JP2011180365A - カラーフィルタ用青色顔料組成物、その製造方法、カラーフィルタ、及び液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ用青色顔料組成物、その製造方法、カラーフィルタ、及び液晶表示装置 Download PDF

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誠治 俵屋
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和幸 日野
Yoshito Maeno
義人 前野
Hiroaki Segawa
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Abstract

【課題】LED又は有機ELをバックライト光源として使用した場合に、より高い輝度が得られ、より明るい液晶表示が可能となる青色画素部を有したカラーフィルタ並びに液晶表示装置を提供出来る。
【解決手段】ε型銅フタロシアニン顔料(A)と、亜鉛フタロシアニン顔料(B)とを含有するLEDバックライト又は有機ELバックライトのためのカラーフィルタ用青色顔料組成物、β型以外の銅フタロシアニンと亜鉛フタロシアニンとを含有する混合物を、ソルベントソルトミリングする工程を含む前記記載のLEDバックライト又は有機ELバックライトのためのカラーフィルタ用青色顔料組成物の製造方法及び前記のカラーフィルタ用青色顔料組成物または前記の製造方法で得られたカラーフィルタ用青色顔料組成物を青色画素部に用いてなるカラーフィルタ並びに液晶表示装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)又は有機エレクトロルミネッセンス(有機EL;Organic Electro Luminescence)を光源とするカラーフィルタとして用いた際に、特異的に輝度に優れる青色着色画素部が得られるカラーフィルタ用青色顔料組成物、当該カラーフィルタ用青色顔料組成物の製造方法、当該カラーフィルタ用青色顔料組成物を青色画素部に用いてなるカラーフィルタ、及び当該カラーフィルタを有する液晶表示装置に関する。
液晶表示装置のカラーフィルタは、赤色画素部(R)、緑色画素部(G)及び青色画素部(B)を有する。これらの各画素部は、いずれも有機顔料が分散した合成樹脂の薄膜が基板上に設けられた構造であり、有機顔料としては、赤、緑及び青の各色の有機顔料が用いられている。
これら画素部のうち、青色画素部を形成するための青色有機顔料としては、一般に、ε型銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:6)が用いられており、必要に応じて調色のために、これに紫色有機顔料のジオキサジンバイオレット顔料(C.I.ピグメントバイオレット23)が少量併用されている。
カラーフィルタを作成する際の有機顔料は、従来の汎用用途とは全く異なる特性、具体的には、液晶表示装置の表示画面がよりハッキリ見える様にする(高コントラスト化)、或いは、同じく表示画面がより明るくなる様にする(高輝度化)等の要求がある。
この様な状況のもと、冷陰極管(CCFL)を光源とする従来のカラーフィルタにおいては、上記要求に答えるべく、画素部に含ませる青色顔料についても各種の改良が進められてきた。
具体的には、透明樹脂に色素を分散したカラーフィルタ用着色組成物において、青色の色素として、Co,Fe,Pb又はNiを含有するフタロシアニン顔料を用たことを特徴とする着色組成物が特許文献1として、顔料とバインダ樹脂及び/又は単量体とを含有するカラーフィルタ用組成物において、更に中心金属の無いフタロシアニン系化合物及び銅以外の中心金属(Mg,Ti,Zr,V,Mn,Fe,Co,Ni,Pd,Zn,Al,Ga,In,Si,Ge,Sn)を有するフタロシアニン系化合物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上のフタロシアニン系化合物を含有することを特徴とするカラーフィルタ用組成物が特許文献2として提案されている。
近年、製造技術の著しい進歩により、小形化容易の観点或いは価格低下の観点から、発光ダイオードが普及し始めており、小形化や低価格化が難しい冷陰極管(CCFL)から、液晶表示装置のバックライト光源も、LED更には有機ELへと変わっていくことが予想される。
液晶表示装置では、バックライト光源が変われば、その発光スペクトルが異なることから、液晶表示画面における、輝度や色再現性が変わってくることが知られている。図1及び2に示すように、従来の冷陰極管(CCFL光源)と、白色LED光源と、3色独立LED光源と、白色有機EL光源とでは光源スペクトルが全く異なり、それぞれの波長局在に適合した有機顔料でなければ、輝度や色再現性が損なわれてしまう。なお、従来の冷陰極光源(CCFL光源)での輝度は、基準光源であるC光源で評価している。
そこで、LED、特に白色LED、3色独立LEDや白色有機ELにあった透過スペクトルを持つ有機顔料が要求されている。
しかしながら、上記した様な特許文献1〜2にある様な、従来の青色顔料を画素部に含有させたカラーフィルタでは、依然として、上記したLED又は有機ELをバックライト光源として使用することを前提とした要求に答えられず、輝度が低下し、液晶表示画面における明るさがむしろ低下してしまうという問題があった。
