JP2642798B2 - 複層着色塗膜 - Google Patents

複層着色塗膜

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JP2642798B2 JP12187991A JP12187991A JP2642798B2 JP 2642798 B2 JP2642798 B2 JP 2642798B2 JP 12187991 A JP12187991 A JP 12187991A JP 12187991 A JP12187991 A JP 12187991A JP 2642798 B2 JP2642798 B2 JP 2642798B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は美粧を目的とする塗膜に
係わり、とくに自動車外板塗膜として用いて新規なイメ
ージが得られるベースコートとトップコートよりなる複
層塗膜に関する。
【0002】
【従来の技術】ベースコートとクリヤートップコートと
からなる複層塗装系は、塗装分野において良く知られて
いる。例えば特公昭61−23225 号公報には、メタリック
粉末および着色顔料を配合した熱硬化性樹脂を主成分と
する塗料から成るベースコートと、着色顔料を含まない
熱硬化性樹脂を主成分とするクリヤー塗料から成るクリ
ヤートップコートを塗装し、加熱硬化する複層塗装方法
が開示されている。この様な複層塗装系は優れた耐久性
と同時に優れた美的外観を有するので、自動車の外板塗
装に広く利用されている。
【0003】また一方では、自動車の外板塗装として新
規にして意匠性の向上した複層塗装系が常に求められて
いる。その様な例を挙げれば、特開昭55−82167 号公報
には2コート1ベーク形ソリッドカラー用塗料組成物が
開示されている。そこでは、メタリック粉末を含まない
ソリッドカラーベースコートに、着色顔料を0.1 〜10重
量部含有する着色クリヤーが塗り重ねられ、ベースコー
トの着色顔料と着色クリヤーの着色顔料との相互作用に
よる新規な意匠効果が提供されている。
【0004】また、ベースコートにメタリック粉末を含
有するメタリックベースコートを用い、染料または透明
性の高い着色顔料を含有する着色クリヤーを塗り重ね、
メタリック粉末の光反射による光輝感と着色クリヤーと
の相互作用による意匠性を得る塗膜構成についても公知
であり、「キャンデートーン」の別称で呼ばれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ベース
コートにメタリック粉末を含有するメタリックベースコ
ートを用い、その上に着色クリヤーを塗り重ねると、着
色クリヤーの膜厚変動により、得られる色調が大きく変
動するという問題がある。自動車の外板塗装の様に形状
複雑な物品の塗装においては、物品の部位によって膜厚
が変動するのは避け得ないが、この事は自動車外板塗装
にメタリックベースコートに着色クリヤーを塗装する塗
膜構成を採用した際、自動車ボデーの部位によって色調
が異なり、バンパー等の部品取付けの際にボデーと部品
との色の一致、すなわちカラーマッチングが極めて困難
であることに通ずる。従って従来は自動車塗装の分野に
おいて、かかる塗膜構成の塗装は実用化されていなかっ
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、着色顔料
とメタリック粉末を含有するメタリックベースコートと
着色顔料を含有する着色クリヤートップコートとからな
る複層塗装系について、着色クリヤートップコートの膜
厚変動による色調の変動を低減し、かかる塗装系を自動
車外板塗装の様な形状複雑な物品の塗装に利用すべく鋭
意研究して、メタリックベースコートの着色顔料とメタ
リック粉末の配合量およびクリヤートップコートの着色
顔料の配合量を規定することにより、着色クリヤートッ
プコートの光透過性を特定の範囲に選び、かつメタリッ
クベースコートの明度も特定範囲とする事により、目的
が達成できる事を見出し、本発明を完成するにいたった
ものである。
【0007】すなわち、本発明は、メタリックベースコ
ート上に、30μm の膜厚のフィルムの光透過率を波長40
0 ナノメートルから700 ナノメートルの範囲において測
定して、その平均透過率が30%〜90%の範囲であり、か
つベースコート塗膜の明度がL値で表わして30以下であ
る事を特徴とする複層着色塗膜である。
【0008】本発明で使用するメタリックベースコート
とは、着色顔料とメタリック粉末および皮膜形成性バイ
