JP2013530697A - ワックス包埋サンプルからの核酸抽出 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ワックス包埋サンプルから核酸を抽出するための方法、架橋ワックス包埋サンプルから核酸を抽出、単離および/または精製するための方法においてワックス包埋サンプルからワックスを除去するための特定の溶媒の使用、ならびにワックス包埋サンプルから核酸を抽出、単離および/または精製するためのキットに関する。本発明において、脱パラフィンされたワックス包埋サンプルの溶解が、ワックス可溶化剤および可溶化されたワックスを依然として含む二相系または多相系において、溶解の結果を損なうことなく達成され得るということが見出された。したがって、面倒な洗浄工程も、夾雑物を捕捉するためのレジンも、必要ない。

Description

本発明は、ワックス包埋サンプルから核酸を抽出するための方法、架橋ワックス包埋サンプルから核酸を抽出、単離、および/または精製するための方法においてワックス包埋サンプルからワックスを除去するための特定の溶媒の使用、ならびにワックス包埋サンプルから核酸を抽出、単離、および/または精製するためのキットに関する。
生存している生物から生物学的材料を取り出す際(例えば、組織、そのフラグメントまたは単離された細胞)、例えば、栄養培地中でのインキュベーションなどの通例の措置が行われない場合、それらは間もなく死亡する。死んだ細胞は、さらに、急速に、初期の自己溶解性−発酵性の腐敗、次いで、細菌による腐敗を受け、それにより、元の組織内細胞構造が破壊される。ゆえに、サンプルの組織学的検査を想定している場合、その腐敗を抑制するために、取り出された生物学的サンプルを固定する必要がある。固定は、生物学的構造を生きているような様式で実質的に保存することを目的としており、その結果、「真の評価」が可能となる。固定のさらなる利点は、検体を資料として長時間保管することができるという点である。さらに、多くの形態学的調査は、固定された材料に基づいてのみ可能である。
固定は、通常、沈殿化合物または架橋化合物(例えば、酸、アルコール、ケトンまたはアルデヒド、特に、ホルムアルデヒド(通常、4〜10重量%または35重量%水性溶液の形態で使用される(この両方が「ホルマリン」と呼ばれる))を用いて行われ、通常、その後、固定された材料をワックス、通常、パラフィンに包埋する(いわゆる「ホルマリン固定パラフィン包埋」(FFPE)材料)工程が行われる。包埋媒体の主な目的は、顕微鏡的および/または組織化学的な用途のために自然状態で検体を切片にしてマウントするのを可能にすることである。しかしながら、多くの用途では、例えば、サンプルの組織学的染色の前に、包埋媒体をサンプルから除去することが必要であるか、または除去することが少なくとも都合がよい。
慣習的に、脱パラフィンは、トルエン、および特に、キシレンなどの芳香族溶媒の使用を含む。代表的には、新鮮なスライス、または顕微鏡用スライドにマウントされた検体を、パラフィンが可溶化されるまで、キシレン浴に浸漬する。その後の工程では、脱パラフィンされた検体を、アルコール濃度を下げていった一連のアルコール溶液によって洗浄してキシレンを除去し、その後、水を用いて最後の洗浄して、水性の反応物/試薬溶液(例えば、溶解緩衝液または染色溶液等)がサンプルに接近できるようにする。しかしながら、キシレンは、引火性、揮発性および毒性の有機溶媒である。このため、過去数年間、キシレンを、より毒性が低い脱パラフィン剤で置き換える努力が相当行われている。組織化学的用途においてキシレンに置き換わるものの例としては、テルペン油(例えば、d−リモネン)、イソパラフィン炭化水素または水性の食器洗い用せっけん溶液が挙げられる(非特許文献1)。
これらの脱パラフィン剤のいくつかは、より毒性が低いかまたは無毒性でさえありつつ、ワックスの除去に関してキシレンと同等に機能する。しかしながら、多くの場合、ほとんどのタイプの免疫組織化学的染色との適合性を達成するために、水洗浄の前に溶媒/脱パラフィン剤を除去するために、一連のアルコール洗浄が依然として必要である。生体分子に関する技術の進歩に伴い、ワックス包埋サンプルの光学顕微鏡的検査だけでなく、ワックス包埋サンプル、特にFFPEサンプルから収集されたDNAとRNAの両方の核酸の分析も、ますます重要になってきている。そのようなサンプルから収集された核酸は、その後、高感度の技術(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)等)を用いて分析され得る。しかしながら、免疫組織化学的染色の代わりに、またはそれに加えて、ワックス包埋サンプルからの核酸の抽出が想定される場合、その後の核酸の濃縮、精製、単離および/もしくは分析の任意の工程に脱パラフィン剤が干渉しないこと、または脱パラフィン剤が脱パラフィン後のサンプルから完全に除去され得ることが非常に重要である。
FFPEサンプルから核酸を取り出す場合、上記サンプルは、通常、キシレンを用いて脱蝋され、同様にアルコール濃度を下げながらアルコール溶液で数回洗浄された後、適切な消化緩衝液中で溶解される。核酸は、その後の工程において、通常、有機抽出法(例えば、フェノール/クロロホルム抽出)を用いてこれらの緩衝液から単離され、必要に応じて、例えば、エタノールまたはイソプロパノールを用いた沈殿によってさらに濃縮される。
例えば、グアニジニウムチオシアネートを含む、カオトロピック消化緩衝液が使用される場合、あるいは、消化/溶解工程の後にサンプルにカオトロープが加えられる場合、核酸に選択的に結合する固相(例えば、シリカ膜またはガラスビーズ等)を用いることによっても核酸は単離され得、ゆえに、有毒な溶媒を用いた上述の液体/液体抽出手順が回避される。一方で、カオトロピック物質も同様に、毒性であると考えられている。
有毒な物質の量、ならびに洗浄工程の回数を最小限にするための、DNAおよびRNAを含む核酸を単離するための商業的に入手可能なキットがいくつか開発されており、脱パラフィン剤として例えばテルペンを備えるキットも入手可能であるが、それらのキットのほとんどは、脱パラフィン剤としてキシレンを使用している(非特許文献2)。TrimGen(Sparks,Maryland,USA)製の商業的に入手可能なワックス非含有パラフィンサンプル調製キットでは、別のアプローチが使用されている。専売溶液を用いてワックスを除去した後、特別なレジンおよび酵素混合物をサンプルに加える。その酵素混合物がサンプルを消化し、潜在的なPCRインヒビターがそのレジンに結合され、そのレジンは、PCRによる増幅の前にサンプルから容易に除去することができる。
R.J.Buesa,M.V.Peshov,Annals of Diagnostic Pathology 2009,13,246〜256 J.B.A.Okello Analytical Biochemistry 2010,400(1),110〜117
このキットは、FFPE組織から収集された核酸のPCRベースの増幅では良好な結果をもたらし得るが、その方法は、他のその後の分析手順には好適ではない可能性がある。さらに、そのレジンは、上記消化混合物および上記脱蝋溶液に存在する特定の成分に適合させられている。ゆえに、そのキットは、任意の溶解緩衝液と組み合わせて使用することができない。
それゆえ、本発明によって解決される問題は、有毒な脱パラフィン剤も、面倒な洗浄工程も、サンプルから夾雑物またはPCRインヒビターを捕捉するために特別に適合させたレジンも必要としない、ワックス包埋サンプルから核酸を抽出するための方法を提供することだった。
この目的は、本発明の方法によって満たされる。驚いたことに、脱パラフィンされた、先のワックス包埋サンプルの溶解が、ワックス可溶化剤および可溶化されたワックスを依然として含む二相系または多相系において、溶解の結果を損なうことなく達成され得るということが見出された。したがって、面倒な洗浄工程も、夾雑物を捕捉するためのレジンも、必要ない。
したがって、本発明は、ワックス包埋サンプルから核酸を抽出するための方法を提供し、この方法は:
1.水と不混和性の少なくとも1つの有機溶媒を含むワックス可溶化剤とサンプルとを接触させる工程、
2.工程1において得られた混合物を必要に応じてインキュベートする工程、
3.依然としてワックス可溶化剤を含む混合物に水性溶解緩衝液を加える工程、
