JP2014014343A - 生体試料移送装置及び生体試料移送方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】生体試料移送装置1は、生体試料が貯留される生体試料貯留容器2と、可撓性を有する部材により構成され、立体成形により形成された生体試料収容室311を有する生体試料保存容器3と、生体試料貯留容器2と生体試料保存容器3とを無菌的かつ気密に接続する接続チューブ4と、接続チューブ4に設けられ、生体試料貯留容器2、生体試料保存容器3及び接続チューブ4の気密状態を維持しつつ、接続チューブ4の内部の気体を外部に導出可能なポート部5と、ポート部5よりも生体試料貯留容器2側に設けられる上流側閉止部6と、を備える。
【選択図】図1
Description
しかしながら、生体試料保存容器の生体試料収容室には、空気が存在するため、生体試料を生体試料保存容器に移送する場合には、生体試料収容室に存在する空気を生体試料と置換する作業が必要となる。
まず、第1実施形態の生体試料移送装置1について、図1〜図6を参照しながら説明する。
第1実施形態の生体試料移送装置1は、生体試料貯留容器2と、生体試料保存容器3と、生体試料貯留容器2と生体試料保存容器3とを接続する接続チューブ4と、この接続チューブ4に取り付けられるポート部5と、上流側閉止部6と、下流側閉止部7と、を備える。
生体試料導入部22は、2枚のシート材の周縁部の一部を非接合とすることで形成された生体試料導入路221と、一端側が生体試料導入路221に接続された生体試料導入チューブ222と、この生体試料導入チューブ222の他端部に取り付けられた接続部材223と、生体試料導入チューブ222に取り付けられこの生体試料導入チューブ222における流体の流路を開閉させるクランプ224と、を備える。生体試料導入チューブ222の他端側には、接続部材223を介して、血液等の生体試料が充填された容器や、生体試料から所定の細胞を調製し抽出した容器(バッグ又はシリンジ、図示せず)が接続される。
生体試料保存容器3は、図1〜図3に示すように、保存容器本体31と、筒状部材32と、を備える。
保存容器本体31は、EVA樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)等の可撓性を有する熱可塑性樹脂からなる2枚のシート状部材それぞれの周縁部の大部分及び所定の部位(後述の第1生体試料収容室と第2生体試料収容室との境界部分)が接合されて構成される。この保存容器本体31には、生体試料収容室311と、生体試料導入口312と、生体試料導出口313と、カバー部314と、が形成される。
第1実施形態では、生体試料収容室311は、図2〜図4に示すように、比較的多くの量(例えば、10ml〜30ml)の生体試料を収容可能な第1生体試料収容室311aと、この第1生体試料収容室311aよりも少ない量(例えば、3ml〜10ml)の生体試料を収容可能な第2生体試料収容室311bと、これら第1生体試料収容室311aと第2生体試料収容室311bとを連通させる連通部311cと、を備える。
カバー部314は、生体試料導出口313を覆う。このカバー部314は、生体試料導出口313から生体試料を取り出す場合に除去される。
隔膜部322は、筒本体321の内部に配置され、筒本体321を閉鎖する。この隔膜部322は、肉薄の円板状に形成され、外力の作用によって穿孔される程度の強度を備える。ガード部323は、筒本体321の生体試料収容室311側の端部から、筒本体321の軸方向に延びるように形成される。このガード部323は筒本体321と連続的に形成される。
以上の筒状部材32は、EVA樹脂等の熱可塑性樹脂により形成される。
下流側チューブ42は、一端部がポート部5に接続され、他端部が生体試料保存容器3の生体試料導入口312に接続される。
第1実施形態では、ポート部5は、図1及び図5に示すように、上流側チューブ41と下流側チューブ42との間に設けられ、これら上流側チューブ41と下流側チューブ42とを接続する。このポート部5は、セプタム51と、このセプタム51に形成された第1接続口52及び第2接続口53と、を備える。
第1接続口52には、上流側チューブ41の他端部が接続される。第2接続口53には、下流側チューブ42の一端部が接続される。
以上の上流側閉止部6によれば、クランプにより上流側チューブ41を挟み込むことで、上流側チューブ41における流体(液体及び気体)の流通を遮断できる。また、クランプによる上流側チューブ41の挟み込みを解除することで、上流側チューブ41における流体の流通を許容できる。
