JP2014013840A - 有機電界発光素子用組成物 - Google Patents

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健史 五十島
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優記 大嶋
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Abstract

【課題】本発明は、塗布性に優れ、駆動電圧が低く、発光効率が高い有機電界発光素子を作成可能とする有機電界発光素子用組成物の提供、及び前記組成物を使用した有機電界発光素子の提供、並びに前記素子を備えた有機ELディスプレイ及び有機EL照明を提供することを課題とする。
【解決手段】水に対する溶解性が5wt%以下であり、且つ非極性架橋性官能基を有すると共にケイ素を有する低分子架橋剤、架橋性官能基を有する正孔輸送性材料及び溶媒を含む組成物を正孔輸送層の形成に使用することにより、上記課題が解決される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、有機電界発光素子用組成物に関し、とりわけ前記組成物を使用した正孔輸送性材料積層体及び正孔輸送性材料積層体を含む有機電界発光素子、並びに有機ELディスプレイ及び有機EL照明に関する。
近年、有機電界発光素子に関する技術は、有機ELディスプレイ、有機EL照明の分野において、精力的に開発が進められている。特に、湿式成膜法は、真空プロセスと比べ、材料利用効率、プロセスコスト、大面積化の面で有利なばかりでなく、様々な材料を混合したインクのフォーミュレーションにより、材料の設計に自由度を与え、その性能の向上を図ることができる。特に有機電界発光素子は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層など、様々な機能を持った薄膜層を積層する必要があり、そのため湿式成膜法による塗布では、積層において、下の層を溶媒で溶かさないよう、溶媒の選択や層内部を架橋により不溶化する必要がある。そのため、様々な架橋剤に関する提案がこれまでに行われている(特許文献1-6)。しかしながら、更なる有機電界発光素子の性能向上のためには、更なる改良が所
望されていた。
特開2009−176963号公報 特開2006−245261号公報 特許2848207号公報 特許4513602号公報 特許4513800号公報 特開2008−98583号公報
本発明は、塗布性に優れ、駆動電圧が低く、発光効率が高い有機電界発光素子を作製可能とする有機電界発光素子用組成物の提供、及び前記組成物を使用した有機電界発光素子の提供、並びに前記素子を備えた有機ELディスプレイ及び有機EL照明を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、正孔輸送性材料と水に実質不溶な低分子架橋剤を含む組成物を正孔輸送層の形成に使用することにより、上記課題を解決することを見出した。すなわち本発明は以下を要旨とする。
[1]:水に対する溶解性が5wt%以下であり、且つ非極性架橋性官能基を有すると共にケイ素を有する低分子架橋剤、架橋性官能基を有する正孔輸送能を持つ物質及び有機溶媒を含む有機電界発光素子用組成物。
[2]:低分子架橋剤が、正孔輸送性材料と共有結合するものである、[1]に記載の有機電界発光素子用組成物。
[3]:低分子架橋剤が、シランカップリング剤である、[1]又は[2]記載の有機電界発光素子用組成物。
[4]:正孔輸送能を持つ物質が、高分子である[1]〜[3]のいずれかに記載の有機電界発光素子用組成物。
[5]:正孔輸送能を持つ物質が、下記式(I)で表される繰り返し単位を含む高分子化
合物を含有するものである、[1]〜[4]のいずれかに記載の有機電界発光素子用組成物。
Figure 2014013840
(AraまたはArbが同一であっても、異なっているものであっても良い。)
[6]:[1]〜[5]のいずれかに記載の有機電界発光素子用組成物を、基板に塗布し、加熱することで得られる正孔輸送性材料積層体。
[7]:[6]に記載の正孔輸送性材料積層体を含む有機電界発光素子。
[8]:[7]に記載の有機電界発光素子を備えた有機ELディスプレイ。
[9]:[7]に記載の有機電界発光素子を備えた有機EL照明。
本発明の組成物を使用した有機電界発光素子は、発光効率が高く、駆動電圧が低い素子であるばかりでなく、定電流駆動時の発光輝度低下、電圧上昇、非発光部分(ダークスポット)の発生、短絡欠陥等が抑制される。
また、本発明の組成物を使用し、正孔輸送層を塗布により形成することにより、不溶化にかかる時間を短縮でき、成膜及び密着性を向上することができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例であり、本発明の趣旨を超えない限り、これらの内容に限定されない。
本発明は、「水に対する溶解性が5wt%以下であり、且つ非極性架橋性官能基を有すると共にケイ素を有する低分子架橋剤、架橋性官能基を有する正孔輸送能を持つ物質及び有機溶媒を含む有機電界発光素子用組成物」を要旨とするものである。
[低分子架橋剤]
本発明に用いる低分子架橋剤は、水に対する溶解度が、通常5%以下、好ましくは3%以下、特に好ましくは、1%以下であるものを使用する。この範囲の架橋剤を使用することにより、形成される正孔輸送層に水分が吸収されず、有機電界発光層の性能劣化を防ぐことができる。
[低分子架橋剤の分子量]
低分子架橋剤の分子量は、通常5000以下、好ましくは3000以下、特に好ましくは、2000以下、さらに好ましくは、1000以下である。この範囲にある分子量では、溶媒に溶解しやすく、正孔輸送性材料とも混和しやすくなる。
[非極性架橋性官能基]
本発明において非極性架橋性官能基とは、ヘテロ原子を有しない炭化水素で構成された架橋性基であり、好ましくは以下の架橋基があげられる。
Figure 2014013840
(式中、R21〜R23は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。尚、ベンゾシクロブテン環は、置換基を有していてもよい。)
ここで、架橋性基とは、熱及び/又は活性エネルギー線の照射により近傍に位置する他の分子の同一又は異なる基と反応して、新規な化学結合を生成する基のことをいう。
架橋性基を有することで、塗布後、これらの架橋性基を用いて、架橋し、正孔注入層および/または正孔輸送層を不溶化することができる。これにより、正孔輸送層の上にさら
に機能性薄膜を塗布により積層することができる。
[非極性低分子架橋剤を用いることによる効果]
水に対する溶解性が5wt%以下である本発明の架橋性官能基を持つ低分子架橋剤を用いることにより、基板への濡れ性及び成膜性ならびに層間の密着性を上げることができる。これによって、正孔の注入性および輸送性を上げることができ、低電圧化に寄与すると考えられる。
また、非極性架橋性官能基は、重合に反応性の大きい極性基を含まないので誘電特性に優れる。加えて、本発明に含まれる低分子架橋剤は、水に対する溶解性が低いことを特徴としているが、これは分子の極性が低いことにより、酸化されにくく、正孔のトラップになりにくいと考えられる。
さらに、水に対する溶解性が低いことで、有機電界発光素子への水分の吸着を妨げることができるものと考えられる。
[ケイ素を有する低分子架橋剤]
低分子架橋剤にはケイ素を有していることが好ましい。これにより、正孔注入層および/または正孔輸送層の性能を向上することができる。
これは、ケイ素σ軌道とπ電子系との軌道間相互作用(σ-π共役)などにより、結合
した正孔輸送性材料の共役長の拡張などが期待され、さらには、有機EL素子の発光効率の向上や低電圧化などが期待されるからである。
[シランカップリング剤]
さらに、低分子架橋剤は、シランカップリング剤であることが好ましい。これにより、加水分解基同士の架橋構造を形成し、その後、非極性架橋性官能基を介して正孔輸送性材料と結合し、正孔注入層および/または正孔輸送層の不溶化を促進できる。
シランカップリング剤を架橋剤に用いることにより、正孔輸送性材料の不溶化を促進するばかりでなく、基板への濡れ性や成膜性さらには基板や各層との密着性を上げることができる。また、シランカップリング剤はケイ素が含まれており、上述したように正孔輸送性材料の特性、さらには有機EL素子の特性を向上させると考えられる。
なお、シランカップリング剤とは以下の化学構造を有しているものである。
Figure 2014013840
(ここで、Yは前述の非極性架橋性官能基を表しており、ORは加水分解性基で、OCH3、OC2H5、OCOCH3等が挙げられる。)
[混合比]
正孔輸送能を有する物質と低分子架橋剤との混合比は、重量比として、通常正孔輸送性材料:低分子架橋剤=100:1〜100:100、好ましくは100:3〜100:50、特に好ましくは100:5〜100:20である。
この範囲にあることにより、正孔輸送性材料の特性をあげ、また膜の不溶化を促進することができる。
[低分子架橋剤の具体例]
以下に低分子架橋剤の具体例を示すが、本発明はこの範囲に限定されるものではない。低分子架橋剤としては、1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン,2,2‐ジビニル‐4,4,6,6-テトラメチルシクロヘキサントリシロキサン、2,4,6,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラ
ビニルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3-テトラエトキシ-1,3-ジビニルプロパンジシロ
キサン1,4-ビス[ジメチル[2-(5-ノルボルネン-2-イル)エチル]シリル]ベンゼン、シラン
カップリング剤などが挙げられる。
シランカップリング剤であれば、信越化学社製のビニルトリメトキシシラン(KBM-1003)、ビニルトリエトキシシラン(KBE-1003)、p-スチリルトリメトキシラン(KBM-1403)、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(KBM-502)、3-メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシラン(KBM-503)、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン(KBE-502)、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(KBE-503)、3-アクリロキシ
プロピルトリメトキシラン(KBM-5103)、Dow Corning社製のビニルトリメトキシラン(Z-6300)、ビニルトリエトキシシラン(Z6519)、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(Z-6030)などが挙げられる。
この中でもKBM-1403、Z-6519、Z-6300、Z-6030、1,4-ビス〔ジメチル〔2−(5−ノルボルネン−2−イル)エチル〕シリル〕ベンゼンが好ましい。これらの材料は、特に疎水
性が高いため、上述の通り、低分子架橋剤として、好適に用いられる。
以下に正孔輸送性材料について説明する。
<正孔輸送性材料>
本発明に係る正孔輸送性材料は、高分子化合物であり、下記式(I)で表される繰り返し単位を含む高分子化合物であることが好ましい。
Figure 2014013840
式(1)中、ArまたはArは、各々独立して、置換基を有していてもよい炭素数4〜60芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。
芳香族炭化水素環基としては、例えば、1個又は2個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、アントラセン環、トリフェニレン環、クリセン環、ナフタセン環、ペリレン環、コロネン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環等の5又は6員環の単環又は2〜5縮合環およびこれらの環が複数個直接結合している環等が挙げられる。ここで、本発明において、遊離原子価とは、有機化学・生化学命名法(上)(改定第2版、南江堂、1992年発行)に記載のとおり、他の遊離原子価と
結合を形成できるものを言う。すなわち、例えば、「1個の遊離原子価を有するベンゼン環」はフェニル基のことを言い、「2個の遊離原子価を有するベンゼン環」はフェニレン基のことを言う。
芳香族複素環基としては、例えば、1個又は2個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環、トリアジン環等の5又は6員複素環の単環又は2〜4縮合環及びこれらの環が複数個直接結合している環等が挙げられる。
ここで、芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基が1個又は2個の遊離原子価を有する縮合環である場合、該縮合している単環の数は、環の安定性が高い点では、少ないことが好ましく、8個以下であることが好ましく、5個以下であることが更に好ましい。一方、下限は、2個である。芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基は、具体的には、溶解性及び耐熱性の点から、1個又は2個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、チオフェン環、ピリジン環等の単環;ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、ピレン環等の縮合環、及び、フルオレン環、ビフェニル、ターフェニル等の芳香環が2〜8個連結した芳香族炭化水素環が好ましい。これらのうち、1個又は2個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、フルオレン環、ビフェニル、ターフェニルが、溶解性が高くかつ安定性が高い点で、更に好ましい。
芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基が有しても良い置換基としては、炭素数1〜20の飽和炭化水素基、炭素数6〜25の芳香族炭化水素環基、炭素数3〜20の芳香族複素環基、炭素数12〜60のジアリールアミノ基、炭素数1〜20のアルキルオキシ基、炭素数3〜20の(ヘテロ)アリールオキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数3〜20の(ヘテロ)アリールチオ基、シアノ基などが挙げられる。これらのうち、溶解性及び耐熱性の点から、炭素数1〜20の飽和炭化水素基及び炭素数6〜25の芳香族炭化水素環基が好ましい。
具体的には、炭素数1〜20の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロヘキシル基、デシル基及びオクタデシル基等が挙げられる。これらのうち、原料の入手しやすさや安価さなどの点から、メチル基、エチル基及びイソプロピル基が好ましく、メチル基及びエチル基が更に好ましい。
炭素数6〜25の1価の芳香族炭化水素環基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などのナフチル基;9−フェナンチル基、3−フェナンチル基などのフェナンチル基;1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基などのアントリル基;1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基などのナフタセニル基;1−クリセニル基、2−クリセニル基、3−クリセニル基、4−クリセニル基、5−クリセニル基、6−クリセニル基などのクリセニル基;1−ピレニル基などのピレニル基;1−トリフェニレニル基などのトリフェニレニル基;1−コロネニル基などのコロネニル基;4−ビフェニル基、3−ビフェニル基のビフェニル基;フルオランテン環を有する基;フルオレン環を有する基;アセナフテン環を有する基及びベンズピレン環等を有する置換基などが挙げられる。これらのうち、化合物の安定性の点からフェニル基、2−ナフチル基及び3−ビフェ
ニル基が好ましく、精製のし易さからフェニル基が特に好ましい。
炭素数3〜20の芳香族複素環基としては、2−チエニル基などのチエニル基;2−フリル基などのフリル基;2−イミダゾリル基などのイミダゾリル基;9−カルバゾリル基などのカルバゾリル基;2−ピリジル基などのピリジル基及び1,3,5−トリアジン−2−イル基などのトリアジニル基等が挙げられる。中でも、カルバゾリル基、特に9−カルバゾリル基が安定性の点から好ましい。
炭素数12〜60のジアリールアミノ基としては、ジフェニルアミノ基、N−1−ナフチル−N−フェニルアミノ基、N−2−ナフチル−N−フェニルアミノ基、N−9−フェナントリル−N−フェニルアミノ基、N−(ビフェニル−4−イル)−N−フェニルアミノ基、ビス(ビフェニル−4−イル)アミノ基等が挙げられる。中でもジフェニルアミノ基、N−1−ナフチル−N−フェニルアミノ基、N−2−ナフチル−N−フェニルアミノ基が好ましく、特にジフェニルアミノ基が安定性の点で好ましい。
炭素数1〜20のアルキルオキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基及びオクタデシルオキシ基等が挙げられる。
炭素数3〜20の(ヘテロ)アリールオキシ基としては、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、9−アントラニルオキシ基等のアリールオキシ基及び2−チエニルオキシ基等のヘテロアリールオキシ基を有する置換基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、イソプロピルチオ基及びシクロヘキシルチオ基等が挙げられる。
炭素数3〜20の(ヘテロ)アリールチオ基としては、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、9−アントラニルチオ基等のアリールチオ基及び2−チエニルチオ基等のヘテロアリールチオ基等が挙げられる。
前記高分子化合物が、芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基以外の基が結合したアリールアミノ構造を繰り返し単位中に有する場合、芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基以外の基としては、炭素数1〜70の脂肪族炭化水素基及び炭素数1〜70のヘテロ脂肪族炭化水素基などが好ましい。なお、ヘテロ脂肪族炭化水素基は、ヘテロ原子を有する脂肪族炭化水素基を言う。ヘテロ原子としては、窒素原子及び酸素原子などが挙げられる。脂肪族炭化水素基は、鎖式でも環式でも良く、飽和でも不飽和でも良い。
脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロヘキシル基、デシル基、オクタデシル基等が挙げられる。これらのうち、原料の入手しやすさや安価さなどから、メチル基、1,2−エチル基、1,3−プロピル基、1,4−ブチル基、1,5−ペンチル基及び1,8−オクチル基等の炭素数1〜10の基が好ましく、炭素数1〜8の基が更に好ましい。また、合成が容易なことなどから、メチル基、エチル基及びイソプロピル基等の炭素数1〜3の基が特に好ましく、メチル基及びエチル基等の炭素数1〜2の基が最も好ましい。脂肪族炭化水素基は、酸化還元耐久性の点から、飽和炭化水素基が好ましい。
脂肪族不飽和炭化水素基としては、アルケニレン基が好ましく、その具体的な例としては、1,2−ビニレン基、1,3−プロペニレン基、1,2−プロペニレン基及び1,4−ブテニレン基等が挙げられる。これらのうち、分子の平面性向上により共役面が広がり、電荷が非局在化して化合物の安定性が高くなりやすいことから、ビニレン基が特に好ましい。不飽和脂肪族炭化水素基が有する炭素数は、平面性や電荷の広がりの観点から、2以上が好ましく、また、一方、10以下が好ましく、6以下が更に好ましい。
脂肪族炭化水素基及びヘテロ脂肪族炭化水素基が有する炭素数は、溶解性を上げる点では多いことが好ましいが、一方、化合物の安定性や膜密度の観点では少ない方が好ましい。該炭素数は、具体的には、通常1以上、好ましくは4以上、更に好ましくは6以上であり、また、一方、通常70以下、好ましく60以下、更に好ましくは36以下である。
前記高分子化合物としては、下記式(1)、(2)、(3)、(4)表される繰り返し単位を有する重合体などの構造がさらに好ましい。
下記式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体は、Buchwald−Hartwig反応やUlmann反応などのN−Ar結合を形成する反応によって合成される。
Figure 2014013840
式(1)中、Ar〜Arは、各々独立に、前述と同義の芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基を表し、Zは、2価の基を表し、好ましくは、−CR−、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−SiR−からなる群より選ばれる基を1〜24個連結した基を表す。R〜R、は各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、前述と同義の芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基を表し、RとR、RとRは互いに結合して環を形成しても良い。aは、0〜8の整数を表す。なお、aが2〜8の整数である場合、Ar、Zは、各々異なっていても良い。nは繰り返し単位の繰り返し数を示す。
式(M1−1)〜式(M1−3)中、Ar〜Ar、Z、aは、式(1)中における定義と同義である。bは、0〜8の整数を表す。Xは、ハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基(CFSOO−)等のスルホン酸エステル基を示す。
式(M1−1)〜式(M1−3)で表される単量体は、各々独立に、1種類、又は、2種類以上用いて良く、10種類以下であることが好ましい。
なお、式(1)、式(M1−1)〜式(M1−3)中において、Ar〜Ar、Z、a、Xが2以上存在する場合、各々異なっていても良い。
下記式(2)で表される繰り返し単位を有する重合体は、Yamamoto反応、Negishi反応、Migita−Kosugi−Stile反応、Suzuki−Miyaura反応などのAr−Ar結合を形成する反応によって合成される。
Figure 2014013840
式(2)、式(M2−1)、式(M2−2)中、Ar〜Ar、Z、a、b、X、nは、式(1)、式(M1−1)〜式(M1−3)中における定義と同義である。
式(M2−2)中、Gは、Negishi反応であれば、BrZn−等の置換基を有する亜鉛原子、Migita−Kosugi−Stile反応であれば、(CHSn−等の置換基を有するスズ原子、Suzuki−Miyaura反応であれば、(RO)B−(Rは水素原子又は互いに結合して環を形成しても良いアルキル基)等の置換基を有するホウ素原子を示す。
なお、式(2)、式(M2−1)、式(M2−2)中において、Ar〜Ar、Z、a、b、Xが2以上存在する場合、各々異なっていても良い。
下記式(3)で表される繰り返し単位を有する重合体は、O−Ar結合やS−Ar結合を形成する反応によって合成される。
Figure 2014013840
式(3)、式(M3−1)、式(M3−2)中、Ar〜Ar、Z、a、b、X、nは、式(1)、式(M1−1)〜式(M1−3)中における定義と同義である。
式(3)、式(M3−2)中、Qは、酸素原子、又は硫黄原子を表す。
なお、式(3)、式(M3−1)、式(M3−2)中において、Ar〜Ar、Z、a、b、Q、Xが2以上存在する場合、各々異なっていても良い。
下記式(4)で表される繰り返し単位を有する重合体は、エステル結合やアミド結合を形成する反応によって合成される。
Figure 2014013840
式(4)、式(M4−1)、式(M4−2)中、Ar〜Ar、Z、a、b、nは、式(1)、式(M1−1)〜式(M1−3)中における定義と同義である。
式(4)、式(M4−1)、式(M4−2)中、Qはカルボニル基、又はスルホニル基を表し、Qは、酸素原子、硫黄原子、又は−NR−基(Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、前述と同義の芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基を表す。)を表し、Xはハロゲン原子を表す。
なお、式(4)、式(M4−1)、式(M4−2)中において、Ar〜Ar、Z、a、b、Q、Qが2以上存在する場合、各々異なっていても良い。
これらのうち、高分子化合物としては、式(1)及び式(2)で表される繰り返し単位を有する重合体が好ましく、式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体が正孔輸送性及び耐久性の点で更に好ましい。また、式(1)〜(4)において、正孔注入輸送性に優れる点では、aは0が好ましい。また、バンドギャップが広く、正孔輸送性に優れる点では、aは1又は2が好ましく、1が更に好ましい。そして、Zは、耐久性に優れることから、−CR−が好ましい。
[正孔輸送性材料の不溶化基]
本発明に係る正孔輸送性材料は、不溶化基を有していることが好ましい。不溶化基は、架橋性基または解離基であることが好ましい。3次元的に化学結合することから、不溶化基は架橋性基であることが好ましい。
[正孔輸送性材料の架橋性基]
本発明に係る正孔輸送性材料は、架橋性基を有していることが好ましい。
ここで、架橋性基とは、熱及び/又は活性エネルギー線の照射により近傍に位置するほかの分子の同一又は異なる基と反応して、新規な化学結合を生成する基のことをいう。
架橋性基を有することで、塗布後、これらの架橋性基を用いて、架橋し、正孔輸送膜を不溶化することができる。これにより、この正孔輸送膜の上にさらに機能性薄膜を塗布により積層することができる。
架橋性基としては、結合のしやすさから、下記<架橋性基群T>から選ばれる。
<架橋性基群T>
Figure 2014013840
式中、R21〜R25は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。Ar41は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
尚、ベンゾシクロブテン環は、置換基を有していてもよい。
架橋性基としてはエポキシ基、オキセタン基などの環状エーテル基、ビニルエーテル基などのカチオン重合性基が、反応性が高く有機溶剤に対する架橋が容易な点で好ましい。中でも、カチオン重合の速度を制御しやすい点でオキセタン基が特に好ましく、カチオン重合の際に素子の劣化をまねくおそれのあるヒドロキシル基が生成しにくい点でビニルエーテル基が好ましい。
架橋性基としてはシンナモイル基などアリールビニルカルボニル基、ベンゾシクロブテン環などの環化付加反応する基が、電気化学的安定性をさらに向上させる点で好ましく、架橋後の構造の安定性が高い点で、ベンゾシクロブテン環が特に好ましい。
本発明に係る正孔輸送性材料の分子内において、架橋性基は分子内の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基に直接結合してもよく、−O−基、−C(=O)−基又は(置換基を有していてもよい)−CH2−基から選ばれる基を任意の順番で1〜30個連結してなる2価の基を介して、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基に結合してもよい。これら2価の基を介する架橋性基、すなわち、架橋性基を含む基の具体例は以下の<架橋性基を含む基群T’>に示す通りであるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<架橋性基を含む基群T’>
Figure 2014013840
Figure 2014013840
[正孔輸送性材料の分子量]
本発明における正孔輸送性材料の重量平均分子量(Mw)は、通常3,000,000以下、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは500,000以下であり、また通常2,000以上、好ましくは3,000以上、より好ましくは5,000以上である。
