて車両のボデー90に取り付ける固定具1と、を備える。被取付部材はCSA80以外のもの、たとえばCSAケーシング(図示略)であってもよい。
図4において、CSA80が取り付けられる車両のボデー90は、たとえば、フロントピラー(Aピラーともいう)である。ただし、Aピラーに限るものではなく、サイドレールであってもよい。
図5は、CSA80が取り付けられるボデーがAピラーである場合を例にとって示している。Aピラー90は、インナーパネル90a、アウターパネル90b、リインホースメント90cを含む。
また、図5は、車両のフロントシールドガラス92、ウエザーストリップ94、96、Aピラーガーニッシュ98も示している。
CSA80は、CSA長手方向に沿って延びる本体部80aと、本体部80aの長手方向複数箇所において本体部80aから固定具1側に延びる舌片状のタブ80bと、からなる。CSA80は、布製で、ロール折りまたは蛇腹折りで折り畳まれた状態にてAピラーガーニッシュ98とインナーパネル90aとの間の空間に収納される。CSA80の本体部80aの断面の外形形状は、ロール折りの場合は図5に示すようにほぼ円形であり、蛇腹折りの場合はほぼ矩形状である。CSA本体部80aは、固定具1の、フロントシールドガラス92と反対側(車両後方側)に位置する。
図5に示すように、車両衝突時には、インフレータ(図示略)から膨張用ガスが供給されてCSA80は展開し、この展開圧力でAピラーガーニッシュ98をインナーパネル90aから離れる方向に押す。CSA80は、Aピラーガーニッシュ98とインナーパネル90aとの間に形成された隙間から車室内に、かつ乗員とサイドドアとの間に展開して、乗員をサイドドア側から拘束する。図5で、98’はAピラーガーニッシュ98が押し広げられた状態の一部を示し、80’はCSA80の展開状態の一部を示す。
〔固定具〕
図1−図3に示すように、固定具1は、本体頭部12と本体脚部40とを有するクリップ本体10と、クリップ本体10とは別体でクリップ本体10のロックピン挿入穴20に取り外し可能に挿入されるロックピン50と、クリップ本体10とは別体で本体脚部40に嵌合されるスペーサ70からなる。クリップ本体10とロックピン50とスペーサ70は、可撓性を有する樹脂材からなる。樹脂材は、たとえばポリアセタールまたはポリヘキサメチレンアジポアミドである。ただし、可撓性を有し必要な強度をもつ樹脂材であれば、それ以外の樹脂材であってもよい。
〔固定具のクリップ本体〕
図1−図3および図10に示すように、クリップ本体10の本体頭部12と本体脚部40の形状は、クリップ本体中心軸線(クリップ本体軸芯)10a(図3)と直交する面内における外形形状が長方形状であることが望ましい。ただし、長方形状に限るものではなく、楕円形状、円形状であってもよい。ボデー90の固定具取付孔90dの形状も、同様である。
長方形状である場合、長方形状には、長方形状の角部を丸めた形状や長方形状の辺を湾曲させたり凹凸させた形状を含むものとする。また、固定具1によりCSA80をボデー90の固定具取付孔90dに取り付けた状態では、本体頭部12の長方形外形形状の長辺が延びる方向とCSA本体80aの延びる方向とは互いに平行である。
クリップ本体10の本体頭部12は、クリップ本体10の中心軸線10aと直交する座部14と、座部14よりも本体脚部40と反対側に位置する狭幅部16と、狭幅部16と座部14とを連結する連結部18とを有する。
CSA長手方向と直交する方向Pにおいて、狭幅部16の幅は座部14の幅より狭い。これによって、図5に示すようにCSA80の断面の外形をクリップ本体10の中心軸線10aに近づけることができ、Aピラーガーニッシュ98の幅を狭くすることができる。連結部18の、CSA長手方向と直交する方向Pの幅は、狭幅部16から座部14に近づくにつれて増大する。
