JP2001191020A - 発色性に優れたメタリック塗装及びメタリック塗装物 - Google Patents

発色性に優れたメタリック塗装及びメタリック塗装物

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JP2001191020A
JP2001191020A JP2000005094A JP2000005094A JP2001191020A JP 2001191020 A JP2001191020 A JP 2001191020A JP 2000005094 A JP2000005094 A JP 2000005094A JP 2000005094 A JP2000005094 A JP 2000005094A JP 2001191020 A JP2001191020 A JP 2001191020A
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metallic
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flakes
coating
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Katsuhiko Kojo
勝彦 古城
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光反射性フレークを含有させたベースコート
上に、赤や青などの着色顔料を含有させたクリヤコート
を行っても、安定した発色を得ることの出来る塗装被膜
を得る。 【解決手段】 光反射性フレークを含むベースコート上
に、着色顔料を有するクリヤコートを施したメタリック
塗装において、ベースコート中の光反射性フレークの8
0%以上が被塗物表面との平行度が10度以内である配
向性を示すメタリック塗装である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種家電製品や、
自動車部品等の表面に形成される光輝性を有するメタリ
ック塗装に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、各種家電製品や、自動車部品
などの各種被塗物を保護し、また美観を持たせるため
に、塗膜に光輝感のあるメタリック塗装が行われてお
り、金属性の光沢を有するメタリック塗膜を形成する光
輝性塗料として、光反射性フレークとして主にアルミニ
ウム粉末や雲母粉末を含有させたメタリック塗料が用い
られている。
【0003】例えば特開昭50−89426号公報には
透明塗料に粒径が5〜40μのアルミニウム粉末、二酸
化チタンをコーティングした雲母粉末、銅粉および雲母
粉末から選ばれた1種または2種以上の粉末を樹脂固形
分100重量部に対して0.05〜5重量部配合してな
る透明メタリック塗料組成物が、特開昭50−8943
5号公報には下地処理を施した被塗物上にソリッドエナ
メルを塗布し、次いでアルミニウム粉末、雲母粉末ある
いは二酸化チタンコーティング処理雲母粉末のいずれか
を含有するクリヤーを塗布するメタリック仕上塗装法が
開示されている。
【0004】また、特開平3−270768号公報には
被塗物の表面に光輝性材料を0.1〜30重量部含有す
る透明もしくはカラー化されたメタリック塗膜層及びこ
のメタリック塗膜層で用いた光輝性材料と種類、粒径又
は含有量において少なくともいずれかが異なる光輝性材
料を0.1〜30重量部含有する透明もしくはカラー化
されたメタリック塗膜層を少なくとも2層積層してなる
メタリック塗膜構造が開示されている。
【0005】また、特開昭52−107039号公報に
は被塗物にメタリック塗料を塗装し、次いでウエットオ
ンウエットでクリヤー塗料を塗装するメタリック塗装方
法において、クリヤー塗料にアルミニウム粉末を混合せ
しめたアルミニウム粉末混合クリヤー塗料を用い、該ク
リヤー塗料中に混合せしめるアルミニウム粉末の粒径
は、メタリック塗料中のアルミニウム粉末の粒径と同等
以上であることが開示されている。
【0006】また、特開平2−160079号公報には
