JP2011081117A - カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、それを具備する液晶表示装置並びにエレクトロルミネッセンス表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】着色剤として染料を使用することで、高明度、高コントラストの表示を可能とすると共に、その耐熱性、耐光性に優れたカラーフィルタとその製造方法を提供すること。
【解決手段】バインダー樹脂として、カルボン酸を含有する構造とアルコール性水酸基を含有する構造のうち、少なくともいずれか一方の構造(b)を有するものを使用すると共に、イソシアネート基とブロックドイソシアネート基のうち、少なくともいずれか一方の置換基(c)を、前記バインダー樹脂の一部として、又は添加物の一部として有する組成物であって、置換基(c)のモル数Mcと、構造(b)のモル数Mbとが、式1を充足する。
0.5≦Mc/Mb≦2.0 ・・・(式1)
【選択図】図1
【解決手段】バインダー樹脂として、カルボン酸を含有する構造とアルコール性水酸基を含有する構造のうち、少なくともいずれか一方の構造(b)を有するものを使用すると共に、イソシアネート基とブロックドイソシアネート基のうち、少なくともいずれか一方の置換基(c)を、前記バインダー樹脂の一部として、又は添加物の一部として有する組成物であって、置換基(c)のモル数Mcと、構造(b)のモル数Mbとが、式1を充足する。
0.5≦Mc/Mb≦2.0 ・・・(式1)
【選択図】図1
Description
本発明は、カラーの表示装置に利用されるカラーフィルタの技術に関するものである。このカラーフィルタは、例えば、液晶表示装置やエレクトロルミネッセンス表示装置に利用される。
液晶表示装置は、近年、薄型であることゆえの省スペース性や軽量性、また省電力性などが評価されている。中でもテレビ受像機などディスプレイ用途への普及が急速に進んでおり、輝度、コントラストや全方位の視認性などの表示性能をより高めることが望まれると共に、それに用いるカラーフィルタの更なる高明度化、高コントラスト化などが望まれている。
カラーフィルタの作製方法としては、印刷法、電着法、顔料分散法などが知られているが、このうち顔料分散法は、まず顔料をバインダー樹脂に混合して着色組成物を作成し、この着色組成物に重合性化合物と光重合開始剤とを添加して着色感光性組成物とした後、透明基板上に塗布し、この塗布被膜を露光現像して、カラーフィルタを作製する方法である。顔料分散法は顔料を使用しているため耐熱性、耐光性に優れており、液晶表示装置用カラーフィルタとして好適であり、広く利用されてきた。
しかし、顔料分散法を用いて作製したカラーフィルタは顔料微粒子の影響により、液晶表示装置内で光を拡散させ、表示コントラストの低下を招くことが知られており、その対策として顔料粒子の微粒化が検討なされているが、顔料を用いている限り、この光拡散は完全にはなくならない。
この問題を解決するためには、着色組成物に溶解することで発色する染料を用いることが考えられる。従来から染料を用いたカラーフィルタの検討がなされているおり、特開平6−75275号公報等により提案されているが、染料を含有する着色組成物には新たな問題点を含んでいる。すなわち、染料はフォトリソ法で一般的に用いられるラジカル重合において、発生したラジカル重合末端を失活させる、いわゆる「ラジカルイーター」として働くため、露光感度を低下させ、塗膜を十分に硬化できない。また、これに伴ない、得られたカラーフィルタの耐熱性や耐光性が低い。
これらの課題に対して含染料着色組成物に、不飽和二重結合を含む単位構造を持つバインダー樹脂を使用することで露光感度や耐熱性を向上させる検討がなされているが、この方法によっても液晶表示装置の製造工程でかけられる熱プロセスで十分に耐え得るだけの耐熱性は確保されていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、着色剤として染料を使用することで、高明度、高コントラストの表示を可能とすると共に、その耐熱性、耐光性に優れたカラーフィルタとその製造方法を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、このカラーフィルタに関連して、このカラーフィルタの製造に適した着色組成物を提供する。そして、本発明は、これに加えて、このカラーフィルタを具備する液晶表示装置やエレクトロルミネッセンス表示装置をも提供するものである。
すなわち、本発明者らは、上述の課題を解決するために検討した結果、イソシアネート基又はブロック剤で保護されたイソシアネート基(ブロックドイソシアネート基)をバインダー樹脂と反応させることにより、上記課題が解決されることを見出した。
イソシアネート基とブロックドイソシアネート基とは、前記バインダー樹脂の一部の置換基として存在するものであってもよい。また、イソシアネート基又はブロックドイソシアネート基を有する化合物を、前記バインダー樹脂とは別の化合物として、着色組成物や着色感光性組成物に添加してもよい。
これらイソシアネート基やブロックドイソシアネート基は、カルボン酸を含有する構造やアルコール性水酸基を含有する構造と反応する。このため、前記バインダー樹脂は、これらの構造、すなわち、カルボン酸を含有する構造とアルコール性水酸基を含有する構造のうち、いずれか一方を有している必要がある。
本発明はこのような技術的知見に基づいてなされたもので、請求項1〜4はこの知見に基づく着色組成物に関するものである。また、請求項5〜9は、それぞれ、感光性を有する着色組成物、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置に関するものである。
すなわち、まず請求項1に係る発明は、染料とバインダー樹脂とを含有するカラーフィルタ用着色組成物において、
バインダー樹脂が、カルボン酸を含有する構造とアルコール性水酸基を含有する構造のうち、少なくともいずれか一方の構造(b)を有すると共に、
イソシアネート基とブロックドイソシアネート基のうち、少なくともいずれか一方の置換基(c)を、前記バインダー樹脂の一部として、又は添加物の一部として有する、
ことを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物である。
バインダー樹脂が、カルボン酸を含有する構造とアルコール性水酸基を含有する構造のうち、少なくともいずれか一方の構造(b)を有すると共に、
イソシアネート基とブロックドイソシアネート基のうち、少なくともいずれか一方の置換基(c)を、前記バインダー樹脂の一部として、又は添加物の一部として有する、
ことを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物である。
次に、請求項2に係る発明は、前記置換基(c)のモル数Mcと、構造(b)のモル数Mbとが、式1を充足することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用着色組成物である。
0.5≦Mc/Mb≦2.0 ・・・(式1)
なお、後述する実施例から分かるように、Mc/Mbが0.5より小さいときには、得られるカラーフィルタの耐熱性や耐光性が十分とはいえない。また、後述する実施例から分かるように、Mc/Mbは1.24程度で優れた耐熱性と耐光性を示す。2.0以上では膜形成が困難になり、また、基板からの剥がれが発生する恐れがある。
なお、後述する実施例から分かるように、Mc/Mbが0.5より小さいときには、得られるカラーフィルタの耐熱性や耐光性が十分とはいえない。また、後述する実施例から分かるように、Mc/Mbは1.24程度で優れた耐熱性と耐光性を示す。2.0以上では膜形成が困難になり、また、基板からの剥がれが発生する恐れがある。
なお、バインダー樹脂がカルボン酸を含有する構造(b1)とアルコール性水酸基を含有する構造(b2)の双方を有する場合、構造(b)のモル数Mbは、構造(b1)のモル数Mb1と構造(b2)のモル数Mb2との合計である。このため、前記式1は式2で表わすことができる。
0.5≦Mc/(Mb1+Mb2)≦2.0 ・・・(式2)
また、添加物がその一部として前記置換基(c)を有する場合、この前記置換基(c)の
モル数をMc1とすると、前記式1は式3で表わすことができる。
また、添加物がその一部として前記置換基(c)を有する場合、この前記置換基(c)の
モル数をMc1とすると、前記式1は式3で表わすことができる。
0.5≦Mc1/Mb≦2.0 ・・・(式3)
また、添加物がその一部として前記置換基(c)を有し、バインダー樹脂がカルボン酸を含有する構造(b1)とアルコール性水酸基を含有する構造(b2)の双方を有する場合、前記式1は式4で表わすことができる。
また、添加物がその一部として前記置換基(c)を有し、バインダー樹脂がカルボン酸を含有する構造(b1)とアルコール性水酸基を含有する構造(b2)の双方を有する場合、前記式1は式4で表わすことができる。
0.5≦Mc1/(Mb1+Mb2)≦2.0 ・・・(式4)
また、バインダー樹脂が前記置換基(c)を有する場合、この前記置換基(c)のモル数をMc2とすると、前記式1は式5で表わすことができる。
また、バインダー樹脂が前記置換基(c)を有する場合、この前記置換基(c)のモル数をMc2とすると、前記式1は式5で表わすことができる。
0.5≦Mc2/Mb≦2.0 ・・・(式5)
また、バインダー樹脂が前記置換基(c)を有し、かつ、このバインダー樹脂がカルボン酸を含有する構造(b1)とアルコール性水酸基を含有する構造(b2)の双方を有する場合、前記式1は式6で表わすことができる。
また、バインダー樹脂が前記置換基(c)を有し、かつ、このバインダー樹脂がカルボン酸を含有する構造(b1)とアルコール性水酸基を含有する構造(b2)の双方を有する場合、前記式1は式6で表わすことができる。
0.5≦Mc2/(Mb1+Mb2)≦2.0 ・・・(式6)
そして、バインダー樹脂が前記置換基(c)を有すると共に、添加物もその一部として前記置換基(c)を有する場合、前記式1は式7で表わすことができる。
そして、バインダー樹脂が前記置換基(c)を有すると共に、添加物もその一部として前記置換基(c)を有する場合、前記式1は式7で表わすことができる。
0.5≦(Mc1+Mc2)/Mb≦2.0 ・・・(式7)
また、バインダー樹脂が前記置換基(c)を有すると共に、添加物もその一部として前記置換基(c)を有し、かつ、バインダー樹脂がカルボン酸を含有する構造(b1)とアルコール性水酸基を含有する構造(b2)の双方を有する場合、前記式1は式8で表わすことができる。
また、バインダー樹脂が前記置換基(c)を有すると共に、添加物もその一部として前記置換基(c)を有し、かつ、バインダー樹脂がカルボン酸を含有する構造(b1)とアルコール性水酸基を含有する構造(b2)の双方を有する場合、前記式1は式8で表わすことができる。
0.5≦(Mc1+Mc2)/(Mb1+Mb2)≦2.0 ・・・(式8)
次に、請求項3〜4は、バインダー樹脂を特定したものである。すなわち、請求項3に係る発明は、バインダー樹脂が、アクリル酸、メタクリル酸、アルコール性水酸基を含有するアクリル酸エステル、アルコール性水酸基を含有するメタリル酸エステルから選択されたモノマーを使用して重合された重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用着色組成物であり、請求項4に係る発明は、前記モノマーが、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリセロールアクリレート、グリセロールメタアクリレートから選択されたモノマーであることを特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタ用着色組成物である。
