JP2014001350A - 塗装成形体 - Google Patents

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嵩之 脇田
Yoshitomo Ueda
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Abstract

【課題】耐衝撃性と塗装前の耐擦過性のバランスかつ、塗装後の塗装鮮映性と塗膜密着性のバランスに優れた塗装成形体を提供する。
【解決手段】ゴム成分に、シアン化ビニル単量体、及びその他単量体を共重合させたゴム質共重合体(A)と、シアン化ビニル単量体、及びその他単量体を共重合した共重合体(B)とを含む熱可塑性樹脂(C)からなる成形体において、1)該共重合体(B)が、共重合体(B1)、及び共重合体(B2)を含み、2)該成形体を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察したモルフォロジーで、2つの共重合体(B1)、(B2)由来の相が確認でき、いずれの共重合体(B)の相中にも体積平均粒子径50〜1000nmのゴム成分を含むゴム質共重合体が存在し、かつ3)成形体に塗装が施された、上記成形体。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐衝撃性と塗装前の耐擦過性のバランスかつ、塗装後の塗装鮮映性と塗膜密着性のバランスに優れた塗装成形体に関する。
ゴム質重合体にシアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物をグラフト共重合してなる樹脂組成物はアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂として知られており(以下ABS樹脂と記す)、機械的特性に優れ、また良好な成形加工性を有することから、広範囲な分野、例えば、自動車分野,家電製品分野等において利用されている。またこれらの分野に用いられる場合に、塗装性に優れていることや、耐候性の付与或いは意匠上の理由から塗装を施すことも少なくない。更に、最近では車両用途において車体との一体化塗装が行われるため、塗装面の高い鮮映性が要求される傾向にある。
一般に、ABS樹脂中のシアン化ビニル化合物の割合が塗装性に大きく影響することが知られている。すなわち、優れた塗装性を得るために、シアン化ビニル化合物の割合を増加する方法により、塗装時のシンナーによるストレスクラックの防止,鮮映性の向上などの効果を得ている。しかし、この方法には塗膜との密着性が低下し、乾燥後に剥離を生じたり、耐薬品性の劣ったものとなるなどの弊害があった。これまでに、ABS樹脂中のシアン化ビニル化合物の割合を検討することによって塗装性を改良する方法がいくつか報告されている。
例えば、特公昭63−30953号公報では樹脂相を構成するシアン化ビニル化合物の含率が20〜35重量部のABS樹脂に、それよりもシアン化ビニル化合物の含率の高い38〜65重量部の共重合体を混合する方法を開示している。この方法ではシンナーによるストレスクラックの防止には効果があるものの、高い鮮映性を得るには充分ではない。また、特開昭59−226050号公報では、密着性の改良のためにポリスチレンを混合する方法を開示している。しかし、この方法では耐薬品性の劣る成分を混合するため鮮映性が低下してしまい、同時に耐衝撃性の劣るものであった。
また、特許第3214630号では、グラフト共重合体組成物と共重合体組成物からなる樹脂組成物中の遊離共重合体について、シアン化ビニル化合物の含率の分布状態を規定することで、耐衝撃性,塗装後の塗膜の鮮映性,密着性に優れた樹脂組成物を得る方法を開示している。しかし、この方法では、シアン化ビニル化合物含有率の高い連続相のみにゴム質重合体が存在し、表面付近にゴム質重合体が偏るため、耐擦過性、特に製品工程内で傷が付きやすくなり、歩留りが低下することが懸念される。
特公昭63−30953号 特開昭59−226050号 特許第3214630号
本発明の課題は、耐衝撃性と塗装前の耐擦過性のバランスかつ、塗装後の塗装鮮映性と塗膜密着性のバランスに優れた塗装成形体を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、塗装される成形体において、シアン化ビニル成分含有率の異なる少なくとも2つ以上の共重合体の相が確認でき、それぞれの共重合体の相中にゴム成分の相が存在することにより、耐衝撃性や塗装前の耐擦過性及び塗装鮮映性と塗膜の密着性のバランスに優れた塗装成形体が得られることを見出し、本発明に至った。すなわち、本願発明は以下の通りである。
[1]ゴム成分に、シアン化ビニル単量体、及びその他単量体を共重合させたゴム質共重合体(A)と、シアン化ビニル単量体、及びその他単量体を共重合した共重合体(B)とを含む熱可塑性樹脂(C)からなる成形体において、
1)該共重合体(B)が、共重合体(B1)、及び共重合体(B2)を含み、高速液相クロマトグラフィー(HPLC)におけるシアン化ビニル成分含有率で、少なくとも2つのピークが存在し、
2)高速液相クロマトグラフィー(HPLC)で測定したシアン化ビニル成分含有率の2つ以上のピークトップのうち、少なくとも1つのピークトップが共重合体(B1)由来であり、シアン化ビニル成分含有率において15〜30%の範囲に観測され、それ以外のピークトップの内少なくとも1つのピークトップが共重合体(B2)由来であり、シアン化ビニル成分含有率において33〜50%に観察され、
3)該成形体を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察したモルフォロジーで、2つの共重合体(B1)、(B2)由来の相が確認でき、いずれの共重合体(B)の相中にも体積平均粒子径50〜1000nmのゴム成分を含むゴム質共重合体が存在し、
4)共重合体(B)が、共重合体(B1)及び共重合体(B2)を含み、共重合体(B1)のシアン化ビニル単量体由来成分の含有率が15〜30質量%、共重合体(B2)のシアン化ビニル単量体由来成分の含有率が33〜50質量%であり、共重合体(B1)、共重合体(B2)それぞれの還元粘度と体積の関係が、(ηB1/VB1)/(ηB2/VB2)>0.45となり、(ただし、共重合体(B1)の粘度をηB1、共重合体(B2)の粘度をηB2とする。体積は、共重合体(B1)の体積分率をVB1、共重合体(B2)の体積分率をVB2とし、VB1+VB2=1とする。)、かつ
5)成形体に塗装が施された、
上記成形体。
[2]平均厚み(t)と流動距離(L)において、L/t=70〜100の関係が成立する、[1]に記載の成形体。
[3]メタリック顔料が配合された塗料が1〜50μmの厚みで塗装され、樹脂注入口から20mmの位置にある該メタリック顔料の個数の90%以上が、該メタリック顔料の長径方向が成形体表面の接線に対して平行であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の成形体。
