以下、本発明の種々の実施形態について説明する。
本発明に係る第一の実施形態は、白色LEDを光源として用いた液晶表示装置に用いるカラーフィルタであって、該カラーフィルタの青色画素に使用する色材が、少なくとも青色顔料及び緑色顔料を含み、且つ該カラーフィルタにおける青色画素の透過率スペクトルにおいて550nmにおける透過率が1%以下であり、並びに400nmから700nmの範囲に入る最大透過率波長の範囲が470nmから500nmの範囲に入るカラーフィルタである。発明者らが鋭意研究を行った結果、該分光特性を満足した場合に、NTSC規格のBlueのxy座標点であるx=0.14、y=0.08に近い色再現できることが確認できた。本発明においては、白色LED光源を用いた場合に、Blueの狙い色度範囲としてCIE1931表色系(XYZ表色系)における色度(x、y)が(0.134,0.086)、(0.146,0.086)、(0.134,0.074)、(0.146,0.074)の範囲である青色カラーフィルタを最も好機に使用することで、色再現性の良好なカラーフィルタを製造することができることを見出した。この場合のバックライト光源としては、図4の分光特性を持つ白色LEDである。
該カラーフィルタにおける青色着色画素の着色材料は少なくとも一種の青色顔料と一種の緑色顔料を有する。該カラーフィルタの青色着色画素を形成するために用いる着色組成物において、顔料の質量濃度は、好ましくは0.1%乃至50%、より好ましくは1%乃至45%、更に好ましくは10%乃至40%である。0.1%未満では、顔料濃度が薄いため、カラーフィルタとして十分な色の着色画素を形成するためには、着色画素の膜厚を
非常に厚くしなくてはならないため、画素形成が困難であり、生産性も悪化するため実用上難点があり、50%を超えると、顔料を分散化するための樹脂の量が少なく不安定となり、顔料の凝集による増粘やコントラストの低下(粗大粒子による光の散乱)の原因となる。
緑色顔料の全顔料中の質量比率は好ましくは1%乃至60%であり、より好ましくは2%乃至50%、更に好ましくは3%乃至40%である。全顔料における緑色顔料の割合が、1%以下だと緑色顔料を加える効果がほとんど見られず、60%以上だとCIE1931のXYZ表色系における(x,y)色度座標における青のNTSC規格値から大きくズレてしまう。
本発明に使用できる青色顔料として、例えばC.I.Pigment Blue1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、80等が挙げられるが、特にC.I.Pigment Blue15:3、15:6が好ましい。なぜならば、これらの顔料は微細化が容易で散乱が少なく透過率が高いためである。緑色顔料としては、例えばC.I.PigmentGreen7、10、36、37、58等の緑色顔料を用いることができるが、特にC.I.Pigment Green7、36が好ましい。なぜならば、これらの顔料は微細化が容易で散乱が少なく透過率が高いためである。本発明に使用できる着色材料としてはこれらの顔料の他にも、色相が大きく変わらず、透過率の大幅な低減が無い範囲であればその他の着色材料を含んでいても良い。着色材料としては、特に限定しないが公知の顔料若しくは染料を特に制限無く使用することが出来る。染料としては、C.I.Acid Green25、27、C.I.Acid Blue22、25、40、78、92、113、129、167、230、C.I.SolventBlue2、3、4、5、7、18、25、26、35、36、37、38、43、44、45、48、51、58、59、59:1、63、64、67、68、69、70、78、79、83、94、97、98、100、101、102、104、105、111、112、122、124、128、129、132、136、137、138、139、143、C.I.SolventGreen1、3、4、5、7、28、29、32、33、34、35、C.I.Basic Green3、4、C.I.Basic Blue3、7、9、17、41、66、C.I.Basic Violet1、3、18、39、66、C.I.Disperse Violet1、6、12、26、27、28、などが挙げられる。着色組成物中における染料の質量濃度は、好ましくは0.1%乃至20%、より好ましくは0.5%乃至18%、更に好ましくは0.5%乃至15%である。染料の濃度が0.1%未満では、染料濃度が薄いため、カラーフィルタとして十分な色の着色画素を形成するためには、着色画素の膜厚を非常に厚くしなくてはならないため、画素形成が困難であり、生産性も悪化するため実用上難点がある。また、20%を越えると、濃度が高すぎるため、染料が十分に溶解せず、結晶が析出する恐れがあり、さらに着色画素の形成のために着色組成物を基板上に塗布し、有機溶剤を乾燥する際にも、染料が析出する恐れがある。これらの顔料、染料は所望する色相を発現するために、一種あるいは複数用いることができる。
本発明に係るカラーフィルタには、青色画素の他に、赤色、緑色及び必要に応じてその他の色(例えば補色であるシアン、マゼンダ、黄色)の画素を有している。これらの画素に用いられる着色材料は特に制限はなく、公知の顔料あるいは染料を用いることができる。
例えば、これまでに例示した顔料あるいは染料のほかに、赤色顔料として、C.I.Pigment Red7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、242、246、254、255、264、272、279等が挙げられるが、特にC.I.Pigment Red177、242、254が好適に用いられる。橙色顔料としては例えばC.I.Pigment Orange36、43、51、55、59、61、71、73等が挙げられるが、C.I.Pigment Orange36が好適に用いられる。また、紫色顔料として、C.I.Pigment Violet1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等が用いられるが、特にC.I.Pigment Violet23が好適に用いられる。黄色顔料としては例えばC.I.Pigment Yellow1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、144、146、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214等が挙げられるが、特にC.I.Pigment Yellow138、139、150が好適に用いられる。黄色染料としては例えば、C.I.Acid Yellow17、23、25、36、38、42、44、72、78、C.I.Solvent