図1に示すように、クリップ本体10は、中心部に、クリップ本体10の中心軸線10aに沿う方向に延びるロックピン挿入穴20を有している。ロックピン挿入穴20の中心軸線は、クリップ本体10の中心軸線10aと一致する。ロックピン挿入穴20は、ロックピン挿入穴20の中心軸線に沿う方向に、本体脚部40と反対側に開口している。ロックピン挿入穴20は、本体頭部12の上端から本体脚部40の下端部近傍に形成された底壁まで延びている。ロックピン50は、ロックピン挿入穴20の開口から軸方向に挿入される。
図3に示すように、ロックピン挿入穴20内にはバックアップリブ48が設けられている。バックアップリブ48は、座部14の上面とほぼ同じ高さ位置から本体脚部40の下端部近傍にある底壁まで下方に延びる。バックアップリブ48と中空の本体脚部40の内面との間には、ロックピン50のピン脚部54が挿入される空間部が設けられている。
図1−図3に示すように、本体頭部12は、ロックピン挿入穴20のCSA長手方向と直交する方向Pの両側でCSA長手方向Lに延びる一対の側壁22Lと、ロックピン挿入穴20の両側でCSA長手方向と直交する方向Pに延びる一対の側壁22Pと、を有する。一対の側壁22Lは、座部14から本体脚部40と反対側に立ち上がりクリップ本体軸方向に沿って本体頭部12の先端まで延びる。一対の側壁22Pは、座部14から本体脚部40と反対側に立ち上がる。
ロックピン挿入穴20は、図1−図3の上下方向の少なくとも上端部において、CSA長手方向と直交する方向Pに一対の側壁22Lによって覆われている。ロックピン挿入穴20は、図1−図3の上下方向の少なくとも上端部において、CSA長手方向と直交する方向Pに延びる一対の側壁22Pによって覆われている。したがって、ロックピン挿入穴20は、図1−図3の上下方向の少なくとも上端部において、周囲を一対の側壁22Lと一対の側壁22Pによって囲まれている。
CSA長手方向と直交する方向Pにおける一対の側壁22Lの間隔は、長手方向中央部22Lcで長手方向端部22Leより拡大されている。
CSA長手方向Lに延びる一対の側壁22Lの内面間の間隔は、長手方向中央部22Lcでも長手方向端部22Leでも、大人の人間の指幅より狭い治具の幅より広く、大人の人間の指幅より狭い寸法に設定されている。したがって、一対の側壁22Lの内面間の隙間、すなわち、開口20に、治具は入るが指は入らないかまたは入りにくい。
クリップ本体10の本体脚部40は、座部14と直交方向に、座部14から本体頭部12と反対側に延びる。本体脚部40は座部14と平行な断面形状が長方形状である。本体脚部40の側壁には、側壁と直交方向に弾性変位可能な係止爪42が設けられている。係止爪42は、図1−図3に示すように、CSA長手方向Lに延びる一対の側壁に1つづつ、計2つ設けられてもよいし、四側の側壁に1つづつ、計4つ設けられてもよい。図示例は計2つ設けられた場合を示す。
本体脚部40の側壁にはスリット46により三方を側壁から切り離された可撓部44が形成されている。可撓部44は本体頭部12から離れた側の端部にある根元で側壁に連結されている。各係止爪42は各可撓部44の長手方向に根元から離れた部分に形成されており、係止爪42の外側端部は、可撓部44の自由状態で、クリップ本体中心軸線10aと直交する方向に本体脚部40の側壁の外面から突出している。
図3、図5、図10において、本体脚部40をインナーパネル90aの固定具取付孔90d縁部に取り付ける時、係止爪42が固定具取付孔90d部位を通過する時には可撓部44の弾性変形を伴って係止爪42がクリップ本体の中心軸線10a側に後退し、係止爪42が固定具取付孔90d部位を通過する。通過後、可撓部44の弾性により係止爪42は元の位置に復帰する。ついで、ロックピン50が図3の仮保持位置P1から本保持位置P2まで押し込まれてピン脚部54が係止爪42とバックアップリブ48との間に介在されると、係止爪42がクリップ本体の中心軸線10a側に後退できなくなり、クリップ本体10がインナーパネル90aの固定具取付孔周縁部位から抜去不能になる。
