JP2013528215A - フラニル化合物およびその使用 - Google Patents

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Abstract

本明細書に示されているのは、式(I)の置換されているフラニル化合物、当該化合物を含んでいる薬学的組成物、それらの調製方法およびそれらの使用の方法である。本明細書に示されている上記化合物は、種々の障害(がんおよび増殖性疾患が挙げられる)処置、予防および/または改善に有用である。一実施形態において、本明細書に示されている化合物はeIF4Eの活性を調節する。一実施形態において、本明細書に示されている化合物はヘッジホッグ経路の活性を調節する。一実施形態において、本明細書に示されている化合物は、がんおよび増殖性疾患を処置、予防および/または改善するための手術、放射線療法、免疫療法および/または1つ以上のさらなる抗がん剤と組み合わせて使用される。

Description

本願は、参照によってその全体が本明細書に援用される米国仮出願第61/352,308号(2010年6月7日出願)に対する優先権を主張する。
本発明は、置換されているフラニル化合物を含んでいる薬学的組成物、それらの調製方法およびそれらの使用の方法に関する。本明細書に示されている置換されているフラニル化合物は、種々の障害(がん、増殖性疾患および血管新生媒介性の疾患が挙げられる)の処置、予防および/または改善に有用である。
がんは世界的に公衆の大きな健康問題であり、米国のみにおいて、ほぼ56万人が、2006年にがんによって死亡した。例えば、U.S. Mortality Data 2006, National Center for Health Statistics, Centers for Disease Control and Prevention (2010)を参照すればよい。多種類のがんについて医学文献に記載されている。なかでもその例としては、血液、骨組織、皮膚、肺、大腸、乳房、前立腺、卵巣、脳、腎臓、膀胱、膵臓および肝臓のがんが挙げられる。がんの発生率は、人口の高齢化または新型のがんの出現とともに上昇を続けている。がん患者を処置するための有効な治療法に対する継続的な要求が存在している。
乳がんは、特に女性において、がんのうち最も多くみられる種類の1つである。2009年に、米国において、194000の乳がんの新たな症例があり、約40610人が乳がんによって死亡している。例えば、www.cancer.govにおいて入手可能なBreast Cancer Statistics, National Cancer Institute (2010)を参照すればよい。種々の型の乳がんの中でも、トリプルネガティブの乳がん(エストロゲン受容体(ER)/プロゲステロン受容体/HER−2 ネガティブ)は、乳がんの他の亜型より侵襲的である。トリプルネガティブの乳がんにとっての標的療法は存在しない。腫瘍が初期には化学療法に対して反応するように見えるが、トリプルネガティブの乳がんは、死に至らしめるより高い再発率を有している。トリプルネガティブの乳がんにとって有効な標的療法の開発に対する明確な必要性がある。
ヘッジホッグ(Hh)シグナル伝達経路は、胚における組織の発達を導き、成人における組織の恒常性に寄与する。不十分なHhシグナル伝達は、不完全な胚形成を生じる。逆に、過剰なHhシグナル伝達は、遺伝性のがん素因症候群(ゴーリン症候群)、および多くのヒトのがん(基底細胞がんおよび髄芽細胞腫が挙げられる)と関連付けられている。Hh経路の複数の構成要素は、腫瘍において変化させられ得る。腫瘍細胞株における研究によって、ヒトHhアンタゴニストの発見に利用され得る標的が同定されている。ヘッジホッグタンパク質の哺乳類型であるソニックヘッジホッグは、数種類の成体幹細胞の増殖を刺激すると示されている。
Hhシグナルは、12回膜貫通型タンパク質であるPatched(Ptc)、および7回膜貫通型タンパク質であるSmoothened(Smo)によって中継される。Ptcに対するHhリガンドの結合によって、Smoに対するPtcの通常の抑制作用は解放され、Smoが原形質膜を越えてHhシグナルを伝達可能にする。Smoによって惹起されるシグナル伝達のカスケードは、核に移行するGil転写調節因子の活性化をもたらし、ここで、Gil転写調節因子は核において標的遺伝子の転写を調節している。Smoはヘッジホッグ経路関連疾患(多種類のがんおよび四肢の形成異常(例えば短指症)が挙げられる)を処置するために設計されている多くの薬剤の治療標的である。
Hh経路の活性の厳密な調節は、適切な細胞分化および器官形成のために必要とされる。Hhシグナル伝達経路の無調節な活性化は、悪性腫瘍(特に脳、皮膚および筋の悪性腫瘍)および血管形成と関連付けられている。Hh経路は、細胞周期の進行に関与する遺伝子(例えば、G1−S移行に関与するサイクリンD)の活性化によって、成人における細胞増殖を調節すると示されている。ソニックヘッジホッグは、サイクリン依存性のキナーゼ阻害剤p21によって媒介される細胞周期の停止を阻害する。また、Hhシグナル伝達は、増殖に関与するEGFR経路における構成要素(EGF、Her2)、ならびに血管形成に関与するPDGFにおける構成要素(PDGFα)およびVEGF経路における構成要素を誘導する。また、機能障害性のPtc遺伝子変異は、多発性基底細胞がんによって特徴付けられている遺伝性疾患である、基底細胞母斑症候群の患者において同定されている。機能不全Ptc遺伝子は、散発性基底細胞がん腫の大部分との関連付けられている。Ptc機能の消失は、基底細胞がんにおける無調節なSmoシグナル伝達を引き起こす。活性化させるSmo変異は、散発性基底細胞がん腫において同定されている。
タンパク質合成の変化は、多数のヒトのがんと直接的に関連している。翻訳開始は、多くのがん(例えば、リンパ腫、乳がん、頭頸部がん、結腸直腸がん、肺がん、膀胱がん、子宮頸がんおよび前立腺がんが挙げられる)において調節解除されている。がん細胞の高い成長率、増殖率および生存率を支持するタンパク質は、律速翻訳因子(例えば、真核生物の開始因子4E(eIF4E))に対するより高い依存度を有している、二次構造を有しているmRNAから翻訳される。腫瘍におけるeIF4Eの過剰発現は、結節状態と無関係に乳がんの再発およびアジュバント化学療法に対する薬剤耐性にとっての予測材料であり得る。高い割合(>60%)のトリプルネガティブの乳がんは、高レベルのeIF4Eを発現している。高レベルのeIF4Eを有している患者群は、1.6倍高い再発率、およびがんによる死亡の相対リスクにおいて2.1倍の増加を有している。高レベルのeIF4Eは、がんの発生および進行の原因であるタンパク質のキャップ依存性の翻訳を促進し、侵襲的な表現型を生じ、放射線療法および化学療法をより生き延びことを腫瘍に可能にさせる。したがって、細胞の成長および増殖を制御するために、がんにおけるタンパク質の翻訳を制御すること、特にタンパク質の翻訳における律速段階を抑制することが所望される。
真核生物のキャップ依存性のタンパク質翻訳にとっての律速因子eIF4Eは、多数の乳がん細胞株において広範に発現している。eIF4Eの活性および利用能は、例えば結合タンパク質(例えば4E−BP1)によって、制御される。これらの結合タンパク質の活性は、特にmTORによる、リン酸化によって次々に制御される。eIF4Eの過剰発現は、促進された同時のキャップ依存性の翻訳をとともに、細胞トランスフォーメーションおよび腫瘍形成が促進される。eIF4Eは、腫瘍形成性の多くの経路にとっての収束点であり、ヒトのがん組織および実験のがんモデルにおける悪性腫瘍にとっての重要な要因である。促進された翻訳開始は、悪性の乳がんの表現型に見られる。eIF4Eの過剰発現は、乳がんの血管形成および進行を導く。eIF4Eの7倍以上の増加は、遡及研究および予想研究において、乳がんの再発および乳がんによる死亡にとってのる独立した強力な予後指標である。eIF4Eを下方制御するアンチセンスオリゴヌクレオチド療法は、マウスにおけるPC−3前立腺がんモデルおよびMDA−MB−231乳がんモデルにおいて、インビボの腫瘍成長の低下をもたらした。毒性は、80%のノックダウンが観察されたとき、重要な器官において観察されず、腫瘍が正常細胞よりキャップ依存性の翻訳阻害に対して感受性であると示唆された。
キャップ依存性の翻訳開始因子eIF4E、およびその結合タンパク質4E−BP1は、PI3K/Akt/mTOR経路の主要な下流エフェクターである。mTOR、およびPI3K/Akt/mTORファミリーの他のメンバーは、がん表現型の確立および維持を制御する。PI3K/Akt/mTOR経路は、がん療法にとっての標的として臨床的に確認されている。PI3KおよびAktの過剰な活性化は、広範な腫瘍の型において認められている。PI3Kは、ホスファチジルイノシトール−3,4,5−トリスリン酸の生成を触媒する。この脂質は、細胞の成長および増殖から生存および運動性に及ぶ反応のカスケードを次々に誘発するAktタンパク質キナーゼを活性化する。二重特異性ホスファターゼPTENはPI3K経路の阻害剤である。p53に次いで、PTENは、ヒトの腫瘍において最も高頻度に変異されるか、または欠失させられる。いくつかのPI3K阻害剤が臨床試験において開発されている。しかし、インスリンのシグナル伝達におけるPI3KおよびAktの不可欠な役割のために、PI3KおよびAktの活性の阻害は、抑制されたインスリン機能を導き得る可能性が高い。前臨床モデルからの実験的な証拠は、PI3KおよびAktの遮断が抹消組織および膵臓β細胞におけるインスリンシグナル伝達の消失をもたらし、高血糖および糖尿病を強く誘導することを示唆している。この予想通りの副作用は、PI3Kおよび/またはAkt阻害剤の治療的な有用性を制限し得る。
mTORは、4E−BP結合タンパク質のリン酸化および不活性化によってキャップ依存性の翻訳を制御し、これによってeIF4Eを活性化させる。eIF4Eの活性化は、長く構造化されている5’−非翻訳領域を有しているRNAの翻訳開始に必要である。増えつつある証拠は、細胞の成長および増殖の中心的な制御因子としてのmTORがタンパク質の生合成を制御していることを示唆している。mTOR経路は、G1細胞周期の進行およびS期の開始に必須のタンパク質(例えば、サイクリンD1、c−Mycおよびオルニチンデカルボキシラーゼ)をコードするmRNAの翻訳を制御している。mTORの阻害は、G1細胞周期における静止をもたらす。mTOR阻害剤であるラパマイシンは、NCIスクリーニングおよびヒトにおいて、多くの腫瘍細胞株に対する顕著な抗腫瘍活性を示す。しかし、製剤、可溶性および安定性の問題がラパマイシンの開発を妨げている。ラパマイシンの類似体は、これらの問題に対処するために開発されており、第2/3相の臨床試験において有望な結果を示している。しかし、mTOR阻害剤の第1相試験からの患者における前臨床研究および継時的な生検は、mTOR阻害が、誘導されたフィードバックループを介してAktを活性化させることを明らかにした。さらに、mTORをラパマイシンを用いたmTORの阻害は、mTORがインスリンシグナル伝達において重要な役割を果たしていることから、糖尿病の増悪を引き起こした。
したがって、有効性および安全性を有している代替的ながん治療薬(例えば、腫瘍増殖の最大の阻害、正常細胞に対する最小の毒性、および処置される対象における予想通りの、最小の副作用を有している薬剤)に対する必要性は、依然として存在する。
本明細書に示されているのは、式(I):
Figure 2013528215
の化合物、もしくはその光学異性体、光学異性体の混合物もしくはジアステレオマーの混合物;または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグである。ここで、R、R、R、RおよびLは、本明細書の他の箇所に定義されている。当該化合物は、種々の疾患(例えば、がんおよび増殖性疾患)の処置、予防および/または改善に有用である。
また、本明細書に示されているのは、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはその光学異性体、光学異性体の混合物もしくはジアステレオマーの混合物;または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグを含んでいる薬学的組成物および投薬形態である。一実施形態において、当該薬学的組成物および投薬形態は、1つ以上の薬学的に許容可能な担体または賦形剤をさらに含んでいる。一実施形態において、本明細書に示されている組成物および投薬形態は、1つ以上付加的な活性剤(例えばがんの治療薬)をさらに含んでいる。
また、本明細書に示されているのは、対象における疾患(例えば、がんまたは増殖性疾患)の1つ以上の症状を処置、予防および/または改善する方法である。当該方法は、本明細書に示されている治療有効量の化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはその光学異性体、光学異性体の混合物もしくはジアステレオマーの混合物;または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物またはプロドラッグ)を、対象に投与することを包含している。一実施形態において、上記対象はヒトである。また、本明細書に示されているのは、本明細書に記載されている種々の疾患の処置、予防および/または改善のための薬剤の製造における、本明細書に示されている化合物または組成物の使用である。また、本明細書に示されているのは、本明細書に記載されている種々の疾患の処置、予防および/または改善における使用のための化合物および組成物である。処置、予防および/または改善され得る疾患としては、がん、増殖性疾患、乳がん(例えば、トリプルネガティブの乳がん、ER+の乳がんまたはER−の乳がん)、基底細胞母斑症候群(ゴーリン症候群)、基底細胞がん、皮膚がん、肺がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、脳腫瘍、髄芽細胞腫、膠芽細胞腫、結腸直腸がん、卵巣がん、肝臓がん、膵臓がん(例えば、がん腫、血管肉腫、腺肉腫)、胃がん、胃食道接合部がん、前立腺がん、子宮頸がん、膀胱がん、頭頸部がん、リンパ腫(例えば、外套細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B−細胞リンパ腫)、手術によって除去され得ない固形腫瘍、局所進行性固形腫瘍、転移性固形腫瘍、白血病(例えば、急性脊髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)または慢性脊髄性白血病(CML))または再発性腫瘍もしくは難治性腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、本明細書に示されているのは、ヘッジホッグ経路の活性を阻害または抑制する方法である。一実施形態において、当該方法は、ヘッジホッグ経路における1つ以上の受容体を、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはその光学異性体、光学異性体の混合物もしくはジアステレオマーの混合物;または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ)と接触させることを包含している。