特開2001−133620号公報 特開2003−161821号公報
本発明は、上記したLED又は有機ELをバックライト光源として使用した場合に、優れた輝度の液晶表示が可能となるカラーフィルタ青色画素部を得ること、そのための青色顔料組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、当該青色顔料組成物の製造方法、及び当該カラーフィルタ青色画素部を有する液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記実状に鑑みて鋭意検討した結果、従来の上記した様な青色顔料に代えてε型銅フタロシアニン顔料と、亜鉛フタロシアニン顔料とを含有する青色顔料組成物を用いることで、上記したLED又は有機ELをバックライト光源として使用した場合に、輝度が高く、より明るい液晶表示が可能となるカラーフィルタ青色画素部が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、ε型銅フタロシアニン顔料(A)と、亜鉛フタロシアニン顔料(B)とを含有するLEDバックライト又は有機ELバックライトのためのカラーフィルタ用青色顔料組成物を提供する。
また本発明は、β型以外の銅フタロシアニンと亜鉛フタロシアニンとを含有する混合物を、ソルベントソルトミリングする工程を含む上記記載のLEDバックライト又は有機ELバックライトのためのカラーフィルタ用青色顔料組成物の製造方法を提供する。
さらに本発明は、上記したカラーフィルタ用青色顔料組成物または上記した製造方法で得られたカラーフィルタ用青色顔料組成物を青色画素部に用いてなるカラーフィルタ、並びに液晶表示装置を提供する。
本発明のカラーフィルタ用青色顔料組成物は、従来のε型銅フタロシアニン顔料に加えて、亜鉛フタロシアニン顔料を含むので、上記したLED又は有機ELをバックライト光源として使用した場合に、より明るい液晶表示が可能となるカラーフィルタ青色画素部が得られるという格別顕著な技術的効果を奏する。
本発明のカラーフィルタ用青色顔料組成物の製造方法は、従来のβ型以外の銅フタロシアニンと、亜鉛フタロシアニンとの混合物をソルベントソルトミリングするので、上記したLED又は有機ELをバックライト光源として使用した場合に、より優れた輝度の液晶表示が可能となるカラーフィルタ青色画素部が得られる青色顔料組成物を簡便に得ることができるという格別顕著な技術的効果を奏する。
また、本発明のカラーフィルタは、上記したLED又は有機ELをバックライト光源として使用した場合に、優れた輝度の液晶表示が可能となるカラーフィルタ青色画素部並びに液晶表示装置が得られるという格別顕著な技術的効果を奏する。
従来のC光源、白色LED光源A、及び3色独立LED光源のスペクトル図である。 白色LED光源B、及び白色有機EL光源のスペクトル図である。 実施例1の青色顔料組成物を用いたカラーフィルタ(実施例2)、比較例1の青色顔料組成物を用いたカラーフィルタ(比較例3)、及び比較例2の青色顔料組成物を用いたカラーフィルタ(比較例4)の透過スペクトル図である。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明は、ε型銅フタロシアニン顔料(A)と、亜鉛フタロシアニン顔料(B)とを含有するLED又は有機ELバックライトのためのカラーフィルタ用青色顔料組成物である。
本発明におけるε型銅フタロシアニン顔料(A)とは、C.I.ピグメントブルー15:6であり、公知慣用のものがいずれも使用できる。この様なε型銅フタロシアニン顔料(A)は、例えば、粗製ε型銅フタロシアニンを湿式摩砕したり、乾式摩砕で得られたε型銅フタロシアニンとα型銅フタロシアニンとの混合物を湿式摩砕したり、必要に応じてε型銅フタロシアニンのシード粒子とα型銅フタロシアニンとの混合物を湿式摩砕することで、容易に得ることができる。勿論、前記した様な製造方法でε型銅フタロシアニン顔料(A)を得る場合には、その原料として用いるε型銅フタロシアニンとして、市販のε型銅フタロシアニン顔料を用いることもできる。
亜鉛フタロシアニン顔料(B)とは、銅フタロシアニン顔料の中心金属である銅が亜鉛にて置換された構造を有するフタロシアニン顔料である。亜鉛フタロシアニン自身は公知物質であり、例えば、フタロジニトリルと触媒とを有機溶媒中で、不活性ガス下で加熱撹拌し、そこに塩化亜鉛を加えて昇温することで製造できる。こうして得られた亜鉛フタロシアニンを含む反応混合物を濾過、洗浄、必要に応じて乾燥する等して粗製亜鉛フタロシアニンを得ることが出来る。亜鉛フタロシアニン顔料(B)は、粗製亜鉛フタロシアニンを湿式摩砕したり、乾式摩砕で得られた亜鉛フタロシアニンを湿式摩砕したりすることで、容易に得ることができる。
本発明のカラーフィルタ用青色顔料組成物は、前記したε型銅フタロシアニン顔料(A)と、亜鉛フタロシアニン顔料(B)とを任意の質量割合で含有させることで調製することができるが、具体的には、例えば、質量基準で、ε型銅フタロシアニン顔料(A)と亜鉛フタロシアニン顔料(B)との合計を100部としたとき、亜鉛フタロシアニン顔料(B)4〜45部、なかでも10〜30部となる様にすることが、青色画素部の輝度を高めることができる点で好ましい。