次に、請求項3〜4は、バインダー樹脂を特定したものである。すなわち、請求項3に係る発明は、バインダー樹脂が、アクリル酸、メタクリル酸、アルコール性水酸基を含有するアクリル酸エステル、アルコール性水酸基を含有するメタリル酸エステルから選択されたモノマーを使用して重合された重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用着色組成物であり、請求項4に係る発明は、前記モノマーが、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリセロールアクリレート、グリセロールメタアクリレートから選択されたモノマーであることを特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタ用着色組成物である。
また、請求項5に係る発明は感光性を有する組成物に係るもので、染料とバインダー樹脂に加えて、重合性化合物と光重合開始剤とを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルタ用着色組成物である。
次に、請求項6〜7に係る発明はカラーフィルタとその製造方法に係るもので、請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の着色組成物から成る着色画素を持つことを特徴とするカラーフィルタであり、請求項7に係る発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の着色組成物から成る着色画素を形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
また、請求項8〜9に係る発明はディスプレイに係る発明である。すなわち、請求項8に係る発明は、請求項6に記載のカラーフィルタを具備することを特徴とする液晶表示装置であり、他方、請求項9に係る発明は、請求項6に記載のカラーフィルタを具備するこ
とを特徴とするエレクトロルミネッセンス表示装置である。
とを特徴とするエレクトロルミネッセンス表示装置である。
本発明によると、色剤として染料を使用してその特性(高明度、高コントラストの表示が可能であること)を生かしながら、しかも、耐熱性、耐光性に優れたカラーフィルタを得ることができる。また、このカラーフィルタの製造に適した着色組成物と着色感光性組成物と、このカラーフィルタを使用した液晶表示装置やエレクトロルミネッセンス表示装置を得ることもできる。
本発明に係る着色組成物はカラーフィルタの製造に利用されるもので、染料とバインダー樹脂とを必須成分とする。
染料はカラーフィルタの着色画素を着色する着色材料の役割を有している。
バインダー樹脂は、染料によって染色されてこの染料を固定保持する役割を有している。また、着色組成物が顔料を含有する場合には、この顔料を分散させる役割を併せ持っている。このバインダー樹脂は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物により構成することができる。透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。バインダー樹脂は、着色組成物中の着色材料100重量部に対して、30〜700重量部、好ましくは60〜450重量部の量で用いることができる。また、透明樹脂とその前駆体との混合物を用いる場合には、透明樹脂は、着色組成物中の着色材料100重量部に対して、20〜400重量部、好ましくは50〜250重量部の量で用いることができる。また、透明樹脂の前駆体は、着色組成物中の着色材料100重量部に対して、10〜300重量部、好ましくは10〜200重量部の量で用いることができる。
本発明の課題解決原理は、このバインダー樹脂と、イソシアネート基又はブロックドイソシアネート基と反応させて、カラーフィルタの耐熱性と耐光性を高めることである。このため、バインダー樹脂はこれらイソシアネート基等と反応する化学構造を有している必要がある。すなわち、バインダー樹脂は、カルボン酸を含有する構造(b1)とアルコール性水酸基を含有する構造(b2)のうち、いずれか一方の構造(b)を有している必要がある。
また、本発明に係る着色組成物は、イソシアネート基とブロックドイソシアネート基のうち少なくともいずれか一方の置換基(c)を有する化合物を含有している必要がある。この置換基(c)は、バインダー樹脂の一部として着色組成物に含有されていてもよいし、バインダー樹脂とは別に着色組成物に添加される添加物の一部として含有されていてもよい。
例えば、バインダー樹脂として置換基(c)を持たない樹脂を使用し、置換基(c)を有する化合物を添加物として含有せしめることができる。
また、バインダー樹脂として置換基(c)を有する樹脂を使用することも可能である。
また、バインダー樹脂として置換基(c)を有する樹脂を使用すると共に、置換基(c)を有する添加物を含有せしめることもできる。
いずれの場合であっても、十分な耐熱性と耐光性を得るため、構造(b)と置換基(c)とを、次式1を充足する割合で含有することが望ましい。
0.5≦Mc/Mb≦2.0 ・・・(式1)
ここで、Mcは置換基(c)のモル数を意味し、Mbは構造(b)のモル数を意味している。
ここで、Mcは置換基(c)のモル数を意味し、Mbは構造(b)のモル数を意味している。
より望ましくは式1−1を充足する。また、さらにより望ましくは式1−2を充足する。
0.8≦Mc/Mb≦1.5・・・(式1−1)
1.0≦Mc/Mb≦1.2・・・(式1−2)
なお、バインダー樹脂がカルボン酸を含有する構造(b1)とアルコール性水酸基を含有する構造(b2)の双方を有する場合、構造(b)のモル数Mbは、構造(b1)のモル数Mb1と構造(b2)のモル数Mb2との合計である。このため、前記式1は式2で表わすことができる。
1.0≦Mc/Mb≦1.2・・・(式1−2)
なお、バインダー樹脂がカルボン酸を含有する構造(b1)とアルコール性水酸基を含有する構造(b2)の双方を有する場合、構造(b)のモル数Mbは、構造(b1)のモル数Mb1と構造(b2)のモル数Mb2との合計である。このため、前記式1は式2で表わすことができる。
0.5≦Mc/(Mb1+Mb2)≦2.0 ・・・(式2)
また、このとき、式1−1及び式1−2は、それぞれ、式2−1及び式2−2で表わすことができる。
また、このとき、式1−1及び式1−2は、それぞれ、式2−1及び式2−2で表わすことができる。
0.8≦Mc/(Mb1+Mb2)≦1.5・・・(式2−1)
1.0≦Mc/(Mb1+Mb2)≦1.2・・・(式2−2)
なお、本発明に係る着色組成物は、染料、バインダー樹脂、置換基(c)を有する添加物のほかに、その他の成分を含有するものであってもよい。
1.0≦Mc/(Mb1+Mb2)≦1.2・・・(式2−2)
なお、本発明に係る着色組成物は、染料、バインダー樹脂、置換基(c)を有する添加物のほかに、その他の成分を含有するものであってもよい。
例えば、着色材料として、染料に加えて顔料を含有することもできる。また、この顔料をバインダー樹脂中に微分散させる分散補助剤を含有することもできる。
また、前記バインダー樹脂として、前記構造(b)を有する樹脂に加えて、この構造(b)を持たない樹脂を含有することもできる。
また、この着色組成物は、重合性化合物と光重合開始剤とを含有することもできる。この場合、この着色組成物は感光性を有し、この着色組成物の塗布被膜に紫外線を照射することにより、硬化させることができる。また、重合性化合物と光重合開始剤に加えて、光増感剤、連鎖移動剤、貯蔵安定剤、透明基板との密着性を高める密着向上剤などを含有することもできる。
なお、これらの成分は任意の順序で混合することができる。例えば、後述する実施例1は、構造(b)を持たない樹脂に顔料を混合して混合物とし、この後、染料、構造(b)を有する樹脂、置換基(c)を有する添加物、重合性化合物、光重合開始剤及び光増感剤を同時に添加混合して着色組成物を製造した例である。
また、実施例1は、構造(b)を持たない樹脂に顔料を混合して混合物とし、この後、染料、構造(b)を有し、かつ、置換基(c)を有する樹脂、重合性化合物、光重合開始剤及び光増感剤を同時に添加混合して着色組成物を製造した例である。
また、実施例6は、構造(b)を持たない樹脂に顔料を混合して混合物とし、この後、染料、構造(b)を有し、かつ、置換基(c)を有する樹脂、置換基(c)を有する添加物、重合性化合物、光重合開始剤及び光増感剤を同時に添加混合して着色組成物を製造した例である。
次に、本発明に係る着色組成物の各成分について、染料、顔料、構造(b)を有し置換基(c)を持たないバインダー樹脂、構造(b)を有し且つ置換基(c)を有するバインダー樹脂、構造(b)を持たないバインダー樹脂、置換基(c)を有する添加物、重合性化合物、光重合開始剤、光増感剤、連鎖移動剤、貯蔵安定剤、密着向上剤、溶剤の順に説明する。そして、この説明に続き、カラーフィルタとその製造方法、ディスプレイについて説明する。
[染料]
本発明に係る染料としては、有機溶剤に可溶な染料が使用できる。
本発明に係る染料としては、有機溶剤に可溶な染料が使用できる。
この染料は、例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特許2592207号公報、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報等に記載の色素が挙げられる。
これらの染料としては、油溶性染料、酸性染料、塩基性染料、直接染料、硫化染料、バット染料、反応性染料、アゾ系染料、分散染料等が挙げられる。例えば、ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料、メロシアニン系染料、スチルベン系染料、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、フルオラン系染料、スピロピラン系染料、フタロシアニン系染料、インジゴ系染料、フルギド系染料、ニッケル錯体系染料、及びアズレン系染料が挙げられる。具体的には、カラーインデックス番号で以下のものが挙げられる。
すなわち、まず、黄色の油溶性染料としては、C.I.Solvent Yellow2、3、7、12、13、14、16、18、19、21、25、25:1、27、28、29、30、33、34、36、42、43、44、47、56、62、72、73、77、79、81、82、83、83:1、88、89、90、93、94、96、98、104、107、114、116、117、124、130、131、133、135、141、143、145、146、157、160:1、161、162、163、167、169、172、174、175、176、179、180、181、182、183、184、185、186、187、189、190、191が例示できる。
また、オレンジ色の油溶性染料としては、C.I.Solvent Orange1、2、3、4、5、7、11、14、20、23、25、31、40:1、41、45、54、56、58、60、62、63、70、75、77、80、81、86、99、102、103、105、106、107、108、109、110、111、112、113が例示できる。
また、赤色の油溶性染料としては、C.I.Solvent Red1、2、3、4、8、16、17、18、19、23、24、25、26、27、30、33、35、41、43、45、48、49、52、68、69、72、73、83:1、84:1、89、90、90:1、91、92、106、109、110、118、119、122、124、125、127、130、132、135、141、143、145、146、149、150、151、155、160、161、164、164:1、165、166、168、169、172、175、179、180、181、182、195、196、197、198、207、208、210、212、214、215、218、222、223、225、227、229、230、233、234、235、236、238、239、240、241、242、243、244、245、247、248が例示できる。