4.工程3において得られた混合物をインキュベートすることにより、少なくとも有機相および水相を含む二相混合物または多相混合物を得る工程(上記有機相は、溶けたワックスおよびワックス可溶化剤を本質的に含み、上記水相は、核酸を含む)
を包含し、ここで、工程2が省略される場合、工程1および工程3は1つの組み合わされた工程としてもまた行われ得る。
上記方法は、任意の工程として:
5.水相から有機相を分離する工程、ならびに/または
6.水相から核酸を単離、および/もしくは精製する工程
をさらに包含し得る。
本発明に関して、用語「ワックス包埋サンプル」は、例えば、組織化学的分析またはさらなる化学的分析および/もしくは生物学的分析のために、ワックスに包埋された任意の生物学的サンプルを含む。そのようなワックスは、通常、高級炭化水素の複合混合物からなり、さらなる成分(例えば、高級脂肪酸および/またはグリコールのエステルなど)を含み得る。そのワックスは、天然起源および/または合成起源のものであり得、サンプル包埋特性を高める添加物(例えば、DMSOまたは高級ポリオレフィン等)をさらに含み得る。好ましくは、そのワックスは、室温で固体の、主に飽和炭化水素の混合物であるパラフィンであり得る(代表的には石油の蒸留によって調製される)。どのタイプのパラフィン(いわゆる、高融点もしくは低融点パラフィンまたはそれらの混合物)が使用されるかとは無関係に、サンプルは、本発明の方法および/またはキットを用いて処理され得る。必要に応じて、パラフィンワックスは、例えば、ワックスの特定の特徴を改善するために、当該分野で公知の添加物(例えば、少量の有機ポリマーまたはDMSO等)を含み得る。
好ましくは、サンプルは、ホルマリン固定パラフィン包埋サンプルであり得、ここで、生物学的サンプルは、パラフィンに包埋される工程の前に、ホルムアルデヒドを用いて固定される。その生物学的サンプルは、生物体全体、生物の一部、特に、ヒト、動物もしくは植物が起源である組織フラグメントもしくは組織切片、または微生物(例えば、細菌、ウイルスまたは真菌)であり得る。細胞培養物から単離され包埋された細胞も同様に使用され得る。
溶解緩衝液(工程3)として、細胞含有材料中の細胞を溶解する/破壊することができる任意の水性溶液が使用され得、これにより、単離される核酸を破壊することなく核酸を溶液中に放出する。本発明の方法において使用され得る多くの水性消化緩衝液が、当該分野で公知である。包埋されたサンプルが固定されたサンプル、例えば、ホルマリン固定サンプルである場合、上記消化緩衝液は、サンプル中の架橋数を減少させるために、当該分野で公知の追加の成分を含んでもよい。しかしながら、約90℃というインキュベーション温度が適用される場合、架橋数を減少させるための化合物が存在しなくても、工程4に記載のインキュベーション中に架橋が効率的に除去され得るので、溶解緩衝液中にそのような追加の成分が存在することは、必須ではない。
これらの溶解緩衝液は、一般に、水性溶液の形態でサンプルに適用されるので、溶解後、少なくとも1つの有機相(上記有機相は、溶けたワックスおよびワックス可溶化剤を本質的に含む)および水相(核酸(ならびに例えば、さらなる細胞成分)を含む)を含む多相混合物が得られる。ほとんどの場合、その多相混合物は、厳密に1つの有機相および厳密に1つの水相を含む二相混合物である。しかしながら、例えば、固相の存在下において溶解工程を同様に行うことが可能であり(その固相が、サンプルからのPCR阻害化合物を捕らえるように適合されていないという条件下で)、その場合、その混合物は、三相混合物とみなされ得る。また、ある種の「三相」混合物は、液体の水相と液体の有機相とを十分に混合した直後に観察されることがあり、その三相混合物は、先の2相および中間「相」を含み、上記先の2相のエマルジョンによって形成され、通常、混合を停止するとすぐさま分離する。さらに、溶解緩衝液に存在する化合物、そのpHおよび温度に応じて、サンプルの1つ以上の成分が、溶液から沈殿して、(さらなる)固相を形成し得る。
工程4に記載のように混合物をインキュベートした後、工程5では、有機相が必要に応じて水相から分離され得る。さらに、水相から核酸を単離および/または精製する工程が、本発明の方法に含められ得る(工程6)。
本発明の方法の大きな利点は、サンプルを脱蝋するために有毒な化学薬品が必要ないという点である。さらに、溶けたワックスをサンプルから分離するために、面倒な洗浄工程または特に適合させたレジンが必要ない。さらに、工程3において使用される溶解緩衝液、ならびに工程6に記載の、水相から核酸を単離および/または精製する任意の工程において使用される任意のさらなる試薬および手段が、幅広い方法および/または手段からほぼ自由に選択可能であり得、これは、サンプルの特定の要求に対して本方法を特別に適合させることができることを意味する。
ワックス可溶化剤は、好ましくは、無毒性であり得、水と不混和性の少なくとも1つの有機溶媒/化合物を含み得る。ワックス可溶化剤は、少なくともそれとサンプルとが接触するときは液体であり得る。好ましくは、上記溶媒は、直鎖状、分枝状および環状のC10〜C16アルカンまたはそれらの混合物を含む群から選択され得、より好ましくは、C13〜C16アルカンまたはそれらの混合物を含む群から選択され得、最も好ましくは、テトラデカン、ペンタデカンまたはヘキサデカンである。脱蝋するためにワックス包埋サンプルに適用される、純粋な形態または溶媒の混合物としての任意の溶媒の融点は、それぞれ好ましくは、室温(23±2℃)未満である。さらに、上記溶媒または溶媒の混合物は、水に可溶であるべきではなく、すなわち、0.01%(w/w)未満の水溶解性を有するべきであり、水と混和性であるべきではなく、すなわち、混合されたとき、水と均一な溶液を形成するべきではない。本明細書中で、用語「純粋な形態」とは、予め希釈されることなく、かつ/または他の溶媒と混合されることなく、ワックスを溶かすためにワックス包埋サンプルに適用される溶媒のことを指す。しかしながら、それは、溶媒ではないさらなる化合物の存在に関する特定の純度のグレードのことを指さない。溶媒が、純粋な形態でサンプルに適用される場合、その溶媒は、好ましくは、室温よりも低い融点を有する。しかしながら、室温より高い融点を有する「溶媒」が、室温(23±2℃)で液体である溶媒の混合物において存在する場合、その室温より高い融点を有する溶媒をワックス包埋サンプルに適用してもよい。
好ましくは、溶媒または溶媒の混合物は、150℃より高い、より好ましくは、200℃より高い、最も好ましくは、250℃より高い沸点を有する。150℃より高い沸点を有するワックス可溶化剤を選択することによって、サンプルのパラフィンが、いったん液化されると液体の状態のままとなり、ワックス可溶化剤の意図されない蒸発に起因して再度硬化しないことを容易に保証することができる。さらに、驚いたことに、上で述べられた有機溶媒またはそれらの混合物は、例えば、ヘキサンまたはヘプタンなどの低級アルカンの挙動とは対照的に、SDSのような洗浄剤の存在下でさえも、通常、工程3に記載の溶解緩衝液を加えた後に得られる水相と安定したエマルジョンを形成する傾向が非常に低いことが見出されている。さらに、上記溶媒のすべてが、室温において数秒以内に、またはせいぜい数分で(好ましくは、約15秒〜約15分で)、固形パラフィンを溶かすことができる。
水相と有機相との間の界面の光学的な検出を容易にするために、上記ワックス可溶化剤に可溶性であるが水に不溶性である色素/着色料をワックス可溶化剤中に含めてもよい(例えば、水に不溶性であるアントラキノン溶媒色素、例えば、「オイルグリーン(oil green)」として商業的に入手可能な1,4−ビス[(4−メチルフェニル)アミノ]−9,10−アントラセンジオン)。例えば、約30mlのワックス可溶化剤、例えば、ヘキサデカン中の約1mgもの少量の「オイルグリーン」(およそ0,003%(w/v)に等しい)が、水相の色を変化させずに有機相に強い色を与えるのに十分であり、それにより、相分離が有意に容易になる。