一実施形態において、本明細書に示されているのは、eIF4Eの活性を阻害または抑制する方法である。一実施形態において、当該方法は、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはその光学異性体、光学異性体の混合物もしくはジアステレオマーの混合物;または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ)を用いて、eIF4F複合体を崩壊させることを包含している。一実施形態において、当該方法は、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはその光学異性体、光学異性体の混合物もしくはジアステレオマーの混合物;または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ)によって、キャップ依存性のタンパク質翻訳開始を下方制御することを包含している。
SCIDマウスにおける乳がんにとってのMDA−MB−468異種移植モデルにおけるインビボの腫瘍成長の抑制に対する、化合物1および2の影響(例:処置動物および対照動物における、腫瘍体積および体重変化率)を示す図である。
特に断りがいない限り、本明細書に使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって一般に理解される通りの意味を有している。本明細書に言及されているすべての刊行物および特許は、参照によってその全体が本明細書に援用される。
〔A.定義〕
本明細書および添付の特許請求の範囲に使用されるとき、不定冠詞“a”および“an”、ならびに定冠詞“the”は、特に断りがいない限り、単数および複数の対象を包含している。
本明細書に使用されるとき、用語“約”または“ほぼ”は、特に断りのない限り、当業者によって決定されるような特定の値に対する許容可能な誤差を意味し、当該誤差は、当該値がどのように測定されるかまたは決定されるかに部分的に依存する。ある実施形態において、用語“約”または“ほぼ”は、1、2、3または4の標準偏差以内を意味する。ある実施形態において、用語“約”または“ほぼ”は、所定の値または範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%または00.5%以内を意味する。
本明細書に使用されるとき、用語“アルキル”は、特に断りのない限り、直鎖状または分岐鎖状の一価の飽和炭化水素基を指し、当該アルキルは1つ以上の置換基を用いて任意に置換され得る。また、用語“アルキル”は、特に断りがない限り、直鎖状のアルキルおよび分岐鎖状のアルキルの両方を包含している。ある実施形態において、アルキルは、1〜20(C1−20)、1〜15(C1−15)、1〜12(C1−12)、1〜10(C1−10)もしくは1〜6(C1−6)の炭素原子を有している直鎖状の一価の飽和炭化水素ラジカル、または3〜20(C3−20)、3〜15(C3−15)、3〜12(C3−12)、3〜10(C3−10)もしくは3〜6(C3−6)の炭素原子を有している分岐鎖状の一価の飽和炭化水素ラジカルである。また、本明細書に使用されるとき、直鎖状のC1−6アルキル基および分枝鎖状のC3−6アルキル基は、“低級アルキル”を指す。アルキル基の例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基(すべての異性体が挙げられる)、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基(すべての異性体が挙げられる)、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基(すべての異性体が挙げられる)およびヘキシル基(すべての異性体が挙げられる)が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、C1−6アルキル基は、1〜6の炭素原子の、直鎖状の一価の飽和炭化水素基、または3〜6の炭素原子の、分枝鎖状の一価の飽和炭化水素基を指す。
本明細書に使用されるとき、用語“アルケニル”は、特に断りがない限り、直鎖状または分枝鎖状の一価の炭化水素基を指し、当該炭化水素基は、1つ以上、一実施形態において1〜5の炭素−炭素二重結合を含んでいる。上記アルケニルは1つ以上の置換基を用いて任意に置換され得る。また、用語“アルケニル”は、当業者によって理解される通りに、“シス”および“トランス”の立体配置、または代替的に“E”および“Z”の立体配置を有しているラジカルを包含している。本明細書に使用されるとき、用語“アルケニル”は、特に断りがない限り、直鎖状アルケニルおよび分枝鎖状アルケニルの両方を包含している。例えば、C2−6アルケニルは、2〜6の炭素原子の、直鎖状の一価の炭化水素ラジカル、または3〜6の炭素原子の、分枝鎖状の一価の炭化水素ラジカルを指す。ある実施形態において、アルケニルは、2〜20(C2−2)、2〜15(C2−15)、2〜12(C2−12)、2〜10(C2−10)もしくは2〜6(C2−6)の炭素原子の、直鎖状の一価の炭化水素ラジカル、または3〜20(C3−20)、3〜15(C3−15)、3〜12(C3−12)、3〜10(C3−10)もしくは3〜6(C3−6)の炭素原子のn分枝鎖状の一価の炭化水素ラジカルである。アルケニル基の例としては、エテニル、プロペン−1−イル、プロペン−2−イル、アリルおよび4−メチルブテニルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に使用されるとき、用語“アルキニル”は、特に断りがない限り、直鎖状または分枝鎖状の一価の炭化水素基を指し、当該炭化水素基は、1つ以上、一実施形態において1〜5の炭素−炭素三重結合を含んでいる。アルキニルは、1つ以上の置換基を用いて任意に置換され得る。また、用語“アルキニル”は、特に断りがない限り、直鎖状のアルキニルまたは分枝鎖状のアルキニルの両方を包含している。ある実施形態において、上記アルキニルは、2〜20(C2−20)、2〜15(C2−15)、2〜12(C2−12)、2〜10(C2−10)もしくは2〜6(C2−6)の炭素原子の直鎖状の一価の炭化水素ラジカル、または3〜20(C3−20)、3〜15(C3−15)、3〜12(C3−12)、3〜10(C3−10)もしくは3〜6(C3−6)の炭素原子の分枝鎖状の一価の炭化水素ラジカルである。アルキニル基の例としては、エチニル(−C≡CH)およびプロパルギル(−CHC≡CH)が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、C2−6アルキニルは、2〜6の炭素原子の、直鎖状の一価の不飽和炭化水素ラジカル、または3〜6炭素原子の、分枝鎖状の一価の不飽和炭化水素ラジカルを指す。
本明細書に使用されるとき、用語“シクロアルキル”は、特に断りがない限り、架橋および/または非架橋の一価の環状炭化水素ラジカルを指し、当該シクロアルキルは本明細書に記載のような1つ以上の置換基を用いて任意に置換され得る。ある実施形態において、シクロアルキルは、3〜20(C3−20)、3〜15(C3−15)、3〜12(C3−12)、3〜10(C3−10)または3〜7(C3−7)の炭素原子を有している。クロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、デカリニルおよびアダマンチルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に使用されるとき、用語“ヘテロアルキル”は、特に断りがない限り、直鎖状もしくは分枝鎖状または環状の安定な炭化水素ラジカル、またはそれらの組合せを指す。当該ラジカルは、一定の数の炭素原子、ならびにO、N、SiおよびSからなる群から選択される1〜3の異種原子からなり、窒素原子および硫黄原子は任意に酸化され、窒素異種原子は任意に4級化され得る。(複数の)異種原子O、NおよびSは、ヘテロアルキル基内の任意の位置に配置され得る。異種原子Siは、ヘテロアルキル基の任意の位置(分子の残部に対してアルキル基が結合されている位置が挙げられる)に配置され得る。異種原子O、NまたはSは、分子の残部に対してアルキル基が結合されている位置に配置され得ない。異種原子O、NまたはSは、分子の残部に対してアルキル基が結合されている場所に対して遠位にある外部位置に配置され得る。複数の例として、−CH−CH−O−CH、−CH−CH−NH−CH、−CH−CH−N(CH)−CH、−CH−S−CH−CH、−CH−CH−S(O)−CH、−CH−CH−S(O)−CH、−CH=CH−O−CH、−Si(CH、−CH−CH=N−OCHおよびCH=CH−N(CH)−CHが挙げられる。異種原子は2つまで連続し得る(例えば、−CH2−NH−OCHおよび−CH−O−Si(CHなど)。また、用語“ヘテロアルキル”に包含されているのは、“ヘテロアルキレン”および“ヘテロシクロアルキル”と記載されるそれらのラジカルである。単独または他の置換基の一部としての用語“ヘテロアルキレン”は、−CH−CH−S−CH−CH−およびCH−S−CH−CH−NH−CH−によって例示されるような、ヘテロアルキルに由来する二価のラジカルを意味する。さらに、ヘテロアルキレン連結基、および本明細書に示されている他の結合基のすべてについて、連結基の向きは意図されていない。
本明細書に使用されるとき、用語“アリール”は、特に断りがない限り、少なくとも1つの芳香族炭化水素環を含んでいる、単環式芳香基および/または一価の多環式芳香基を指す。ある実施形態において、アリールは、6〜20(C6−20)、6〜15(C6−15)または6〜10(C6−10)の環原子を有している。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、フルオレニル、アズレニル、アントリル、フェナントリル、ピレニル、ビフェニルおよびテルフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。また、アリールは、二環式または三環式の炭素環を指し、1つの環は芳香族であり、他の環は、飽和、部分的に不飽和、または芳香族であり得る(例えば、ジヒドロナフチル、インデニル、インダニルまたはテトラヒドロナフチル(テトラリニル))。また、ある実施形態において、アリールは、1つ以上の置換基を用いて任意に置換され得る。
本明細書に使用されるとき、用語“アリールアルキル”または“アラルキル”は、特に断りがない限り、アリールを用いて置換されている一価のアルキル基を指す。ある実施形態において、アルキルおよびアリールの両方は、1つ以上の置換基を用いて任意に置換され得る。
本明細書に使用されるとき、用語“ヘテロアリール”は、特に断りがない限り、少なくとも1つの芳香環を含んでいる単環式芳香基および/または多環式芳香基を指し、1つ以上の環が独立して、独立してO、SおよびNから選択される1つ以上の異種原子を含んでいる。環のそれぞれにおける異種原子の総数は4つ以下であり、かつ環のそれぞれは少なくとも1つの炭素原子を含んでいる条件のもとに、ヘテロアリール基の環のそれぞれは、1または2つのO原子、1または2つのS原子および/または1〜4つのN原子を含み得る。ある実施形態において、ヘテロアリールは、5〜20、5〜15または5〜10の環原子を有している。単環式ヘテロアリール基の例としては、フラニル、イミダゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、テトラゾリル、トリアジニルおよびトリアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。二環式ヘテロアリール基の例としては、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フロピリジル、イミダゾピリジニル、イミダゾチアゾリル、インドリジニル、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソベンゾチエニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、ナフチリジニル、オキサゾロピリジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピリドピリジル、ピロロピリジル、キノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、チアジアゾロピリミジルおよびチエノピリジルが挙げられるが、これらに限定されない。三環式ヘテロアリール基の例としては、アクリジニル、ベンズインドリル、カルバゾリル、ジベンゾフラニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナントリジニル、フェナルサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニルおよびキサンテニルが挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態において、ヘテロアリールは1つ以上の置換基を用いて任意に置換され得る。
