JP6261957B2 - 熱可塑性樹脂組成物からなる漆黒部品及び自動車内装部品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物からなる漆黒部品及び自動車内装部品 Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物からなる漆黒部品及び自動車内装部品に関する。
自動車の内装用途において高級感のある漆黒調製品のニーズは大きい。現在は樹脂成形品で高い漆黒性を得るために塗装処理が行われているが、近年になって工程数削減によるコストダウン及び環境負荷低減などの観点から塗装工程削減の要求が高まっている。
自動車内装部品等の用途に向けては、例えば特許文献1のようなN−置換マレイミド化合物単位含有メタクリル系重合体と、ゴム強化スチレン系樹脂とからなる熱可塑性樹脂組成物が提案されている。
特開平11−60882号公報
しかしながら、自動車内装漆黒部品には夜間等に計器やボタンなどの視認性を高める目的で内部に電球やLEDなどの光源が組み込まれているものが多く、漆黒塗装をなくして、無塗装若しくはクリア塗装のみとしてしまうと内部光源の光がハウジング成形品を透過するため、本来光が漏れてはいけない場所から内部光源が見えてしまう問題が発生する。このような課題は自動車内装漆黒部品の無塗装化において初めて明らかになったものであり、従来の知見では無塗装で且つ自動車内装部品に要求される衝撃性、耐熱性、高い表面硬度、高い漆黒性と内部光源の隠蔽の全てを満足する部品を提供することはできない。
特許文献1に記載の熱可塑性樹脂組成物は、耐熱性、耐衝撃性及び成形加工性のバランスを特徴としているが、成形品の鉛筆硬度はHBであり自動車内装部品の無塗装化用材料として表面硬度が十分ではない。また明細書には必要に応じて染料を添加可能な旨の記載があるが、この構成では高い漆黒性と内部光源隠蔽の両方を達成することができない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、無塗装もしくはクリアコートのみでも漆黒調の高い外観を有し且つ製品内部からの光漏れがなく、耐熱性、耐衝撃性が良好で表面硬度が高い成形体を与えることができる熱可塑性樹脂組成物からなる漆黒部品及び自動車内装部品を提供することを目的とする。
本発明者は前記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定組成の熱可塑性樹脂組成物に特定の配合比率で着色剤を添加することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
ゴム質重合体単位と、該ゴム質重合体単位にグラフトされた芳香族ビニル単量体単位及び不飽和ニトリル単量体単位と、を有するグラフト共重合体(A)と、
芳香族ビニル単量体単位と、不飽和ニトリル単量体単位と、を有する共重合体(B)と、
メタクリル酸エステル単位及び/又はアクリル酸エステル単位と、下記式(1):
(式中、Xは、O又はN−Rであり、Rは、1価の有機基である。)
で表される化合物単位と、を有するアクリル樹脂(C)と、
カーボンブラック(D)と、
染料(E)と、を含み、
かつ
アセトン不溶分とアセトン可溶分とからなり、
前記アセトン不溶分の含有量が、5〜25質量%であり、
前記アセトン可溶分中の前記メタクリル酸エステル単位及び/又は前記アクリル酸エステル単位の含有量が、35〜70質量%であり、
前記アセトン可溶分中の前記式(1)で表される化合物単位の含有量が、2.5〜22.5質量%であり、
前記カーボンブラック(D)の含有量が、0.01〜0.2質量%であり、
前記熱可塑性樹脂組成物中の前記染料(E)の含有量が、0.1〜1.0質量%である、
熱可塑性樹脂組成物からなる、漆黒部品。
〔2〕
明度L*値が9以下である、前項〔1〕に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる、漆黒部品。
〔3〕
前項〔1〕又は〔2〕に記載の漆黒部品からなる、自動車内装部品。
本発明により、無塗装もしくはクリアコートのみでも漆黒調の高い外観を有し且つ製品内部からの光漏れがなく、耐熱性、耐衝撃性が良好で表面硬度が高い成形体を与えることができる熱可塑性樹脂組成物及び自動車内装部品を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。なお、「単量体」とは、樹脂を構成する前の重合性分子をいい、「単量体単位」又は「単位」とは、所定の単量体に対応する、樹脂を構成する単位をいう。
〔熱可塑性樹脂組成物〕