尚、「ポート部5よりも生体試料貯留容器2側に設けられる」とは、本実施形態のようにポート部5と生体試料貯留容器2との間に設けられる場合に限られず、生体試料貯留容器2における生体試料導入部22に設けられる場合も含む。
以上の上流側閉止部6によれば、クランプにより下流側チューブ42を挟み込むことで、下流側チューブ42における流体(液体及び気体)の流通を遮断できる。また、クランプによる下流側チューブ42の挟み込みを解除することで、下流側チューブ42における流体の流通を許容できる。
本実施態様の生体試料移送方法は、第1閉止工程S1と、吸引具接続工程S2と、吸引工程S3と、第2閉止工程S4と、第1開放工程S5と、気体供給工程S6と、吸引具取り外し工程S7と、生体試料貯留工程S8と、生体試料移送工程S9と、を備える。
尚、この生体試料貯留工程S8においては、図10に示すように、第1開放工程S5において開放した上流側閉止部6を再び閉止してもよい。
また、生体試料移送装置1の内部空間に陰圧が生じているため、生体試料貯留容器2から生体試料保存容器3への生体試料の移送をより効率良く行える。
三方活栓8は、第1接続口81と、第2接続口82と、第3接続口83と、これらの3つの接続口のうちの2つの接続口を連通させ1つの接続口を閉鎖する切替部材84と、を備える。
切替部材84は、第2接続口82(生体試料保存容器3)と第3接続口83(セプタム51A)とを連通させ第1接続口81を閉鎖する第1位置(図14参照)、第1接続口81(生体試料貯留容器2)と第2接続口82(生体試料保存容器3)とを連通させ第3接続口83を閉鎖する第2位置(図15参照)、及び第3接続口83(セプタム51A)と第1接続口81(生体試料貯留容器2)とを連通させ第2接続口82を閉鎖する第3位置(図示せず)を切替可能に構成される。
まず、図14に示すように、切替部材84を第2位置に位置させて第1閉止工程S1を実施し、次いで、シリンジ100をセプタム51Aに挿入して、生体試料保存容器3の生体試料収容室311の内部に存在する空気を吸引する(吸引具接続工程S2及び吸引工程S3)。次いで、シリンジ100をセプタム51Aから取り外す(吸引具取り外し工程S7)。次いで、生体試料貯留容器2に生体試料を貯留する(生体試料貯留工程S8)。次いで、生体試料貯留容器2を生体試料保存容器3よりも上方に位置させた状態で、切替部材84を第3位置に位置させ、生体試料貯留容器2に貯留された生体試料を生体試料保存容器3に導入する(生体試料移送工程S9)。
第3実施形態の生体試料移送装置1Bは、接続チューブ4Bの構成において第1実施形態と異なる。第3実施形態では、接続チューブ4Bは、上流側チューブ41Bと、下流側チューブ42Bと、分岐チューブ43Bと、により構成される。
下流側チューブ42Bは、生体試料保存容器3側に配置され、先端部が生体試料保存容器3の生体試料導入口312に接続される。
分岐チューブ43Bは、基端部が上流側チューブ41Bの先端部と下流側チューブ42Bの基端部との接続部分に接続される。そして、この分岐チューブ43Bの先端部には、ポート部5Bが取り付けられる。
第3実施形態では、上流側チューブ41B、下流側チューブ42B及び分岐チューブ43Bは、3つの接続口を有する連結部材44Bにより接続される。
第4実施形態の生体試料移送装置1Cは、ポート部の構成において第3実施形態と異なる。第4実施形態では、ポート部は、接続チューブ4の内部から外部への気体の流通を許容し、外部から内部への気体の流通を遮断する一方弁5Cにより構成される。
第2ケース55Cは、一端側が第1嵌合部542の内側に嵌合される筒状の第2嵌合部551と、この第2嵌合部551の他端側に設けられ、シリンジ等の吸引具が接続される吸引具接続部552と、を備える。
一方、吸引具接続部552側からの空気の吸引を停止した場合には、弁体56Cのスリットは閉じるため、吸引具接続部552側から接続チューブ4C側に空気は流通しない。
第5実施形態の生体試料移送装置1Dは、主として、生体試料貯留容器を備えない点で、第1実施形態と異なる。第5実施形態では、生体試料移送装置1Dは、上流側チューブ41Dの基端部に配置された連結部材9を備える。連結部材9は、筒状部91と、この筒状部91の外周面に配置された雄ネジ部92と、を備える。
以上の連結部材9によれば、雄ネジ部92に螺合可能な雌ネジ部を有するロック部を備えたロックシリンジ(図示せず)等を生体試料貯留容器2Dとして連結できる。