[4]成形体が、樹脂温度220〜280℃の範囲で射出成形される[1]〜[3]いずれかに記載の成形体。
本発明の塗装成形体は、耐衝撃性と塗装前の耐擦過性のバランスかつ、塗装後の塗装鮮映性と塗膜密着性のバランスに優れる。
HPLCにて得られる、共重合体(B1)及び共重合体(B2)のシアン化ビニル成分含有率のスペクトル。 本願発明の成形体のモルフォロジー。a:海−島構造、b:共連続構造。 本願発明の成形体のTEM画像を「A像くん」(商標名、旭化成エンジニアリング株式会社製)にて解析した明度ヒストグラムの模式図
以下に、本発明の形態を実際に説明する。
本発明の塗装成形体は、熱可塑性樹脂(C)からなる。熱可塑性樹脂(C)は、ゴム質共重合体(A)と共重合体(B)とを含む。ゴム質共重合体(A)と共重合体(B)は、熱可塑性樹脂(C)をアセトンに混合して得た混合溶液を遠心分離や濾過等によって分離し、残渣をゴム質共重合体(A)、残渣を除いたアセトン溶液を蒸発させて得た成分を共重合体(B)として分離することができる。
ゴム質共重合体(A)とは、少なくともゴム成分にシアン化ビニル単量体、及びその他共重合可能な単量体を共重合させた共重合体である。ゴム成分としては、ガラス転移温度が0℃以下のものであれば用いることができ、ジエン系ゴム、アクリル系ゴム、エチレン系ゴムなどが使用できる。具体的には、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエンのブロック共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、アクリル酸ブチル−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ブタジエン−メタクリル酸メチル共重合体、アクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル共重合体、ブタジエン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン系共重合体、エチレン−イソプレン共重合体及びエチレン−アクリル酸メチル共重合体などが挙げられる。
ゴム成分に共重合するシアン化ビニル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル及びエタクリロニトリルなどが挙げられ、アクリロニトリルが好ましい。これらは、1種又は2種以上を用いることができる。
その他共重合可能な単量体としては、芳香族ビニル単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、無水マレイン酸、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド等のN−置換マレイミド系単量体、グリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有単量体等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上用いることができる。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチルスチレン、及びp−t−ブチルスチレンなどが挙げられ、スチレン及びα−メチルスチレンが好ましい。
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレートなどのアクリル酸及びメタクリル酸エステル化合物、アクリル酸、メタクリル酸等のアクリル酸等が挙げられる。
ゴム質共重合体(A)の製造方法としては、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合、及びこれらの重合法の組合せ等の方法が挙げられる。具体的には、乳化重合で製造されたゴム成分のラテックスに単量体をグラフト重合させる乳化グラフト重合方法がある。乳化グラフト重合方法で得られる重合体はグラフト重合体混合物(G)であり、該混合物にはゴム成分に単量体をグラフト重合させたゴム質共重合体(A)と、ゴム成分にグラフト共重合しなかった共重合体(B)が含まれる。なお、連続式、バッチ式、セミバッチ式いずれの方法も可能である。
グラフト共重合体混合物(G)の製造過程で生成するゴム成分にグラフト共重合した単量体の割合は、ゴム成分を100質量部として、60〜200質量部が好ましく、より好ましくは60〜170質量部であり、更に70〜170質量部が好ましい。共重合した成分の割合は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いて得られる吸収ピーク解析により求めることができる。
本発明におけるゴム成分の体積平均粒子径は、50〜1000nmであり、100〜500nmが好ましい。50nm以上とすることで、耐衝撃性が向上し、1000nm以下では耐衝撃性及び光沢が向上する。
ゴム成分は、熱可塑性樹脂(C)中に10〜30質量%含有されることが好ましく、15〜25質量%が更に好ましい。ゴム量が10質量%未満であれば耐衝撃性が低下し、30質量%を超えると剛性や耐熱性が低下する。
本発明の成形体に含まれる共重合体(B)は、シアン化ビニル単量体、及びその他共重合可能な単量体を共重合させた共重合体である。共重合に用いるシアン化ビニル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル及びエタクリロニトリルなどが挙げられ、アクリロニトリルが好ましい。これらは、1種又は2種以上を用いることができる。
その他共重合可能な単量体としては、芳香族ビニル単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、無水マレイン酸、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド等のN−置換マレイミド系単量体、グリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有単量体等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上用いることができる。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチルスチレン、及びp−t−ブチルスチレンなどが挙げられ、スチレン及びα−メチルスチレンが好ましい。
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレートなどのアクリル酸及びメタクリル酸エステル化合物、アクリル酸、メタクリル酸等のアクリル酸等が挙げられる。