本明細書に使用されるとき、特に断りがない限り、“ヘテロシクリル”、“ヘテロシクロアルキル”または“ヘテロ環”は、少なくとも1つの非芳香環を含んでいる単環式非芳香環系および/または多環式系を指し、ここで、少なくとも1つの環が独立して、O、SまたはNから選択される1つ以上の異種原子を含んでおり、残りの環原子が炭素原子である。ある実施形態において、ヘテロシクリルまたはヘテロ環式基は、3〜20、3〜15、3〜10、3〜8、4〜7または5〜6の環原子を有している。ある実施形態において、ヘテロシクリルは、単環式、二環式、三環式または四環式の環系である。当該環系は縮合環系または架橋環系を含み得、当該環系において、窒素原子または硫黄原子は、任意に酸化され得、窒素原子は任意に4級化され得、いくつかの環は部分的に飽和、完全に飽和、または芳香族であり得る。ヘテロシクリルは、安定した化合物の生成をもたらす種原子または炭素原子において、主構造と結合され得る。そのようなヘテロ環式基の例としては、アゼピニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラノニル、ベンゾピラノニル、ベンゾピラニル、ベンゾテトラヒドロフラニル、ベンゾテトラヒドロチエニル、ベンゾチオピラニル、ベンズオキサジニル、β-カルボリニル、クロマニル、クロモニル、シンノリニル、クマリニル、デカヒドロイソキノリニル、ジヒドロベンズイソチアジニル、ジヒドロベンズイソキサジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロピラニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジオキソラニル、1,4−ジチアニル、フラノニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、インドリニル、イソベンゾテトラヒドロフラニル、イソベンゾテトラヒドロチエニル、イソクロマニル、イソクマリニル、イソインドリニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、オキサゾリジノニル、オキサゾリジニル、オキシラニル、ピペラジニル、ピペリジニル、4−ピペリドニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリジニル、ピロリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、チアモルホリニル、チアゾリジニル、テトラヒドロキノリニルおよび1,3,5−トリチアニルが挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態において、ヘテロ環は1つ以上の置換基を用いて任意に置換され得る。
本明細書に使用されるとき、用語“ハロゲン”、“ハロゲン化物”または“ハロ”は、特に断りがない限り、フッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素を指す。
本明細書に使用されるとき、用語“水素”は、特に断りがない限り、プロトン(1H)、重水素(2H)、トリチウム(3H)および/またはそれらの混合物を包含している。
本明細書に使用されるとき、用語“任意に置換されている”は、特に断りがない限り、官能基(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル)が、例えば、独立して(a)および(b)から選択される1つ以上の置換基を用いて置換され得ることを意味する。(a)は、1つ以上、一実施形態において1、2、3または4つの置換基Qを用いて、それぞれが任意に置換されているC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C6−14アリール、C7−15アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルである。(b)は、1つ以上、一実施形態において1、2、3または4つの置換基Qを用いて、それぞれが任意に置換されているハロ、シアノ(−CN)、ニトロ(−NO)、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR、−C(NR)NR、−OR、−OC(O)R、−OC(O)OR、−OC(O)NR、−OC(=NR)NR、−OS(O)R、−OS(O)、−OS(O)NR、−OS(O)NR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−NRC(O)NR、−NRC(=NR)NR、−NRS(O)R、−NRS(O)、−NRS(O)NR、−NRS(O)NR、−SR、−S(O)R、−S(O)、−S(O)NRおよびS(O)NRである。ここで、R、R、RおよびRのそれぞれは独立して、(i)水素;または(ii)1つ以上、一実施形態において1、2、3または4つの置換基Qを用いて、それぞれが任意に置換されているC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C6−14アリール、C7−15アラルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリルであるか;または(iii)RおよびRは、それらが結合しているN原子をともなって、1つ以上、一実施形態において1、2、3または4つの置換基Qを用いて、それぞれが任意に置換されているヘテロアリールまたはヘテロシクリルを形成している。
一実施形態において、Qのそれぞれは独立して、(a)シアノ、ハロおよびニトロ;(b)C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C6−14アリール、C7−15アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル;ならびに、(c)−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR、−C(NR)NR、−OR、−OC(O)R、−OC(O)OR、−OC(O)NR、−OC(=NR)NR、−OS(O)R、−OS(O)、−OS(O)NR、−OS(O)NR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−NRC(O)NR、−NRC(=NR)NR、−NRS(O)R、−NRS(O)、−NRS(O)NR、−NRS(O)NR、−SR、−S(O)R、−S(O)、−S(O)NRおよび−S(O)NRからなる群から選択される。ここで、R、R、RおよびRのそれぞれは独立して、(i)水素;または(ii)C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C6−14アリール、C7−15アラルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリルであるか;または(iii)RおよびRは、それらが結合しているN原子をともなって、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルを形成している。
本明細書に使用されるとき、用語“薬学的に許容可能な塩”は、特に断りがない限り、薬学的に許容可能な無毒性(無機酸および有機酸が挙げられる)の酸から調製された塩を指す。好適な無毒性の酸としては、無機酸および有機酸(例えば、酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、フロン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グルコレン酸(glucorenic acid)、ガラクツロン酸、グリシド酸、塩化臭素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモン酸、パントテン酸、フェニル酢酸、プロピオン酸、リン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸、酒石酸およびp−トルエンスルホン酸など)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、上記塩は、塩酸、塩化臭素酸、リン酸または硫酸から形成されている。一実施形態において、上記塩は塩酸塩から形成されている。
本明細書に使用されるとき、用語“水和物”は、特に断りがない限り、非共有結合性の分子間力によって結合されている化学量論的または非化学量論的な量の水をさらに含んでいる、本明細書に示されている化合物またはその塩を意味する。
本明細書に使用されるとき、用語“溶媒和物”は、特に断りがない限り、非共有結合性の分子間力によって結合されている化学量論的または非化学量論的な量の溶媒をさらに含んでいる、本明細書に示されている化合物またはその塩を意味する。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物(例えば、一水和物、二水和物、三水和物および四水和物など)である。
本明細書に使用されるとき、用語“立体異性体”は、特に断りがない限り、光学異性的/ステレオメリックに(stereomerically)純粋な本明細書に示されている化合物および光学異性的/ステレオメリックに濃縮された本明細書に示されている化合物のすべてを包含している。
本明細書に使用されるとき、用語“立体異性的に純粋な”は、特に断りがない限り、化合物の1つの立体異性体を含んでおり、当該化合物の他の立体異性体を実質的に含んでいない組成物を意味する。例えば、1つのキラル中心を有している化合物の立体異性的に純粋な組成物は、当該化合物の逆の光学異性体を実質的に含んでいない。2つのキラル中心を有している化合物の立体異性的に純粋な組成物は、当該化合物の他のジアステレオマーを実質的に含んでいない。典型的な立体異性的に純粋な化合物は、約80重量%を超える当該化合物の一方の立体異性体および約20重量%未満の当該化合物の他方の立体異性体、約90重量%を超える当該化合物の一方の立体異性体および約10重量%未満の当該化合物の他方の立体異性体、約95重量%を超える当該化合物の一方の立体異性体および約5重量%未満の当該化合物の他方の立体異性体、約97重量%を超える当該化合物の一方の立体異性体および約3重量%未満の当該化合物の他方の立体異性体、または約99重量%を超える当該化合物の一方の立体異性体および約1重量%未満の当該化合物の他方の立体異性体を含んでいる。
本明細書に使用されるとき、用語“立体異性的に濃縮された”は、特に断りがない限り、化合物の1つの立体異性体が約55重量%を超えて含まれている組成物、化合物の1つの立体異性体が約60重量%を超えて含まれている組成物、化合物の1つの立体異性体が約70重量%を超えて含まれている組成物、または化合物の1つの立体異性体が約80重量%を超えて含まれている組成物を意味する。
本明細書に使用されるとき、用語“光学異性的に純粋な”は、特に断りがない限り、1つのキラル中心を有している化合物の立体異性的に純粋な組成物を意味する。同様に、用語“光学異性的に濃縮された”は、1つのキラル中心を有している化合物の立体異性的に濃縮された組成物を意味する。
ある実施形態において、本明細書に使用されるとき、用語“光学的に活性な”および“光学異性的に活性な”は、特に断りがない限り、約50%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約91%以上、約92%以上、約93%以上、約94%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、約99.5%以上または約99.8%以上の光学異性の過剰を有している、分子の集合を指す。ある実施形態において、当該化合物は、当のラセミ体の総重量に基づいて、約95%以上の所望の光学異性体、および5%以下の好ましさの少ない光学異性体を含んでいる。
光学活性化合物の記載において、接頭語RおよびSは、キラル中心についての分子の絶対立体配置を表すために使用される。(+)および(−)は、上記化合物の旋光性(すなわち、当該光学活性化合物によって偏光面が回転させられる方向)を表すために使用される。接頭語(−)は、上記化合物が左旋性である(すなわち、当該化合物が左または左回りに偏光面を回転させる)ことを示す。接頭語(+)は、化合物が右旋性である(すなわち、当該化合物が右または右回りに偏光面を回転させる)ことを示す。しかし、旋光性の記号(+)または(−)は、分子、絶対立体配置RまたはSに関していない。
本明細書に使用されるとき、特に断りがない限り、用語“組成物”、“製剤”および“投薬形態”は、(示されている場合に特定の量における)特定の(複数の)成分を含んでいる生成物、および特定の(複数の)量において特定の(複数の)成分の組合せから、直接的または間接的に生じる任意の(複数の)生成物を包含していると意図されている。
本明細書に使用されるとき、用語“薬学的に許容可能な担体”、“薬学的に許容可能な賦形剤”、“生理学的に許容し得る担体”または“生理学的に許容し得る賦形剤”は、特に断りがない限り、薬学的に許容可能な物質、組成物またはビヒクル(例えば、液体充填剤、固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶剤または封止剤)を指す。一実施形態において、成分のそれぞれは、(1)薬学的製剤の他の成分と適合性であり、(2)過度の毒性、刺激、アレルギー反応、免疫原性または他の問題もしくは合併症をともなわずにヒトおよび動物の組織または臓器と接触させる用途に適しており、(3)適度な利益/リスクの比と釣り合っているという意味において、“薬学的に許容可能”である。一実施形態において、“薬学的な”または“薬学的に許容可能な”は、上記組成物、製剤または投薬形態における任意の希釈剤、賦形剤または担体が、他の成分と適合性であり、その受容者にとって有害ではないことを意味する。例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition, Lippincott Williams & Wilkins: Philadelphia, PA, 2005; Handbook of Pharmaceutical Excipients, 5th Edition, Rowe et al., Eds., The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association: 2005; and Handbook of Pharmaceutical Additives, 3rd Edition, Ash and Ash Eds., Gower Publishing Company: 2007; Pharmaceutical Preformulation and Formulation, 2nd Edition, Gibson Ed., CRC Press LLC: Boca Raton, FL, 2009を参照すればよい。
