JP2001070402A - 凍結細胞解凍用バッグおよび凍結細胞解凍方法 - Google Patents

凍結細胞解凍用バッグおよび凍結細胞解凍方法

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JP2001070402A
JP2001070402A JP25025999A JP25025999A JP2001070402A JP 2001070402 A JP2001070402 A JP 2001070402A JP 25025999 A JP25025999 A JP 25025999A JP 25025999 A JP25025999 A JP 25025999A JP 2001070402 A JP2001070402 A JP 2001070402A
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thawing
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cells
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Kenichi Saito
健一 斎藤
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M47/00Means for after-treatment of the produced biomass or of the fermentation or metabolic products, e.g. storage of biomass
    • C12M47/20Heating or cooling

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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 凍結細胞の解凍時の熱伝導を妨げるおそれが
なく、凍結容器から漏洩した貴重な生体細胞を容易に回
収可能な凍結細胞解凍用バッグおよび凍結細胞解凍方法
を提供する。 【解決手段】 凍結細胞を収容した凍結容器を覆う包装
体(2)の一端に該凍結容器を挿入ならびに取り出すため
の封止手段(4)および該包装体内部の空気を排出するた
めの排気用ポート(5)を設けてなる凍結細胞解凍用バッ
グ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は凍結細胞解凍用バッ
グならびに凍結細胞解凍方法に関し、さらに詳細には、
凍結細胞を解凍する際に凍結容器の汚染を防止し、かつ
凍結容器を保護する解凍用バッグならびに該バッグを使
用した凍結細胞解凍方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生体細胞、例えば末梢血及び臍帯血に含
まれる造血幹/前駆細胞などを移植するにあたって、通
常、これらの生体細胞を凍結容器に収容し、液体窒素、
極低温フリーザーなどの手段によって、凍結保存するこ
とが行われている。これらの凍結細胞を移植、輸注など
に実際に使用するには、凍結細胞を一般的に37〜40
℃の温浴槽内に浸漬して解凍することが必要である。具
体的には凍結細胞を収容した凍結容器を直接、温浴槽に
浸漬することがおこなわれている(例えば、Rev.Europ.
Etudes. Clin. Et Biol.17:483-488,1972)。
【0003】また、凍結細胞を解凍する際に、温浴水か
ら凍結容器が汚染されるのを防止しかつ、凍結容器破損
時に容器内細胞が温浴中へ流出することを防止する手段
として、凍結容器の外側をプラスチックシートで覆うこ
とができる滅菌解凍用バッグが報告されている(Blood,
88 (3): 795-802, 1996)。
【0004】さらに、図3に示すように、凍結容器の外
側を覆うプラスチックシートを予め袋状に成形してお
き、開口部を遮断できるファスナー(20)を有する解凍用
バッグ(10)が公知である(「低温医学」第24巻第4
号、第181〜188頁、1998年)。この解凍用バ
ッグ(10)は、凍結容器を覆い、かつ外部と遮断する包装
体であり、該凍結容器を挿入後、凍結容器を外部から遮
断できるファスナー(20)を有し、さらに滅菌されてい
る。そして、凍結細胞を解凍する際には、凍結容器の外
側は該包装体によって覆われているため、温浴槽内など
の外部環境から凍結容器が汚染されることが防止しさ
れ、かつ、凍結容器破損時に容器内細胞が温浴槽内に流
出することも防止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記解
凍用バッグは開口部を密封する際に、収容した凍結容器
と解凍用バッグの間に空気が残存するため、該空気層が
解凍時に熱伝導率を低下させ、生体細胞の解凍速度に影