共重合体(B)の製造方法としては、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等の方法が挙げられる。具体的には、所定量のシアン化ビニル系単量体とその他共重合可能な単量体を溶媒に添加し、共重合させた後、溶媒等の揮発性成分を真空下で加熱して揮発させることによって共重合体成分を得る。また、共重合体(B)は、ゴム質共重合体(A)を製造時に、ゴム成分にグラフトされなかった共重合体として、グラフト共重合体混合物(G)中の含有物としても得られる。
本発明における共重合体(B)は、シアン化ビニル含有率が異なる少なくとも2つの共重合体(B1)と(B2)から構成される。共重合体(B1)及び(B2)の製造時に用いる単量体としては、共重合体(B)を製造時に用いることのできる単量体であればよいが、共重合体(B1)と(B2)は、いずれも同じ単量体成分で構成されていることが好ましい。
共重合体(B1)及び共重合体(B2)に含有されるシアン化ビニル成分の含有率は、高速液相クロマトグラフィー(HPLC)にて測定したシアン化ビニル含有率のピークトップの位置から算出する。
HPLCによる測定においては、あらかじめ窒素分析によって、ジエン系ゴム成分を除くスチレンとアクリロニトリル由来成分中のアクリロニトリル由来成分の含有量が既知の標準試料を用いて、アクリロニトリルとリテンションタイムとの関係から、検量線を作成する。その後、試料として共重合体(B)を溶媒に溶解させたものをHPLCにより分離して、検量線とリテンションタイムから、ピークトップにおけるシアン化ビニル成分含有率を算出する。共重合体(B)の溶媒は、共重合体(B)を溶解させ、HPLCの解析に用いられる溶媒であればよく、具体的にはテトラヒドロフラン等があげられる。
したがって、本発明における共重合体(B)は、高速液相クロマトグラフィー(HPLC)で測定したシアン化ビニル成分含有率のピークを少なくとも2つ有する。シアン化ビニル成分のピークが少なくとも2つ存在することで、塗装後の鮮映性と塗膜の密着性のバランスに優れる。さらに、共重合体(B1)が存在することで塗膜の密着性が向上し、共重合体(B2)が存在することで塗装後の鮮映性が向上する。
共重合体(B1)由来のピークトップは15〜30%の範囲に観測される。当該範囲にピークが存在することで、塗膜の密着性が向上する。共重合体(B2)由来のピークトップは33〜50%の範囲に観測される。当該範囲にピークが存在することで、塗装後の鮮映性が向上する。
共重合体(B1)由来のピークトップが15%以上の範囲に存在することで、シアン化ビニル成分を含有していることにより機械的特性や耐熱性が向上する。共重合体(B1)由来のピークトップが30%以下の範囲に存在することで、塗膜密着性が向上する。
共重合体(B2)由来のピークトップが33%以上の範囲に存在することで、塗装後の鮮映性に優れる。共重合体(B2)由来のピークトップが50%以下の範囲に存在することで、熱履歴等による成形体の機械特性の低下を抑制できる。
HPLCにて観察されるピークが3つ以上存在する場合、ピークトップがシアン化ビニル成分含有率15〜30%の範囲と33〜50%の範囲にそれぞれ1つずつ存在していれば、その他のピークはどこに存在していてもよい。ピークトップが15〜30%の範囲に2つ以上存在する場合、当該範囲に存在するピークはすべて(B1)由来のピークと判断する。同様に、33〜50%の範囲に2つ以上存在する場合、当該範囲に存在するピークはすべて(B2)由来のピークと判断する。
本発明の塗装成形体は、断面の樹脂部分を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察したモルフォロジーで、2つの共重合体(B1)、(B2)が確認できる。また、共重合体(B1)、(B2)のいずれの相にも体積平均粒子径50〜1000nmのゴム成分を含むゴム質共重合体(A)が存在することが確認できる。
モルフォロジーの具体的な形状としては、共重合体(B2)が不定形のマトリックス相、共重合体(B1)が不定形の分散相からなり、ゴム質共重合体が略円形で(B1)と(B2)の両相に存在している形態(図2−aの海−島構造)、共重合体(B1)と共重合体(B2)が各々不定形の連続相として共存し、ゴム質共重合体が略円形で(B1)と(B2)の両相に存在している形態(図2−bの共連続構造)等が挙げられる。
共重合体(B1)、(B2)の存在確認及び、共重合体(A)が(B1)、(B2)の両相中に存在していることの確認は、成形体断面のモルフォロジーをTEMにて観察した画像を、画像解析ソフトを用いて解析、加工することによって行うことができる。
具体的には、以下のようにして行う。
本発明の成形体をエポキシ樹脂に包埋させ、成形体断面部分を四酸化オスミウム等の染色剤にて染色処理を施す。染色処理の方法としては、シアン化ビニル含有率が異なる共重合体(B1)と(B2)を染め分けることができる方法であればよく、オスミウム酸のような染色剤により染色時間を変化させる、オスミウム酸で染色後、ルテニウム酸で染色する等の異なる2つ以上の染色剤を用いて染色する、TEM観察時にあらかじめ電子線を照射する時間を変化させる等の方法が挙げられる。特に、オスミウム酸で染色後、ルテニウム酸で染色する方法は、共重合体(B1)と(B2)を容易に染め分けることができる点で好ましい。
染色後、超薄切片を作製し、TEMで観察を行う。得られたTEM観察画像には、略円形の暗色部、不定形の中間色部と明色部の3つの部分が観察される。染色されているほどその領域は暗く見えることから、暗く見える順に暗色部、中間色部、明色部となる。
得られたTEM観察画像を、画像解析ソフト「A像くん」(商標名、旭化成エンジニアリング株式会社製)に取り込み、取り込んだ画像の明度ヒストグラム(明度分布)を作成し、次いでTEM観察画像の色分け加工を行う。
明度ヒストグラムは、横軸に明度(各画素の明るさ)、縦軸に各明度を示す画素数をとり、横軸は0を最小値から255を最大値として作成される。得られた明度ヒストグラムは、3つのピークが得られ、明度が低い方から暗色部、中間色部、明色部と定義する。明度ヒストグラムの模式図を図3に示す。これらはそれぞれ、ゴム質共重合体(A)のゴム粒子(ゴム成分)、共重合体(B1)、共重合体(B2)、に対応する。
TEM観察画像の色分けは、得られた明度ヒストグラムを用いて以下のようにして行う。A像くんによる解析で得られた明度ヒストグラムにおいて、ピークとピークの谷における明度をしきい値とし、暗色部のピークと中間色部のピークの谷における明度をしきい値A、中間色部のピークと明色部のピークの谷における明度をしきい値Bと設定し、暗色部、中間色部、明色部それぞれの明度の範囲を決定する。すなわち、明度0以上しきい値A未満が暗色部、しきい値A以上しきい値B未満が中間色部、しきい値B以上255以下が明色部となる。さらに、A像くんにて、それぞれの明度の範囲を指定することで、TEM観察画像における明色部、中間色部、暗色部を色分け加工することができる。
色分け加工を施したTEM観察画像から、共重合体(B1)及び(B2)が存在すること、ゴム質共重合体(A)が共重合体(B1)、(B2)のいずれにも存在することを確認することができる。