本実施形態に係る熱可塑性樹脂組成物は、
ゴム質重合体単位と、該ゴム質重合体単位にグラフトされた芳香族ビニル単量体単位及び不飽和ニトリル単量体単位と、を有するグラフト共重合体(A)と、
芳香族ビニル単量体単位と、不飽和ニトリル単量体単位と、を有する共重合体(B)と、
メタクリル酸エステル単位及び/又はアクリル酸エステル単位と、下記式(1):
(式中、Xは、O又はN−Rであり、Rは、1価の有機基である。)
で表される化合物単位と、を有するアクリル樹脂(C)と、
カーボンブラック(D)と、
染料(E)と、を含み、
かつ
アセトン不溶分とアセトン可溶分とからなり、
前記アセトン不溶分の含有量が、5〜25質量%であり、
前記アセトン可溶分中の前記メタクリル酸エステル単位及び/又は前記アクリル酸エステル単位の含有量が、35〜85質量%であり、
前記アセトン可溶分中の前記式(1)で表される化合物単位の含有量が、2.5〜22.5質量%である。
〔グラフト共重合体(A)〕
グラフト共重合体(A)は、ゴム質重合体単位と、該ゴム質重合体単位にグラフトされた芳香族ビニル単量体単位及び不飽和ニトリル単量体単位と、を有する。
ゴム質重合体単位としては、例えば、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、ポリイソプレン、及びスチレン−イソプレン共重合体等からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる(共役)ジエン系ゴム単位;これらの水素添加物からなる重合体単位;アクリル酸エチル、及びアクリル酸ブチル等からなる群より選ばれる少なくとも1種からなるアクリル系ゴム単位;エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合体単位;エチレン−α−オレフィン共重合体単位;シリコーンゴム単位;シリコーン−アクリルゴム単位等が挙げられる。このなかでも、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる(共役)ジエン系ゴム単位;アクリル系ゴム単位である。このようなゴム質重合体単位を用いることにより、耐衝撃性がより向上する傾向にある。ゴム質重合体単位は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
芳香族ビニル単量体単位としては、例えば、スチレン単位、α−メチルスチレン単位、o−メチルスチレン単位、p−メチルスチレン単位、エチルスチレン単位、p−t−ブチルスチレン単位、及びビニルナフタレン単位が挙げられる。このなかでも、汎用性の観点からスチレン単位が好ましい。芳香族ビニル単量体単位は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
不飽和ニトリル単量体単位としては、例えば、アクリロニトリル単位、メタクリロニトリル単位等が挙げられる。このなかでも、アクリロニトリル単位が好ましい。不飽和ニトリル単量体単位は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
共重合可能な他の単量体単位としては、例えば、不飽和カルボン酸アルキルエステル単位;無水マレイン酸単位、N−フェニルマレイミド単位、N−メチルマレイミド単位等のN−置換マレイミド系単量体単位;グリシジルメタクリレート単位等のグリシジル基含有単量体単位等が挙げられる。共重合可能な他の単量体単位は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
〔共重合体(B)〕
共重合体(B)は、芳香族ビニル単量体単位と、不飽和ニトリル単量体単位と、を有する。芳香族ビニル単量体単位、不飽和ニトリル単量体単位、及び共重合可能な他の単量体単位としては、例えば、グラフト共重合体(A)と同様のものを用いることができる。
共重合体(B)における芳香族ビニル単量体単位の含有量は、共重合体(B)100質量%に対して、好ましくは90〜70質量%であり、より好ましくは87〜72質量%であり、さらに好ましくは82〜74質量%である。芳香族ビニル単量体単位の含有量が上記範囲内であることにより、漆黒着色性により優れる傾向にある。
共重合体(B)における不飽和ニトリル単量体単位の含有量は、共重合体(B)100質量%に対して、好ましくは10〜30質量%であり、より好ましくは13〜28質量%であり、さらに好ましくは18〜26質量%である。不飽和ニトリル単量体単位の含有量が上記範囲内であることにより、漆黒着色性により優れる傾向にある。