被塗物表面に形成されたアルミニウム粉末を含有する第
1メタリック塗膜と、該第1メタリック塗膜表面に形成
され表面に金属光輝層をもつ鱗片状ガラス粉末を含有す
る第2メタリック塗膜と、該第2メタリック塗膜表面に
形成されたクリア塗膜とよりなるメタリック塗膜が開示
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、金属光沢に近い
高級なメタリック感を得るために、ベースコートのみに
光反射性フレークとしてアルミニウムフレークなどを含
有させ、ベースコート上に塗布されるクリヤコートに赤
や青などの着色顔料を含有させた塗装が採用されつつあ
る。しかしながら、このような塗装を行うと、同じ組成
のクリヤコート塗装を行っても、例えば塗装後の塗装面
の目視観察を行うと、赤色が明るい発色の場合や、暗い
発色の場合等というような差が生じる場合があった。そ
のために、製品毎の発色のバラツキにより、不良となる
場合もあり、安定した発色を得ることが求められてい
た。
【0008】即ち、本発明の目的は、光反射性フレーク
としてアルミニウムフレークなどを含有させたベースコ
ート上に、赤や青などの着色顔料を含有させたクリヤコ
ートを行っても、安定した発色を得ることの出来る塗装
を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、まず発色
に影響を与える因子であるベースコート中の光反射性フ
レークに着目した。そこで、上記のような従来検討され
ていたアルミニウムフレークなどの光反射性フレークの
形状、粒径等を規定することにより、上記のような問題
を解決することが出来ないか検討を行ったが、用いるア
ルミニウムフレークなどの光反射性フレークの粒径など
を規定したが、良好な結果は得られなかった。
【0010】さらに本発明者らは鋭意検討を行った結
果、赤色などの発色の明暗の度合いは、ベースコートに
含まれる光反射性フレークであるアルミニウムフレーク
などの状態により、左右されることを見出し、本発明に
想到した。
【0011】すなわち、本発明は、光反射性フレークを
含むベースコート上に、着色顔料を有するクリヤコート
を施したメタリック塗装において、ベースコート中の光
反射性フレークの80%以上が被塗物表面との平行度が
10度以内である配向性を有するメタリック塗装であ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のメタリック塗装は、先ず
被塗物の表面に、光反射性フレークとしてアルミニウム
フレークなどを含有するベースコートを塗布する。被塗
物の表面には予め適宜なアンダーコートやプレコート処
理を行うことは任意に選択可能である。なお、塗装は被
塗物上に直接行うことも出来るが、例えば自動車部品の
塗装などにおいては、通常、表面化成処理後に電着塗料
などによる下塗り、中塗り塗装を施し、塗膜が硬化した
後に塗装することが好ましい。
【0013】本発明に用いられる光反射性フレークとし
ては、金属フレーク、例えばアルミニウムフレーク、銅
フレーク、青銅フレーク、ニッケルフレーク、亜鉛フレ
ーク、マグネシウムフレーク、銀フレーク、金フレーク
および白金フレークならびに雲母、ガラス、被覆雲母、
被覆ガラスおよびアルミニウム被覆ポリエステルフィル
ム断片のようなフレークがあげられる。これらのフレー
クの2種以上の混合物も使用できる。特に好ましいの
は、価格、入手の容易性を考慮するとアルミニウムフレ
ークである。本発明のメタリック塗装は、ベースコート
中の光反射性フレークの80%以上が被塗物表面との平
行度が10度以内である配向性を有する。ここで、被塗
物表面とは、ベースコートが塗布される表面をいい、被
塗物表面及びアンダーコート表面、プレコート表面も含
まれる。被塗物表面との平行度を10度以内と限定した
のは、10度より大きい角度を有する光反射性フレーク
は、被塗物表面垂直方向の光の反射自体が少なくなり、
光輝性の確保にあまり有効でないためである。
【0014】さらに被塗物表面との平行度を10度以内
である配向性を有する光反射性フレークがベースコート