共重合体(B1)、(B2)のいずれにもゴム成分を含むゴム質共重合体が存在することで、耐衝撃性及び塗装前の耐擦過性が向上する。耐擦過性の低下は、成形工程から塗装工程に移るまでに、成形体に傷がつきやすくなり、生じた傷は塗装で隠蔽できない場合もあり、塗装外観不良の要因となるなど、最終的な塗装成形体の歩留まり低下要因となる。
共重合体(B1)及び共重合体(B2)としては、還元粘度を各々ηB1、ηB2、VB1+VB2=1とし、体積分率をVB1、VB2としたとき(ηB1/VB1)/(ηB2/VB2)>0.45の関係を満たす。(ηB1/VB1)/(ηB2/VB2)>0.55となることが更に好ましい。(ηB1/VB1)/(ηB2/VB2)>0.45の関係を満たすことで、シアン化ビニル成分含有率が高い共重合体(B2)の相がマトリックス相を形成する傾向が支配的となり、塗装鮮映性が向上する。
なお、ここで示す還元粘度とは、共重合体(B1)及び共重合体(B2)、0.25gを2−ブタノン50mlにて溶解した溶液を、30℃にてCannon−Fenske型毛細管中の流出時間を測定することにより得られる。
本発明における共重合体(B)成分中の共重合体(B1)及び(B2)成分は、例えば共重合体(B)溶液を溶出時間毎にHPLCで分取することで分離できる。分離した共重合体(B1)成分及び(B2)成分の溶液から溶媒を分離することで、ηB1、ηB2の測定に用いることができる。また、溶媒を分離した共重合体(B1)成分及び(B2)成分について、質量測定により共重合体(B1)、(B2)の質量比を、密度勾配管を用いて共重合体(B1)、(B2)各々の密度を測定することができる。VB1、VB2は、共重合体(B1)、(B2)の質量比と各々の密度から算出することができる。
熱可塑性樹脂(C)の製造方法としては、グラフト共重合体混合物(G)と共重合体(B)を、単軸もしくは2軸のベント付き押出機、プラストミル、ニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダーなどの熱可塑性樹脂に一般的に用いられる各種混合装置を用いることができる。これらのうちベント付き押出機による製造が望ましい。
本発明の成形体に含まれる熱可塑性樹脂(C)には、必要に応じて顔料,染料,滑剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤,帯電防止剤,補強材,充填剤等各種添加剤をその物性を損なわない程度に含有されていてもよい。
本発明の成形体の成形方法は、射出成形、押出成形、真空・圧空成形、ブロー成形、フィルム・インフレーション成形などを用いることができ、この中でも射出成形が好ましい。射出成形では、シリンダー内の樹脂の温度が220〜280℃の範囲が好ましい、更に230〜250℃が好ましい。220℃以上とすることで、成形体のモルフォロジーにおいて、共重合体(B1)の相と共重合体(B2)の相が、それぞれ相分離することで塗膜の密着性と塗装鮮映性の両方を高めることができる。280℃以下とすることで、熱可塑性樹脂中の含有ゴム成分やマトリックスの分解が抑制され成形体の耐衝撃性低下を抑えられる。
金型温度は、40〜100℃の範囲が好ましく、60〜80℃がさらに好ましい。40℃以上であれば、金型内に注入された熱可塑性樹脂が固化する前に金型に充てんされるため、金型通りの成形体を得ることができる。100℃以下であれば、金型に充てんされた樹脂が速く固化するため、生産サイクルの短縮につながる。
成形体を射出成形にて成形する場合、射出速度は30〜120mm/secの範囲にあることが好ましく、50〜75mm/secがさらに好ましい。射出速度が30mm/sec以上の場合、熱可塑性樹脂が金型内で固化する前に充てんされる、金型通りの成形体が得られる。120mm/sec以下とすることで、外観不良となりうる成形体表面に筋状の模様(シルバーストリーク)等の発生を抑制することができる。
本発明の成形体は、塗装が施される。塗装は、少なくとも1回施されるが、好ましくは、密着性としてプライマー塗装、色付けとしてベース塗装、輝度付けとしてメタリック塗装、塗膜保護としてトップコート塗装の4種類行われ、乾燥される。求められる意匠性や色調により、ベース塗装の色調を変化させたり、メタリック塗装の有無などが異なる。
塗装としては、主剤のみで硬化剤を含まない1種類の液体を塗布する1液塗装と、主剤と硬化剤の2種類の混合液体を塗布する2液塗装が挙げられ、塗布する方法としては、エアスプレー塗装、エアレス塗装、静電塗装、電着塗装、紛体塗装、カーテンフローコート、及びロールコートなどのが挙げられ、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電塗装などが好ましい。静電塗装の場合、静電塗装が可能となるようにあらかじめ導電プライマー塗布等の前処理した後に静電塗装を行うことが好適である。
塗装の塗膜は、1層で1〜100μmが好ましく、更に5〜80μmが更に好ましい。1μm以上で塗料の隠蔽性が向上し外観が良好となる。100μm以下とすることでゆず肌などの塗膜の表面不良の発生もない。また、メタリック塗装の場合、膜厚は1〜50μmが好ましく、更に1〜35μmが好ましい。1μm以上でメタリック調が得られ、50μm以下とすることでメタリック顔料が均一に分散し外観が良好となる。
塗装に用いられる塗料は、一般的に樹脂で用いられる塗料を使用することができ、塗料のは、顔料、樹脂、添加剤、溶剤などから構成されている。
顔料は、有機顔料、無機顔料、及びメタリック顔料などが挙げられ、無機顔料としては、例えば酸化チタン、カーボンブラック、チタンイエロー、酸化鉄系顔料、群青、コバルトブルー、酸化クロム、スピネルグリーン、クロム酸鉛系顔料、カドミウム系顔料などが挙げられる。
有機顔料としては、例えばアゾレーキ顔料、ベンズイミダゾロン顔料、ジアリリド顔料、縮合アゾ顔料等のアゾ系顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、等のフタロシアニン系顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、ペリノン顔料、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料などが挙げられる。
メタリック顔料としては、例えばリン片状のアルミのメタリック顔料、ウェルド外観を改良するために使用されている球状のアルミ顔料、パール調メタリック顔料用のマイカ粉、その他ガラス等の無機物の多面体粒子に金属をメッキやスパッタリングで被覆したものなどが挙げられる。
これらは、希望の意匠により色調やメタリック感などを、種類や添加量で調整される。
顔料は、塗料中に30〜40質量%配合されることが好ましい。
