JP2014019825A - オレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

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【課題】長鎖分岐の導入や分子量分布を広げることを目的とした重合体の製造において、重合体の組成制御でき、重合体の成形加工性や機械的強度に優れるポリオレフィン重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】2種以上の遷移金属錯体を固体状担体に接触させた固体触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法であって、重合系内に活性プロトンを有する化合物を、オレフィン重合体収量に対して1ppm以上2000ppm以下の量を供給することにより、上記課題を解決する。
【選択図】なし

Description

本発明は、オレフィン重合体の製造方法に関する。さらに詳しくは、2種以上の遷移金属錯体を固体状担体に接触させた固体触媒を用いて製造するオレフィン重合体の製造方法に関する。
従来から、オレフィン(共)重合体を製造する際に用いる触媒として、ジルコノセンなどの遷移金属錯体と有機アルミニウムオキシ化合物(アルミノキサン)などの助触媒成分とからなるオレフィン重合用触媒が一般的である。中でも、スラリー重合あるいは気相重合を行う場合には、生成する重合体の粉体性状を良化させるため、遷移金属錯体や有機アルミニウムオキシ化合物をシリカゲルなどの固体状担体に担持させた固体触媒が用いられている(非特許文献1)。
近年、長鎖分岐の導入や分子量分布を広げることなどを目的として、複数種の遷移金属錯体を用いたオレフィン重合体の製造方法が開示されている(特許文献1〜3)。複数種の遷移金属錯体を用いて長鎖分岐を導入させたオレフィン重合体の生成機構として、1種以上の遷移金属錯体が末端にビニル基を有する重合体であるマクロモノマーを生成し、同一もしくは別の1種以上の遷移金属錯体が該マクロモノマーを共重合する、という機構が提案されている。ここでいう長鎖分岐とは、重合体中に含まれる絡み合い点間分子量以上の長さの分岐構造と定義され、長鎖分岐の導入により重合体の溶融物性および成形加工性は著しく変化することが知られている(非特許文献2)。
一方、オレフィン重合体は、使用用途に応じて様々な組成(分子量、分子量分布、密度など)が求められており、例えば分子量については、従来公知の制御方法として重合系内における水素濃度を変更する方法が一般的に知られている(非特許文献3)。
特開2009−144148号公報 特開2009−275207号公報 特開2011−006674号公報
Chem. Rev., 105, 4073-4147 (2005) 松浦一雄他編、「ポリエチレン技術読本」、工業調査会、2001年、p.32, 36 曽我和雄他編、「Catalytic Olefin Polymerization」、講談社サイエンティフィク、1990年、p.376
従来提案されているオレフィン重合体の製造方法では、長鎖分岐を導入した重合体の製造において、従来公知の重合体組成制御については、得られる重合体の成形加工性や機械的強度が大幅に低下するという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、重合体組成を制御でき、成形加工性ならびに機械的強度に優れたオレフィン重合体の製造方法を提供することにある。
本発明者は、重合体組成を精度よく制御でき、成形加工性ならびに機械的強度に優れたオレフィン重合体の製造方法を検討してきた。その過程で、下記に示すメカニズムを見出し、本発明を完成させた。
具体的には、複数種の遷移金属錯体を固体状担体に担持させた固体触媒を用いてオレフィン重合体を製造する場合には、単一の遷移金属錯体を固体状担体に担持させた固体触媒に比べ、重合体組成の制御方法が複雑化する。なぜなら、それぞれ単独の遷移金属錯体に由来する重合体組成(分子量、分子量分布、密度など)に加え、それぞれの遷移金属錯体に由来する重合体生成量比も、得られる重合体組成の変動因子となるためである。
それぞれの遷移金属錯体に由来する重合体生成量比は、固体状担体に担持させる際のそれぞれの遷移金属錯体の接触量比によって制御することが可能であるが、使用用途に応じて様々な組成が求められる環境においては、より多くの種類の固体触媒を準備する必要が生じるため、工業的生産には不利である。よって、遷移金属錯体の接触量比によるのではなく、重合条件によって様々な組成を作り分けられることが望ましい。
水素濃度など従来公知の制御方法は、それぞれ単独の遷移金属錯体に由来する重合体組成を少なからず変化させる。したがって、例えば、2種の遷移金属錯体を1種の固体状担体に担持させた固体触媒において、得られる重合体の分子量を低下させることを目的に、重合系内に導入する水素量を増加させると、より低分子量体を製造する遷移金属錯体から得られる重合体の分子量がさらに低下することで、成形体の機械的強度の低下させることがある。また重合系内の水素濃度が上昇した場合、水素への連鎖移動が促進されマクロモノマーとなる末端ビニル基含有重合体の生成量が減少することで得られる重合体における長鎖分岐導入量が減少し、成形加工性が低下することがある。
上記課題を解決するための本発明に係るオレフィン重合体の製造方法は、2種以上の遷移金属錯体を固体状担体に接触させた固体触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法であって、重合系内に活性プロトンを有する化合物を、オレフィン重合体収量に対して1ppm以上2000ppm以下の量を供給することを特徴とする。
この発明によれば、重合系内に活性プロトンを有する化合物を、オレフィン重合体収量に対して1ppm以上2000ppm以下の量を供給するので、長鎖分岐を導入した重合体の製造において、重合体の組成制御ができ、成形加工性や機械的強度に優れる。
本発明に係るオレフィン重合体の製造方法は、前記活性プロトンを有する化合物が、ポリアルキレンオキサイドブロック、高級脂肪族アミド、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイドアルキルエーテル、アルキルジエタノールアミン、およびポリオキシアルキレンアルキルアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
この発明によれば、活性プロトンを有する化合物が、特定の化合物であるので、重合体の組成制御を効率よく行うことができる。
本発明に係るオレフィン重合体の製造方法は、前記活性プロトンを有する化合物を、オレフィン重合体収量に対して100ppm以上2000ppm以下の量を供給することが好ましい。
この発明によれば、活性プロトンを有する化合物を、オレフィン重合体収量に対して100ppm以上2000ppm以下の量を供給するので、長鎖分岐を導入した重合体の製造において、重合体の組成制御が効率よく、また成形加工性や機械的強度により優れる。
本発明に係るオレフィン重合体の製造方法によれば、長鎖分岐の導入や分子量分布を広げることを目的とした重合体の製造において、重合体の組成制御でき、重合体の成形加工性や機械的強度に優れる。
本発明に係るオレフィン重合体のGPC分析結果である。
以下に、本発明に係るオレフィン重合体の製造方法について詳細に説明する。本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明に係るオレフィン重合体の製造方法は、2種以上の遷移金属錯体を固体状担体に接触させた固体触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法であって、重合系内に活性プロトンを有する化合物を、オレフィン重合体収量に対して1ppm以上2000ppm以下の量を供給する。以下、順に具体的に説明する。
本発明におけるオレフィン重合体の製造方法は、それぞれ単独の遷移金属錯体に由来する重合体組成は変化させず、各々の遷移金属錯体由来の重合体の生成量比を制御させることを目的とする。
本発明における「重合」は、単独重合だけでなく共重合を包含した意で用いられ、また「重合体」は単独重合体だけでなく共重合体を包含した意で用いられる。