また、正孔輸送性材料を形成する材料の数平均分子量(Mn)は、通常3,000以上、好ましくは6,000以上であり、通常1,000,000以下、好ましくは500,000以下である。重量平均分子量又は数平均分子量がこの範囲の下限値を下回ると、架橋層の有機溶剤に対する不溶性が低減して、積層できなくなる可能性があり、ガラス転移温度が低下して耐熱性が損なわれる可能性がある。また、この範囲の上限値を上回ると架橋前においても有機溶剤に溶解せずに、平坦な膜が得られない可能性がある。
さらに、高分子化合物の分散度(Mw/Mn)は、通常3.5以下、好ましくは2.5以下、より好ましくは2.0以下である。高分子化合物の分散度がこの範囲の上限値を上回ると精製が困難となったり、有機溶剤に対する溶解性が低下したり、電荷輸送能が低下したりする可能性がある。なお、分散度は、理想的には1.0である。
通常、この重量平均分子量はSEC(サイズ排除クロマトグラフィー)測定により決定される。SEC測定では高分子量成分ほど溶出時間が短く、低分子量成分ほど溶出時間が長くなるが、分子量既知のポリスチレン(標準試料)の溶出時間から算出した校正曲線を用いて、サンプルの溶出時間を分子量に換算することによって、重量平均分子量が算出される。
[有機電界発光素子用組成物]
本発明における組成物は、上述のごとく、低分子架橋剤、正孔輸送性材料及び溶媒を含むものである。このような組成物は、正孔輸送能を有する薄膜形成において、湿式成膜法にて薄膜形成される場合に好適に使用される。
湿式成膜法により薄膜形成する場合、正孔輸送性材料、及び必要に応じて、その他の成分を適切な溶媒と混合し、組成物は調製される。
本発明において、組成物に含有される溶媒としては、特に制限されるものではないが、前記正孔輸送性化合物を通常0.1重量%、好ましくは0.5重量%、さらに好ましくは1.0重量%以上、溶解可能とする溶媒である。
溶媒の沸点は、通常110℃以上、好ましくは140℃以上、さらに好ましくは180℃以上、特に好ましくは200℃以上、通常400℃以下、中でも300℃以下であることが好ましい。溶媒の沸点が低すぎると、乾燥速度が速すぎ、膜質が悪化する可能性がある。また、溶媒の沸点が高すぎると乾燥工程の温度を高くする必要があり、他の層や基板に悪影響を与える可能性がある。
溶媒としては、上記の特性を満たすものであればよく、エステル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、含ハロゲン有機溶媒、アミド系溶媒などを用いることができ、エステル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒が溶解性が高くかつ残留溶媒の悪影響が少ない点、好ましい。
エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル等の脂肪族エステル及び酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル及び安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル等が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチシレン、シクロヘキシルベンゼン、3−イソプロピルビフェニル、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン及びメチルナフタレン等が挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の
芳香族エーテル等のエーテル系溶媒などが挙げられる。
含ハロゲン有機溶媒としては、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン及びo−ジクロロベンゼン等が挙げられる。
アミド系溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
また、これらの他、ジメチルスルホキシド等も用いることができる。
これらの溶媒は、1種類を単独で用いても、2種類以上を任意の組合せ及び比率で併用してもよい。
溶媒の量は、通常10重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上であり、特に好ましくは80重量%以上であり、通常99.99重量%以下である。
本発明における組成物に含まれる正孔輸送性材料の量は、該組成物の粘度が高くなる点では多い方が好ましいが、一方で、溶解性の点では少ない方が好ましい。そこで、具体的には、組成物に含まれる正孔輸送性材料の量は、通常0.01重量%以上であり、0.1重量%以上であることが好ましく、0.5重量%以上であることが更に好ましく、また、一方、通常50重量%以下であり、40重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがさらに好ましい。尚、組成物には、正孔輸送材料が2種以上含まれていてもよく、その場合は2種以上の合計が上記範囲となることが好ましい。
[成膜方法]
前記組成物の塗布方法としては、例えば、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、インクジェット法、ノズルプリンティング法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法及びフレキソ印刷法等の方法が採用可能である。
成膜時の温度は、組成物中に生じる結晶による膜欠損が起こり難い点等から10℃以上が好ましく、50℃以下が好ましい。成膜時の相対湿度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、通常0.01ppm以上、通常80%以下である。
成膜に際しては、加熱等により溶媒を除去するが、前記工程の前に、加熱や減圧乾燥等により塗布膜を乾燥して乾燥膜を得てもよい。加熱手段としては、赤外線加熱、ホットプレート、クリーンオーブン等が挙げられる。具体的には、例えば、IRヒーターによって赤外線を照射したり、塗布膜が形成された基板をホットプレート上に載せるか、または、オーブン内で加熱する、などの手段で加熱し、乾燥膜を得ることが出来る。減圧乾燥では、塗布膜が形成された基板を減圧装置に入れて減圧することで乾燥膜を得ることができる。
以上、低分子架橋剤及び正孔輸送性材料を含む組成物を使用し、正孔輸送性材料積層体の成膜方法を説明したが、以後、正孔輸送性材料積層体を含む有機電界発光素子について説明する。なお、前記素子は、基板上に積層形成された有機薄膜と1対の電極から形成さ
れており、電極から注入された正孔と電子の再結合によって、有機分子の励起状態を経由した発光を起こすものである。本発明では有機電界発光素子のことを有機ELと表記することがある。<有機EL素子の構成>
基板上に、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子注入層、電子輸送層、陰極をこの順に含んだ有機EL素子について記載する。しかし、層の構成はこれらに限定されるものではない。
ここで、正孔注入層、正孔輸送層、発光層のいずれか一層もしくは全部の層で、湿式成膜法で形成されていることが好ましい。
本発明を有機EL素子に適用する場合は、特に正孔注入層、正孔輸送層、発光層に上述の条件での加熱を少なくとも1層に適用することが望ましい。さらに好ましくは、正孔注入層及び正孔輸送層のどちらか一層、特に好ましくは、正孔注入層及び正孔輸送層の両方に適用することである。
<基板>
本発明に用いられる基板は、無機ガラスや各種樹脂を用いることができる。例えば、無アルカリガラス、青板ガラス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス等の無機ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)セルロースアセテートプロピオネート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド等の樹脂ガラスが挙げられる。また、金属板、金属箔等も使用することができる。好ましくは無機ガラスである。
<陽極>
陽極は、後述する発光層側の層(正孔注入層又は発光層など)への正孔注入の役割を果たすものである。この陽極は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/又はスズの酸化物などの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子などにより構成される。陽極の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法などにより行われることが多い。また、銀などの金属微粒子、ヨウ化銅などの微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末などの場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散し、基板上に塗布することにより陽極を形成することもできる。更に、導電性高分子の場合は、電解重合により直接基板上に薄膜を形成し、基板上に導電性高分子を塗布して陽極を形成することもできる(Applied Physics Letters,1992年,Vol.60,pp.2711参照)。陽極は異なる物質で積層して形成することも可能である。