メンテナンス時等において、クリップ本体10をボデー90の固定具取付孔90d部位から抜去する必要が生じた時には、まずロックピン50をロックピン抜去用工具または治具(図示せず)を用いてクリップ本体10から抜去する。
ついで、クリップ本体抜去用治具(図示せず)を用いて係止爪42をクリップ本体中心軸線10a側に後退させ、その状態でクリップ本体10を固定具取付孔90d部位から抜去する。係止爪42には溝44aが設けられていてもよい。溝44aの底面はテーパ面44bであってもよい。クリップ本体抜去用治具がロックピン挿入穴20に挿入される時、クリップ本体抜去用治具がテーパ面44bに当たってもよい。
〔固定具のロックピン〕
図1、図3に示すように、ロックピン50はロックピン中心軸線(ロックピン軸芯)50aを有し、ロックピン中心軸線50aをクリップ本体中心軸線10aに一致させてロックピン挿入穴20に挿入される。ロックピン50がロックピン挿入穴20への挿入の途中にある仮保持位置P1にある時に、ロックピン50はクリップ本体10に仮保持(仮止め)され、ロックピン50がロックピン挿入穴20に奥まで挿入された本保持位置P2にある時に、ロックピン50はクリップ本体10に本保持(本止め)される。
ロックピン50の、ロックピン中心軸線50aに沿って見た平面視での外形形状は、ほぼ長方形状である。固定具1にてCSA80をボデー90に取り付け、ロックピン50をロックピン本体10に仮保持または本保持した状態では、ロックピン中心軸線50aに沿って見た時のロックピン50の長方形状の長辺が延びる方向とCSA本体80aの延びる方向とは互いに平行である。
ロックピン50は、平面視で長方形状のピン頭部52と、ピン頭部52からロックピン中心軸線50aにほぼ平行にクリップ本体への挿入側に延びるピン脚部54とを有する。本体脚部40に係止爪42が2つ設けられる場合は、ピン脚部54は長方形状のピン頭部52の2つの長辺に1本づつ、合計2本設けられる。本体脚部40に係止爪42が4つ設けられる場合は、ピン脚部54は長方形状のピン頭部52の各辺に1本づつ、合計4本設けられる。図示例は係止爪42が2つ設けられた場合を示している。複数のピン脚部54は互いに分離しており、ピン頭部52のみに結合している。
図3に示すように、長方形状のピン頭部52の長辺に連結される、互いに対向する2本のピン脚部54の外面には、ロックピン中心軸線50aと直交する方向に可撓性を有するピン可撓部58と、ピン可撓部58に形成された、ロックピン中心軸線50aから離れる方向に突出するピン爪部56が形成されている。ピン可撓部58は、ピン頭部52から遠い側の端部でピン脚部54に結合している。ピン可撓部58が弾性変形することで、ピン爪部56はロックピン中心軸線50aと直交する方向に弾性変位可能である。
図1−図3に示すように、クリップ本体10の本体頭部12の一対の側壁22Lには、側壁22Lの長手方向中央部22Lcに、クリップ本体中心軸線10aのCSA長手方向と直交する方向Pにおける両側に、長手方向中央部22Lcを貫通する、仮保持(仮止め)係止孔26と、その下方に本保持(本止め)係止孔28が設けられている。仮保持係止孔26、本保持係止孔28は、本体頭部12の先端部側から座部14側に向かって順に設けられており、クリップ本体軸方向に、互いに間隔をおいて設けられている。ピン爪部56はピン脚部54の外面より外側に突出しており、ロックピン50をロックピン挿入穴20に挿入する時にはピン爪部56は一対の側壁22Lによって押されてロックピン中心軸線50a側に弾性変位する。ピン爪部56が仮保持係止孔26、本保持係止孔28の位置に来た時には、ピン可撓部58の弾性により元位置に復帰して、それぞれ仮保持係止孔26、本保持係止孔28に突入する。