ンダー成分よりなるものである。着色顔料はベースコー
トに必要な色彩と隠ぺい性を与えるものであって、自動
車用上塗り塗料に使用し得る着色顔料が各れも使用可能
である。着色顔料の量は、好適には皮膜形成性バインダ
ー100 重量部に対して1〜50重量部、メタリック粉末の
量は0.5 〜8重量部が好適である。着色顔料の量が1重
量部より少ない時には、隠ぺい力が不十分であり、50重
量部を越えると、塗膜の物性が低下したり、流動性が低
下するので好ましくない。メタリック粉末の量が0.5 重
量部より少ない場合は、光輝感が十分得られず、8重量
部を越える場合には、ベースコートの明度が30を越える
ため、本発明の効果が得られない。
【0009】メタリック粉末は、ベースコートに金属調
の光輝感を与えるものであって、アルミニウム粉、銅
粉、ステンレス粉等の金属粉末、酸化チタン等の金属酸
化物で表面を被覆したマイカ粉、ガラスフレーク等のフ
レーク状材料の表面に金や銀をメッキした粉末等が利用
できる。
【0010】本発明におけるベースコートの皮膜形成性
バインダーは物体に塗布して連続した皮膜を形成し得る
樹脂であって、加熱によって硬化するかまたは自然乾燥
によって耐久性のある皮膜を形成するものをいう。その
様は皮膜成形性バインダーの例を挙げると、溶剤型、水
溶性型、水分散型のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、
ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノ樹脂、セルロー
ス樹脂等があり、これらの1種もしくは2種以上を併用
して用いる事ができる。
【0011】本発明のベースコートは、明度L値が30以
下である事が必要である。ベースコートの明度L値が30
を越える場合は、着色クリヤーの膜厚変動による色調の
変動が大きく、自動車外板塗装の様な形状複雑な物体の
塗装には実用的に使用できない。
【0012】次に本発明における着色クリヤートップコ
ートとは、着色顔料と皮膜形成性バインダー成分よりな
るものであり、着色顔料としては、ベースコートと同様
の着色顔料が使用できる。着色顔料の量は、好適には皮
膜形成性バインダー100 重量部に対して0.5 〜3.5 重量
部である。0.5 重量部以下では、平均透過率が90%を越
えるため本発明の効果が得られない。また3.5 重量部を
越える場合も、逆に透過率が30%未満となるため本発明
の効果が得られず不適当である。
【0013】皮膜形成性バインダー成分としては物体に
塗布して乾燥もしくは加熱する事により連続した皮膜を
形成し得る樹脂であって、自動車用クリヤートップコー
トに使用されているものが、そのまま使用可能である。
その様なものとして、溶剤型、水溶性型、水分散型のア
クリル樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、ポリウレ
タン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、アミノ樹脂等が
あり、これらの内の1種もしくは2種以上を併用する事
ができる。
【0014】本発明における着色クリヤートップコート
は、その光透過率が、波長400 ナノメートルから700 ナ
ノメートルの範囲において膜厚30μm のフィルムの透過
率を測定して平均透過率で表わした場合に、30%〜90%
の範囲である事が必要である。平均透過率が30%より低
い場合には、着色クリヤートップコートにより入射光の
多くが吸収されてしまうため、ベースコートに到達し反
射して来る光の量が少なすぎ、ベースコートの着色顔料
と着色クリヤーの着色顔料との相互作用による意匠効果
が得られない。また一方、平均透過率が90%を越える場
合も着色クリヤーの着色力が低いため、ベースコートの
着色顔料との相互作用による意匠効果が得られない。
【0015】本発明におけるベースコートならびに着色
クリヤートップコートは、自動車外板塗装において一般
的に実施されている方法によって塗装できる。好ましい
方法を述べれば次のとおりである。すなわち、被塗物と
なる物体表面にベースコートを塗装する。塗装方法は、
エアースプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電エア
ースプレー塗装、回転霧化式静電塗装等の方法が利用で
きる。ベースコート塗装後、室温に2分〜10分程度放置
し、ベースコートの揮発性溶剤の一部を蒸発させる。別
の好ましい方法では、ベースコート塗装後、50℃〜160