尚、本発明のカラーフィルタ用青色顔料組成物には、前記したε型銅フタロシアニン顔料(A)と、亜鉛フタロシアニン顔料(B)とは異なる、フタロシアニン誘導体を含有させることも出来る。この様なフタロシアニン誘導体としては、金属フタロシアニンスルホン酸、スルホンアミド化金属フタロシアニン、フタルイミドメチル化金属フタロシアニン、カルボキシベンズアミドメチル化金属フタロシアニン、或いは前記した誘導体の金属塩、アンモニア塩やアミン塩等を用いることが出来る。特に、カルボキシベンズアミドメチル化金属フタロシアニン、その多価金属塩またはフタルイミドメチル化金属フタロシアニンは、それらを用いると、得られる青色顔料組成物に十分なコントラストや輝度の耐熱性が期待でき、かつ色相への影響が小さいため好ましい。また、後記するソルベントソルトミリング時においては、結晶制御の効果も期待できる。
上記したフタロシアニン誘導体は、質量基準で、ε型銅フタロシアニン顔料(A)と亜鉛フタロシアニン顔料(B)の合計を100部としたとき、0.1〜15部、好ましくは1〜10部となる様に用いることが出来る。
ε型銅フタロシアニン顔料(A)と亜鉛フタロシアニン顔料(B)と必要に応じて用いられるそれ以外のフタロシアニン誘導体とは、いずれも同様の小粒子径や高純度のものを用いることが、最終的に得られる青色画素部の性能の点で好ましい。
本発明のカラーフィルタ用青色顔料組成物の粒子径は特に制限されるものではないが、高コントラスト化ならびに高輝度化を可能とするために、一次粒子の平均粒子径は10〜50nmであることが好ましく、なかでもカラーフィルタの安定製造が容易となることから、一次粒子の平均粒子径は10〜30nmが特に好ましい。
本発明において一次粒子の平均粒子径とは、次の様に測定される。まず、透過型電子顕微鏡または走査型電子顕微鏡で視野内の粒子を撮影する。そして、二次元画像上の、凝集体を構成する一次粒子の50個につき、個々の粒子の内径の最長の長さ(最大長)を求める。個々の粒子の最大長の平均値を一次粒子の平均粒子径とする。一方、粒子の最大長となる線に直交する様に無数に引くことの出来る仮想線のうち最短となる長さを最小長とし、これも50個につき求めることが出来る。アスペクト比は、この様にして得られた個々の粒子の最大長の平均値と最小長の平均値を求め、これらの値を用いて(最大長の平均値)/(最小長の平均値)に基づいて算出する。
縦横のアスペクト比が4以下であると、顔料分散液及びカラーレジスト等の粘度特性を向上にも寄与し、流動性がより高くなり、またカラーフィルタとした場合のコントラスト向上に寄与するので好ましい。
本発明のカラーフィルタ用青色顔料組成物は、上記したε型銅フタロシアニン顔料(A)と亜鉛フタロシアニン顔料(B)と必要に応じてフタロシアニン誘導体とを混合することで調製することが出来るが、この様な各成分を単純に混合することにより調製するのに比べて、より優れた輝度の液晶表示が可能となるカラーフィルタ青色画素部が得られる青色顔料組成物が簡便に得られる点で、β型以外の銅フタロシアニンと亜鉛フタロシアニンとを必須成分として、必要に応じてこれら以外のフタロシアニン誘導体をも含有する混合物を、ソルベントソルトミリングする工程を含む様にしてカラーフィルタ用青色顔料組成物を製造することが好ましい。
このソルベントソルトミリングに当たっては、上記単純に混合する場合に用いる、ε型銅フタロシアニン顔料(A)や亜鉛フタロシアニン顔料(B)の代わりに、β型以外の粗製銅フタロシアニンやβ型以外の粗製亜鉛フタロシアニンを用いることも出来る。
本発明において、ソルベントソルトミリング(工程)とは、β型以外の銅フタロシアニンと、亜鉛フタロシアニンとの混合物を混練摩砕すること(工程)を意味する。より具体的には、少なくとも、β型以外の銅フタロシアニンと、亜鉛フタロシアニンと、無機塩と、有機溶剤とが混練摩砕される。具体的には、β型以外の銅フタロシアニンと、亜鉛フタロシアニンと、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練摩砕を行う。この際の混練機としては、例えばニーダーやミックスマーラー等が使用できる。
β型以外の銅フタロシアニンと、亜鉛フタロシアニンとの混合物には、必要に応じてこれら以外のフタロシアニン誘導体を含めることが出来る。この製造方法は、β型以外の銅フタロシアニンと、亜鉛フタロシアニンとが、必須成分として共に摩砕されることから、共摩砕と呼ばれる。
ソルベントソルトミリングに用いるβ型以外の銅フタロシアニンとしては、ε型を生成し得る、β型以外の銅フタロシアニンが好ましく、ε型銅フタロシアニンであってもよく、α型、γ型、δ型、π型、ρ型、X型、R型からなる群から選択される銅フタロシアニンであってもよい。
なかでも、α型、γ型、ε型又はδ型からなる群から選択される銅フタロシアニンであることが好ましい。
上記β型以外の銅フタロシアニンとしては、より粒子径の小さいβ型以外の銅フタロシアニン顔料を用いても良いし、β型以外の粗製銅フタロシアニンを乾式摩砕してから用いても良く、β型以外の銅フタロシアニンのシード粒子とα型銅フタロシアニンとの混合物を湿式摩砕して予め得たβ型以外の銅フタロシアニンを用いても良い。
上記β型以外の銅フタロシアニンとしては、公知慣用のものがいずれも使用できる。
また、β型及びε型以外の銅フタロシアニンをソルベントソルトミリングに用いる場合、少量のε型銅フタロシアニンをシード粒子として加えることにより、結晶の転移時間が短縮されることから好ましい。