共重合体(B)の含有量は、熱可塑性樹脂組成物の総量に対して、好ましくは0〜60質量%であり、より好ましくは5〜55質量%であり、さらに好ましくは10〜50質量%である。共重合体(B)の含有量が上記範囲内であることにより、漆黒調色性により優れる傾向にある。
〔アクリル樹脂(C)〕
アクリル樹脂(C)は、メタクリル酸エステル単位及び/又はアクリル酸エステル単位と、下記式(1):
(式中、Xは、O又はN−Rであり、Rは、1価の有機基である。)
で表される化合物単位と、を有する。
メタクリル酸エステル単位としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸t−ブチルシクロヘキシル等が挙げられる。このなかでもメタクリル酸メチルが好ましい。
アクリル酸エステル単位としては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
アクリル樹脂(C)は、芳香族ビニル化合物単量体単位をさらに含んでもよい。芳香族ビニル化合物単量体単位としては、例えば、スチレン単位、α−メチルスチレン単位、o−メチルスチレン単位、p−メチルスチレン単位、エチルスチレン単位、及びp−t−ブチルスチレン単位が挙げられる。このなかでもスチレン単位が好ましい。
式(1)で表される化合物単位のうち、XがOであるものとしては、例えば、無水マレイン酸などの無水物である不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位が挙げられる。また、式(1)で表される化合物単位のうち、XがN−Rであるものとしては、例えば、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド単量体単位が挙げられる。成形時のマテリアルガス不良低減の観点からN−フェニルマレイミドが特に好ましい。
Rは、1価の有機基である。1価の有機基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基などが挙げられる。
グラフト共重合体(A)、共重合体(B)及びアクリル樹脂(C)を製造する方法としては、例えば、乳化重合、塊状重合、懸濁重合、懸濁塊状重合、溶液重合等の公知の方法が挙げられる。
アクリル樹脂(C)の含有量は、熱可塑性樹脂組成物の総量に対して、好ましくは45〜90質量%であり、より好ましくは45〜80質量%であり、さらに好ましくは45〜75質量%である。アクリル樹脂(C)の含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性、漆黒性、表面硬度のバランスにより優れる傾向にある。
〔カーボンブラック(D)〕
カーボンブラック(D)としては、公知のものを使用可能であり例えば、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等が挙げられる。カーボンブラック(D)は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラック(D)の一次粒子径は、好ましくは10〜80nmであり、より好ましくは10〜30nmであり、さらに好ましくは10〜20nmである。カーボンブラック(D)の一次粒子径は、実施例に記載の方法により測定することができる。
カーボンブラック(D)の含有量は、熱可塑性樹脂組成物の総量に対して、好ましくは0.01〜0.2質量%であり、より好ましくは0.01〜0.15質量%であり、さらに好ましくは0.01〜0.1質量%である。カーボンブラック(D)の含有量が0.01質量%以上であることにより、製品内部に設置されたライトの遮光性がより向上する傾向にある。また、カーボンブラック(D)の含有量が0.2質量%以下であることにより、漆黒性がより向上する傾向にある。
〔染料(E)〕
上述のように、カーボンブラック(D)の含有量は多いほど遮光性が向上し、少ないほど漆黒性が向上する傾向にあるため、漆黒性と遮光性をともにさらに向上させるために、熱可塑性樹脂組成物は、染料(E)をさらに含む。
従来の自動車内装漆黒部品において、漆黒塗装をなくして、無塗装若しくはクリア塗装のみとすると内部光源の光がハウジング成形品を透過するため、本来光が漏れてはいけない場所から内部光源が見えてしまうという特有の問題が発生する。この問題を解決するには、漆黒性と遮光性をともにさらに向上させることが必要となるが、これに対し、本実施形態に係る熱可塑性樹脂組成物は、染料(E)とカーボンブラック(D)とを所定量含むことにより、漆黒性と遮光性をともにさらに向上させることができる。