工程2に記載の、ワックス包埋サンプル中のワックス可溶化剤の混合物をインキュベートする工程は、15〜85℃、好ましくは、20〜55℃、より好ましくは、室温から35℃の範囲内の温度、最も好ましくは、室温において行われ得る。このインキュベーション工程が行われる場合、それは、好ましくは、1秒〜3時間、より好ましくは、10秒〜1時間、さらにより好ましくは、20秒〜30分間、最も好ましくは、30秒〜5分間にわたって継続され得る。同様に、ワックス可溶化剤および水性溶解緩衝液が、同時にまたは「ほぼ同時に」(すなわち、他方の直後に一方が、つまり、溶解緩衝液の直後に脱蝋剤が、またはその逆で)サンプルに適用され得る。この場合、本発明の方法の任意の工程2は省略され、工程1および3が、同時にまたは「ほぼ同時に」行われる。
本発明の方法では、水性溶解緩衝液が、ワックス可溶化剤と同時にまたは「ほぼ同時に」サンプルに加えられたとしても、低温において、非常に迅速かつ(ほぼ)定量的な様式で、包埋媒体がサンプルから除去され得るという点が、特に有益である。ゆえに、溶解の前の時間のかかる面倒な脱蝋工程および相分離工程が必要ない。
したがって、当該分野で公知のいくつかの方法とは対照的に、ワックスを除去するために、(特に、プロテイナーゼによって(まだ)不活性化されていない核酸消化酵素(例えば、RNaseおよびDNase)がサンプルに存在する場合)核酸の質および収量に悪影響を有し得る高い温度および/または長いインキュベーション時間は必要ない。水性溶解緩衝液は、包埋されたサンプルよりも迅速かつ効率的に、脱パラフィン化されたサンプルに浸透することができるので、溶解の前または溶解と同時のパラフィンの除去はまた、必要な溶解時間を短縮し、すなわち、より短い溶解時間および/またはより低い溶解温度が適用され得る。
しかしながら、水性溶解緩衝液を加える前に、サンプルをワックス可溶化剤と接触させてインキュベートする必要はない。そのうえ、ワックス可溶化剤および水性溶解緩衝液をサンプルに同時に加えてもよい。この場合、サンプルは、例えば、ボルテックスすること、実験室のシェーカー上で振盪すること、上下にピペット操作をすること(pipetting)などによって(これらに限定されない)、好ましくはそれらの相が十分に接触することを保証するように混合される。プロテアーゼなどの追加の化合物を同様に加えてもよい。
本発明の方法は、当該分野で公知の幅広い溶解緩衝液および溶解プロトコル(例えば、QIAamp FFPEキットに含められている緩衝液ATL、QIAsymphony DNAキットに含められている緩衝液P1(両方が、QIAGEN,Hilden,Germanyから入手可能)または緩衝液PBS)と組み合わせて使用することができる。その溶解緩衝液は、例えば、緩衝剤(好ましくは、Tris、Mops、Mes、Hepes、ホウ酸塩、リン酸塩および炭酸塩を含む群から選択される)および少なくとも1つの洗浄剤(好ましくは、非イオン洗浄剤、陰イオン洗浄剤、陽イオン洗浄剤および両性イオン洗浄剤を含む群から選択される)、またはそれらの混合物を含み得る。より好ましい洗浄剤は、陰イオン洗浄剤または両性イオン洗浄剤から選択される。最も好ましくは、溶解緩衝液は、陰イオン洗浄剤、最も好ましくは、ドデシル硫酸ナトリウムを含み得る。さらに、例えば、Triton X−114(Dow Chemical Co.,Midland,Michigan,USA)、Triton X−100(Dow Chemical Co.,Midland,Michigan,USA)またはTween20(Merck,Darmstadt,Germany)として商業的に入手可能な、置換フェノールまたは糖ポリエトキシレートなどの非イオン性界面活性物質、ならびに陽イオン性界面活性物質(例えば、四級アンモニウム界面活性物質、例えば、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)またはテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド(TTAB))が使用され得る。
溶解緩衝液は、1つ以上の追加の物質(好ましくは、キレート剤、還元剤、硫酸アンモニウムなどの無機塩、pH指示薬、およびアジ化ナトリウムなどの安定剤を含む群から選択される)を含み得る。好ましくは、溶解緩衝液は、4〜11、好ましくは、7〜10、最も好ましくは、8〜9の範囲内のpHを有し得る。
溶解緩衝液のほかに、タンパク分解剤が工程3において混合物に加えられ得る。そのタンパク分解剤は、同様に、工程3においてサンプルに加えられる溶解緩衝液に予め含められていてもよい。上記タンパク分解剤は、好ましくは、プロテアーゼおよび非酵素的タンパク分解性化合物を含む群から選択され得、好ましくは、プロテイナーゼK、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、ペプシン、プロナーゼ、エンドプロテイナーゼLys−C、ブロモシアン、組換えBacillusプロテアーゼ(例えば、QIAGENプロテアーゼLysozyme)またはそれらの混合物であり得る。
工程4に記載の、サンプルに水性溶解緩衝液を加えた後に得られた混合物をインキュベートする工程は、好ましくは、15〜95℃、好ましくは、20〜70℃、最も好ましくは、37〜65℃の範囲内(例えば、56℃)の温度において行われ得る。このインキュベーションは、好ましくは、30秒〜24時間、より好ましくは、45秒〜12時間、さらにより好ましくは50秒〜5時間、最も好ましくは、1分〜2時間にわたって行われ得る。しかしながら、インキュベーションの温度と時間の両方が、サンプルの種類、量および経過時間(age)、ならびに使用される溶解緩衝液によって変化し得る。このことは、当業者に周知であり、特に、最適な溶解条件は、インキュベーション時間および温度に関して、通例の実験を用いて当業者によって容易に決定され得る。多くの場合、「2工程インキュベーション」手順を行うことが好ましい場合もあり、まず、37〜65℃の範囲内の温度において、例えば、約1分〜約3時間にわたって、混合物をインキュベートし、次いで、必要に応じて水相から有機相を分離し、約90℃の温度において、例えば、約10分〜約5時間にわたって、水相をインキュベートする。水相から有機相を必要に応じて分離することは、90℃のインキュベーションがすでに行われたときにだけ行う場合もある。後者の場合は、水相の蒸発が減少する。
工程6に記載の、水相に含まれている核酸を単離および/または精製する工程は、好ましくは、少なくとも1つのクロマトグラフィーおよび/または固相ベースの方法(好ましくは、順相および逆相クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、三重らせんアフィニティークロマトグラフィーならびにカオトロープ非含有親和性結合(吸着)(結合剤によって媒介されるシリカまたはポリスチロールマトリックス/表面への吸着を含む)を含む群から選択される)を用いて行われ得る。あるいは、または追加的に、例えば、CTABなどの陽イオン性界面活性物質を用いて、核酸を選択的に沈殿させるか、または、例えば、硫酸アンモニウムを用いてタンパク質を沈殿させることによってサンプルに存在する不純物/望まれないさらなる化合物を選択的に沈殿させることによっても、核酸は精製され得る。
本発明に記載の二相または多相溶解手順は、当該分野で公知の核酸を単離および/または精製するための幅広い種々の手順(例えば、商業的に入手可能なQIAamp、AllPrep DNA/RNAおよびQIAsymphony組織キット(これらすべてQIAGEN,Hilden,Germany)に従った手順)と適合性がある。核酸を単離および/または精製するために使用される手順に応じて、溶けたワックスおよびワックス可溶化剤を含む有機相が、任意の工程5において水相から分離され得、その後、核酸を単離および/または精製するために、水相がさらに処理され得る。例えば、ビーズへの吸着、例えば、カオトロープによって媒介されるかまたはカオトロープによって媒介されないシリカビーズへの吸着が、水相から核酸を単離および/または精製するために使用される場合、先行する工程において水相から有機相を分離することは多くの場合において必要ない(特に、その混合物中にカオトロープが存在しない場合)。他方で、その混合物が、例えば、塩化グアニジニウムを含む場合、有機相が水相から分離されることが好都合であり得、その後、水相と固相とが接触させられ得る。ゲル濾過クロマトグラフィー工程を用いる方法では、カオトロープが水相に存在しなかったとしても、水相をクロマトグラフィーカラムに適用する工程の前に水相から有機相を除去することが有益であり得る。相分離中に失われる可能性のある水/緩衝液をクロマトグラフィーの前に補うために、水相を有機相から分離した後に、水相の体積を調節することおよび必要に応じて調整することが好ましい場合がある。