ここでシード粒子として用いるε型銅フタロシアニンは、いずれのε化率のものでも使用できる。しかしながら、出来るだけ他の結晶型を有しないε型銅フタロシアニンを用いることが好ましい。シード粒子として用いるε型銅フタロシアニンは、β型及びε型以外の銅フタロシアニン100質量部あたり0.05〜10質量部、中でも5〜8質量部であると製造時間が短縮されることから好ましい。
上記亜鉛フタロシアニンとしては、より粒子径の小さい亜鉛フタロシアニン顔料を用いても良いし、粗製亜鉛フタロシアニンを乾式摩砕してから用いても良い。
上記無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用でき、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。また、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いることがより好ましい。この様な無機塩は、通常の無機塩を微粉砕することにより容易に得られる。
従来、微細な青色顔料組成物がカラーフィルタの青色画素部の形成用途に好適に用いられることから、この好適な青色顔料組成物を得るに当たっては、ソルベントソルトミリングにおけるβ型以外の銅フタロシアニン使用量に対する無機塩使用量を高くするのが好ましい。即ち当該無機塩の使用量は、質量換算でβ型以外の銅フタロシアニン1部に対して5〜20部とするのが好ましく、7〜15部とするのがより好ましい。
有機溶剤としては、結晶成長を抑制し得る有機溶剤を使用することが好ましく、このような有機溶剤としては水溶性有機溶剤が好適に使用でき、例えばジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2ー(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール等を用いることができる。
この際の水溶性有機溶剤の使用量は、特に限定されるものではないが、質量換算で無機塩1部に対して0.1〜0.4部が好ましく、0.15〜0.30部がより好ましい。
ソルベントソルトミリング時の温度は、30〜150℃が好ましく、80〜100℃がより好ましい。ソルベントソルトミリングの時間は、5〜20時間が好ましく、8〜18時間がより好ましい。
こうして、ε型銅フタロシアニン顔料(A)、亜鉛フタロシアニン顔料(B)、無機塩、有機溶剤を主成分として含む混合物が得られるが、この混合物から有機溶剤と無機塩を除去し、必要に応じてε型銅フタロシアニン顔料(A)、亜鉛フタロシアニン顔料(B)を主体とする固形物を洗浄、濾過、乾燥、粉砕等をすることにより、微細な青色顔料組成物の粉体を得ることが出来る。
洗浄としては、水洗、湯洗のいずれも採用できる。洗浄回数は、1〜5回の範囲で繰り返すことも出来る。水溶性無機塩及び水溶性有機溶剤を用いた前記混合物の場合は、水洗することで容易に有機溶剤と無機塩を除去することが出来る。
本発明のカラーフィルタ用青色顔料組成物は、そこに含有される、ε型銅フタロシアニン顔料(A)、亜鉛フタロシアニン(B)及びその他必要に応じて併用したこれら以外のフタロシアニン誘導体以外の有機不純物の含有量は、極力ゼロに近くなる様に精製した上で用いることが好ましい。また、遊離のハロゲンイオンや金属イオンも極力ゼロに近くなる様に精製の上で用いることが好ましい。例えば、洗浄の目安は、洗浄水の比電導度が原水の比電導度+20μS/cm以下となるまでである。この精製に当たっては、アルカリ洗浄、酸洗浄による精製のほか、イオン交換膜による精製を用いることもできる。
上記した濾別、洗浄後の乾燥としては、例えば、乾燥機に設置した加熱源による80〜120℃の加熱等により、顔料の脱水及び/又は脱溶剤をする回分式あるいは連続式の乾燥等が挙げられ、乾燥機としては一般に箱型乾燥機、バンド乾燥機、スプレードライヤー等がある。また、乾燥後の粉砕は、比表面積を大きくしたり一次粒子の平均粒子径を小さくしたりするための操作ではなく、例えば箱型乾燥機、バンド乾燥機を用いた乾燥の場合の様に顔料がランプ状等となった際にその顔料を解して粉体化するために行うものであり、例えば、乳鉢、ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル等による粉砕等が挙げられる。
また、前記した様な好適な青色顔料組成物をカラーフィルタの画素部の形成に使用する場合においては、感光性組成物を硬化する際に多用される365nmにおける遮光性が低下することなく、光硬化感度の低下がなく、現像時の膜へりやパターン流れも起こり難くなるので好ましい。
本発明の青色顔料組成物は、液媒体中への分散性、分散安定性が高く、後記する青色顔料分散液や青色硬化性樹脂組成物の粘度も低く安定しており(微細な粒子に分散しており)、それでカラーフィルタ青色画素部を製造した場合に、均質な塗膜を形成して輝度、コントラストおよび光透過率のいずれもが高いカラーフィルタを得ることが出来る。
ここでコントラストとは、2枚の偏光板の偏光方向を平行にして被測定物を挟み込んだ時の透過光強度を2枚の偏光板の偏光方向を垂直にして被測定物を挟み込んだ時の透過光強度で除したものである。