樹脂は、大豆油、ひまし油などの油脂類、ロジン、コパールなどの天然樹脂、石油樹脂などの加工樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などの合成樹脂、塩化ゴム、環化ゴムなどのゴム誘導体、ラッカー、アセチルセルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられ、合成樹脂、ゴム誘導体、セルロース誘導体が好ましい。 添加剤は、可塑剤、分散剤、消泡剤、防カビ剤、防腐剤、乾燥剤、たれ防止剤、つや消し剤、耐光剤、紫外線吸収剤などが挙げられ、防カビ剤、たれ防止剤、つや消し剤、耐光剤、紫外線吸収剤が好ましい。
樹脂及び添加剤は、塗料中に合わせて35〜45質量%配合されることが好ましく、樹脂と添加剤の比率は、70〜95質量%/5〜30質量%(樹脂/添加剤)が好ましい。
溶剤は、主に真溶剤、助溶剤、希釈剤に分けられ、真溶剤としては、ミネラルスピリットなどの脂肪族炭化水素系溶剤、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどのエステル系溶剤が挙げられ、助溶剤は、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコールが挙げられ、希釈剤としては、トルエンなどが挙げられる。
塗料に用いられる溶剤は、季節や塗料の主成分となる樹脂により沸点を変えることが好ましく、一般的には100℃未満の低沸点溶剤または、100〜150℃の中沸点溶剤を用いることが好ましい。溶剤は、塗料中に15〜35質量%配合されることが好ましい。
塗料は、これらの構成成分を組み合わせられ、例えば一般的にラッカー系塗料、ウレタン系塗料、アクリル系塗料、シリコーン系塗料、フッ素系塗料、アルキッド系塗料、エポキシ系塗料等として呼ばれている。
塗装の乾燥工程は、溶剤を短時間で放出させたり、塗料を硬化させるために必要であり、70〜120℃の範囲で行なわれることが好ましい。溶剤の放出時間の点で70℃以上であり、成形体の熱変形の点で120℃以下である。
本発明の成形体において、平均厚み(t)、流動距離(L)でL/t=70〜100の関係が成り立つことが好ましい。平均厚み(t)とは、塗装が施される成形体中の部位の厚みを平均化した値である。具体的には、樹脂注入口から樹脂流動距離が最も遠い位置(流動末端)までを結ぶ線上において、注入口・樹脂流動距離が最も遠い位置・注入口と流動末端の中間地点の3点の厚みを平均して算出する。流動距離(L)とは、樹脂注入口が1箇所の場合、成形体において樹脂注入口からの樹脂流動距離が最も遠い位置(流動末端)までの距離である。樹脂注入口が2箇所以上の場合、2箇所以上の樹脂注入口から注入された樹脂同士が合流する部分までのうち、合流地点が注入口より最も遠い位置までの距離のことである。樹脂注入口は、好ましくは3箇所以下であり、更に2箇所以下が好ましい。樹脂注入口が多いほど樹脂同士の合流する部分が多くなるため、流動距離は調整しやすくなるが、合流部分においては耐衝撃性が低下するため、樹脂注入口は3箇所以下が望ましい。
本発明でL/tは、70〜100が好ましく、更に80〜90が好ましい。L/tは、成形直後の表面平滑性の点で70以上であり、塗装鮮映性の点で100以下である。
成形体の厚みは、0.5〜5mmにあることが好ましく、更に0.5〜3mmが好ましい。大きさは、1000×1000mmなどの大きな成形体から、35×35mmなどの小さな成形体まで幅広い大きさが好ましい。
本発明の塗装成形体は、メタリック調の塗装が施されることが好ましい。メタリック調の塗装に用いる塗料において、塗料中に含有するメタリック顔料粒子は、アスペクト比が20〜500のものが好ましい。アスペクト比は粒子の長径/最短径で表される。粒子の最長径及び最短径は、塗膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察することによって求められ、粒子100個の最長径及び最短径の平均値からメタリック顔料のアスペクト比を算出することができる。
アスペクト比が20以上で、見る角度によって色相が異なって見える性質(フリップフロップ性)が十分に得られ、メタリック調特有の輝度感を得ることができる。アスペクト比が500以下で、物理的な強度に優れ外観が向上する。
本発明のメタリック調の塗装を施した成形体において、樹脂注入口から20mmの位置にある塗膜中の該メタリック顔料の個数の90%が、該メタリック顔料の長径方向が成形体表面の接線方向に平行になっていることが好ましい。更に好ましくは95%である。樹脂注入口から20mmの位置とは、具体的には、樹脂注入口から成形体形状に沿って最も遠い箇所に向かって、20mmの位置で視野が100μm×100μmの範囲を指す。また、平行とは、樹脂注入口から当該位置における成形体表面の接線方向を0°としたときに、当該視野内におけるメタリック顔料の長径方向と該成形体表面の接線方向とがなす角が±5°以内であることを指す。平行になっているメタリック顔料の割合の算出には、当該範囲をSEMにて観察した画像を用いる。当該視野中に存在するメタリック顔料を無作為に100個選択し、選択した100個の内平行になっているメタリック顔料の個数から算出する。
樹脂表面に対するメタリック顔料の角度を±5°以下とすることで輝度感が上がり外観が向上する。この角度が±5°を超える要因としては、塗装に用いた塗料中の溶剤による樹脂への過剰な浸食が挙げられる。溶剤の過剰な浸食は、樹脂の耐溶剤性が低いことや成形体の形状によって樹脂の配向が強くなることによって生じる。溶剤が過剰に浸食することで樹脂表面に凹凸が生じ、塗料中のメタリック顔料がその凹凸に沿って配列するため、該メタリック顔料と該成形体表面の接線方向とがなす角が±5°を超えることとなる。
従来、メタリック調塗装においては、溶剤による樹脂表面の凹凸の形成によってメタリック感が不均一な部分が生じやすく、輝度感の低下といった塗装不良が発生しやすい。また、このような塗装不良を避けるために、プライマー塗装時やメタリック調塗料塗装時の膜厚を大きくすることで、溶剤の浸食によって生じる成形体表面の凹凸を隠蔽し、メタリック顔料が成形体表面の接線方向に対して平行に配列し輝度感を向上させることもある。しかしながら膜厚を大きくするために、必要な塗料の量や塗装にかかる時間が増加し、生産性が低下する。これに対し本発明に記載の成形体では、メタリック塗装を施しても、生産性を低下させることなく、輝度感の高いメタリック調の成形体を得ることができる。
本発明の成形体は、塗装を施すため、人の目に触れる製品として用いられると好ましい。そのような製品としては、例えば、ドアハンドル、ドアミラーカバー、スイッチ類、カバー類、及びガーニッシュ類等の自動車の内外装部品;複写機、複合機、パソコン、マウス、携帯電話、及びゲーム機等の電子電気機器の部品及びリモコン;エアコン、テレビ、冷蔵庫、電子レンジ、電子ポット、掃除機及び電話機等の家庭電器の部品;システムキッチン、システムバス、洗面台、トイレ、電力メーター、及び配電盤等の住宅機器の部品が挙げられる。これらのうち、自動車の内外装部品及び電気電子部品の筐体が好ましい。具体的には、ドアハンドル、ドアミラーカバー、各種スイッチ類、及びカバー類などの自動車部品、並びに、掃除機、冷蔵庫、ゲーム機筐体、リモコン、テレビ、及び携帯電話が好ましい。