Yellow2、3、7、12、13、14、16、18、19、21、25、25:1、27、28、29、30、33、34、36、42、43、44、47、56、62、72、73、77、79、81、82、83、83:1、88、89、90、93、94、96、98、104、107、114、116、117、124、130、131、133、135、141、143、145、146、157、160:1、161、162、163、167、169、172、174、175、176、179、180、181、182、183、184、185、186、187、189、190、191、C.I.Basic Yellow11、23、25、28、41、C.I.Disperse Blue3、24、79、82、87、106、125、165、183、C.I.Disperse Yellow3、4、5、7、23、33、42、60、64、などがある。また、無機顔料としては、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉等が挙げられる。無機顔料は、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、有機顔料と組み合わせて用いられる。
これまでに述べてきた顔料は、カラーフィルタの高透過率化、高コントラスト化を実現させるため、微細化処理されていることが好ましく、また一次粒子径が小さいことが好ましい。顔料の一次粒子径は、顔料を透過型電子顕微鏡で撮り、その写真の画像解析を行い算出した。ここで言う一次粒子径は、個数粒度分布の積算曲線において積算量が全体の50%に相当する粒子径(円相当径)を表す。
顔料の一次粒子径は、40nm以下であることが好ましく、より好ましくは30nm以下であり、更に好ましくは20nm以下である。また、一次粒子径は5nm以上であることが好ましい。
顔料の一次粒子径が上限値より大きい場合には、液晶表示装置の黒表示時の視認性が悪い。また、下限値より小さい場合は、顔料分散が難しくなり、着色組成物としての安定性を保ち、流動性を確保することが困難になる。その結果、カラーフィルタの輝度、色特性が悪化する。
顔料の一次粒子径を制御する手段としては、顔料を機械的に粉砕して一次粒子径を制御する方法(磨砕法と呼ぶ)、良溶媒に溶解したものを貧溶媒に投入して所望の一次粒子径の顔料を析出させる方法(析出法と呼ぶ)、および合成時に所望の一次粒子径の顔料を製造する方法(合成析出法と呼ぶ)等がある。使用する顔料の合成法や化学的性質等により、個々の顔料について適当な方法を選択して行うことができる。以下にそれぞれの方法について説明するが、本発明に用いる着色組成物に含まれる顔料の一次粒子径の制御方法は、上記方法のいずれを用いてもよい。
磨砕法は、顔料をボールミル、サンドミルまたはニーダーなどを用いて、食塩等の水溶性の無機塩などの磨砕剤およびそれを溶解しない水溶性有機溶剤とともに機械的に混練(以下、この処理をソルトミリングと呼ぶ)した後、無機塩と有機溶剤を水洗除去し、乾燥することにより所望の一次粒子径の顔料を得る方法である。ただし、ソルトミリング処理により、顔料が結晶成長する場合があるため、処理時に上記有機溶剤に少なくとも一部溶解する固形の樹脂や顔料分散剤を加えて、結晶成長を防ぐ方法が有効である。
顔料と無機塩の比率は、無機塩の比率が多くなると顔料の微細化効率は良くなるが、顔料の処理量が少なくなるために生産性が低下する。一般的には、顔料が1重量部に対して無機塩を1〜30重量部、好ましくは2〜20重量部用いるのが良い。また、上記水溶性有機溶剤は、顔料と無機塩とが均一な固まりとなるように加えるもので、顔料と無機塩との配合比にもよるが、通常は顔料1重量部に対して0.5〜30重量部の量で用いられる。
上記磨砕法についてさらに具体的には、顔料と水溶性の無機塩の混合物に湿潤剤として少量の水溶性有機溶剤を加え、ニーダー等で強く練り込んだ後、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌しスラリー状とする。次に、このスラリーを濾過、水洗して乾燥することにより、所望の一次粒子径の顔料を得ることができる。
析出法は、顔料を適当な良溶媒に溶解させたのち、貧溶媒と混ぜ合わせて、所望の一次粒子径の顔料を析出させる方法で、溶媒の種類や量、析出温度、析出速度などにより一次粒子径の大きさが制御できる。一般に顔料は溶媒に溶けにくいため、使用できる溶媒は限られるが、例として濃硫酸、ポリリン酸、クロロスルホン酸などの強酸性溶媒または液体アンモニア、ナトリウムメチラートのジメチルホルムアミド溶液などの塩基性溶媒などが知られている。
本法の代表例としては、酸性溶剤に顔料を溶解させた溶液を他の溶媒中に注入し、再析出させて微細粒子を得るアシッドペースティング法がある。工業的にはコストの観点から硫酸溶液を水に注入する方法が一般的である。硫酸濃度は特に限定されないが、95〜100重量%が好ましい。顔料に対する硫酸の使用量は特に限定されないが、少ないと溶液粘度が高くハンドリングが悪くなり、逆に多すぎると顔料の処理効率が低下するため、顔料に対して3〜10重量倍の硫酸を用いることが好ましい。なお、顔料は完全溶解している必要はない。溶解時の温度は0〜50℃が好ましく、これ以下では硫酸が凍結する恐れがあり、かつ溶解度も低くなる。高温すぎると副反応が起こりやすくなる。注入される水の温度は1〜60℃が好ましく、この温度以上で注入を始めると硫酸の溶解熱で沸騰して作業が危険である。これ以下の温度では凍結してしまう。注入にかける時間は顔料1部に対して0.1〜30分が好ましい。時間が長くなるほど一次粒子径は大きくなる傾向がある。
顔料の一次粒子径の制御は、アシッドペースティング法などの析出法とソルトミリング法などの磨砕法を組み合わせた手法を選択することにより、顔料の整粒度合を考慮しつつ行うことができ、さらにはこのとき分散体としての流動性も確保できることからより好ましい。
ソルトミリング時あるいはアシッドペースティング時には、一次粒子径制御に伴う顔料の凝集を防ぐために、下記に示す色素誘導体や樹脂型顔料分散剤、界面活性剤等の分散助剤を併用することもできる。また、一次粒子径制御を2種類以上の顔料を共存させた形で行うことにより、単独では分散が困難な顔料であっても安定な分散体として仕上げることができる。
特殊な析出法としてロイコ法がある。フラバントロン系、ペリノン系、ペリレン系、インダントロン系等の建染染料系顔料は、アルカリ性ハイドロサルファイトで還元すると、キノン基がハイドロキノンのナトリウム塩(ロイコ化合物)になり水溶性になる。この水溶液に適当な酸化剤を加えて酸化することにより、水に不溶性の一次粒子径の小さな顔料を析出させることができる。
合成析出法は、顔料を合成すると同時に所望の一次粒子径の顔料を析出させる方法である。しかし、生成した微細顔料を溶媒中から取り出す場合、顔料粒子が凝集して大きな二次粒子になっていないと一般的な分離法である濾過が困難になるため、通常、二次凝集が起きやすい水系で合成されるアゾ系等の顔料に適用されている。
さらに、顔料の一次粒子径を制御する手段として、顔料を高速のサンドミル等で長時間分散すること(顔料を乾式粉砕する、いわゆるドライミリング法)により、顔料の一次粒子径を小さくすると同時に分散することも可能である。
