JP6282459B2 - 熱可塑性樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及びその成形体 Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物及びその成形体に関する。
従来から、家電製品、事務機器製品、自動車の内外装、化粧品容器等の樹脂製品には、成形性、外観、物性バランスからABS樹脂を使用することが多く、これらの樹脂組成物には意匠性を出すために、様々な着色が施されている。このような着色においては、高級感を付与したり、他の意匠との差別化を図ったりすることを目的として、メタリック調等の加飾を行うことがある。
メタリック調等の加飾を施す材料としては、金属光沢粒子を熱可塑性樹脂に添加した材料が知られている。中でもアルミフレークを各樹脂に配合した樹脂組成物は、塗装工程が不要になることでの有機溶剤による健康被害の問題解消や、塗膜除去が不要になることでのリサイクル性向上等の点から非常に有効である。
例えば、特許文献1には、特定のメタリック顔料を配合した合成樹脂組成物が開示されており、特許文献2には、特定のアルミフレークとパール顔料を配合した樹脂組成物が提案されている。
特開昭62−020574号公報 特開2011−218662号公報
しかしながら、従来から使用されているメタリック着色顔料には、湿潤処理のためにミネラルスピリットやソルベントナフサ等の有機溶剤を使用することが多かったが、樹脂と併用した際には樹脂中における分散効果が低く、外観不良を生じるといった問題がある。かかる問題は、特に平均粒子径の15μm以下のアルミフレークを使用する場合に顕著となる。この点について本発明者らが詳細に検討した結果、かかる場合の外観不良は、アルミフレーク等による凝集物発生に起因するところが大きいと考えた。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、成形体とした際に凝集物のない優れた美観を有する熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記視点を踏まえ鋭意研究を重ねた結果、ABS樹脂に、特定範囲の平均粒子径をもつアルミフレークと、ポリアルキレングリコールを、特定の割合で含有させることに知見を得て、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
ABS樹脂(A)と、
平均粒子径5μm以上、15μm以下のアルミフレーク(B)と、
ポリアルキレングリコール(C)と、を含有し、
前記(A)成分100質量部に対する前記(B)成分の含有量が、0.1質量部以上、10質量部以下であり、
前記(B)成分100質量部に対する前記(C)成分の含有量が、5質量部以上、50質量部以下であり、
JIS K7210に準拠し、220℃、98Nの条件下で測定したメルトフローレートが20g/10分以上である、熱可塑性樹脂組成物。
〔2〕
前記ポリアルキレングリコール(C)が、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールのエステル化誘導体、ポリプロピレングリコール、及びポリプロピレングリコールのエステル化誘導体からなる群より選択される少なくとも1種である、〔1〕に記載の熱可塑性樹脂組成物。
〔3〕
前記熱可塑性樹脂組成物中における前記(A)成分の含有量が、50質量%以上である、〔1〕又は〔2〕に記載の熱可塑性樹脂組成物。
〔4〕
〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる、成形体。
本発明によれば、成形体とした際に凝集物のない優れた美観を有する熱可塑性樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、ABS樹脂(A)と、平均粒子径5μm以上、15μm以下のアルミフレーク(B)と、ポリアルキレングリコール(C)と、を含有し、(A)成分100質量部に対する(B)成分の含有量が、0.1質量部以上、10質量部以下であり、(B)成分100質量部に対する(C)成分の含有量が、5質量部以上、50質量部以下であり、JIS K7210に準拠し、220℃、98Nの条件下で測定したメルトフローレートが20g/10分以上である、熱可塑性樹脂組成物である。本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、少なくとも成形した際に凝集物等による外観不良がない。さらには、(B)成分を含有することによって、いわゆるメタリック調の光沢を発現させることも期待できる。またさらに、(C)成分を含有することで、(B)成分の分散性を高めることもでき、かかる観点からも成形した際の外観を優れたものにできる(但し、本実施形態の作用はこれらに限定されない。)。本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、いわゆるABS樹脂を主成分として含有するABS系熱可塑性樹脂組成物でありながら、上記したような優れた外観とすることもできる。
<(A)ABS樹脂>
ABS樹脂は、ゴム質重合体に芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル系単量体と必要によりその他の共重合可能な単量体をグラフトさせたグラフト重合体と、芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体と必要によりその他の共重合可能な単量体を重合させた重合体と、からなる樹脂である。