2種以上の遷移金属錯体を用いたオレフィン重合であれば、触媒形態ならびに重合形態は何ら限定されるものではない。好ましい触媒形態としては、後述する遷移金属錯体(A)および(B)を1種の固体状担体(S)に接触させた固体触媒であり、好ましい重合形態としては、スラリー重合および気相重合が挙げられる。
<活性プロトンを有する化合物>
活性プロトンを有する化合物とは、遷移金属錯体、固体状担体、もしくは後述の「その他の構成成分(C)」のいずれかとの接触により、水素イオンの放出を伴う化学反応を起こす化合物である。具体的には、水、塩化水素、アルコール化合物、カルボン酸化合物、アミン化合物、チオール化合物、カルボニル化合物、アミド化合物、エーテル化合物、エステル化合物等が挙げられる。
また、特開2000−313717号公報、特開2004−277677号公報などで報告しているように、気相重合におけるシーティング抑制やスラリー重合におけるファウリング抑制の効果も同時に得られる。このことから、活性プロトンを有する化合物として、ポリアルキレンオキサイドブロック、高級脂肪族アミド、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイドアルキルエーテル、アルキルジエタノールアミン、およびポリオキシアルキレンアルキルアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いる。好ましくは、ポリアルキレンオキサイドブロック、高級脂肪族アミド、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイドアルキルエーテルであり、より好ましくは、ポリアルキレンオキサイドブロック、高級脂肪族アミドである。特に常温で液体であるものが取扱いの面で好ましい。
ポリアルキレンオキサイドブロックとしては、一般式 HO−(CH2CH2O)m−{CH2CH(CH3)O}n−(CH2CH2O)pHで表される、ポリエチレンオキサイドーポリプロピレンオキサイドーポリエチレンオキサイドブロックなどが挙げられる。式中、mおよびpは、1〜30、好ましくは1〜10の整数であり、nは、5〜50、好ましくは15〜50の整数である。
高級脂肪族アミドとしては、一般式 (Cm2m+1CO)N(CH2CH2OH)2 で表される、アルキルジエタノールアミドなどが挙げられる。式中、mは、1〜30、好ましくは8〜18の整数である。具体的には、オクチルジエタノールアミド、ノニルジエタノールアミド、ラウリルジエタノールアミド、セチルジエタノールアミド、ステアリルジエタノールアミドなどが挙げられ、ラウリルジエタノールアミドが特に好ましい。
ポリアルキレンオキサイドとしては、一般式 HO−(CH2CH2O)mHで表される、ポリエチレンオキサイド、およびHO−{CH2CH(CH3)O}nHで表されるポリプロピレンオキサイドなどが挙げられる。式中、mは、2〜30、好ましくは4〜10の整数であり、nは、2〜60、好ましくは3〜40の整数である。また、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類にアルキレンオキサイドを付加して得られるポリオキシアルキレンポリオールも好ましい。
ポリアルキレンオキサイドアルキルエーテルとしては、一般式 −(CH2CH2O)mH、および−{CH2CH(CH3)O}nHで表される、ポリオキシアルキレン基を有するエーテル化合物が挙げられる。式中、mは、2〜30であり、nは、2〜30の整数である。
アルキルジエタノールアミンとしては、一般式 (Cm2m+1)N(CH2CH2OH)2で表される。式中、mは、1〜30、好ましくは6〜20の整数である。具体的には、オクチルジエタノールアミン、ノニルジエタノールアミン、ラウリルジエタノールアミン、セチルジエタノールアミン、ステアリルジエタノールアミンなどが挙げられ、ラウリルジエタノールアミンが特に好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルアミンとしては、一般式(Cm2m+1)N{(CH2CH2O)nH}{(CH2CH2O)pH}で表される、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどが挙げられる。式中、mは、1〜30、好ましくは6〜20の整数であり、nは、2〜40、好ましくは2〜30の整数であり、pは、2〜40、好ましくは2〜30の整数である。
活性プロトンを有する化合物は、オレフィン重合体収量に対して1ppm以上2000ppm以下の量を重合系内に供給する。活性プロトンを有する化合物が1ppm以上であれば、長鎖分岐の導入や分子量分布を広げることを目的とした重合体の製造において、重合体の組成制御でき、重合体の成形加工性や機械的強度に優れる。ただし、溶媒やオレフィンガスなどの原材料中に微量の不純物として含まれる水分などの影響や、活性プロトンを有する化合物の供給量誤差による影響などを小さくし、長期間安定的にほぼ同一組成のオレフィン重合体が得られるようにするためには、オレフィン収量に対して100ppm以上供給されることが好ましい。
一方、2000ppmを超えて供給すると、重合溶媒およびガスの回収、精製処理への負荷が大きくなる場合や、十分な触媒性能が発現しない場合がある。
活性プロトンを有する化合物の重合系内への供給方法は、オレフィン重合体収量に対して活性プロトン規定の量を、重合開始前に全量を添加、重合中に間欠的に添加、重合中に連続的に添加する方法などがあるが、これらに限定されるものではない。
こうした規定量の活性プロトンを有する化合物を供給することにより、本発明に係るオレフィン重合体の製造方法では、従来の重合系内の水素濃度により分子量を低下させる方法に比べて、機械的強度を低下させる低分子量成分やマクロモノマーとなる末端ビニル基含有重合体の生成量の減少が抑制され、成形加工性ならびに機械的強度の大幅な低下がなく、得られる重合体の分子量を変化させることが可能となる。
<遷移金属錯体(A)、(B)>
遷移金属錯体(A)
本発明で用いられる遷移金属錯体(A)は、好適な例として、下記一般式(I)もしくは(II)で表される遷移金属錯体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2014019825
上記一般式(I)中、Mは周期表第4族遷移金属原子を示し、具体的には、チタン、ジルコニウム、およびハフニウムから選ばれる遷移金属原子であり、好ましくはジルコニウムである。
1〜R12は、水素原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、およびスズ含有基から選ばれ、互いに同一でも異なっていてもよく、また隣接する2個の基が互いに連結して環を形成してもよい。
炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基およびアリールアルキル基などが挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、ノニル基、ドデシル基およびエイコシル基などが挙げられる。シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基およびアダマンチル基などが挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基およびシクロヘキセニル基などが挙げられる。アリール基としては、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、α−またはβ−ナフチル、メチルナフチル、アントラセニル、フェナントリル、ベンジルフェニル、ピレニル、アセナフチル、フェナレニル、アセアントリレニル、テトラヒドロナフチル、インダニルおよびビフェニリルが挙げられる。アリールアルキル基としては、ベンジル、フェニルエチルおよびフェニルプロピルなどが挙げられる。
1〜R12に好ましい基は、水素原子および炭化水素基であり、より好ましくはR1〜R4が水素原子であり、R5〜R12が水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。