染料は、特に限定しないが公知の有機溶剤に可溶な染料を使用することができる。上記公知の染料としては、例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報等に記載の色素が挙げられる。
これらの染料としては、酸性染料、油溶性染料、分散染料、反応性染料、直接染料等が挙げられる。例えば、アゾ系染料、ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料、メロシアニン系染料、スチルベン系染料、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、フルオラン系染料、スピロピラン系染料、フタロシアニン系染料、インジゴ系染料、フルギド系染料、ニッケル錯体系染料、及びアズレン系染料が挙げられる。具体的には、これまでに例示した染料のほかに、カラーインデックス番号で以下のものが挙げられる。C.I.Solvent Orange1、2、3、4、5、7、11、14、20、23、25、31、40:1、41、45、54、56、58、60、62、63、70、75、77、80、81、86、99、102、103、105、106、107、108、109、110、111、112、113、C.I.Solvent Red1、2、3、4、8、16、17、18、19、23、24、25、26、27、30、33、35、41、43、45、48、49、52、68、69、72、73、83:1、84:1、89、90、90:1、91、92、106、109、110、118、119、122、124、125、127、130、132、135、141、143、145、146、149、150、151、155、160、161、164、164:1、165、166、168、169、172、175、179、180、181、182、195、196、197、198、207、208、210、212、214、215、218、222、223、225、227、229、230、233、234、235、236、238、239、240、241、242、243、244、245、247、248、C.I.Solvent Violet2、8、9、11、13、14、21、21:1、26、31、36、37、38、45、46、47、48、49、50、51、55、56、57、58、59、60、61、C.I.Solvent Brown1、3、4、5、12、20、22、28、38、41、42、43、44、52、53、59、60、61、62、63、C.I.Solvent Black3、5、5:2、7、13、22、22:1、26、27、28、29、34、35、43、45、46、48、49、50、C.I.Acid Red6、11、26、60、88、111、186、215、C.I.Basic Red1、2、13、14、22、27、29、39、C.I.Direct Red4、23、31、75、76、79、80、81、83、84、149、224、C.I.Direct Green26、28、C.I.Direct Blue71、78、98、106、108、192、201、C.I.Direct Violet51、C.I.Direct Yellow26、27、28、33、44、50、86、142、C.I.Direct Orange26、29、34、37、72、C.I.Sulphur Red5、6、7、C.I.Sulphur Green2、3、6、C.I.Sulphur Blue2、3、7、9、13、15、C.I.Sulphur Violet2、3、4、C.I.Sulphur Yellow4、C.I.Vat Red13、21、23、28、29、48、C.I.Vat Green3、5、8、C.I.Vat Blue6、14、26、30、C.I.Vat Violet1、3、9、13、15、16、C.I.Vat Yellow2、12、20、33、C.I.Vat Orange2、5、11、15、18、20、C.I.Azoic Coupling Component2、3、4、5、7、8、9、10、11、13、32、37、41、48、C.I.Reactive Red8、22、46、120、C.I.Reactive Blue1、2、7、19、C.I.Reactive Violet2、4、C.I.Reactive Yellow1、2、4、14、16、C.I.Reactive Orange1、4、7、13、16、20、C.I.Disperse Red4、11、54、55、58、65、73、127、129、141、196、210、229、354、356、C.I.Disperse Orange13、29、30。これらの染料は、所望の分光スペクトルを発現させるために、単独で用いる事も、2種類以上組み合わせて用いる事もできる。
着色組成物中における染料の質量濃度は、好ましくは0.1%乃至20%、より好ましくは0.5%乃至18%、更に好ましくは0.5%乃至15%である。染料の濃度が0.1%未満では、染料濃度が薄いため、カラーフィルタとして十分な色の着色画素を形成するためには、着色画素の膜厚を非常に厚くしなくてはならないため、画素形成が困難であり、生産性も悪化するため実用上難点がある。また、20%を越えると、濃度が高すぎるため、染料が十分に溶解せず、結晶が析出する恐れがあり、さらに着色画素の形成のために着色組成物を基板上に塗布し、有機溶剤を乾燥する際にも、染料が析出する恐れがある。
本発明のカラーフィルタの着色画素を形成するために用いる着色組成物には、顔料担体としてバインダー樹脂及び樹脂の前駆体(以下、モノマー)を含有する。
バインダー樹脂は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物により構成される。透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂が含まれ、その前駆体には、放射線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
バインダー樹脂は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、30〜700重量部、
好ましくは60〜450重量部の量で用いることができる。また、透明樹脂とその前駆体との混合物をバインダー樹脂として用いる場合には、透明樹脂は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、20〜400重量部、好ましくは50〜250重量部の量で用いることができる。また、透明樹脂の前駆体は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、10〜300重量部、好ましくは10〜200重量部の量で用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂などが挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。中でも透明性の観点からアクリル系樹脂が好適に用いられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基などの反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物などの酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