本明細書に使用されるとき、用語“活性成分”および“活性物質”は、特に断りがない限り、単独でまたは1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤と併用して、1つ以上の身体の異常、障害または疾患の症状を処置、予防、管理または改善するために対象に投与する化合物を指す。本明細書に使用されるとき、用語“活性成分”および“活性物質”は、本明細書に記載される化合物の光学的に活性のある異性体であってもよい。
本明細書に使用されるとき、用語“薬剤”、“治療薬”および“化学療法剤”は、特に断りがない限り、1つ以上の健康状態、障害または疾患の症状を処置、予防、管理または改善するために、対象に対して投与される化合物またはその薬学的組成物を指す。
本明細書に使用されるとき、用語“処置する”、“処置すること”および“処置”は、特に断りのない限り、疾患もしくは障害、または当該疾患もしくは障害と関連する症状の1つ以上の根治または寛解を指す。ある実施形態において、当該用語は、このような疾患または障害に罹患した対象に対する1つ以上の予防薬または治療薬の投与から生じる、当該疾患または障害の蔓延または悪化の最小化を指す。いくつかの実施形態において、当該用語は、特定の疾患の症状の診断または発症の後に、1つ以上のさらなる活性物質をともなうか、またはともなわない、本明細書に示されている化合物または投薬形態の投与を指す。
本明細書に使用されるとき、用語“予防する”、“予防すること”および“予防”は、特に断りのない限り、疾患もしくは障害、または1つ以上のその症状の発症、再発または蔓延の予防を指す。ある実施形態において、当該用語は、症状の発症前に、特に本明細書に記載の疾患または障害のリスクのある患者に対する、1つ以上のさらなる他の活性物質をともなうか、またはともなわない、本明細書に示されている化合物もしくは投薬形態を用いた処置、または当該化合物もしくは投薬形態の投与を指す。当該用語は、特定の疾患の症状の抑制または軽減を包含している。ある実施形態において、疾患の家族歴を有している対象は、予防療法にとっての潜在的な候補者である。また、ある実施形態において、再発性の症状の病歴を有している患者は、予防にとっての潜在的な候補者である。これに関して、用語“予防”は、用語“予防療法”と交換可能に使用され得る。
本明細書に使用されるとき、用語“管理する”、“管理すること”、“管理”は、特に断りがない限り、疾患もしくは障害、または1つ以上のその症状の進行、蔓延もしくは悪化を予防すること、または遅らせることを指す。予防剤および/または治療薬から対象が得る有益な効果は、しばしば疾患または障害の治癒に至らない。これに関して、用語“管理する”は、特定の疾患の再発を予防するか、または最小化させるための試みにおいて、当該特定の疾患にかかっている患者を処置することを包含している。
本明細書に使用されるとき、特に断りがない限り、特定の薬学的組成物の投与による特定の疾患の症状の“寛解”は、当該組成物の投与に帰せられ得るか、または当該投与と関連付けられ得る、持続性もしくは一時性、永続性または一過性の任意の軽減を指す。
本明細書に使用されるとき、特に断りがない限り、化合物の“治療有効量”または“有効量”という用語は、疾患もしくは障害の処置もしくは管理において治療上の利益をもたらすか、または当該疾患もしくは障害と関連付けられる症状の1つ以上を遅らせるか、もしくは最小化するために十分な量を意味する。化合物の“治療有効量”または“有効量”は、当該疾患または障害の処置または管理において治療上の利益をもたらす、単独または1つ以上の他の治療法との組合せにおける治療薬の量を意味する。用語“治療有効量”または“有効量”は、治療法を全体的に向上させるか、疾患もしくは障害の症状もしくは病因を軽減するか、遅らせるか、もしくは回避するか、または他の治療薬の治療有効性を高める量を包含し得る。
本明細書に使用されるとき、特に断りがない限り、化合物の“予防的に有効な量”は、疾患もしくは障害を予防するか、またはその再発を予防するために十分な量である。化合物の予防的に有効な量は、疾患の予防において予防的な利益をもたらす、単独または1つ以上の他の治療法との組合せにおける治療薬の量を意味する。用語“予防的に有効な量”は、予防処置を全体的に向上させるか、または他の予防薬の予防的な有効性を高める量を包含し得る。
本明細書に使用されるとき、特に断りがない限り、用語“対象”は、動物(例えば、哺乳類(霊長類(例えばヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラットおよびマウスなどが挙げられるが、これらに限定されない))を包含すると明示されている。特定の実施形態において、対象はヒトである。用語“対象”および“患者”は、例えば哺乳類の対象(例えばヒト)に対する言及において、本明細書において交換可能に使用される。
本明細書に使用されるとき、特に断りがない限り、用語“腫瘍”は、悪性または良性にかかわらず、新生物性の細胞成長および細胞増殖のすべて、ならびに前がん性およびがん性の細胞および組織のすべてを指す。本明細書に使用されるとき、特に断りがない限り、“新生物性”は、悪性または良性にかかわらず、異常な組織成長を生じる調節不全または無調節な細胞成長の任意の形態を指す。したがって、“新生細胞”は、調節不全または無調節な細胞成長を生じている悪性細胞および良性細胞を包含している。
本明細書に使用されるとき、特に断りがない限り、用語“がん”および“がん性”は、無調節な細胞成長のよって典型的に特徴付けられている、哺乳類における生理的な状態を指すか、または説明する。がんの例としては、リンパ腫、白血病および固形腫瘍(例えば肺がん)が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に使用されるとき、特に断りがない限り、用語“増殖性”の障害または疾患は、多細胞生物に対して害(すなわち、不快感または寿命の短縮)をもたらす、多細胞生物における細胞の部分集合の1つ以上の不要な細胞増殖を指す。例えば、本明細書に使用されるとき、増殖性の障害または疾患は、新生物性疾患および他の増殖性疾患を包含している。
本明細書に使用されるとき、特に断りがない限り、用語“トリプルネガティブの乳がん”は、エストロゲン受容体(ER)タンパク質、プロゲステロン受容体(PR)タンパク質およびヒト上皮細胞増殖因子受容体2(HER2)タンパク質の発現が臨床的にネガティブである乳がんの特定の亜型を指す。乳がんのこれらの亜型は、ほとんどの乳がんを刺激すると知られている3つの受容体:エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体およびヒト上皮細胞増殖因子受容体2の存在または欠乏に基づいて一般的に診断される。これらの受容体は、トリプルネガティブの乳がんと診断された患者に認められない。言い換えると、トリプルネガティブの乳がんとの診断は、害している腫瘍がエストロゲン受容体−ネガティブ、プロゲステロン受容体−ネガティブおよびHER2−ネガティブであることを意味する。
本明細書に使用されるとき、用語“再発性”は、特に断りがない限り、治療後にがんの寛解を示していた対象が、がん細胞の復帰を示している状況を指す。
本明細書に使用されるとき、用語“難治性”または“抵抗性”は、特に断りがない限り、集中的な処置の後にさえ対象が体内に残余のがん細胞を有している状況を指す。
本明細書に使用されるとき、用語“薬剤耐性”は、特に断りがない限り、疾患が(複数の)薬剤を用いた処置に反応しない状態を指す。薬剤耐性は、疾患が(複数の)薬剤に対してまったく反応を示さないことを意味する内因性、または疾患が以前に反応していた(複数の)薬剤に対する反応を当該疾患がなくすことを意味する後天性であり得る。ある実施形態において、薬剤耐性は内因性である。ある実施形態において、薬剤耐性は後天性である。
本明細書に使用されるとき、用語“抗がん剤”または“がん治療薬”は、特に断りがない限り、抗増殖性薬および化学療法薬(代謝拮抗剤(例えば、5−フルオロウラシル、メトトレキサート、フルダラビン、シタラビン(シトシンアラビノシドまたはAra−Cとしても知られている)および高用量シタラビン)、微小管阻害剤(例えば、ビンカアルロイド(例えば、ビンクリスチンおよびビンブラスチン)、およびタキサン(例えば、パクリタキセルおよびドセタキセル))、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、クロラムブシル、シクロホスファミド、メルファラン、メルファラン、イホスファミド、カルムスチン、アザシチジン、デシタビン、ブスルファン、シクロホスファミド、ダカルバジン、イホスファミド、およびニトロソ尿素化合物(例えば、カルムスチン、ロムスチン、ビスクロロエチルニトリソウレアおよびヒドロキシ尿素))、白金薬剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン(JM−216)およびCI−973)、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシンおよびダウノルビシン)、抗腫瘍性抗生物質(例えば、マイトマイシン、ブレオマイシン、イダルビシン、アドリアマイシン、ダウノマイシン(ダウノルビシン、ルビドマイシンまたはセルビジンとしても知られている)およびミトキサントロン)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシドおよびカンプトテシン)、プリンアンタゴニストまたはピリミジンアンタゴニスト(例えば、6−メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、シタラビン、クロファラビンおよびゲムシタビン)、細胞成熟化剤(例えば、三酸化ヒ素およびトレチノイン)、DNA修復酵素阻害剤(例えば、ポドフィロトキシン、エトポシド、イリノテカン、トポテカンおよびテニポシド)、細胞生存を妨げる酵素(例えば、アスパラギナーゼおよびペグアスパラガーゼ)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ボリノスタット)、任意の他の細胞障害性剤(例えば、リン酸エストラムスチン、デキサメタゾン、プレドニムスチンおよびプロカルバジン)、ホルモン(例えば、デキサメタゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、タモキシフェン、リュープロリド、フルタミドおよびメゲストロール)、モノクローナル抗体(例えば、ゲムツズマブ・オゾガマイシン、アレムツズマブ、リツキシマブおよびイットリウム−90−イブリツモマブチウキセタン)、免疫修飾物質(例えば、サリドマイドおよびレナリドマイド)、Bcr−Ablキナーゼ阻害剤(例えば、AP23464、AZD0530、CGP76030、PD180970、SKI−606、イマチニブ、BMS354825(ダサチニブ)、AMN107(ニロチニブ)およびVX−680)、ホルモンアゴニストもしくはホルモンアンタゴニスト、部分アゴニストもしくは部分アンタゴニスト、キナーゼ阻害剤、手術、放射線療法(例えば、ガンマ線照射、中性子線照射療法、電子線照射療法、陽子療法、近接照射療法および全身性の放射性同位元素)、内分泌療法、生物反応修飾物質(例えば、インターフェロン、インターロイキンおよび腫瘍壊死因子)、発熱療法および凍結療法、ならびに任意の副作用を和らげる薬剤(例えば制吐剤)が挙げられるが、これらに限定されない)を包含していると意図されている。一実施形態において、抗がん剤またはがん治療薬は、細胞障害性剤、代謝拮抗剤、抗葉酸剤、HDAC阻害剤(例えば、MGCD0103(N−(2−アミノフェニル)−4−((4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)メチル)ベンズアミドとしても知られている))、DNA挿入剤、DNA架橋剤、DNAアルキル化剤、DNA切断剤、トポイソメラーゼ阻害剤、CDK阻害剤、JAK阻害剤、血管新生阻害剤、Bcr−Abl阻害剤、HER2阻害剤、EGFR阻害剤、VEGFR阻害剤、PDGFR阻害剤、HGFR阻害剤、IGFR阻害剤、c−Kit阻害剤、Ras経路阻害剤、PI3K阻害剤、マルチターゲットキナーゼ阻害剤、mTOR阻害剤、抗エストロゲン剤、抗アンドロゲン剤、アロマターゼ阻害剤、ソマトスタチン類縁対、ER調整剤、抗チュブリン剤、ビンカアルカロイド、タキサン、HSP阻害剤、スムーズンド拮抗薬、テロメラーゼ阻害剤、COX−2阻害剤、抗転移薬、免疫抑制剤、生物製剤(例えば、抗体およびおよびホルモン療法)である。
本明細書に使用されるとき、特に断りがない限り、用語“同時投与”および“との組合せにおいて”は、特に断りがない限り特定の時間的制限なしに同時、共同的または連続的な、2つ以上の治療薬の投与を包含している。一実施形態において、これらの薬剤は、細胞内もしくは対象の体内に同時に存在するか、または生物学的作用もしくは治療を同時に発揮する。一実施形態において、これらの治療薬は、同じ組成物に存在するか、または同じ単回の投薬形態に存在する。他の実施形態において、これらの治療薬は、個々の組成物に存在するか、または個々の単回の投薬形態に存在する。ある実施形態において、第1の薬剤が、第2の治療薬の投与の前(例えば、5分前、15分前、30分前、45分前、1時間前、2時間前、4時間前、6時間前、12時間前、24時間前、48時間前、72時間前、96時間前、1週間前、2週間前、3週間前、4週間前、5週間前、6週間前、8週間前または12週間前)、当該投与と実質的に同時、または当該投与の後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間または12週間の後)に、投与され得る。
