JP2014019771A - 化合物、その製造方法及びカラーフィルタ - Google Patents

化合物、その製造方法及びカラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】高温での熱履歴を長時間に亘って受けても、輝度低下の小さい化合物及びそれを青色画素部に含有してなるカラーフィルタの提供。
【解決手段】式(I)で表される化合物。
Figure 2014019771

〔式中、R〜Rは同一でも異なっていても良い水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、もしくはフェニル基、Xは、(PMo18−y626−/6で表され、y=0〜3であり、Yは(SiMo12−z404−/4で表され、z=0〜3であり、a、bは、0<a<1、b=1−aである。〕
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、着色剤として用いた際に、高温における熱履歴があっても輝度低下の少ない着色物を提供できるトリアリールメタン系化合物およびそれからなる組成物、その製造方法及びそれを青色画素部に含有してなるカラーフィルタに関する。
液晶表示装置等のカラーフィルタは、赤色画素部(R)、緑色画素部(G)及び青色画素部(B)を有する。これらの各画素部は、いずれも有機顔料が分散した合成樹脂の薄膜が基板上に設けられた構造であり、有機顔料としては、赤、緑及び青の各色の有機顔料が用いられている。
これら画素部のうち、青色画素部を形成するための青色有機顔料としては、一般に、ε型銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:6)が用いられており、必要に応じて調色のために、これに紫色有機顔料のジオキサジンバイオレット顔料(C.I.ピグメントバイオレット23)が少量併用されている。
カラーフィルタを作成する際の有機顔料は、従来の汎用用途とは全く異なる特性、具体的には、液晶表示装置等の表示画面がより明るくなる様にする(高輝度化)等の要求がある。しかしながら、ε型銅フタロシアニン顔料にジオキサジンバイオレット顔料を併用したのでは、高輝度が達成できないことから、特に青色画素部(B)に用いる有機顔料には、高輝度化がとりわけ要求されている。
この様な高輝度化に対応するために、輝度の点においてはε型銅フタロシアニン顔料より優れた、C.I.ピグメントブルー1の様なトリアリールメタン顔料をカラーフィルタの青色画素部に用いることが最近検討されてきている(特許文献1〜2)。
また、下記式(III)で表される様に、トリアリールメタン顔料は、塩基性トリアリールメタン染料であるC.I.ベーシックブルー7を、リンモリブデン酸やリンタングステンモリブデン酸の様なコンプレックスアシッドでレーキ化して得られる。こうして得られたトリアリールメタン顔料は、カチオンの対イオンXが(PMo18−y626−/6であるとされている。
Figure 2014019771
〔但し、一般式(III)中、R、R、RおよびRは同一でも異なっていても良い水素原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、もしくはフェニル基、Xは、(PMo18−y626−/6で表され、y=1,2または3の整数であるヘテロポリオキソメタレートアニオンである。〕(特許文献3)
同様に、下記式(IV)で表される様にカチオンの対イオンがXが、(SiMoW12404−/4であるとされている。
Figure 2014019771
〔但し、一般式(IV)中、R、R、RおよびRは同一でも異なっていても良い水素原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、もしくはフェニル基、Xは、(SiMoW11404−/4で表されるヘテロポリオキソメタレートアニオンである。〕(特許文献4)
しかしながら、上記した様な化合物は、液晶パネル作成時の熱履歴により、輝度の低下、色相の変化を起こし、耐熱性に劣るという欠点があった。
特開2001−81348公報 特開2010−83912公報 WO2012039416公報 WO2012039417公報
本発明が解決しようとする課題は、高温における熱履歴があっても輝度低下の少ない着色物を提供できる。例えば、カラーフィルタの青色画素部の調製に用いた際に、高輝度で、高温においても長時間に亘って輝度に優れた液晶表示が可能となる液晶表示装置等を提供できる化合物及びこれを青色画素部に含有してなるカラーフィルタを提供することにある。
本発明者らは、前記実状に鑑みて鋭意検討した結果、特定の2種類のレーキアニオン種を同時にレーキ化したトリアリールメタン系化合物が、パネル作成時にかかる熱履歴の下でもカラーフィルタとしての性能である輝度が高く、着色物の耐熱性を顕著に改善できることを見出した。さらに、このトリアリールメタン系化合物と少量の酸化防止剤、とりわけフェノール系酸化防止剤を使用することで、従来のC.I.ピグメントブルー1に酸化防止剤を併用した場合よりも、熱履歴後の輝度が高く、着色物の耐熱性を顕著に改善できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記一般式(I)で表される化合物。
Figure 2014019771
〔但し、一般式(I)中、R、R、R、R、Rは同一でも異なっていても良い水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、もしくはフェニル基、Xは、(PMo18−y626−/6で表され、y=0,1,2または3の整数であり、Yは(SiMo12−z404−/4で表され、z=0,1,2または3の整数であり、a、bは、0<a<1、b=1−aであるヘテロポリオキソメタレートアニオン。〕
および上記化合物100部に対して酸化防止剤を0.1〜10部含有する組成物を提供する。
また本発明は、上記化合物およびそれからなる組成物を青色画素部に含有するカラーフィルタを提供する。
本発明の化合物は、一般式(I)で表される特定の2種類のレーキアニオン種を同時に塩基性トリアリールメタン染料とレーキ化した化合物であり、各々のヘテロポリオキソメタレートアニオンであるXまたはYをそれぞれ単独で塩基性トリアリールメタン染料とレーキ化して得られる各々の化合物に比べ、熱履歴の下でもカラーフィルタとしての性能である輝度が高く、着色物の耐熱性を顕著に改善できること、しかも公知のC.I.ピグメントブルー15:6とC.I.ピグメントバイレット23を併用する場合と比べても、熱履歴の下でも輝度の低下が顕著に少ないという格別な技術的効果を奏する。
また、一般式(I)で表される化合物100部に対して酸化防止剤が0.1〜10部含有する組成物は、酸化防止剤を添加しない系と比べると更に、耐熱性に優れており、長時間に亘りより明るい画像表示が可能な液晶表示装置等を提供できるという格別顕著な技術的効果も奏する。
トリアリールメタン系化合物とは、トリアリールメタン構造をカチオン部分に有する化合物の総称である。トリアリールメタン系化合物は、例えば、公知慣用のトリアリールメタン染料を、多塩基酸でレーキ化することで調製することが出来る。こうして得られた化合物は、水溶性である染料から、水不溶性の顔料となる。
化合物のアニオン部分としては、公知慣用の多塩基酸アニオンが挙げられる。中でも、カチオン部分の構造に由来する化合物としての色相が変化し難い、無機多塩基酸アニオンが好適に用いられる。この様な無機多塩基酸としては、例えば、リンモリブデン酸やリンタングステンモリブデン酸等のコンプレックスアシッドを用いることが出来る。
本発明で用いられる特定の化合物(A)は、C.I.ピグメントブルー1に比べてより耐熱性に優れる点で好ましい。好適な化合物としては、下記一般式(I)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014019771
〔但し、一般式(I)中、R、R、R、R、Rは同一でも異なっていても良い水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、もしくはフェニル基、Xは、(PMo18−y626−/6で表され、y=0,1,2または3の整数であり、Yは(SiMo12−z404−/4で表され、z=0,1,2または3の整数であり、a、bは、0<a<1、b=1−aであるヘテロポリオキソメタレートアニオン。〕
また、本発明の化合物(A)は、特定の2種類のレーキアニオン種である(PMo18−y626−/6で表され、y=0,1,2または3の整数であるヘテロポリオキソメタレートアニオン及び、(SiMo12−z404−/4で表され、z=0,1,2または3の整数であるヘテロポリオキソメタレートアニオンを予め混合し、2種類のヘテロポリオキソメタレートアニオンを同時に下記一般式(II)で表せる塩基性トリアリールメタン染料とレーキ化した化合物であり、各々のヘテロポリオキメタレートアニオンをそれぞれ単独でレーキ化して得られる各々の化合物およびそれらの単なる混合物と違い、高温における熱履歴の下でもカラーフィルタとしての性能である輝度が高く、着色物の耐熱性を顕著に改善できることを見出した。
Figure 2014019771
〔但し、一般式(II)中、R、R、R、R、Rは同一でも異なっていても良い水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、もしくはフェニル基、An−は、n価のアニオンを表し、nは任意の自然数を表す。〕
化合物(A)は、2種類のヘテロポリオキソメタレートアニオンを予め合わせて溶媒に溶解することで混合し、この溶液を用いてカチオンである塩基性トリアリールメタン染料をレーキ化し合成されるため、分子レベルで混合されたドーソン型およびケギン型のヘテロポリオキソメタレートアニオンとトリアリールメタンカチオンとの複雑なコンプレックスを形成している。