図1−図3に示すように、仮保持係止孔26は、本体頭部12の、本体脚部40から遠い側の先端から本体脚部40側に所定距離隔たった位置にある。仮保持係止孔26は、ロックピン50のピン爪部56が仮保持係止孔26に突入して仮保持係止孔26に係止した時に、ピン頭部52の頂面を本体頭部12の先端から本体脚部40と反対側に突出させない位置に設けられている。これによって、ロックピン位置をピン爪部56の下面位置基準で見て(以下、同じ)、ロックピン50が仮保持位置P1にある時には、ロックピン50の全体がロックピン挿入穴20内に位置する。この状態では、ロックピン50のピン頭部52の頂面は、本体頭部12の、本体脚部40から遠い側の先端から本体脚部40と反対側に突出しない。
また、ロックピン50が仮保持位置P1にある時には、ロックピン50のピン脚部54の下端は係止爪42の上端位置より上方にある。これによって、クリップ本体10の本体脚部40をボデー90のクリップ取付孔90dに挿入する時に係止爪42はクリップ本体中心軸線10a側に後退可能であり、本体脚部40をボデー90のクリップ取付孔90d部位に取り付けることが可能となる。
ロックピン50が仮保持位置P1にある時に、クリップ本体10にクリップ本体挿入荷重がかけられることにより、係止爪42がクリップ本体中心軸線10aに近づく側に弾性変位して後退し車両ボデー90のクリップ取付孔90d部位を通過する。通過後、係止爪42が元の位置に弾性復帰し、クリップ本体10は車両ボデー90のクリップ取付孔90d部位に取り付けられる。この時には、ロックピン50はまだ仮保持位置P1にある。
図1−図3および図10に示すように、本保持係止孔28は、クリップ本体軸芯10aと平行な方向に、仮保持係止孔26よりさらに本体脚部40側に設けられている。クリップ本体10が車両ボデー90のクリップ取付孔90d部位に取り付けられた状態で、かつ、ピン爪部56がまだ仮保持位置P1にある時に、ロックピン50がロックピン挿入用治具によって本体脚部40側にさらに押し込まれると、ピン可撓部58がロックピン中心軸線50a側に後退するように弾性変形しピン爪部56が仮保持係止孔26から外れて、本体脚部40側に移動する。ピン爪部56が本保持係止孔28位置に来た時に、ピン可撓部58が弾性復帰してピン爪部56が本保持係止孔28に突入し係止し、ロックピン50が本保持位置P2に保持される。
図3に示すように、ロックピン50が本保持位置P2にある時には、ロックピン50のピン脚部54の下端部はクリップ本体10における本体脚部40の本体可撓部44の上端位置より下方にあり、ピン脚部54が本体脚部40の本体可撓部44とバックアップリブ48との間に位置する。これによって、クリップ本体10の係止爪42がクリップ本体中心軸線10aに近づく側に弾性変位することが不可能になり、クリップ本体10はボデー90から抜け外れ不能になり、ボデー90にロックされる。
上記において、クリップ本体10のボデー90への挿入荷重は、係止爪42と固定具取付孔90d内面との摺動摩擦力以上の荷重であり、本体可撓部44の曲げ剛性の選定によって調整可能な値である。
また、ロックピン50のクリップ本体10への挿入荷重はピン爪部56と側壁22Lの長手方向中央部22Lcの内面との摺動摩擦力以上の荷重であり、ピン可撓部58の曲げ剛性の選定によって調整可能な値である。
ロックピン挿入荷重はクリップ本体挿入荷重より高く設定されている。
〔固定具のスペーサ〕