ゴム質重合体は、ジエン系ゴム、アクリル系ゴム、エチレン系ゴム等のいずれも使用できる。ゴム質重合体としては、例えば、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエンのブロック共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸ブチル−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ブタジエン−メタクリル酸メチル共重合体、アクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル共重合体、ブタジエン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン系共重合体、エチレン−イソプレン共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。これらの中でも、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物において十分な耐衝撃性を得る点から、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエンのブロック共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
芳香族ビニル系単量体は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等が挙げられる。これらの中でも、実用物性、生産性の点から、スチレン及びα−メチルスチレンが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シアン化ビニル系単量体は、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル等が挙げられる。これらの中でも、実用物性、生産性の点から、アクリロニトリルが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
グラフト重合体にて用いられるその他の共重合可能な単量体及び上記した重合体にて用いられるその他の共重合可能な単量体は、例えば、アクリル系単量体、N−フェニルマレイミド、無水マレイン酸等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アクリル系単量体は、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル等が挙げられる。これらの中でも、実用物性、生産性の点から(メタ)アクリル酸メチル及びアクリル酸n−ブチルが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、本明細書では、特に断りがない限り、「(メタ)アクリル」等は、メタアクリルとアクリルの両方を包含する。
ABS樹脂には、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリメチルメタクリレート、MS樹脂、MBS樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル等の樹脂を混合してもよく、特にポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートが実用物性、生産性の点から好ましい。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物における(A)成分の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましく、95質量%以上であることがより更に好ましい。本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、いわゆるABS樹脂がリッチである態様であっても、優れた外観とすることができる。
<(B)アルミフレーク>
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、平均粒子径5μm以上、15μm以下のアルミフレーク(B)を含有する。アルミフレーク(B)とは、アルミニウムを主成分とした材質からなる薄片のことをいう。

アルミフレークの平均粒子径は、例えば、光学顕微鏡、レーザー顕微鏡やSEM(走査型電子顕微鏡)等の電子顕微鏡により長径を測定し、それを個々のアルミフレークの粒子径とし、n=50以上の任意の部分の測定結果から、すなわち測定サンプル数を50以上として平均値を算出することにより求められる。
またアルミフレーク(B)は、耐衝撃性、輝度感の点から、平均厚みを0.05〜0.4μmとすることが好ましく、0.08〜0.35μmとすることがより好ましい。
アルミフレークの平均厚さは、例えば、光学顕微鏡やSEM(走査型電子顕微鏡)等の電子顕微鏡により断面を観察し、n=50以上の任意の部分の厚みの測定結果から、すなわち測定サンプル数を50以上として平均値を算出することにより求められる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物において、アルミフレーク(B)の含有量は、成形体の輝度の点から、ABS樹脂(A)100質量部に対して0.1〜20質量部であり、好ましくは0.5〜10質量部であり、より好ましくは1〜5質量部である。
<(C)ポリアルキレングリコール>
ポリアルキレングリコールは、例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールのエステル化誘導体、ポリプロピレングリコール、及びポリプロピレングリコールのエステル化誘導体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。(C)成分としてこれらを用いることで、アルミフレーク(B)の凝集等を低減することができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物において、(C)ポリアルキレングリコールの含有量は、加工性の点から、アルミフレーク(B)100質量部に対して5〜50質量部であり、好ましくは5〜30質量部であり、より好ましくは5〜20質量部である。