中の光反射性フレーク全体の80%以上である。80%
未満であると、ベースコート中の反射に貢献する光反射
性フレークの量が少なくなり、ベースコート全体として
の反射が均一ではなくなり、光輝性が減じると共に、光
輝ムラが発生しやすくなる。
【0015】さらに好ましくはベースコート中の光反射
性フレークの50%以上が被塗物表面との平行度が5度
以内である配向性を有する。被塗物表面との平行度が5
度以内とは、ほとんど被塗物と平行であり、光の反射率
も高くなり光輝性が向上する。また被塗物表面との平行
度が5度以内の光反射性フレークが50%以上であると
さらに発色性に優れたメタリック塗装を得ることが出来
る。
【0016】光反射性フレークを被塗物と平行に配向さ
せる方法としては、ベースコートの塗装時の乾燥を短時
間で行うことや、光反射性フレークの配向が乱れるのを
防止することが考えられる。ベースコートの乾燥を短時
間で行うには、ベースコート中に揮発性の高い溶剤を用
いる方法、ベースコート塗装時の被塗物の温度を高めに
保持する方法、ベースコートの厚みを薄くする方法など
が考えられる。また光反射性フレークの配向が乱れるの
を防止するには、光反射性フレークの配向の乱れを防止
する添加剤をベースコート中に添加する方法が考えられ
る。
【0017】用いられるベースコートの塗料組成物にお
いて、ベースコート中に含有される光反射性フレークの
量は容積%で、2〜10%程度である。2%よりも少な
いと被塗物の表面を光反射性フレークで覆うことが難し
く、所々光輝ムラが発生する原因となる。10%よりも
多いと、ベースコート中の光反射性フレークの量が多く
なりすぎ、光反射性フレーク同士が接触することによ
り、被塗物に対して平行に配向することが困難になるか
らである。
【0018】用いられる光反射性フレークは、平均厚み
が0.1〜2μm、平均粒子径1〜25μmであると良
い。厚さが0.1μm未満であると機械的強度が不足し
て塗料との混練時に光反射性フレークが折れ易くなり、
また2μmを超えると光の反射を弱め、光輝性が低下す
る。平均粒子径に関しては、1μm未満であると光輝感
が不十分であり、また25μmを超えると塗膜面の突起
やブツブツ感が生じる。より好ましい平均粒径は5〜2
0μmである。特に光反射性フレークがアルミニウムフ
レークの場合には、上記の範囲にあると好ましい。
【0019】本発明の塗装に用いる樹脂は、塗料用とし
て一般的に使用されている樹脂類が用いられる。例え
ば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキル樹脂、
フッ素樹脂などをあげることが出来、通常アミノ樹脂や
ブロックポリイソシアネート化合物などの架橋剤と混合
して使用される。また、これらの樹脂類は一種類に限ら
ず2種以上を組み合わせて使用することもできる。この
ほか、通常乾燥により硬化することができるラッカー、
2液型ポリウレタン樹脂やシリコーン樹脂なども用いら
れる。
【0020】さらに添加剤を添加しても良い。通常メタ
リック塗装では霧化した塗料ミストが被塗物に到達し、
塗料滴の融合と溶剤の揮発による塗膜の収縮が起こる。
塗料に配合された光反射性フレークは、塗料の融合と溶
剤の揮発による収縮の段階でその平行配列が達成され
る。すなわち、その間塗装された被塗物上の塗料不揮発
分は上昇し、粘性も高まり、光反射性フレークの配列が
決定づけられる、揮発分は使用される溶剤種(芳香族
系、ケトン系、エステル系、グリコール系等)で構成さ
れ、塗料の樹脂の溶解性と作業性に影響を与える。溶剤
の揮発による粘性の上昇を添加剤の添加によって、遅延
させると共に、塗膜中での光反射性フレークの分散を容
易にしてその平行配列特性を改良し得る。
【0021】ベースコートは、少なくとも1層形成さ
れ、乾燥後の膜厚としては2〜15μmに設定すること
が望ましい。より好ましくは、3〜12μmである。こ
のような厚さに限定する理由は、2μmよりも薄いと光
反射性フレークの厚さよりも、薄くなる場合があり、ベ
ースコート表面から光反射性フレークが部分的に突出す
る事になり、高い光輝性が得られにくくなる。また、塗