スペーサ70は、平面視で長方形状を有することが望ましい。ただし、長方形状に限るものではなく、楕円形状、円形状であってもよい。長方形状である場合、長方形状には、長方形状の角部を丸めた形状や長方形状の辺を湾曲させたり凹凸させた形状を含むものとする。図8の例では、スペーサ70は、平面視で長方形状を有し、この長方形状の長手方向中央部に脚部嵌合孔72が形成されており、この脚部嵌合孔72にて本体脚部40と嵌合する。スペーサ70は、脚部嵌合孔72のスペーサ長手方向両端よりも脚部嵌合孔72のスペーサ長手方向中心寄りのスペーサ部位からスペーサ70の長手方向両端にわたって形成された弾性変形部76を有している。弾性変形部76は、クリップ本体軸方向に弾性変形可能である。スペーサ70の長手方向両側に位置する弾性変形部76の間のスペーサ部分は、弾性変形部76よりも高い剛性(完全剛体ではなくてもよい)をもつ剛体部74とされている。スペーサ長手方向における剛体部74と弾性変形部76との境界は、脚部嵌合孔72のスペーサ長手方向両端よりも脚部嵌合孔72のスペーサ長手方向中心寄りにある。
スペーサ70がクリップ本体10の本体脚部40と嵌合した状態において、スペーサ70の弾性変形部76は、スペーサ70の長手方向両端に近づくにつれて本体頭部12からクリップ本体軸方向に離れる側に湾曲しているか、または傾斜して直線状に延びている。図6、図7は湾曲している場合を示す。スペーサ70の弾性変形部76は、以下に述べる第2の突起78bの部位を除きスペーサの長手方向両端に近づくにつれて板厚が薄くなっている。剛体部74の上面はほぼ平坦であり、クリップ本体中心軸線10aと直交している。
スペーサ70の長手方向と直交する方向には、スペーサ70は両端間の全長にわたって直線状に延びており、従来のような、長手方向と直交する方向の両端部に折れ曲がった弾性片をもたない。
本発明のスペーサ70の弾性変形部76および従来スペーサ170の弾性片176はクリップ本体軸方向圧縮力を受けた時に偏平状に近づく。本発明のスペーサ70は、ほぼ偏平状になった状態においてもほぼ偏平状になった従来スペーサ170の平面視外形形状から外側にはみ出さないように、変形前の平面視形状が、図10に示すように、従来スペーサ170の変形前の平面視形状の外形より所定量内側に位置するようにしてある。ここで、所定量とは、スペーサ70の変形後の外形が変形前の外形より拡大してもなお従来スペーサ170の変形後の外形からはみ出さない量である。これにより、スペーサ70のボデー90への取り付けエリアが従来より増えることがない。
図10に示すように、本発明のスペーサ70の弾性変形部76は従来スペーサ170の弾性片に比べて、弾性変形可能な部分の長さが、スペーサ70の自由状態において、スペーサ70の長方形状の長手方向に長い。そのため、クリップ本体軸方向の基準圧縮力に対する、クリップ本体軸方向における本発明のスペーサ70の弾性変形量が従来スペーサ170に比べて大きい。弾性変形量の増大分によって、図10のガタdが除去されるようにする。図11に示す例では、基準圧縮力(本体クリップ10およびスペーサ70のアッセンブリである固定具1のボデー90の固定具取付孔90dへの挿入荷重)が40Nである場合に、本発明のスペーサ70の弾性変形量は3.3mmであり、従来スペーサ170の弾性変形量の0.3mmの約11倍に増大している。この弾性変形量の増大分によって、弾性変形部76の先端がボデー90に当たって弾性変形部76がクリップ本体軸方向に圧縮弾性変形し、図10の従来スペーサ170の弾性片176とボデー90との間にあったガタdが除去される。
スペーサ70がクリップ本体10の本体脚部40と嵌合した状態におけるスペーサ70のクリップ本体頭部対向面の背面には、脚部嵌合孔72のスペーサ長手方向両端よりも脚部嵌合孔72のスペーサ長手方向中心寄りの部位に、クリップ本体軸方向に本体頭部から離れる方向に互いに同一面まで突出する複数の突起78が形成されている。スペーサ70をクリップ本体10に組み付ける時にスペーサ70は平坦な上面をもつ治具の上に載置されるが、突起78は、スペーサ70が治具の上に安定して載置され得るために設けられる。すべての突起78の先端が治具の上面に接するように、複数の突起78の先端は互いに同一面上に位置する。