例えば、本発明に記載される二相系または多相系における溶解の原理を、同時係属中の出願の出願番号EP10003759.7、EP10003765.4およびEP10003766.2に記載されている溶解手順および/またはゲルクロマトグラフィー手順と組み合わせることが好ましい場合がある。本方法は、さらに、同時係属中の出願EP10003767.0に記載のRNA除去のための方法と組み合わされ得る。好ましいプロトコルにおいて、ワックス包埋サンプルは、本発明に記載のワックス可溶化剤、および適切な容積のEP10003759.7に記載の溶解緩衝液(少なくとも陰イオン界面活性物質、ならびに必要に応じて緩衝物質および/またはプロテイナーゼを含むが、キレート剤または錯化剤を本質的に含まない)と同時に混合され得る。パラフィンは、上に記載されたように、例えば、サンプルをワックス可溶化剤と接触させてボルテックスすること、および必要に応じて、例えば、好ましくは、約50〜65℃の温度において5〜15分間にわたって、その混合物をインキュベートすることによって、溶かされ得る。この時点において、水相および有機相は、所望であれば、例えば、慎重なピペット操作によって、例えば、下の水相を取り出すことによって、はやくも互いから分離され得る。サンプル中の細胞材料の溶解、およびサンプルのホルムアルデヒド固定に起因する架橋の除去は、好ましくは、約90℃の温度における、例えば、10〜60分間、好ましくは、15〜45分間、より好ましくは、25〜35分間にわたる第2インキュベーション工程によって完了し得る。溶解緩衝液は、好ましくは、陰イオン界面活性物質イオンを含み得、そのイオンは、工程4に記載のインキュベーション後、アルカリ金属の一価イオンおよび/またはアルカリ土類金属の二価イオン(好ましくは、Rb、Cs、Ca2+、Sr2+、Ba2+またはそれらの混合物を含む群から選択される)を用いた沈殿によって、サンプルから本質的に除去され得、その後、好ましくは、ゲル濾過クロマトグラフィーによって、水相から核酸が単離および/または精製され得る。水性サンプル溶液から陰イオン界面活性物質イオンを選択的に沈殿させる場合、アルカリ金属の一価イオンおよび/またはアルカリ土類金属の二価イオン(好ましくは、Rb、Cs、Ca2+、Sr2+、Ba2+またはそれらの混合物を含む群から選択される)を含む、EP10003765.4に記載されているような沈殿溶液が、サンプルに加えられ得る。沈殿物の形成の完全性を確実にするために、混合物は、必要に応じて、例えば、約−5〜5℃の温度において、約3〜20分間にわたって、インキュベートされ得る。
EP10003766.2に記載されているゲルクロマトグラフィーデバイスおよび方法、すなわち、およそ150〜500bpのサイズ排除限界を有するゲル形成ポリマーマトリックスを備えるクロマトグラフィーデバイスを用いて、上記混合物から、DNAが好ましくは単離され得(および同時に精製され得)、ここで、そのクロマトグラフィーデバイスは、好ましくは、いわゆるスピンカラムの形態であり得、溶出は、好ましくは、そのカラムを「回転させること」によって、すなわち、遠心分離によって溶出溶媒をカラムに通すことによって、行われ得る。この方法とデバイスとの組み合わせを用いると、高度に精製されたDNA、特に、塩およびさらなるインヒビター含量が非常に少ないgDNAが得られ、それは、さらなる処理工程(例えば、緩衝液交換)の必要なしに、PCR、ライゲーション、ハイブリダイゼーションなどの技術を含む下流の適用において直接使用され得る。
上で述べられた同時係属中の出願に対して行われる言及は、本発明の方法の例示的な適用として理解されるべきである。しかしながら、本発明の方法は、上で述べられた特定のプロトコルおよびデバイスと組み合わされるとは限定されず、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーおよびカオトロープ非含有親和性結合と組み合わせても同様に良好に行われ、それにより、優れた純度ならびに塩およびさらなるインヒビター含量が少ない高収量の核酸がもたらされ、それらは、上で述べられた下流の適用において直接使用することができる。
本発明に従って単離および/または精製される核酸は、好ましくは、リボ核酸(RNA)およびデオキシリボ核酸(desoxyribonucleic acid)(DNA)を含む群から選択され得る(真核生物、原核生物またはウイルス起源の天然に存在する核酸、組換え核酸および/または化学的もしくは生物工学的に操作された核酸(以下に限定されないが、gDNA、cDNA、rRNA、miRNA、siRNA、piRNA、snRNA、LNA(ロックト(locked)核酸)、PNA(ペプチド核酸)またはそれらのフラグメントを含む)を含む)。好適な溶解緩衝液(例えば、QIAGEN(Hilden,Germany)から商業的に入手可能な緩衝液PKD)を使用するとき、異なる種類の核酸であっても、本発明の方法を用いることにより同じサンプルから単離され得る(実施例7に示されるように)。好ましくは、上記核酸は、DNA、より好ましくは、少なくとも100bpの長さを有するDNAであり得る。
本発明は、架橋ワックス包埋サンプル、好ましくは、FFPEサンプルから核酸を抽出、単離および/または精製するための方法、好ましくは、上に記載された方法において、ワックス包埋サンプルからワックスを除去するための、直鎖状、分枝状および環状のC10〜C16アルカンを含む群から選択される溶媒、より好ましくは、C13〜C16アルカンを含む群から選択される溶媒、最も好ましくは、テトラデカン、ペンタデカンまたはヘキサデカンである溶媒の使用をさらに提供し、ここで、サンプル中の架橋を溶解する工程は、好ましくは、少なくとも1つ以上の上記溶媒および水性溶解緩衝液から形成される二相混合物または多相混合物において行われ得る。
本発明の方法は、上に記載されたようなワックス包埋サンプルから核酸を抽出、単離および/または精製するためのキットをさらに提供し、そのキットは、(1)ワックス可溶化剤、好ましくは、上に記載されたようなワックス可溶化剤、および必要に応じて(2)工程3に記載の二相系または多相系において溶解を行うための指示書を備える。そのキットは、(3)水性溶解緩衝液、好ましくは、上に記載されたような溶解緩衝液、(4)タンパク分解剤、好ましくは、上に記載されたようなタンパク分解剤、ならびに(5)クロマトグラフィーおよび/または親和性結合用の固相を含む群から選択される1つ以上の追加の構成要素をさらに備え得る。
図1は、特定の溶解および単離プロトコル(実施例1)に対する、キシレン脱蝋工程の存在(それぞれ柱2および4)または非存在(それぞれ柱3および5)の影響を示している。柱1における比較のために、商業的に入手可能なQIAampキットを製造者のプロトコルに従って使用して得られた結果も示している。 図2は、種々の溶媒を使用した本発明に記載の二相溶解手順を用いたときの、ゲル濾過クロマトグラフィーによって得られた溶出液に存在する残留SDSの量を示している(実施例2)。 図3および4は、その後のPCRにおいて得られたCt値に対する脱蝋溶媒の影響を示している(実施例3)。 図3および4は、その後のPCRにおいて得られたCt値に対する脱蝋溶媒の影響を示している(実施例3)。 図5は、得られた溶出液をそれぞれ1:10または1:100の希釈率で用いたPCRにおいて得られるCt値に対する、QIAampプロトコルにおいてもともとの脱蝋溶媒であるキシレン(図5において「Qamp」と表示されている)をヘキサデカン(図5において「Hex Qamp」と表示されている)によって置き換えた影響、ならびにQIAampプロトコルに記載の別個の脱蝋工程および溶解工程を本発明に記載の二相プロトコル(「SiStLy Qamp」)によって置き換えた影響(実施例6)を示している。
実施例1:SDS沈殿を含む、核酸を単離するための方法において、キシレンを用いてFFPEサンプルを脱蝋することの影響(「1工程単離」)