透明樹脂を生成するモノマーおよびオリゴマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1, 6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレートなどの各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリルなどが挙げられる。これらは、単独または2種類以上混合して用いることができる。
モノマーとしては、公知のもの、市販のものを特に制限なく用いることができる。特に3官能以上のアクリルあるいはメタクリルモノマーが好適に用いられる。例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及びウレタンアクリレートをトリメチロールプロパントリアクリレートを用いて多官能化したものなどが好適に用いられる。
本発明に係る着色画素を形成するための着色組成物には熱硬化性化合物を用いることもできる。熱硬化性化合物を用いることで、耐薬品、耐環境性を付与することができる。熱
硬化性化合物としては、エポキシ、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、イソシアネート化合物などが挙げられる。中でもエポキシ化合物、メラミン並びにメラミンを縮合したメラミン化合物、及びイソシアネート化合物並びにイソシアネート基をブロック剤で保護したブロックイソシアネート化合物が好適である。何れも熱反応性官能基は一分子あたり二つ以上ある多官能化合物が好ましく、より好ましくは四官能以上の化合物である。
エポキシ化合物は特に制限なく使用することができ、公知のものから選択することができる。エポキシ基の数は特に制限はないが、二つ以上の官能基を有するものが好ましく、より好ましくは4官能以上である。例えば、セロキサイド2021P、セロキサイド3000、EHPE‐3150(ダイセル化学工業社製)、AK601、EPPNシリーズ(日本化薬社製)などが挙げられる。
メラミンは特に制限なく使用することができ、公知のメラミンから選択することが出来る。例えば以下にメラミン化合物を例示する。
式中、R1、R2、R3はそれぞれ水素原子、メチロール基、アルコキシメチル基、アルコキシn−ブチル基、R4、R5、R6はそれぞれメチロール基、アルコキシメチル基、アルコキシn−ブチル基であるが、R1からR6はアルコキシメチル基、アルコキシn−ブチル基であることがより好ましい。
二種類以上の繰り返し単位を組み合わせたコポリマーを用いてもよい。二種類以上のホモポリマーまたはコポリマーを併用してもよい。また、上記以外に1,3,5−トリアジン環を有する化合物で例えば特開2001−166144公報に記載のものを使用することができる。また下記一般式(2)に示す化合物も好んで用いられる。
R7からR14はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基または複素環基であり、水素原子であることが特に好ましい。
さらには、メラミン樹脂とイソシアネート基を含有する化合物、(及び/または)酸無水物とを反応させてなるメラミン化合物であり、該メラミン化合物の質量平均分子量が2500以上かつ固形分酸価が60mgKOH/g以下であるとより好適である。従来のメラミン樹脂を多量に配合すると、感光性樹脂組成物の感度が低下して、十分な硬化に必要な露光時間が長くなり、生産性が悪くなるという問題があった。さらに、感光性樹脂組成物のアルカリ現像性が悪化し、現像速度が適度に調整できず現像時間が長くなることや、逆に現像速度が速すぎて塗膜が基板から剥がれやすくなるといった不具合を生じることから、メラミン樹脂の添加量には限度があり、十分な熱硬化性樹脂の効果を発揮させることが難しくなる。
イソシアネート化合物は特に制限なく使用することができ、公知のものから選択することができる。イソシアネート基の数は特に制限はなく、脂肪族、芳香族あるいは脂環式のモノあるいはジイソシアネート、トリイソシアネート化合物が挙げられる。
イソシアネートは反応性が高いため、ポッドライフを考慮すれば、イソシアネート基をブロック化剤で保護したブロックイソシアネートが好適である。ブロックイソシアネートは、イソシアネート基に対して、フェノール基、イミダゾール基、ピラゾール基、オキシ
ム基、ラクタム基、アルコール基などを有するブロック化剤を用いてイソシアネート基をブロックした化合物が挙げられる。当該ブロック化剤としては、上記水溶性ビニル系樹脂が水溶液中において安定で、100℃から200℃程度でイソシアネート基のブロックが外れるものであればいずれでもよく、フェノール基を含有するサリチル酸メチル、イミダゾール基を含有するイミダゾール、ピラゾール基を含有する3,5−ジメチルピラゾール、オキシム基を含有するメチルエチルケトンオキシム、ラクタム基を含有するε−カプロラクタム、アルコール基を含有するエチルヘキサノールなどが挙げられるが、この限りではない。例えば、BURNOCK DB−980K(DIC社製)、デュラネート TPA−B80E(旭化成ケミカルズ社製)、KA−1000(三洋化成社製)などが挙げられる。
以上の熱硬化性化合物はバインダー樹脂と一体となっていても良い。例えば、エポキシ基やイソシアネート基などがバインダー樹脂中の単位構造として組み込まれているものである。どのような形で組み込まれていても構わないが例として、アクリル樹脂に組み込む例を示す。
アクリル樹脂にエポキシ基を導入する例としては、エポキシ基を持つアクリルモノマーとして、グリシジルアクリレートやグリシジル(メタ)クリレート、又はビニルシクロヘキセンモノオキサイド 1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン(セロキサイド2000 Z ダイセル化学工業社製)などを用いる方法が挙げられる。イソシアネート基またはブロックイソシアネート基を導入する例としては、これらの官能基をもつアクリルモノマーとして2−イソシアトエチル(メタ)クリレート(カレンズMOI 昭和電工社製)やカレンズMOI−EG(昭和電工社製)、ブロックイソシアネート基を含有するメタクリル酸2−(0−[1′−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(カレンズMOI−BM 昭和電工社製)などを用いる方法が挙げられる。これらの熱硬化性化合物と顔料分散樹脂一体の化合物は前述の熱硬化性化合物と合わせて用いることもできる。