陽極の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが望ましく、この場合、厚みは、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下の範囲である。不透明でよい場合、陽極は基板と同一でもよい。また、更には上記の陽極の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
なお、陽極に付着した不純物を除去し、イオン化ポテンシャルを調整して正孔注入性を向上させることを目的として、陽極表面を紫外線(UV)/オゾン処理したり、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ処理することが好ましい。
[正孔注入層]
正孔注入層は、陽極から発光層へ向かって正孔を注入・輸送する層である。
正孔注入層を形成する材料としては、正孔輸送能が高く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することができる材料であることが好ましい。そのために、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光に対して透明性が高く、正孔移動度が大きく、安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが好ましい。また多くの場合、発光層に接するため、発光層からの発光を消光したり、発光層との間でエキサイプレックスを形成して効率を低下させたりしないことが好ましい。
このような正孔注入層の材料としては、従来、正孔注入層の構成材料として用いられている材料であればよく、例えば、アリールアミン誘導体、フルオレン誘導体、スピロ誘導体、カルバゾール誘導体、ピリジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、フェナントロリン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフ
ィリン誘導体、シロール誘導体、オリゴチオフェン誘導体、縮合多環芳香族誘導体、金属錯体などが挙げられる。
また、例えばポリビニルカルバゾール誘導体、ポリアリールアミン誘導体、ポリビニルトリフェニルアミン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリアリーレン誘導体、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン誘導体、ポリアリーレンビニレン誘導体、ポリシロキサン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)誘導体等が挙げられる。これらは、交互共高分子化合物、ランダム高分子化合物、ブロック高分子化合物又はグラフト共高分子化合物のいずれであっても良い。また、主鎖に枝分かれがあり末端部が3つ以上ある高分子や、所謂デンドリマーであってもよい。
中でも正孔輸送能が高いことからポリアリールアミン誘導体やポリアリーレン誘導体が好ましい。
ポリアリールアミン誘導体は、下記式(2)からなる繰り返し単位を含むことが好ましい。
Figure 2014013840
(式中、pは0〜3の整数を表し、Ar21及びAr22は、各々独立に、直接結合、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、Ar23〜Ar25は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、T2は上述の架橋性基群T及びT’の中から選ばれるが、特に、下記式(3)で表される基を含む基が好ましい。
Figure 2014013840
(式(3)中のベンゾシクロブテン環は、置換基を有していてもよい。また、置換基同士が互いに結合して環を形成していてもよい。)
<正孔注入層形成用組成物>
正孔注入層を湿式成膜法により形成する場合、正孔注入層を構成する正孔輸送性化合物、及び必要に応じて、その他の成分を適切な溶媒と混合して成膜用の組成物(正孔注入層の電荷輸送層形成用組成物)を調製して用いる。
正孔注入層形成用組成物における正孔輸送性化合物の含有量は、通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下である。尚、正孔注入層形成用組成物には、正孔輸送性化合物が2種以上含まれていてもよく、その場合は2種以上の合計が上記範囲となることが好ましい
本発明にかかる、正孔注入層形成用組成物は、通常溶媒を含む。
本発明にかかる、正孔注入層形成用組成物に含有される溶媒としては、特に制限される
ものではないが、前記正孔輸送性化合物を通常0.1重量%、好ましくは0.5重量%、さらに好ましくは1.0重量%以上溶解する溶媒である。
溶媒の沸点の範囲、具体例は、前述のとおりである。
[電子受容性化合物]
正孔注入層には、正孔輸送性化合物の酸化により、正孔注入層の導電率を向上させることができるため、電子受容性化合物を含有していることが好ましい。
電子受容性化合物としては、酸化力を有し、上述の正孔輸送性化合物から一電子受容する能力を有する化合物が好ましく、具体的には、電子親和力が4eV以上である化合物が好ましく、電子親和力が5eV以上である化合物が更に好ましい。
このような電子受容性化合物としては、例えば、トリアリールホウ素化合物、ハロゲン化金属、ルイス酸、有機酸、オニウム塩、アリールアミンとハロゲン化金属との塩、アリールアミンとルイス酸との塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物等が挙げられる。具体的には、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボラート等の有機基の置換したオニウム塩;塩化鉄(III)(特開平11−251067号公報);ペルオキソ二硫酸アンモニウム等の高原子価の無機化合物;テトラシアノエチレン等のシアノ化合物;トリス(ペンダフルオロフェニル)ボラン(特開2003−31365号公報)等の芳香族ホウ素化合物;(国際公開2005/089024号パンフレット)記載のイオン化合物;フラーレン誘導体及びヨウ素等が挙げられる。
上記化合物のうち、強い酸化力を有する点で、有機基の置換したオニウム塩及び高原子価の無機化合物等が好ましい。また、有機溶媒に対する溶解性が高く、湿式成膜法で膜を形成しやすい点では、有機基の置換したオニウム塩、シアノ化合物及び芳香族ホウ素化合物等が好ましい。
電子受容性化合物として好適な有機基の置換したオニウム塩、シアノ化合物又は芳香族ホウ素化合物の具体例としては、国際公開第2005/089024号パンフレットに記載のものが挙げられ、その好ましい例も同様である。例えば、電子受容性化合物として好適な化合物としては、例えば、下記構造式で表される化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2014013840
また、以下に、本発明における電子受容性化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2014013840
Figure 2014013840
Figure 2014013840
Figure 2014013840
Figure 2014013840
Figure 2014013840
Figure 2014013840
Figure 2014013840
Figure 2014013840
Figure 2014013840
Figure 2014013840
上記具体例のうち、電子受容性、耐熱性及び溶剤に対する溶解性の点で、A−1〜48、54、55、60〜62、64〜75、79〜83、B−1〜20、24、25、27、30〜37、39〜43、C−1〜10、19〜21、25〜27、30、31の化合物が好ましく、A−1〜9、12〜15、17、19、24、29、31〜33、36、37、65、66、69、80〜82、B−1〜3、5、7〜10、16、30、33、39、C−1〜3、5、10、21、25、31の化合物が更に好ましく、A−1〜7、80の化合物が特に好ましい。
なお、電子受容性化合物は、1種類を単独で用いても、2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。
正孔注入層形成用組成物における、電子受容性化合物の含有量は、通常0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下である。尚、正孔注入層形成用組成物には、電子受容性化合物が2種以上含まれていてもよく、その場合は2種以上の合計が上記範囲となることが好ましい。
[カチオンラジカル化合物]
正孔注入層は、陽極からの正孔注入性を高める点および、正孔輸送性を高める点でカチオンラジカル化合物を含むことが好ましい。
カチオンラジカル化合物としては、正孔輸送性化合物から一電子取り除いた化学種であるカチオンラジカルと、対アニオンとからなるイオン化合物が好ましい。但し、カチオンラジカルが正孔輸送性の高分子化合物由来である場合、カチオンラジカルは高分子化合物
の繰り返し単位から一電子取り除いた構造となる。
カチオンラジカルとしては、正孔輸送性化合物として前述した化合物から一電子取り除いた化学種であることが好ましい。正孔輸送性化合物として好ましい化合物から一電子取り除いた化学種であることが、非晶質性、可視光の透過率、耐熱性、及び溶解性などの点から好適である。