℃の温度のオーブンで30秒〜5分間程度加熱して、強制
的にベースコート中の揮発性溶剤等を除去する。この方
法はベースコートが水希釈性の場合に特に好ましい方法
である。次いでベースコート塗膜上の着色クリヤートッ
プコートを塗装する。塗装方法は、ベースコートと同じ
くエアースプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電エ
アースプレー塗装、回転霧化式静電塗装等の方法が利用
できる。着色クリヤートップコート塗装後、室温にて1
分〜15分放置した後、70℃〜160 ℃の温度で10分〜1時
間加熱してベースコートと着色クリヤートップコートを
同時に乾燥硬化せしめる事により、本発明の複層着色塗
膜を得る。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、ベースコートの明度L
値と、着色クリヤートップコートの光透過率を特定の範
囲内としたので、着色クリヤーの膜厚変動によっても複
層塗膜の色調の変動が少なく、かつベースコートの着色
顔料と着色クリヤートップコートとの相互作用による新
規な意匠性が得られ、自動車外板塗装に用いてイメージ
の向上した色彩が得られる。
【0017】
【実施例】つぎに、本発明を実施例および比較例をあげ
てさらに詳述する。例中、部は重量部、%は重量%であ
る。
【0018】アクリル樹脂Aの製造 撹拌機、温度計、還流冷却管、およびモノマー混合物の
滴下槽を備えた反応器に以下の成分を挿入した。 キシレン 10.5部 酢酸ブチル 10.5部 これらを撹拌しながら140 ℃まで加熱して内容物が緩や
かな還流状態になる様にし、一方、モノマー混合物滴下
槽に以下のモノマー混合物を入れ、約3時間かけて均一
な速度で溶剤中に滴下した。 メチルメタクリレート 20.0部 ブチルメタクリレート 6.0部 2−エチルヘキシルアクリレート 4.7部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 16.3部 アクリル酸 2.0部 ターシャリ−ブチルパーベンゾエート 1.5部 モノマー供給完了後、還流状態でさらに2時間反応を続
け、冷却後次の溶剤で希釈した。 酢酸ブチル 23.5部 ブチルアルコール 5.0部 こうして、加熱残分(JIS K5407 (1990) 4. 加熱残部に
よる)(以下同じ)が50%の粘稠で透明なアクリル樹脂
溶液を得た。
【0019】アクリル樹脂Bの製造 アクリル樹脂Aの製造に用いたと同じ反応器に以下の成
分を装入した。 キシレン 10.5部 ソルベッソ100 10.5部 (エッソ石油化学(株)、商品名) これを撹拌しながら140 ℃に加熱し、内容物が緩やかな
還流状態になる様にし、一方、モノマー滴下槽に以下の
モルマー混合物を入れ、約3時間かけて均一な速度で供
給した。 スチレン 20.0部 2−エチルヘキシルアクリレート 11.0部 ブチルメタクリレート 8.0部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 8.0部 アクリル酸 2.0部 ターシャリーブチルパーベンゾエート 1.5部 モノマー供給完了後、還流状態下で2時間反応を続け、
冷却後以下の溶剤で希釈した。 ソルベッソ100 (既出) 23.5部 ブチルアルコール 5.0部 こうして、加熱残分が50%の粘稠で透明なアクリル樹脂
溶液を得た。
【0020】実施例1 (1) ベースコートの製造 以下の成分を、ボールミルのベッセルに入れ、48時間分
散してレッドペーストを得た。 アクリル樹脂A 28.0部 パーマネントカーミンBST 6.0部 (大日精化(株)製、有機赤色顔料、商品名) 酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル 3.0部 キシレン 3.0部 このペーストに以下の成分を加えてレッドメタリックベ
ースコートを調製した。得られたベースコート中の着色
顔料、メタリック粉末の量は皮膜形成性バインダー100
重量部に対してそれぞれ14.4重量部、4.8 重量部であっ
た。 アクリル樹脂A 38.5部 スーパーベッカミンJ820-60 14.0部 (大日本インキ化学工業(株)製、ブチル化メラミン樹
脂60%溶液、商品名) SAP561EA 1.0部 (昭和アルミパウダー(株)製、ノンリーフフィングタ
イプアルミ顔料、商品名) イリオジン210レッドパール 1.0部 (メルク・ジャパン(株)製、レッドパール顔料、商品
名) サンドパー3206 0.5部 (サンド社製、紫外線吸収剤、商品名) CAB381−0.5 1.0部 (イーストマン・ケミカル社製、酢酸、酪酸セルロース