1は、二つの配位子を結合する二価の基であって、アルキレン基、置換アルキレン基、およびアルキリデン基などの炭素数1〜20の炭化水素基ならびにハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、およびスズ含有基から選ばれる基である。好ましくは、アルキレン基、置換アルキレン基およびアルキリデン基などの炭素数1〜20の炭化水素基ならびにケイ素含有基であり、特に好ましくはアルキレン基、置換アルキレン基およびアルキリデン基などの炭素数1〜10の炭化水素基である。
アルキレン基、置換アルキレン基およびアルキリデン基の具体例としては、メチレン、エチレン、プロピレンおよびブチレンなどのアルキレン基;イソプロピリデン、ジエチルメチレン、ジプロピルメチレン、ジイソプロピルメチレン、ジブチルメチレン、メチルエチルメチレン、メチルブチルメチレン、メチル−t−ブチルメチレン、ジヘキシルメチレン、ジシクロヘキシルメチレン、メチルシクロヘキシルメチレン、メチルフェニルメチレン、ジフェニルメチレン、ジトリルメチレン、メチルナフチルメチレン、ジナフチルメチレン、1−メチルエチレン、1,2−ジメチルエチレンおよび1−エチル−2−メチルエチレンなどの置換アルキレン基;シクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデン、ビシクロ[3.3.1]ノニリデン、ノルボルニリデン、アダマンチリデン、テトラヒドロナフチリデンおよびジヒドロインダニリデンなどのシクロアルキリデン基ならびにエチリデン、プロピリデンおよびブチリデンなどのアルキリデン基などが挙げられる。
ケイ素含有基としては、シリレン、メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジイソプロピルシリレン、ジブチルシリレン、メチルブチルシリレン、メチル−t−ブチルシリレン、ジシクロヘキシルシリレン、メチルシクロヘキシルシリレン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジトリルシリレン、メチルナフチルシリレン、ジナフチルシリレン、シクロジメチレンシリレン、シクロトリメチレンシリレン、シクロテトラメチレンシリレン、シクロペンタメチレンシリレン、シクロヘキサメチレンシリレンおよびシクロヘプタメチレンシリレンなどが挙げられ、特に好ましくは、ジメチルシリレン基およびジブチルシリレン基などのジアルキルシリレン基が挙げられる。
Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基、およびリン含有基から選ばれる原子または基であり、好ましくはハロゲン原子または炭化水素基である。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素が挙げられ、特に好ましくは塩素が挙げられる。
一般式(I)で表される遷移金属錯体(A)の好ましい化合物の具体例として、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドおよびジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジーp−トリルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられ、特に好ましい具体例として、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジーp−トリルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
Figure 2014019825
上記一般式(II)中、Mは周期表第4族遷移金属原子を示し、具体的には、チタン、ジルコニウム、およびハフニウムから選ばれる遷移金属原子であり、好ましくはジルコニウムである。
13〜R24は、水素原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、およびスズ含有基から選ばれ、互いに同一でも異なっていてもよく、また隣接する2個の基が互いに連結して環を形成してもよい。これらの具体例については、上記一般式(I)と同様である。
2は、二つの配位子を結合する二価の基であって、アルキレン基、置換アルキレン基およびアルキリデン基などの炭素数1〜20の炭化水素基ならびにハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれる基であり、好ましくは、アルキレン基、置換アルキレン基、およびアルキリデン基などの炭素数1〜20の炭化水素基ならびにケイ素含有基であり、特に好ましくはアルキレン基、置換アルキレン基、およびアルキリデン基などの炭素数1〜10の炭化水素基である。これらの具体例については、上記一般式(I)と同様である。
Xは、上記一般式(I)中のXと同様である。
一般式(II)で表される遷移金属錯体(A)の好ましい化合物の具体例として、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)チタニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(4−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(5−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2,4−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(5−メトキシ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2,4−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−シクロヘキシル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)シリレンビス(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−クロロフェニル)シリレンビス(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−アセナフトシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2−メチル−4,5−ベンゾ−1−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、などが挙げられ、特に好ましい具体例として、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2−メチル−4,5−ベンゾ−1−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
遷移金属錯体(B)
本発明で用いられる遷移金属錯体(B)は、好適な例として、下記一般式(III)もしくは(IV)で表される遷移金属錯体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2014019825
上記一般式(III )中、Mは周期表第4族遷移金属原子を示し、具体的には、チタン、ジルコニウム、およびハフニウムから選ばれる遷移金属原子であり、好ましくはジルコニウムである。
25〜R32は、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、およびスズ含有基から選ばれ、互いに同一でも異なっていてもよいが、すべてが同時に水素原子ではない。また、R25〜R32は、隣接する基が互いに結合して脂肪族環を形成してもよい。これらの具体例については、上記一般式(I)と同様である。
3は二つの配位子を結合する二価の基であって、アルキレン基、置換アルキレン基およびアルキリデン基などの炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、およびスズ含有基から選ばれる基であり、特に好ましくはケイ素含有基である。これらの具体例については、上記一般式(I)と同様である。
Xは、上記一般式(I)中のXと同様である。