染料(E)としては、例えば、ニトロソ染料、ニトロ染料、アゾ染料、スチルベンアゾ染料、ケトイミン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、キノリン染料、メチン/ポリメチン染料、チアゾール染料、インダミン/インドフェノール染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、硫化染料、アミノケトン/オキシケトン染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、フタロシアニン染料等が挙げられる。染料(E)は、1種単体で用いても、2種以上併用してもよい。特に、染料(E)として三原色系の染料を混合することにより黒色を得ることができる。
染料(E)の含有量は、熱可塑性樹脂組成物の総量に対して、好ましくは0.1〜1.0質量%であり、より好ましくは0.15〜1.0質量%であり、さらに好ましくは0.2〜1.0質量%である。染料(E)の含有量が0.1質量%以上であることにより、漆黒性がより向上する傾向にある。また、染料(E)の含有量が1.0質量%以下であることにより、自動車内装部品成形時のブリードアウトやモールドデポジットがより抑制され、外観性がより効用ずる傾向にある。
グラフト共重合体(A)、共重合体(B)、アクリル樹脂(C)、カーボンブラック(D)、及び染料(E)の混合方法としては、例えば、ミキシングロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダー等のバッチ式混練機、単軸押出機、二軸押出機等の連続式混練機を使用する方法が挙げられる。
〔その他の添加剤〕
本実施形態に係る熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、滑剤(例えば、高級脂肪酸、及びその金属塩、高級脂肪酸アミド類等)、熱安定化剤、酸化防止剤(例えば、フェノール系化合物、フォスファイト系化合物、チオジブロプロピオン酸エステル型のチオエーテル等)、耐候剤(例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、サリシレート系化合物、シアノアクリレート系化合物、蓚酸誘導体、ヒンダードアミン系化合物等)、難燃助剤(例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等)、帯電防止剤(例えば、ポリアミドエラストマー、四級アンモニウム塩系化合物、ピリジン誘導体、脂肪族スルホン酸塩、芳香族スルホン酸塩、芳香族スルホン酸塩共重合体、硫酸エステル塩、多価アルコール部分エステル、アルキルジエタノールアミン、アルキルジエタノールアミド、ポリアルキレングリコール誘導体、ベタイン系、イミダゾリン誘導体等)、抗菌剤、抗カビ剤、摺動性改良剤(例えば、低分子量ポリエチレン等の炭化水素系化合物、高級アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロール、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、脂肪酸と脂肪族アルコールとのエステル、脂肪酸と多価アルコールとのフル、あるいは部分エステル、脂肪酸とポリグリコールとのフル、あるいは部分エステル、シリコーン系、フッ素樹脂系等)等が挙げられる。添加剤は、目的に合わせて任意の割合で配合することができる。
〔アセトン可溶分及びアセトン不溶分〕
本実施形態に係る熱可塑性樹脂組成物は、アセトン可溶分とアセトン不溶分とからなる。アセトン不溶分の含有量は、熱可塑性樹脂組成物の総量に対して、5〜25質量%であり、好ましくは7〜20質量%である。アセトン不溶分の含有量が5質量%以上であることにより、耐衝撃性がより向上し、自動車内装部品により好適に用いることができる。また、アセトン不溶分の含有量が25質量%以下であることにより、材料硬度、ガラス転移温度がより向上し、自動車内装部品により好適に用いることができる。なお、アセトン不溶分の含有量は実施例に記載の方法により測定することができる。
アセトン可溶分中のメタクリル酸エステル単位及び/又はアクリル酸エステル単位の含有量は、35〜85質量%であり、好ましくは35〜75質量%であり、より好ましくは35〜70質量%である。メタクリル酸エステル単位及び/又はアクリル酸エステル単位の含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性、漆黒性、表面硬度がバランスよりよく向上する。メタクリル酸エステル単位及び/又はアクリル酸エステル単位の含有量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