図6−図9に示すように、複数の突起78は、スペーサ長手方向の中央部に位置する第1の突起78aと、第1の突起78aからスペーサ長手方向に隔たったスペーサ部位に位置する第2の突起78bとを含む。第2の突起78bはスペーサ70の弾性変形部76に位置していてもよい。その場合、弾性変形部76の第2の突起78bが位置する部分は、第2の突起78bにより剛性が大きくなるため、クリップ本体軸方向に弾性変形しないかまたはほとんど弾性変形しない。同様に、弾性変形部76は第1の突起78aが位置する部分は、第1の突起78aにより剛性が大きくなるため、クリップ本体軸方向に弾性変形しないかまたはほとんど弾性変形しない。第1の突起78aは、スペーサ長手方向と直交する方向に、スペーサ長手方向と直交する方向のスペーサの端部から脚部嵌合孔72の縁まで延びている。これに対し、第2の突起78bは、スペーサ長手方向と直交する方向に、スペーサ長手方向と直交する方向のスペーサの端部から脚部嵌合孔72の縁の手前位置まで延びている。
CSA固定装置2におけるスペーサ70の配置はつぎのとおりである。図10、図5において、クリップ本体10の本体脚部40が、CSA80に複数形成されたタブ80bの脚部挿通孔80cと、スペーサ70の脚部嵌合孔72とを挿通して、ボデー90に形成された固定具取付孔90dに押し込まれる。クリップ本体軸方向に本体頭部12、CSA80のタブ80b、スペーサ70、ボデー90の順となる。ついで、図3に示すように、ロックピン50がクリップ本体10のロックピン挿入穴20に本保持位置P2まで挿入されることにより、固定具1はボデー90に抜け外れないようにロックされる。この状態でスペーサ70の弾性変形部76はクリップ本体軸方向に圧縮弾性変形している。スペーサ70は、弾性変形部76の圧縮弾性変形により、本体頭部12とボデー90間の距離(首下長さ)のバラツキや首下長さの増大にかかわらず、本体頭部12、タブ80b、スペーサ70、ボデー90間にガタdが存在していればそのガタdを取り除いている。
つぎに、固定具1およびCSA固定装置2の作用、効果を説明する。
〔ロックピン本体、ロックピンの作用、効果〕
固定具1を用いて被取付部材、たとえばCSA80を車両のボデー90に取り付ける前には、ロックピン50が仮保持位置P1でクリップ本体10に取り付けられている状態で、固定具1が輸送され、取り扱われる。
被取付部材、たとえばCSA80を車両のボデー90に取り付ける際には、ロックピン50が仮保持位置P1で取り付けられているクリップ本体10の本体脚部40を、CSA80のタブ部80bの孔80cとスペーサ70の孔72に通し、ついで本体脚部40をボデー90の固定具取付孔90dに押し込む。係止爪42が固定具取付孔90d部位を通過する時には、係止爪42が本体可撓部44の弾性変形を伴ってクリップ本体中心軸線10a側に後退する。係止爪42が固定具取付孔90d部位を通り過ぎると係止爪42が本体可撓部44の弾性で外側位置に復帰し、クリップ本体10がボデー90に固定具取付孔90d部位にて装着される。
ついで、治具でロックピン50を仮保持位置P1から本保持位置P2に押し込む。本保持位置P2では、ロックピン50のピン脚部54が本体可撓部44とバックアップリブ48との間に来るので、係止爪42は本体可撓部44の弾性変形を伴ってクリップ本体中心軸線10a側に弾性変位することができなくなり、固定具1が固定具取付孔90d部位から抜け外れ不能にボデー90にロックされる。
従来は、固定具1の輸送中にクリップ同士が衝突する衝撃を受けることによりロックピン50が仮保持位置P1から本保持位置P2に押し込まれることがあった。あるいは、CSA80を車両のボデー90に取り付ける際、本体脚部40をボデー90の固定具取付孔90dに挿入する前に誤ってロックピン50が仮保持位置P1から本保持位置P2に押し込まれることがあった。その場合、係止爪42がクリップ本体中心軸線10a側に弾性変位できなくなり、本体脚部40を固定具取付孔90dに挿通することができなくなる。