したがって、化合物(A)の化合物粒子内では、分子サイズの異なる2種類のヘテロポリオキソメタレートアニオンがトリアリールメタンカチオンの対アニオンとして共存しており、大きなサイズのドーソン型ヘテロポリオキソメタレートアニオンの間隙を埋めるように、小さなサイズのケギン型ヘテロポリオキソメタレートアニオンが存在する。このことは、X線回折スペクトルの測定により、各々単一のヘテロポリオキソメタレートアニオンでレーキ化した化合物のブラッグ角以外の角度に回折ピークが見られることから、単なる混合物ではなく、スタッキングの異なる化合物であることが示唆されている。
これらより、化合物(A)の化合物粒子の結晶性は、単一のヘテロポリオキソメタレートアニオンでレーキ化した化合物よりも向上し、高温における熱履歴を受けても高輝度を維持する化合物となった。
さらに、ドーソン型ヘテロポリオキソメタレートアニオンは、高温の熱履歴を受けても高輝度を維持すること、ケギン型ヘテロポリオキソメタレートアニオンは、同様な熱履歴を受けても色差が小さいというメリットがあり、本発明の化合物はこれらの良い点を合わせ持つことが判明した。
また、化合物(A)において、2種類のヘテロポリオキソメタレートアニオンをレーキ化して得ることができるが、それぞれのヘテロポリオキソメタレートアニオンの配合比としては、X/Y=0.966/0.034〜0.073/0.927のモル比率が熱履歴の下でも輝度低下が少なく好ましい。中でも、X/Y=0.895/0.105〜0.209/0.791のモル比率の配合比がさらに好ましい。
好ましいカチオン部分は、例えば、窒素原子上のR、RおよびRがエチル基かつR、Rが水素原子である場合〔ビクトリアピュアブルーBO(ベーシックブルー7)に相当〕、窒素原子上のRおよびRがいずれもメチル基かつRがフェニル基でありR、Rが水素原子である場合〔ビクトリアブルーB(ベーシックブルー26)に相当〕、窒素原子上のRおよびRがいずれもメチル基かつRがエチル基でありR、Rが水素原子である場合〔ビクトリアブルーR(ベーシックブルー11)に相当〕、窒素原子上のR、RおよびRがいずれもメチル基かつRがフェニル基、Rが水素原子である場合〔ビクトリアブルー4R(ベーシックブルー8)に相当〕、窒素原子上のR、RおよびRがエチル基かつRが水素原子であり、Rがメチル基である場合が挙げられる。カッコ内はカチオン部分の構造が同一である、対応する染料を指す。
化合物(A)は、上記した通り、市販のトリアリールメタン染料と、上記ヘテロポリ酸またはヘテロポリオキソメタレートアルカリ金属塩とを反応させることで容易に製造することが出来る。アニオンが塩化物イオンの上記染料を用いかつヘテロポリ酸を用いる場合には、脱塩化水素反応により、アニオンが塩化物イオンの上記染料を用いかつヘテロポリオキソメタレート金属塩を用いる場合には、脱アルカリ金属塩化物反応により、塩置換することで製造することが出来る。
上記ヘテロポリ酸を用いる脱塩化水素反応に比べて、ヘテロポリ酸をいったんヘテロポリオキソメタレートアルカリ金属塩としてから脱アルカリ金属塩化物反応を行う方が、塩置換を確実に行うことが出来、より収率高く化合物が得られるばかりでなく、副生成物がより少ない純度の高い化合物が得られるので好ましい。勿論、ヘテロポリオキソメタレートアルカリ金属塩は、再結晶等により精製してから用いることも出来る。
染料由来のカチオンは、一価であることから、アニオン源である、ヘテロポリ酸またはヘテロポリオキソメタレートアルカリ金属塩の使用量は、それらのイオン価に応じて、等モル数となる様に仕込んで上記反応を行うことが好ましい。
本発明で用いる化合物は、ヘテロポリ酸でレーキ化(水不溶化)する工程を含むので(或いはヘテロポリ酸でレーキ化(水不溶化)されているので)、製造工程中または製造後の何らかの工程で水を用いる場合、より確実な反応を行ったり、得られた化合物のレーキ構造が破壊されないようにするには、例えば、精製水、イオン交換水、純水等のような、金属イオンやハロゲンイオンの含有率が極力少ない水を用いることが好ましい。
勿論、こうして得られる特定の化合物(A)自体としても、酸化防止剤(B)を用いた際の効果をより高めるために、遊離イオンが少ない、純度の高い化合物(A)であることが好ましい。また、本発明の化合物をカラーフィルタ用途に用いる場合、使用する化合物(A)は、一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.30μmの化合物であることが好ましい。
本発明における一次粒子の平均粒子径とは、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子株式会社製)で視野内の粒子を撮影し、二次元画像上の、凝集体を構成する本発明の化合物(A)の一次粒子の50個につき、その長い方の径(長径)を各々求め、それを平均した値である。この際、試料である本発明の化合物(A)は、これを溶媒に超音波分散させてから顕微鏡で撮影する。また、透過型電子顕微鏡の代わりに走査型電子顕微鏡を使用してもよい。
本発明における酸化防止剤(B)とは、酸化劣化を防止する添加剤の総称であり、熱による酸化劣化を防止するもの(狭義の酸化防止剤)と、光(主に紫外線)による酸化劣化を防止するもの(狭義には、光安定剤と呼ばれる)とが包含される。
この様な酸化防止剤(B)は、ラジカルを捕捉し自動酸化の防止作用(ラジカル連鎖防止作用)を有するものと、ハイドロパーオキサイド(過酸化物)を無害なものに分解する作用(過酸化物分解作用)を有するものとがあり、前者は一次酸化防止剤、後者は二次酸化防止剤と呼ばれる。これら両方の作用を兼備した、一次二次両用酸化防止剤も知られている。一次酸化防止剤としては、例えば、フェノール系(ヒンダードフェノール系を含む)やアミン系(ヒンダードアミン系を含む)の各酸化防止剤が、二次酸化防止剤としては、例えば、硫黄系やリン系の各酸化防止剤が典型的なものである。
フェノール系酸化防止剤は、酸化防止に大変有用であるが、酸化されるとキノン化合物となり、着色する問題を有する。そのため、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤や硫黄系酸化防止剤と組み合わせると大変有効である。
アミン系酸化防止剤は、ヒンダードアミン系と芳香族アミン系がある。ヒンダードアミン系は、熱酸化防止作用はそれほど強くないが、光酸化防止作用は強力である。通常、フェノール系酸化防止剤より酸化防止効果は高いことが知られている。
硫黄系酸化防止剤は、パーオキサイド分解剤、自動酸化を抑制する作用を有する。パーオキシラジカルを補足することで、フェノール系酸化防止剤の再生作用も有することが知られている。
リン系酸化防止剤は、パーオキサイドの分解能やラジカルと直接反応して安定化する作用を有する。また自動酸化を受けやすいが、フェノール系酸化防止剤と併用される場合が多い。
前記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]−ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリエチレングリコール-ビス[3−(3−tertert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート-ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert-ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイト、6−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルベンズ[d,f][1.3.2]ジオキサホスフェピン、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、オクチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロ肉桂酸、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチル、カルシウムビス[3,5−ジ(tert−ブチル)−4−ヒドロキシベンジル(エトキシ)ホスフィナート]、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール、ヒドロキノン、アルキル化ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、DL-α-トコフェロール等が挙げられる。
前記アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、ビス(オクタデシル)ヒドロキシアミン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−6−tert−ブチル−p−クレゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリ アゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル−3−[3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコール(分子量約300)との縮合物、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体、2−[2−ヒドロキシ−3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1,3−ジオキソ−1H−イソインドール−2−イルメチル)−5−メチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル)オキシフェノール、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸−2,4−ジ−tert−ブチルフェニル、1,6−ヘキサメチレンビス(N,N−ジメチルセミカルバジド)、1,1,1’,1’−テトラメチル−4,4’−(メチレン−ジ−p−フェニレン)ジセミカルバジド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