上記一般式(III)で表される遷移金属錯体(B)の好ましい化合物の具体例として、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(3-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−オクチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジブチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−オクチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、トリフルオロメチルブチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、トリフルオロメチルブチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、トリフルオロメチルブチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−オクチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられ、より好ましい具体例として、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドおよびジメチルシリレン(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
Figure 2014019825
上記一般式(IV)中、Mは周期表第4族遷移金属原子を示し、具体的には、チタン、ジルコニウム、およびハフニウムから選ばれる遷移金属原子であり、好ましくはジルコニウムである。mは、1〜4の整数を示し、R33は、下記一般式(V)または(VI)で表される炭素数1〜30の炭化水素基であり、R34〜R38は、水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、およびスズ含有基から選ばれ、互いに同一でも異なっていてもよい。また、隣接する基が互いに結合して環を形成してもよい。また、mが2の場合にはR34〜R38で示される基のうち2個の基が連結されていてもよい(但し、R33同士が結合されることはない)。Xは、上記一般式(I)中のXと同様であり、nはMの価数を満たす数である。nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 2014019825
(式中、Raは水素原子、脂肪族炭化水素基または脂環族炭化水素基を示し、Rb、Rcは水素原子あるいはメチル基を示し、互いに同一でも異なっていてもよい)
Figure 2014019825
(式中、破線は2つのC'が直接結合するか、炭素数1以上の炭化水素基により、2つのC'と結合していることを示す)
33の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ヘキシルなどの直鎖状または分岐状のアルキル基;ビニル、アリル、イソプロペニルなどの直鎖状または分岐状のアルケニル基;エチニル、プロパルギルなどの直鎖状または分岐状のアルキニル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチルなどの環状飽和炭化水素基;インデニル、インデニル、フルオレニルなどの環状不飽和炭化水素基;フェニル、ナフチル、ビフェニル、ターフェニル、フェナントリル、アントラセニルなどのアリール基;トリル、イソプロピルフェニル、tert−ブチルフェニル、ジメチルフェニル、ジ-tert−ブチルフェニルなどのアルキル置換アリール基などが挙げられる。
34〜R38の例としては、R33と同様の炭化水素基が挙げられ、炭化水素基は、水素原子がハロゲンで置換されていてもよく、たとえば、トリフルオロメチル、ペンタフルオロフェニル、クロロフェニルなどのハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
また、上記炭化水素基は、他の炭化水素基で置換されていてもよく、たとえば、ベンジル、クミル、2,2−ジフェニルエチル、トリフェニルメチルなどのアリール基置換アルキル基などが挙げられる。
さらに、上記炭化水素基は、ヘテロ環式化合物残基、アルコシキ、アリーロキシ、エステル、エーテル、アシル、カルボキシル、カルボナート、ヒドロキシ、ペルオキシ、カルボン酸無水物などの酸素含有基、アミノ、イミノ、アミド、イミド、ヒドラジノ、ヒドラゾノ、ニトロ、ニトロソ、シアノ、イソシアノ、シアン酸エステル、アミジノ、ジアゾ、アンモニウム塩などの窒素含有基、ボランジイル、ボラントリイル、ジボラニルなどのホウ素含有基、メルカプト、チオエステル、ジチオエステル、アルキルチオ、アリールチオ、チオアシル、チオエーテル、チオシアン酸エステル、イソチアン酸エステル、スルホンエステル、スルホンアミド、チオカルボキシル、ジチオカルボキシル、スルホ、スルホニル、スルフィニル、スルフェニルなどのイオウ含有基、ホスフィド、ホスホリル、チオホスホリル、ホスファトなどのリン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を有していてもよい。
これらのうち、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ターフェニル、フェナントリル、アントラセニルなどの炭素数6〜30、特に好ましくは炭素数6〜20のアリール基、さらにこれらのアリール基にハロゲン原子、炭素数1〜30、特に好ましくは炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、炭素数6〜30、特に好ましくは炭素数6〜20のアリール基またはアリーロキシ基等の置換基が1〜5個置換した置換アリール基などが挙げられる。
ハロゲン含有基としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。
ヘテロ環式化合物残基としては、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジンなどの含窒素化合物、フラン、ピランなどの含酸素化合物、チオフェンなどの含硫黄化合物残基、およびこれらのヘテロ環式化合物残基に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、アルコキシ基などが置換した基などが挙げられる。
ケイ素含有基としては、シリル、シロキシ、炭化水素置換シリル、炭化水素置換シロキシ基などが挙げられ、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、トリフェニルシリルなどが好ましく、特にトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリルが好ましい。
34〜R38は、これらのうちの2個以上の基、好ましくは隣接する基が互いに連結して脂肪環、芳香環、または窒素原子等の異原子を含む炭化水素環を形成していてもよく、これらの環はさらに置換基を有していてもよい。
nはMの価数を満たす数であり、具体的には0〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
<固体状担体(S)>
固体状担体(S)は、無機または有機化合物であって、顆粒状または微粒子状の固体である。
無機化合物としては、多孔質酸化物、無機塩化物などの無機ハロゲン化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が挙げられる。
多孔質酸化物としては、具体的には、SiO2、Al23、MgO、ZrO、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、ThO2等、またはこれらを含む複合物または混合物、例えば天然または合成ゼオライト、SiO2−MgO、SiO2−Al23、SiO2−TiO2、SiO2−V25、SiO2−Cr23、SiO2−TiO2−MgOなどを使用することができる。これらのうち、SiO2を主成分とするものが好ましい。ここで、「主成分」とはSiO2が50重量%以上含まれることをいう。