装によっては3μmよりも薄いと塗装ムラが生じること
があるのでより好ましくは3μm以上である。また15
μmを超えると塗装の乾燥時間が長くなり、塗装内での
対流も起こりやすくなり、光反射性フレークの被塗物表
面に対する配向性が乱れやすくなる。12μmよりも薄
い場合には塗装の乾燥も早く、光反射性フレークの被塗
物表面に対する配向性が乱れる率が少なくなる。
【0022】ベースコート上に形成されるクリヤコート
は、厚さは10〜60μm程度の厚さで形成される。厚
さが10μm未満では、塗膜として薄すぎて着色の発色
が十分ではなく、高級感が乏しくなる。また厚さが60
μmを超えると着色顔料の添加量にもよるが、ベースコ
ートのメタリック感が出にくくなり、光輝性に乏しくな
ることもある。
【0023】クリヤーコートを形成する塗料に用いる樹
脂には、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹
脂、フッ素樹脂、ポリカーボネイト樹脂およびこれらの
変成樹脂などから選ばれた少なくとも1種の熱硬化性樹
脂と、アミノ樹脂及び/又はポリイソシアネート化合物
などの架橋剤と混合したものが用いられる。これらの樹
脂は1種に限らず、2種以上を組み合わせて使用するこ
ともできる。この他、常温乾燥により硬化可能な2液ポ
リウレタン樹脂、シリコン樹脂などを用いても良い。
【0024】含有させる着色顔料は従来から塗料用に常
用されるものが用いられ、例えば有機系としてアゾレー
キ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペ
リニン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔
料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金
属錯体顔料等を挙げることができ、無機系としては黄
鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化
チタン等が挙げられる。着色顔料の添加量は、塗色に合
わせて任意に設定されるが、特にベースコートのメタリ
ック感を確保しつつ、着色顔料の効果を確保できるの
は、1〜10%である。特に赤色の場合には、本発明の
メタリック塗装の効果が顕著に現れる。
【0025】本発明の塗装の塗膜形成の対象となる被塗
物としては、鉄、アルミニウム、マグネシウム、銅もし
くはこれらの合金を含む金属類を始めとして、ガラス、
セメント、コンクリートなどの無機材料、ポリエチレン
などの樹脂成形品及び各種FRPなどのプラスチック材
料、木材、繊維材料などがあげられる。特にマグネシウ
ム及びその合金は、実用金属中最も軽く、強度/比重で
示される比強度が金属中最大であり、部品の軽量化が可
能であり、さらにリサイクル性に優れているという特徴
を有する。この特徴から、自動車部品や家電製品、コン
ピューター部品などにも適用が進んできている。本発明
のメタリック塗装をマグネシウム及びその合金の表面に
塗布した場合には、その軽量化と高級感を伴った製品を
得ることが出来る。さらに、用いられるマグネシウム及
びその合金が、鍛造などの塑性加工により、形成されて
いる場合には鋳造成形品に比較して表面の微細な凹凸が
少なく、本発明のメタリック塗装のベースコート中の光
反射性フレークの被塗物表面に対する配向性が乱れるこ
とが少なく、発色性に優れたメタリック塗装が得られ
る。
【0026】
【実施例】(実施例1)次に、実施例を挙げて本発明を
更に詳細に説明するが、これらは単なる例示であって、
本発明を制限するものではない。まず、被塗物としてA
Z−31マグネシウム合金製の薄板(長さ、幅100m
m、厚さ1mm)にリン酸亜鉛処理剤により常法により
化成処理を行った。
【0027】上記調整された被塗物上に、乾燥時厚さが
10μmになるようにベースコート塗装として、樹脂分
(変性エポキシ樹脂と変性ウレタン)26.87%、光
輝顔料分(平均粒子径10μmのアルミニウムフレー
ク)4.20%、溶剤分(芳香族炭化水素類(トルエ
ン、キシレン)、酢酸エステル類(メトキシプロピルア