響を与えるおそれがある。また、万一、凍結容器が破損
した場合、凍結容器から漏洩した貴重な生体細胞を回収
する必要がある。しかし、上記解凍用バッグでは回収作
業が手間で、しかも回収作業の間に生体細胞が菌に汚染
されるおそれがあるという問題があった。本発明は上記
事情に鑑みてなされたもので、凍結細胞の解凍時の熱伝
導を妨げる虞がなく、凍結容器から漏洩した貴重な生体
細胞を容易に回収可能な凍結細胞解凍用バッグおよび凍
結細胞解凍方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
達成するために、種々鋭意検討した結果、凍結容器と解
凍用バッグの間の空気を除去することにより、解凍時の
熱伝導率の低下を解消し、さらに、排出口を設けること
により漏洩した生体細胞を容易に回収できることを見出
し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は凍結細胞を収容した凍
結容器を覆う包装体であって、該包装体の一端に該凍結
容器を挿入ならびに取り出すための封止手段および該包
装体内部の空気を排出するための排気用ポートを設けた
ことを特徴とする凍結細胞解凍用バッグである。本発明
は、さらに、必要により滅菌処理されている凍結細胞解
凍用バッグである。ここで、前記包装体の一端には排出
口を有することが好ましい。また、前記排気用ポートの
先端には逆止弁または無菌フィルターを有することが好
ましい。さらに、本発明は凍結細胞解凍用バッグに、凍
結細胞を収容した凍結容器を収容し、次いで該解凍用バ
ッグ内部の空気を排出した後、該凍結細胞を解凍するこ
とを特徴とする凍結細胞を解凍する方法である。
【0008】本発明の生体細胞とは、赤血球、血小板、
白血球、骨髄、末梢血及び臍帯血に含まれる造血幹/前
駆細胞等が挙げられる。造血幹/前駆細胞の具体的例と
しては、コロニー形成細胞、CD34陽性細胞、LTC-IC(lo
ng-term culture initiatingcells)等が挙げられる。
【0009】本発明の凍結容器の材料としては、低温、
特に液体窒素下に耐えうる耐寒性合成樹脂が好ましく、
例えば、超高分子量ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、フッ素樹脂、ポリイミドなどが挙げられ
る。また、凍結容器の形状としては、特にその形状は限
定されないが、凍結容器内に収容した凍結細胞の生存を
維持するために、凍結細胞の厚みを均一にして凍結保存
できるような形状が好ましい。具体的には、市販されて
いるフローズバッグ(ニプロ製)、クリオサイトフリー
ジングコンテナー(バクスター製)、ガンブロヘモフリ
ーズバッグ(ガンブロ製)、セルフリーズバッグ(チャ
ーターメド製)、カワスミフリージングバッグ(川澄化
学工業製)、セラムチューブ(イワキ製)、クライオバ
イアル(ナルゲン製)などの凍結容器が挙げられる。
【0010】本発明の凍結容器を覆う包装体は、少なく
とも2枚の軟質合成樹脂シートまたはフィルムまたは袋
状フィルムから形成される。具体的には、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、ポリカーボ
ネート、アセテート、ポリエステル、ポリアミド、ポリ
イミド、ポリウレタンなどの軟質合成樹脂からなるフィ
ルムまたはシート、あるいはそれらの積層体が挙げられ
る。前記フィルムまたはシートの周縁部をヒートシーラ
ーなどで熱溶着して、袋状の包装体を成形する。具体例
としては、凍結容器(90×75×8mm)に対して、厚さ200
μmのポリエチレン製シートを溶着幅3mmにインパルスシ
ールした包装体(110×200mm)がある。
【0011】本発明の解凍用バッグは、該包装体の開口
部にシールまたはファスナーなどの封止手段を設け、前
記包装体の少なくとも一辺に気体の排気手段としての排
気用ポートおよび/または凍結容器破損時に漏洩した容
器内細胞を回収する液回収手段としての排出口を有す
る。ここで、排出口は設けずに、排気用ポートのみを設
けた構成も可能である。この場合、排気用ポートは、気
体の排気手段であると共に液回収手段となるものであ
る。
【0012】本発明の排気用ポートは、例えば、ポリエ
チレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコールなどの
チューブをヒートシーラーなどで上記包装体に熱溶着し
た部材である。該排気用ポートの端部にはシリンジが装
着できるようにメスルアーコネクターを設けることが好
ましい。さらに、該メスルアーコネクターには、外部と
の接触を防止するためにキャップを設けることが好まし
い。また、該排気用ポート内には、好ましくは外部の雑
菌が混入しないようにフィルターまたは逆止弁などが溶
着、接着または嵌合により配置されている。フィルター
材料としては、気体を透過するが液体を通しにくい疎水
