JP2013540071A - 車両シート特に自動車シート - Google Patents

Abstract

シート部品と、負荷支承構造物としてまわり全体に延びるバックレストフレーム（４ａ）が設けられたバックレストとを有する車両シート特に自動車シートにおいて、バックレストフレーム（４ａ）は、一の下横材（４ｂ）、２つの側方部品（４ｄ）、及び一の上横材（４ｅ）を有する。バックレストは、バックレストフレーム（４ａ）に取り付けられた少なくとも一つの継手（１０）によって、シート部品に対して枢動可能である。少なくとも一つのコーナー片（４ｃ）がバックレストフレーム（４ａ）の一部として設けられる。コーナー片（４ｃ）は、下横材（４ｂ）を側方部品（４ｄ）の一方に接続する。継手（１０）がコーナー片（４ｃ）に取り付けられる。

Description

本発明は、請求項１のプリアンブルに係る特徴を有する車両シートに関する。

このタイプの周知の車両シートの場合、バックレストフレームは、いずれの場合も横材によって頂部及び底部が接続される２つの側方部品を有する。その結果、バックレストフレームは周囲が閉じられる。バックレストをシート部品に対して枢動可能とする２つの継手がいずれの場合も、側方部品に締結される。側方部品は、前記側方部品が特別な材料からなる場合、変形することが制限される。加えて、継手は、その異なる機能ゆえに、異なるツールを必要とする複数の異形種が形成される。

独国特許出願公開第１０２００８０３８８５１（Ａ１）号明細書 独国特許出願公開第１９６１３１６４（Ａ１）号明細書 独国特許出願公開第１９５１４９４１（Ａ１）号明細書 米国特許出願公開第２００４／２２７３８９（Ａ１）号明細書

本発明は、最初に記載したタイプの車両シートを改良することを課題とする。この課題は、本発明によれば、請求項１に係る特徴を有する車両シートによって解決される。有利な改良点が従属項の主題である。

本発明に係るコーナー片は、バックレストフレームの一部である。すなわちバックレストフレームは、コーナー片なしに周囲が閉じられることがない。側方部品及び下横材は、直接接触することなく互いに離間される。これらは直接接続することなく、力の流れが生じるコーナー片によって離間される。コーナー片によりまず、側方部品を薄い高強度鋼から形成することができる。コーナー片を幾何学的に大きく変形させることができるため、過剰に変形させる必要がなくなるからである。加えて、コーナー片が、バックレストフレームと継手との交差部を支配するので、周知の継手の場合、当該交差部が側方部品上に設けられることにより、当該継手を考慮せずに側方部品を形成することができる。したがって、異形種の形成を伴うバックレストフレームの場合、製造コストが低減される。大きな寸法を有するツールを必要とする側方部品の場合に特に当てはまる。

コーナー片に起因して、継手に対して異形種の形成を与えることができる。継手の様々な異形種の異なる（幾何学的）寸法を、コーナー片の様々な異形種によって補償することができる。そして、このためコーナー片及び継手を含むサブ組み付け体は、側方部品との及び下横材との交差部を有する。前記交差部は、当該異形種から独立している。

コーナー片はまた、バックレストフレームの長手方向の延びに対する異形種の形成を許容する。側方部品は同じ部品のままであるが、コーナー片によって異なる範囲まで延びる。

コーナー片及び継手の異形種の形成にもかかわらず、接続部は類似するので、異なるバックレストフレームにおいても同じ又は類似の負荷束が生じる。

図面に例示される実施例を参照して、本発明が以下に詳細に説明される。

バックレストの構造物の分解図を示す。 ｙ方向に異なる寸法を有する２つの継手及びこれらに整合するコーナー片の側面図を示す。 サブ組み付け体の部分斜視図を示す。 車両シートの概略的側面図を示す。