〔B.化合物〕
一実施形態において、式(I):
Figure 2013528215
の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくは2つ以上のジアステレオマーの混合物;または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグが提供される。
(式中:
(A)LはS(O)である。
はフェニルまたは5〜6員環のヘテロアリールであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上のを用いて、任意に置換され得る。
のそれぞれは、
(i)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、または(C〜C)アルキニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、6〜10員環のアリール、5〜10員環のヘテロアリール、または3〜10員環のヘテロシクリルの1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルのそれぞれは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得るか;または
(ii)(C〜C)シクロアルキルであり、これは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、6〜10員環のアリール、5〜10員環のヘテロアリール、または3〜10員環のヘテロシクリルの1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該アルキル、アルケニル、およびアルキニルのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルのそれぞれは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得る。
は水素またはRである。
はフェニルまたは5〜6員環のヘテロアリールであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、任意に置換され得る6〜10員環のアリール、任意に置換され得る5〜10員環のヘテロアリール、または任意に置換され得る3〜10員環のヘテロシクリルの1つ以上を用いて、任意に置換され得る。
およびRはそれぞれ独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C12)アラルキル、フェニル、5〜6員環のヘテロアリール、または3〜7員環のヘテロシクリルである;またはRとRはともに3〜10員環を形成する;または
(B)LはC(O)である。
は、フェニルまたは5〜6員環のヘテロアリールであって、これらのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得る。
のそれぞれは、
(i)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、または(C〜C)アルキニルであり、これらのそれぞれは、1以上のハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、6〜10員環のアリール、5〜10員環のヘテロアリール、または3〜10員環のヘテロシクリルの1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルのそれぞれは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)2R、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得る;または
(ii)(C〜C)シクロアルキルであり、これは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、6〜10員環のアリール、5〜10員環のヘテロアリール、または3〜10員環のヘテロシクリルの1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該アルキル、アルケニル、およびアルキニルのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルのそれぞれは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得る。
は水素またはRである。
は以下の構造である。
Figure 2013528215
(式中、(i)Xはそれぞれ独立してNまたはCHであり、RおよびRはそれぞれ独立してハロゲンまたはCFであり、(ii)RはクロロまたはCFであり、R10はフルオロ、クロロ、またはCFであり、R11は水素、フルオロ、クロロ、CF、または(C〜C)アルキルである。)
およびRはそれぞれ独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C12)アラルキル、フェニル、5〜6員環のヘテロアリール、または3〜7員環のヘテロシクリルである;またはRおよびRはともに3〜10員環を形成する。
(i)RおよびRの両方がCFでありXがCHである場合、Rが3,4−ジクロロフェニルおよび3,5−ジクロロフェニルのいずれでもなく、(ii)RおよびR10の両方がCFでありR11が水素である場合、Rが3,4−ジクロロフェニルおよび3,5−ジクロロフェニルのいずれでもない。)。
一実施形態において、式(I):
Figure 2013528215
の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくは2つ以上のジアステレオマーの混合物;または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグが提供される。
(式中、
(A)LはS(O)である。
はフェニルまたは5〜6員環のヘテロアリールであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR62、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得る。
のそれぞれは、
(i)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、または(C〜C)アルキニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、6〜10員環のアリール、5〜10員環のヘテロアリール、または3〜10員環のヘテロシクリルの1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルのそれぞれは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得る;または
(ii)(C〜C)シクロアルキルであり、これは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、6〜10員環のアリール、5〜10員環のヘテロアリール、または3〜10員環のヘテロシクリルの1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該アルキル、アルケニル、およびアルキニルのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルのそれぞれは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得る。
は水素またはRである。
はフェニルまたは5〜6員環のヘテロアリールであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、任意に置換され得る6〜10員環のアリール、任意に置換され得る5〜10員環のヘテロアリール、または任意に置換され得る3〜10員環のヘテロシクリルの1つ以上を用いて、任意に置換され得る。
およびRはそれぞれ独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C12)アラルキル、フェニル、5〜6員環のヘテロアリール、または3〜7員環のヘテロシクリルである;またはRとRはともに3〜10員環を形成する;または
(B)LはC(O)である。
は、フェニルまたは5〜6員環のヘテロアリールであって、これらのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得る。
のそれぞれは、
(i)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、または(C〜C)アルキニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、6〜10員環のアリール、5〜10員環のヘテロアリール、または3〜10員環のヘテロシクリルの1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルのそれぞれは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)2R、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得る;または
(ii)(C〜C)シクロアルキルであり、これは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、6〜10員環のアリール、5〜10員環のヘテロアリール、または3〜10員環のヘテロシクリルの1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該アルキル、アルケニル、およびアルキニルのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルのそれぞれは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得る。
は水素またはRである。
は以下の構造である。
Figure 2013528215
(式中、Xはそれぞれ独立してNまたはCHであり、RおよびRはそれぞれ独立してハロゲンまたはCFである。)
およびRはそれぞれ独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C12)アラルキル、フェニル、5〜6員環のヘテロアリール、または3〜7員環のヘテロシクリルである;またはRおよびRはともに3〜10員環を形成する。
およびRの両方がCFである場合、Rが3,4−ジクロロフェニルおよび3,5−ジクロロフェニルのいずれでもない。)。
一実施形態において、式(II):
Figure 2013528215
の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくは2つ以上のジアステレオマーの混合物;または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグが提供される。
(式中、Rはフェニルまたは5〜6員環のヘテロアリールであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得る。
のそれぞれは、
(i)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、または(C〜C)アルキニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、6〜10員環のアリール、5〜10員環のヘテロアリール、または3〜10員環のヘテロシクリルの1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルのそれぞれは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得る;または
(ii)(C〜C)シクロアルキルであり、これは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、6〜10員環のアリール、5〜10員環のヘテロアリール、または3〜10員環のヘテロシクリルの1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該アルキル、アルケニル、およびアルキニルのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルのそれぞれは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得る。
は水素またはRである。
はフェニルまたは5〜6員環のヘテロアリールであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、任意に置換され得る6〜10員環のアリール、任意に置換され得る5〜10員環のヘテロアリール、または任意に置換され得る3〜10員環のヘテロシクリルの1つ以上を用いて、任意に置換され得る。
およびRはそれぞれ独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C12)アラルキル、フェニル、5〜6員環のヘテロアリール、または3〜7員環のヘテロシクリルである;またはRおよびRはともに3〜10員環を形成する。)。
一実施形態において、式(II)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくは2つ以上のジアステレオマーの混合物;または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグが提供される。
(式中、Rはフェニルまたは5〜6員環のヘテロアリールであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得る。
のそれぞれは、