なお、無機酸化物は、少量のNa2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4、Al2(SO43、BaSO4、KNO3、Mg(NO32 、Al(NO33 、Na2O、K2O、Li2O等の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有してもよい。
多孔質酸化物は、種類および製法によりその性状は異なるが、本発明で用いられる固体状担体としては、粒径が通常0.2〜300μm、好ましくは1〜200μm、比表面積が通常50〜1200m2/g、好ましくは100〜1000m2/gの範囲、細孔容積が通常0.3〜30cm3/gの範囲にあるものが好ましい。このような担体は、必要に応じて、例えば、100〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して用いられる。
無機ハロゲン化物としては、具体的には、MgCl2、MgBr2、MnCl2、MnBr2等が用いられる。無機ハロゲン化物は、そのまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミルにより粉砕した後に用いてもよい。また、アルコール等の溶媒に無機ハロゲン化物を溶解させた後、析出剤によって微粒子状に析出させたものを用いることもできる。
粘土は、通常、粘土鉱物を主成分として構成される。また、イオン交換性層状化合物は、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を有する化合物であり、含有するイオンが交換可能なものである。大部分の粘土鉱物はイオン交換性層状化合物である。また、これらの粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、天然産に限らず、人工合成物を使用することもできる。
イオン交換性層状化合物としては、六方細密パッキング型、アンチモン型、CdCl2型、CdI2型等の層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物などを挙げることができる。
粘土、粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイトなどが挙げられ、イオン交換性層状化合物としては、α−Zr(HAsO42・H2O、α−Zr(HPO42、α−Zr(KPO42・3H2O、α−Ti(HPO42、α−Ti(HAsO42・H2O、α−Sn(HPO42・H2O、γ−Zr(HPO42、γ−Ti(HPO42、γ−Ti(NH4PO42・H2Oなどの多価金属の結晶性酸性塩等が挙げられる。
こうした粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物は、水銀圧入法で測定した半径20Å以上の細孔容積が、好ましくは0.1cm3/g以上、より好ましくは0.3〜5cm3/g。ここで、細孔容積は、水銀ポロシメーターを用いた水銀圧入法により、細孔半径20Å〜3×104Åの範囲について測定される。
半径20Å以上の細孔容積が0.1cm3/gより小さいものを担体として用いた場合には、高い重合活性が得られにくい傾向がある。
粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理等、いずれも使用できる。化学処理として具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理等が挙げられる。酸処理は、表面の不純物を取り除く他、結晶構造中のAl、Fe、Mg等の陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。また、塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体等を形成し、表面積や層間距離を変えることができる。
イオン交換性層状化合物は、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと交換することにより、層間が拡大した状態の層状化合物であってもよい。このような嵩高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担っており、通常、ピラーと呼ばれる。また、このように層状化合物の層間に別の物質を導入することをインターカレーションという。インターカレーションするゲスト化合物としては、TiCl4、ZrCl4等の陽イオン性無機化合物、Ti(OR)4、Zr(OR)4、PO(OR)3、B(OR)3などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基等)、[Al134(OH)24]7+、[Zr4(OH)14]2+、[Fe3O(OCOCH36+等の金属水酸化物イオン等が挙げられる。これらの化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。また、これらの化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)4、Al(OR)3、Ge(OR)4などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基等)等を加水分解して得た重合体、SiO2等のコロイド状無機化合物等を共存させることもできる。また、ピラーとしては、上記金属水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物等が挙げられる。
粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物は、そのまま用いてもよく、またボールミル、ふるい分け等の処理を行った後に用いてもよい。また、新たに水を添加吸着させ、あるいは加熱脱水処理した後に用いてもよい。さらに、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、有機化合物としては、粒径が1〜300μmの範囲にある顆粒状あるいは微粒子状固体などを挙げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数2〜14のオレフィンを主成分とする(共)重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレン、ジビニルベンゼンを主成分とする(共)重合体、およびそれらの変成体を例示することができる。
<その他の構成成分>
本発明に係るオレフィン重合用触媒の製造方法においては、遷移金属錯体(A),(B)および固体状担体(S)に加え、必要に応じて、下記のその他の成分をさらに用いることができる。
成分(C)
成分(C)は、下記(c−1)〜(c−3)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
(c−1)下記一般式(VII)、(VIII)、または(IX)で表される有機金属化合物
d mAl(ORenpq・・・(VII)
〔一般式(VII)中、RdおよびReは、炭素数が1〜15の炭化水素基を示し、互いに同一でも異なっていてもよく、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。〕
aAlRf 4・・・(VIII)
〔一般式(VIII)中、Maはリチウム原子、ナトリウム原子、またはカリウム原子を表し、Rfは炭素数1〜20の置換されていてもよい炭化水素基を示す。〕
ba s・・・(IX)
〔一般式(IX)中、Rgは、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜20の置換されていてもよい炭化水素基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい。Mbはリチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、ルビジウム原子、セシウム原子、ベリリウム原子、マグネシウム原子、カルシウム原子、ストロンチウム原子、バリウム原子、亜鉛原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、鉛原子、アンチモン原子またはビスマス原子を表し、sはMの原子価に相当する数を表す。〕
(c−2)有機アルミニウムオキシ化合物
(c−3)遷移金属錯体(A)、(B)と反応してイオン対を形成する化合物