セテート)、ケトン類(メチルケトン)、アルコール類
(イソプロピルアルコール、メトキシプロパノール))
68.7%、助剤(表面調整剤)0.20%の塗料10
0容積%に対して、シンナー50容積%を混合し、スプ
レーガンを用いて塗装を行った。
【0028】塗装時の被塗物の温度は本発明例1として
40℃とし、比較例1として10℃の被塗物を用いた。
塗布後10分間放置し乾燥させた。その後、乾燥温度1
50℃で30分間の乾燥を行った。
【0029】それぞれの試料の上にさらに乾燥時の厚さ
が50μmとなるようにクリヤコート塗装として、樹脂
分(アクリル樹脂、メラニン樹脂、エポキシ樹脂)2
3.54%、顔料分(アクリル樹脂ビーズ、二酸化炭
素、赤色染料)13.60%、溶剤分(芳香族炭化物
(キシレン)、アルコール類(n−ブタノール、メタノ
ール)、酢酸エステル(酢酸ブチル)、ケトン類(メチ
ルイソブチルケトン)、グリコールエーテル類(エチレ
ングリコールモノターシャリーブチルエーテル))6
2.51%、助剤(沈降防止剤、表面調整剤)0.35
%の塗料100容積部に対して、シンナー40容積部%
を混合して、スプレーガンを用いて塗装を行った。30
℃で10分間の乾燥の後に150℃で30分間の乾燥を
行った。
【0030】それぞれの試料の赤色の発色状況、アルミ
ニウムフレークの被塗物表面に対する平行度の評価を行
い、その結果を表1に示す。赤色の発色状況は、目視に
より観察したが、明るい発色の場合には○、暗いものは
×として評価した。アルミニウムフレークの被塗物に対
する配向性に関しては、試料を切断して走査型電子顕微
鏡を用いて断面を観察して、測定した。本発明例1の8
00倍の走査型電子顕微鏡写真を図1に、比較例1の8
00倍の走査型電子顕微鏡写真を図2に示す。走査型電
子顕微鏡写真である図1、図2を説明すると写真の下側
が被塗物であり、その上に断面棒状に見えるアルミニウ
ムフレークを含有させたベースコートが形成されてお
り、さらにベースコートの上側には、樹脂分等を含むク
リヤコートが形成されている。クリヤコートの上側は試
料埋め込み用の樹脂である。アルミニウムフレークの被
塗物表面に対する配向性は試料の任意の10箇所の断面
における被塗物表面に対するアルミニウムフレークの角
度を測定し、被塗物表面に対する角度が5度以下、10
度以下のアルミニウムフレークの全体に対する割合を示
した。
【0031】
【表1】
【0032】表1から、ベースコート中のアルミニウム
フレーク中、被塗物表面に対して10度以内の傾きにあ
るものが80%以上ある場合には、赤色の発色性に優れ
ているのに対して、比較例の場合には被塗物表面に対す
る配向性が悪いことから、目的とする発色を得られなか
った。
【0033】(実施例2)被塗物としてAZ−31マグ
ネシウム合金製の薄板(長さ、幅100mm、厚さ1m
m)にリン酸亜鉛処理剤により常法により化成処理を行
った。
【0034】上記調整された被塗物上に、乾燥時厚さが
10μmになるようにベースコート塗装として、樹脂分
(変性エポキシ樹脂と変性ウレタン)26.87%、光
輝顔料分(平均粒子径15μmのアルミニウムフレー
ク)4.20%、溶剤分(芳香族炭化水素類(トルエ
ン、キシレン)、酢酸エステル類(メトキシプロピルア
セテート)、ケトン類(メチルケトン)、アルコール類
(イソプロピルアルコール、メトキシプロパノール))
68.7%、助剤(表面調整剤)0.20%の塗料10
0容積%に対して、シンナー50容積%を混合し、スプ
レーガンを用いて塗装を行った。
【0035】塗装時の被塗物の温度を40℃、30℃と
したものを本発明例2、本発明例3とし、10℃とした
ものを比較例2とし、塗布後10分間放置し乾燥させ
た。その後、乾燥温度150℃で30分間の乾燥を行っ
た。
【0036】それぞれの試料の上にさらに乾燥時の厚さ
が50μmとなるようにクリヤコート塗装として、樹脂
分(アクリル樹脂、メラニン樹脂、エポキシ樹脂)2
3.54%、顔料分(アクリル樹脂ビーズ、二酸化炭
素、赤色染料)13.60%、溶剤分(芳香族炭化物
(キシレン)、アルコール類(n−ブタノール、メタノ
ール)、酢酸エステル(酢酸ブチル)、ケトン類(メチ