次に実施例及び比較例によって、本発明を更に具体的に説明する。使用した熱可塑性樹脂は下記のとおりである。ただし、本発明はこれらの実施例により範囲を限定されるものではない。
1.実施例及び比較例に用いた原材料
(参考例1)グラフト共重合体混合物(G−1)の製造
重合反応槽に、ポリブタジエンゴムラテックス(日機装(株)社製マイクロトラック粒度分析計「nanotrac150」にて測定した体積平均粒子径=0.08μm、固形分量=40質量部)110質量部、ターシャリードデシルメルカプタン0.1質量部、及び脱イオン水25質量部を加え、気相部を窒素置換した後、55℃に昇温した。続いて、1.5時間かけて70℃まで昇温しながら、アクリロニトリル16.2質量部、スチレンを43.8質量部、ターシャリードデシルメルカプタン0.5質量部、クメンハイドロパーオキシド0.15質量部よりなる単量体混合液、及び脱イオン水22質量部にナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.2質量部、硫酸第一鉄0.004質量部、エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム塩0.04質量部を溶解してなる水溶液を4時間にわたり添加した。添加終了後1時間、重合反応槽を70℃に制御しながら重合反応を完結させた。このようにして得られたグラフト共重合体ラテックス、シリコーン樹脂製消泡剤、及びフェノール系酸化防止剤エマルジョンを添加した後、硫酸アルミニウム水溶液を加えて凝固させ、更に、十分な脱水、水洗を行った後、乾燥させてグラフト共重合体混合物(G−1)を得た。ここでグラフト共重合体混合物(G−1)は、ゴム質共重合体(A−1)と共重合体(B1−1)の混合物として得られた。
得られたグラフト共重合体混合物を約1g取り出し、50mlのアセトンに混合し、振盪機にて30分振盪させた。得られた混合溶液を遠心分離機で毎分1200回転、10分で処理して残渣を取り出した。この操作を3回繰り返し、得られた残渣をゴム質共重合体(A−1)とした。ゴム質共重合体(A−1)のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いた組成分析の結果、アクリロニトリル13.5質量%、ブタジエン50.0質量%、スチレン36.5質量%であり、ジエン系ゴム成分を除いた成分を100としたときのアクリロニトリル由来成分の含有量は27.0質量%であった。
残渣を取り出したあとのアセトン溶液は、一旦アセトンを蒸発させた。蒸発後、残った成分を共重合体(B1−1)とした。共重合体(B1−1)のFT−IRを用いた組成分析の結果、アクリロニトリル27.0質量%、スチレン73.0質量%でであった。また、共重合体(B1−1)0.25gを2−ブタノン50mlにて溶解した溶液を30℃におけるCannon−Fenske型毛細管を用いて粘度測定を行った結果、還元粘度は0.38dl/gであった。また、得られたゴム質共重合体(A−1)と共重合体(B1−1)の質量比は、73.5質量%と26.5質量%であった。
(参考例2)グラフト共重合体混合物(G−2)の製造
重合反応槽に加えるモノマーを、アクリロニトリル24質量部、スチレンを36質量部、とする以外は[参考例1]に記載の方法と同様に行い、グラフト共重合体混合物(G−2)を得た。グラフト共重合体混合物(G−2)は、ゴム質共重合体(A−2)と共重合体(B2−1)の混合物として得られた。
ゴム質共重合体(A−2)の組成は、[参考例1]に記載の方法と同様にして測定した結果、アクリロニトリル20.0質量%、ブタジエン50.0質量%、スチレン30.0質量%であり、ジエン系ゴム成分を除くスチレンとアクリロニトリル由来成分中のアクリロニトリル由来成分の含有量は40.0質量%であった。また共重合体(B2−1)の組成及び還元粘度は、[参考例1]に記載の方法と同様にして測定した結果、組成は、アクリロニトリル40.0質量%、スチレン60.0質量%であり、還元粘度は0.41dl/gであった。また、得られたゴム質共重合体(A−2)と共重合体(B2−1)の質量比は、71.0質量%と29.0質量%であった。
(参考例3)ゴム質共重合体(G−3)の製造
重合反応槽に加えるモノマーをアクリロニトリル20.4質量部、スチレンを39.6質量部とする以外は[参考例1]に記載の方法と同様に行い、グラフト共重合体混合物(G−3)を得た。グラフト共重合体混合物(G−3)は、ゴム質共重合体(A−3)と共重合体(B2−2)の混合物として得られた。
ゴム質共重合体(A−3)の組成は、[参考例1]に記載の方法と同様にして測定した結果、アクリロニトリル17.0質量%、ブタジエン50.0質量%、スチレン33.0質量%、であり、ジエン系ゴム成分を除くスチレンとアクリロニトリル由来成分中のアクリロニトリル由来成分の含有量は34.0質量%であった。また、共重合体(B2−2)の組成及び還元粘度は、[参考例1]に記載の方法と同様にして測定した結果、組成は、アクリロニトリル34.0質量%、スチレン66.0質量%、還元粘度は0.40dl/gであった。また、得られたゴム質共重合体(A−3)と共重合体(B2−2)の質量比は、72.5質量%と27.5質量%であった。
(参考例4)共重合体(B1−2)の製造
反応槽への供給液として、アクリロニトリル23.5質量部、スチレン54.0質量部、溶媒としてエチルベンゼン22.5質量部、重合開始剤として、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.05質量部からなる混合物を、窒素ガスを用いてバブリングさせた後、特許第3664576号の実施例2に記載されたものと同様の二段傾斜パドル型(傾斜角度45度)攪拌翼を供えた内容積150lの反応槽に、スプレーノズルを用いて連続的に37.5kg/時間の速度で供給した。重合温度は130℃とし、反応槽内での反応液の充満率が70容量%を維持できるように、供給液量と同量の反応液を連続的に抜き出した。抜き出した反応液は、250℃、10mmHgの高真空に保たれた揮発分除去装置へ導入し、未反応単量体、有機溶剤を脱気回収し、共重合体(B1−2)はペレットとして回収した。共重合体(B1−2)をアセトンに溶解させたところ、完全にアセトンに溶解し不溶な成分は見られなかった。共重合体(B1−2)の組成は、FT−IRを用いた組成分析の結果、アクリロニトリル29.6質量%、スチレン70.4質量%であった。また、共重合体(B1−2)0.25gを2−ブタノン50mlにて溶解した溶液を30℃におけるCannon−Fenske型毛細管を用いて粘度測定を行った結果、還元粘度は0.58dl/gであった。