これら熱硬化性化合物の含有量は、着色組成物の固形分中で5質量%乃至50質量%が好適である。より好ましくは5質量%乃至40質量%であり、更に好ましくは10質量%乃至40質量%である。熱硬化性化合物が5質量%未満では熱硬化性化合物の量が少なすぎるため、カラーフィルタの製造工程におけるポストベーク工程において十分に着色画素が十分に硬化しないため、その後の透明導電膜の成膜工程における加熱(スパッタリング中の加熱やその後のアニールのための加熱)の際に着色画素が熱により収縮し、透明導電膜との間で応力が発生してシワの発生やクラックの発生の原因となる。一方、熱硬化性化合物の含有量が50質量%を超えると、透明導電膜の成膜工程における加熱によって熱硬化性化合物が熱反応し、それに伴う黄変によって透過率の低下がおきる。さらに、多くの熱硬化性化合物はフォトリソ工程における現像性を考慮した分子設計になっていない(具体的にはアルカリ可溶性を付与するための酸性基を持っていない、など)ため、感光性着色組成物として用いる際には現像性が劣り、残渣などの原因となる。
本発明に係るカラーフィルタの着色画素を形成するために用いる着色組成物には、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布するために1種または2種類以上の有機溶剤を用いることができる。有機溶剤は、着色組成物を塗布する際の塗布性、乾燥性、膜厚均一性、濡れ性などの観点から粘度、表面張力、沸点、溶解度パラメータなどを考慮して選択される。例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、1−エトキシ−2−プロピルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテル、乳酸エチル、乳酸メチル、エチルベンゼン、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソアミル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤などが挙げられるが、これらに限らない。有機溶剤は、着色組成物中の色材の合計100重量部に対して、800〜4000重量部、好ましくは1000〜2500重量部の量で用いることができる。
本発明に係るカラーフィルタの着色画素を形成するために用いる着色組成物は、感光性組成物でも構わない。例えば、前述のカラーフィルタ用着色組成物にさらに、少なくとも1種の光重合開始剤、及び少なくとも1種の光重合性化合物を用いたカラーフィルタ用含染料着色感光性組成物である。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどのアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジンなどのトリアジン系化合物、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、O−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミンなどのオキシムエステル系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィン系化合物、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノンなどのキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物などが用いられる。これらの光重合開始剤は1種または2種以上混合して用いることができる。光重合開始剤は、着色組成物中の顔料の合計100重量部に対して、5〜200重量部、好ましくは10〜150重量部の量で用いることができる。
上記光重合開始剤は、単独あるいは2種以上混合して用いるか、増感剤として、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−
エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどのアミン系化合物を併用することもできる。これらの増感剤は1種または2種以上混合して用いることができる。増感剤は、着色組成物中の光重合開始剤100重量部に対して、0.1〜60重量部の量で用いることができる。
さらに、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有させることができる。多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられる。これらの多官能チオールは、1種または2種以上混合して用いることができる。多官能チオールの含有量は、着色組成物中の顔料の合計100重量部に対して、0.05〜100重量部が好ましく、好ましくは0.1〜60重量部の量で用いることができる。
光重合性化合物は、光照射により光重合開始剤から発生した活性ラジカルや酸などによって重合し得る化合物である。光重合性化合物としては、例えば、重合性の炭素−炭素不飽和結合を有する化合物などが挙げられる。
光重合性化合物としては、公知の光重合性化合物を特に制限なく、用いることができる。光重合性化合物としては、少なくとも1つの付加重合可能なエチレン性二重結合を有し、常圧下での沸点が100℃以上である化合物が好ましい。(メタ)アクリル化合物であることがより好ましい。感度と高硬化の観点から、前記光重合性化合物が多官能(メタ)アクリル化合物であることが更に好ましい。
光重合性化合物の例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリス(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリス(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化したものなどが挙げられる。
本発明に係るカラーフィルタの着色画素を形成するために用いる着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために、貯蔵安定剤を含有させることができ、また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤などの密着向上剤を含有させることもできる。貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニル
フォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどの(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのチオシラン類などが挙げられる。
本発明に係るカラーフィルタは、本発明に係る青色画素のほかに、必要に応じて赤色画素、及び緑画素を含み、更に必要に応じて黄色画素、シアン色画素、マゼンタ色画素、及び透明画素等の他の色の画素を含んでいてもよい。本発明に関わる着色画素以外は、色顔料を含有する、色染料を含有する、もしくは、色顔料及び色染料の両方を含有する、公知の着色組成物を用いて形成して構わない。