一般式(VII)、(VIII)、または(IX)で表される有機金属化合物(c−1)の中では、一般式(VII)で示されるものが好ましく、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウムおよびトリオクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;ならびにジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドおよびジイソヘキシルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライドなどが挙げられる。これらは、単独または2種以上を組み合わせて用いられる。
また、一般式(IX)の例としては、特開2003−171412号公報などに記載されたジアルキル亜鉛化合物などが挙げられ、フェノール化合物などと組合せて用いることもできる。
有機アルミニウムオキシ化合物(c−2)としては、トリアルキルアルミニウムまたはトリシクロアルキルアルミニウムから調製された有機アルミニウムオキシ化合物が好ましく、トリメチルアルミニウムまたはトリイソブチルアルミニウムから調製されたアルミノキサンが特に好ましい。このような有機アルミニウムオキシ化合物は、単独または2種以上を組み合わせて用いられる。
遷移金属錯体(A)、(B)と反応してイオン対を形成する化合物(c−3)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、およびUS5321106などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物や、さらにはヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物を制限なく使用することができる。
本発明においては、触媒として用いられる上記遷移金属錯体(A),(B)に加えて、アルミノキサン等の有機アルミニウムオキシ化合物(c−2)を助触媒成分として用いると、非常に高い重合活性を示す。したがって、有機アルミニウムオキシ化合物(c−2)を成分(C)として用いることが好ましい。
成分(C)と固体状担体(S)との接触時間は、通常0.1〜48時間、好ましくは0.1〜20時間であり、接触温度は、通常−50〜200℃、好ましくは−20〜120℃である。また、成分(C)と固体状担体(S)との接触モル比(成分(C)/固体状担体(S))は、通常0.1〜1000、特に好ましくは0.1〜100である。
なお、特開平11−140113号公報、特開2000−38410号公報、特開2000−95810号公報、およびWO2010/55652A1などに記載された方法で、成分(C)を不溶化させて得られる固体成分を、固体状担体(S)として用いることもできる。
<遷移金属錯体(A)および(B)の使用量比>
遷移金属錯体(A)および(B)の使用量比は、オレフィン重合体の分子量および分子量分布から任意に決定できるが、好ましい範囲として、遷移金属錯体(A)から生成する重合体と遷移金属錯体(B)から生成する重合体との比率[=遷移金属錯体(B)由来の重合体量/遷移金属錯体(A)由来の重合体量]が、通常、30/70〜99.5/0.5、好ましくは40/60〜99/1である。比率がこの範囲にあると、重合体の組成を制御でき、重合体の成形加工性や機械的強度に優れる。
ここで、遷移金属錯体(A)および(B)由来の重合体生成比率の算出方法について説明する。
後述のGPC測定法により得られる、オレフィン重合体の分子量分布曲線は実質的に2つもしくは3つのピークから構成される。1番低分子量側のピークは遷移金属錯体(B)に由来するピークであり、2番目のピークは遷移金属錯体(A)に由来するピークであり、3番目のピークは、遷移金属錯体(A)と(B)が後述の好ましい例の時に生成するピークであるが、これも遷移金属錯体(A)に由来するピークと見なす。そして、遷移金属錯体(B)に由来するピーク(すなわち、1番低分子量側のピーク)と遷移金属錯体(A)に由来するピーク(すなわち、2番目と3番目のピーク)との比率[=遷移金属錯体(B)に由来するピーク/遷移金属錯体(A)に由来するピーク]を、遷移金属錯体(A)から生成する重合体と遷移金属錯体(B)から生成する重合体との比率[=遷移金属錯体(B)由来の重合体量/遷移金属錯体(A)由来の重合体量]として定義する。
各ピークの比率は、オレフィン重合体の分子量分布曲線(G1)と、遷移金属錯体(B)と、固体状担体(S)とからなる固体触媒(すなわち、遷移金属錯体(A)を含まない触媒)を用いたことを除き、オレフィン重合体を得るときと同様の条件にて重合して得られた重合体の分子量分布曲線(G2)と、遷移金属錯体(A)と固体状担体(S)とからなる固体触媒(すなわち、遷移金属錯体(B)を含まない触媒)を用いたことを除き、オレフィン重合体を得るときと同様の条件にて重合して得られた重合体の分子量分布曲線(G3)と、を用いて、下記の方法により実施した。なお、本発明において「分子量分布曲線」という語は、特別の記載がない限り、微分分子量分布曲線を指してよい。また、分子量分布曲線について「面積」というときは、分子量分布曲線とベースラインとの間に形成される領域の面積をいう。
[1](G1)、(G2)、(G3)の各数値データにおいて、Log(分子量)を0.02間隔に分割し、さらに(G1)、(G2)、(G3)のそれぞれについて、面積が1となるように強度[dwt/d(log分子量)]を正規化する。
[2](G2)と(G3)との合成曲線(G4)を作成する。このとき、各分子量における(G1)の強度と(G4)の強度との差の絶対値が概ね0.0005以下となるように、(G2)および(G3)の各分子量における強度を一定の比率で任意に変更する。なお、高分子量側では生成する第3ピークの影響により、(G1)の強度と(G4)の強度との差の絶対値が0.0005より大きくなってしまうことがあるため、より低分子量側で(G1)の強度と(G4)の強度との差の絶対値が0.0005以下となるように、(G2)および(G3)の強度を変更していく。
[3](G1)における最大重量分率での分子量をピークトップとしたときに、当該ピークトップより高分子量側における(G1)と(G4)との重なり合わない部分、すなわち、(G1)と(G4)との差分曲線(G5)を作成したときに、当該差分曲線(G5)において、(G1)における最大重量分率での分子量より高分子量側に現れるピーク部分[(G1)−(G4)]を、上記「3番目のピーク」とする。
[4] 遷移金属錯体(A)に由来するピークの比率Wa、遷移金属錯体(B)に由来するピークの比率Wbを以下の通り算出する。
Wa=S(G3)+S(G5)
Wb=S(G2)
ここで、S(G2)、S(G3)はそれぞれ強度を変更した後の(G2)、(G3)の面積であり、S(G5)は(G5)の面積である。
たとえば、(G4)が、(G2)の強度をx倍したものに、(G3)の強度をy倍したものを加算することにより得られた場合、上記[1]に記載した正規化によって元の(G2)および(G3)の面積は共に1とされていることから、S(G2)、S(G3)、S(G4)、S(G5)は、それぞれx、y、(x+y)、1−(x+y)となる。したがって、WaおよびWbは、xおよびyを用いて、それぞれ以下のように表すことができる。
Wa=1−x
Wb=x
なお、分子量分布曲線は、ウォーターズ社製ゲル浸透クロマトグラフallianceGPC2000型(高温サイズ排除クロマトグラフ)を用い、以下のようにして算出する。
[使用装置および条件]
解析ソフト;クロマトグラフィデータシステムEmpower(Waters社)
カラム;TSKgel GMH6− HT×2+TSKgel GMH6−HTL×2
(内径7.5mm×長さ30cm,東ソー社)
移動相;o−ジクロロベンゼン(和光純薬 特級試薬)
検出器;示差屈折計(装置内蔵)
カラム温度;140℃
流速;1.0mL/分
注入量;500μL
サンプリング時間間隔;1秒
試料濃度;0.15%(w/v)
分子量較正;単分散ポリスチレン(東ソー社)/分子量495〜分子量2060万
Z. Crubisic, P. Rempp, H. Benoit, J. Polym. Sci., B5, 753 (1967) に記載された汎用較正の手順に従い、ポリエチレン分子量換算として分子量分布曲線を作成する。