また本発明の青色顔料組成物は、ε型銅フタロシアニン顔料(A)と、亜鉛フタロシアニン顔料(B)とを必須成分として含有していれば良く、それらだけをカラーフィルタ青色画素部の青色顔料として用いても良いが、必要であれば、上記したフタロシアニン誘導体や、C.I.ピグメントバイレット23の様なジオキサジンバイオレット顔料等の有機顔料を、更に併用しても良い。これらは、顔料組成物の調製〜後記する光硬化性組成物の調製における任意に段階において、調製物に含めることができる。
本発明の青色顔料組成物は、従来公知の方法でカラーフィルタ青色画素部の形成に使用することが出来る。この顔料組成物を使用してカラーフィルタ青色画素部を製造するに当たっては、顔料分散法が好適に採用出来る。
この方法で代表的な方法としては、フォトリソグラフィー法であり、これは、後記する光硬化性組成物を、カラーフィルタ用の透明基板のブラックマトリックスを設けた側の面に塗布、加熱乾燥(プリベーク)した後、フォトマスクを介して紫外線を照射することでパターン露光を行って、画素部に対応する箇所の光硬化性組成物を硬化させた後、未露光部分を現像液で現像し、非画素部を除去して画素部を透明基板に固着させる方法である。この方法では、光硬化性組成物の硬化着色皮膜からなる画素部が透明基板上に形成される。なお、本発明の青色顔料組成物からは、ネガ型、ポジ型いずれの光硬化性組成物も調整できる。
赤色、緑色、青色の各色ごとに、後記する光硬化性組成物を調製して、前記した操作を繰り返すことにより、所定の位置に赤色、緑色、青色の着色画素部を有するカラーフィルタを製造することが出来る。本発明の顔料組成物からは、青色画素部を形成することが出来る。尚、赤色画素部および緑色画素部を形成するための光硬化性組成物を調製するには、公知慣用の赤色顔料と緑色顔料とを使用することが出来る。
赤色画素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド177、同209、同254等が、緑色画素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン7、同10、同36、同47、同58等が挙げられる。これら赤色画素部と緑色画素部の形成には、黄色顔料を併用することも出来る。その後、必要に応じて、未反応の光硬化性組成物を熱硬化させるために、カラーフィルタ全体を加熱処理(ポストベーク)することも出来る。
後記する光硬化性組成物をガラス等の透明基板上に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、インクジェット法等が挙げられる。
透明基板に塗布した光硬化性組成物の塗膜の乾燥条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、通常、50〜150℃で、1〜15分間程度である。この加熱処理を一般に「プリベーク」という。また、光硬化性組成物の光硬化に用いる光としては、200〜500nmの波長範囲の紫外線、あるいは可視光を使用するのが好ましい。この波長範囲の光を発する各種光源が使用出来る。
現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、スプレー法等が挙げられる。光硬化性組成物の露光、現像の後に、必要な色の画素部が形成された透明基板は水洗いし乾燥させる。こうして得られたカラーフィルタは、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、100〜280℃で、所定時間加熱処理(ポストベーク)することによって、着色塗膜中の揮発性成分を除去すると同時に、光硬化性組成物の硬化着色皮膜中に残存する未反応の光硬化性化合物が熱硬化し、カラーフィルタが完成する。
カラーフィルタの青色画素部を形成するための光硬化性組成物は、本発明の青色顔料組成物と、分散剤と、光硬化性化合物と、有機溶剤とを必須成分とし、必要に応じて熱可塑性樹脂を用いて、これらを混合することで調製することが出来る。青色画素部を形成する着色樹脂皮膜に、カラーフィルタの実生産で行われるベーキング等に耐え得る強靱性等が要求される場合には、前記光硬化性組成物を調製するに当たって、光硬化性化合物だけでなく、この熱可塑性樹脂を併用することが不可欠である。熱可塑性樹脂を併用する場合には、有機溶剤としては、それを溶解するものを使用するのが好ましい。
前記光硬化性組成物の製造方法としては、本発明の青色顔料組成物と、有機溶剤と分散剤とを必須成分として使用し、これらを混合し均一となる様に攪拌分散を行って、まずカラーフィルタの青色画素部を形成するための青色顔料分散液を調製してから、そこに、光硬化性化合物と、必要に応じて熱可塑性樹脂や光重合開始剤等を加えて前記光硬化性組成物とする方法が一般的である。
ここで分散剤としては、例えば、ビックケミー社製のDisperBYK130、同161、同162、同163、同170、BYK LPN21116、エフカ社製のEFKA46、EFKA47、味の素ファインテック社製アジスパーPB814、同PB821等が挙げられる。また、レベリング剤、カップリング剤、各種界面活性剤等も併せて使用可能である。
この様な分散剤としては、(1)分散性に優れるものが、分散液の粘度を低くすることが可能であり、分散液中の平均粒径をより小さくできるため、焼成前のコントラストをより高くできるので好ましく、かつ(2)耐熱性に優れるものが、焼成後のコントラスト、輝度の低下幅をより小さくできるので好ましい。