(i)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、または(C〜C)アルキニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、6〜10員環のアリール、5〜10員環のヘテロアリール、または3〜10員環のヘテロシクリルの1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルのそれぞれは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上のを用いて、任意に置換され得るか;または
(ii)(C〜C)シクロアルキルであり、これは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、6〜10員環のアリール、5〜10員環のヘテロアリール、または3〜10員環のヘテロシクリルの1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該アルキル、アルケニル、およびアルキニルのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルのそれぞれは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得る。
は水素またはRである。
は以下の構造である。
Figure 2013528215
(式中、Xはそれぞれ独立してNまたはCHであり、RおよびRはそれぞれ独立してハロゲンまたはCFである。)
およびRはそれぞれ独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C12)アラルキル、フェニル、5〜6員環のヘテロアリール、または3〜7員環のヘテロシクリルである;またはRおよびRはともに3〜10員環を形成する。)。
一実施形態において、式(III):
Figure 2013528215
の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくは2つ以上のジアステレオマーの混合物;または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグが提供される。
(式中、
はフェニルまたは5〜6員環のヘテロアリールであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得る。
のそれぞれは、
(i)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、または(C〜C)アルキニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、6〜10員環のアリール、5〜10員環のヘテロアリール、または3〜10員環のヘテロシクリルの1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルのそれぞれは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得る;または
(ii)(C〜C)シクロアルキルであり、これは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、6〜10員環のアリール、5〜10員環のヘテロアリール、または3〜10員環のヘテロシクリルの1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該アルキル、アルケニル、およびアルキニルのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルのそれぞれは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得る。
は水素またはRである。
およびRはそれぞれ独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C12)アラルキル、フェニル、5〜6員環のヘテロアリール、または3〜7員環のヘテロシクリルである;またはRおよびRはともに3〜10員環を形成する。
およびRはそれぞれ独立してハロゲンまたはCFである。
Xはそれぞれ独立してNまたはCHである。
およびRの両方がCFでありかつXがCHである場合、Rは3,4−ジクロロフェニルおよび3,5−ジクロロフェニルのいずれでもない。)。
一実施形態において、式(IV):
Figure 2013528215
の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくは2つ以上のジアステレオマーの混合物;または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグが提供される。
(式中、
はフェニルまたは5〜6員環のヘテロアリールであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得る。
のそれぞれは、
(i)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、または(C〜C)アルキニルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、6〜10員環のアリール、5〜10員環のヘテロアリール、または3〜10員環のヘテロシクリルの1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルのそれぞれは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得るか;または
(ii)(C〜C)シクロアルキルであり、これは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、6〜10員環のアリール、5〜10員環のヘテロアリール、または3〜10員環のヘテロシクリルの1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該アルキル、アルケニル、およびアルキニルのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルのそれぞれは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得る。
は水素またはRである。
およびRはそれぞれ独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C12)アラルキル、フェニル、5〜6員環のヘテロアリール、または3〜7員環のヘテロシクリルである;またはRおよびRはともに3〜10員環を形成する。
はクロロまたはCFである。
10はフルオロ、クロロ、またはCFである。
11は水素、フルオロ、クロロ、CF、または(C〜C)アルキルである。
およびR10の両方がCFでありかつR11が水素である場合、Rは3,4−ジクロロフェニルおよび3,5−ジクロロフェニルのいずれでもない。)。
一実施形態において、式(V):
Figure 2013528215
の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくは2つ以上のジアステレオマーの混合物;または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグが提供される。
(式中、
のそれぞれは、
(i)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、または(C〜C)アルキニルであり、これらのそれぞれは、1以上のハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、6〜10員環のアリール、5〜10員環のヘテロアリール、または3〜10員環のヘテロシクリルの1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルのそれぞれは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得る;または
(ii)(C〜C)シクロアルキルであり、これは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、6〜10員環のアリール、5〜10員環のヘテロアリール、または3〜10員環のヘテロシクリルの1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該アルキル、アルケニル、およびアルキニルのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得、当該ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルのそれぞれは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得る。
は水素またはRである。
およびRはそれぞれ独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C12)アラルキル、フェニル、5〜6員環のヘテロアリール、または3〜7員環のヘテロシクリルである;またはRおよびRはともに3〜10員環を形成する。
はクロロまたはCFである。
10はフルオロ、クロロ、またはCFである。
11は水素、フルオロ、クロロ、CF、または(C〜C)アルキルである。
12はフルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、ヒドロキシル、またはメトキシルである。
nは0、1、または2である。
およびR10の両方がCFであり、R11が水素であり、かつnが2である場合、R12はクロロではない。)。
一実施形態において、RおよびR10の両方がCFであり、R11が水素であり、かつnが2である場合、R12はクロロではない。
一実施形態において、RおよびR10の両方がCFであり、かつR11が水素である場合、R12はクロロではない。
一実施形態において、RおよびR10の両方がCFであり、R11は水素であり、R12はクロロであり、nは1である。
一実施形態において、R12はフルオロ、ブロモ、メチル、ヒドロキシル、またはメトキシルである。
一実施形態において、Rは、ハロゲン、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得る、フェニルである。一実施形態において、R1は、1〜3のハロゲン、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得る、フェニルである。
一実施形態において、Rは、ハロゲン、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて置換されているフェニルである。一実施形態において、Rは、1〜3のハロゲン、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)によって置換された、フェニルである。
一実施形態において、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて置換されているフェニルである。一実施形態において、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1〜3つを用いて置換されているフェニルである。一実施形態において、Rは、フルオロ、ブロモ、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて置換されているフェニルである。一実施形態において、Rは、フルオロ、ブロモ、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1〜3つを用いて置換されているフェニルである。
一実施形態において、Rは、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて置換されているフェニルである。一実施形態において、Rは、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1〜3つを用いて置換されているフェニルである。
一実施形態において、Rは、ハロゲン、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換され得る、5〜6員環のヘテロアリールである。一実施形態において、Rは、ハロゲン、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)の1〜3つを用いて、任意に置換され得る、5〜6員環のヘテロアリールである。
一実施形態において、Rは、ハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルキル、O(C〜C)アルキル、またはO(C〜C)シクロアルキルを用いて、任意に置換され得る、フェニルである。一実施形態において、Rは、1〜3のハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルキル、O(C〜C)アルキル、またはO(C〜C)シクロアルキルの1つ以上を用いて、任意に置換され得る、フェニルである。一実施形態において、Rは、ハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルキル、O(C〜C)アルキル、またはO(C〜C)シクロアルキルの1つ以上を用いて、任意に置換され得る、フェニルである。一実施形態において、Rは、ハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルキル、O(C〜C)アルキル、またはO(C〜C)シクロアルキルの1〜3つを用いて、任意に置換され得る、フェニルである。特定の実施形態において、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシル、メチル、メトキシル、エトキシル、プロポキシル、イソプロポキシル、シクロプロポキシル、ブトキシル、またはイソブトキシルの1つ以上を用いて、任意に置換され得る、フェニルである。特定の実施形態において、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシル、メチル、メトキシル、エトキシル、プロポキシル、イソプロポキシル、シクロプロポキシル、ブトキシル、またはイソブトキシルの1〜3つを用いて、任意に置換され得る、フェニルである。