自動車用車両シート１は、シート部品３と、シート部品３に対して枢動可能なバックレスト４とを有する。自動車の移動方向及び自動車内の車両シート１の慣習的配列が、以下に使用される方向詳細を画定する。操縦方向に直交しかつ水平に延びる方向を軸方向ｙと称する。

バックレスト４は、公知の方法で覆いが張られ、バックレストフレーム４ａを有する。バックレストフレーム４ａは、支持構造物としてバックレスト４のまわりに延びるように形成される。バックレストフレーム４ａは下横材４ｂを有する。下横材４ｂは、軸方向ｙにおいて操縦方向に直交しかつ水平に延びる。下横材４ｂは、例えばＵ字形状の輪郭とされ、上方が開いている。以下で詳細に説明されるコーナー片４ｃが、下横材４ｂの両端に締結される。側方部品４ｄが２つのコーナー片４ｃのそれぞれに締結されるので、コーナー片４ｃは、下横材４ｂと側方部品４ｄの一つとの双方に締結されてこれらを互いに接続する。上方に突出する側方部品４ｄには好ましくは、内側を向いて上方に先細な周縁が設けられる。上横材４ｅは下横材４ｂと平行に延び、両端が側方部品４ｄの上端に締結される。したがって、横材４ｂ、４ｅ、側方部品４ｄ、及びコーナー片４ｃがバックレストフレーム４ａを形成する。

バックレスト４はシート部品３に対し、軸方向ｙに延びる枢動軸まわりに枢動可能である。バックレスト４は、様々な使用位置間で傾斜調整可能であるのが好ましく、オプションとして、後部シート列へのアクセスを容易にすることが意図される場合、自由に枢動可能である（２ドア又は３ドア自動車シートの場合）。バックレスト４の傾斜を調整するべく、シート部品３及びバックレスト４間の移行領域に軸方向ｙに配列される駆動シャフト７が、例えばハンドホイール５によって手動回転され又は例えば電気モータによってモータ回転される。オプションとして与えられるバックレスト４の自由枢動を目的として、バックレスト４の側部にあるハンドレバー８が手動で作動される。車両シート１の両側部において、駆動シャフト７が、結合回転するべく継手１０に係合する。継手１０によってバックレスト４はシート部品３に接続され、これに対して回転可能となる。

２つの同じ又は鏡像の継手１０が設けられるのが好ましい。これらはそれぞれ、２つの車両シート側部の一方に正確に配列されてバックレストフレーム４ａに締結される。一変形例では、車両シートの一側部上にある一つの継手１０が、車両シートの他側部上の単純な回転接合部に正確に結合される。継手１０は、少なくとも一つの第１継手部品１１と一つの第２継手部品１２とを有する。これらは互いに対して回転可能である。継手１０は例えば、歯車継手として構成することができる。したがって、好ましくは、繰り返し回転する駆動シャフト７が、本実施例の場合自己ロック式の偏心エピサイクリック歯車を駆動する。これは、例えば独国特許出願公開第４４３６１０１（Ａ１）号明細書又は独国実用新案出願公開第２０２００９０１７８１１（Ｕ１）号明細書に記載され、これらの開示はこの点において明示的に組み入れられる。継手１０はまた、ラッチ継手として構成することもできる。したがって、小さな回転によって駆動シャフト７が、ばね付勢に対抗して継手１０内部に包含されるボルトを引き出す。これは、例えば独国特許第１０２００６０１５５６０（Ｂ３）号明細書に記載され、これの開示はこの点において明示的に組み入れられる。自由枢動を目的として、継手１０は、自由枢動ユニットの形態で追加的ロックを有し得る。これは、例えば米国特許第７，５７１，９６２（Ｂ２）号明細書に記載され、これの開示はこの点において明示的に組み入れられる。一代替例として、継手１０は、２つの個別継手からなることもできる。個別継手の一方が傾斜調整機能を果たし、他方が自由枢動機能を果たす。これは、例えば欧州特許第１７９９４９９（Ｂ１）号明細書に記載され、これの開示はこの点において明示的に組み入れられる。