本実施形態に係るカラーフィルタにおいて、着色画素は、好ましくは0.1μmないし5.0μm、より好ましくは0.5μmないし4.0μm、更に好ましくは1.0μmないし3.5μmの膜厚を有する。すなわち、本発明に係わる青色画素をフォトリソグラフィー法で形成する場合、膜厚が0.1μm未満であると画素の形成が困難になり、また、膜厚が5μmより厚くなると、組成物を塗膜として塗布形成するのが困難となるためである。
本実施形態に係るカラーフィルタは、透明基板上に、上述したカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成された着色塗膜からなる着色画素を具備するものである。
即ち、カラーフィルタは、ガラス等の透明基板上に、遮光膜であるブラックマトリクス、及び着色画素を備えている。着色画素は、上述した青色着色組成物を用いて形成された青色画素B、赤色画素R、及び緑色画素Gからなる。
透明基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、本発明に係わるカラーフィルタを液晶表示装置に組み込む場合、ガラス板や樹脂板の表面には、液晶パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
各色着色画素の形成は、例えば、印刷法、インクジェット法、フォトリソグラフィー法等により行うことができる。
印刷法による各色着色画素の形成は、上記各種の印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および
平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
インクジェット法を用いたカラーフィルタの製造方法として、ガラス基板上にブラックマトリクスを形成し、インクジェット印刷装置を用いてブラックマトリクスの開口部にインクを付与して着色部を形成する方法が提案されている。更に、この方法において、インクが所定の開口部に正確に充填され、隣接する着色部間でインクが混じり合う混色が発生しないように、ブラックマトリクスを構成する材料にフッ素化合物やケイ素化合物等の撥水材を含ませてもよい。
インクジェットに用いる装置としては、インク吐出方法の相違によりピエゾ変換方式と熱変換方式がある。また、インクジェット装置におけるインクの粒子化周波数は、5〜100KHz程度である。また、インクジェット装置におけるノズル径は5〜80μm程度が望ましい。また、インクジェット装置はヘッドを複数個配置し、1ヘッドにノズルを60〜500個程度組み込んだものを用いることが出来る。
インクジェット法により着色部パターンを形成した後は、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレートなどを使用して、加熱処理し、着色層パターンを形成する。インクジェット法によれば、複数色のインキを同時に塗布することが出来ることから、簡易なプロセスで安価にカラーフィルタを製造することが可能である。
フォトリソグラフィー法により各色着色画素を形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストとして調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜10μmとなるように塗布する。塗布膜を乾燥させる際には、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレートなどを使用してもよい。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するパターン露光用フォトマスクを介して膜に紫外線露光を行う。
その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。着色組成物の現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどの水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミンなどの有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法などを適用することができる。
なお、紫外線露光時の膜の感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂などを塗布乾燥し、酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
電着法は、透明基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色着色画素を透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。
転写法は、剥離性の転写ベースシートあるいは転写胴の表面に、あらかじめ着色画素を
形成しておき、この着色画素を所望の透明基板に転写させる方法である。透明基板あるいは反射基板上に各色着色画素を形成する前に、あらかじめブラックマトリックスを形成しておくと、表示パネルのコントラストを一層高めることができる。ブラックマトリックスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜を用いることもできる。
透明導電膜の材料は特に制限なく公知のものを用いることができる。中でも特にITOが好適に用いられる。透明導電膜の多くはスパッタ法などでカラーフィルタ上に成膜されるが、多くは加熱しながら成膜するか、成膜後にアニール工程が必要となる。透明導電膜を成膜する際の加熱は、スパッタリングの際に同時に加熱する方法(加熱スパッタリング)とスパッタリング後の後加熱する方法(アニーリング)があると前述したが、この両方を用いる方法もある。即ち、加熱スパッタリングにより透明導電膜を形成し、その後にさらにアニーリングを実施する方法である。
本発明に係るカラーフィルタの青色画素は、該青色画素の透過率スペクトルにおいて550nmにおける透過率が1%以下、400nmにおける透過率が15%以下であり、並びに400nmから700nmの範囲に入る最大透過率波長の範囲が450nmから500nmの範囲に入ることを特徴としている。550nmから700nmにおける透過率は、青色画素の色純度の向上、および他の色の画素からの迷光をカットするためにも低いほうが好ましく1.0%以下、より好ましくは0.5%以下、更に好ましくは0.2%以下である。また、最大透過率は表示装置の光利用効率に関わるため、できるだけ高い方が良い。好ましくは40%以上であり、より好ましくは50%以上である。
該着色画素の透過率スペクトルは、顕微分光装置によって測定される。顕微分光装置は市販されている装置を用いることができる。例えば、オリンパス社製OSP−SP2000、TFCAM−7000または大塚電子社製LCF−1100などが挙げられる。