予備実験において、25mmol/LのTRISおよび25mmol/LのSDS(pH8.5)を含み、10μLのQIAGENプロテアーゼ(QIAGEN,Hilden,Germany、2,5AV/ml)および1μLのRNase A(10U/ml)(QIAGEN,Hilden,Germany)が補充された、80μLのEP10003759.7に記載されている溶解緩衝液中で、FFPE組織ブロックからの切片(各10μm厚)を溶解した。その混合物をボルテックスし、次いで、56℃で1時間インキュベートした後、90℃、1時間の第2インキュベーション工程を行った。次いで、EP10003765.4に記載されているようにそのサンプルからドデシル硫酸イオンを沈殿させるために10μLの沈殿溶液を加えた(上記溶液は、1.0mol/LのSrClを含む)。その混合物をボルテックスし、氷上で10分間インキュベートした。次いで、EP10003766.2に記載されているように全溶解産物をゲル濾過カラム(271bpのサイズ排除限界を有するSephacrylレジンS−400HRを含む)に移し、3分間にわたる700×gでの遠心分離によって核酸を溶出することによって、サンプルに存在するgDNAを単離した。
高純度かつ低ドデシル硫酸ナトリウム含量のgDNAが得られたが、様々な実施において得られた収量は様々だった。十分適切にパラフィンが溶かされていない可能性があると考えられた。
したがって、第1のアプローチでは、別個の工程においてFFPE組織サンプルからパラフィンを除去するための溶媒としてキシレンを試験した後、溶解手順を適用し、それに続いて上に記載されたようなゲル濾過クロマトグラフィーを行った。したがって、各実験において、ラット肝臓FFPEサンプルからの3つの切片(各10μm厚)を、まず、脱蝋剤としてキシレンを用いて処理したか、または上に記載された溶解手順に直接供した。第1インキュベーション工程は、それぞれ56℃または62℃において行った。
1mLのキシレンをそれぞれのサンプルに適用し、その混合物を10秒間ボルテックスし、14,000rpmで2分間遠心分離し、次いで、ピペット操作によって上清を分離することによって、脱蝋を行った。1mLのEtOHを水相に加え、その混合物をボルテックスし、14,000rpmで2分間遠心分離した。次いで、上清をピペット操作によって分離した。水相を含むチューブを開放したまま室温で約20分間静置することにより、残留EtOHを蒸発させた。次いで、DNAの溶解および単離を上に記載されたように行った。ゲル濾過クロマトグラフィー後に得られた溶出液中のSDSの残留量を、EP10003765.4に記載されているように測定した。
結果を図1に表す(柱2:キシレン脱蝋工程ありおよび62℃での第1インキュベーション工程;柱3:キシレン脱蝋工程なしおよび62℃での第1インキュベーション工程;柱4:キシレン脱蝋工程ありおよび56℃での第1インキュベーション工程;柱5:キシレン脱蝋工程なしおよび56℃での第1インキュベーション工程)。比較のために、同じFFPEブロックからの3つの切片(各10μm)を、QIAampキット(QIAGEN,Hilden,Germany)を製造者の指示書に従って使用して(56℃、1時間の第1インキュベーション工程に続く、90℃、1時間の第2インキュベーション工程を含む)処理した(図1中の柱1)。
図1から、脱蝋剤としてキシレンを使用することにより、それぞれEP10003759.7、EP10003765.4およびEP10003766.2に記載されているいわゆる「1工程」精製手順において、ゲル濾過クロマトグラフィー後に得られた溶出液中に残留するドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の量に対する望まれない影響がもたらされることが見て取れる。
実施例2:SDS沈殿を含む、核酸を単離するための方法における、種々のアルカンを用いたFFPEサンプルの脱蝋の影響
次に、キシレンの代わりに、種々の鎖の長さの直鎖状アルカン、すなわち、トリデカン(図1において「1」と表示されている)、テトラデカン(図2における「2」)、ペンタデカン(図2における「3」)およびヘキサデカン(図2における「4」)を脱蝋剤として使用した。これらの溶媒のすべてが、わずか数分(約1〜2分)以内に室温においてパラフィン包埋サンプル中の固形パラフィンを完全に溶かすことができた。脱蝋し、有機液相を除去した後、実施例1に記載されたような「1工程単離プロセス」に従ってサンプルを処理した。いかなる脱蝋工程もなしに、さらなるサンプルを処理した(図2における「5」)。
まず、それぞれのアルカンでFFPE組織切片を脱蝋し、次いで、上に記載されたいわゆる1工程プロトコルに従ってサンプルに存在するgDNAを単離することによって得られた溶出液に存在するSDSの量を図2に表す。SDSの量は、上に記載されたように測定された。
各実験を4回行った。いくつかのサンプルでは、SDSの量が少なすぎて、測定のために適用された手順を用いて検出できなかった。
実施例3:二相系における同時の脱蝋および溶解
FFPEブロックからの4つの切片の各々(各10μm)を、100μLの実施例1に記載された溶解緩衝液、10μLのプロテイナーゼK(QIAGEN,Hilden,Germany)、ならびにそれぞれ100μLのn−デカン、n−ドデカン、n−ヘキサデカン、灯油およびオクチルエーテルと混合し、切片全体が溶けるまでボルテックスした(これは、各場合において室温で1分未満を要した)。次いで、その混合物を56℃で5分間インキュベートした。その混合物を約20000×gで5分間遠心分離することにより、水相を有機相から分離した。その水相を取り出し、90℃で1時間インキュベートした。次いで、10μLの実施例1に記載されたSrCl溶液を加え、その混合物をボルテックスし、氷浴内で10分間インキュベートした。次いで、その混合物を最高速度で5分間遠心分離し、100μLの上清の核酸を、実施例1に記載された1工程プロトコルを用いて精製した。
得られたgDNAをPCRにおいて増幅した。18S rDNAとアニーリングするプライマー対を用いて、25μlのPCRサンプル中2μlの溶出液を増幅した(これは、149bpのフラグメントをもたらす)。2倍濃縮のSyBr−Green Mastermix(12.5μL)、1.25μLの順方向および逆方向18Sプライマーの各々(c=10μM)、ならびに鋳型として2μLの溶出液および8μlの水を使用した。反応をRotorGene3000(Corbett Research,Sydney)において行った。94℃で15秒間の変性、56℃で30秒間のアニーリングおよび72℃で30秒間の伸長を行った。合計で、40サイクルを行った。得られたCt値を図3に示す。それぞれn−デカン、n−ドデカン、n−ヘキサデカン、灯油またはオクチルエーテルの各々を使用して、上に記載された二相溶解手順を用いることにより、その後のPCRにおいて容易に増幅され得るgDNAを得ることができることが見て取れる。n−ヘキサデカンおよびオクチルエーテルは、その後のPCRにおいて最低のCt値をもたらした;しかしながら、オクチルエーテルを用いたときは、溶出液中のSDSの残留量は、ヘキサデカンを用いたときよりも多かった。
さらなる実験において、上に記載された手順を使用し、各溶媒についてそれぞれ6回の実施を行って、テトラデカンおよびヘキサデカンを比較した。ゲル濾過クロマトグラフィー後に得られた、精製されたgDNAを含む溶出液を、それぞれ、得られたまま(図4において「無希釈」と表示されている)または水で10倍希釈した後のものとして、PCRにおいて使用した。結果を図4に表す。
実施例4:二相混合物中で溶解されたFFPEサンプルから増幅され得るフラグメントの長さの範囲に対する調査
上記サンプル中の架橋およびその除去の影響に起因して、FFPEサンプルから単離および/または増幅され得る核酸フラグメントの最大長が限定されることは、当業者に周知である。本発明に記載の二相溶解手順が、PCRにおいて処理され得るフラグメント長をさらに限定するか否かを試験するために、脱蝋剤としてn−ヘキサデカンを使用してFFPEサンプルを脱蝋し、溶解し、そして上記1工程プロトコルによって、得られた混合物を精製した後に得られた溶出液を用いて、4つの異なる標的長について試験を行った。表1に示されるように、それぞれ78bp、463bp、725bpおよび815bpのフラグメントを、PCR反応において容易に増幅することができた。いくつかの追加のより短いフラグメントのみが、815bpフラグメントのPCR反応物から得られた電気泳動ゲルにおいて観察された(データ示さず)。