熱可塑性樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)は、JIS K7210に準拠し、220℃、98N加重の条件下で測定した値として20g/10分以上である。MFRがこの範囲になければ、成形時においてフローマーク等の外観不良が発生してしまう。さらに、成形体の強度の点から、MFRの上限は、100g/10分以下であることが好ましく、80g/10分以下であることがより好ましい。そして、MFRの下限は、20g/10分以上であることが好ましく、25g/10分以上であることがより好ましい。
例えば、ABS樹脂やABS樹脂と混合可能な樹脂の分子量を下げる、或いはゴム質重合体の配合比率を下げること等でMFRは大きくなり、また分子量を上げる、或いはゴム質重合体の配合比率を上げること等でMFRは小さくなる傾向となる。さらにはポリアルキレングリコールや、剛性、耐衝撃性、耐熱性を損なわない範囲で使用できる添加剤の可塑効果をもって、その組合せを選定、調整することでもMFRを制御することができる。一般的には、可塑効果のある添加剤の配合量を増やすとMFRは大きくなり、また配合量を減らすと小さくなる傾向となる。
(添加剤)
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物には、剛性、耐衝撃性、耐熱性等を損なわない範囲で、必要に応じて他の添加剤を使用してもよい。その他の添加剤としては、例えば、ホスファイト系、ヒンダードフェノール系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系の紫外線吸収剤及び酸化防止剤;亜リン酸塩、次亜リン酸塩等の着色防止剤;核剤;アミン系、スルホン酸系、ポリエーテル系等の帯電防止剤;顔料等の着色剤が挙げられる。
〔熱可塑性樹脂組成物の製造方法〕
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、樹脂原料、アルミペースト及びその他添加剤を予め混合、混練したものを、例えばオープンロール、インテシブミキサー、インターナルミキサー、コニーダー、二軸ローター付の連続混練機、押出機等の一般的な混和機を用いて、上述した構成成分を溶融混練することにより、製造できる。なお、アルミペーストにはミネラルスピリットやポリアルキレングリコール等で湿潤させたものや、ミネラルスピリットで湿潤させたものからミネラルスピリットを除去し、ポリアルキレングリコール等を規定量配合してアルミペーストとしたもの等を用いることができる。本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、上述した(A)〜(C)成分等の他に、上記した製造方法等で使用されたミネラルスピリット等の成分が残存していたとしても十分な効果が得られる。
以下、実施例と比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
実施例及び比較例に用いた原材料
<熱可塑性樹脂>
(A−1)ブタジエン系ゴム50質量%、ゴム質重合体の体積平均粒子径0.3μm、アクリロニトリル12質量%、スチレン38質量%、グラフト率45%、還元粘度0.38m/kgのABS樹脂
(A−2)アクリロニトリル27質量%、スチレン63質量%、ブチルアクリレート10質量%からなり、ポリスチレン換算で重量平均分子量が110,000であるアクリロニトリル・ブチルアクリレート・スチレン共重合体
(A−3)アクリロニトリル30質量%、スチレン70質量%からなり、ポリスチレン換算で重量平均分子量が137,000であるAS樹脂
なお、AS樹脂の重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(東ソー社製、商品名「HLC8220GPC」)、カラム(東ソー社製、商品名「TSK−GEL」、G6000HXL−G5000HXL−G5000HXL−G4000HXL−G3000HXLを直列に連結したもの)を用いて測定を行った。樹脂試料20mg±0.5mgをテトラヒドロフラン10mLに溶解した後、その溶液を0.45μmのフィルターで濾過した。濾過後の溶液を40℃のカラムに100μL注入し、検出器RI温度を40℃に設定して測定し、市販の標準ポリスチレン換算で重量平均分子量を求めた。
グラフト率は、ゴム質重合体(ブタジエン系ゴム等)にグラフト共重合した成分の、ゴム質重合体に対する重量割合として定義した。重合反応により生成した重合体をアセトンに溶解し、遠心分離器によりアセトン可溶分と不溶分とに分離した。この時、アセトン可溶分は、重合反応した共重合体のうちグラフト反応しなかった成分(非グラフト成分)であり、アセトン不溶分は、ゴム質重合体、及びゴム質重合体にグラフト反応した成分(グラフト成分)である。アセトン不溶分の重量からゴム質重合体の重量を差し引いた値がグラフト成分の重量として定義されるので、これらの値からグラフト率を求めた。
熱可塑性樹脂をアセトンに溶解し、これを遠心分離機によりアセトン可溶分、及びアセトン不溶分に分離した。熱可塑性樹脂におけるゴム質重合体にグラフトしていない成分(非グラフト成分)の還元粘度は、アセトン可溶分0.25gを2−ブタノン50mLにて溶解した溶液について、30℃にてCannon−Fenske型毛細管中の流出時間を測定することにより求めた。
ゴム質重合体の体積平均粒子径は以下のようにして求めた。