樹脂、商品名) 酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル 2.0部 酢酸エチル 2.0部 次いで、キシレン/酢酸イソブチル/エチレングリコー
ルモノブチルエーテルの比率が72/20/8である混合溶
剤にて、フォードカップNo. 4を用いて20℃の温度で測
定した時の粘度が13秒となる様に希釈した。このものを
ブリキ板に、乾燥後の膜厚が15μm となる様にエアース
プレー塗装し、140 ℃の温度で30分加熱硬化した後、ミ
ノルタ製CR−231 色差計で測色したところ、このベース
コートの明度はL値で19.5であった。
【0021】(2) 着色クリヤートップコートの製造 アクリル樹脂Bを用い、以下の成分をボールミルのベッ
セル中に入れ、48時間分散した。 アクリル樹脂B 10.0部 クロムフタルレッドA3B 0.7部 (チバ・ガイギー社製、有機赤色顔料、商品名) 酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル 2.0部 キシレン 2.0部 このペーストに以下の成分を加えてレッドクリヤートッ
プコートを調製した。得られた着色クリヤートップコー
ト中の着色顔料は皮膜形成性バインダー100重量部に対
して1.8 重量部であった。 アクリル樹脂B 46.0部 スーパーベッカミンJ820-60 20.0部 チヌビン1130 1.0部 (チバ・ガイギー社製、紫外線吸収剤、商品名) ソルベッソ100(既出) 10.0部 キシレン 5.0部 ブタノール 3.3部 次いで、ソルベッソ100 /ブタノール/酢酸イソブチル
の比率が70/15/15である混合溶剤にてフォードカップ
No. 4を用いて20℃で測定した粘度が25秒となる様に希
釈した。この着色クリヤートップコートを、錫箔上に乾
燥膜厚が30μmとなる様にエアースプレー塗装し、140
℃の温度で30分間加熱して硬化した後、水銀アマルガム
法で単離フィルムを作成した。この単離フィルムの透過
率を日立自記分光光度計u−2000を用いて波長400 ナノ
メートルから700 ナノメートルの波長範囲で測定したと
ころ,、平均透過率は55%であった。
【0022】(3) 複層塗膜の作成と測色 中塗り塗装を施したテストパネルに、ベースコートを、
乾燥後の膜厚が15μmとなる様にエアースプレー塗装し
た。室温にて5分間セッティングした後、着色クリヤー
トップコートをテストパネルの1/3 ずつに乾燥後の膜厚
が各々25μm 、30μm 、35μm となる様に段塗りしてエ
アースプレー塗装した。着色クリヤートップコート塗装
後、140 ℃の温度で30分間加熱してベースコートと着色
クリヤートップコートを同時に加熱硬化した。このテス
トパネルの着色クリヤートップコートの各膜厚毎にミノ
ルタ色彩色差計CR−231 を用いて測色して、30μm 基準
にして色差ΔEを測定したところ、表1に示す様にΔE
値はいずれも2.0 以下であって、着色クリヤートップコ
ートの膜厚変動による色調の変動が小さかった。また、
この様にして作成した複層塗膜は、従来のレッドメタリ
ックに比べ鮮明で深みのある色調であった。
【0023】実施例2 (1) ベースコートの製造 以下の成分を、ボールミルのベッセルに入れ、48時間分
散してレッドペーストを得た。 アクリル樹脂A 28.0部 ペリンドマルーンR−6424 8.0部 (モーベイ社製、赤色有機顔料、商品名) 酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル 2.0部 キシレン 2.0部 このペーストに以下の成分を加えてレッドメタリックベ
ースコートを調製した。得られたベースコート中の着色
顔料、メタリック粉末の量は皮膜形成性バインダー100
重量部に対してそれぞれ18.9重量部、5.9 重量部であっ
た。 アクリル樹脂A 38.0部 スーパーベッカミンJ−820 −60(既出) 14.0部 SAP561EA(既出) 2.5部 サイドバー3206(既出) 0.5部 CAB381−0.5 (既出) 1.0部 酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル 2.0部 酢酸エチル 2.0部 次いで実施例1のベースコートと同様にして希釈した。
このものを、ブリキ板に、乾燥後の膜厚が15μm となる
様にエアースプレー塗装し、140 ℃の温度で30分間加熱
硬化した後、ミノルタ製CR−231色差計で測定したとこ