Figure 2013530697
実施例5:FFPEラット肝臓サンプルからのgDNAの単離および精製
FFPEラット肝臓ブロックからの各10μm厚の2つの切片を、150μLの実施例1に記載された溶解緩衝液、10μLのプロテイナーゼK(QIAGEN,Hilden,Germany)、1μLのRNase(QIAGEN,Hilden,Germany)および150mLのn−ヘキサデカンと混合した。そのサンプルをボルテックスし、次いで、56℃で約10分間インキュベートした。次いで、相を分離するためにサンプルを最高速度で遠心分離し、DNAを含む130μLの下の水相を、ピペット操作によって取り出し、新しいチューブに移した。その水性サンプルを90℃で30分間インキュベートした後、蓋の内側から液滴を除去するためにそのサンプルを短時間にわたって遠心分離してもよく、その後、10μLの実施例1に記載されたSrCl溶液を加えた。その混合物をボルテックスし、次いで、氷浴内で10分間インキュベートした。次いで、全混合物を、実施例1に記載されたように、予め遠心分離(700×g,3分間)した1工程カラム上に移した。そのカラムを700×gで3分間遠心分離することによって、gDNAを精製した。次いで、精製されたgDNAを含む溶出液を、下記に記載されるように分析した。得られたDNAは、任意のさらなる精製工程なしに、下流の適用において直接使用することができる。
10μLの溶出液を、実施例3に記載されたように18S RT−PCRにおいて増幅したところ、そのPCRにおいて溶出液を予め希釈せずに使用した場合、15.12というCt値が得られた。溶出液に存在するSDSの残留量は、約1〜3μMもの少なさだった。
実施例6:QIAampプロトコルにおいてキシレンの代わりにヘキサデカンを用いる脱蝋
FFPEラット肝臓ブロックの2つの切片(各10μm)を、FFPE QIAampキットを製造者の指示書に従って使用して(脱蝋のためにキシレンを使用して)(代替法a)、脱蝋のためにn−ヘキサデカンを使用し、溶解の前にその脱蝋剤を除去して(代替法b)、または本発明に従って、サンプルを溶解しつつ、同時に脱蝋のためにn−ヘキサデカンを使用して(代替法c)、処理した。
代替法a)(図5において「Qamp」と表示されている)
QIAampの標準的なプロトコルに従って、FFPEブロックからの10μmの切片を、1mLのキシレンに懸濁し、10秒間ボルテックスすることによって混合し、次いで、最高速度で2分間遠心分離した。ピペット操作によって上層を除去した後、1μLのエタノールを加え、混合し、遠心分離し、ピペット操作により上相を除去することによって、残留キシレンを抽出した。次いで、残留エタノールが蒸発するまで、チューブを開放したまま室温で約20分間インキュベートした。ペレットを溶解するために、それを180μLの緩衝液ATL(QIAGEN,Hilden,Germany)に懸濁し、20μLのプロテイナーゼK(QIAGEN,Hilden,Germany,2,5AU/ml)を加え、ボルテックスすることによってサンプルを混合した。次いで、サンプルを、第1インキュベーション工程において56℃で1時間インキュベートした後、90℃で1時間にわたって第2インキュベーション工程を行った。室温まで冷却した後、RNA消化のためにそのサンプルに1μLのRNase A(QIAGEN,Hilden,Germany)を加えた。200μLの緩衝液ALを加え、その混合物をボルテックスした。次いで、200μLのエタノールを加え、その混合物を再度ボルテックスし、次いで、QIAamp MinEluteカラムに移した。上記カラムを6000×gで1分間遠心分離した。フロースルーを廃棄し、カラムを、500μLの第1洗浄緩衝液AW1(QIAGEN,Hilden,Germany)に続いて500μLの緩衝液AW2(QIAGEN,Hilden,Germany)で洗浄した(両方の場合において、6000×gで1分間遠心分離することによって洗浄緩衝液をカラムに通した)。次いで、そのカラムを最高速度で約3分間遠心分離することにより、残留する微量の緩衝液を除去した後、最後に、100μLのRNase非含有水をそのカラムの内側の膜に適用し、それを室温で約1分間インキュベートし、最後にそのカラムを最高速度で1分間遠心分離することによって、精製されたgDNAを溶出した。
代替法b)(図5において「Hex Qamp」と表示されている)
切片に、180μLの緩衝液ATL、20μLのプロテイナーゼKおよび100μLのヘキサデカンを加え、その混合物をボルテックスし、次いで、56℃で10分間インキュベートした。その混合物を最高速度で2分間遠心分離し、下の水相を分離し、新しいチューブに移した。サンプルのさらなる処理を、上で述べたQIAampプロトコルに従って、90℃における1時間のインキュベーション工程から開始して行った。
代替法c)(図5において「Ly Qamp」と表示されている)
本発明に従って改変されるプロトコルでは、切片をまずキシレンで処理せず、150μLの実施例1に記載された溶解緩衝液、10μLのプロテイナーゼK、1μLのRNAse Aおよび150μLのヘキサデカンを切片に加える。その混合物をボルテックスし、56℃で10分間インキュベートした。遠心分離後、120μLの下の水相を新しいチューブに移し、90℃で30分間インキュベートした。200μLの緩衝液AL(QIAGEN,Hilden,Germany)および200μLのエタノールをサンプルに加え、次いで、QIAampプロトコルに従ってQIAamp MinEluteカラムを使用し、100μLの水で溶出して、核酸を精製した。
次いで、得られたgDNAを、2倍濃縮のSyBr−Green Mastermix(12.5μL)、1.25μLの順方向および逆方向18Sプライマーの各々(c=10μM)、ならびに鋳型として、10μLの溶出液(それぞれ水を用いて1:10または1:100の比で希釈された)を用いる18S−PCRにおいて増幅した。反応をRotorGene3000(Corbett Research,Sydney)において行った。94℃で15秒間の変性、56℃で30秒間のアニーリングおよび72℃で30秒間の伸長を行った。合計で、40サイクルを行った。
結果を図5に表す。脱蝋のためにヘキサデカンを使用したとき、得られたCt値が、脱蝋のために有毒なキシレンを用いたときとほぼ同程度に良好であったことが理解できる。さらに、溶解および脱蝋だけでなく、RNA消化も、多相系において行われ得ることが理解できる。
実施例7:同じFFPEサンプルからのRNAとDNAの両方の単離
この実験では、ラット腎臓FFPE組織からの18個の切片(切片1つあたり10μm、1実施あたり2つの切片)を、同時係属中の欧州出願10001995.9に記載されている方法に従って、溶解工程の前の脱蝋のために種々の溶媒を使用して、または本発明に記載の多相溶解手順を用いて、処理した。2つのさらなるサンプルを比較するために、RNeasy FFPE Kit(QIAGEN;Hilden,Germany)を製造者の指示書に従って使用して、RNAを単離した(サンプル19および20)。
A.脱蝋および溶解
A1 溶解前の別個の脱蝋工程におけるキシレンの使用(サンプル1および2)
1mLのキシレンを切片に加えた。その混合物を10秒間ボルテックスし、次いで、14,000rpmで2分間遠心分離した。上清を慎重に除去し、1mLのエタノールを、残っているペレットに加えた。その混合物をボルテックスし、次いで、14,000rpmで2分間遠心分離した。上清を慎重に除去し、バイアルを37℃で10分間インキュベートすることにより、残っているエタノールを蒸発させた。
A2 溶解前の別個の脱蝋工程におけるヘプタン/メタノールの使用(サンプル3〜8)
1mLのヘプタンを切片に加えた。その混合物を10秒間ボルテックスし、次いで、それぞれ室温で1時間(サンプル3および4)もしくは15分間(サンプル5および6)インキュベートするか、または単に室温で数秒間、振盪した(サンプル7および8)。次いで、50μLのメタノールを加え、その混合物を10秒間ボルテックスし、次いで、9,000×gで2分間遠心分離した。上清を慎重に除去し、ペレットを放置して、室温で5分間乾燥させた。
A3 溶解前の別個の脱蝋工程におけるヘキサデカンの使用(サンプル9〜12)