また、紫色の油溶性染料としては、C.I.Solvent Violet2、8、9、11、13、14、21、21:1、26、31、36、37、38、45、46、47、48、49、50、51、55、56、57、58、59、60、61、C.I.SolventBlue2、3、4、5、7、18、25、26、35、36、37、38、43、44、45、48、51、58、59、59:1、63、64、67、68、69、70、78、79、83、94、97、98、100、101、102、104、105、111、112、122、124、128、129、132、136、137、138、139、143が例示できる。
また、緑色の油溶性染料としては、C.I.Solvent Green1、3、4、5、7、28、29、32、33、34、35が例示できる。
また、茶色の油溶性染料としては、C.I.Solvent Brown1、3、4、5、12、20、22、28、38、41、42、43、44、52、53、59、60、61、62、63が例示できる。
また、黒色の油溶性染料としては、C.I.Solvent Black3、5、5:2、7、13、22、22:1、26、27、28、29、34、35、43、45、46、48、49、50が例示できる。
また、赤色の酸性染料としては、C.I.Acid Red6、11、26、60、88、111、186、215が例示できる。
また、緑色の酸性染料としては、C.I.Acid Green25、27が例示できる。
また、黒色の酸性染料としては、C.I.Acid Blue22、25、40、78、92、113、129、167、230が例示できる。
また、黄色の酸性染料としては、C.I.Acid Yellow17、23、25、36、38、42、44、72、78が例示できる。
また、赤色の塩基性染料としては、C.I.Basic Red1、2、13、14、22、27、29、39が例示できる。
また、緑色の塩基性染料としては、C.I.Basic Green3、4が例示できる。
また、青色の塩基性染料としては、C.I.Basic Blue3、7、9、17、41、66が例示できる。
また、紫色の塩基性染料としては、C.I.Basic Violet1、3、18、39、66が例示できる。
また、黄色の塩基性染料としては、C.I.Basic Yellow11、23、25、28、41が例示できる。
また、赤色の直接染料としては、C.I.Direct Red4、23、31、75、76、79、80、81、83、84、149、224が例示できる。
また、緑色の直接染料としては、C.I.Direct Green26、28、が例示できる。
また、青色の直接染料としては、C.I.Direct Blue71、78、98、106、108、192、201が例示できる。
また、紫色の直接染料としては、C.I.Direct Violet51が例示できる。
また、黄色の直接染料としては、C.I.DirectYellow26、27、28、33、44、50、86、142が例示できる。
また、オレンジ色の直接染料としては、C.I.Direct Orange26、29、34、37、72が例示できる。
また、赤色の硫化染料としては、C.I.Sulphur Red5、6、7が例示できる。
また、緑色の硫化染料としては、C.I.Sulphur Green2、3、6が例示できる。
また、青色の硫化染料としては、C.I.Sulphur Blue2、3、7、9、13、15が例示できる。
また、紫色の硫化染料としては、C.I.Sulphur Violet2、3、4が例示できる。
また、黄色の硫化染料としては、C.I.Sulphur Yellow4が例示できる。
また、赤色のバット染料としては、C.I.Vat Red13、21、23、28、29、48が例示できる。
また、緑色のバット染料としては、C.I.Vat Green3、5、8が例示できる。
また、青色のバット染料としては、C.I.Vat Blue6、14、26、30が例示できる。
また、紫色のバット染料としては、C.I.Vat Violet1、3、9、13、15、16が例示できる。
また、黄色のバット染料としては、C.I.Vat Yellow2、12、20、3
3が例示できる。
3が例示できる。
また、オレンジ色のバット染料としては、C.I.Vat Orange2、5、11、15、18、20が例示できる。
また、アゾ系染料としては、C.I.Azoic Coupling Component2、3、4、5、7、8、9、10、11、13、32、37、41、48が例示できる。
また、赤色の反応性染料としては、C.I.Reactive Red8、22、46、120が例示できる。
また、青色の反応性染料としては、C.I.Reactive Blue1、2、7、19が例示できる。
また、紫色の反応性染料としては、C.I.Reactive Violet2、4が例示できる。
また、黄色の反応性染料としては、C.I.Reactive Yellow1、2、4、14、16が例示できる。
また、オレンジ色の反応性染料としては、C.I.Reactive Orange1、4、7、13、16、20が例示できる。
また、赤色の分散染料としては、C.I.Disperse Red4、11、54、55、58、65、73、127、129、141、196、210、229、354、356が例示できる。
また、青色の分散染料としては、C.I.Disperse Blue3、24、79、82、87、106、125、165、183が例示できる。
また、紫色の分散染料としては、C.I.Disperse Violet1、6、12、26、27、28が例示できる。
また、黄色の分散染料としては、C.I.Disperse Yellow3、4、5、7、23、33、42、60、64が例示できる。
また、オレンジ色の分散染料としては、C.I.Disperse Orange13、29、30が例示できる。
なお、これらの染料は、所望の分光スペクトルを発現させるために、単独で用いることも、2種類以上組み合わせて用いることもできる。
着色組成物中における染料の質量濃度は、好ましくは0.1%乃至20%、より好ましくは0.5%乃至18%、更に好ましくは0.5%乃至15%である。染料の濃度が0.1%未満では、染料濃度が薄いため、カラーフィルタとして十分な色の着色画素を形成するためには、着色画素の膜厚を非常に厚くしなくてはならないため、画素形成が困難であり、生産性も悪化するため実用上難点がある。また、20%を越えると、濃度が高すぎるため、染料が十分に溶解せず、結晶が析出する恐れがあり、さらに着色画素の形成のために着色組成物を基板上に塗布し、有機溶剤を乾燥する際にも、染料が析出する恐れがある。
[顔料]
前述のように、本発明に係る含染料着色組成物は上記染料の他に、顔料を含むことができる。着色組成物中における顔料の質量濃度は、好ましくは0.1%ないし50%、より好ましくは0.5%〜40%、更に好ましくは0.5%〜30%である。0.1%未満では、顔料濃度が薄いため、カラーフィルタとして十分な色の着色画素を形成するためには、着色画素の膜厚を非常に厚くしなくてはならないため、画素形成が困難であり、生産性も悪化するため実用上難点があり、50%を越えると、顔料を分散化するための樹脂の量が少なくなり、不安定になり、顔料の凝集による増粘やコントラスト低下の原因となる。なお、顔料の凝集を防いで微分散させるため、顔料分散剤を添加することもできる。顔料分散剤としては、例えば、顔料の誘導体が利用できる。
前述のように、本発明に係る含染料着色組成物は上記染料の他に、顔料を含むことができる。着色組成物中における顔料の質量濃度は、好ましくは0.1%ないし50%、より好ましくは0.5%〜40%、更に好ましくは0.5%〜30%である。0.1%未満では、顔料濃度が薄いため、カラーフィルタとして十分な色の着色画素を形成するためには、着色画素の膜厚を非常に厚くしなくてはならないため、画素形成が困難であり、生産性も悪化するため実用上難点があり、50%を越えると、顔料を分散化するための樹脂の量が少なくなり、不安定になり、顔料の凝集による増粘やコントラスト低下の原因となる。なお、顔料の凝集を防いで微分散させるため、顔料分散剤を添加することもできる。顔料分散剤としては、例えば、顔料の誘導体が利用できる。
該顔料は、特に限定しないが公知の有機顔料や無機顔料を特に制限無く使用することができる。
有機顔料としては、次のようなものが例示できる。
例えば、赤色の有機顔料として、C.I.Pigment Red7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、242、246、254、255、264、272、279等が挙げられるが、特にC.I.Pigment Red177、242、254が好適に用いられる。
黄色の有機顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、144、146、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214等が挙げられるが、特にC.I.Pigment Yellow138、139、150、185が好適に用いられる。
橙色の有機顔料としては、例えば、C.I.Pigment Orange36、43、51、55、59、61、71、73等が挙げられるが、C.I.Pigment Orange36が好適に用いられる。
緑色の有機顔料としては、例えば、C.I.Pigment Green7、10、36、37、58等の緑色顔料を用いることができるが、特にC.I.Pigment Green7、36、58が好適に用いられる。
青色の有機顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、80等が挙げられるが、特にC.I.Pigment Blue15:3、C.I.Pigment B
lue15:6を用いることができる。また、紫色顔料として、C.I.Pigment
Violet1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等が用いられるが、特にC.I.Pigment Violet23が好適に用いられる。
lue15:6を用いることができる。また、紫色顔料として、C.I.Pigment
Violet1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等が用いられるが、特にC.I.Pigment Violet23が好適に用いられる。
また、無機顔料としては、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉等が挙げられる。無機顔料は、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、有機顔料と組み合わせて用いられる。
着色組成物に含まれる顔料は、カラーフィルタの高輝度化、高コントラスト化を実現させるため、微細化処理されていることが好ましく、また一次粒子径が小さいことが好ましい。顔料の一次粒子径は、顔料を透過型電子顕微鏡で撮り、その写真の画像解析を行い算出した。ここで言う一次粒子径は、個数粒度分布の積算曲線において積算量が全体の50%に相当する粒子径(円相当径)を表す。
顔料の一次粒子径は、40nm以下であることが好ましく、より好ましくは30nm以下であり、更に好ましくは20nm以下である。また、一次粒子径は5nm以上であることが好ましい。
顔料の一次粒子径が上限値より大きい場合には、液晶表示装置の黒表示時の視認性が悪い。また、下限値より小さい場合は、顔料分散が難しくなり、着色組成物としての安定性を保ち、流動性を確保することが困難になる。その結果、カラーフィルタの輝度、色特性が悪化する。
顔料の一次粒子径を制御する手段としては、顔料を機械的に粉砕して一次粒子径を制御する方法(磨砕法と呼ぶ)、良溶媒に溶解したものを貧溶媒に投入して所望の一次粒子径の顔料を析出させる方法(析出法と呼ぶ)、および合成時に所望の一次粒子径の顔料を製造する方法(合成析出法と呼ぶ)等がある。使用する顔料の合成法や化学的性質等により、個々の顔料について適当な方法を選択して行うことができる。