ろ、このベースコートの明度は28.0であった。
【0024】(2) 着色クリヤートップコートの製造 アクリル樹脂Bを用い、以下の成分をボールミルのベッ
セル中に入れ、48時間分散した。 アクリル樹脂B 10.0部 クロモファインマゼンダ6891N 1.0部 (大日精化工業(株)製、赤色有機顔料、商品名) 酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル 2.0部 キシレン 2.0部 このペーストに以下の成分を加えてレッドクリヤートッ
プコートを調製した。得られた着色クリヤートップコー
ト中の着色顔料は皮膜形成性バインダー100重量部に対
して2.5 重量部であった。 アクリル樹脂B 46.0部 スーパーベッカミンJ820 −60(既出) 20.0部 チヌビン1130(既出) 1.0部 ソルベッソ100 (既出) 10.0部 キシレン 5.0部 ブタノール 3.0部 次いで実施例1と同様にして希釈した。この着色クリヤ
ートップコートを錫箔上に乾燥膜厚が30μm となる様に
エアースプレー塗装し、140 ℃の温度で30分間加熱して
硬化した後、水銀アマルガム法で単離フィルムを作成し
た。この単離フィルムの透過率を日立製自記分光光度計
u−2000を用いて波長400 ナノメートルから700 ナノメ
ートルの波長範囲で測定したところ、平均透過率は48%
であった。
【0025】(3) 複層塗膜の作成と測色 中塗り塗装を施したテストパネルにベースコートを、乾
燥後の膜厚が15μm となる様にエアースプレー塗装し
た。室温にて5分間セッティングした後、着色クリヤー
トップコートを、テストパネルの1/3 ずつ、着色クリヤ
ートップコートの膜厚が25μm 、30μm 、35μm となる
様に、エーアスプレー塗装して段塗りした。着色クリヤ
ートップコート塗装後、140 ℃の温度で30分間加熱して
ベースコートと着色クリヤートップコートとを同時に硬
化した。このテストパネルの着色クリヤトップコートの
各膜厚毎に、ミノルタCR231 色差計を用いて測色して、
30μm を基準にして色差ΔEを測定したところ、表1に
示す様にΔE値は2.0 以下であって、着色クリヤートッ
プコートの膜厚変動による色調変動が肉眼でもほとんど
認められかった。また、この複層塗膜は従来のレッドメ
タリックに比べ、鮮明で深みのある色調であった。
【0026】実施例3 (1) 着色クリヤートップコートの製造 以下の成分をボールミルのベッセル中に入れ、40時間分
散した。 アクリル樹脂B 10.0部 クロモファインマゼンダ6891N(既出) 0.2部 酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル 2.0部 キシレン 2.0部 このペーストに以下の成分を加えてレッドクリヤートッ
プコートを調製した。得られた着色クリヤートップコー
ト中の着色顔料は皮膜形成性バインダー100重量部に対
して0.5 重量部であった。 アクリル樹脂B 46.0部 スーパーベッカミンJ−820 −60(既出) 20.0部 チヌビン1130(既出) 1.0部 ソルベッソ100 (既出) 10.0部 キシレン 5.0部 ブタノール 3.0部 次いで実施例1と同様にして希釈した。この着色クリヤ
ートップコートを錫箔上に塗装して実施例1と同様にし
て、波長400 ナノメートルから700ナノメートルの範囲
での平均透過率を測定したところ、86%であった。
【0027】(2) 複層塗膜の作成と測色 ベースコートを実施例2で製造したものを用い、実施例
1と同様にして着色クリヤートップコートの膜厚が25μ
m 、30μm 、35μm の3段階であるテストパネルを作成
して、30μm を基準にした時の色差ΔEを測定したとこ
ろ、ΔE値は2.0 以下であって、着色クリヤートップコ
ートの膜厚変動による色調変動が肉眼でもほとんど認め
られなかった。また、この複層塗膜は従来のレッドメタ
リックに比べ鮮明で深みのある色調であった。
【0028】実施例4 (1) ベースコートの製造 以下の成分をボールミルのベッセルに入れ、48時間分散
した。 アクリル樹脂A 10.0部 リオノーブル−ESP−S 1.5部 (東洋インキ工業(株)製、青色有機顔料、商品名) ペリンドバイオレットV−4047 1.0部 (バイエル社製、バイオレット有機顔料、商品名) カーボンブラックFW−200 0.2部 (デグサ社製、カーボンブラック、商品名) 酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル 2.0部 キシレン 2.0部 このペーストに以下の成分を加えて、ブルーメタリック