アセトン可溶分中の式(1)で表される化合物単位の含有量は、2.5〜22.5質量%であり、好ましくは3〜20質量%であり、より好ましくは3.5〜15質量%である。式(1)で表される化合物単位の含有量が上記範囲内であることにより、耐熱性、漆黒性、表面硬度がバランスよりよく向上する。式(1)で表される化合物単位の含有量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
〔明度〕
本実施形態に係る熱可塑性樹脂組成物の一態様としての射出成形体の明度L*値は、好ましくは9以下である。明度が上記範囲内であることにより、漆黒性により優れる傾向にある。明度は実施例に記載の方法により測定することができる。
〔自動車内装部〕
本実施形態に係る自動車内装部品は、上記熱可塑性樹脂組成物からなる。自動車内装漆黒部品には夜間等に計器やボタンなどの視認性を高める目的で内部に電球やLEDなどの光源が組み込まれているものが多く、漆黒塗装をなくして、無塗装若しくはクリア塗装のみとしてしまうと内部光源の光がハウジング成形品を透過するため、本来光が漏れてはいけない場所から内部光源が見えてしまう問題が発生する。このような課題は自動車内装漆黒部品の無塗装化において初めて明らかになったものであり、従来の知見では無塗装で且つ自動車内装部品に要求される衝撃性、耐熱性、高い表面硬度、高い漆黒性と内部光源の隠蔽の全てを満足する部品を提供することはできなかった。これに対し、本実施形態に係る熱可塑性樹脂組成物は、高い漆黒調の外観を有し且つ製品内部からの光漏れがなく、耐熱性、耐衝撃性が良好で表面硬度が高い成形体を与えることができるため、自動車内装部品として好適に用いることができる。
下記の実施例及び比較例は、本発明をさらに具体的に説明するためのものであり、以下の例に限定されるものではない。尚、実施例中の評価、各種測定は以下の方法で行った。
(1)アセトン不溶分の含有量の測定方法
熱可塑性樹脂組成物に含まれるアセトン不溶分の含有量は以下の方法により確認した。乾燥した遠沈管を1サンプルにつき2本準備し、遠沈管をデシケーター中で15分以上放冷後、電子天秤で0.1mgまで精秤した。熱可塑性樹脂組成物から約1gのサンプルを切削し遠沈管に計量し、0.1mgまで精秤した。メスシリンダーでアセトン約20mLを採取し遠沈管に入れ、シリコーン栓をして振とう機で2時間振とうした。振とう後、シリコーン栓に付着しているサンプルは、少量のアセトンを用いて遠沈管内へ落とした。2本の遠沈管を日立高速冷却遠心機のローターへ対角線上にセットし、遠心分離機を操作して、回転数20000rpmで60分間遠心分離した。
遠心分離終了後、沈殿管をローターから取り出し、上澄み液をデカンテーションした。メスシリンダーでアセトン約20mLを採取し遠沈管に入れシリコーン栓をした後、振とう機で1時間振とうした。この操作をもう一度繰り返した後、回転数20000rpmで50分間遠心分離した。
遠心分離終了後、沈殿管をローターから取り出し、上澄み液をデカンテーションした。その後、2回目のデカンテーションと同様の操作をもう一度行った。
遠心分離終了後、メスシリンダーでアセトン約20mLを採取し、遠沈管に入れシリコーン栓をした後、回転数20000rpmで30分間遠心分離した。遠心分離終了後、沈殿管をローターから取り出し上澄み液をデカンテーションした。得られた沈殿物を80℃で30分間乾燥した後、130℃で30分間乾燥した。乾燥後、デシケーター中で30分以上放冷してアセトン不溶分を得た。十分に放冷後、得られたアセトン不溶分を電子天秤で0.1mgまで精秤した。
(2)メタクリル酸エステル単位、アクリル酸エステル単位、及び下記式(1)で表される化合物単位の含有量の測定方法
メタクリル酸エステル単位、アクリル酸エステル単位、及び下記式(1)で表される化合物単位の含有量は、熱可塑性組成物中のアセトン可溶分の熱分解GC/MSのピーク面積より検量線を用いて求めた。検量線は予め既知の含有量のグラフト共重合体(A)、共重合体(B)、及びアクリル樹脂(C)中のアセトン可溶分を測定して作成したものを用いた。
(3)カーボンブラック(D)の一次粒子径の測定方法
カーボンブラック(D)の一次粒子径は、電子顕微鏡(日立ハイテク社製、型番H−600AB)により写真を撮影し、写真中の50個のカーボンブラック(D)の粒径の算術平均値として求めた。
カーボンブラック(D)はラマン分光光度計を用いてグラフト共重合体(A)、共重合体(B)及びアクリル樹脂(C)、カーボンブラック(D)、染料(E)中のアセトン不溶分の分析を行うことにより検出を行い、染料(E)はアセトン可溶分の熱分解GC/MSを用いて一般的に知られる各種染料の検出を行うことが出来る。