ここで、カチオンラジカル化合物は、前述の正孔輸送性化合物と電子受容性化合物を混合することにより生成させることができる。即ち、前述の正孔輸送性化合物と電子受容性化合物とを混合することにより、正孔輸送性化合物から電子受容性化合物へと電子移動が起こり、正孔輸送性化合物のカチオンラジカルと対アニオンとからなるカチオンイオン化合物が生成する。
PEDOT/PSS(Adv.Mater.,2000年,12巻,481頁)やエメラルジン塩酸塩(J.Phys.Chem.,1990年,94巻,7716頁)等の高分子化合物由来のカチオンラジカル化合物は、酸化重合(脱水素重合)することによっても生成する。
ここでいう酸化重合は、モノマーを酸性溶液中で、ペルオキソ二硫酸塩等を用いて化学的に、又は、電気化学的に酸化するものである。この酸化重合(脱水素重合)の場合、モノマーが酸化されることにより高分子化されるとともに、酸性溶液由来のアニオンを対アニオンとする、高分子の繰り返し単位から一電子取り除かれたカチオンラジカルが生成する。
[成膜方法]
正孔注入層を湿式成膜法により形成する場合、本発明における組成物の塗布方法と同様に塗布、乾燥することが出来る。乾燥は2回以上行ってもよい。
[正孔注入層の膜厚]
正孔注入層の膜厚は、通常1nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下である。
<正孔輸送層>
この層に関しては前述した通りである。
<発光層>
発光層は、正孔輸送層が有る場合には正孔輸送層の上に、正孔輸送層が無くて正孔注入層が有る場合には正孔注入層の上に、正孔輸送層と正孔注入層が無い場合には陽極の上に形成される。
発光層は前述の正孔注入層や正孔輸送層、及び後述する正孔阻止層や電子輸送層等とは独立した層であってもよいが、独立した発光層を形成せず、正孔輸送層や電子輸送層など他の有機層が発光層の役割を担ってもよい。
発光層は、電界を与えられた電極間において、陽極から直接に、又は正孔注入層や正孔輸送層等を通じて注入された正孔と、陰極から直接に、又は陰極バッファ層や電子輸送層や正孔阻止層等を通じて注入された電子との再結合により励起されて、主たる発光源となる層である。
発光層は、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意の方法で形成することができるが、例えば、湿式成膜法又は真空蒸着法により陽極上に形成される。ただし、大面積の発光素子を製造する場合には、湿式成膜法の方が好ましい。湿式成膜法、及び真空蒸着法の方法は、正孔注入層と同様の方法を用いて行なうことができる。
発光層は、少なくとも、発光の性質を有する材料(発光材料)を含有するとともに、好ましくは、正孔輸送の性質を有する材料(正孔輸送性材料)、或いは、電子輸送の性質を
有する材料(電子輸送材料)とを含有する。更に、発光層は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その他の成分を含有していてもよい。これらの材料としては、後述のように湿式成膜法で発光層を形成する観点から、何れも低分子系の材料を使用することが好ましい。
発光材料としては、任意の公知の材料を適用可能である。例えば、蛍光発光材料であってもよく、燐光発光材料であってもよいが、内部量子効率の観点から、好ましくは燐光発光材料である。
なお、溶剤への溶解性を向上させる目的で、発光材料の分子の対称性や剛性を低下させたり、或いはアルキル基などの親油性置換基を導入したりすることも、重要である。 以下、発光材料のうち蛍光色素の例を挙げるが、蛍光色素は以下の例示物に限定されるものではない。
青色発光を与える蛍光発光材料(青色蛍光色素)としては、例えば、ナフタレン、クリセン、ペリレン、ピレン、アントラセン、クマリン、p−ビス(2−フェニルエテニル)ベンゼン及びそれらの誘導体等が挙げられる。
緑色発光を与える蛍光色素(緑色蛍光色素)としては、例えば、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、Al(CNO)などのアルミニウム錯体等が挙げられる。
黄色発光を与える蛍光発光材料(黄色蛍光色素)としては、例えば、ルブレン、ペリミドン誘導体等が挙げられる。
赤色発光を与える蛍光発光材料(赤色蛍光色素)としては、例えば、DCM(4−(dicyanomethylene)−2−methyl−6−(p−dimethylaminostyryl)−4H−pyran)系化合物、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、アザベンゾチオキサンテン等が挙げられる。
燐光発光材料として、具体的には、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム、トリス(2−フェニルピリジン)ルテニウム、トリス(2−フェニルピリジン)パラジウム、ビス(2−フェニルピリジン)白金、トリス(2−フェニルピリジン)オスミウム、トリス(2−フェニルピリジン)レニウム、オクタエチル白金ポルフィリン、オクタフェニル白金ポルフィリン、オクタエチルパラジウムポルフィリン、オクタフェニルパラジウムポルフィリン等が挙げられる。
高分子系の発光材料としては、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(4,4’−(N−(4−sec−ブチルフェニル))ジフェニルアミン)]、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(1,4−ベンゾ−2{2,1’−3}−トリアゾール)]などのポリフルオレン系材料、ポリ[2−メトキシ−5−(2−ヘチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]などのポリフェニレンビニレン系材料が挙げられる。
また、本発明に係る高分子化合物を発光材料として用いることもできる。
発光材料として用いる化合物の分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常10000以下、好ましくは5000以下、より好ましくは4000以下、更に好ましくは3000以下、また、通常100以上、好ましくは200以上、より好ましくは300以上、更に好ましくは400以上の範囲である。発光材料の分子量が小さ過ぎると、耐熱性が著しく低下したり、ガス発生の原因となったり、膜を形成した際の膜質の低下を招いたり、あるいはマイグレーションなどによる有機電界発光素子のモルフォロジー変化を来したりする場合がある。一方、発光材料の分子量が大き過ぎると、有機化合物の精製が困難となってしまったり、溶剤に溶解させる際に時間を要したりする傾向がある。
なお、上述した発光材料は、いずれか1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
発光層における発光材料の割合は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、好ましくは0.05重量%以上、好ましくは35重量%以下である。発光材料が少なすぎると発光ムラを生じる可能性があり、多すぎると電流効率が低下する可能性がある。なお、2種以上の発光材料を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにする。
低分子系の正孔輸送性材料の例としては、前述の正孔輸送層の正孔輸送性材料として例示した各種の化合物の他、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルに代表される、2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)、4,4’,4” −トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(Journal of Luminescence,1997年,Vol.72−74,pp.985)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物(Chemical Communications,1996年,pp.2175)、2,2’,7,7’−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9, 9’−スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synthetic Metals,1997年,Vol.91,pp.209)等が挙げられる。
低分子系の電子輸送材料の例としては、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(BND)や、2,5−ビス(6’−(2’,2”−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール(PyPySPyPy)や、バソフェナントロリン(BPhen)や、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP、バソクプロイン)、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)や、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)、9,10−ジ−(2−ナフチル)アントラセン(ADN)等がある。
これら正孔輸送性材料や電子輸送材料は発光層においてホスト材料として使用されることが好ましい。ホスト材料の具体例としては、特開2007−067383号公報、特開2007−88433号公報、特開2007−110093号公報に記載のものが挙げられ、その好適例も同様である。