<オレフィン重合用触媒の製造方法>
本発明に係るオレフィン重合用触媒の製造方法において、上記遷移金属錯体(A),(B)、および必要により好適に用いられるその他の成分(C)を、固体状担体(S)と接触させる際に、各接触を溶媒中で行うことが好ましい。
溶媒として、不活性炭化水素などが挙げられ、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカンおよび灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンおよびメチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロロベンゼンおよびジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などが挙げられる。
各成分の添加順序は任意であるが、好ましい順序としては、例えば、
i)成分(C)と固体状担体(S)とを接触させ、次いで成分(A)および成分(B)を接触させて調製する方法
ii)成分(A)および成分(B)と固体状担体(S)とを接触させ、次いで成分(C)を接触させて調製する方法
iii)成分(A)、成分(B)、および成分(C)を混合接触させた後に、固体状担体(S)を接触させて調製する方法
などが挙げられ、より好ましいのはi)の方法である。
<予備重合触媒成分>
本発明に係るオレフィン重合用触媒は、上述したように、2種の遷移金属錯体(A)、(B)と固体状担体(S)とを接触させることにより固体触媒成分として調製することができる。本発明では、このような固体触媒成分をそのまま重合系に挿入して用いてもよいが、固体触媒成分に事前にオレフィンを予備重合させ、予備重合触媒成分を形成させてから用いることもできる。すなわち、本発明に係るオレフィン重合用触媒は、遷移金属錯体(A)、(B)と固体状担体(S)とを接触させることにより得られる固体触媒成分それ自体であってもよいし、あるいは、この固体触媒成分にオレフィンを予備重合させることによって得られる予備重合触媒成分であってもよい。
予備重合触媒成分は、固体触媒成分の存在下、通常、不活性炭化水素溶媒中、オレフィンを導入させることにより調製することができ、回分式、半連続式、および連続式のいずれの方法でも使用することができ、また減圧、常圧、および加圧下のいずれでも行うことができる。この予備重合によって、固体状触媒成分1g当たり、通常0.01〜1000g、好ましくは0.1〜800g、より好ましくは0.2〜500gの重合体を生成させる。
不活性炭化水素溶媒中で調製した予備重合触媒成分は、懸濁液から分離した後、再び不活性炭化水素中に懸濁させ、得られた懸濁液中にオレフィンを導入してもよく、また、乾燥させた後オレフィンを導入してもよい。
予備重合に際して、予備重合温度は、通常、−20〜80℃、好ましくは0〜60℃であり、予備重合時間は、通常、0.1〜100時間、好ましくは1〜50時間である。
予備重合に使用する固体触媒成分の形態としては、上述したものに限らず利用することができる。また、必要に応じて成分(C)が用いられ、特に(c−1)中の上記式(VII)に示される有機アルミニウム化合物が好ましく用いられる。成分(C)が用いられる場合は、該成分(C)中のアルミニウム原子(Al−C)と遷移金属錯体中の遷移金属原子(M)とのモル比(アルミニウム原子(Al−C)/遷移金属原子(M))で、通常、0.1〜10000、好ましくは0.5〜5000である。
予備重合系における固体触媒成分(X)の濃度は、固体触媒成分/重合容積1リットル比で、通常1〜1000g/L、好ましくは5〜500g/Lである。
また、上記の成分(G)を、上記オレフィン重合用触媒の製造におけるいずれの工程に共存させてもよく、接触順序も任意である。また予備重合によって生成した予備重合触媒成分に接触させてもよい。
<エチレン系重合体の製造方法>
本発明に係るオレフィン重合体は、エチレン系重合体の製造に限定されるものではないが、例えば、エチレン単独重合体またはエチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体の製造に、本発明に係るオレフィン重合用触媒は、好適に用いることができる。このようなエチレン単独重合体や共重合体は、エチレンの単独重合、または、エチレンと炭素数4以上20以下のα−オレフィンとの共重合を、本発明に係るオレフィン重合用触媒の存在下で行うことにより得ることができる。
以下、本発明に係るエチレン系重合体の製造方法に関して説明する。
本発明に係るエチレン系重合体は、エチレンと炭素数4以上10以下のα−オレフィンとの共重合体、好ましくはエチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとの共重合体である。炭素数4のα−オレフィンを使用する場合には、炭素数6〜10のα-オレフィンもあわせて使用することが好ましい。エチレンとの共重合に用いられる炭素数4〜10のα−オレフィンとしては、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセンなどが挙げられる。
重合条件は、遷移金属錯体(A)および(B)が、反応容積1リットル当たり、通常10-12〜10-1モル、好ましくは10-8〜10-2モルになる量で用いられる。また、重合温度は、通常、−50〜200℃、好ましくは0〜170℃、より好ましくは30〜170℃の範囲である。重合圧力は、通常、常圧〜100kgf/cm2、好ましくは常圧〜50kgf/cm2の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式および連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに反応条件の異なる2種以上の条件下で多段反応として行うこともできる。
物性値のばらつきを抑制するため、重合反応により得られたエチレン系重合体粒子および所望により添加される他の成分は、任意の方法で溶融され、混練、造粒などが施される。
<重合体物性の測定方法>
メルトフローレート(MFR)は、ASTM D 1238−89法に準じて、190℃、2.16kg荷重の条件下で測定される。
密度は、測定サンプルを120℃で1時間熱処理し、1時間かけて直線的に室温まで徐冷した後、密度勾配管により測定される。
溶融張力(MT)は、以下の方法で測定したときの値である。溶融張力(MT)は、溶融されたポリマーを一定速度で延伸したときの応力を測定することにより決定される。測定には東洋精機製作所製、MT測定機を用いる。条件としては、樹脂温度190℃、溶融時間6分、バレル径9.55mmφ、押し出し速度15mm/分、巻取り速度24m/分(溶融フィラメントが切れてしまう場合には、巻取り速度を5m/分ずつ低下させる)、ノズル径2.095mmφ、ノズル長さ8mmで行う。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
[製造例1:固体状担体の調製]
内容積270Lの攪拌機付き反応器を用い、窒素雰囲気下、シリカゲル(富士シリシア株式会社製:レーザー光回折散乱法の体積分布の累積50%粒径70μm、比表面積340m2/g、細孔容積1.3cm3/g、250℃で10時間乾燥)10kgを77Lのトルエンに懸濁させた後、0〜5℃に冷却した。この懸濁液にメチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al原子換算で3.5mmol/mL)19.4リットルを30分間かけて滴下した。この際、系内温度を0〜5℃に保った。
次いで、0〜5℃で30分間接触させた後、1.5時間かけて系内温度を95℃まで昇温して、引き続き95℃で4時間接触させた。その後、常温まで降温して、上澄み液をデカンテーションにより除去し、さらにトルエンで2回洗浄した後、全量115リットルの固体状担体のトルエンスラリーを調製した。
得られたスラリー成分の一部を採取し濃度を調べたところ、スラリー濃度:122.6g/L、Al濃度:0.62mol/Lであった。
[製造例2:固体触媒成分の調製]
内容積200mLの攪拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、トルエンを30mL、および上記で得られた固体状担体のスラリー8.2mL(Al原子換算で5.1mmol)を装入した。