継手１０は、その機能に応じて（車両シート１の）複数の異形種を形成する。バックレスト４の組み付け中において、これらの異形種から継手を選択することができる。継手１０の異形種は通常、異なる構成空間量を必要とする。本実施例の場合、継手１０とシート部品３との交差部は、同じままに維持されることが意図されるので、バックレスト４の異形種の形成が制限される。前記異形種の形成によってバックレスト４の製造コストが急激に上昇することを回避するべく、本発明によれば、同じ部品が可能な限り多く使用されてバックレストフレーム４ａ、すなわち２つの横材４ｂ及び４ｅ並びに２つの側方部品４ｄが形成される。これらはすべて、使用される継手１０から独立している。これは、薄い（０．８ｍｍ）高強度鋼板からパンチングされて限られた範囲で変形される側方部品４ｄであって、そのサイズゆえに高価なツールを必要とする側方部品４ｄにとって特に有利である。

本発明によれば、コーナー片４ｃだけが、継手１０に対しその異形種に応じて整合される。すなわち、継手１０の寸法に調和される。各継手１０がコーナー片４ｃの一つに締結される。コーナー片４ｃは、材料厚さが厚い鋼からパンチングされかつ変形され得る。高強度の側方部品４ｄの場合よりも大きな変形が可能である。コーナー片４ｃは、対応する継手１０の２つの継手部品１１又は１２の一方に接続される。これを目的として、コーナー片４ｃは開口を有するのが好ましい。当該開口は、対応継手部品１１又は１２の外側において形状嵌めとなるように肩部等を受け入れる。そしてコーナー片４ｃ及び継手１０は、特にレーザ溶接によって、好ましくは当該開口の周縁及び／又は対応継手部品１１又は１２の肩部の周縁に沿って互いに溶接される。コーナー片４ｃには、軸方向ｙ内向きの周縁が設けられるのが好ましい。当該周縁は、外側エッジが対応側方部品４ｄの頂部にかつ下横材４ｂの内側に当接し、好ましくは重なり、これらの場所で溶接される。コーナー片４ｃの異なる継手１０への適合部は、軸方向ｙにおける段部であり得る。当該段部は、継手１０の特定の軸方向寸法を、すなわちここでは軸方向ｙの寸法を補償するが、側方部品４ｄ及び下横材４ｂとの交差部、すなわちコーナー片４ｃ周縁の外側エッジの位置を同じままに維持する。

継手１０は、コーナー片４ｃに締結されてない継手部品１２又は１１に、シート部品アダプタ３ａによって接続される。シート部品アダプタ３ａは開口を有するのが好ましい。当該開口は、対応継手部品１２又は１１の外側において形状嵌めとなるように肩部等を受け入れる。そしてシート部品アダプタ３ａ及び継手１０は、特にレーザ溶接によって互いに溶接される。これは、好ましくは、開口の周縁及び／又は対応継手部品１２又は１１の肩部の周縁に沿って行われる。シート部品アダプタ３ａは、その異形種の形成に対して同じ部品とされ得るか又は継手１０の機能に対しその異形種に応じて適合される。

バックレスト４を組み付けるシーケンスについては様々なオプションが存在する。好ましいのは、第１ステップにおいて、選択された継手１０が、これに整合するように選択されたコーナー片４ｃに及びシート部品アダプタ３ａに締結され、その後第２ステップにおいて、このサブ組み付け体が対応側方部品４ｄに締結される。このようにして得られたサブ組み付け体が、第４ステップにおいて、これの鏡像相補体に並びに２つの横材４ｂ及び４ｅに接続され、バックレスト４のフレーム形状構造物が得られる。代替的に、第２ステップにおいて、コーナー片４ｂ、継手１０、及びシート部品アダプタ３ａからなる２つの鏡像サブアセンブリが下横材４ｂに接続された後、第３ステップにおいて、このようにして得られたサブ組み付け体が、２つの側方部品４ｄに及び上横材４ｅに接続され、バックレスト４のフレーム形状構造物が得られる。