(4)明度L*(JIS Z8722に準ずる)
JIS Z8722に準拠して試験片の明度(L*)を測定した。試験片としては、下記(9)で作製したものを用いた。明度(L*)の測定には、多光源分光測色計(スガ試験機社製、製品名MSC−5N−GV5)を用いた。具体的な条件を以下に示す。
測定条件 D65 視野10度(正反射光を除く) 光束φ15mm
標準合わせ:標準白色版、零点合わせ法:遮光
なお、明度L*が低いほど漆黒性が高く、9以下のものを合格とした。試験片は上記形状に限定されず、φ15mm以上の面積を持つ成形品であれば評価可能である。
(5)シャルピー衝撃値
ISO179に準じて所定のサイズのノッチ加工を行った試験片を用いて試験を行なった。試験片としては、下記(9)で作製したものを用いた。シャルピー衝撃値は、試験片5本の平均値を用いた。シャルピー衝撃値が3kJ/m以上のものを合格とした。
(6)ガラス転移温度
熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度は、JIS K7121に準じてDSC装置(SEIKO社製、型番DSC220)を用いて測定した。ガラス転移温度が高い熱可塑性樹脂組成物は、成形体とした時の耐熱変形性に優れる。2ndヒートの値を採用し、113
℃以上のガラス転移温度を有する熱可塑性樹脂組成物を合格とした。
(7)光漏れ評価
下記(9)で作製した試験片の50×90mmの面から10mm離れた場所に電球(1.4W/12V、白色、電球直径5mm)を置き、暗所にて電球を置いた反対面から電球光の透過の有無を目視で判定した。なお、評価には50×90×2.5mmの射出成形品の平板を用いたが、評価用成形品はこの形状だけに限定されず、2.5mm厚みの平板をプレス成形等で作製して使用することも可能である。
(8)鉛筆硬度
表面硬度の指標としてJIS K5400に準じて鉛筆硬度評価を行い、F以上を合格とした。試験片としては、下記(9)で作製したものを用いた。なお、評価用成形品はこの形状に限定されず、10mm以上の幅がある成形品であれば評価に用いることが可能である。
(9)試験片作製方法
実施例及び比較例で作製した熱可塑性樹脂組成物を用いて、東芝製射出成形機EC60Nを用いて下記の温度設定条件にて50×90×2.5mmの平板を成形し、明度L*、鉛筆硬度評価、光漏れ評価用の試験片とした。なお、成形機は、シリンダー温度を調整するための4つのヒーターを有し、これらヒーターを用いてシリンダー温度は成形機のノズル側から250℃、250℃、230℃、210℃に設定した。金型温調器の温度設定は60℃とした。
実施例及び比較例で作製した熱可塑性樹脂組成物を用いて、日鋼製射出成形機J100EPにて下記の成形条件でISO294−1に準じた方法でISO試験片(ISO3167に準じた多目的試験片A形)を成形し、シャルピー衝撃強度、荷重たわみ温度評価用の試験片とした。なお、成形機は、シリンダー温度を調整するための4つのヒーターを有し、これらヒーターを用いてシリンダー温度は成形機のノズル側から250℃、250℃、230℃、210℃に設定した。金型温調器の温度設定は60℃とした。
本実施例で用いた熱可塑性樹脂の各成分は以下の通りである。
〔製造例1:ABS樹脂(A−1)〕
ポリブタジエンゴムラテックス(質量平均粒子径280nm、固形分37質量%122質量部に、ターシャリードデシルメルカプタン0.1質量部、および脱イオン水23質量部を加え、気相部を窒素置換した後、55℃に昇温した。続いて、1.5時間かけて70℃まで昇温しながら、アクリロニトリル11質量部、スチレンを44質量部、ターシャリードデシルメルカプタン0.5質量部、クメンハイドロパーオキシド0.15質量部よりなる単量体混合液、および脱イオン水50質量部にナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.2質量部、硫酸第一鉄0.004質量部、エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム塩0.04質量部を溶解してなる水溶液を4時間にわたり添加した。添加終了後にクメンハイドロパーオキシド0.02質量部を加えた後、さらに1時間、反応槽を70℃に制御しながら重合反応を完結させた。