ベースコートを調製した。得られたベースコート中の着
色顔料、メタリック粉末の量は皮膜形成性バインダー10
0 重量部に対してそれぞれ6.4 重量部、4.7 重量部であ
った。 アクリル樹脂A 56.0部 スーパーベッカミンJ−820 −60 (既出) 14.0部 エクステリヤーハイライトブルー 2.0部 (マール社製、ブルーパール顔料、商品名) サンドバー3206(既出) 0.5部 CAB381−0.5 (既出) 1.0部 酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル 5.0部 酢酸エチル 4.8部 次いで、実施例1のベースコートと同様にして希釈し
た。このものをブリキ板に乾燥後の膜厚が15μm となる
様にエアースプレー塗装し、140℃の温度で30分間加熱
硬化した後、ミノルタ製CR−231 色差計で測色したとこ
ろ、このベースコートの明度は、21.5であった。
【0029】(2) 着色クリヤートップコートの製造 以下の成分をボールミルのベッセルに入れ、48時間分散
した。 アクリル樹脂B 10.0部 シャニンブルーG−314 0.5部 (山陽色素(株)製、青色有機顔料、商品名) 酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル 2.0部 キシレン 2.0部 このペーストに以下の成分を加えてブルークリヤートッ
プコートを調製した。得られた着色クリヤートップコー
ト中の着色顔料は皮膜形成性バインダー100重量部に対
して1.3 重量部であった。 アクリル樹脂B 46.0部 スーパーベッカミンJ−820 −60 (既出) 20.0部 チヌビン1120 (既出) 1.0部 ソルベッソ100 (既出) 10.0部 キシレン 5.0部 ブタノール 3.5部 次いで実施例1と同様にして希釈した。この着色クリヤ
ートップコートを錫箔上に塗装し、実施例1と同様にし
て波長400 ナノメートルから700 ナノメートルの範囲で
の平均透過率を測定したところ、63%であった。
【0030】(3) 複層塗膜の作成と測色 実施例1と同様にしてベースコートと着色クリヤートッ
プコートとからなる複層塗膜を作成し、着色クリヤート
ップコートの膜厚30μm を基準として色差ΔEを測定し
たところ、ΔE値は2.0 以下であって、着色クリヤート
ップコートの膜厚変動による色調変動が肉眼でもほとん
ど認められなかった。また、この複層塗膜は従来のメタ
リックに比べ、色彩が鮮明で深みのある色調であった。
【0031】比較例1 (1) ベースコートの製造 実施例1と同様にして、以下の成分でレッドペーストを
製造した。 アクリル樹脂A 28.0部 パーマネントカーミンBST(既出) 4.0部 酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル 3.0部 キシレン 3.0部 このペーストに以下の成分を加えてレッドメタリックベ
ースコートを調製した。得られたベースコート中の着色
顔料、メタリック粉末の量は皮膜形成性バインダー100
重量部に対してそれぞれ9.4 重量部、8.2 重量部であっ
た。 アクリル樹脂A 38.5部 スーパーベッカミンJ−820 −60 (既出) 14.0部 SAP561EA (既出) 3.5部 サンドバー3206 (既出) 0.5部 CAB381−0.5 (既出) 1.0部 酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル 2.0部 酢酸エチル 2.5部 次いで実施例1のベースコートと同様にして希釈した。
このものを、ブリキ板に、乾燥後の膜厚が15μm となる
様にエアースプレー塗装し、140 ℃の温度で30分間加熱
して硬化した後、ミノルタ製CR−231 色差計で測色した
ところ、このベースコートの明度は、43であった。
【0032】(2) 複層塗膜の作成と測色 中塗り塗装を施したテストパネルにベースコートを乾燥
後の膜厚が15μm になる様にエアースプレー塗装した。
室温にて5分間セッティングした後、実施例1と同じ着
色クリヤートップコートを、テストパネルの1/3 ずつ、
着色クリヤートップコートの膜厚が25μm 、30μm 、35
μm となる様にエアースプレー塗装して段塗りした。着
色クリヤートップコート塗装後、140 ℃の温度で30分間
加熱してベースコートと着色クリヤートップコートとを