前記アミン系酸化防止剤の中でも、特にヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、セバシン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸1,2,3−トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)4−トリデシル、メタクリル酸1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル、メタクリル酸2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ジブチルアミン1,3,5−トリアジン・N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミン・N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、デカン二酸ビス[2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチル オキシ)ピペリジン−4−イル]、2−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]−2−ブチルプロパン二酸ビス[1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル] 等が挙げられる。
前記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド、ビス[3−(ドデシルチオ)プロピオン酸]2,2−ビス[[3−(ドデシルチオ)−1−オキソプロピルオキシ]メチル)−1,3−プロパンジイル、3,3’ −チオビスプロピオン酸ジトリデシル等が挙げられる。
前記リン系酸化防止剤としては、例えば、亜リン酸トリフェニル、オクタデシルフォスファイト、亜リン酸 トリイソデシル、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、3,9−ビス(4−ノニルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(オクタデシルオキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチル−1−フェニルオキシ)(2−エチルヘキシルオキシ)ホスホラス、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェノキシ)ホスフィン、亜リン酸トリス(4−ノニルフェニル)、4,4’−イソプロピリデンジフェノールC12−15アルコールホスフィット、亜リン酸ジフェニル(2−エチルヘキシル)、ジフェニルイソデシルホスファイト、3,9−ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン等が挙げられる。
これら酸化防止剤(B)は、単独で用いることも出来るし、二種以上を併用することも出来る。
酸化防止剤(B)は、予め前記化合物(A)と混合してから、後記する被着色媒体に加えても良いし、予め混合せずにそれぞれを被着色媒体に加えても良い。なお前記化合物(A)と酸化防止剤(B)と混合して組成物とするに当たっては、少なくともこれらの一方を溶液または分散液としてから、両者を混合する様にすることで、両者とも固体の状態で混合する場合に比べれば、より均一に混合された組成物を得ることが出来る。
化合物(A)と、酸化防止剤(B)を液媒体に溶解または分散させた溶液や分散液とを混合した後、液媒体を除去することで、より均一に化合物(A)と酸化防止剤(B)とが混合した顔料組成物を調製することもできる。この混合は、攪拌下に行なうことが好ましい。化合物(A)と、酸化防止剤(B)水分散体とを、必要ならば加熱しながら混合攪拌することで、より確実に化合物(A)の表面に吸着させることができる。また、加圧加熱を行なうことで、単なる加熱の場合の化合物(A)粒子の表面への酸化防止剤(B)の吸着のみならず、化合物(A)粒子の細孔の様な空隙部分への酸化防止剤(B)分子の浸透を促進することができ、より吸着の効果が高まる。
このとき、液媒体として上記した様に水を用いる様にすると、液媒体として有機溶媒を用いて前記混合を行う場合に比べて、化合物(A)自体の結晶形状等の変化が少なく、色相変化を小さくすることが出来る。
本発明では、化合物(A)と酸化防止剤(B)の質量基準での割合は、通常、化合物(A)100部当たり、酸化防止剤(B)不揮発分0.1〜10部となる様に、中でも、0.1〜5部とすることが好ましい。
化合物(A)と酸化防止剤(B)の溶液や分散液とを混合して、酸化防止剤(B)を化合物(A)に吸着させた後の乾燥としては、任意の乾燥方法が採用できるが、高温の熱履歴がかからない乾燥方法である、スプレードライ乾燥や凍結乾燥等を採用することが好ましい。乾燥後の粉砕は、比表面積を大きくしたり一次粒子の平均粒子径を小さくするための操作ではなく、ランプ状等のとなった際に顔料を解して粉末化するために行うものであり、例えば、乳鉢、ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル等による粉砕等が挙げられる。こうして、化合物(A)と酸化防止剤(B)とを含有する組成物を主成分として含む乾燥粉末が得られる。
本発明者等の知見によれば、カラーフィルタ用途においては、公知のC.I.ピグメントブルー15:6とC.I.ピグメントバイレット23の顔料組成物やC.I.ピグメントブルー1は、酸化防止剤の添加前後において、輝度の耐熱性の改良効果が極めて小さいが、特定化合物(A)は、酸化防止剤の添加前後における、輝度の耐熱性の改良効果が特異的であり、前者化合物に酸化防止剤を添加した場合からは予測不能なほど、それが大きいことがわかっている。これは、特定化合物(A)が、カチオンと特定アニオンとからなっている特異的な構造を有していることで、高温の熱履歴に基づく退色が生起しやすいところ、その退色機構に酸化防止剤(B)が効果的に作用し、退色を抑制するからと推察される。
化合物(A)と酸化防止剤(B)とからなる組成物を調製するに当たっては、化合物(A)と酸化防止剤(B)とを、より強く確実の密接させるために、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の各種の皮膜形成性樹脂を少量併用することも出来る。
本発明の化合物およびそれからなる組成物は、公知慣用の用途にいずれも使用できるが、特に一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.10μmであると、顔料凝集も比較的弱く、着色すべき合成樹脂等の被着色媒体への分散性がより良好となる。
本発明の化合物およびそれからなる組成物は、カラーフィルタ青色画素部に使用する場合においては、カラーフィルタ用感光性組成物への顔料分散が容易であり、カラーフィルタ用感光性組成物を硬化する際に多用される365nmにおける遮光性は低下し、レジストの光硬化感度の低下がなく、現像時の膜へりやパターン流れも起こり難くなるので好ましい。近年要求されている鮮明度と明度とのいずれもが高いカラーフィルタ青色画素部がより簡便に得られる。
本発明の化合物およびそれからなる組成物の一次粒子は、更に縦横のアスペクト比が1〜3であると、各用途分野において粘度特性が向上し、流動性がより高くなる。アスペクト比を求めるには、まず、一次粒子の平均粒子径を求める場合と同様に、透過型電子顕微鏡または走査型電子顕微鏡で視野内の粒子を撮影する。そして、二次元画像上の、凝集体を構成する一次粒子の50個につき長い方の径(長径)と、短い方の径(短径)の平均値を求め、これらの値を用いて算出する。
本発明の化合物およびそれからなる組成物を、少なくともカラーフィルタの青色画素部に含有させることで、本発明のカラーフィルタを得ることが出来る。カラーフィルタ分野においては、従来の印刷インキや塗料の様な汎用用途とは異なり、彩度値の取扱いが大変厳密であり、極僅か彩度値の向上させるのにも困難を伴うが、本発明の化合物およびそれからなる組成物をカラーフィルタの調製に用いることにより、色純度が向上しより広いRGB色再現域の液晶表示装置が得られる。
化合物(A)を含有する本発明の顔料組成物は、カラーフィルタの青色画素部を得る場合に、特段に紫色顔料を調色のために併用する必要がないため、380〜780nmの全域における光透過率の低下も最小限に防止できる。特に、より高い着色力を有するため、同等の色濃度であれば、より少ない使用量で良いため、さらに透過率を上げることも出来、有利である。
本発明の化合物およびそれからなる組成物は、それだけをそのままカラーフィルタの青色画素部の製造に用いることが出来るが、必要ならば、経済性を考慮して、C.I.ピグメントブルー15:6やC.I.ピグメントバイオレット23の様な、公知慣用の青色や紫色の、顔料や顔料誘導体を併用しても良い。
本発明の化合物およびそれからなる組成物は、公知の方法でカラーフィルタの青色画素部のパターンの形成に用いることが出来る。例えば、本発明の化合物およびそれからなる組成物と、分散剤と、熱硬化性樹脂バインダと、有機溶剤とを含有する、カラーフィルタの画素部を形成するためのインクジェット記録用インクを調製することも出来るが、典型的には、本発明の化合物およびそれからなる組成物と、感光性樹脂とを必須成分として含ませることで、カラーフィルタ青色画素部用感光性組成物を得ることが出来る。