体積平均粒子径はABS樹脂(A−1)をエポキシ樹脂に包埋させ、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウム等の染色剤にて染色処理して、超薄切片を作製し、透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行い、超薄切片の任意の範囲10μm×10μmを撮影、染色部が上記ゴム質重合体部分として観察され、染色部の体積平均粒子径を測定し、上記ゴム質重合体の体積平均粒子径とした。
<アルミペーストの作製>
原料のアルミペーストとして、以下のものを使用した。
・旭化成アルミペーストFD−4070:
平均粒子径7μm、平均厚み0.12μmのアルミフレーク(B−1)100質量部に対して、ミネラルスピリット(C−2)40質量部を含有する、アルミペースト
・旭化成アルミペースト0−2100:
平均粒子径10μm、平均厚み0.20μmのアルミフレーク(B−2)100質量部に対して、ミネラルスピリット(C−2)35質量部を含有する、アルミペースト
アルミフレークの平均粒子径は、セイシン企業社製、レーザーミクロンサイザー「LMS−24」を用いて測定した。アルミフレークの平均厚みは、金属成分1g当たりの水面拡散面積WCA(m/g)を測定し、下式により算出した。

平均厚み(μm)=0.4/[WCA(m/g)]

水面拡散面積WCAの測定は、前処理として、アルミフレーク粉末約1gに、5%ステアリン酸のミネラルスピリット溶液を1〜2mL加え、予備分散後、石油ベンジン50mL加え混合し、40〜45℃で2時間加温後、フィルターで吸引濾過し、パウダー化した。前処理以外はJIS K5906に準じた方法で行った。
また、ポリエチレングリコールとして、ADEKA社製 商品名「アデカPEG400」を用いた。
アルミペースト1:
旭化成ケミカルズ社製、旭化成アルミペーストFD−4070をアルミフレーク換算量で100gとなるよう秤量し、それとポリエチレングリコール11gをミキサーに入れ、攪拌しながら温度80℃、気圧1kPaに8時間保持してミネラルスピリットを揮発させてアルミペースト1を得た。
得られたアルミペースト1は、平均粒子径7μm、平均厚み0.12μmであるアルミフレーク(B−1)100質量部に対し、(C−1)ポリエチレングリコール10質量部、(C−2)ミネラルスピリット1質量部の割合で含有するものであった。
アルミペースト2:
原料として使用するアルミペーストを旭化成アルミペーストFD−4070から旭化成アルミペースト0−2100に変更した以外は、アルミペースト1と同様の方法にてアルミペースト2を作製した。
得られたアルミペースト2は、平均粒子径10μm、平均厚み0.20μmであるアルミフレーク(B−2)100質量部に対し、(C−1)ポリエチレングリコール10質量部、(C−2)ミネラルスピリット1質量部の割合で含有するものであった。
アルミペースト3:
旭化成ケミカルズ社製、旭化成アルミペーストFD−4070をそのまま用いた。
アルミペースト4:
旭化成ケミカルズ社製、旭化成アルミペースト0−2100をそのまま用いた。
〔実施例1〜3、比較例1〜3〕
上記熱可塑性樹脂やアルミペーストを、下記表1に示す組成で混合し、田辺プラスチック機械社製「VS30単軸押出機」を用いて250℃で溶融混練して、ペレットを得た。得られたペレットを、ISO 1133に基づき荷重98N、温度220℃の条件にてMFRを測定した。また前記ペレットを、東芝機械社製「IS55EPN射出成形機」を用い、シリンダー設定温度250℃にて射出成形して、長さ90mm、幅45mm、厚み2.5mmの試験片を作製し、下記評価を実施した。
〔外観評価〕
上記試験片の長さ90mm×幅45mmの両面について、直径0.3mm以上の凝集物の個数を測定し評価した。
5点: 0個
4点: 1個〜2個
3点: 3個〜4個
2点: 5個
1点: 6個以上
各実施例及び各比較例の組成及び測定結果を表1に示した。
表1からも明らかなように、いずれの実施例も少なくとも外観に優れることが確認できた。
本発明の熱可塑性樹脂組成物はメタリック調の美観に優れており、各種成形体や多様な製品とすることが可能であり、産業上の利用可能性を有している。

Claims (4)

  1. ABS樹脂(A)と、
    平均粒子径5μm以上、15μm以下のアルミフレーク(B)と、
    ポリアルキレングリコール(C)と、を含有し、
    前記(A)成分は、ゴム質重合体に芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル系単量体と必要によりその他の共重合可能な単量体をグラフトさせたグラフト重合体と、芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体とブチルアクリレートと必要によりその他の共重合可能な単量体を重合させた重合体とからなる樹脂であり、
    前記(A)成分100質量部に対する前記(B)成分の含有量が、0.1質量部以上、10質量部以下であり、
    前記(B)成分100質量部に対する前記(C)成分の含有量が、5質量部以上、50質量部以下であり、
    JIS K7210に準拠し、220℃、98Nの条件下で測定したメルトフローレートが20g/10分以上である、熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記ポリアルキレングリコール(C)が、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールのエステル化誘導体、ポリプロピレングリコール、及びポリプロピレングリコールのエステル化誘導体からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記熱可塑性樹脂組成物中における前記(A)成分の含有量が、50質量%以上である、請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる、成形体。
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