(参考例5)共重合体(B1−3)の製造
アクリロニトリル22.7質量部、スチレン51.8質量部、溶媒としてエチルベンゼン25.5部とした以外は、[参考例4]に記載の方法と同様にして行い、共重合体(B1−3)を得た。(B1−3)の組成及び還元粘度は、[参考例4]に記載の方法と同様にして行い、組成はアクリロニトリル29.8質量%、スチレン70.2質量%、還元粘度は、0.65dl/gであった。
(参考例6)共重合体(B2−3)の製造
アクリロニトリル31.5質量部、スチレン40.0質量部、溶媒としてエチルベンゼン28.5部とした以外は、[参考例4]に記載の方法と同様にして行い、共重合体(B2−3)を得た。
(B2−3)の組成及び還元粘度は、[参考例4]に記載の方法と同様にして行い、組成は、アクリロニトリル39.3質量%、スチレン60.7質量%、還元粘度は0.47dl/gであった。
(参考例7)共重合体(B2−4)の製造
アクリロニトリル36.3質量部、スチレン39.7質量部、溶媒としてエチルベンゼン24.0部とした以外は、参考例4に記載の方法と同様にして行い、共重合体(B2−4)を得た。(B2−4)の組成及び還元粘度は、[参考例4]に記載の方法と同様にして行い、組成は、アクリロニトリル40.1質量%、スチレン59.9質量%、還元粘度は、0.58dl/gであった。
なお、熱可塑性樹脂におけるシアン化ビニル成分含有率のピークトップの位置は以下の方法により求めた。
測定法:高速液相クロマトグラフィー(HPLC)
熱可塑性樹脂(C)をアセトンに溶解し、その可溶分を乾燥して遊離共重合体を得、それをテトラヒドロフランに溶解し、試料とした。あらかじめ窒素分析によって、ジエン系ゴム成分を除くスチレンとアクリロニトリル由来成分中のアクリロニトリル由来成分の含有量が既知の標準試料を用いて、とリテンションタイムとの関係を検量線で表しておき、上記試料をHPLCにより分離して、検量線とリテンションタイムから、ピークトップにおけるシアン化ビニル成分含有率を求めた。(図1)
機器:高速液体クロマトグラフィー(島津製作所製)
カラム:シリカ系シアノプロピル処理品
展開溶剤:テトラヒドロフラン/n−ヘキサン
検出器:紫外線(254nm)
また、成形体断面のモルフォロジー解析による共重合体(B1)、共重合体(B2)の存在確認およびゴム質共重合体(A)が(B1)、(B2)の両相中に存在していることの確認は、成形体断面のモルフォロジーを透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察した画像を、画像解析ソフトを用いて解析、加工することによって行った。本発明の成形体を凍結し、切り出し、断面部分を四酸化オスミウム(OsO)で染色後、四酸化ルテニウム(RuO)で染色した後、超薄切片を作製した。作製した超薄切片を試料とし、TEMにて観察したところ、略円形の暗色部、不定形の中間色部と明色部の3つの部分が観察された。観察した画像を画像解析ソフト「A像くん」(商標名、旭化成エンジニアリング株式会社製)を用いて解析し、明度ヒストグラムを作成した。作成した明度ヒストグラムには、ピークが3つ観測された。それぞれのピークの谷における明度をしきい値として設定し、得られたTEM画像を暗色部、中間色部、明色部に当たる3色で色分け加工を施したところ、それぞれがゴム質共重合体(A)のゴム粒子、共重合体(B1)、共重合体(B2)に対応することより、共重合体(B1)、(B2)が存在していること、ならびにゴム質共重合体(A)中のゴム粒子が(B1)、(B2)の両相にも存在していることを確認した。
また、共重合体(B)の還元粘度は、以下の方法により求めた。
ηB1は、グラフト共重合体混合物(G−1)、共重合体(B1−2)、共重合体(B1−3)を表1に記載の配合比率で配合したものを溶融混練して得られた熱可塑性樹脂をアセトンに溶解し、遠心分離後、残渣のゴム質共重合体(A)を取り除き、共重合体(B)のアセトン溶液を得た。得られたアセトン溶液のアセトンを蒸発させ、残った共重合体(B)成分0.25gを、2−ブタノン50mlにて溶解した溶液を30℃におけるCannon−Fenske型毛細管を用いて粘度を測定した。
ηB2は、グラフト共重合体混合物(G−2)もしくはグラフト共重合体混合物(G−3)および共重合体(B2−3)、共重合体(B2−4)を表1に記載の配合比率で配合したものを溶融混練して得られた熱可塑性樹脂をアセトンに溶解し、遠心分離後、残渣のゴム質共重合体(A)を取り除き、共重合体(B)のアセトン溶液を得た。得られたアセトン溶液のアセトンを蒸発させ、残った共重合体(B)成分0.25gを、2−ブタノン50mlにて溶解した溶液を30℃におけるCannon−Fenske型毛細管を用いて粘度を測定した。
測定した数値は、各々表1に記載した。
2.成形体の作製と塗装試験
(実施例1〜7)
表1に記載の配合割合でグラフト共重合体混合物(G)と共重合体(B)をブレンドし、単軸押出機((株)石中鉄工所製:HS−30、30mmφ)を用い、スクリュー回転数300rpm、シリンダー温度230℃で溶融混練を行い、熱可塑性樹脂を製造した。先端ノズルからストランド状にポリマーを排出し、水冷、カッティングしてペレットを得た。その後、物性測定用試験片を、シリンダー設定温度250℃、金型表面温度60℃とした射出成形機で、作製、評価を行った。樹脂温度は252℃であった。塗装鮮映性、塗膜密着性、冷熱サイクル評価、耐擦過性試験及びメタリック顔料の配向評価には、60mm×160mm×厚み2mm(L/t=85)の平板を用いた。該平板は、シリンダー設定温度250℃、金型表面温度80℃とした射出成形にて作製した。樹脂温度は252℃であった。また、塗装鮮映性、塗膜密着性、冷熱サイクル評価試験は、アクリル塗料(カンペハピオ製:カンペラッカーAあか)の吹付塗装を行った後、評価した。メタリック顔料の配向評価は、メタリック塗料(アトムサポート(株)製:アトムハウスペイント メタリックスプレー シルバー)の吹付塗装を行った後、評価した。尚、吹付塗装は、垂直に立てた該平板に対し、塗料のスプレー缶を30cm/sの速度で左から右へ移動させながら、塗料を平板に対して垂直に吹付ける動作を2回繰り返すことによって行った。該方法にて吹付けた塗装の膜厚は、断面を光学顕微鏡にて観察、測定した結果、1μmであった。
その結果を表2に示す。
3.物性評価
本件発明の効果を示すために、実施例で製造した成形体について以下の物性を評価した。表2に実施例及び比較例に用いた成形体の組成と評価結果を示す。なお、表2中の組成の記載内容は、表1に記載内容と同一であり、ゴム質共重合体(A)と共重合体(B)の比率の違いがわかるように表1に記載の内容を並べ替えたものである。
(1)耐衝撃性:東洋精機工業株式会社製シャルピー衝撃試験機(ハンマー2J)を用いて、JIS K 7111に従って、80mm×10mm×4mmの塗装前試験片への打撃方向をエッジワイズ方向とすることにより測定した。
(2)塗装鮮映性:
塗装後の平板(60mm×160mm×厚み2mm、(L/t=85))に対し、写像性測定装置ICM−ID(スガ試験機(株)製)を用い、JIS K 7105に従って、スリット幅1mm、反射角60° 測定値は百分率で求め、以下のように判定した。
◎:鮮映性が85%以上
○:鮮映性が75%以上、85%未満
△:鮮映性が50%以上、75%未満
×:鮮映性が50%未満
(3)塗膜密着性:
塗装後の平板(60mm×160mm×厚み2mm、(L/t=85))に対し、マルチクロスカッターでゲート側、非ゲート側に碁盤目クロスカット(1×1mmのマス目100個)を施した後、セロハンテープ剥離試験を行った。評価はゲート側及び非ゲート側での(剥離しないマス目の数)/(碁盤目の数)の平均を求めて以下のように判定した。
◎:剥離なし
○:剥離少 1〜5か所
×:剥離あり 6カ所以上
(4)冷熱サイクル評価
塗装後の平板を(60mm×160mm×厚み2mm、(L/t=85))i)20℃水中浸漬(18時間)、ii)−20℃低温放置(3時間)、iii)50℃高温放置(3時間)を1サイクルとして30サイクルを実施(JIS K 6909に準拠)、実施後の塗膜の状態を以下のように判定した。
○:異常なし
△:割れらしきものが僅かに認められる
×:割れ
(5)塗装前成形体の耐擦過性
塗装していない平板(60mm×160mm×厚み2mm、(L/t=85))を水平に固定し、2枚組のティッシュペーパーを3回おりたたんだもの(計8枚)で覆った錘(接触面の大きさ:2.1cm×2.0cm、荷重:200g/cm)を表面上でストロークさせた。ストロークの幅は50mm、ストロークのスピードは1ストローク当たり1秒とした。錘をストロークさせる前及び20回ストローク後の塗膜表面の20°光沢を光沢計(スガ試験機(株)製)を用いて測定し、式:光沢保持率(%)=(ストローク後の光沢値/ストローク前の光沢値)×100に基づいて、20回ストローク後の光沢保持率(%)を求め、以下のように判定した。なお、光沢保持率が大きいものほど耐擦過性に優れている。
○:光沢保持率が80%以上
×:光沢保持率が80%未満
(6)メタリック顔料の配向
メタリック塗装を施した平板(60mm×160mm×厚み2mm、(L/t=85))において、樹脂注入口から成形体形状に沿って最も遠い箇所に向かって、20mmの位置で視野が100μm×100μmの範囲を配向観察位置とした。当該箇所の塗膜断面をTEMにて観察し、塗装表面から樹脂表面における塗膜断面に存在するメタリック顔料のうち無作為に選んだ200個に対して、メタリック顔料の長径方向が成形体表面の接線に対して形成する角度が ±5℃以内となっている該メタリック顔料の個数の割合(%)を求め、以下のように判定した。
◎:95%以上
○:90%以上、95%未満
×:90%未満
(実施例8)
樹脂温度を200℃として成形する以外は、実施例2と同様にしてサンプルを作製、評価した。以上の結果を総合評価として同じく表1に記載した。
(実施例9)
成形体形状が「60mm×160mm×厚み1.5mm、(L/t=114)」となる成形体を作製し、塗装鮮映性、塗膜密着性、冷熱サイクル評価、耐擦過性試験及びメタリック顔料の配向評価に用いた以外は、実施例2と同様にして、サンプル作製、評価を行った。
(実施例10)
成形体形状が「60mm×160mm×厚み3mm、(L/t=57)」となる成形体を作製し、塗装鮮映性、塗膜密着性、冷熱サイクル評価、耐擦過性試験及びメタリック顔料の配向評価に用いた以外は、実施例2と同様にして、サンプル作製、評価を行った。
(比較例1〜5)
ゴム質共重合体(A)及び共重合体(B)を表1に記載した割合で配合する以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製、評価した。以上の結果を総合評価として同じく表1に記載した。
表1に示すように、本発明に規定する条件を満たさない場合には、本発明の効果を得ることはできないが、本発明に規定する条件を満たす場合には、耐衝撃性と塗装前の耐擦過性のバランスかつ、塗装後の塗装鮮映性と塗膜密着性のバランスに優れた塗装成形体を得ることができる。
本発明に係る塗装成形体は、自動車部品、家電電器部品、住宅建材部品等、さまざまな用途に使用することができる。

Claims (4)

  1. ゴム成分に、シアン化ビニル単量体、及びその他単量体を共重合させたゴム質共重合体(A)と、シアン化ビニル単量体、及びその他単量体を共重合した共重合体(B)とを含む熱可塑性樹脂(C)からなる成形体において、
    1)該共重合体(B)が、共重合体(B1)、及び共重合体(B2)を含み、高速液相クロマトグラフィー(HPLC)におけるシアン化ビニル成分含有率で、少なくとも2つのピークが存在し、
    2)高速液相クロマトグラフィー(HPLC)で測定したシアン化ビニル成分含有率の2つ以上のピークトップのうち、少なくとも1つのピークトップが共重合体(B1)由来であり、シアン化ビニル成分含有率において15〜30%の範囲に観測され、それ以外のピークトップの内少なくとも1つのピークトップが共重合体(B2)由来であり、シアン化ビニル成分含有率において33〜50%に観察され、
    3)該成形体を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察したモルフォロジーで、2つの共重合体(B1)、(B2)由来の相が確認でき、いずれの共重合体(B)の相中にも体積平均粒子径50〜1000nmのゴム成分を含むゴム質共重合体が存在し、
    4)共重合体(B)が、共重合体(B1)及び共重合体(B2)を含み、共重合体(B1)のシアン化ビニル単量体由来成分の含有率が15〜30質量%、共重合体(B2)のシアン化ビニル単量体由来成分の含有率が33〜50質量%であり、共重合体(B1)、共重合体(B2)それぞれの還元粘度と体積の関係が、(ηB1/VB1)/(ηB2/VB2)>0.45となり、(ただし、共重合体(B1)の粘度をηB1、共重合体(B2)の粘度をηB2とする。体積は、共重合体(B1)の体積分率をVB1、共重合体(B2)の体積分率をVB2とし、VB1+VB2=1とする。)、かつ
    5)成形体に塗装が施された、
    上記成形体。
  2. 平均厚み(t)と流動距離(L)において、L/t=70〜100の関係が成立する、請求項1に記載の成形体。
  3. メタリック顔料が配合された塗料が1〜50μmの厚みで塗装され、樹脂注入口から20mmの位置にある該メタリック顔料の個数の90%以上が、該メタリック顔料の長径方向が成形体表面の接線に対して平行であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の成形体。
  4. 成形体が、樹脂温度220〜280℃の範囲で射出成形される請求項1〜3のいずれか一項に記載の成形体。
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