一実施形態において、Rは、ハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルキル、O(C〜C)アルキル、またはO(C〜C)シクロアルキルを用いて置換されているフェニルである。一実施形態において、Rは、1〜3のハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルキル、O(C〜C)アルキル、またはO(C〜C)シクロアルキルの1つ以上を用いて置換されているフェニルである。一実施形態において、Rは、ハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルキル、O(C〜C)アルキル、またはO(C〜C)シクロアルキルの1つ以上を用いて置換されているフェニルである。一実施形態において、Rは、ハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルキル、O(C〜C)アルキル、またはO(C〜C)シクロアルキルの1〜3つを用いて置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシル、メチル、メトキシル、エトキシル、プロポキシル、イソプロポキシル、シクロプロポキシル、ブトキシル、またはイソブトキシルの1つ以上を用いて置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシル、メチル、メトキシル、エトキシル、プロポキシル、イソプロポキシル、シクロプロポキシル、ブトキシル、またはイソブトキシルの1〜3つを用いて置換されているフェニルである。
一実施形態において、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシル、(C〜C)アルキル、O(C〜C)アルキル、またはO(C〜C)シクロアルキルの1つ以上を用いて置換されているフェニルである。一実施形態において、Rは、フルオロ、ブロモ、ヒドロキシル、(C〜C)アルキル、O(C〜C)アルキル、またはO(C〜C)シクロアルキルの1つ以上を用いて置換されているフェニルである。一実施形態において、Rは、1〜3のフルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシル、(C〜C)アルキル、O(C〜C)アルキル、またはO(C〜C)シクロアルキルを用いて置換されているフェニルである。一実施形態において、Rは、1〜3のフルオロ、ブロモ、ヒドロキシル、(C〜C)アルキル、O(C〜C)アルキル、またはO(C〜C)シクロアルキルを用いて置換されているフェニルである。一実施形態において、Rは、1以上のフルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシル、(C〜C)アルキル、O(C〜C)アルキル、またはO(C〜C)シクロアルキルを用いて置換されているフェニルである。一実施形態において、Rは、1以上のフルオロ、ブロモ、ヒドロキシル、(C〜C)アルキル、O(C〜C)アルキル、またはO(C〜C)シクロアルキルを用いて置換されているフェニルである。一実施形態において、Rは、1〜3のフルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシル、(C〜C)アルキル、O(C〜C)アルキル、またはO(C〜C)シクロアルキルを用いて置換されているフェニルである。一実施形態において、Rは、1〜3のフルオロ、ブロモ、ヒドロキシル、(C〜C)アルキル、O(C〜C)アルキル、またはO(C〜C)シクロアルキルを用いて置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Rは、1以上のフルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシル、メチル、メトキシル、エトキシル、プロポキシル、イソプロポキシル、シクロプロポキシル、ブトキシル、またはイソブトキシルを用いて置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Rは、1以上のフルオロ、ブロモ、ヒドロキシル、メチル、メトキシル、エトキシル、プロポキシル、イソプロポキシル、シクロプロポキシル、ブトキシル、またはイソブトキシルを用いて置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Rは、1〜3のフルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシル、メチル、メトキシル、エトキシル、プロポキシル、イソプロポキシル、シクロプロポキシル、ブトキシル、またはイソブトキシルを用いて置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Rは、1〜3のフルオロ、ブロモ、ヒドロキシル、メチル、メトキシル、エトキシル、プロポキシル、イソプロポキシル、シクロプロポキシル、ブトキシル、またはイソブトキシルを用いて置換されているフェニルである。
一実施形態において、Rは、1以上のヒドロキシル、(C〜C)アルキル、O(C〜C)アルキル、またはO(C〜C)シクロアルキルを用いて置換されているフェニルである。一実施形態において、Rは、1〜3のヒドロキシル、(C〜C)アルキル、O(C〜C)アルキル、またはO(C〜C)シクロアルキルを用いて置換されているフェニルである。一実施形態において、Rは、1以上のヒドロキシル、(C〜C)アルキル、O(C〜C)アルキル、またはO(C〜C)シクロアルキルを用いて置換されているフェニルである。一実施形態において、Rは、1〜3のヒドロキシル、(C〜C)アルキル、O(C〜C)アルキル、またはO(C〜C)シクロアルキルを用いて置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Rは、1以上のヒドロキシル、メチル、メトキシル、エトキシル、プロポキシル、イソプロポキシル、シクロプロポキシル、ブトキシル、またはイソブトキシルを用いて置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Rは、1〜3のヒドロキシル、メチル、メトキシル、エトキシル、プロポキシル、イソプロポキシル、シクロプロポキシル、ブトキシル、またはイソブトキシルを用いて置換されているフェニルである。
一実施形態において、Rは、1以上のハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルキル、O(C〜C)アルキル、またはO(C〜C)シクロアルキルを用いて、任意に置換され得る、5〜6員環のヘテロアリールである。一実施形態において、Rは、1〜3のハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルキル、O(C〜C)アルキル、またはO(C〜C)シクロアルキルを用いて、任意に置換され得る、5〜6員環のヘテロアリールである。一実施形態において、Rは、1以上のハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルキル、O(C〜C)アルキル、またはO(C〜C)シクロアルキルを用いて、任意に置換され得る、5〜6員環のヘテロアリールである。一実施形態において、Rは、1〜3のハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルキル、O(C〜C)アルキル、またはO(C〜C)シクロアルキルを用いて、任意に置換され得る、5〜6員環のヘテロアリールである。特定の実施形態において、Rは、1以上のフルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシル、メチル、メトキシル、エトキシル、プロポキシル、イソプロポキシル、シクロプロポキシル、ブトキシル、またはイソブトキシルを用いて、任意に置換され得る、5〜6員環のヘテロアリールである。特定の実施形態において、Rは、1〜3のフルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシル、メチル、メトキシル、エトキシル、プロポキシル、イソプロポキシル、シクロプロポキシル、ブトキシル、またはイソブトキシルを用いて、任意に置換され得る、5〜6員環のヘテロアリールである。
一実施形態において、Rは、1または2のフルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、ヒドロキシル、またはメトキシルを用いて、任意に置換され得る、フェニルである。一実施形態において、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、ヒドロキシル、およびメトキシルから選択される1の置換基を用いて、任意に置換され得る、フェニルである。特定の実施形態において、Rは、フェニルである。特定の実施形態において、Rは、フルオロ、クロロ、またはブロモを用いて、任意に置換され得る、フェニルである。特定の実施形態において、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはメトキシルを用いて、任意に置換され得る、フェニルである。特定の実施形態において、Rは、4位がフルオロ、クロロ、またはブロモを用いて、任意に置換され得る、フェニルである。特定の実施形態において、Rは、4位がフルオロ、クロロ、ブロモ、またはメトキシルを用いて、任意に置換され得る、フェニルである。
一実施形態において、Rは、任意に置換され得る1以上のアリールを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。一実施形態において、Rは、任意に置換され得る1以上のアリールを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。一実施形態において、Rは、任意に置換され得る1以上のアリールを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。一実施形態において、Rは、任意に置換され得る1以上のヘテロアリールを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。一実施形態において、Rは、任意に置換され得る1以上のヘテロアリールを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。一実施形態において、Rは、任意に置換され得る1以上のヘテロアリールを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。一実施形態において、Rは、任意に置換され得る1以上のヘテロシクリルを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。一実施形態において、Rは、任意に置換され得る1以上のヘテロシクリルを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。一実施形態において、Rは、任意に置換され得る1以上のヘテロシクリルを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。一実施形態において、Rは、1以上のハロゲンを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。一実施形態において、Rは、1以上のハロゲンを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。一実施形態において、Rは、1以上のハロゲンを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。一実施形態において、該アルキルは、1以上のフルオロを用いて、任意に置換され得る。一実施形態において、Rは、CHまたはCFである。一実施形態において、Rは、1以上のフルオロまたは任意に置換され得るフェニルを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。一実施形態において、Rは、(i)1以上のフルオロを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルであるか、または(ii)任意に置換され得るベンジルである。一実施形態において、Rは(C〜C)アルキルまたはベンジルである。
特定の実施形態において、Rはメチルである。特定の実施形態において、Rはトリフルオロメチルである。特定の実施形態において、Rはメチルまたはトリフルオロメチルである。