有機溶剤としては、例えば、トルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物の様なカルバミン酸エステル等が挙げられる。
有機溶剤としては、特にプロピオネート、アルコール系、エーテル系、ケトン系、窒素化合物系、ラクトン系等の極性溶媒で水可溶のものが好ましい。水可溶の有機溶剤を使用する場合には、それに水を併用することも出来る。
光硬化性組成物の調製に使用する熱可塑性樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチレンマレイン酸系樹脂、スチレン無水マレイン酸系樹脂等が挙げられる。
光硬化性化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ビス(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA、3−メチルペンタンジオールジアクリレート等のような2官能モノマー、トリメチルロールプロパトントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の比較的分子量の小さな多官能モノマー、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート等の様な比較的分子量の大きな多官能モノマーが挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、ベンゾイルパーオキサイド、2−クロロチオキサントン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン、1,3−ビス(4−アジドベンザル)−2−プロパン−2’−スルホン酸、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸等が挙げられる。
前記した様な各材料を使用して、質量換算で、本発明の方法で製造された青色顔料組成物100部当たり、300〜1000部の有機溶剤と、1〜100部の分散剤とを、均一となる様に攪拌分散して前記顔料分散液を得ることが出来る。次いでこの顔料分散液に、本発明の青色顔料組成物1部当たり、熱可塑性樹脂と光硬化性化合物との合計が1〜20部、光硬化性化合物1部当たり0.05〜3部の光重合開始剤と、必要に応じてさらに有機溶剤を添加し、均一となる様に攪拌分散してカラーフィルタ青色画素部を形成するための光硬化性組成物を得ることが出来る。
現像液としては、公知慣用の有機溶剤やアルカリ水溶液を使用することが出来る。特に前記光硬化性組成物に、熱可塑性樹脂または光硬化性化合物が含まれており、これらの少なくとも一方が酸価を有し、アルカリ可溶性を呈する場合には、アルカリ水溶液での洗浄がカラーフィルタ青色画素部の形成に効果的である。好適なフタロシアニン誘導体を含む青色顔料組成物の優れた耐熱性は、この様なアルカリ洗浄後に焼成を行なうカラーフィルタの製造方法において発揮される。
顔料分散法のうち、フォトリソグラフィー法によるカラーフィルタ青色画素部の製造方法について詳記したが、本発明の方法で製造された顔料組成物を使用して調製されたカラーフィルタ青色画素部は、その他の電着法、転写法、ミセル電解法、PVED(Photovoltaic Electrodeposition)法、インクジェット法、反転印刷法、熱硬化法等の方法で青色画素部を形成して、カラーフィルタを製造してもよい。
カラーフィルタは、例えば、赤色顔料、緑色顔料、ならびに本発明の青色顔料組成物を使用して得た各色の光硬化性組成物を使用し、平行な一対の透明電極間に液晶材料を封入し、透明電極を不連続な微細区間に分割すると共に、この透明電極上のブラックマトリクスにより格子状に区分けされた微細区間のそれぞれに、赤(R)、緑(G)および青(B)のいずれか1色から選ばれたカラーフィルタ着色画素部を交互にパターン状に設ける方法、あるいは基板上にカラーフィルタ着色画素部を形成した後、透明電極を設ける様にすることで得ることが出来る。
本発明のカラーフィルタは、その青色画素部に、ε型銅フタロシアニン顔料(A)と、亜鉛フタロシアニン顔料(B)とを必須成分として含有していればよい。
青色顔料分散液や光硬化性組成物の調製に当たっては、本発明の青色顔料組成物を用いた場合を例に詳細に説明したが、ε型銅フタロシアニン顔料(A)を含む青色顔料分散液と、亜鉛フタロシアニン顔料(B)を含む青色顔料分散液とを混合して、それから光硬化性組成物を調製し、それからカラーフィルタ青色画素部を形成しても良いし、ε型銅フタロシアニン顔料(A)を含む光硬化性組成物と、亜鉛フタロシアニン顔料(B)を含む光硬化性組成物からカラーフィルタ青色画素部を形成しても良い。
しかしながら、予め本発明の青色顔料組成物を経由して、ε型銅フタロシアニン顔料(A)と、亜鉛フタロシアニン顔料(B)とを含む青色顔料分散液を得て、それから光硬化性組成物を調製し、次いでカラーフィルタ青色画素部を形成する方法が、液晶表示画面の輝度が最も高いカラーフィルタが得られる。
本発明のカラーフィルタ用青色顔料組成物は、LED又は有機ELをバックライト光源とする場合のカラーフィルタの青色画素部の形成に用いた際に、液晶画面の表示を高輝度とすることができ、カラーフィルタ用途の他、塗料、プラスチック(樹脂成型品)、印刷インク、ゴム、レザー、捺染、静電荷像現像用トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写インキ等の着色にも適用することが出来る。