このようにして得られたABSラテックスに、シリコーン樹脂製消泡剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、製品名TSA737)、およびフェノール系酸化防止剤エマルジョン(中京油脂株式会社製、製品名L−673)を添加した。その後、固形分濃度が10質量%となるように脱イオン水を加えて調整し、70℃に加温した。その後、硫酸アルミニウム水溶液を加えて凝固させ、スクリュープレス機にて固液分離を行った。この時の含水率は10質量%であった。これを乾燥させてABS樹脂(A−1)を得た。
該共重合体の組成比は、組成解析の結果、アクリロニトリル11質量%、ブタジエン45質量%、スチレン44質量%であった。またグラフト率は37質量%であった。
〔製造例2:共重合体(B)〕
撹拌機付き完全混合型反応機に、スチレン72質量部、アクリロニトリル13質量部、エチルベンゼン15質量部からなる単量体混合物を連続的にフィードし、150℃、滞留時間2時間で重合反応を行った。得られた重合溶媒を押出機に連続的に供給し、押出機で未反応単量体、溶媒を回収し、スチレン−アクリロニトリル共重合体(B)を得た。該共重合体の組成は、フーリエ変換赤外分光光度計(FR−IR)(日本分光(株)製)を用いた組成分析の結果、アクリロニトリル20質量%、スチレン80質量%であった。
〔製造例3:アクリル樹脂(C−1)〕
撹拌装置の付いた容器を用いて、メタクリル酸メチル1458g、スチレン315g、無水マレイン酸197g、ラウロイロパーオキサイド0.99g、及びn−オクチルメルカプタン4.93を混合溶解し、モノマー配合液を調製した。このモノマー配合液を50torrの減圧下で撹拌しながら、2分間の脱揮操作を行った。
その後、減圧を解いて常圧にし、直ちに内寸250×300×3.5mmのガラスセルにモノマー配合液を注入した。
次に、60〜65℃に温調した温水槽中にガラスセルを22時間浸し、その後110℃に温調した熱風循環オーブン中でガラスセルを3時間加熱した。その後、室内でガラスセルを静置放冷し、ガラスセルを除去してシート状樹脂を得た。
上記のようにして得られたシート状樹脂を10mmメッシュの網を取り付けたセイシン企業(株)製粗粉砕機オリエントミルVM−42D型機で粉砕し、その後粉砕物を500μmの篩にかけて微粉を取り除いて粉砕組成物を得た。粉砕組成物の回収率は93.2%であった。
得られた粉砕組成物、アクリル樹脂(C−1)の組成をプロトンNMRを用いて分析した。その結果、アクリル樹脂(C−1)は、メタクリル酸メチル単位74質量%、スチレン単位16質量%、無水マレイン酸単位10質量%を含むものであった。
得られた粉砕組成物を240℃に設定したφ30mmの二軸押出機にて溶融混練し、ストランドを冷却裁断してアクリル樹脂(C−1)の樹脂ペレットを得た。
〔製造例4:アクリル樹脂(C−2)〕
4枚傾斜パドル翼を取り付けた撹拌機を有する容器に、水2kg、第三リン酸カルシウム65g、炭酸カルシウム39g、及びラウリル硫酸ナトリウム0.39gを投入し、混合液(a)を得た。
次に3枚後退翼を取り付けた撹拌機を有する60Lの反応器に水26kgを投入して80℃に昇温し、この反応器に、混合液(a)、メタクリル酸メチル17591g、スチレン1902g、N−フェニルマレイミド4279g、ラウロイパーオキサイド41.60g、及びn−オクチルメルカプタン47.54gをさらに投入して、原料混合物を得た。
このようにして得られた原料混合物を約75℃に保って懸濁重合を行った。原料混合物を投入してから約120分後に発熱ピークが観測された。
懸濁重合開始から120分経過した後、反応温度が93℃になるまで1℃/minの速度で昇温した。その後、反応温度を93℃に維持しつつ120分間熟成し、重合反応を実質終了し、重合反応液を得た。
次に、重合反応液を50℃まで冷却したあと、懸濁剤を溶解させるために20質量%硫酸を投入した。次に重合反応液を、1.68mmメッシュの篩にかけて凝集物を除去した上で水分を濾別してスラリーを得た。さらに、得られたスラリーを脱水してビーズ状ポリマーを得た。得られたビーズ状ポリマーをイオン交換水で洗浄する操作と、ビーズ状ポリマーを脱水する操作と、を2回繰り返し、アクリル樹脂(C−2)のポリマー粒子を得た。
得られたポリマー粒子、すなわちアクリル樹脂(C−2)の組成をプロトンNMRを用いて分析した。その結果、アクリル樹脂(C−2)は、メタクリル酸メチル単位74質量%、スチレン単位8質量%、N−フェニルマレイミド単位18質量%を含むものであった。
〔製造例5:アクリル樹脂(C−3)〕
メタクリル酸メチル18578g、スチレン1393g、N−フェニルマレイミド3251g、ラウロイパーオキサイド40.64g、n−オクチルメルカプタン48.77gを使用したほかは上述の製造例4と同様の方法で重合を行いポリマー粒子を得た。