性のフィルター材料が好ましく、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリテトラフルオロエ
チレン、ポリフッ化ビニリデンなどの繊維又は多孔質体
が挙げられる。逆止弁とは、空気流によって該弁が押し
開けられて空気の流通が可能になり、空気が逆方向に流
れようとすると弁が密着して排気用ポート内を閉塞する
ような構成を有する弁体であれば特にその形状は限定さ
れない。このような逆止弁の材料としては弾性材料が好
ましく、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の合成
ゴム、または天然ゴムなどが挙げられる。
【0013】本発明の封止手段とは、包装体の一端に凍
結容器を挿入ならびに取り出すための手段であり、具体
的には包装体の開口部を遮断する手段である。このよう
な封止手段として例えば、ファスナーまたはシールなど
の手段が挙げられる。ファスナーの具体例としては、図
2に示す、凹部(21)と凸部(22)によるひっかけ方式によ
り開閉自在にしたものが挙げられる。該ファスナーの材
料としては、包装体と相溶可能な樹脂であることが好ま
しく、例えば包装体がポリエチレンの場合には、ファス
ナーはポリエチレンから形成される。また、シールの具
体例としては、ヒートシーラー等による熱溶着などが挙
げられる。
【0014】本発明の排出口とは、例えばポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコールなどのチュ
ーブをヒートシーラーなどで上記包装体に熱溶着した部
材である。該排出口の端部には好ましくはシリンジが装
着できるようにメスルアーコネクターを設けることが好
ましい。さらに、該コネクターには、外部との接触を防
止するためにキャップを設けることが好ましい。
【0015】本発明の解凍用バッグは、熱滅菌、高圧蒸
気滅菌、EOG滅菌、放射線滅菌などの通常の滅菌処理
を行うことにより、凍結容器破損時の漏洩細胞の無菌性
を確保できる。
【0016】
【発明の実施の態様】次に本発明の一実施態様を図面に
基づいて説明する。図1は本発明の凍結細胞解凍用バッ
グを示す平面図である。図1に示すように、本発明の凍
結細胞解凍用バッグ(1)は、軟質合成樹脂シートからな
る包装体(2)の周縁部に排気用ポート(5)および排出口
(6)が設けられ、該周縁部をインパルスシーラーなどで
熱溶着して袋状に成形し、開口部(3)に封止手段として
ファスナー(4)を有してなるものである。そして、排気
用ポート(5)の端部には好ましくはシリンジ(7)が挿着で
きるようにメスルアーコネクター(51)が設けられ、その
内部には無菌性を保つためにフィルターが設けられてい
る。また、排出口(6)の端部には、シリンジ(7)が挿着で
きるようにメスルアーコネクター(61)が設けられてい
る。ここで、図1においては包装体の一端に排気用ポー
ト(5)および排出口(6)を設けたものを例示したが、排出
口(6)を設けずに、排気用ポート(5)のみを設けたもので
もよい。この場合、排気用ポート(5)は、気体の排出口
(6)であると共に凍結容器破損時に漏洩した容器内細胞
を回収する排出口(6)となるものであり、排気用ポート
(5)内にはフィルターおよび逆止弁を設けないことが好
ましい。
【0017】次に、本発明の解凍用バッグ(1)を用いて
凍結細胞を解凍する方法の一例を説明する。解凍用バッ
グ(1)のファスナー(4)を開口し、該開口部(3)から凍結
細胞を収容した凍結容器を挿入し、ファスナーの凹部(2
1)と凸部(22)を嵌め合わせ、内部を密封する。次に、排
気用ポート(5)のキャップを取り外し、メスルアーコネ
クター(51)にシリンジ(7)を装着する。該シリンジ(7)を
用いて、凍結容器と解凍用バッグ(1)の間の空気を除去
する。内部の空気が完全に除去されたら、鉗子を用いて
排気用ポート(5)の一端を閉塞し、再びキャップを取り
付ける。次に、前記凍結容器を収納した解凍用バッグ
(1)を37℃の恒温水槽に浸漬し、凍結容器内の凍結細
胞をゆっくりと解凍する。解凍時に凍結容器に破損無く
解凍された場合は、ファスナー(4)を開口して、凍結容
器を取り出す。一方、解凍時に凍結容器に破損が生じた
場合は、排出口(6)にシリンジ(7)を取り付けて、解凍バ
ッグ(1)に漏洩した血液を速やかに回収した後、凍結容
器を取り出す。
【0018】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳しく説明す
る。各測定事項は下記方法に従って測定した。CFU(colony forming unit:コロニー形成単位)アッ
セイ メチルセルロース培地(Methocult GF4434V, ベリタス
社製)2.5mLに検体を播種し、1mLのサンプルを2個作成
し、37℃、5%CO2加湿下で2週間培養した。培養培地に