本発明の液晶表示装置は、上記した本発明のカラーフィルタを有することを特徴とする。
本発明の液晶表示装置としては、例えば、カラーフィルタと、TFTアレイ基板等を有する対向基板と、上記カラーフィルタと上記対向基板との間に形成された液晶層とを有するものが挙げられる。なお、本発明の液晶表示装置は、上記構成に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルタが用いられた液晶表示装置として公知の構成とすることができる。
本発明の液晶表示装置の駆動方式としては、特に限定はなく一般的に液晶表示装置に用いられている駆動方式を採用することができる。このような駆動方式としては、例えば、TN方式、IPS方式、OCB方式、及びMVA方式等を挙げることができる。本発明においてはこれらのいずれの方式であっても好適に用いることができる。
また、対向基板としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて適宜選択して用いることができる。
さらに、液晶層を構成する液晶としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて、誘電異方性の異なる各種液晶、及びこれらの混合物を用いることができる。
液晶層の形成方法としては、一般に液晶セルの作製方法として用いられる方法を使用することができ、例えば、真空注入方式や液晶滴下方式等が挙げられる。
真空注入方式では、例えば、あらかじめカラーフィルタ及び対向基板を用いて液晶セルを作製し、液晶を加温することにより等方性液体とし、キャピラリー効果を利用して液晶セルに液晶を等方性液体の状態で注入し、接着剤で封鎖することにより液晶層を形成することができる。その後、液晶セルを常温まで徐冷することにより、封入された液晶を配向させることができる。
また液晶滴下方式では、例えば、カラーフィルタの周縁にシール剤を塗布し、このカラーフィルタを液晶が等方相になる温度まで加熱し、ディスペンサー等を用いて液晶を等方性液体の状態で滴下し、カラーフィルタ及び対向基板を減圧下で重ね合わせ、シール剤を介して接着させることにより、液晶層を形成することができる。その後、液晶セルを常温まで徐冷することにより、封入された液晶を配向させることができる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例および比較例において、「部」および「%」は、いずれも質量基準である。
製造例1
1000mlの4口フラスコ中に、フタロジニトリル51.2g、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)30.4g、及びn−ペンタノール200mlを仕込み、窒素雰囲気下で加熱、撹拌した。70〜75℃で、これに塩化亜鉛13.62gを添加した後、95〜100℃で5時間加熱した。析出物を濾取して、有機溶剤で洗浄した後、乾燥、精製をして、亜鉛フタロシアニンを得た。
製造例2
塩化亜鉛に代えて塩化コバルトを用いる様にした以外は、製造例1と同様な操作を行い、コバルトフタロシアニンを得た。
FASTOGEN(登録商標) Blue AE−8(DIC株式会社製ε型銅フタロシアニン顔料、平均粒子径80nm)75部、上記製造例1で得た亜鉛フタロシアニン 20部 フタルイミドメチル化銅フタロシアニン5部、粉砕した塩化ナトリウム1000部、およびジエチレングリコール175部をニーダー中で、内容物の温度を85〜90℃に保って7時間湿式摩砕を完了した。得られた内容物を大過剰の水で洗浄、濾過し、ろ液の比電導度が原水の比電導度+20μS/cm以下となるまで水洗することによって、ε型銅フタロシアニン顔料と亜鉛フタロシアニン顔料とを主成分として含有する青色顔料組成物のウエットケーキを得た。得られたウエットケーキを、濾過、温水洗浄、乾燥、粉砕し、本発明の青色顔料組成物を得た。この青色顔料組成物は、一次粒子の平均粒子径は10〜30nmの範囲にあり、アスペクト比は4以下であった。
このようにして得られた実施例1の青色顔料組成物9.5部をポリビンに入れ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55部、BYK(商標名)LPN21116(ビックケミー株式会社製)7.0部、銅フタロシアニンスルホン酸0.5部、0.3−0.4mmφセプルビーズを加え、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で4時間分散し、顔料分散液を得た。この顔料分散液75.00部とポリエステルアクリレート樹脂(アロニックス(商標名)M7100、東亜合成化学工業株式会社製)5.50部、ジぺンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(商標名)DPHA、日本化薬株式会社製)5.00部、ベンゾフェノン(KAYACURE(商標名)BP−100、日本化薬株式会社製)1.00部、ユーカーエステルEEP(商品名、ユニオン・カーバイド社製)13.5部を分散撹拌機で撹拌し、孔径1.0μmのフィルターで濾過し、カラーレジストを得た。