カラーフィルタの製造方法としては、例えば、本発明の化合物およびそれからなる組成物を感光性樹脂からなる分散媒に分散させた後、スピンコート法、ロールコート法、インクジェット法等でガラス等の透明基板上に塗布し、ついでこの塗布膜に対して、フォトマスクを介して紫外線によるパターン露光を行った後、未露光部分を溶剤等で洗浄して緑色パターンを得る、フォトリソグラフィーと呼ばれる方法が挙げられる。
その他、電着法、転写法、ミセル電解法、PVED(Photovoltaic Electrodeposition)法の方法で青色画素部のパターンを形成して、カラーフィルタを製造してもよい。なお、赤色画素部のパターンおよび緑色画素部のパターンも公知の顔料を使用して、同様の方法で形成できる。本発明の化合物およびそれからなる組成物は、熱履歴、光履歴を受けても輝度低下の少ないため、例えば、ベーキングを工程に含む様なカラーフィルタの製造方法においては、極めて有用である。
本発明の化合物およびそれからなる組成物は、従来公知の方法でカラーフィルタ画素部の形成に使用することができる。本発明の化合物およびそれからなる組成物の分散方法で代表的な方法としては、フォトリソグラフィー法であり、これは、後記する感光性組成物を、カラーフィルタ用の透明基板のブラックマトリックスを設けた側の面に塗布、加熱乾燥(プリベーク)した後、フォトマスクを介して紫外線を照射することでパターン露光を行って、画素部に対応する箇所の感光性化合物を硬化させた後、未露光部分を現像液で現像し、非画素部を除去して画素部を透明基板に固着させる方法である。この方法では、感光性組成物の硬化着色皮膜からなる画素部が透明基板上に形成される。
カラーフィルタ青色画素部用感光性組成物を調製するには、例えば、本発明の化合物およびそれからなる組成物と、感光性樹脂と、光重合開始剤と、前記樹脂を溶解する有機溶剤とを必須成分として混合する。その製造方法としては、本発明の化合物およびそれからなる組成物と有機溶剤と必要に応じて分散剤を用いて分散液を調製してから、そこに感光性樹脂等を加えて調製する方法が一般的である。
必要に応じて用いる分散剤としては、例えばビックケミー社のディスパービック(Disperbyk登録商標)130、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック170、エフカ社のエフカ46、エフカ47等が挙げられる。また、レベリング剤、カップリング剤、カチオン系の界面活性剤なども併せて使用可能である。
有機溶剤としては、例えばトルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物のようなカルバミン酸エステル、水等がある。有機溶剤としては、特にプロピオネート系、アルコール系、エーテル系、ケトン系、窒素化合物系、ラクトン系、水等の極性溶媒で水可溶のものが適している。
本発明の化合物およびそれからなる組成物100質量部当たり、300〜1000質量部の有機溶剤と、必要に応じて0〜100質量部の分散剤及び/又は0〜20質量部の青色顔料誘導体とを、均一となる様に攪拌分散することで、上記した分散液を得ることができる。次いでこの分散液に、本発明の化合物およびそれからなる組成物1質量部当たり、3〜20質量部の感光性樹脂、感光性樹脂1質量部当たり0.05〜3質量部の光重合開始剤と、必要に応じてさらに有機溶剤を添加し、均一となる様に攪拌分散してカラーフィルタ青色画素部用感光性組成物を得ることができる。この様な感光性組成物は、カラーレジストと呼ばれることもある。
この際に使用可能な感光性樹脂としては、例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド酸系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチレンマレイン酸系樹脂、スチレン無水マレイン酸系樹脂等の熱可塑性樹脂や、例えば1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ビス(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA、3−メチルペンタンジオールジアクリレート等のような2官能モノマー、トリメチルロールプロパトントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等のような多官能モノマー等の光重合性モノマーが挙げられる。
光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、ベンゾイルパーオキサイド、2−クロロチオキサントン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン−2’−スルホン酸、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸等がある。
必要であれば、例えば、界面活性剤、重合抑制剤、酸化防止剤、耐光安定剤等を更に、上記感光性組成物に加えることも出来る。
こうして調製されたカラーフィルタ青色画素部用感光性組成物は、フォトマスクを介して紫外線によるパターン露光を行った後、未露光部分を有機溶剤やアルカリ水等で洗浄することによりカラーフィルタとなすことができる。
赤色及び緑色についても、上記した感光性組成物を調製して、前記した操作を繰り返すことにより、所定の位置に赤色、緑色、青色の着色画素部を有するカラーフィルタを製造することができる。尚、赤色画素部および緑色画素部を形成するための感光性組成物を調製するには、公知慣用の赤色顔料と緑色顔料を使用することができる。
赤色画素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド177、同209、同242、同254等が、緑色画素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン7、同10、同36、同47、同58等が挙げられる。これら赤色画素部と緑色画素部の形成には、黄色顔料を併用することもできる。その後、必要に応じて、未反応の光硬化性化合物を熱硬化させるために、カラーフィルタ全体を加熱処理(ポストベーク)することもできる。
本発明のカラーフィルタにおいては、バックライト光源としては、従来の冷陰極管(CCFL光源)、白色LED(LED;Light Emitting Diode)光源、3色独立LED光源、白色有機EL(EL;Electro Luminescence)光源等をいずれも用いることが出来る。
本発明の化合物およびそれからなる組成物は、より着色力が高く、高色純度でコントラストの高い明るい青色を発色する。従って、詳記したカラーフィルタ用以外にも、塗料、プラスチック、印刷インク、ゴム、レザー、捺染、電子トナー、ジェットインキ、熱転写インキなどの着色に適する。
次に本発明の実施例を示して具体的に説明する。以下、断りのない限り、%は質量%、部は質量部を意味する。
<ポリオキソメタレートアニオンの調整>
<調整例1>
(PMoW1762)の調整
NaWO・2HO(和光純薬工業株式会社製試薬)44.0g、NaMoO・2HO(関東化学株式会社製試薬)1.90gを精製水230gに溶解した。この溶液に攪拌しながら85%リン酸64.9gを滴下ロートを用いて添加した。得られた溶液を8時間、加熱還流した。反応液を室温に冷却し、臭素水1滴を加え、攪拌しながら塩化カリウム45.0gを添加することで、K(PMoW1762)を得た。更に1時間攪拌後、生じた黄色の沈殿K(PMoW1762)をろ別し、90℃で乾燥し、収量29.4gの乾燥物を得た。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)分析結果(KBr/cm−1):1091,960,915,783,530。この分析結果から、この乾燥物は、K(PMoW1762)であることを確認した。
<調整例2>
(SiMoW1140)の調整
13mol/LのHNO水溶液9.8mlに1mol/LのNaMoO水溶液16.4mLを加えて攪拌した。この溶液に下記文献1に記載の方法で調整したK(SiW1139)・13HOを少量ずつ16.4g添加した。室温で4時間攪拌後、飽和KCl水溶液26mLを添加することで、K(SiMoW1140)の沈殿物を得た。この沈殿物をろ別し、飽和KCl水溶液で洗浄した。得られた固体を室温で減圧下乾燥した。収量12.2gの乾燥物を得た。
文献1:Inorganic Synthesis vol.27 p85
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)分析結果(KBr/cm−1):1018,978,924,876,779,539。この分析結果から、この乾燥物は、K(SiMoW1140)であることを確認した。
<調整例3>
(P1862)の調整
下記文献2に記載されている方法に従い、以下の通り調製した。
精製水58gにNaWO・2HOを50.0g加え、激しく攪拌して溶解した。この溶液に4mol/L塩酸水溶液42mL、次いで4mol/Lのリン酸水溶液42mLを滴下した。滴下終了後、24時間攪拌しながら加熱還流した。次に、この反応液をビーカーに移し、室温まで冷却し、塩化カリウム25gを添加することでアルカリ金属の置換を行い、K(P1862)の沈殿物を得た。この沈殿物をろ別し、室温で減圧下乾燥することで、収量は38.7gの乾燥物を得た。
文献2:Inorganic Chemistry, vol47, p3679 (2008)
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)分析結果(KBr/cm−1):1091,961,915,780,526。この分析結果から、この乾燥物は、K(P1862)であることを確認した。
<調整例4>
塩基性トリアリールメタン染料(I)の合成