１ 車両シート
３ シート部品
３ａ シート部品アダプタ
４ バックレスト
４ａ バックレストフレーム
４ｂ 下横材
４ｃ コーナー片
４ｄ 側方部品
４ｅ 上横材
５ ハンドホイール
７ 駆動シャフト
８ ハンドレバー
１０ 継手
１１ 第１継手部品
１２ 第２継手部品
ｙ ｙ方向

Claims (10)

1. 車両シート（１）特に自動車シートであって、
   シート部品（３）及びバックレスト（４）を含み、
   前記バックレスト（４）にはバックレストフレーム（４ａ）が設けられ、
   前記バックレストフレーム（４ａ）は、前記バックレスト（４）まわりに延びるように形成されかつ支持構造物の形態にあり、並びに下横材（４ｂ）、２つの側方部品（４ｄ）、及び上横材（４ｅ）を有し、
   前記バックレストは、前記バックレストフレーム（４ａ）に締結された少なくとも一つの継手（１０）によって前記シート部品（３）に対して枢動可能であり、少なくとも一つのコーナー片（４ｃ）が前記バックレストフレーム（４ａ）の一部として設けられ、
   前記コーナー片は、前記下横材（４ｂ）を前記側方部品（４ｄ）の一方に接続し、前記継手（１０）が前記コーナー片（４ｃ）に締結される車両シート。
2. 前記継手（１０）を前記シート部品（３）の支持構造物に接続するべく、少なくとも一つのシート部品アダプタ（３ａ）が設けられる、請求項１に記載の車両シート。
3. 前記継手（１０）は、互いに対して回転可能な少なくとも２つの継手部品（１１、１２）を有し、
   前記継手部品の一方が前記シート部品アダプタ（３ａ）に締結されかつ他方が前記コーナー片（４ｃ）に締結されてサブ組み付け体が形成される、請求項２に記載の車両シート。
4. 前記継手（１０）の機能が選択されて複数の異形種が形成され、前記異形種に応じて前記コーナー片（４ｃ）が前記継手（１０）に整合される、請求項１から３のいずれか一項に記載の車両シート。
5. 前記継手（１０）は、前記異形種に応じて異なる寸法を、特に軸方向（ｙ）において有する、請求項４に記載の車両シート。
6. 前記コーナー片（４ｃ）は前記異形種に応じて異なる前記継手（１０）の寸法を補償するが、前記側方部品（４ｄ）との及び前記下横材（４ｂ）との交差部が維持される、請求項５に記載の車両シート。
7. 前記コーナー片（４ｃ）は軸方向（ｙ）に段部を有する、請求項１から６のいずれか一項に記載の車両シート。
8. 前記バックレスト（４）はいずれの場合も、各側方部品（４ｄ）と前記下横材（４ｂ）との間にある車両シートの両側部に、コーナー片（４ｃ）及びこれに締結された継手（１０）を有する、請求項１から７のいずれか一項に記載の車両シート。
9. 請求項１から８に記載の車両シート（１）を組み付ける方法であって、
   前記バックレスト（４）の組み付け中に、
   前記継手（１０）が複数の異形種から選択され、
   前記コーナー片（４ｃ）は前記継手（１０）の選択された前記異形種に応じて選択され、
   前記異形種に応じて異なる前記継手（１０）の寸法が補償され、
   前記異形種のすべてに対する同じ部品が側方部品（４ｄ）及び横材（４ｂ、４ｅ）として使用される方法。
10. 前記バックレスト（４）の組み付け中に、前記継手（１０）が前記コーナー片（４ｃ）に及びシート部品アダプタ（３ａ）に接続されてサブ組み付け体が形成され、好ましくは、前記サブ組み付け体は対応する前記側方部品（４ｄ）に接続される、請求項９に記載の方法。

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