このカラーレジストを、50mm×50mm、1mmの厚ガラスに乾燥膜厚が2μmとなるようにスピンコーターを用いて塗布し、その後90℃で20分間予備乾燥して塗膜を形成させた。次いで、フォトマスクを介して紫外線によるパターン露光を行った後、未露光部分を0.5%の炭酸ナトリウム水溶液中で洗浄し、230℃で90分間焼成することでカラーフィルタとした。
上記で得られたカラーフィルタにつき、以下の評価方法に基づいて、コントラスト値及び輝度を測定した。特に、輝度の値につきその結果を表1に示した。
評価方法
<コントラスト>
当該カラーフィルタ青色画素部を2枚の偏光板の間に設置し、一方には光源を、更にその反対側には色彩輝度計を設置して輝度の測定を行った。偏光軸が平行になる時と垂直になる時との輝度(透過光強度)の比より算出した。コントラスト値の高い方が良好と評価した。
<輝度>
当該カラーフィルタ青色画素部を、オリンパス製顕微鏡MX−50と、大塚電子製分光光度計MCPD−3000顕微分光測光装置を用いて、CIE発色系色度のLED光源および有機EL光源におけるY値を測定した。輝度が高い方が良好と評価した。参考値として、従来用いられているC光源における輝度も求めた。
尚、LED光源のスペクトルとしては、凸版印刷の島 康裕,“広色再現性LCD用カラーフィルター”化学工学,70,12,718 (2006).記載のLEDバックライトのスペクトルを使用した。
有機EL光源のスペクトルとしては、図2に示される白色有機ELバックライトのスペクトルを使用した。
比較例1
実施例1における「FASTOGEN(登録商標) Blue AE−8(DIC株式会社製ε型銅フタロシアニン顔料、平均粒子径80nmm)75部、上記製造例1で得た亜鉛フタロシアニン 20部)」を、「FASTOGEN(登録商標) Blue AE−8 95部」に変更したことを除いては、実施例1と同様にして青色顔料組成物を調製した。
比較例2
実施例1における「製造例1で得た亜鉛フタロシアニン」を「製造例2で得たコバルトフタロシアニン」の同量に変更したことを除いては、実施例1と同様にして青色顔料組成物を調製した。
比較例3
青色顔料組成物を、比較例1の青色顔料組成物の同量に変更したことを除いては、実施例2と同様にしてカラーフィルタを調製した。
比較例4
青色顔料組成物を、比較例2の青色顔料組成物の同量に変更したことを除いては、実施例2と同様にしてカラーフィルタを調製した。
上記したのと同様にして、比較例3及び4のカラーフィルタのコントラスト値及び輝度を測定し、それらの輝度を同様に表1に示した。
表1
Figure 2011180365
図3に実施例1の青色顔料組成物を用いたカラーフィルタ(実施例2)、比較例1の青色顔料組成物を用いたカラーフィルタ(比較例3)及び比較例2の青色顔料組成物を用いたカラーフィルタ(比較例4)の色度y=0.104で規格化した透過スペクトル図を示した。白色LED光源A、白色LED光源B、3色独立LED光源、白色有機EL光源の青色のピーク波長領域である440nmから500nmでの透過率は、実施例2は、比較例3、4に比べて特異的に高く、実施例2のカラーフィルタの輝度が、比較例3、4のカラーフィルタのより高輝度となることと合致している。
実施例2と、比較例3〜4の対比からわかる通り、本発明の青色顔料組成物で調製したカラーフィルタは、従来のC光源に比べ、白色LED光源A、白色LED光源B、3色独立LED光源、白色有機EL光源の場合、より高輝度とすることが出来、液晶表示画面をより明るくすることが出来ることは明らかである。
本発明のカラーフィルタ用青色顔料組成物は、LED又は有機ELをバックライト光源として使用した場合に、より高い輝度が得られることから、より明るい液晶表示が可能となる青色画素部を有したカラーフィルタを提供出来る。

Claims (7)

  1. ε型銅フタロシアニン顔料(A)と、亜鉛フタロシアニン顔料(B)とを含有するLEDバックライト又は有機ELバックライトのためのカラーフィルタ用青色顔料組成物。
  2. 質量換算で、ε型銅フタロシアニン顔料(A)と亜鉛フタロシアニン顔料(B)との合計を100部としたとき、亜鉛フタロシアニン顔料(B)4〜45部である請求項1記載のカラーフィルタ用青色顔料組成物。
  3. ε型銅フタロシアニン顔料(A)と、亜鉛フタロシアニン顔料(B)と、これら以外のフタロシアニン誘導体とを含む請求項1または2記載のカラーフィルタ用青色顔料組成物。
  4. β型以外の銅フタロシアニンと亜鉛フタロシアニンとを含有する混合物を、ソルベントソルトミリングする工程を含む請求項1〜3のいずれか記載のLEDバックライト又は有機ELバックライトのためのカラーフィルタ用青色顔料組成物の製造方法。
  5. β型以外の銅フタロシアニンと、亜鉛フタロシアニンと、これら以外のフタロシアニン誘導体とを含む混合物である請求項4記載のカラーフィルタ用青色顔料組成物の製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれかのカラーフィルタ用青色顔料組成物または請求項4または5記載の製造方法で得られたカラーフィルタ用青色顔料組成物を青色画素部に用いてなるカラーフィルタ。
  7. 請求項6に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする、液晶表示装置。
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