4−ジエチルアミノ安息香酸(東京化成工業株式会社製試薬)24.0gとトルエン87.8gの混合物に塩化チオニル21.4gを加え、80℃で1時間攪拌後、減圧濃縮し、4−ジエチルアミノ安息香酸クロライドを得た。
無水塩化アルミニウム19.8gと1,2−ジクロロエタン126gの混合物を氷浴で冷却し、前記4−ジエチルアミノ安息香酸クロライドを1,2−ジクロロエタン30gに溶かした溶液を80分かけて滴下した。30分攪拌後、N,N−ジエチル−m−トルイジン(和光純薬工業株式会社製試薬)20.2gを60分かけて滴下し、室温に昇温しながら2時間撹拌した。氷水に注ぎ、15%水酸化ナトリウム水溶液でpH10以上にして、ろ過で沈殿物を除いた後、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を5%水酸化ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=15/1から5/1)で精製し、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)−2−メチルベンゾフェノンを得た。
4,4’−ビス(ジエチルアミノ)−2−メチルベンゾフェノン3.38gとN−エチル−1−ナフチルアミン1.71gをトルエン15mLに溶解し、オキシ塩化リン1.4mLを加え、120℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、1N塩酸を加えて15分攪拌し、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=15/1から7/1)で精製し、一般式(II)においてR、R がいずれもエチル基、Rが水素原子、Rがメチル基、An−がClであり、n=1で表わされる塩基性トリアリールメタン染料(I)を得た。
Figure 2014019771
〔但し、一般式(II)中、R、R、R、R、Rは同一でも異なっていても良い水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、もしくはフェニル基、An−は、n価のアニオンを表し、nは任意の自然数を表す。〕
<合成例1>
C.I.ベーシックブルー7(東京化成株式会社製試薬)9.72gを精製水600gに投入し、40℃で攪拌させて溶解した。次に、上記調製例1の方法で得たK(PMoW1762)14.91gと、上記調製例2の方法で得たK(SiMoW1140)0.51gを精製水100.0gに溶解した後、C.I.ベーシックブルー7溶液にゆっくりと加え、そのまま40℃で1時間攪拌した。次いで、内温を80℃に上げ、さらに該温度で1時間攪拌した。冷却後ろ過し、300gの精製水で3回洗浄した。得られた固体を90℃で乾燥させた後、黒青色固体が21.69g得られた。該固体を市販のジューサーにて粉砕して、一般式(I)においてR、R、Rがいずれもエチル基、R、Rがいずれも水素原子であり、Xが(PMoW17626−/6、Yが(SiMoW11404−/4で表されるヘテロポリオキソメタレートからなるアニオンであり、a=0.966、b=0.0339であるトリアリールメタン系レーキ化合物を得た。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)分析結果(KBr/cm−1):2970、1581,1412,1344,1274,1186,1155,1090,954,918,791。
C.I.ベーシックブルー7のFT−IRの分析結果、及びK(PMoW1762)、K(SiMoW1140)のFT−IR分析結果、及び上記生成物のFT−IRの分析結果から、この生成物は、C.I.ベーシックブルー7のカチオン構造とK(PMoW1762)、K(SiMoW1140)のアニオン構造が維持されていることを確認した。
<合成例2>
C.I.ベーシックブルー7(東京化成株式会社製試薬)9.72gを精製水600gに投入し、40℃で攪拌させて溶解した。次に、上記調製例1の方法で得たK(PMoW1762)13.79gと、上記調製例2の方法で得たK(SiMoW1140)1.57gを精製水100.0gに溶解した後、C.I.ベーシックブルー7溶液にゆっくりと加え、そのまま40℃で1時間攪拌した。次いで、内温を80℃に上げ、さらに該温度で1時間攪拌した。冷却後ろ過し、300gの精製水で3回洗浄した。得られた固体を90℃で乾燥させた後、黒青色固体が21.60g得られた。該固体を市販のジューサーにて粉砕して、一般式(I)においてR、R、Rがいずれもエチル基、R、Rがいずれも水素原子であり、Xが(PMoW17626−/6、Yが(SiMoW11404−/4で表されるヘテロポリオキソメタレートからなるアニオンであり、a=0.895、b=0.105であるトリアリールメタン系レーキ化合物を得た。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)分析結果(KBr/cm−1):2970、1580、1413、1343、1274、1186、1155、1091、955、917、790。
C.I.ベーシックブルー7のFT−IRの分析結果、及びK(PMoW1762)、K(SiMoW1140)のFT−IR分析結果、及び上記生成物のFT−IRの分析結果から、この生成物は、C.I.ベーシックブルー7のカチオン構造とK(PMoW1762)、K(SiMoW1140)のアニオン構造が維持されていることを確認した。
<合成例3>
C.I.ベーシックブルー7(東京化成株式会社製試薬)9.72gを精製水600gに投入し、40℃で攪拌させて溶解した。次に、上記調製例1の方法で得たK(PMoW1762)12.62gと、上記調製例2の方法で得たK(SiMoW1140)2.71gを精製水100.0gに溶解した後、C.I.ベーシックブルー7溶液にゆっくりと加え、そのまま40℃で1時間攪拌した。次いで、内温を80℃に上げ、さらに該温度で1時間攪拌した。冷却後ろ過し、300gの精製水で3回洗浄した。得られた固体を90℃で乾燥させた後、黒青色固体が21.20g得られた。該固体を市販のジューサーにて粉砕して、一般式(I)においてR、R、Rがいずれもエチル基、R、Rがいずれも水素原子であり、Xが(PMoW17626−/6、Yが(SiMoW11404−/4で表されるヘテロポリオキソメタレートからなるアニオンであり、a=0.818、b=0.182であるトリアリールメタン系レーキ化合物を得た。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)分析結果(KBr/cm−1):2970、1581、1413、1344、1274、1185、1155、1090、1076、955、915、791。
C.I.ベーシックブルー7のFT−IRの分析結果、及びK(PMoW1762)、K(SiMoW1140)のFT−IR分析結果、及び上記生成物のFT−IRの分析結果から、この生成物は、C.I.ベーシックブルー7のカチオン構造とK(PMoW1762)、K(SiMoW1140)のアニオン構造が維持されていることを確認した。
<合成例4>
C.I.ベーシックブルー7(東京化成株式会社製試薬)9.72gを精製水600gに投入し、40℃で攪拌させて溶解した。次に、上記調製例1の方法で得たK(PMoW1762)9.29gと、上記調製例2の方法で得たK(SiMoW1140)5.97gを精製水100.0gに溶解した後、C.I.ベーシックブルー7溶液にゆっくりと加え、そのまま40℃で1時間攪拌した。次いで、内温を80℃に上げ、さらに該温度で1時間攪拌した。冷却後ろ過し、300gの精製水で3回洗浄した。得られた固体を90℃で乾燥させた後、黒青色固体が21.01g得られた。該固体を市販のジューサーにて粉砕して、一般式(I)においてR、R、Rがいずれもエチル基、R、Rがいずれも水素原子であり、Xが(PMoW17626−/6、Yが(SiMoW11404−/4で表されるヘテロポリオキソメタレートからなるアニオンであり、a=0.6、b=0.4であるトリアリールメタン系レーキ化合物を得た。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)分析結果(KBr/cm−1):2970、1580、1413、1343、1274、1185、1156、1074、955、916、790。
C.I.ベーシックブルー7のFT−IRの分析結果、及びK(PMoW1762)、K(SiMoW1140)のFT−IR分析結果、及び上記生成物のFT−IRの分析結果から、この生成物は、C.I.ベーシックブルー7のカチオン構造とK(PMoW1762)、K(SiMoW1140)のアニオン構造が維持されていることを確認した。
<合成例5>
C.I.ベーシックブルー7(東京化成株式会社製試薬)9.72gを精製水600gに投入し、40℃で攪拌させて溶解した。次に、上記調製例1の方法で得たK(PMoW1762)5.16gと、上記調製例2の方法で得たK(SiMoW1140)9.98gを精製水100.0gに溶解した後、C.I.ベーシックブルー7溶液にゆっくりと加え、そのまま40℃で1時間攪拌した。次いで、内温を80℃に上げ、さらに該温度で1時間攪拌した。冷却後ろ過し、300gの精製水で3回洗浄した。得られた固体を90℃で乾燥させた後、黒青色固体が21.87g得られた。該固体を市販のジューサーにて粉砕して、一般式(I)においてR、R、Rがいずれもエチル基、R、Rがいずれも水素原子であり、Xが(PMoW17626−/6、Yが(SiMoW11404−/4で表されるヘテロポリオキソメタレートからなるアニオンであり、a=0.333、b=0.667であるトリアリールメタン系レーキ化合物を得た。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)分析結果(KBr/cm−1):2970、1580、1412、1342、1274、1185、1155、1074、964、918、794。