得られたアクリル樹脂(C−3)の組成をプロトンNMRを用いて分析した。その結果、アクリル樹脂(C−3)は、メタクリル酸メチル80質量%、スチレン6質量%、N−フェニルマレイミド14質量%を含むものであった。
〔製造例6:アクリル樹脂(C−4)〕
メタクリル酸メチル68.6質量%、アクリル酸メチル1.4質量%、及びエチルベンゼン30質量%を含む単量体混合物に、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.015質量%、及びn−オクチルメルカプタン0.15質量%を添加し均一に混合した。この単量体混合物を内容積10Lの密閉式耐圧反応器に連続的に供給し、撹拌下に平均温度135℃、平均滞留時間2時間で重合した後、重合混合物を反応器に接続された貯槽に連続的に送り出した。次いで、重合混合物を貯槽から、260℃、10mmHgの高真空に保たれた揮発分除去装置へ導入し、未反応単量体、および溶媒を脱揮回収して、重合物を得た。その後、溶融状態の重合物を押出機に連続的に移送した。ここで、押出機に接続した添加剤投入口からラウリン酸とステアリルアルコールを90℃で溶融した状態で定量的に押出機内に供給してアクリル樹脂(C−4)の樹脂ペレットを得た。得られた樹脂ペレット、すなわちアクリル樹脂(C−4)の組成をプロトンNMRを用いて分析した。その結果、アクリル樹脂(C−4)は、メタクリル酸メチル98質量%、アクリル酸メチル2質量%を含むものであった。
カーボンブラック(D):平均一次粒子径が16nmのカーボンブラック(三菱化学社製、製品名#980)を使用した。
染料(E):Solvent Red、Solvent Green、Solvent Blueの染料を1/1/1の比率で混合して使用した。
〔実施例1〜4、比較例1〜9〕
表2に記載の組成で(A)〜(E)成分を混合後、二軸押出機に投入し、バレル設定温度270℃にて溶融混練し、熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。
実施例1〜4は漆黒度が高く且つ光漏れもなく、機械強度、耐熱性、表面硬度のバランスに優れていることが分かった。一方、比較例1、2はアセトン不溶分が範囲外であるため、機械強度、耐熱と表面硬度のバランスに劣っていた。また、比較例3〜6はカーボンブラックもしくは染料が含まれないため漆黒度と光漏れの両立ができなかった。また、比較例7、8ではメタクリル酸メチル単量体単位の含有量が範囲外であるため材料硬度に劣り、また漆黒性も低下していた。比較例9は、式(1)で表される化合物単位が範囲外であるため、ガラス転移温度が低く耐熱性に劣る結果であった。
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、自動車内装やOA、家電の、無塗装漆黒部品向けの材料や漆黒部品向け材料として産業上の利用可能性を有する。

Claims (3)

  1. ゴム質重合体単位と、該ゴム質重合体単位にグラフトされた芳香族ビニル単量体単位及び不飽和ニトリル単量体単位と、を有するグラフト共重合体(A)と、
    芳香族ビニル単量体単位と、不飽和ニトリル単量体単位と、を有する共重合体(B)と、
    メタクリル酸エステル単位及び/又はアクリル酸エステル単位と、下記式(1):
    (式中、Xは、O又はN−Rであり、Rは、1価の有機基である。)
    で表される化合物単位と、を有するアクリル樹脂(C)と、
    カーボンブラック(D)と、
    染料(E)と、を含み、
    かつ
    アセトン不溶分とアセトン可溶分とからなり、
    前記アセトン不溶分の含有量が、5〜25質量%であり、
    前記アセトン可溶分中の前記メタクリル酸エステル単位及び/又は前記アクリル酸エステル単位の含有量が、35〜70質量%であり、
    前記アセトン可溶分中の前記式(1)で表される化合物単位の含有量が、2.5〜22.5質量%であり、
    前記カーボンブラック(D)の含有量が、0.01〜0.2質量%であり、
    前記熱可塑性樹脂組成物中の前記染料(E)の含有量が、0.1〜1.0質量%である、
    熱可塑性樹脂組成物からなる、漆黒部品。
  2. 明度L*値が9以下である、請求項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる、漆黒部品。
  3. 請求項1又は2に記載の漆黒部品からなる、自動車内装部品。
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