形成されたBFU-E(burst forming unit - erythrocyt
e:赤芽球コロニー形成単位)、CFU-GM(colony formin
g unit - granulocyte / macrophage:顆粒球マクロフ
ァージコロニー形成単位)およびCFU-mix(colony form
ing unit - mixed:混合コロニー形成単位)を顕微鏡下
で観察し計測した。バイアビリティー測定 測定サンプル25μLに対して、エチジウムブロマイド/
アクリジンオレンジ混合染色液25μLを混合し、血球計
算板へ混合液を注入し、蛍光顕微鏡で着色された細胞を
観察計測する。ミドリ色を生細胞、オレンジ色を死細胞
として観察し計測した。解凍時間 温浴槽に解凍用バッグ(1)を浸漬したときから、凍結細
胞が完全に融解されるまでの時間を測定した。
【0019】〔実施例1〕図1に示されるように、ポリ
エチレン製包装体(2)にポリエチレン製ファスナー(4)と
ポリエチレン製排出用ポート(5)(内径3.3、外形4.6、
長さ150mm)およびエチレンビニルアセテート製排出口
(6)(内径3.3、外形4.6、長さ150mm)を設け、該排気用
ポート(5)と排出口(6)の端部に塩化ビニル製のメスルア
ーコネクター(51)を設け、周縁部をシートヒーラーにて
熱用着して解凍用バッグ(1)(縦11cm、横20cm、厚
さ0.4mm)を作製した。次いで、該解凍用バッグ(1)を
γ線照射25kGyで滅菌した。
【0020】次に、母親からインフォームド・コンセン
トが得られた在胎37〜42週の正期産における臍帯血を採
取した。採取した臍帯血を室温で保存し、採取後24時間
以内に該臍帯血に1% HES (hydroxyethyl starch)を加
え、150G、10℃、5分間遠心後、分離した上清を回収し
た。回収した上清をさらに400G、10℃、10分間遠心分離
した。さらに生じた上清を除去し、生体細胞を20mL回収
した。該生体細胞に凍害保護剤として、10% DMSO (dime
thyl sulfoxide)および1% デキストラン 40を加え細胞
懸濁液を作製した。ポリエチレン製凍結容器(縦9c
m、横7.5cm、厚さ8mm)に該細胞懸濁液を25mLを収
容した。該凍結容器を−80℃フリーザー内で約2℃/分
の冷却速度で凍結し、−80℃に達した後、液体窒素中に
移し、−196℃で1週間以上保存した。
【0021】次いで該凍結容器を上記解凍用バッグ(1)
に収容し、ファスナー(4)を閉じ、該解凍用バッグ(1)内
の空気を排気用ポート(5)から排出させた。該凍結容器
を収容した解凍用バッグ(1)を37℃の温浴槽(THERMAL R
OBO、井内盛栄堂社製)内に浸し、揉みほぐすなどの行
為を行わず放置して解凍をおこなった。そして、温浴槽
に浸漬開始から、完全に凍結細胞の融解が確認されるま
での時間を解凍時間として測定した。また、解凍された
生体細胞を用いて、前記CFUアッセイおよびバイアビリ
ティーの測定をおこなった。なお、CFUアッセイ、バイ
アビリティーの二群間の有意差検定には、Student's t
検定 (p<0.05)を用いた。解凍時間の二群間の有意差検
定には、Mann-WhitneyのU検定を用いた。その結果を表
1に示す。
【0022】〔比較例1〕凍結容器を収容した解凍用バ
ッグ(1)を実施例1と同様に準備し、該解凍用バッグ(1)
内の空気を除去することなく、実施例1と同様な解凍条
件にて生体細胞の解凍を行った。そして、実施例1と同
様に解凍時間、CFUアッセイおよびバイアビリティーの
測定を行い、二群間の有意差検定を行った。その結果を
表1に示す。
【0023】
【表1】 (*:P<0.05、平均±標準偏差、n=10)
【0024】表1から明らかなように、本発明の解凍用
バッグを使用すると、解凍時間は従来の方法に比べて、
明らかに短縮され、CFUアッセイによる生存率は高い
数値を示した。バイアビリティーは統計学的に有意な差
を示さなかったが、平均値は本発明の解凍用バッグはよ
り高い値を示した。
【0025】〔実施例2〕生理食塩水に10%DMSOお
よび1%デキストラン40を加え、滅菌処理を行った後、生
理食塩水混合液を製作した。ポリエチレン製凍結容器
(縦9cm、横7.5cm、厚さ8mm)に該生理食塩水混
合液25mLを収容し、−80℃フリーザー内で約2℃/分の
冷却速度で凍結し、−80℃に達した後、液体窒素中に移
し、−196℃で1週間以上保存した。その後、該凍結容
器を無菌的かつ強制的に金槌を用いて貫通させた後、該
凍結容器を解凍用バッグ(1)に収容し、ファスナー(4)を
閉じ、該解凍用バッグ(1)内の空気を排気用ポート(5)か
ら排出させた。該凍結容器を収容した解凍用バッグ(1)
を37℃の温浴槽(THERMAL ROBO、井内盛栄堂社製)内に
浸し、揉みほぐすなどの行為を行わず放置して解凍をお
こなった。そして、表2に示すような方法を用いて漏洩