発光層の形成法としては、湿式成膜法、真空蒸着法が挙げられるが、上述したように、均質で欠陥がない薄膜を容易に得られる点や、形成のための時間が短くて済む点、更には、本発明に係る高分子化合物による正孔輸送層の架橋の効果を享受できる点から、湿式成膜法が好ましい。湿式成膜法により発光層を形成する場合、上述の材料を適切な溶剤に溶解させて塗布溶液を調製し、それを上述の形成後の正孔輸送層の上に塗布・成膜し、乾燥して溶剤を除去することにより形成する。その形成方法としては、前記正孔輸送層の形成方法と同様である。
発光層の膜厚は、通常3nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常300nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。
<正孔阻止層>
発光層と後述の電子注入層との間に、正孔阻止層を設けてもよい。正孔阻止層は、発光層の上に、発光層の陰極側の界面に接するように積層される層である。
この正孔阻止層は、陽極から移動してくる正孔を陰極に到達するのを阻止する役割と、陰極から注入された電子を効率よく発光層の方向に輸送する役割とを有する。
正孔阻止層を構成する材料に求められる物性としては、電子移動度が高く正孔移動度が
低いこと、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いことが挙げられる。このような条件を満たす正孔阻止層の材料としては、例えば、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(トリフェニルシラノラト)アルミニウム等の混合配位子錯体、ビス(2−メチル−8−キノラト)アルミニウム−μ−オキソ−ビス−(2−メチル−8−キノリラト)アルミニウム二核金属錯体等の金属錯体、ジスチリルビフェニル誘導体等のスチリル化合物(特開平11−242996号公報)、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール等のトリアゾール誘導体(特開平7−41759号公報)、バソクプロイン等のフェナントロリン誘導体(特開平10−79297号公報)などが挙げられる。更に、国際公開第2005−022962号パンフレットに記載の2,4,6位が置換されたピリジン環を少なくとも1個有する化合物も、正孔阻止層の材料として好ましい。
正孔阻止層の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成できる。
正孔阻止層の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.3nm以上、好ましくは0.5nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下である。
<電子輸送層>
電子輸送層は素子の電流効率をさらに向上させることを目的として、発光層と電子注入層との間に設けられる。
電子輸送層は、電界を与えられた電極間において陰極から注入された電子を効率よく発光層の方向に輸送することができる化合物より形成される。電子輸送層に用いられる電子輸送性化合物としては、陰極又は電子注入層からの電子注入効率が高く、かつ、高い電子移動度を有し注入された電子を効率よく輸送することができる化合物であることが必要である。
このような条件を満たす材料としては、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−又は5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第5,645,948号明細書)、キノキサリン化合物(特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛などが挙げられる。
電子輸送層の膜厚は、通常下限は1nm、好ましくは5nm程度であり、上限は通常300nm、好ましくは100nm程度である。
電子輸送層は、前記と同様にして湿式成膜法、或いは真空蒸着法により正孔阻止層上に積層することにより形成される。通常は、真空蒸着法が用いられる。
<電子注入層>
電子注入層は、陰極から注入された電子を効率よく、電子輸送層又は発光層へ注入する役割を果たす。
電子注入を効率よく行うには、電子注入層を形成する材料は、仕事関数の低い金属が好ましい。例としては、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属等が用いられる。その膜厚は通常0.1nm以上、5nm以下が好ましい。
更に、後述するバソフェナントロリン等の含窒素複素環化合物や8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体に代表される有機電子輸送材料に、ナトリウム、カリウム、セシウム、リチウム、ルビジウム等のアルカリ金属をドープする(特開平10−270171号公報、特開2002−100478号公報、特開2002−100482号公報などに記載)ことにより、電子注入・輸送性が向上し優れた膜質を両立させることが可能となるため好ましい。この場合の膜厚は通常、5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常200nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。
電子注入層は、湿式成膜法或いは真空蒸着法により、発光層又はその上の正孔阻止層上に積層することにより形成される。
湿式成膜法の場合の詳細は、正孔注入層及び発光層の場合と同様である。
一方、真空蒸着法の場合には、真空容器内に設置されたるつぼ又は金属ボートに蒸着源を入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度にまで排気した後、るつぼ又は金属ボートを加熱して蒸発させ、るつぼ又は金属ボートと向き合って置かれた基板上の発光層、正孔阻止層又は電子輸送層上に電子注入層を形成する。
電子注入層としてのアルカリ金属の蒸着は、クロム酸アルカリ金属と還元剤をニクロムに充填したアルカリ金属ディスペンサーを用いて行う。このディスペンサーを真空容器内で加熱することにより、クロム酸アルカリ金属が還元されてアルカリ金属が蒸発される。有機電子輸送材料とアルカリ金属とを共蒸着する場合は、有機電子輸送材料を真空容器内に設置されたるつぼに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度にまで排気した後、各々のるつぼ及びディスペンサーを同時に加熱して蒸発させ、るつぼ及びディスペンサーと向き合って置かれた基板上に電子注入層を形成する。
このとき、電子注入層の膜厚方向において均一に共蒸着されるが、膜厚方向において濃度分布があっても構わない。
<陰極>
陰極は、発光層側の層(電子注入層又は発光層など)に電子を注入する役割を果たす。陰極の材料としては、前記の陽極に使用される材料を用いることが可能であるが、効率よく電子注入を行うには、仕事関数の低い金属が好ましく、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属又はそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。
陰極の膜厚は通常、陽極と同様である。
低仕事関数金属から成る陰極を保護する目的で、この上に更に、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層すると、素子の安定性が増すので好ましい。この目的のために、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。
<その他>
本発明における有機電界発光素子は、その趣旨を逸脱しない範囲において、別の構成を有していてもよい。例えば、その性能を損なわない限り、陽極と陰極との間に、上記説明にある層の他に任意の層を有していてもよく、また、任意の層が省略されていてもよい。
上述とは逆の構造、即ち、基板上に陰極、電子注入層、発光層、正孔注入層、陽 極の順に積層することも可能であり、既述したように少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板の間に本発明における有機電界発光素子を設けることも可能である。
さらには、層構成を複数段重ねた構造(発光ユニットを複数積層させた構造)とすることも可能である。その際には段間(発光ユニット間)の界面層(陽極がITO、陰極がAlの場合はその2層)の代わりに、例えばV2O5等を電荷発生層(CGL)として用い
ると段間の障壁が少なくなり、電流効率・駆動電圧の観点からより好ましい。
本発明は、有機電界発光素子が、単一の素子、アレイ状に配置された構造からなる素子、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置された構造のいずれにおいても適用することができる。
<有機ELディスプレイ及び有機EL照明>
本発明における有機ELディスプレイ及び有機EL照明は、上述のような本発明における有機電界発光素子を用いたものである。本発明における有機ELディスプレイ及び有機EL照明の型式や構造については特に制限はなく、本発明における有機電界発光素子を用いて常法に従って組み立てることができる。
例えば、「有機ELディスプレイ」(オーム社、平成16年8月20日発行、時任静士、安達千波矢、村田英幸著)に記載されているような方法で、本発明における有機ELディスプレイ及び有機EL照明を形成することができる。