ルイソブチルケトン)、グリコールエーテル類(エチレ
ングリコールモノターシャリーブチルエーテル))6
2.51%、助剤(沈降防止剤、表面調整剤)0.35
%の塗料100容積部に対して、シンナー40容積部%
を混合して、スプレーガンを用いて塗装を行った。30
℃で10分間の乾燥の後に150℃で30分間の乾燥を
行った。
【0037】それぞれの試料の赤色の発色状況、アルミ
ニウムフレークの被塗物表面に対する平行度の評価を行
い、その結果を表2に示す。赤色の発色状況は、目視に
より観察したが、明るい発色の場合には○、少し暗いも
のは△、暗いものは×として評価した。また、アルミニ
ウムフレークの被塗物に対する配向性に関しては、試料
を切断して走査型電子顕微鏡を用いて断面を観察して、
測定した。本発明例2の800倍の走査型電子顕微鏡写
真を図3に、本発明例3の800倍の走査型電子顕微鏡
写真を図4に、比較例2の800倍の走査型電子顕微鏡
写真を図5に示す。走査型電子顕微鏡写真である図3、
図4、図5を説明すると写真の下側が被塗物であり、そ
の上に断面棒状に見えるアルミニウムフレークを含有さ
せたベースコートが形成されており、さらにベースコー
トの上側には、樹脂分等を含むクリヤコートが形成され
ている。クリヤコートの上側は試料埋め込み用の樹脂で
ある。配向性は試料の任意の10箇所の断面における被
塗物表面に対するアルミニウムフレークの角度を測定
し、被塗物表面に対する角度が5度以下、10度以下の
アルミニウムフレークの全体に対する割合を示す。
【0038】
【表2】
【0039】表2から、ベースコート中のアルミニウム
フレーク中、被塗物表面に対して10度以内の傾きにあ
るものが80%以上ある場合には、赤色の発色性に優れ
ているのに対し、比較例の場合には被塗物表面に対する
配向性が悪いことから、目的とする発色を得られないこ
とが分かる。
【0040】(実施例3)被塗物としてAZ−31マグ
ネシウム合金製の薄板(長さ、幅100mm、厚さ1m
m)にリン酸亜鉛処理剤により常法により化成処理を行
った。
【0041】上記調整され、30℃に保持された被塗物
上に、ベースコート塗装として、樹脂分(変性エポキシ
樹脂と変性ウレタン)26.87%、光輝顔料分(平均
粒子径15μmのアルミニウムフレーク)4.20%、
溶剤分(芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン)、酢
酸エステル類(メトキシプロピルアセテート)、ケトン
類(メチルケトン)、アルコール類(イソプロピルアル
コール、メトキシプロパノール))68.7%、助剤
(表面調整剤)0.20%の塗料100容積%に対し
て、シンナー50容積%を混合し、スプレーガンを用い
て塗装を行った。
【0042】被塗物上の形成するベースコートの厚さを
表3に示すように変えて塗布し、塗布後10分間放置し
乾燥させた。その後、乾燥温度150℃で30分間の乾
燥を行った。
【0043】それぞれの試料の上にさらに乾燥時の厚さ
が50μmとなるようにクリヤコート塗装として、樹脂
分(アクリル樹脂、メラニン樹脂、エポキシ樹脂)2
3.54%、顔料分(アクリル樹脂ビーズ、二酸化炭
素、赤色染料)13.60%、溶剤分(芳香族炭化物
(キシレン)、アルコール類(n−ブタノール、メタノ
ール)、酢酸エステル(酢酸ブチル)、ケトン類(メチ
ルイソブチルケトン)、グリコールエーテル類(エチレ
ングリコールモノターシャリーブチルエーテル))6
2.51%、助剤(沈降防止剤、表面調整剤)0.35
%の塗料100容積部に対して、シンナー40容積部%
を混合して、スプレーガンを用いて塗装を行った。30
℃で10分間の乾燥の後に150℃で30分間の乾燥を
行った。
【0044】それぞれの試料の赤色の発色状況、アルミ
ニウムフレークの被塗物表面に対する平行度の評価及び
光輝ムラの評価を行い、その結果を表3に示す。赤色の
発色状況は、目視により観察したが、明るい発色の場合
には○、少し暗いものは△、暗いものは×として評価し
た。また、アルミニウムフレークの被塗物に対する配向
性に関しては、試料を切断して走査型電子顕微鏡を用い