液の回収を行った。なお、回収操作は、米国NASA規格に
おける空気清浄度クラス100,000よりも清浄度の悪い環
境下で行った。次に、回収した漏洩液5mLを、無菌試験
用チオグリコール酸培地に播種し、37℃で14日間、1
0培地の懸濁を観察し、評価した。その結果を表3に示
す。また、解凍用バッグ(1)に水25mLを収容し、排出口
(6)にプラスチック針を有する外部容器を取り付け、水
が完全に回収されるまでの時間を測定した。その結果を
表3に示す。なお、回収時間の二群間の有意差検定に
は、Mann-WhitneyのU検定を用いた。その結果を表3に
示す。
【0026】〔比較例2〕凍結容器および生理食塩水混
合液を実施例2と同様に準備し、該凍結容器の一部を無
菌的に金槌を用いて貫通した。該凍結容器を排気用ポー
トおよび排出口を有さない図3に示すような従来の解凍
用バッグ(10)に収納し、実施例2と同様に解凍を行っ
た。そして、表2に示すような方法を用いて漏洩液の回
収を行った。なお、回収操作は、米国NASA規格における
空気清浄度クラス100,000よりも清浄度の悪い環境下で
行った。次に、回収した漏洩液5mLを、無菌試験用チオ
グリコール酸培地に播種し、37℃で14日間、10培地
の懸濁を観察し、評価した。その結果を表3に示す。ま
た、解凍用バッグ(10)に水25mLを収容し、開口部(20)か
らデキャント操作により、水が完全に外部容器に回収さ
れるまでの時間を測定した。その結果を表3に示す。な
お、回収時間の二群間の有意差検定には、Mann-Whitney
のU検定を用いた。
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】 (*:P<0.05、平均±標準偏差、n=10)
【0029】表2から明らかなように、排出口(6)を有
する本発明の解凍用バッグ(1)を用いて行った漏洩細胞
の回収時間は、比較例2に比べて明らかに短縮された。
また、漏洩細胞を回収する際に、異物混入の虞も少な
く、回収作業を無菌的に行うことができた。
【0030】
【発明の効果】本発明の凍結細胞解凍用バッグは、排気
用ポートを有することにより、該バッグ内部の空気を容
易に除去可能な構成であるため、凍結細胞解凍時の熱伝
導を妨げるおそれがない。このため、解凍時間が短縮さ
れ、解凍時の細胞生存率が向上することが可能である。
また、排出口を設けることにより、凍結容器から漏洩し
た貴重な生体細胞を容易に回収可能な構成であるため、
凍結容器から生体細胞が漏洩時に回収操作を無菌的にす
ばやく行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の凍結細胞解凍用バッグを示す平面図
である。
【図2】 本発明の封止手段の一例を示す拡大断面図で
ある。
【図3】 従来の凍結細胞解凍用バッグを示す平面図で
ある。
【符号の説明】
1 解凍用バッグ 2 包装体 3 開口部 4 封止手段 5 排気用ポート 6 排出口 7 シリンジ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/48 A61J 1/00 390T

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凍結細胞を収容した凍結容器を覆う包装
    体であって、該包装体の一端に該凍結容器を挿入ならび
    に取り出すための封止手段および該包装体内部の空気を
    排出するための排気用ポートを設けたことを特徴とする
    凍結細胞解凍用バッグ。
  2. 【請求項2】 さらに、滅菌処理されている請求項1記
    載の凍結細胞解凍用バッグ。
  3. 【請求項3】 さらに、前記包装体の一端に排出口を有
    する請求項1または2記載の凍結細胞解凍用バッグ。
  4. 【請求項4】 前記排気用ポートの先端に逆止弁または
    無菌フィルターを有する請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の凍結細胞解凍用バッグ。
  5. 【請求項5】 凍結細胞を収容した凍結容器を覆う包装
    体であって、該包装体の一端に、該凍結容器を挿入なら
    びに取り出すための封止手段、該包装体内部の空気を排
    出するための排気用ポートおよび排出口を有してなり、
    さらに、滅菌処理されていることを特徴とする凍結細胞
    解凍用バッグ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の凍
    結細胞解凍用バッグに、凍結容器を収容し、次いで該解
    凍用バッグ内部の空気を排出した後、該凍結細胞を解凍
    することを特徴とする凍結細胞を解凍する方法。
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