C.I.ベーシックブルー7のFT−IRの分析結果、及びK(PMoW1762)、K(SiMoW1140)のFT−IR分析結果、及び上記生成物のFT−IRの分析結果から、この生成物は、C.I.ベーシックブルー7のカチオン構造とK(PMoW1762)、K(SiMoW1140)のアニオン構造が維持されていることを確認した。
<合成例6>
C.I.ベーシックブルー7(東京化成株式会社製試薬)9.72gを精製水600gに投入し、40℃で攪拌させて溶解した。次に、上記調製例1の方法で得たK(PMoW1762)3.24gと、上記調製例2の方法で得たK(SiMoW1140)11.82gを精製水100.0gに溶解した後、C.I.ベーシックブルー7溶液にゆっくりと加え、そのまま40℃で1時間攪拌した。次いで、内温を80℃に上げ、さらに該温度で1時間攪拌した。冷却後ろ過し、300gの精製水で3回洗浄した。得られた固体を90℃で乾燥させた後、黒青色固体が21.40g得られた。該固体を市販のジューサーにて粉砕して、一般式(I)においてR、R、Rがいずれもエチル基、R、Rがいずれも水素原子であり、Xが(PMoW17626−/6、Yが(SiMoW11404−/4で表されるヘテロポリオキソメタレートからなるアニオンであり、a=0.209、b=0.791であるトリアリールメタン系レーキ化合物を得た。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)分析結果(KBr/cm−1):2970、1581、1413、1343、1274、1186、1155、1074、967、918、796。
C.I.ベーシックブルー7のFT−IRの分析結果、及びK(PMoW1762)、K(SiMoW1140)のFT−IR分析結果、及び上記生成物のFT−IRの分析結果から、この生成物は、C.I.ベーシックブルー7のカチオン構造とK(PMoW1762)、K(SiMoW1140)のアニオン構造が維持されていることを確認した。
<合成例7>
C.I.ベーシックブルー7(東京化成株式会社製試薬)9.72gを精製水600gに投入し、40℃で攪拌させて溶解した。次に、上記調製例1の方法で得たK(PMoW1762)1.13gと、上記調製例2の方法で得たK(SiMoW1140)13.90gを精製水100.0gに溶解した後、C.I.ベーシックブルー7溶液にゆっくりと加え、そのまま40℃で1時間攪拌した。次いで、内温を80℃に上げ、さらに該温度で1時間攪拌した。冷却後ろ過し、300gの精製水で3回洗浄した。得られた固体を90℃で乾燥させた後、黒青色固体が21.22g得られた。該固体を市販のジューサーにて粉砕して、一般式(I)においてR、R、Rがいずれもエチル基、R、Rがいずれも水素原子であり、Xが(PMoW17626−/6、Yが(SiMoW11404−/4で表されるヘテロポリオキソメタレートからなるアニオンであり、a=0.0732、b=0.927であるトリアリールメタン系レーキ化合物を得た。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)分析結果(KBr/cm−1):2970、1580、1412、1343、1274、1185、1156、1073、967、917、797。
C.I.ベーシックブルー7のFT−IRの分析結果、及びK(PMoW1762)、K(SiMoW1140)のFT−IR分析結果、及び上記生成物のFT−IRの分析結果から、この生成物は、C.I.ベーシックブルー7のカチオン構造とK(PMoW1762)、K(SiMoW1140)のアニオン構造が維持されていることを確認した。
<合成例8>
C.I.ベーシックブルー7(東京化成株式会社製試薬)9.72gを精製水600gに投入し、40℃で攪拌させて溶解した。次に、上記調製例2の方法で得たK(SiMoW1140)2.71gと、上記調製例3の方法で得たK(P1862)12.85gを精製水100.0gに溶解した後、C.I.ベーシックブルー7溶液にゆっくりと加え、そのまま40℃で1時間攪拌した。次いで、内温を80℃に上げ、さらに該温度で1時間攪拌した。冷却後ろ過し、300gの精製水で3回洗浄した。得られた固体を90℃で乾燥させた後、黒青色固体が22.22g得られた。該固体を市販のジューサーにて粉砕して、一般式(I)においてR、R、Rがいずれもエチル基、R、Rがいずれも水素原子であり、Xが(P18626−/6、Yが(SiMoW11404−/4で表されるヘテロポリオキソメタレートからなるアニオンであり、a=0.818、b=0.182であるトリアリールメタン系レーキ化合物を得た。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)分析結果(KBr/cm−1):2970、1580、1412、1344、1273、1185、1155、1088、1074、955、916、793。
C.I.ベーシックブルー7のFT−IRの分析結果、及びK(P1862)、K(SiMoW1140)のFT−IR分析結果、及び上記生成物のFT−IRの分析結果から、この生成物は、C.I.ベーシックブルー7のカチオン構造とK(P1862)、K(SiMoW1140)のアニオン構造が維持されていることを確認した。
<合成例9>
C.I.ベーシックブルー7(東京化成株式会社製試薬)9.72gを精製水600gに投入し、40℃で攪拌させて溶解した。次に、上記調製例2の方法で得たK(SiMoW1140)5.97gと、上記調製例3の方法で得たK(P1862)9.46gを精製水100.0gに溶解した後、C.I.ベーシックブルー7溶液にゆっくりと加え、そのまま40℃で1時間攪拌した。次いで、内温を80℃に上げ、さらに該温度で1時間攪拌した。冷却後ろ過し、300gの精製水で3回洗浄した。得られた固体を90℃で乾燥させた後、黒青色固体が21.10g得られた。該固体を市販のジューサーにて粉砕して、一般式(I)においてR、R、Rがいずれもエチル基、R、Rがいずれも水素原子であり、Xが(P18626−/6、Yが(SiMoW11404−/4で表されるヘテロポリオキソメタレートからなるアニオンであり、a=0.6、b=0.4であるトリアリールメタン系レーキ化合物を得た。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)分析結果(KBr/cm−1):2970、1581、1413、1343、1274、1186、1156、1090、1074、956、916、793。
C.I.ベーシックブルー7のFT−IRの分析結果、及びK(P1862)、K(SiMoW1140)のFT−IR分析結果、及び上記生成物のFT−IRの分析結果から、この生成物は、C.I.ベーシックブルー7のカチオン構造とK(P1862)、K(SiMoW1140)のアニオン構造が維持されていることを確認した。
<合成例10>
C.I.ベーシックブルー7(東京化成株式会社製試薬)9.72gを精製水600gに投入し、40℃で攪拌させて溶解した。次に、上記調製例2の方法で得たK(SiMoW1140)9.98gと、上記調製例3の方法で得たK(P1862)5.26gを精製水100.0gに溶解した後、C.I.ベーシックブルー7溶液にゆっくりと加え、そのまま40℃で1時間攪拌した。次いで、内温を80℃に上げ、さらに該温度で1時間攪拌した。冷却後ろ過し、300gの精製水で3回洗浄した。得られた固体を90℃で乾燥させた後、黒青色固体が21.19g得られた。該固体を市販のジューサーにて粉砕して、一般式(I)においてR、R、Rがいずれもエチル基、R、Rがいずれも水素原子であり、Xが(P18626−/6、Yが(SiMoW11404−/4で表されるヘテロポリオキソメタレートからなるアニオンであり、a=0.333、b=0.667であるトリアリールメタン系レーキ化合物を得た。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)分析結果(KBr/cm−1):2970、1581、1413、1344、1274、1186、1156、1074、966、918、794。
C.I.ベーシックブルー7のFT−IRの分析結果、及びK(P1862)、K(SiMoW1140)のFT−IR分析結果、及び上記生成物のFT−IRの分析結果から、この生成物は、C.I.ベーシックブルー7のカチオン構造とK(P1862)、K(SiMoW1140)のアニオン構造が維持されていることを確認した。
<合成例11>
調整例4で合成した塩基性トリアリールメタン染料(I)9.99gを精製水600gに投入し、40℃で攪拌させて溶解した。次に、上記調製例1の方法で得たK(PMoW1762)5.16gと、上記調製例2の方法で得たK(SiMoW1140)9.98gを精製水100.0gに溶解した後、塩基性トリアリールメタン染料(I)溶液にゆっくりと加え、そのまま40℃で1時間攪拌した。次いで、内温を80℃に上げ、さらに該温度で1時間攪拌した。冷却後ろ過し、300gの精製水で3回洗浄した。得られた固体を90℃で乾燥させた後、黒青色固体が22.10g得られた。該固体を市販のジューサーにて粉砕して、一般式(I)においてR、R、Rがいずれもエチル基、Rが水素原子、Rがメチル基であり、Xが(PMoW17626−/6、Yが(SiMoW11404−/4で表されるヘテロポリオキソメタレートからなるアニオンであり、a=0.333、b=0.667であるトリアリールメタン系レーキ化合物を得た。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)分析結果(KBr/cm−1):2971、1583、1401、1342、1258、1180、1156、1074、964、918、794。
塩基性トリアリールメタン染料(I)のFT−IRの分析結果、及びK(P1862)、K(SiMoW1140)のFT−IR分析結果、及び上記生成物のFT−IRの分析結果から、この生成物は、塩基性トリアリールメタン染料(I)のカチオン構造とK(PMoW1762)、K(SiMoW1140)のアニオン構造が維持されていることを確認した。