本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例1)
以下の手順で有機電界発光素子を作製した。
ガラス基板1上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜をスパッタ成膜により堆積したものを、通常のフォトリソグラフィー技術と塩酸エッチングを用いて2mm幅のストライプにパターニングして陽極2を形成した。パターン形成したITO基板を、界面活性剤水溶液による超音波洗浄、超純水による水洗、超純水による超音波洗浄、超純水による水洗の順で洗浄後、圧縮空気と接触させることにより乾燥させてから、紫外線オゾン洗浄を行った。
次に、以下の構造式 (HIT−1)に示すアリールアミンポリマー、構造式(A1)
に示す4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、低分子架橋剤1および安息香酸エチルを含有する正孔注入輸送層形成用塗布液を調製した。この塗布液を下記条件で陽極2上にスピンコート法により成膜し、膜厚36nmの正孔注入輸送層3を形成した。
低分子架橋剤1としては、p-スチリルトリメチルシラン(信越化学社製 KBM-1403)を使用した。本架橋剤の水に対する溶解度は、1%以下であった。
Figure 2014013840
Figure 2014013840
<正孔注入輸送層3形成用塗布液>
溶媒 安息香酸エチル
塗布液濃度 HIT−1: 2.5重量%
A−1: 0.5重量%
低分子架橋剤1:0.25重量%
<正孔注入輸送層3の成膜条件>
スピナ回転時間 3000rpm、30秒
加熱条件 230℃、20分
引き続き、以下のHIT−2に示す構造式の化合物を含有する正孔注入輸送層形成用塗布液を調製し、これを以下の条件で正孔注入輸送層3上にスピンコート法により成膜し、加熱することにより重合させ、膜厚10nmの正孔注入輸送層4を形成した。
Figure 2014013840
<正孔注入輸送層4形成用塗布液>
溶媒 シクロヘキシルベンゼン
塗布液濃度 HIT−2:1.0重量%
<正孔注入輸送層4の成膜条件>
スピナ回転時間 2000rpm、120秒
加熱条件 230℃、1時間
次に、以下の化合物(BH−1)、 及び(BD−1)の構造式の化合物を含有する発
光層形成用塗布液を調製し、以下の条件でスピンコート法によりこれを成膜し、加熱することにより、膜厚40nmの発光層5を正孔注入輸送層4上に形成した。
Figure 2014013840
<発光層形成用塗布液>
溶媒 シクロヘキシルベンゼン
塗布液濃度 BH−1:3.5重量%
BD−1:0.35重量%
<発光層5の成膜条件>
スピナ回転時間 2000rpm、120秒
加熱条件 120℃、20分
この発光層5まで成膜した基板を真空蒸着装置内に移し、装置内の真空度が2.0×10−4Pa以下になるまで排気した後、以下のHB−1に示す構造式の化合物を真空蒸着法にて、蒸着速度0.8〜1.2Å/秒で発光層5の上に積層させ、膜厚10nmの正孔阻止層6を得た。
Figure 2014013840
更に、以下に示す構造の有機化合物(E1)を真空蒸着法にて、蒸着速度0.8〜1.2Å/秒で、正孔阻止層6の上に積層させ、膜厚20nmの電子輸送層7を得た。
Figure 2014013840
ここで、この電子輸送層7まで蒸着を行った基板上に陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを陽極2のITOストライプと直交するように電子輸送層7上に密着させ、真空蒸着装置内に移し、装置内の真空度が2.0×10−4Pa以下になるまで排気した。
電子注入層8として、先ずフッ化リチウム(LiF)を、モリブデンボートを用いて、
蒸着速度0.1〜0.4Å/秒で、0.5nmの膜厚で電子輸送層7の上に形成した。次に、陰極9として、アルミニウムを同様にモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度0.7〜5.3Å/秒で、膜厚80nmのアルミニウム層を形成した。
引き続き、素子が保管中に大気中の水分等で劣化することを防ぐため、以下の方法で封止処理を行った。窒素グローブボックス中で、23mm×23mmサイズのガラス板の外周部に、1mmの幅で光硬化性樹脂(株式会社スリーボンド製30Y−437)を塗布し、中央部に水分ゲッターシート(ダイニック株式会社製)を設置した。この上に、陰極まで形成した基板を蒸着面が乾燥剤シートと対向するように貼り合わせた。その後、光硬化性樹脂が塗布された領域のみに紫外光を照射し、樹脂を硬化させた。
以上の様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。この素子の特性を表1に示す。
(実施例2)
正孔注入輸送層3として、低分子架橋剤1の代わりに、低分子架橋剤2を用い、下記の条件にて成膜し34nmの膜を得たこと以外は、実施例1と同様にして、有機電界発光素子を作製した。得られた素子の特性を表1に示す。
なお、低分子架橋剤2としては、ビニルメトキシシラン(Dow-Coring社製 Z-6300)を使用した。本架橋剤の水に対する溶解度は、1%以下であった。
Figure 2014013840
<正孔注入輸送層3形成用塗布液>
溶媒 安息香酸エチル
塗布液濃度 HIT−1: 2.5重量%
A−1: 0.5重量%
低分子架橋剤2:0.25重量%
<正孔注入輸送層3の成膜条件>
スピナ回転時間 4000rpm、30秒
加熱条件 230℃、20分
(比較例1)
正孔注入輸送層3として、低分子架橋剤を加えず、下記の条件にて成膜し36nmの膜を得たこと以外は、実施例1と同様にして、有機電界発光素子を作製した。得られた素子
の特性を表1に示す。
<正孔注入輸送層3形成用塗布液>
溶媒 安息香酸エチル
塗布液濃度 HIT−1:2.5重量%
A−1: 0.5重量%
<正孔注入輸送層3の成膜条件>
スピナ回転時間 3000rpm、30秒
加熱条件 230℃、20分
(比較例2)
正孔注入輸送層3として、低分子架橋剤1の代わりに、低分子架橋剤3を用い、下記の条件にて成膜し33nmの膜を得たこと以外は、実施例1と同様にして、有機電界発光素子を作製した。得られた素子の特性を表1に示す。
なお、低分子架橋剤3としては、ヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化社製 リカシッドHH)を使用した。これは、非極性架橋性官能基を有していない架橋剤である。
Figure 2014013840
<正孔注入輸送層3形成用塗布液>
溶媒 安息香酸エチル
塗布液濃度 HIT−1: 2.5重量%
A−1: 0.5重量%
低分子架橋剤3:0.25重量%
<正孔注入輸送層3の成膜条件>
スピナ回転時間 4000rpm、30秒
加熱条件 230℃、20分
(比較例3)
正孔注入輸送層3として、低分子架橋剤1の代わりに、低分子架橋剤4を用い、下記の条件にて成膜した。
なお、低分子架橋剤4としては、3-グリシドキシプロピルメチルジエトシキシラン(信越化学社製 KBE-402)を使用した。これは、非極性架橋性官能基を有していない架橋剤
である。
Figure 2014013840
<正孔注入輸送層3形成用塗布液>
溶媒 安息香酸エチル
塗布液濃度 HIT−1: 2.5重量%
A−1: 0.5重量%
低分子架橋剤4: 0.25重量%
<正孔注入輸送層3の成膜条件>
スピナ回転時間 3000rpm、30秒
加熱条件 230℃、20分
Figure 2014013840
なお、表中の各語句の意味は、以下の通りである。
・ 電圧:比較例1を±0Vとしたときの1000cdにおける相対電圧。
以上の結果より、低分子架橋剤を加えなかった時と比較して、低分子架橋剤1及び低分子架橋剤2を加えることで、無添加のもの(比較例1)と比べ電圧が低下した。これに対し、非極性架橋性官能基を有していない低分子架橋剤3及び低分子架橋剤4を使用したものは電圧が高くなり、さらに均質な膜を得ることができなかった。

Claims (9)

  1. 水に対する溶解性が5wt%以下であり、且つ非極性架橋性官能基を有すると共にケイ素を有する低分子架橋剤、架橋性官能基を有する正孔輸送性材料及び溶媒を含む有機電界発光素子用組成物。
  2. 低分子架橋剤が、正孔輸送性材料と共有結合するものである、請求項1に記載の有機電界発光素子用組成物。
  3. 低分子架橋剤が、シランカップリング剤である、請求項1又は2記載の有機電界発光素子用組成物。
  4. 正孔輸送能を持つ物質が、高分子化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の有機電界発光素子用組成物。
  5. 正孔輸送能を持つ物質が、下記式(I)で表される繰り返し単位を含む高分子化合物を
    含有するものである、請求項1〜4のいずれかに記載の有機電界発光素子用組成物。
    Figure 2014013840
    (AraまたはArbが同一であっても、異なっているものであっても良い。)
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の有機電界発光素子用組成物を、基板に塗布し、加熱することで得られる正孔輸送性材料積層体。
  7. 請求項6に記載の正孔輸送性材料積層体を含む有機電界発光素子。
  8. 請求項7に記載の有機電界発光素子を備えた有機ELディスプレイ。
  9. 請求項7に記載の有機電界発光素子を備えた有機EL照明。
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