1mlのヘキサデカンを各切片に加えた。その混合物を10秒間ボルテックスし、次いで、室温で1時間静置するか(サンプル9、10)、または数秒間、振盪することによってさらに混合した(サンプル11、12)。次いで、その混合物を室温において最高速度で(約20000×g)または9,000×gで遠心分離した(サンプル11、12)。上清を慎重に除去した後、バイアルを37℃で10分間インキュベートすることにより、残っている有機溶媒を蒸発させた。
上記脱蝋手順A1〜A3から得られた各ペレットに、150μLの緩衝液PKD(QIAGEN,Hilden,Germany)および10μLのプロテイナーゼK(QIAGEN,Hilden,Germany)を加えた。その混合物をボルテックスし、次いで、振盪インキュベーターにおいて15分間にわたって、56℃、1,400rpmでインキュベートした。次いで、そのサンプルを氷上で3分間インキュベートし、その後、20,000×gで30分間遠心分離することにより、主にRNAを含む上清、および主にDNAを含むペレットを得た。
A4 本発明に記載の同時の溶解を伴った脱蝋(サンプル13〜18)
150μLの緩衝液PKDを切片に加えた後、10μLのプロテイナーゼKおよび200μLのn−ヘキサデカンを加えた。その混合物を手作業で振盪し、次いで、振盪インキュベーター上で56℃、1,400rpmで15分間インキュベートした。次いで、そのサンプルを20,000×gで30分間遠心分離した。遠心分離後、4つの「相」を得た(上から下に向かって数えて):1.無色透明の液体、2.白っぽい濁った液体、3.わずかにグリース状の透明の液体、および4.ペレット。
サンプル13〜15では、相1および2を分離し、廃棄した。相3をペレット(相4)から分離し、さらなる処理のために新しいチューブに移した。
サンプル16〜18の各々では、すべての液相(1〜3)を一緒にペレットから取り出し、最高速度で1分間遠心分離した。再度、3つの液相を得た。上記3つの液相を互いから分離した。上の液相(本明細書中、以後、「oP」と表示されている)を新しいチューブに移し、中間の白っぽい相を廃棄し、下の水相(本明細書中、以後、「uP」と表示されている)を新しいチューブに移した。
B.オンカラムDNase消化を用いた、液相からのRNAの単離
サンプル1〜18から得られた液相を、サーモシェーカーにおいて80℃、450rpmで15分間インキュベートし、次いで、5分間、室温に冷却した。320μLの緩衝液RLT(QIAGEN,Hilden,Germany)を加え、サンプルを混合した。次いで、1.12mLのエタノールを加え、そのサンプルを十分に混合し、700μLという最大容積を有するアリコートにおいてRNeasy MinEluteスピンカラム(QIAGEN,Hilden,Germany)上に適用した。各アリコートを適用した後、そのカラムを10,000rpmで1分間遠心分離し、フロースルーを廃棄した。オンカラムDNase消化のために、そのカラムをまず、1.5M GTCおよび75%エタノールを含む500μLの緩衝液で洗浄した(そのカラムを10,000rpmで1分間遠心分離することによって)。フロースルーを廃棄し、70μLの緩衝液RDD(QIAGEN,Hilden,Germany)と10μLのDNase I溶液(2,7KU/μl)とを混合し、そのカラムに加え、次いで、それを室温で15分間インキュベートした。GTCおよびエタノールを含む500μLの上で述べた緩衝液を上記カラム上に加え、そのカラムを10,000rpmで1分間遠心分離した。各フロースルーを収集し、再結合のために同じカラムに再度適用した。そのカラムを10,000rpmで1分間遠心分離し、ここで、フロースルーを廃棄した。700μLの緩衝液RPE(QIAGEN,Hilden,Germany)をカラム上に加え、そのカラムを10,000rpmで1分間遠心分離した。フロースルーを廃棄し、RPE処理を繰り返した。次いで、そのカラムを、蓋を開けて14,000rpmで5分間遠心分離した。30μLの水を、そのカラムの膜上に直接ピペットで加え、室温で1分間インキュベートし、次いで、14,000rpmで1分間遠心分離することにより、およそ30μLの溶出液を得て、それを収集し、さらに処理するまで−20℃で保管した。
C.RNase消化なしでのペレットからのDNAの単離
180μLの緩衝液ATL(QIAGEN,Hilden,Germany)を各ペレットに加えた後、20μLのプロテイナーゼKを加えた。そのサンプルを、振盪インキュベーターにおいて1,400rpm、56℃で1時間インキュベートした後、90℃、2時間の第2インキュベーション工程を行った。200μLの緩衝液AL(QIAGEN,Hilden,Germany)を加え、直ちにそのサンプルを十分に混合し、次いで、200μLのエタノールを加え、再度直ちにサンプルを十分に混合した。その混合物の各々をQIAamp MinEluteカラム(QIAGEN,Hilden,Germany)上にピペットで加えた。上記カラムを10,000rpmで1分間遠心分離し、フロースルーを廃棄した。700μLの緩衝液AW1を使用し、そのカラムを10,000rpmで1分間遠心分離して、そのカラムを洗浄した。フロースルーを廃棄し、700μLの緩衝液AW2を使用し、10,000rpmで1分間遠心分離して、そのカラムを洗浄し、再度、フロースルーを廃棄した。次いで、700μLのエタノールを各カラム上に加え、そのカラムを10,000rpmで1分間遠心分離した。フロースルーを廃棄し、カラムを、蓋をあけて14,000rpmで5分間遠心分離することにより、膜を乾燥させた。30μLの緩衝液ATE(QIAGEN,Hilden,Germany)を各カラムの膜上に直接ピペットで加え、そのカラムを1時間インキュベートし、次いで、10,000rpmで1時間、遠心分離して、フロースルーを収集することにより、各カラムのおよそ30μLの溶出液を得た。その溶出液を、さらに処理するまで−20℃で保管した。
表1には、種々のサンプルがどのように処理されたのかに関する簡潔な概要が与えられている。
Figure 2013530697
RNAの量(追加の「a」で表示される)およびDNAの量(追加の「b」で表示される)を、それぞれNanodrop(Thermo Scientific,Wilmington,USA)において光学的に測定した。結果を表2に示す。
Figure 2013530697
Figure 2013530697
これらの結果から、RNAとDNAの両方について、本発明に従って二相混合物において溶解されたサンプルから得られた核酸の量が、十分確立された標準的な方法を用いて得られた量に匹敵することを理解できる。RNAの単離に関して、本発明の方法を用いてNanodropにおいて光学的に測定された収量は、他の方法と比べて、いくらか少ない。しかしながら、以下のRT−PCR実験では、得られたCt値を比較することによって、サンプル中のRNAがより少量であることを確認することはできない。DNAの単離に関して、本発明の方法は、Nanodropを使用して光学的に測定されたとき、最高収量をもたらした。
得られたRNAを、製造者のプロトコルに従ったいわゆるナノアッセイにおいてAgilent2100Bioanalyzer(Agilent Technologies,Boeblingen,Deutschland)においてさらに分析した。表3には、得られたRNA完全性の数が示されている。
Figure 2013530697
Figure 2013530697
これらの結果は、得られたRNAの量だけでなく質も、当該分野において十分に確立された方法を用いて得られるものと少なくとも匹敵することを示している。
種々の手順を用いて単離されたRNAの量および質をさらに評価するために、標的としてそれぞれcjunおよびMadh7を用いるQuantitect SyBr−Green RT−PCR(QIAGEN,Hilden,Germany)を、製造者の標準的なプロトコルに従って行った。
これらの実験において得られたCt値を表4に示す。
Figure 2013530697
この場合も、本発明に記載の二相脱蝋/溶解手順を用いて得られた結果は、確立された標準的な手順を用いて得られた結果に匹敵する。
同じことが、5μLのサンプル容積につき20μgのRNAという濃度に希釈された溶出液のアリコートを使用する、マイクロRNA逆転写キット(Applied Biosystems/Invitrogen Life Technologies,Carlsbad,US)を製造者の標準的なプロトコルに従って使用したcDNA合成についても当てはまる。