以下にそれぞれの方法について説明するが、本発明に用いる着色組成物に含まれる顔料の一次粒子径の制御方法は、上記方法のいずれを用いてもよい。
磨砕法は、顔料をボールミル、サンドミルまたはニーダーなどを用いて、食塩等の水溶性の無機塩などの磨砕剤およびそれを溶解しない水溶性有機溶剤とともに機械的に混練(以下、この処理をソルトミリングと呼ぶ)した後、無機塩と有機溶剤を水洗除去し、乾燥することにより所望の一次粒子径の顔料を得る方法である。ただし、ソルトミリング処理により、顔料が結晶成長する場合があるため、処理時に上記有機溶剤に少なくとも一部溶解する固形の樹脂や顔料分散剤を加えて、結晶成長を防ぐ方法が有効である。
顔料と無機塩の比率は、無機塩の比率が多くなると顔料の微細化効率は良くなるが、顔料の処理量が少なくなるために生産性が低下する。一般的には、顔料が1重量部に対して無機塩を1〜30重量部、好ましくは2〜20重量部用いるのが良い。また、上記水溶性有機溶剤は、顔料と無機塩とが均一な固まりとなるように加えるもので、顔料と無機塩との配合比にもよるが、通常は顔料1重量部に対して0.5〜30重量部の量で用いられる。
上記磨砕法についてさらに具体的には、顔料と水溶性の無機塩の混合物に湿潤剤として少量の水溶性有機溶剤を加え、ニーダー等で強く練り込んだ後、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌しスラリー状とする。次に、このスラリーを濾過、水
洗して乾燥することにより、所望の一次粒子径の顔料を得ることができる。
洗して乾燥することにより、所望の一次粒子径の顔料を得ることができる。
析出法は、顔料を適当な良溶媒に溶解させたのち、貧溶媒と混ぜ合わせて、所望の一次粒子径の顔料を析出させる方法で、溶媒の種類や量、析出温度、析出速度などにより一次粒子径の大きさが制御できる。一般に顔料は溶媒に溶けにくいため、使用できる溶媒は限られるが、例として濃硫酸、ポリリン酸、クロロスルホン酸などの強酸性溶媒または液体アンモニア、ナトリウムメチラートのジメチルホルムアミド溶液などの塩基性溶媒などが知られている。
本法の代表例としては、酸性溶剤に顔料を溶解させた溶液を他の溶媒中に注入し、再析出させて微細粒子を得るアシッドペースティング法がある。工業的にはコストの観点から硫酸溶液を水に注入する方法が一般的である。硫酸濃度は特に限定されないが、95〜100重量%が好ましい。顔料に対する硫酸の使用量は特に限定されないが、少ないと溶液粘度が高くハンドリングが悪くなり、逆に多すぎると顔料の処理効率が低下するため、顔料に対して3〜10重量倍の硫酸を用いることが好ましい。なお、顔料は完全溶解している必要はない。溶解時の温度は0〜50℃が好ましく、これ以下では硫酸が凍結する恐れがあり、かつ溶解度も低くなる。高温すぎると副反応が起こりやすくなる。注入される水の温度は1〜60℃が好ましく、この温度以上で注入を始めると硫酸の溶解熱で沸騰して作業が危険である。これ以下の温度では凍結してしまう。注入にかける時間は顔料1部に対して0.1〜30分が好ましい。時間が長くなるほど一次粒子径は大きくなる傾向がある。
顔料の一次粒子径の制御は、アシッドペースティング法などの析出法とソルトミリング法などの磨砕法を組み合わせた手法を選択することにより、顔料の整粒度合を考慮しつつ行うことができ、さらにはこのとき分散体としての流動性も確保できることからより好ましい。
ソルトミリング時あるいはアシッドペースティング時には、一次粒子径制御に伴う顔料の凝集を防ぐために、下記に示す色素誘導体や樹脂型顔料分散剤、界面活性剤等の分散助剤を併用することもできる。また、一次粒子径制御を2種類以上の顔料を共存させた形で行うことにより、単独では分散が困難な顔料であっても安定な分散体として仕上げることができる。
特殊な析出法としてロイコ法がある。フラバントロン系、ペリノン系、ペリレン系、インダントロン系等の建染染料系顔料は、アルカリ性ハイドロサルファイトで還元すると、キノン基がハイドロキノンのナトリウム塩(ロイコ化合物)になり水溶性になる。この水溶液に適当な酸化剤を加えて酸化することにより、水に不溶性の一次粒子径の小さな顔料を析出させることができる。
合成析出法は、顔料を合成すると同時に所望の一次粒子径の顔料を析出させる方法である。しかし、生成した微細顔料を溶媒中から取り出す場合、顔料粒子が凝集して大きな二次粒子になっていないと一般的な分離法である濾過が困難になるため、通常、二次凝集が起きやすい水系で合成されるアゾ系等の顔料に適用されている。
さらに、顔料の一次粒子径を制御する手段として、顔料を高速のサンドミル等で長時間分散すること(顔料を乾式粉砕する、いわゆるドライミリング法)により、顔料の一次粒子径を小さくすると同時に分散することも可能である。
[構造(b)を有し置換基(c)を持たないバインダー樹脂]
構造(b)を有し置換基(c)を持たないバインダー樹脂は、例えば、アクリル酸、メ
タクリル酸、アルコール性水酸基を含有するアクリル酸エステル、アルコール性水酸基を含有するメタリル酸エステルから選択されたモノマーを使用して重合することで製造することができる。
構造(b)を有し置換基(c)を持たないバインダー樹脂は、例えば、アクリル酸、メ
タクリル酸、アルコール性水酸基を含有するアクリル酸エステル、アルコール性水酸基を含有するメタリル酸エステルから選択されたモノマーを使用して重合することで製造することができる。
アルコール性水酸基を含有するアクリル酸エステルとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリセロールアクリレートが例示できる。また、アルコール性水酸基を含有するメタリル酸エステルとしては、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリセロールメタアクリレートが例示できる。
なお、これらのモノマーに加えて、他のモノマーやオリゴマーを共重合させた重合体をバインダー樹脂として使用することもできる。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレートなどの各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルなどである。また、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリルなどを共重合成分として使用することもできる。
なお、共重合成分として置換基(c)を有するモノマーやオリゴマーを使用することもできるが、この場合には、製造されたバインダー樹脂は、その一部に置換基(c)を有することになるから、別途説明する。
[構造(b)を有し且つ置換基(c)を有するバインダー樹脂]
このようなバインダー樹脂は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アルコール性水酸基を含有するアクリル酸エステル、アルコール性水酸基を含有するメタリル酸エステルから選択されたモノマーと、置換基(c)と不飽和結合とを有するモノマーとを共重合させることによって製造することができる。置換基(c)と不飽和結合とを有するモノマーとしては、2−イソシアトエチル(メタ)クリレート(カレンズMOI 昭和電工社製)やカレンズMOI−EG(昭和電工社製)、ブロックイソシアネート基を含有するメタクリル酸2−(o−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(カレンズMOI−BM 昭和電工社製)などが挙げられる。
このようなバインダー樹脂は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アルコール性水酸基を含有するアクリル酸エステル、アルコール性水酸基を含有するメタリル酸エステルから選択されたモノマーと、置換基(c)と不飽和結合とを有するモノマーとを共重合させることによって製造することができる。置換基(c)と不飽和結合とを有するモノマーとしては、2−イソシアトエチル(メタ)クリレート(カレンズMOI 昭和電工社製)やカレンズMOI−EG(昭和電工社製)、ブロックイソシアネート基を含有するメタクリル酸2−(o−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(カレンズMOI−BM 昭和電工社製)などが挙げられる。
アルコール性水酸基を含有するアクリル酸エステル、アルコール性水酸基を含有するメタリル酸エステルとしては、前述の2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリセロールアクリレート、グリセロールメタアクリレートが使用できる。また、その他のモノマーやオリゴマーを共重合させてもよいことも、前述のとおりである。
このバインダー樹脂は、構造(b)と置換基(c)とを、次式5を充足する割合で含有
することが望ましい。
することが望ましい。
0.5≦Mc2/Mb≦2.0 ・・・(式5)
ここで、Mc2はバインダー樹脂の置換基(c)のモル数を意味し、Mbは構造(b)のモル数を意味している。
ここで、Mc2はバインダー樹脂の置換基(c)のモル数を意味し、Mbは構造(b)のモル数を意味している。
より望ましくは式5−1を充足する。また、さらにより望ましくは式5−2を充足する。
0.8≦Mc2/Mb≦1.5・・・(式5−1)
1.0≦Mc2/Mb≦1.2・・・(式5−2)
なお、カルボン酸を含有する構造(b1)のモル数をMb1、アルコール性水酸基を含有する構造(b2)のモル数をMb2とすると、式5は次式6で表わされる。
1.0≦Mc2/Mb≦1.2・・・(式5−2)
なお、カルボン酸を含有する構造(b1)のモル数をMb1、アルコール性水酸基を含有する構造(b2)のモル数をMb2とすると、式5は次式6で表わされる。
0.5≦Mc2/(Mb1+Mb2)≦2.0 ・・・(式6)
また、式5−1及び式5−2は、それぞれ、式6−1及び式6−2で表わされる。
また、式5−1及び式5−2は、それぞれ、式6−1及び式6−2で表わされる。
0.8≦(Mc2)/(Mb1+Mb2)≦1.5・・・(式6−1)
1.0≦(Mc2)/(Mb1+Mb2)≦1.2・・・(式6−2)
[構造(b)を持たないバインダー樹脂]
構造(b)を持たないバインダー樹脂は、構造(b)を有する樹脂と共に使用されるものである。このようなバインダー樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂などが使用できる。
1.0≦(Mc2)/(Mb1+Mb2)≦1.2・・・(式6−2)
[構造(b)を持たないバインダー樹脂]
構造(b)を持たないバインダー樹脂は、構造(b)を有する樹脂と共に使用されるものである。このようなバインダー樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂などが使用できる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂などが挙げられる。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。中でも透明性の観点からアクリル系樹脂が好適に用いられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基などの反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物などの酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
[置換基(c)を有する添加物]
次に、置換基(c)を有する添加物としては、特に制限なく使用することができ、公知のものから選択することができる。置換基(c)の数は特に制限はなく、脂肪族、芳香族あるいは脂環式のモノあるいはジイソシアネート、トリイソシアネート化合物などが挙げられる。
次に、置換基(c)を有する添加物としては、特に制限なく使用することができ、公知のものから選択することができる。置換基(c)の数は特に制限はなく、脂肪族、芳香族あるいは脂環式のモノあるいはジイソシアネート、トリイソシアネート化合物などが挙げられる。