<合成例12>
合成例5で、内温を80℃で1時間攪拌後に、フェノール系酸化防止剤アデカスタブAO−80〔ADEKA社製、有効成分含有量10%:3,9−ビス[2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]−ウンデカン〕を1.17g加えることにより、フェノール系酸化防止剤の有効成分を0.5%含有するトリアリールメタン系レーキ組成物を得た。
合成例1〜12で得られたトリアリールメタン系化合物は、いずれもX線回折スペクトルの測定の結果、下記合成例13〜17のトリアリールメタン系化合物に固有のブラッグ角以外の角度に回折ピークが見られ、2種のトリアリールメタン系化合物の混合物ではないことが示唆された。
<合成例13>
C.I.ベーシックブルー7(東京化成株式会社製試薬)5.30gを精製水350gに投入し、40℃で攪拌させて溶解した。次に、上記調製例1の方法で得たK(PMoW1762)10.00gを精製水40.0gに溶解した後、C.I.ベーシックブルー7溶液にゆっくりと加え、そのまま40℃で1時間攪拌した。次いで、内温を80℃に上げ、さらに該温度で1時間攪拌した。冷却後ろ過し、300gの精製水で3回洗浄した。得られた固体を90℃で乾燥させた後、黒青色固体が10.40g得られた。該固体を市販のジューサーにて粉砕して、一般式(V)においてR、R、Rがいずれもエチル基、R、Rがいずれも水素原子で、Xが(PMoW17626−/6で表されるヘテロポリオキソメタレートからなるアニオンであるトリアリールメタン系レーキ化合物を得た。
Figure 2014019771
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)分析結果(KBr/cm−1):2970、1579、1413、1342、1273、1185、1155、1073、954、911、786。
C.I.ベーシックブルー7のFT−IRの分析結果、及びK(PMoW1762)のFT−IR分析結果、及び上記生成物のFT−IRの分析結果から、この生成物は、C.I.ベーシックブルー7のカチオン構造とK(PMoW1762)のアニオン構造が維持されていることを確認した。
<合成例14>
C.I.ベーシックブルー7(東京化成株式会社製試薬)6.46gを精製水390gに投入し、40℃で攪拌させて溶解した。次に、上記調製例2の方法で得たK(SiMoW1140)12.20gを精製水50.0gに溶解した後、C.I.ベーシックブルー7溶液にゆっくりと加え、そのまま40℃で1時間攪拌した。次いで、内温を80℃に上げ、さらに該温度で1時間攪拌した。冷却後ろ過し、300gの精製水で3回洗浄した。得られた固体を90℃で乾燥させた後、黒青色固体が13.40g得られた。該固体を市販のジューサーにて粉砕して、一般式(V)においてR、R、Rがいずれもエチル基、R、Rがいずれも水素原子で、Xが(SiMoW11404−/4で表されるヘテロポリオキソメタレートからなるアニオンであるトリアリールメタン系レーキ化合物を得た。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)分析結果(KBr/cm−1):2970、1579、1413、1343、1274、1185、1155、1074、966、918、795。
C.I.ベーシックブルー7のFT−IRの分析結果、及びK(SiMoW1140)のFT−IR分析結果、及び上記生成物のFT−IRの分析結果から、この生成物は、C.I.ベーシックブルー7のカチオン構造とK(SiMoW1140)のアニオン構造が維持されていることを確認した。
<合成例15>
C.I.ベーシックブルー7(東京化成株式会社製試薬)5.30gを精製水350gに投入し、40℃で攪拌させて溶解した。次に、上記調製例3の方法で得たK(P1862)10.00gを精製水40.0gに溶解した後、C.I.ベーシックブルー7溶液にゆっくりと加え、そのまま40℃で1時間攪拌した。次いで、内温を80℃に上げ、さらに該温度で1時間攪拌した。冷却後ろ過し、300gの精製水で3回洗浄した。得られた固体を90℃で乾燥させた後、黒青色固体が10.10g得られた。該固体を市販のジューサーにて粉砕して、一般式(V)においてR、R、Rがいずれもエチル基、R、Rがいずれも水素原子で、Xが(P18626−/6で表されるヘテロポリオキソメタレートからなるアニオンであるトリアリールメタン系レーキ化合物を得た。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)分析結果(KBr/cm−1):2970,1580,1413,1343,1274,1185,1155,1090,956,909,792。
C.I.ベーシックブルー7のFT−IRの分析結果、及びK(P1862)のFT−IR分析結果、及び上記生成物のFT−IRの分析結果から、この生成物は、C.I.ベーシックブルー7のカチオン構造とK(P1862)のアニオン構造が維持されていることを確認した。
<合成例16>
調製例4で合成した塩基性トリアリールメタン染料(I)9.99gを精製水600gに投入し、40℃で攪拌させて溶解した。次に、上記調製例1の方法で得たK(PMoW1762)15.43gを精製水100.0gに溶解した後、塩基性トリアリールメタン染料(I)溶液にゆっくりと加え、そのまま40℃で1時間攪拌した。次いで、内温を80℃に上げ、さらに該温度で1時間攪拌した。冷却後ろ過し、300gの精製水で3回洗浄した。得られた固体を90℃で乾燥させた後、黒青色固体が21.53g得られた。該固体を市販のジューサーにて粉砕して、一般式(V)においてR、R、Rがいずれもエチル基、Rが水素原子、Rがメチル基であり、Xが(PMoW17626−/6で表されるヘテロポリオキソメタレートからなるアニオンであるトリアリールメタン系レーキ化合物を得た。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)分析結果(KBr/cm−1):2971、1583、1401、1342、1258、1180、1156、1073、954、911、786。
塩基性トリアリールメタン染料(I)のFT−IRの分析結果、及びK(PMoW1762)のFT−IR分析結果、及び上記生成物のFT−IRの分析結果から、この生成物は、塩基性トリアリールメタン染料(I)のカチオン構造とK(PMoW1762)のアニオン構造が維持されていることを確認した。
<合成例17>
調整例4で合成した塩基性トリアリールメタン染料(I)9.99gを精製水600gに投入し、40℃で攪拌させて溶解した。次に、上記調製例2の方法で得たK(SiMoW1140)15.00gを精製水100.0gに溶解した後、塩基性トリアリールメタン染料(I)溶液にゆっくりと加え、そのまま40℃で1時間攪拌した。次いで、内温を80℃に上げ、さらに該温度で1時間攪拌した。冷却後ろ過し、300gの精製水で3回洗浄した。得られた固体を90℃で乾燥させた後、黒青色固体が21.53g得られた。該固体を市販のジューサーにて粉砕して、一般式(V)においてR、R、Rがいずれもエチル基、Rが水素原子、Rがメチル基であり、Xが(SiMoW11404−/4で表されるヘテロポリオキソメタレートからなるアニオンであるトリアリールメタン系レーキ化合物を得た。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)分析結果(KBr/cm−1):2971、1583、1401、1342、1258、1180、1156、1074、966、918、795。
塩基性トリアリールメタン染料(I)のFT−IRの分析結果、及びK(SiMoW1140)のFT−IR分析結果、及び上記生成物のFT−IRの分析結果から、この生成物は、塩基性トリアリールメタン染料(I)のカチオン構造とK(SiMoW1140)のアニオン構造が維持されていることを確認した。
合成例1で得られた化合物1.80部、BYK―2164(ビックケミー社製分散剤)2.10部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート11.10部、0.3−0.4mmφのセプルビーズをポリビンに入れ、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で4時間分散し、顔料分散液(I)を得た。
この顔料分散液(I)75.00部とポリエステルアクリレート樹脂(アロニックス(商標名)M7100、東亜合成化学工業株式会社製)5.50部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(商標名)DPHA、日本化薬株式会社製)5.00部、ベンゾフェノン(KAYACURE(商標名)BP−100、日本化薬株式会社製)1.00部、ユーカーエステルEEP(ユニオンカーバイド社製)13.5部を分散撹拌機で撹拌し、孔径1.0μmのフィルターで濾過し、カラーレジストを得た。
このカラーレジストは50mm×50mm、1mmの厚ガラスに乾燥膜厚が2μmとなるようにスピンコーターを用いて塗布し、その後90℃で20分間予備乾燥して塗膜を形成させ、青色画素部を含むカラーフィルタとした。
合成例1で得られた化合物に代えて、合成例2で得られた化合物の同量を用いる以外は、上記実施例1と同様な操作を行い、青色画素部を含むカラーフィルタを得た。
合成例1で得られた化合物に代えて、合成例3で得られた化合物の同量を用いる以外は、上記実施例1と同様な操作を行い、青色画素部を含むカラーフィルタを得た。
合成例1で得られた化合物に代えて、合成例4で得られた化合物の同量を用いる以外は、上記実施例1と同様な操作を行い、青色画素部を含むカラーフィルタを得た。
合成例1で得られた化合物に代えて、合成例5で得られた化合物の同量を用いる以外は、上記実施例1と同様な操作を行い、青色画素部を含むカラーフィルタを得た。