しかし、本発明では、ロックピン50が仮保持位置P1にある時には、図1、図3に示すように、ロックピン50がクリップ本体10から突出していない。そのため、固定具1の輸送中に、クリップ同士が衝突して仮保持位置P1にあるロックピン50が本保持位置P2に押し込まれることが防止または抑制される。また、クリップ本体10をボデー90に取り付ける際に、指で仮保持位置P1にあるロックピン50を誤って押し込むことが抑制される。そのため、ロックピン50が仮保持位置P1から本保持位置P2に誤挿入されることが抑制される。その結果、固定具1の車両のボデー90への装着不能が起こらない。
また、本体頭部12のロックピン挿入穴20がその周りを一対の側壁22Lと一対の壁22Pで囲まれているので、クリップ本体10を一対の側壁22Lにてつまんでクリップ本体10をボデーのクリップ取付孔90dに押し込む時に、治具や指が仮保持位置P1にあるロックピン50に接触してロックピン50を仮保持位置P1から本保持位置P2まで誤挿入してしまうことが抑制される。
また、ロックピン挿入荷重がクリップ本体挿入荷重より高く設定されているので、クリップ本体10をボデー90の固定具取付孔90dに押し込む時にクリップ本体挿入荷重が誤ってロックピン50にかかっても、ロックピン50が本保持位置P2まで押し込まれることが抑制される。
〔スペーサの作用、効果〕
弾性変形部76がスペーサ70の脚部嵌合孔72のスペーサ長手方向両端よりも脚部嵌合孔72のスペーサ長手方向中心寄りの部位からスペーサ70の長手方向両端にわたって形成されているので、スペーサ70の弾性変形できる範囲、すなわち弾性変形部76のスペーサ長手方向の長さが従来スペーサ170の弾性片176のスペーサ長手方向の長さに比べてスペーサ長手方向に拡大する。
その結果、〔固定具1の固定具取付孔90dへの挿入荷重変化量〕/〔スペーサ70のクリップ本体軸方向弾性変形量〕の値が増大する。すなわち、基準挿入荷重、たとえば40Nに対するスペーサ70の弾性変形部76のクリップ本体軸方向弾性変形量が、図11に示すように、たとえば従来の0.3mmから本発明の3.3mmに増大する。それにもかかわらず、スペーサ70の長手方向長さは長くなっておらず、図10に示すように、自由状態ではかえって短くなっている。その結果、スペーサ70の長手方向長さを長くすることなくガタを吸収して適正な挿入荷重を得ることができ、クリップ本体10の本体頭部12とボデー90との間のクリップ本体軸方向距離(首下長さ)のバラツキおよび首下長さの長いクリップ本体10に対応できる。その結果、首下長さに合わせてスペーサ70を選択使用する必要がない。また、本体頭部12とボデー90との間での被取付部材(たとえば、CSA80)のガタツキを安定して抑制し、吸収できる。
また、スペーサ70の弾性変形部76が湾曲または傾斜しており、かつ、スペーサ70の長手方向両端に近づくにつれて厚さが薄くなっているので、弾性変形部76はその全長にわたってほぼ均一に弾性変形できる。その結果、根元部のみで変形するような構造の弾性変形部または弾性片に比べて、本発明スペーサ70では固定具1の挿入荷重変化量に対するスペーサ70の弾性変形部76のクリップ本体軸方向弾性変形量が増大する。
また、スペーサ70には、互いに同一面まで突出する複数の突起78が形成されているので、突起78を治具側に向けて治具上にセットしたスペーサ70を取り出してクリップ本体10に組み付ける際に、スペーサ70の治具上への載置が安定する。