本発明に係るカラーフィルタ用いられる緑色顔料の全顔料中の質量比率は好ましくは1%乃至60%であり、より好ましくは2%乃至50%、更に好ましくは3%乃至40%である。全顔料における緑色顔料の割合が、1%以下だと緑色顔料を加える効果がほとんど見られず、60%以上だとCIE1931のXYZ表色系における(x,y)色度座標における青のNTSC規格値から大きくズレてしまう。該色度の計算をするには、使用する光源の発光スペクトルを取得する必要がある。白色LED光源及び白色ELの発光スペクトルは、市販の放射輝度計などを用いて測定することができる。例えば、コニカミノルタ社製分光放射輝度計「CS−2000」や「CS−1000A」、トプコン社製分光放射計「SR−3AR」、「SR−UL1R」、「SR−UL2R」などが挙げられる。
該着色画素の色度を白色LED光源の発光スペクトルを用いて計算するには、等色関数を用いて計算する。等色関数はCIE(国際照明委員会 International Commission on Illumination CIE1931など)やJIS(日本工業標準調査会 JIS Z87071など)によって2°視野と10°視野の分光感度が規定されており、これを用いて算出する方法が記されている。本発明における色度の算出には2°視野の等色関数を用いて計算する。
本発明に係わるカラーフィルタを液晶表示装置に組み込む場合、前記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に着色画素を形成することもできる。TFT基板上に着色画素を形成することにより、液晶表示パネルの開口率を高め、輝度を向上させることができる。
本実施形態に係るカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や柱状スペー
サー、液晶配向膜などを形成して構わない。
<LED光源>
本発明に係る、光源に白色LEDを用いた液晶表示装置について説明する。本発明に係る白色LEDを用いた光源は、公知の方法であればどのような方法、構造でも構わない。例示すると、液晶セルの背面の全面にLEDチップが配置される「直下型」、液晶セルの端部一辺或いは二辺以上にLEDチップを配置する「エッジライト型」などが挙げられる。光源に用いる白色LEDは公知のものを用いることができる。以下に白色LEDについて例示するが、これらに限定されるものではない。
LEDの構造の一例を(図1)に示す。ここで示すLEDは、表面実装型発光装置であるが、これに限定されるものではなく、従来から用いられている挿入型発光装置を用いることも可能である。前記表面実装型発光装置は、上方に開口する凹部を有する発光素子搭載筐体1の凹部の底面に、ダイボンド剤により発光素子2が貼付けられており、この発光素子2上に蛍光体3を分散した透光性樹脂4が覆っている。発光素子2の上部電極は、第1のワイヤ5により第1の外部電極6に接続され、下部電極は、第2のワイヤ7により第2の外部電極8に接続されている。なお、発光素子搭載筐体1の凹部の内面には、光反射材9が被覆されている。前記発光素子は、窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層を有し、窒化物系化合物半導体(一般式IniGajAlkN、但し、0≦i、0≦j、0≦k、i+j+k=1)としては、InGaNや各種不純物がドープされたGaNをはじめ、種々のものがある。この素子は、MOCVD法等により基板上にInGaNやGaN等の半導体を発光層として成長させることにより形成する。
半導体の構造としては、MIS接合、PI接合やPN接合などを有するホモ構造、ヘテロ構造あるいはダブルヘテロ構造のものが挙げられる。この窒化物半導体層は、その材料やその混晶度によって発光波長を種々選択することができる。また、半導体活性層を量子効果が生ずる薄膜で形成した単一量子井戸構造や多量子井戸構造とすることもできる。
上記の蛍光体の例として、黄色の発光を有するYAG蛍光体(YAG:イットリウムアルミニウムガーネット)がある。この蛍光体を使った場合、発光素子の青色と、蛍光体の黄色を混合して擬似的な白色にする「擬似白色LED」がある。この型の白色LEDは既に携帯電話などの小型ディスプレイで多く採用されており、安価に入手できることが特長である。
本発明の一実施形態に係る液晶表示装置に用いる白色LED装置バックライトの構造の一例として(図2)に示す組立図のような構造を挙げることができる。即ち、金属フレーム(又は樹脂枠)内に、反射シート、複数のLED(表面実装型発光装置)が側面に配置された導光板、拡散シート、2枚のプリズムシートが順次積層されて、白色LED装置バックライトが構成される。なお、複数のLED(表面実装型発光装置)は、基板に取り付けられている。
以下に、本発明の製造例および実施例、比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例における「部」および「%」は、「質量部」および「質量%」をそれぞれ表す。また、顔料の記号はカラーインデックスナンバーを示し、例えば、「PG7」は「C.I.Pigment Green7」を、「PB15:6」は「C.I.Pigment Blue15:6」を表す。
以下の顔料を用いて着色組成物中の青色顔料B−1、B−2及び緑色顔料G−1,G−
2,G−3を調整をした。
[顔料]
青色顔料:PB15:6(東洋インキ製造社製「リオノールブルーES」; B−1)
PB15:3(東洋インキ製造社製「LIONOL BLUE FG−73
51」; B−2)
緑色顔料:PG7 (東洋インキ製造社製「LIONOL GREEN YS−
7」; G−1)
PG36 (東洋インキ製造社製「リオノールグリーン 6YK」)
PG58 (DIC社製「Phthalocyanine Green A
110」; G−2)
[顔料調整1]
下記材料をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、70℃で12時間混練した。次に、この混合物を約5リットルの温水に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過し、水洗して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除き、80℃で24時間乾燥し、198部のソルトミリング処理顔料(青色顔料B−1)を得た。
青色顔料(PB15:6) 200部
塩化ナトリウム 1600部
ジエチレングリコール(東京化成社製) 100部
[顔料調製2]
青色顔料(PB15:3)以外は、顔料調製1と同様にして青色顔料B−2を得た。
[顔料調製3]
緑色顔料(PG7)以外は、顔料調製1と同様にして緑色顔料G−1を得た。
[顔料調製4]
緑色顔料(PG36)以外は、顔料調製1と同様にして緑色顔料G−2を得た。
[顔料調製5]