例えば、上述した各実施形態では、生体試料収容室311を真空成形により立体成形したが、これに限らない。即ち、生体試料収容室を、射出成形又は押し出し成形により立体成形してもよい。
2、2D 生体試料貯留容器
3 生体試料保存容器
4,4B,4C,4D 接続チューブ
5,5A,5B,5C ポート部
6 上流側閉止部
7 下流側閉止部
8 三方活栓
9 連結部材
41,41B,41C,41D 上流側チューブ
42,42B,42C,42D 下流側チューブ
43B,43C 分岐チューブ
51 セプタム
100 シリンジ(吸引具)
311 生体試料収容室
512 弾性部材
513 スリット部
S1 第1閉止工程
S2 吸引具接続工程
S3 吸引工程
S4 第2閉止工程
S5 第1開放工程
S6 気体供給工程
S7 吸引具取り外し工程
S9 生体試料移送工程
Claims (10)
- 生体試料が貯留される生体試料貯留容器と、
可撓性を有する部材により構成され、立体成形により形成された生体試料収容室を有する生体試料保存容器と、
前記生体試料貯留容器と前記生体試料保存容器とを無菌的かつ気密に接続する接続チューブと、
前記接続チューブに設けられ、前記生体試料貯留容器、前記生体試料保存容器及び前記接続チューブの気密状態を維持しつつ、該接続チューブの内部の気体を外部に導出可能なポート部と、
前記ポート部よりも前記生体試料貯留容器側に設けられる上流側閉止部と、を備える生体試料移送装置。 - 前記上流側閉止部は、前記接続チューブにおける前記ポート部よりも前記生体試料貯留容器側に設けられ該接続チューブにおける流体の流通を遮断する請求項1に記載の生体試料移送装置。
- 前記ポート部よりも前記生体試料保存容器側に設けられ前記接続チューブにおける流体の流通を遮断する下流側閉止部を更に備える請求項1又は2に記載の生体試料移送装置。
- 前記ポート部は、膜状又は板状に形成された弾性部材と、該弾性部材に形成されたスリット部と、を有するセプタムを備える請求項1〜3のいずれかに記載の生体試料移送装置。
- 前記ポート部は、前記接続チューブの内部から外部への気体の流通を許容し、外部から内部への気体の流通を遮断する一方弁を備える請求項1〜3のいずれかに記載の生体試料移送装置。
- 前記接続チューブは、
前記生体試料貯留容器側に配置される上流側チューブと、
前記生体試料保存容器側に配置される下流側チューブと、
基端部が前記上流側チューブと前記下流側チューブとの接続部に接続される分岐チューブと、を備え、
前記ポート部は、前記分岐チューブの先端部に接続される請求項1〜5のいずれかに記載の生体試料移送装置。 - 前記上流側閉止部及び前記下流側閉止部は、三方活栓により構成される請求項3に記載の生体試料移送装置。
- 可撓性を有する部材により構成され、立体成形により形成された生体試料収容室を有する生体試料保存容器と、
一端部が前記生体試料保存容器に接続される接続チューブと、
前記接続チューブの他端部に設けられ、該接続チューブと生体試料が収容された生体試料貯留容器とを連結可能な連結部材と、
前記接続チューブに設けられ、該接続チューブの内部の気体を導出可能なポート部と、
前記ポート部よりも前記連結部材側に設けられ前記接続チューブにおける流体の流通を遮断する上流側閉止部と、を備える生体試料移送装置。 - 請求項1〜8のいずれかに記載の生体試料移送装置を用いた生体試料移送方法であって、
前記上流側閉止部を閉止する第1閉止工程と、
前記ポート部に吸引具を接続する吸引具接続工程と、
前記吸引具により前記生体試料保存容器の内部の気体を吸引する吸引工程と、
前記吸引具を前記ポート部から取り外す吸引具取り外し工程と、
前記上流側閉止部を開放して前記生体試料貯留容器に収容された生体試料を前記生体試料保存容器に移送する生体試料移送工程と、を備える生体試料移送方法。 - 請求項3〜7のいずれかに記載の生体試料移送装置を用いた生体試料移送方法であって、
前記上流側閉止部を閉止する第1閉止工程と、
前記ポート部に吸引具を接続する吸引具接続工程と、
前記吸引具により前記生体試料保存容器の内部の気体を吸引する吸引工程と、
前記下流側閉止部を閉止する第2閉止工程と、
前記上流側閉止部を開放する第1開放工程と、
前記吸引具に吸引された気体を前記生体試料貯留容器側に供給する気体供給工程と、
前記吸引具を前記ポート部から取り外す吸引具取り外し工程と、
前記下流側閉止部を開放して前記生体試料貯留容器に収容された生体試料を前記生体試料保存容器に移送する生体試料移送工程と、を備える生体試料移送方法。
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