イソシアネートは反応性が高いため、ポッドライフを考慮すれば、イソシアネート基をブロック化剤で保護したブロックドイソシアネート化合物が好適である。ブロックドイソ
シアネート化合物は、イソシアネート基に対して、フェノール基、イミダゾール基、ピラゾール基、オキシム基、ラクタム基、アルコール基などを有するブロック化剤を用いてイソシアネート基をブロックした化合物が挙げられる。当該ブロック化剤としては、上記水溶性ビニル系樹脂が水溶液中において安定で、100℃から200℃程度でイソシアネート基のブロックが外れるものであればいずれでもよく、フェノール基を含有するサリチル酸メチル、イミダゾール基を含有するイミダゾール、ピラゾール基を含有する3,5−ジメチルピラゾール、オキシム基を含有するメチルエチルケトンオキシム、ラクタム基を含有するε−カプロラクタム、アルコール基を含有するエチルヘキサノールなどが挙げられる。ブロックドイソシアネート化合物としては、例えば、BURNOCK DB−980K(株式会社DIC社製)、デュラネート TPA−B80E(旭化成ケミカルズ社製)、KA−1000(三洋化成社製)などが挙げられる。
シアネート化合物は、イソシアネート基に対して、フェノール基、イミダゾール基、ピラゾール基、オキシム基、ラクタム基、アルコール基などを有するブロック化剤を用いてイソシアネート基をブロックした化合物が挙げられる。当該ブロック化剤としては、上記水溶性ビニル系樹脂が水溶液中において安定で、100℃から200℃程度でイソシアネート基のブロックが外れるものであればいずれでもよく、フェノール基を含有するサリチル酸メチル、イミダゾール基を含有するイミダゾール、ピラゾール基を含有する3,5−ジメチルピラゾール、オキシム基を含有するメチルエチルケトンオキシム、ラクタム基を含有するε−カプロラクタム、アルコール基を含有するエチルヘキサノールなどが挙げられる。ブロックドイソシアネート化合物としては、例えば、BURNOCK DB−980K(株式会社DIC社製)、デュラネート TPA−B80E(旭化成ケミカルズ社製)、KA−1000(三洋化成社製)などが挙げられる。
なお、バインダー樹脂が置換基(c)を持たない場合、着色組成物は、この添加物を、次式3を充足する割合で含有することが望ましい。
0.5≦Mc1/Mb≦2.0 ・・・(式3)
ここで、Mc1は添加物の置換基(c)のモル数を意味し、Mbはバインダー樹脂の構造(b)のモル数を意味している。
ここで、Mc1は添加物の置換基(c)のモル数を意味し、Mbはバインダー樹脂の構造(b)のモル数を意味している。
より望ましくは式3−1を充足する。また、さらにより望ましくは式3−2を充足する。
0.8≦Mc1/Mb≦1.5・・・(式3−1)
1.0≦Mc1/Mb≦1.2・・・(式3−2)
なお、カルボン酸を含有する構造(b1)のモル数をMb1、アルコール性水酸基を含有する構造(b2)のモル数をすると、式3は次式4で表わされる。
1.0≦Mc1/Mb≦1.2・・・(式3−2)
なお、カルボン酸を含有する構造(b1)のモル数をMb1、アルコール性水酸基を含有する構造(b2)のモル数をすると、式3は次式4で表わされる。
・ 5≦Mc1/(Mb1+Mb2)≦2.0 ・・・(式4)
また、式3−1及び式3−2は、それぞれ、式4−1及び式4−2で表わされる。
また、式3−1及び式3−2は、それぞれ、式4−1及び式4−2で表わされる。
0.8≦(Mc1)/(Mb1+Mb2)≦1.5・・・(式4−1)
1.0≦(Mc1)/(Mb1+Mb2)≦1.2・・・(式4−2)
また、バインダー樹脂が置換基(c)を有する場合、着色組成物は、この添加物を、次式7を充足する割合で含有することが望ましい。
1.0≦(Mc1)/(Mb1+Mb2)≦1.2・・・(式4−2)
また、バインダー樹脂が置換基(c)を有する場合、着色組成物は、この添加物を、次式7を充足する割合で含有することが望ましい。
0.5≦(Mc1+Mc2)/Mb≦2.0 ・・・(式7)
ここで、Mc1は添加物の置換基(c)のモル数を意味し、Mc2はバインダー樹脂の置換基(c)のモル数を意味している。また、Mbはバインダー樹脂の構造(b)のモル数を意味している。
ここで、Mc1は添加物の置換基(c)のモル数を意味し、Mc2はバインダー樹脂の置換基(c)のモル数を意味している。また、Mbはバインダー樹脂の構造(b)のモル数を意味している。
より望ましくは式7−1を充足する。また、さらにより望ましくは式7−2を充足する。
0.8≦(Mc1+Mc2)/Mb≦1.5・・・(式7−1)
1.0≦(Mc1+Mc2)/Mb≦1.2・・・(式7−2)
なお、カルボン酸を含有する構造(b1)のモル数をMb1、アルコール性水酸基を含有する構造(b2)のモル数をすると、式7は次式8で表わされる。
1.0≦(Mc1+Mc2)/Mb≦1.2・・・(式7−2)
なお、カルボン酸を含有する構造(b1)のモル数をMb1、アルコール性水酸基を含有する構造(b2)のモル数をすると、式7は次式8で表わされる。
・ 5≦(Mc1+Mc2)/(Mb1+Mb2)≦2.0 ・・・(式8)
また、式7−1及び式7−2は、それぞれ、式8−1及び式8−2で表わされる。
また、式7−1及び式7−2は、それぞれ、式8−1及び式8−2で表わされる。
0.8≦(Mc1+Mc2)/(Mb1+Mb2)≦1.5・・・(式8−1)
1.0≦(Mc1+Mc2)/(Mb1+Mb2)≦1.2・・・(式8−2)
[重合性化合物]
重合性化合物は、光照射により光重合開始剤から発生した活性ラジカルや酸などによって重合し得る化合物である。光重合性化合物としては、例えば、重合性の炭素−炭素不飽和結合を有する化合物などが挙げられる。
1.0≦(Mc1+Mc2)/(Mb1+Mb2)≦1.2・・・(式8−2)
[重合性化合物]
重合性化合物は、光照射により光重合開始剤から発生した活性ラジカルや酸などによって重合し得る化合物である。光重合性化合物としては、例えば、重合性の炭素−炭素不飽和結合を有する化合物などが挙げられる。
光重合性化合物としては、少なくとも1つの付加重合可能なエチレン性二重結合を有し、常圧下での沸点が100℃以上である化合物が好ましい。アクリル化合物またはメタアクリル化合物であることがより好ましい。感度と高硬化の観点から、前記光重合性化合物が多官能のアクリル化合物またはメタアクリル化合物であることが更に好ましい。
単官能の光重合性アクリル化合物の例としては、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、フェノキシエチルアクリレートなどが挙げられる。
また、多官能の光重合性アクリル化合物の例としては、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリス(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリス(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
単官能の光重合性メタアクリル化合物の例としては、ポリエチレングリコールモノメタアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタアクリレート、フェノキシエチルメタアクリレートなどが挙げられる。
また、多官能の光重合性アクリル化合物の例としては、ポリエチレングリコールジメタアクリレート、トリメチロールエタントリメタアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタアクリレート、ヘキサンジオールジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリス(メタアクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリス(メタアクリロイロキシエチル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
また、多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化したものも、光重合性アクリル化合物として利用できる。多官能アルコールとしては、グリセリンやトリメチロールエタンなどが挙げられる。
[光重合開始剤]
光重合開始剤としては、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、トリアジン系光重合開始剤、ホスフィン系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、キノン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤などを用いることができる。
光重合開始剤としては、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、トリアジン系光重合開始剤、ホスフィン系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、キノン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤などを用いることができる。
アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4
−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどが例示できる。
−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどが例示できる。
ベンゾイン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどが例示できる。
チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンなどが例示できる。
トリアジン系光重合開始剤としては、例えば、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジンなどが例示できる。
オキシムエステル系光重合開始剤としては、例えば、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(o−ベンゾイルオキシム)〕、o−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミンなどが例示できる。
ホスフィン系光重合開始剤としては、例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどが例示できる。
キノン系9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノンなどが例示できる。
光重合開始剤は、感光性着色組成物中の着色材料の合計100重量部に対して、5〜200重量部、好ましくは10〜150重量部の量で用いることができる。
[光増感剤]
光増感剤としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどのアミン系化合物が例示できる。これらの光増感剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
光増感剤としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどのアミン系化合物が例示できる。これらの光増感剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
光増感剤は、光重合開始剤100重量部に対して、0.1〜60重量部の量で用いることができる。
[連鎖移動剤]
連鎖移動剤としては、チオール基を2個以上有する多官能チオールが使用できる。例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられる。これらの多官能チオールは、1種または2種以上混合して用いることができる。