miR16およびmiR30bに対して得られた結果もまた、標準的な方法を用いて得られた結果に匹敵する(miR=マイクロRNA)。
Figure 2013530697
Figure 2013530697
さらなる実験において、上に記載された種々の手順を用いて単離されたDNAの量および質を、製造者の標準的なプロトコルに従ってprnp78bpを増幅するQuantitect SyBr−Green(QIAGEN,Hilden,Germany)PCR反応において評価した。結果を表6に示す。
Figure 2013530697
この場合も、本発明の方法を用いて得られた結果は、当該分野において確立された方法を用いて得られた結果に匹敵するか、またはそれよりも良い。

Claims (15)

  1. ワックス包埋サンプルから核酸を抽出するための方法であって:
    1.ワックス可溶化剤であって、少なくとも1つの水と不混和性の有機溶媒を含む、ワックス可溶化剤と、該サンプルとを接触させる工程、
    2.工程1において得られた混合物を必要に応じてインキュベートする工程、
    3.依然として該ワックス可溶化剤を含む該混合物に水性溶解緩衝液を加える工程、
    4.工程3において得られた混合物をインキュベートすることにより、少なくとも有機相および水相を含む二相混合物または多相混合物を得る工程であって、該有機相は、溶けたワックスおよび該ワックス可溶化剤を本質的に含み、該水相は、該核酸を含む、工程
    を包含し、ここで、工程1および工程3は、1つの組み合わされた工程としてもまた行われ得る、方法。
  2. 5.必要に応じて、前記水相から前記有機相を分離する工程、
    6.該水相から前記核酸を単離および/または精製する工程
    をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記サンプルが、パラフィン包埋サンプル、好ましくは、ホルマリン固定パラフィン包埋サンプル(FFPEサンプル)であり、前記ワックス可溶化剤が、少なくとも1つの有機溶媒であって、好ましくは、直鎖状、分枝状および環状のC10〜C16アルカンまたはその混合物を含む群から選択される、有機溶媒、より好ましくは、C13〜C16アルカンまたはその混合物を含む群から選択される、有機溶媒、最も好ましくは、テトラデカン、ペンタデカンまたはヘキサデカンである、有機溶媒を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 色素/着色料が、前記ワックス可溶化剤中に含められ得る、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 工程2に記載の、前記ワックス可溶化剤と前記ワックス包埋サンプルとの前記混合物をインキュベートする工程が、15℃から85℃、好ましくは、20℃から55℃、より好ましくは、室温から35℃の範囲内の温度、最も好ましくは、室温において、好ましくは、1秒から3時間、より好ましくは、10秒から1時間、さらにより好ましくは、20秒から30分間、最も好ましくは、30秒から15分間行われる、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記溶解緩衝液が、好ましくは、Trips、Mops、Mes、Hepes、リン酸塩、ホウ酸塩および炭酸塩を含む群から選択される緩衝剤、ならびに、好ましくは、陰イオン洗浄剤および両性イオン洗浄剤を含む群から選択される洗浄剤を含む、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記溶解緩衝液が、キレート剤、還元剤、無機塩、pH指示薬および安定剤を含む群から選択される1つ以上の物質をさらに含み、かつ、好ましくは、4から11、好ましくは、7から10、最も好ましくは、8から9の範囲内のpHを有する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記溶解緩衝液のほかに、タンパク分解剤が、工程3において前記混合物に加えられるか、またはタンパク分解剤が、工程3において前記サンプルに加えられる前記溶解緩衝液に予め含められており、該タンパク分解剤が、プロテアーゼおよび非酵素的タンパク分解性化合物を含む群から選択され、好ましくは、プロテイナーゼK、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、ペプシン、プロナーゼ、エンドプロテイナーゼLys−C、ブロモシアン、組換えBacillusプロテアーゼ、Lysozymeまたはそれらの混合物である、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
  9. 工程4に記載の、前記サンプルに前記水性溶解緩衝液を加えた後に得られる前記混合物をインキュベートする工程が、15℃から95℃、好ましくは、20℃から70℃、最も好ましくは、37℃から65℃の範囲内の温度において、好ましくは、30秒から24時間、より好ましくは、50秒から12時間、さらにより好ましくは、50秒から5時間、最も好ましくは、1分から2時間行われる、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
  10. 工程6に記載の、前記水相に含まれる前記核酸を単離および/または精製する工程が、少なくともクロマトグラフィーおよび/または固相ベースの方法、好ましくは、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーおよびカオトロープ非含有親和性結合を含む群から選択される方法を用いて行われる、請求項2から9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記溶解緩衝液が、陰イオン界面活性物質イオンを含み、該イオンが、工程4に記載のインキュベートの後に、好ましくは、Rb、Cs、Ca2+、Sr2+、Ba2+またはそれらの混合物を含む群から選択されるアルカリ金属の一価イオンおよび/またはアルカリ土類金属の二価イオンを用いた沈殿によって前記サンプルから本質的に除去され、その後、好ましくは、ゲル濾過クロマトグラフィーによって、前記水相から前記核酸が単離および/または精製される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記核酸が、リボ核酸(RNA)およびデオキシリボ核酸(DNA)を含む群から選択され、好ましくは、DNA、より好ましくは、少なくとも100bpの長さを有するDNAである、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
  13. 直鎖状、分枝状および環状のC10〜C16アルカンまたはその混合物を含む群から選択される溶媒、より好ましくは、C13〜C16アルカンまたはその混合物を含む群から選択される溶媒、最も好ましくは、ヘキサデカンである溶媒の、架橋ワックス包埋サンプル、好ましくは、FFPEサンプルから核酸を抽出、単離および/または精製するための方法においてワックス包埋サンプルからワックスを除去するための使用であって、ここで、該サンプル中の架橋を溶解する工程は、1つ以上の該溶媒と水性溶解緩衝液との二相混合物または多相混合物において行われる、使用。
  14. 請求項1から12のいずれかに記載の方法に従ってワックス包埋サンプルから核酸を抽出、単離および/または精製するためのキットであって、
    (1)ワックス可溶化剤、好ましくは、請求項3に記載のワックス可溶化剤、および必要に応じて
    (2)工程3に記載の二相系または多相系において溶解を行うための指示書
    を備える、キット。
  15. (3)水性溶解緩衝液、好ましくは、請求項7または8に記載の溶解緩衝液、
    (4)タンパク分解剤、好ましくは、請求項8に記載のタンパク分解剤、ならびに
    (5)クロマトグラフィー用および/または親和性結合用の固相
    を含む群から選択される1つ以上の追加の構成要素をさらに備える、請求項14に記載のキット。
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