また、固定具1を用いたCSA固定装置2において、スペーサ70が従来スペーサ170よりも大きく圧縮弾性変形することができ、クリップ本体10の本体頭部12とボデー90間の距離にバラツキがあっても、本体頭部12、CSAタブ80b、スペーサ70、ボデー90間のガタを吸収できる。その結果、CSA80の固定において、クリップ本体の首下長さのバラツキに応じてスペーサ70を選択使用する必要がなくなる。また、1種の固定具1を首下長さが異なる複数種の車両の固定具として共通に使用でき、複数種の車両にまたがって固定具1の共用化をはかることができる。
なお、本発明はCSA用固定具1に限定されない。他のロックピンタイプの固定具、たとえばCSAケーシングの固定具にも適用可能である。
また、弾性変形部76はスペーサ長手方向に沿って形成した場合を例にとって説明したが、これに限定されない。たとえば、弾性変形部76をスペーサ長手方向と直交する方向(短手方向)に沿って形成してもよい。
1 固定具
2 CSA固定装置
10 クリップ本体
10a クリップ本体中心軸線(クリップ本体軸芯)
12 本体頭部
20 ロックピン挿入穴
40 本体脚部
42 係止爪
50 ロックピン
50a ロックピン中心軸線(ロックピン軸芯)
52 ピン頭部
56 ピン爪部
70 スペーサ
72 脚部嵌合孔
74 剛体部
76 弾性変形部
78 突起
78a 第1の突起
78b 第2の突起
80 カーテンエアバッグ(CSA)
80b タブ
80c 脚部挿通孔
90 車両のボデー
90d 固定具取付孔

Claims (3)

  1. 本体頭部と本体脚部を有するクリップ本体と、
    該クリップ本体に挿入可能なロックピンと、
    中央部に脚部嵌合孔を有し該脚部嵌合孔にて前記クリップ本体の本体脚部と嵌合するスペーサと、
    を備えた固定具であって、
    前記スペーサは、該スペーサの平面視での一方向と平行な方向における前記脚部嵌合孔の両端よりも前記脚部嵌合孔の中心寄りのスペーサ部位から前記スペーサの平面視での一方向の両端にわたって形成されクリップ本体軸方向に弾性変形可能な弾性変形部を有しており、
    前記本体脚部の断面形状、前記スペーサの平面視形状、前記脚部嵌合孔の形状は、何れも長方形状であり、前記スペーサの一方向は前記長方形状スペーサの長手方向であり、
    前記スペーサの前記本体頭部対向面の背面には、前記脚部嵌合孔のスペーサ長手方向両端よりも前記脚部嵌合孔のスペーサ長手方向中心寄りの部位に、クリップ本体軸方向に前記本体頭部から離れる側に互いに同一面まで突出する複数の突起が形成されており、該複数の突起は、スペーサ長手方向の中央部に位置する第1の突起と、該第1の突起からスペーサ長手方向に隔たったスペーサ部位に位置する第2の突起とを含む、固定具。
  2. 前記スペーサの弾性変形部は、前記スペーサの長手方向両端に近づくにつれて前記本体頭部から離れる側に湾曲または傾斜しており、かつ、前記第2の突起の部位を除き前記スペーサの長手方向両端に近づくにつれて板厚が薄くなっている請求項記載の固定具。
  3. 請求項1または請求項2に記載の固定具を用いて被取付部材であるカーテンエアバッグを車両のボデーに固定するカーテンエアバッグ固定装置であって、
    前記クリップ本体の本体脚部が、前記カーテンエアバッグに複数形成されたタブの脚部挿通孔と、前記スペーサの脚部嵌合孔とを挿通して、前記ボデーに形成された固定具取付孔に押し込まれ、ロックピンがクリップ本体に本止め位置まで挿入されており、この状態で前記スペーサの弾性変形部はクリップ本体軸方向に圧縮弾性変形しており、
    前記スペーサは、前記弾性変形部の圧縮弾性変形により、本体頭部とボデー間の距離のバラツキにかかわらず、本体頭部とタブとスペーサとボデー間のガタを除去している、カーテンエアバッグ固定装置。
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