連鎖移動剤としては、チオール基を2個以上有する多官能チオールが使用できる。例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられる。これらの多官能チオールは、1種または2種以上混合して用いることができる。
連鎖移動剤の含有量は、着色材料の合計100重量部に対して、0.05〜100重量部が好ましく、好ましくは0.1〜60重量部の量で用いることができる。
[貯蔵安定剤]
次に、貯蔵安定剤は、感光性着色組成物の経時粘度を安定化させるものである。このような貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩などが挙げられる。
次に、貯蔵安定剤は、感光性着色組成物の経時粘度を安定化させるものである。このような貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩などが挙げられる。
[密着向上剤]
密着向上剤としてはシランカップリング剤を好適に用いることができる。
密着向上剤としてはシランカップリング剤を好適に用いることができる。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルシラン類、アクリルシラン類、メタアクリルシラン類、エポキシシラン類、アミノシラン類、チオシラン類などが挙げられる。
ビニルシラン類としては、例えば、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどが例示できる。
また、アクリルシラン類としては、例えば、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが例示できる。
メタアクリルシラン類としては、例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが例示できる。
エポキシシラン類としては、例えば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどが例示できる。
アミノシラン類としては、例えば、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどが例示できる。
(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどが例示できる。
チオシラン類としては、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
[溶剤]
次に、この着色組成物は、これら各成分を有機溶剤に溶解又は分散して製造することができる。有機溶剤は、着色組成物を塗布する際の塗布性、乾燥性、膜厚均一性、濡れ性などの観点から粘度、表面張力、沸点、溶解度パラメータなどを考慮して選択される。なお、塗布被膜の膜厚は、一般に、乾燥膜厚が0.2〜5μmであり、この程度の塗布被膜を均一に塗布形成できる有機溶剤を選択すればよい。
次に、この着色組成物は、これら各成分を有機溶剤に溶解又は分散して製造することができる。有機溶剤は、着色組成物を塗布する際の塗布性、乾燥性、膜厚均一性、濡れ性などの観点から粘度、表面張力、沸点、溶解度パラメータなどを考慮して選択される。なお、塗布被膜の膜厚は、一般に、乾燥膜厚が0.2〜5μmであり、この程度の塗布被膜を均一に塗布形成できる有機溶剤を選択すればよい。
この有機溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、1−エトキシ−2−プロピルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテル、乳酸エチル、乳酸メチル、エチルベンゼン、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソアミル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤などが挙げられる。有機溶剤は、着色材料100重量部に対して、800〜4000重量部、好ましくは1000〜2500重量部の量で用いることができる。
[カラーフィルタとその製造方法]
本発明に係る着色組成物はディスプレイのカラーフィルタを製造するために使用することができる。カラーフィルタは、各色に着色した画素を基板上に形成して構成されるもので、画素ごとに表示光を着色して、カラー表示を可能とする。ディスプレイとしては、例えば、液晶表示装置やエレクトロルミネッセンス表示装置が例示できる。
本発明に係る着色組成物はディスプレイのカラーフィルタを製造するために使用することができる。カラーフィルタは、各色に着色した画素を基板上に形成して構成されるもので、画素ごとに表示光を着色して、カラー表示を可能とする。ディスプレイとしては、例えば、液晶表示装置やエレクトロルミネッセンス表示装置が例示できる。
このカラーフィルタの着色画素としては、一般に、赤色画素、緑色画素及び青色画素の3種類の着色画素が利用されている。このほか、必要に応じて黄色画素、シアン色画素、マゼンタ色画素及び透明画素等の他の色の画素を含んでいてもよい。そして、これら複数色の画素のうち、いずれか一つの画素が、前記含染料着色組成物を使用して形成されていればよい。そのほかの画素は、公知の着色組成物を用いて形成して構わない。
本発明に係る着色組成物を使用した着色画素は、0.1μmないし5.0μmの膜厚を有することが望ましい。膜厚が0.1μm未満であると画素の形成が困難になり、また、膜厚が5μmより厚くなると、組成物を塗膜として塗布形成するのが困難となる。好ましくは0.5μmないし4.0μmであり、更に好ましくは1.0μmないし3.5μmの膜厚を有する。
なお、カラーフィルタは、これら複数の着色画素のほかにブラックマトリクスを備えることが通常である。また、このほか、透明電極、薄膜トランジスター(TFT)、オーバーコート膜、柱状スペーサー、液晶配向膜などが形成されていてもよい。
図1は、カラーフィルタの断面説明図を示すもので、ガラス板等の透明基板1上に、遮光膜であるブラックマトリクス2、及び着色画素3を備えている。着色画素3は、上述した青色着色組成物を用いて形成された青色画素3(B)、赤色画素3(R)、及び緑色画素3(G)からなる。
透明基板1としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板が使用できる。また、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板を透明基板1として用いることもできる。また、ブラックマトリックス2としては、金属の薄膜、無機薄膜、黒色の樹脂膜等を用いることもできる。金属の薄膜としてはクロム薄膜が例示でき、その一部を酸化して酸化膜としたものを利用することもできる。また、無機薄膜としては窒化チタニウムなどが使用できる。樹脂膜としては、遮光剤を分散した樹脂を利用すればよい。
本発明に係る着色組成物を使用して、例えば、フォトリソグラフィー法、印刷法、電着法、あるいは転写法などの方法により、前記着色画素3を形成することができる。
フォトリソグラフィー法により各色着色画素3を形成する場合は、まず、重合性化合物と光重合開始剤とを含有する感光性着色組成物を使用し、これを透明基板1上に塗布する。そして、画素パターンを有するフォトマスクを接触あるいは非接触状態で配置し、このフォトマスクを介して塗布被膜を紫外線で露光して画素パターン状に硬化する。次に、現像液を適用して未硬化部を除去して所望の着色画素3を形成することができる。そして、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。なお、このフォトリソグラフィー法によれば精度の高いカラーフィルタが製造できる。
ここで、感光性着色組成物の塗布方法としては、スプレーコート、スピンコート、スリットコート、ロールコート等が利用できる。塗布された塗布膜を乾燥させた後の乾燥膜厚は0.2〜10μmでよい。塗布膜を乾燥させる際には、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレートなどを使用してもよい。
また、現像液としては、無機アルカリ現像液や有機アルカリ現像液が使用できる。無機アルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどの水溶液が使用できる。有機アルカリ現像液としては、例えば、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミンなどが使用できる。現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法などを適用することができる。
印刷法としては、凹版印刷法、凹版オフセット印刷法、凸版印刷法、凸版オフセット印刷法、反転印刷法などが使用できる。この印刷法によれば、含染料着色組成物を印刷インキとして、その印刷と乾燥を繰り返すだけでカラーフィルタを製造することが可能である。このため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。なお、これらの印刷法で印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
また、印刷法としてインクジェット印刷法を使用することもできる。この方法では、含染料着色組成物をインクとして、インクジェット吐出ノズルから透明基板1上に吐出することによって着色画素3を形成することが可能である。インクジェット法によれば、複数色のインキを同時に塗布することができることから、簡易なプロセスで安価にカラーフィルタを製造することが可能である。
なお、インクジェット印刷法でカラーフィルタを製造する場合、透明基板1上に形成されたブラックマトリクス2を隔壁とし、この隔壁2に囲まれた開口部を画素部位として、この開口部にインクを吐出して、その開口部に正確に充填することが可能である。インクは隔壁に遮られて隣接する開口部に移動することがなく、このため、隣接する着色画素3間でインクが混じり合う混色が発生することがない。この混色を一層確実に防止するため、ブラックマトリクスを構成する材料に撥水剤を含ませてもよい。撥水剤としては、フッ素化合物やケイ素化合物等が例示できる。
また、インクジェット印刷法でカラーフィルタを製造する場合、着色画素3を形成した後、加熱処理を施すことが望ましい。加熱処理は、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレートなどによって可能である。
インクジェット装置としては、インク吐出方法の相違によりピエゾ変換方式と熱変換方式があるが、そのいずれの方式でもよい。また、インクジェット装置におけるインクの粒子化周波数は、5〜100KHz程度でよい。また、インクジェット装置におけるノズル径は5〜80μm程度が望ましい。また、インクジェット装置はヘッドを複数個配置し、1ヘッドにノズルを60〜500個程度組み込んだものを用いることができる。
次に、電着法は、透明基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色着色画素を透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。
転写法は、剥離性の転写ベースシートあるいは転写胴の表面に、あらかじめ着色画素3を形成しておき、この着色画素3を前記透明基板1に転写させる方法である。
[ディスプレイ]
前述のように、このカラーフィルタは、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンスディスプレイに好適に用いることができる。
前述のように、このカラーフィルタは、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンスディスプレイに好適に用いることができる。