次に、遷移金属錯体(A)として、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液をZr原子換算で0.019mmol、遷移金属錯体(B)として、(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液をZr原子換算で0.006mmol滴下し、系内温度20〜25℃で1時間接触させた後、系内温度を75℃に昇温し、さらに2時間接触させた。30℃まで降温後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、さらにヘキサンを用いて2回洗浄した後、ヘキサンを加えて全量100ミリリットルとし、固体触媒成分のスラリーを調製した。
[製造例3:予備重合触媒成分の調製]
製造例2で得られた固体触媒成分スラリーを10℃まで冷却した後、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(DiBAl−H)2.5mmolを添加した。さらに常圧下でエチレンを系内に連続的に数分間供給した。この間系内の温度は10〜15℃に保持し、次いで1−ヘキセン0.36ミリリットルを添加した。1−ヘキセン添加後、系内温度を35℃に昇温し、固体触媒成分に対して重量換算で3等量分のエチレンを重合させた。
その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンを用いて4回洗浄した後、ヘキサンを加えて全量を50mLとした。次に、系内温度を35℃に昇温した後、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ドデカンアミド(ケミスタット2500;三洋化成工業株式会社)40mgのヘキサン溶液を添加し、2時間接触させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンを用いて4回洗浄した。
次に、内容積100mLのガラス製シュレンク管に上記ヘキサンスラリーを移し、減圧下25℃にてヘキサンを減圧留去させることで、予備重合触媒成分4.0gを得た。得られた予備重合触媒の組成を調べたところ、予備重合触媒成分1g当たり、Zr原子が0.52mg含まれていた。
以下、実施例1〜4において、オレフィン重合体を製造した。
[実施例1]
内容積1LのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500mLを添加した後に、エチレンを流通させ液相および気相をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセン10mL、トリイソブチルアルミニウム0.375mmol、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(アデカ(登録商標)プルロニックL−71(株式会社ADEKA製))0.6mg、および製造例3で得られた予備重合触媒成分130mgを装入した後、80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。
得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥し、エチレン系重合体63.8gを得た(アデカプルロニックL−71供給量/重合体収量=10ppm)。重合体パウダーのMFRは1.2であり、GPC分析結果を図1に示す。
GPCピーク面積計算を行なったところ、(遷移金属錯体(B)由来の重合体量)/(遷移金属錯体(A)由来の重合体量)=68/32であった。
[実施例2]
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(アデカ(登録商標)プルロニックL−71(株式会社ADEKA製))を3.3mgに変更した以外は、実施例1と同様にして重合反応を行なった。
得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥し、エチレン系重合体52.6gを得た(アデカプルロニックL−71供給量/重合体収量=63ppm)。重合体パウダーのMFRは3.8であり、GPC分析結果を図1に示す。
GPCピーク面積計算を行なったところ、(遷移金属錯体(B)由来の重合体量)/(遷移金属錯体(A)由来の重合体量)=73/27であった。
[実施例3]
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(アデカ(登録商標)プルロニックL−71;株式会社ADEKA製)を15.0mg、予備重合触媒成分を180mgに変更した以外は、実施例1と同様にして重合反応を行なった。
得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥し、エチレン系重合体52.3gを得た(アデカプルロニックL−71供給量/重合体収量=287ppm)。重合体パウダーのMFRは30であり、GPC分析結果を図1に示す。
GPCピーク面積計算を行なったところ、(遷移金属錯体(B)由来の重合体量)/(遷移金属錯体(A)由来の重合体量)=88/12であった。
[実施例4]
内容積1.0m3の流動層型気相重合反応器において、表1に示す重合条件で連続的に反応器内にエチレン、窒素、1−ヘキセン、製造例1の予備重合触媒成分などを供給し、重合反応物は反応器より連続的に抜き出し、乾燥装置にて乾燥し、エチレン系重合体パウダーを得た。
得られたエチレン系重合体パウダーに耐熱安定剤として6−tert−ブチル−4−[3−[(2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ)プロピル]−2−メチルフェノール(スミライザー(登録商標)GP:住友化学株式会社製)850ppm、ステアリン酸カルシウム(日東化成工業株式会社製)210ppmを加え、株式会社東洋精機製作所製の二軸異方向20mmφ押出機を用い、設定温度200℃、スクリュー回転数100rpmの条件で溶融混練した後、ストランド状に押し出し、カットしてエチレン系重合体のペレットを得た。
得られたペレットを測定用試料として物性測定を行った結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例4のエチレン系重合体(α−1)の製造において、系内水素/エチレン比とN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ドデカンアミド(ケミスタット2500;三洋化成工業株式会社)供給量を変更した以外は、実施例4と同様にしてエチレン系重合体パウダーを得た。
得られたエチレン系重合体パウダーを用い、実施例4と同様の方法で測定用試料を作製し、物性測定を行った結果を表1に示す。
Figure 2014019825
実施例4と実施例5は同等のMFR値であるが、実施例4は系内水素/エチレン比が低く、ケミスタット2500供給量の多い実施例4は、実施例5に比べ溶融張力が向上した。

Claims (3)

  1. 2種以上の遷移金属錯体を固体状担体に接触させた固体触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法であって、
    重合系内に活性プロトンを有する化合物を、オレフィン重合体収量に対して1ppm以上2000ppm以下の量を供給することを特徴とする、オレフィン重合体の製造方法。
  2. 前記活性プロトンを有する化合物が、ポリアルキレンオキサイドブロック、高級脂肪族アミド、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイドアルキルエーテル、アルキルジエタノールアミン、およびポリオキシアルキレンアルキルアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン重合体の製造方法。
  3. 前記活性プロトンを有する化合物を、オレフィン重合体収量に対して100ppm以上2000ppm以下の量を供給することを特徴とする請求項1または2に記載のオレフィン重合体の製造方法。
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