同時に硬化した。このテストパネルの着色クリヤートッ
プコートの各膜厚毎にミノルタ製CR−231 色差計を用い
て色差ΔEを測定したところ、表1に示す様にΔE値は
5.0 を越えており、着色クリヤートップコートの膜厚変
動により色調が大きく変動し、実用的でなかった。
【0033】比較例2 (1) 着色クリヤートップコートの製造 以下の成分をボールミルのベッセルに入れ、48時間分散
した。 アクリル樹脂B 10.0部 クロムフタルレッドA3B(既出) 2.0部 酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル 2.0部 キシレン 2.0部 このペーストに以下の成分を加えてレッドクリヤートッ
プコートを調製した。得られた着色クリヤートップコー
ト中の着色顔料は皮膜形成性バインダー100重量部に対
して5重量部であった。 アクリル樹脂B 46.0部 スーパーベッカミンJ−820 −60(既出) 20.0部 チヌビン1130 (既出) 1.0部 ソルベッソ100 (既出) 10.0部 キシレン 4.0部 ブタノール 3.0部 次いで実施例1と同様にして希釈した。この着色クリヤ
ートップコートを錫箔上に塗装し、実施例1と同様にし
て波長400 ナノメートルから700 ナノメートルの範囲で
の平均透過率を測定したところ、21%であった。
【0034】(2) 複層塗膜の作成と測色 実施例1のベースコートを用い、実施例1と同様にして
ベースコートと着色クリヤートップコートとからなる複
層塗膜を作成したところ、得られた塗膜はベースコート
の光輝感が全く感じられず、単純なソリッドカラー調の
塗膜であり、新規性がなかった。
【0035】比較例3 (1) 着色クリヤートップコートの製造 以下の成分をボールミルのベッセルに入れ、48時間分散
した。 アクリル樹脂B 10.0部 クロムフタレッドA3B(既出) 0.1部 酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル 2.0部 キシレン 2.0部 このペーストに以下の成分を加えてレッドクリヤートッ
プコートを調製した。得られた着色クリヤートップコー
ト中の着色顔料は皮膜形成性バインダー100重量部に対
して0.3 重量部であった。 アクリル樹脂B 46.0部 スーパーベッカミンJ−820 −60(既出) 20.0部 チヌビン1130 (既出) 1.0部 ソルベッソ100 (既出) 10.0部 キシレン 5.0部 ブタノール 3.9部 次いで実施例1と同様にして希釈した。この着色クリヤ
ートップコートを錫箔上に塗装し、実施例1と同様にし
て波長400 ナノメートルから700 ナノメートルの範囲で
の平均透過率を測定したところ、94%であった。
【0036】(2) 複層塗膜の作成と測色 実施例1のベースコートを用い、実施例1と同様にして
ベースコートと着色クリヤートップコートとからなる複
層塗膜を作成したところ、得られた塗膜は通常のレッド
メタリックと差がなく、ベースコートの色調と着色クリ
ヤートップコートの色調との相互作用による鮮明性、深
み感がなかった。
【0037】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 敏夫 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)発明者 中筋 英樹 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)発明者 斉藤 智好 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−160169(JP,A) 特開 昭61−129071(JP,A) 特開 平1−215380(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色顔料とメタリック粉末を含有するメ
    タリックベースコートと、着色顔料を含有する着色クリ
    ヤートップコートよりなる複層着色塗膜であって、着色
    クリヤートップコートの光透過率が、波長400 ナノメー
    トルから700ナノメートルの波長範囲において、膜厚30
    μm の厚さのフィルムの透過率を測定した時の平均透過
    率で表わして30%〜90%の範囲であり、かつベースコー
    ト塗膜の明度が、L値で表わして30以下であることを特
    徴とする複層着色塗膜。
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