図2は、液晶表示装置の概略を示す断面図である。図2において、液晶表示装置4は、離間対向して配置された一対の透明基板5および6を備え、それらの間には、液晶LCが封入されている。
第1の透明基板6はカラーフィルタを構成する基板であり、その内面には、着色画素11が形成されている。着色画素11を覆って、必要に応じて透明保護膜(図示せず)が形成され、さらにその上に、例えばITOからなる透明電極層12が形成され、透明電極層12を覆って配向層13が設けられている。また、透明基板6の外面には、偏光板14が形成されている。
他方、第2の透明基板5内面には、TFT(薄膜トランジスタ)アレイ7が形成されており、その上には例えばITOからなる透明電極層8が形成されている。透明電極層8の上には、配向層9が設けられている。また、透明基板5の外面には、位相差フィルムを構成に含む偏光板10が形成されている。なお、偏光板10の下方には、三波長ランプ15を備えたバックライトユニット16が設けられている。
また、図3は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置(有機EL表示装置)の概略を示す断面図であり、図3(a)と図3(b)(c)とは異なるタイプの有機EL表示装置を表わしている。
第1のタイプの有機EL表示装置は、図3(a)に示すように、透明基板21上に形成したTFTアレイ22に電気的に接続された金属電極23と、対向する封止基板24に形成した透明電極25とで発光層(有機EL層)26を挟持し、両電極間に電圧を掛けた際に発光層から発せられた光を封止基板24側から取り出すトップエミッション型である。
第2のタイプの有機EL表示装置は、図3(b)、(c)に示すように、金属電極23と透明電極25の位置を入れ替え、TFTアレイ22側から光を取り出すボトムエミッション型である。
また、光を取り出す方式として、以下の3つの方式が提案されている。すなわち、第1の方式は、発光層26から発せられる光を白色光としそのまま白色光を取り出す方式であり、第2の方式は、発光層26にて青色光を発光させ、この青色光をそのまま取り出すとともに、その青色発光光の一部を発光層26上に設けたG(緑)変換層、及び、R(赤)変換層(図示せず)に入射させ、G色の光と、R色の光をも取り出す方式であり、第3の方式は、R(赤)の発光を行う発光層、G(緑)の発光を行う発光層、B(青)の発光を行う発光層を各々形成し、3色の発光光を取り出す方式である。
有機EL表示装置の表示画面をカラー化するにあたり、白色光を取り出す第1の方式では、取り出した光をR,G,Bの着色光透過層を有するカラーフィルタに通すことで所望する波長域の光(色光)を得ることが可能になる。
また、上記変換層を用いる第2の方式、及び3色の発光層を形成する第3の方式では、各色の発光を制御することで表示画面をカラー化は一応は可能となる。しかし、かかる方式で得られる光の分光特性は、色表示のために所望される色光の分光特性とは異なるものとなっている。そのため、かかる方式で取り出された色光においてもカラーフィルタに通し、所望する分光特性となった色光とする必要がある。
以下、実験データによって本発明を説明する。なお、実施例における「部」および「%」は、「質量部」および「質量%」をそれぞれ表す。また、顔料の記号はカラーインデックスナンバーまたはその略号を示し、例えば、「PR254」は「C.I.Pigment Red254」を、「PB15:6」は「C.I.Pigment Blue15:6」を表す。
この実験データは、ブロックドイソシアネート基を有するバインダー樹脂を使用した例、ブロックドイソシアネート基を有する添加物を添加した例と、イソシアネート基とブロックドイソシアネート基のいずれをも持たない例とを比較したものである。そして、この実験では、まず顔料をイソシアネート基とブロックドイソシアネート基のいずれをも持たないバインダー樹脂に混合して混合物とし、この混合物に前記染料と、ブロックドイソシアネート基を有するバインダー樹脂又は添加物とを混合して実験を行った。
次に、順次、微細化顔料の製造、染料、バインダー樹脂の製造、イソシアネート基とブロックドイソシアネート基のいずれも持たないバインダー樹脂と着色材料の混合、感光性着色組成物の製造、着色皮膜の物性、液晶パネルの作製、エレクトロルミネッセンスパネルの作製の順に説明する。
[微細化顔料の製造]
(赤色微細化顔料R−1)
ジケトピロロピロール系赤色顔料PR254(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガフォアレッドB−CF」)100部、色素誘導体(D−1)10部、粉砕した食塩1
000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、60℃で10時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、微細化顔料(R−1)を得た。得られた顔料の平均粒子径は25nmであった。
(赤色微細化顔料R−1)
ジケトピロロピロール系赤色顔料PR254(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガフォアレッドB−CF」)100部、色素誘導体(D−1)10部、粉砕した食塩1
000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、60℃で10時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、微細化顔料(R−1)を得た。得られた顔料の平均粒子径は25nmであった。
なお、色素誘導体D−1の化学構造は化1のとおりである。
アントラキノン系赤色顔料PR177(チバスペシャリティケミカルズ社製「クロモフタルレッドA2B」)100部、色素誘導体(D−2)8部、粉砕した食塩700部、およびジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で4時間混練した。この混合物を温水4000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、微細化顔料(R−2)を得た。得られた顔料の平均粒子径は30nmであった。
色素誘導体D−2の化学構造は化2のとおりである。
青色顔料(C.I.Pigment Blue15:6、東洋インキ製造社製「LIONOLBLUEES」)200部、塩化ナトリウム1600部、およびジエチレングリコール(東京化成社製)100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、70℃で12時間混練した。次に、この混合物を約5リットルの温水に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過し、水洗して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除き、80℃で24時間乾燥し、198部のソルトミリング処理顔料(青色顔料B−1)を得た。
なお、その外、この実験には、次の顔料を使用した。
(黄色顔料Y−1)
C.I.Pigment Yellow 150(バイエル社製「ファンチョンファーストイエロー Y−5688」。
C.I.Pigment Yellow 150(バイエル社製「ファンチョンファーストイエロー Y−5688」。
(緑色顔料G−1)
C.I.Pigment Green 58(大日本インキ化学工業(株)「Phthalocyanine Green A110」。
C.I.Pigment Green 58(大日本インキ化学工業(株)「Phthalocyanine Green A110」。
[染料]
(青色染料DB−1)
東京化成工業社製C.I.Basic Blue 7(CI−42595)5.14重量部を水500重量部に溶解し、攪拌しながら1−ナフタレンスルホン酸ナトリウム4.60重量部を加え、室温で1時間攪拌した。氷冷し、沈殿を濾取し、水で洗浄した。ケーキを風乾したのち、減圧乾燥して、染料DB−1を6.11重量部得た。
(青色染料DB−1)
東京化成工業社製C.I.Basic Blue 7(CI−42595)5.14重量部を水500重量部に溶解し、攪拌しながら1−ナフタレンスルホン酸ナトリウム4.60重量部を加え、室温で1時間攪拌した。氷冷し、沈殿を濾取し、水で洗浄した。ケーキを風乾したのち、減圧乾燥して、染料DB−1を6.11重量部得た。
この染料の化学構造は化3のとおりである。
(赤色染料DR−1)
C.I.Solvent124 クラリアント社製SavinylFireRed3GSL。
C.I.Solvent124 クラリアント社製SavinylFireRed3GSL。
(赤色染料DR−2)
C.I.Solvent89(クラリアント社製SavinylFireRedGSL)。
C.I.Solvent89(クラリアント社製SavinylFireRedGSL)。
[バインダー樹脂の製造]
バインダー樹脂として、P−1、P−2、P−3、P−4の4種類のバインダー樹脂を合成した。このうち、P−1はイソシアネート基とブロックドイソシアネート基のいずれも持たないバインダー樹脂である。また、P−2、P−3、P−4の3種類のバインダー樹脂は、昭和電工社製 メタクリル酸−2−(o−[1’メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(MOI−BP)に由来するブロックドイソシアネート基を有するものである。なお、樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
バインダー樹脂として、P−1、P−2、P−3、P−4の4種類のバインダー樹脂を合成した。このうち、P−1はイソシアネート基とブロックドイソシアネート基のいずれも持たないバインダー樹脂である。また、P−2、P−3、P−4の3種類のバインダー樹脂は、昭和電工社製 メタクリル酸−2−(o−[1’メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(MOI−BP)に由来するブロックドイソシアネート基を有するものである。なお、樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
まず、バインダー樹脂P−1については、次のように製造した。
すなわち、反応容器にシクロヘキサノン370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメタクリル酸(MAA)20.0部、メチルメタクリレート(MMA)10.0部、ベンジルメタクリレート(BzMA)55.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)15.0部、および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(BzMA)4.0部の混合物を1時間かけて滴下し、重合反応を行った。
滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させた溶液を加え、さらに80℃で1時間反応を続けて、アクリル樹脂の溶液を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量は、約40000であった。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して、アクリル樹脂溶液(P−1)を製造した。
バインダー樹脂P−2乃至P−4は、アクリルモノマーとして表1に記載のものを用いたこと以外は、P−1と同様に製造した。
イソシアネート基とブロックドイソシアネート基のいずれも持たないバインダー樹脂P−1と顔料とを混合して、PR−1、PR−2、PY−1、PG−1、PB−1の5種類の顔料分散体を製造した。
これら各顔料分散体の組成を表2に示す。
なお、これらの顔料分散体は、各成分を均一に撹拌混合した後、直径0.1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで2時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して