て断面を観察して、任意の10箇所の断面における被塗
物表面に対するアルミニウムフレークの角度を測定し、
被塗物表面に対する角度が10度以下のアルミニウムフ
レークの全体に対する割合を測定した。また、塗装ムラ
は目視により観察し、ムラ無しが○、ややムラ有り△、
ムラ有り×として評価した。
【0045】
【表3】
【0046】表3から、ベースコートの厚みにより、ベ
ースコートの乾燥時間に差が生じることから、アルミニ
ウムフレークの被塗物表面に対する配向性に差が生じる
ことが分かる。特に、ベースコートの厚さが厚すぎる場
合には、アルミニウムフレークの被塗物表面に対する角
度が10度以下の比率が減少し、配向性に劣り、発色が
悪いことが分かる。また、ベースコートが薄すぎる場合
には、配向性には優れるが、塗装ムラが生じることが分
かる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の塗装は光
反射性フレークを含有するベースコート上に、着色顔料
を含有するクリヤコートを有する塗装において、光反射
性フレークの被塗物に対する配向性を規定することによ
り、発色性に優れたメタリック塗装を得ることが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明例1の走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】比較例1の走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】本発明例2の走査型電子顕微鏡写真である。
【図4】本発明例3の走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】比較例2の走査型電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AE15 AE27 CB13 DA23 DB01 DC13 DC18 EA07 EA43 EC11 EC23 4F100 AB01C AB09C AB10 AB31C AK01A AK01B AK25 AK51 AK53 AL06 AT00C CA13B CC00A CC00B DE02A EH46 EH61 GB32 GB48 GB81 JN01B JN06A JN24A JN28A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被塗物上に形成される光反射性フレーク
    を含むベースコート上に、着色顔料を有するクリヤコー
    トを施したメタリック塗装において、ベースコート中の
    光反射性フレークの80%以上が被塗物表面との平行度
    が10度以内である配向性を有することを特徴とする発
    色性に優れたメタリック塗装。
  2. 【請求項2】 前記ベースコートの厚みが2〜15μm
    であることを特徴とする請求項1に記載の発色性に優れ
    たメタリック塗装。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のメタリッ
    ク塗装を表面に塗布したことを特徴とするメタリック塗
    装物。
  4. 【請求項4】 前記メタリック塗装物の被塗物が、マグ
    ネシウム又はマグネシウム合金からなることを特徴とす
    る請求項3に記載のメタリック塗装物。
  5. 【請求項5】 前記被塗物が塑性加工により、形成され
    たことを特徴とする請求項4に記載のメタリック塗装
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014001350A (ja) * 2012-06-21 2014-01-09 Asahi Kasei Chemicals Corp 塗装成形体
JP7467848B2 (ja) 2019-09-13 2024-04-16 堺化学工業株式会社 鱗片状亜鉛末含有組成物及び鱗片状亜鉛末の製造方法

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