緑色顔料(PG58)以外は、顔料調製1と同様にして緑色顔料G−3を得た。
次に、以下の方法にて着色組成物中のアクリル樹脂溶液を調整した。なお、樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
[アクリル樹脂溶液の調製]
反応容器にシクロヘキサノン370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度で下記混合物を1時間かけて滴下し、重合反応を行った。
メタクリル酸(MAA) 20.0部
メチルメタクリレート(MMA) 10.0部
ベンジルメタクリレート(BzMA) 55.0部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA) 15.0部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 4.0部
滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させた溶液を加え、さらに80℃で1時間反応を続け
て、アクリル樹脂の溶液を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量は、約40000であった。
次に室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して、アクリル樹脂溶液(P−1)を調製した。
[顔料分散体の調整]
表1に示す組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径0.1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで2時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し顔料分散体PB−1、PB−2、PG−1、PG−2及びPG−3を作製した。なお、顔料誘導体D−1からD−2の構造を(図3)に記載する。
分散剤 : アクリル系分散剤 (ビックケミー社製 「BYK−2001」)
有機溶剤 : シクロヘキサノン
[着色組成物の調製]
以下、実施例1〜6及び比較例1〜3の記載する着色組成物を調整した。
[実施例1]
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して青色着色組成物を得た。
顔料分散体(PB−1) 6.5部
顔料分散体(PG−1) 7.5部
アクリル樹脂溶液(P−1) 7.2部
モノマー 1.5部
(東亞合成社製 「アロニックス M402」)
光重合開始剤(Int−1) 0.4部
(チバガイギー社製「イルガキュア−OXE02」)
有機溶剤 40.9部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
[実施例2〜6および比較例1〜3]
下記表2に記載した顔料分散体、光重合開始剤、光増感剤以外は、実施例1と同様にして着色組成物を得た。なお、表2では、実施例に係る着色組成物も併せて示した。
[着色塗膜の作製]
実施例1〜6及び比較例1〜3の着色組成物を用いて、以下の方法にて着色塗膜を作製した。
まず、上記着色組成物を硬化後の膜厚が3μmとなるようにガラス基板に塗布し、乾燥した後、超高圧水銀ランプを用いて紫外線で露光した。その後、23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄し、風乾した。その後、クリーンオーブン中で、230℃で30分のポストベークを行い、青色着色塗膜を有するガラス基板を得た。
[白色LED装置バックライト作製]
正及び負の一対の外部電極がインサートされて閉じられた金型内に、筺体の主面に対向する下面側にあたるゲートから、溶融したポリフタルアミド樹脂を流し込み、硬化させて、筺体を形成した。前記筺体は、発光素子を収納可能な開口部を有し、この開口部底面から正及び負の外部電極が一方の主面が露出されるように一体的に成形されている。
前記筺体側面から露出した正及び負の外部電極の各アウタリード部は、発光面と反対側の面の両端部で内側に折り曲げられている。このように形成された開口部の底面に対し、主波長ピークが455nmであるLEDチップをエポキシ樹脂にてダイボンドし、各外部電極とワイヤにて電気的に接続した。
次に、シリコーン樹脂組成物3gに対して、560nm付近に発光ピークを持つYAGG系蛍光体Y3Al5O12:Ceを約0.4g添加し、混合した。こうして得られた透光性樹脂を筺体開口部内に、開口部の両端部上面と同一平面ラインまで充填させ、その後、70℃で3時間、更に150℃で1時間熱処理を施した。
このようにして得られた白色LED装置と導光板とを光学的に接続して、反射シート、前記導光板、拡散シート、およびプリズムシートを順次積層固定し、バックライトを作製した。ここで、本発明を適用可能なバックライトの構成は、これに限定されるものではなく、従来から用いられているあらゆるバックライトの構造を用いることができる。なお、上記方法で得られた白色LED装置バックライトの発光スペクトルを(図4)に示す。
[色度及び透過率]
実施例1〜6及び比較例1〜3の着色組成物を用いて作製した上記着色塗膜の色度を、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて分光透過率を測定し、LED光源での色度(Y,x,y)を計算した。なお、測定の際のリファレンスにはガラスを用いた。測定結果を下記表3に示す。
表3の色度は、y値をNTSC規格と同じ0.080にした時のCIE1931表色系(XYZ表色系)における色度値を記した。判定基準として色度のx値がx<0.14を○、0.14≦x≦0.146を△、0.146<xを×とした。
<比較結果>
実施例1〜6の本発明品の青色着色組成物から作製した着色塗膜は、最大分光透過率波長が470nmから500nmの範囲に存在し、また550nmにおける透過率が1.0%以下であった。その結果、実施例1〜6はCIE1931表色系(XYZ表色系)における色度(x,y)が、(0.134,0.086)、(0.146,0.086)、(0.134,0.074)、(0.146,0.074)の範囲内にありNTSCの規格値を満たし良好な結果が得られた。
一方、比較例1及び比較例2の青色着色組成物からなる着色塗膜の最大透過率波長は470nm以下であった。また550nmにおける透過率が1.0%以上であった。その結果、比較例1ではCIE1931表色系(XYZ表色系)における色度(x,y)が(0.149,0.080)、比較例2では(0.153,0.080)と上記の範囲から外れるため、NTSCの規格値を満たさなかった。
また、緑色顔料PG−7が全顔料中の60%を占める比較例3のCIE1931表色系(XYZ表色系)における色度(x,y)は、(0.136,0.139)となり青のN
TSC規格値から大きくズレてしまった。上記のように実施例1〜6の本発明品は比較例品に」比べて、いずれも良好な結果を示した。