合成例1で得られた化合物に代えて、合成例6で得られた化合物の同量を用いる以外は、上記実施例1と同様な操作を行い、青色画素部を含むカラーフィルタを得た。
合成例1で得られた化合物に代えて、合成例7で得られた化合物の同量を用いる以外は、上記実施例1と同様な操作を行い、青色画素部を含むカラーフィルタを得た。
合成例1で得られた化合物に代えて、合成例8で得られた化合物の同量を用いる以外は、上記実施例1と同様な操作を行い、青色画素部を含むカラーフィルタを得た。
合成例1で得られた化合物に代えて、合成例9で得られた化合物の同量を用いる以外は、上記実施例1と同様な操作を行い、青色画素部を含むカラーフィルタを得た。
合成例1で得られた化合物に代えて、合成例10で得られた化合物の同量を用いる以外は、上記実施例1と同様な操作を行い、青色画素部を含むカラーフィルタを得た。
合成例1で得られた化合物に代えて、合成例11で得られた顔料組成物の同量を用いる以外は、上記実施例1と同様な操作を行い、青色画素部を含むカラーフィルタを得た。
合成例1で得られた化合物に代えて、合成例12で得られた顔料組成物の同量を用いる以外は、上記実施例1と同様な操作を行い、青色画素部を含むカラーフィルタを得た。
<比較例1>
合成例1で得られた化合物に代えて、合成例13で得られた化合物の同量を用いる以外は、上記実施例1と同様な操作を行い、青色画素部を含むカラーフィルタを得た。
<比較例2>
合成例1で得られた化合物に代えて、合成例14で得られた化合物の同量を用いる以外は、上記実施例1と同様な操作を行い、青色画素部を含むカラーフィルタを得た。
<比較例3>
合成例1で得られた化合物に代えて、合成例15で得られた化合物の同量を用いる以外は、上記実施例1と同様な操作を行い、青色画素部を含むカラーフィルタを得た。
<比較例4>
合成例1で得られた化合物に代えて、合成例16で得られた化合物の同量を用いる以外は、上記実施例1と同様な操作を行い、青色画素部を含むカラーフィルタを得た。
<比較例5>
合成例1で得られた化合物に代えて、合成例17で得られた化合物の同量を用いる以外は、上記実施例1と同様な操作を行い、青色画素部を含むカラーフィルタを得た。
<比較例6>
合成例13で得られた化合物1.48部と、合成例14で得られた化合物0.32部を乳鉢に入れて混合し、混合物を得た。
この混合物1.80部と、BYK―2164(ビックケミー社製分散剤)2.10部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート11.10部、0.3−0.4mmφのセプルビーズをポリビンに入れ、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で4時間分散し、顔料分散液(II)を得た。
この顔料分散液(II)75.00部とポリエステルアクリレート樹脂(アロニックス(商標名)M7100、東亜合成化学工業株式会社製)5.50部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(商標名)DPHA、日本化薬株式会社製)5.00部、ベンゾフェノン(KAYACURE(商標名)BP−100、日本化薬株式会社製)1.00部、ユーカーエステルEEP(ユニオンカーバイド社製)13.5部を分散撹拌機で撹拌し、孔径1.0μmのフィルターで濾過し、カラーレジストを得た。
このカラーレジストは50mm×50mm、1mmの厚ガラスに乾燥膜厚が2μmとなるようにスピンコーターを用いて塗布し、その後90℃で20分間予備乾燥して塗膜を形成させ、青色画素部を含むカラーフィルタとした。
<比較例7>
合成例13で得られた化合物1.48部と、合成例14で得られた化合物0.32部に代えて、合成例13で得られた化合物1.09部と、合成例14で得られた化合物0.71部を用いる以外は、上記比較例6と同様な操作を行い、青色画素部を含むカラーフィルタを得た。
<比較例8>
合成例13で得られた化合物1.48部と、合成例14で得られた化合物0.32部に代えて、合成例13で得られた化合物0.61部と、合成例14で得られた化合物1.19部を用いる以外は、上記比較例6と同様な操作を行い、青色画素部を含むカラーフィルタを得た。
<比較例9>
合成例13で得られた化合物1.48部と、合成例14で得られた化合物0.32部に代えて、合成例14で得られた化合物0.32部と、合成例15で得られた化合物1.48部を用いる以外は、上記比較例6と同様な操作を行い、青色画素部を含むカラーフィルタを得た。
<比較例10>
合成例13で得られた化合物1.48部と、合成例14で得られた化合物0.32部に代えて、合成例14で得られた化合物0.71部と、合成例15で得られた化合物1.09部を用いる以外は、上記比較例6と同様な操作を行い、青色画素部を含むカラーフィルタを得た。
<比較例11>
合成例13で得られた化合物1.48部と、合成例14で得られた化合物0.32部に代えて、合成例14で得られた化合物1.19部と、合成例15で得られた化合物0.61部を用いる以外は、上記比較例6と同様な操作を行い、青色画素部を含むカラーフィルタを得た。
<耐熱試験評価方法>
上記実施例1〜12及び比較例1〜11で得られた青色カラーフィルタのy=0.110における加熱前の輝度を、コニカミノルタ株式会社製分光光度計CM−3500(C光源)で測定した。その後、210℃のオーブンで3時間入れ加熱後、同様に輝度および加熱前後の色差を測定した。これらの結果を表1および表2に示した。
表中、実施例1〜12および比較例1〜5の化合物の欄については、顔料分散液の作成に用いた化合物の合成例と、化合物におけるヘテロポリオキソメタレートアニオンのモル比率を示している。また、比較例6〜11の化合物の欄については、顔料分散液の作成に用いた混合物における、化合物のモル比率を示している。

































Figure 2014019771




Figure 2014019771
















比較例1〜3および比較例6〜11から、2種類の化合物の混合物から作成したカラーフィルタの青色画素部の耐熱性試験後の輝度、色度、色差は、それぞれ2種類の化合物単体の中庸の値となる。一方、実施例1〜10の、2種類のヘテロポリオキソメタレートアニオンを混合した後に、塩基性トリアリールメタン染料のC.I.ベーシックブルー7をレーキ化することによって得られる化合物は、比較例6〜11の化合物の混合物よりも、加熱後の輝度が高く、また色差が小さく、化合物の耐熱性が従来のものよりも顕著に向上したことがわかる。
また実施例11と比較例4、5より、C.I.ベーシックブルー7をレーキ化することによって得られる化合物と同じく、塩基性トリアリールメタン染料(I)を2種類の混合したヘテロポリオキソメタレートアニオンでレーキした化合物は、1種類のヘテロポリオキソメタレートアニオンでレーキした化合物よりも耐熱性が向上する。ゆえに、あらゆる塩基性トリアリールメタン染料に対し、2種類のヘテロポリオキソメタレートアニオンをレーキアニオンとすることで、劇的に耐熱性の向上する化合物が得られることがわかる。
また実施例5と実施例12との対比から、塩基性トリアリールメタン染料をレーキ化することによって得られる化合物に対し、酸化防止剤処理を施すことで、加熱後輝度が向上し、また色差が小さくなり、耐熱性がさらに向上していることは明白である。
本発明は、輝度の耐熱性に優れたカラーフィルタが得られる化合物およびそれからなる組成物、それを含有してなる感光性組成物及びそれを青色画素部に含有する、高温での熱履歴で長時間に亘って液晶表示を行なっても輝度低下が少ない画像が得られるカラーフィルタを提供できる。

Claims (7)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物。
    Figure 2014019771
    〔但し、一般式(I)中、R、R、R、R、Rは同一でも異なっていても良い水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、もしくはフェニル基、Xは、(PMo18−y626−/6で表され、y=0,1,2または3の整数であり、Yは(SiMo12−z404−/4で表され、z=0,1,2または3の整数であり、a、bは、0<a<1、b=1−aであるヘテロポリオキソメタレートアニオン。〕
  2. 前記化合物100部に対して、酸化防止剤を0.1〜10部含有する請求項1記載の組成物。
  3. 酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤である請求項2記載の組成物。
  4. (PMo18−y626−/6で表され、y=0,1,2または3の整数であるヘテロポリオキソメタレートアニオンXと(SiMo12−z404−/4で表され、z=0,1,2または3の整数であるヘテロポリオキソメタレートアニオンYとをあらかじめ混合した後、下記一般式(II)で示される塩基性トリアリールメタン染料とレーキ化する請求項1記載の化合物の製造方法。
    Figure 2014019771
    〔但し、一般式(II)中、R、R、R、R、Rは同一でも異なっていても良い水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、もしくはフェニル基、An−は、n価のアニオンを表し、nは任意の自然数を表す。〕
  5. 請求項1記載の化合物を、青色画素部に含有するカラーフィルタ。
  6. 請求項2または3いずれかの組成物を、青色画素部に含有するカラーフィルタ。
  7. 請求項4記載の製造方法で得られた化合物を、青色画素部に含有するカラーフィルタ。
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