製造した。
製造した。
顔料誘導体D−3の化学構造は化4、顔料誘導体D−4の化学構造は化5のとおりである。
(実施例1)
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで2時間分散した後、5μmのフィルターで濾過して感光性着色組成物(実施例1)を製造した。
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで2時間分散した後、5μmのフィルターで濾過して感光性着色組成物(実施例1)を製造した。
顔料分散体(PR−1)34.0質量部
染料(DR−1:C.I.Solvent124 クラリアント社製SavinylFireRed3GSL)0.9質量部
ブロックイソシアネート 6.2質量部
(三洋化成社製 KA−1000 ; 潜在NCO 3.3%)
トリメチロールプロパントリアクリレート 4.0質量部
(大阪有機化学工業社製ビスコート PET−S)
光重合開始剤 2.4質量部
(チバガイギー社製「イルガキュア−907」
光増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.4質量部
有機溶剤(シクロヘキサノン) 52.1質量部
(実施例2〜9、比較例1〜3)
同様に、11種類の感光性着色組成物(実施例2〜9、比較例1〜3)を製造した。
染料(DR−1:C.I.Solvent124 クラリアント社製SavinylFireRed3GSL)0.9質量部
ブロックイソシアネート 6.2質量部
(三洋化成社製 KA−1000 ; 潜在NCO 3.3%)
トリメチロールプロパントリアクリレート 4.0質量部
(大阪有機化学工業社製ビスコート PET−S)
光重合開始剤 2.4質量部
(チバガイギー社製「イルガキュア−907」
光増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.4質量部
有機溶剤(シクロヘキサノン) 52.1質量部
(実施例2〜9、比較例1〜3)
同様に、11種類の感光性着色組成物(実施例2〜9、比較例1〜3)を製造した。
これら各感光性着色組成物の組成を表3に示す。また、併せて、置換基(c)のモル数Mcと構造(b)のモル数Mbの比を表3に示す。
なお、これら各感光性着色組成物は、均一に撹拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して感光性着色組成物とした。
また、実施例2、実施例7、実施例8、実施例9は、バインダー樹脂がブロックイソシアネート(置換基(c))を有しており、添加物には置換基(c)が含まれていない。
また、実施例6は、バインダー樹脂がブロックイソシアネート(置換基(c))を有しており、かつ、添加物(三洋化成社製 KA−1000)がブロックイソシアネート(置換基(c))を有している。
これら実施例1〜9において、置換基(c)のモル数Mcと構造(b)のモル数Mbの比は、0.51(実施例1)〜1.24(実施例8)である。
また、比較例1及び比較例4は、バインダー樹脂と添加物のいずれにも、置換基(c)が含まれていない。比較例2及び比較例3は、バインダー樹脂と添加物のいずれかがブロックイソシアネート(置換基(c))を有しているが、置換基(c)のモル数Mcと構造(b)のモル数Mbの比は、0.24(比較例3)〜0.37(比較例2)であり、実施例1〜9よりも低い。
[着色皮膜の物性]
(色度及び透過率)
実施例1〜9及び比較例1〜3の感光性着色組成物を、硬化後の膜厚が2μmとなるように、スピンコート法によりガラス基板に塗布し、乾燥した後、超高圧水銀ランプを用いて紫外線で露光した。その後、この基板を180℃で20分間熱処理して着色皮膜を得た。
(色度及び透過率)
実施例1〜9及び比較例1〜3の感光性着色組成物を、硬化後の膜厚が2μmとなるように、スピンコート法によりガラス基板に塗布し、乾燥した後、超高圧水銀ランプを用いて紫外線で露光した。その後、この基板を180℃で20分間熱処理して着色皮膜を得た。
この青色着色膜について、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて、分光透過率を測定し、C光源での色度(Y,x,y)を計算した。
(耐熱性評価)
実施例1〜9及び比較例1〜3の感光性着色組成物をスピンコート法によりガラス基板に塗工した後、クリーンオーブン中で、70℃で1分間プリベークした。次いで、この基板を室温に冷却した後、超高圧水銀ランプを用い、紫外線を全面露光した。その後、この基板を23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄し、風乾した。その後、クリーンオーブン中で、180℃で20分間ポストベークを行い、塗膜を形成した。乾燥塗膜の膜厚は、いずれも2.0μmであった。
実施例1〜9及び比較例1〜3の感光性着色組成物をスピンコート法によりガラス基板に塗工した後、クリーンオーブン中で、70℃で1分間プリベークした。次いで、この基板を室温に冷却した後、超高圧水銀ランプを用い、紫外線を全面露光した。その後、この基板を23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄し、風乾した。その後、クリーンオーブン中で、180℃で20分間ポストベークを行い、塗膜を形成した。乾燥塗膜の膜厚は、いずれも2.0μmであった。
次に、耐熱性の評価のため、クリーンオーブン中で1時間ベークを行った。温度は150℃、180℃、200℃で行った。ベーク前後での色度を前述の方法で測定し、ベーク前後の色差ΔEab(C)を計算した。色差が5.0未満であれば○、5.0以上8.0未満であれば△、8.0以上であれば×とした。
(耐光性評価)
実施例1〜9及び比較例1〜3の感光性着色組成物をスピンコート法によりガラス基板に塗工した後、70℃で1分間のプリベークを行い、膜厚2.5μmの塗布膜を形成した。次いで、露光光源に紫外線を使用した近接露光方式で、50μmの細線パターンを備えたフォトマスクを介して紫外線露光を行なった。露光量は、100mJ/cm2とした。
実施例1〜9及び比較例1〜3の感光性着色組成物をスピンコート法によりガラス基板に塗工した後、70℃で1分間のプリベークを行い、膜厚2.5μmの塗布膜を形成した。次いで、露光光源に紫外線を使用した近接露光方式で、50μmの細線パターンを備えたフォトマスクを介して紫外線露光を行なった。露光量は、100mJ/cm2とした。
次に、1.25質量%の炭酸ナトリウム溶液を用いてシャワー現像した後、水洗して、230℃で20分の加熱処理を行い、パターニングを完了した。このパターニング基板に酸素遮断層としてポリビニルアルコールを厚さ1.0μmで塗布した。
次に、耐光性の評価のため、この基板をキセノンフェザーメータ(株式会社東洋精機製作所製、Ci−35ウエザーオメータ照度0.5mW340nm)で50時間暴露し、暴露前後での色差ΔEab(C)を計算した。色差が5.0未満であれば○、5.0以上8.0未満であれば△、8.0以上であれば×とした。
以上の各特性の測定結果を下記表4に示す。
そして、これらに対して、ブロックドイソシアネートを含まない比較例1、及びブロックドイソシアネートを含むが、置換基(c)のモル数Mcと構造(b)のモル数Mbの比が0.24〜0.37の比較例2及び比較例3は耐熱性、耐光性が悪い結果となった。
[液晶パネルの作製]
実施例1に係る赤色着色組成物、実施例4に係る青色着色組成物、及び表3に記載の製造例6に係る緑色着色組成物を用いて得た着色画素を有するカラーフィルタを作成し、その上に透明ITO電極層を形成し、更にその上にポリイミド配向層を形成した。このガラス基板の他方の表面に偏光板を形成した。他方、別のガラス基板の一方の表面にTFTアレイおよび画素電極を形成し、他方の表面に偏光板を形成した。
実施例1に係る赤色着色組成物、実施例4に係る青色着色組成物、及び表3に記載の製造例6に係る緑色着色組成物を用いて得た着色画素を有するカラーフィルタを作成し、その上に透明ITO電極層を形成し、更にその上にポリイミド配向層を形成した。このガラス基板の他方の表面に偏光板を形成した。他方、別のガラス基板の一方の表面にTFTアレイおよび画素電極を形成し、他方の表面に偏光板を形成した。
こうして準備された2つのガラス基板を電極層同士が対面するよう対向させ、スペーサビーズを用いて両基板の間隔を一定に保ちながら位置合わせし、液晶組成物注入用開口部を残すように周囲を封止剤で封止した。開口部から液晶組成物を注入し、開口部を封止した。このようにして作製した液晶表示装置をバックライトユニットと組み合わせて液晶パネルを得た。
得られた液晶パネルは、優れた耐熱性及び耐光性を示した。
[ELパネルの作製]
実施例1に係る赤色着色組成物、実施例3に係る青色着色組成物、及び表4に記載の製造例6に係る緑色着色組成物を用いて得た着色画素を有するカラーフィルタを作成し、これを用いてELパネルを作製した。
実施例1に係る赤色着色組成物、実施例3に係る青色着色組成物、及び表4に記載の製造例6に係る緑色着色組成物を用いて得た着色画素を有するカラーフィルタを作成し、これを用いてELパネルを作製した。
得られたELパネルは、優れた耐熱性及び耐光性を示した。
1,5,6,21…透明基板、2…ブラックマトリクス、3…着色画素、3B…青色画素、3R…赤色画素、3G…緑色画素、4…液晶表示装置、7,22…TFTアレイ、8,12…透明電極層、9,13…配向層、10,14…偏光板、11…カラーフィルタ、15…三波長ランプ、16…バックライトユニット、23…金属電極、24…封止基板、26…発光層
Claims (9)
- 染料とバインダー樹脂とを含有するカラーフィルタ用着色組成物において、
バインダー樹脂が、カルボン酸を含有する構造とアルコール性水酸基を含有する構造のうち、少なくともいずれか一方の構造(b)を有すると共に、
イソシアネート基とブロックドイソシアネート基のうち、少なくともいずれか一方の置換基(c)を、前記バインダー樹脂の一部として、又は添加物の一部として有する、
ことを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。 - 前記置換基(c)のモル数Mcと、構造(b)のモル数Mbとが、式1を充足することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
0.5≦Mc/Mb≦2.0 ・・・(式1) - バインダー樹脂が、アクリル酸、メタクリル酸、アルコール性水酸基を含有するアクリル酸エステル、アルコール性水酸基を含有するメタリル酸エステルから選択されたモノマーを使用して重合された重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- 前記モノマーが、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリセロールアクリレート、グリセロールメタアクリレートから選択されたモノマーであることを特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- 染料とバインダー樹脂に加えて、重合性化合物と光重合開始剤とを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の着色組成物から成る着色画素を持つことを特徴とするカラーフィルタ。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の着色組成物から成る着色画素を形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
- 請求項6に記載のカラーフィルタを具備することを特徴とする液晶表示装置。
- 請求項6に記載のカラーフィルタを具備することを特徴とするエレクトロルミネッセンス表示装置。
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