一実施形態において、Rは、水素、または任意に置換され得る1以上のアリールを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。一実施形態において、Rは、水素、または任意に置換され得る1以上のアリールを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。一実施形態において、Rは、水素、または任意に置換され得る1以上のアリールを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。一実施形態において、Rは、水素、または任意に置換され得る1以上のヘテロアリールを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。一実施形態において、R、水素、または任意に置換され得る1以上のヘテロアリールを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。一実施形態において、Rは、水素、または任意に置換され得る1以上のヘテロアリールを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。一実施形態において、Rは、水素、または任意に置換され得る1以上のヘテロシクリルを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。一実施形態において、Rは、水素、または任意に置換され得る1以上のヘテロシクリルを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。一実施形態において、Rは、水素、または任意に置換され得る1以上のヘテロシクリルを用いて、任意に置換され得る(C〜C)アルキルである。一実施形態において、Rは、水素、または1以上のハロゲンを用いて、任意に置換され得る(C〜C)アルキルである。一実施形態において、Rは、水素、または1以上のハロゲンを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。一実施形態において、Rは、水素、または1以上のハロゲンを用いて、任意に置換され得る(C〜C)アルキルである。一実施形態において、該アルキルは、1以上のフルオロを用いて、任意に置換され得る。一実施形態において、Rは、水素、1以上のハロゲンを用いて、任意に置換され得る(C〜C)アルキル、または1以上のハロゲンを用いて、任意に置換され得る(C〜C)シクロアルキルである。一実施形態において、Rは、水素、1以上のハロゲンを用いて、任意に置換され得る(C〜C)アルキル、または1以上のハロゲンを用いて、任意に置換され得る(C〜C)シクロアルキルである。一実施形態において、Rは、水素、1以上のハロゲンを用いて、任意に置換され得る(C〜C)アルキル、または1以上のハロゲンを用いて、任意に置換され得る(C〜C)シクロアルキルである。一実施形態において、該アルキルまたはシクロアルキルは、1以上のフルオロを用いて、任意に置換され得る。一実施形態において、Rは、水素、CH、またはCFである。一実施形態において、Rは、水素、または1以上のフルオロを用いて、任意に置換され得る、もしくはフェニルを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。一実施形態において、Rは、水素、1以上のフルオロを用いて、任意に置換され得る(C〜C)アルキル、もしくは任意に置換され得るベンジル、である。一実施形態において、Rは、水素、(C〜C)アルキル、またはベンジルである。
特定の実施形態においてRは水素である。
一実施形態において、Rは、1以上のハロゲンまたはCFを用いて、任意に置換され得る、フェニルである。一実施形態において、Rは、1以上のハロゲンまたはCFを用いて置換されているフェニルである。一実施形態において、Rは、3位と5位とが独立してハロゲンまたはCFを用いて置換されているフェニルである。
一実施形態において、Rは、1以上のクロロまたはCFを用いて、任意に置換され得る、フェニルである。一実施形態において、Rは、1以上のフルオロ、クロロ、またはCFを用いて、任意に置換され得る、フェニルである。一実施形態において、Rは、1以上のクロロまたはCFを用いて置換されているフェニルである。一実施形態において、Rは、1以上のフルオロ、クロロ、またはCFを用いて置換されているフェニルである。一実施形態において、Rは、3位と5位が独立してクロロまたはCFを用いて置換されているフェニルである。一実施形態において、Rは、3位と5位とが独立してフルオロ、クロロ、またはCFを用いて置換されているフェニルである。
特定の実施形態において、Rは、以下の構造である。
Figure 2013528215
特定の実施形態において、Rは、以下の構造である。
Figure 2013528215
特定の実施形態において、Rは、以下の構造である。
Figure 2013528215
(式中、Rは水素、クロロ、またはCFであり、R10は水素、フルオロ、クロロ、またはCFであり、R11は水素、フルオロ、クロロ、CF、または(C〜C)アルキルである。)一実施形態において、Rは水素、クロロ、またはCFであり、R10はフルオロ、クロロ、またはCFであり、R11は水素、フルオロ、クロロ、CF、または(C〜C)アルキルである。一実施形態において、RはクロロまたはCFであり、R10はフルオロ、クロロ、またはCFであり、R11は水素、フルオロ、クロロ、CF、または(C〜C)アルキルである。
特定の実施形態において、Rは以下の構造である。
Figure 2013528215
一実施形態において、Rは、1以上のハロゲンまたはCFを用いて、任意に置換され得る、5〜6員環のヘテロアリールである。一実施形態において、Rは、1以上のハロゲンまたはCFを用いて置換されている5〜6員環のヘテロアリールである。一実施形態において、Rは、3位と5位とが独立してハロゲンまたはCFを用いて置換されている5〜6員環のヘテロアリールである。
一実施形態において、Rは、1以上のクロロまたはCFを用いて、任意に置換され得る、5〜6員環のヘテロアリールである。一実施形態において、Rは、1以上のクロロまたはCFを用いて置換されている5〜6員環のヘテロアリールである。一実施形態において、Rは、3位と5位とが独立してクロロまたはCFを用いて置換されている5〜6員環のヘテロアリールである。
特定の実施形態において、R
Figure 2013528215
である。
一実施形態において、RおよびRはそれぞれ独立して、フルオロ、クロロ、またはトリフルオロメチルである。
一実施形態において、XのそれぞれはCHである。
一実施形態において、RおよびR10はそれぞれ独立して、フルオロ、クロロ、またはトリフルオロメチルである。
一実施形態においてR11はHである。
一実施形態において、R12はフルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、ヒドロキシル、メチル、またはメトキシルである。一実施形態において、R12はフルオロ、ブロモ、シアノ、ヒドロキシル、メチル、またはメトキシルである。一実施形態において、R12はフルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシル、メチル、またはメトキシルである。一実施形態において、R12はフルオロ、ブロモ、ヒドロキシル、メチル、またはメトキシルである。
一実施形態においてnは0または1である。
一実施形態において、Rが以下の構造:
Figure 2013528215
である場合に、Rは、1以上のフルオロ、ブロモ、ヨード、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)を用いて、任意に置換され得る、フェニルである。いくつかの実施形態において、Rは、1以上のフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)を用いて、任意に置換され得る、フェニルである。いくつかの実施形態において、Rは、1以上のフルオロ、ブロモ、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)を用いて、任意に置換され得る、フェニルである。いくつかの実施形態において、Rは、1以上のフルオロ、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)を用いて、任意に置換され得る、フェニルである。いくつかの実施形態において、Rは、1以上のシアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)を用いて、任意に置換され得る、フェニルである。
一実施形態において、Rが以下の構造:
Figure 2013528215
である場合に、Rは、フェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、または4−ブロモフェニルであり、Rは、1以上のフルオロを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。一実施形態において、Rは、フェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、または4−メトキシルフェニルであり、Rは、1以上のフルオロを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。いくつかの実施形態において、Rは、1以上のフルオロおよびブロモを用いて、任意に置換され得る、フェニルであり、Rは、1以上のフルオロを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。いくつかの実施形態において、Rは、1以上のフルオロ、ブロモ、またはメトキシルを用いて、任意に置換され得る、フェニルであり、Rは、1以上のフルオロを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。いくつかの実施形態において、Rはフェニルであり、Rは、1以上のフルオロを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。
一実施形態において、Rが以下の構造:
Figure 2013528215
である場合に、Rは、1以上のフルオロ、ブロモ、ヨード、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)を用いて、任意に置換され得る、フェニルである。いくつかの実施形態において、Rは、1以上のフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)を用いて、任意に置換され得る、フェニルである。いくつかの実施形態において、Rは、1以上のフルオロ、ブロモ、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)を用いて、任意に置換され得る、フェニルである。いくつかの実施形態において、Rは、1以上のフルオロ、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)を用いて、任意に置換され得る、フェニルである。いくつかの実施形態において、Rは、1以上のシアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、またはNRS(O)を用いて、任意に置換され得る、フェニルである。
一実施形態において、Rが以下の構造:
Figure 2013528215
である場合に、Rは、フェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、または4−ブロモフェニルであり、Rは、1以上のフルオロを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。一実施形態において、Rは、フェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、または4−メトキシルフェニルであり、Rは、1以上のフルオロを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。いくつかの実施形態において、Rは、1以上のフルオロおよびブロモを用いて、任意に置換され得る、フェニルであり、Rは、1以上のフルオロを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。いくつかの実施形態において、Rは、1以上のフルオロ、ブロモ、またはメトキシルを用いて、任意に置換され得る、フェニルであり、Rは、1以上のフルオロを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。いくつかの実施形態において、Rはフェニルであり、Rは、1以上のフルオロを用いて、任意に置換され得る、(C〜C)アルキルである。
一実施形態において、式(I)、(III)、(IV)、または(V)の化合物の具体例としては、以下の構造:
Figure 2013528215
が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、Rが3,5−ジ(トリフルオロメチル)−フェニルである場合、Rはジクロロフェニルではない。一実施形態において、Rが3,5−ジ(トリフルオロメチル)−フェニルである場合、Rはジハロフェニルではない。一実施形態において、Rが3,5−ジ(トリフルオロメチル)−フェニルである場合、Rは、1以上のクロロを用いて、任意に置換され得るフェニルではない。一実施形態において、Rが3,5−ジ(トリフルオロメチル)−フェニルである場合、Rは、1以上のハロゲンを用いて、任意に置換され得るフェニルではない。
なお、描写された構造とその構造の名称との間に不一致がある場合、描写された構造の方に重きを置くものとする。さらに、立体化学の構造または構造の一部の立体化学が、例えば、太線または破線によって示されていない場合、該構造または構造の一部は、その立体異性体をすべて包含すると解釈される。本明細書に示されている化合物が、アルケニルまたはアルケニレン基を含む場合、該化合物は、1つの幾何シス/トランス(またはZ/E)異性体、またはその混合物として存在し得る。構造異性体同士が互換性を持つ場合、該化合物は、単一の互変異性体または互変異性体の混合物として存在し得る。これは、例えば、イミノ、ケトもしくはオキシム基を含む化合物において、プロトン互変異性の形態をとることができるか;または芳香環部分を含む化合物では、原子価互変異性と呼ばれる形態をとることができる。単一の化合物が1以上の型の異性を示すことになる。
本明細書に示されている化合物は、単一のエナンチオマーもしくは単一のジアステレオマーのように、鏡像異性体的に純粋であるか、またはエナンチオマーの混合物(例えば、2つのエナンチオマーのラセミ混合物;もしくは、2以上のジアステレオマーの混合物)のように、立体異性混合物であり得る。幾つかの事例では、インビボでエピマー化される化合物において、当業者は、その(R)型の化合物の投与が、その(S)型の化合物の投与と同などであることを認識する。個々のエナンチオマーの調製/単離についての従来法としては、適切な光学的に純粋な前駆体からの合成、アキラル性の出発原料からの不斉合成、またはエナンチオマー混合物の分割(例えば、キラルクロマトグラフィ、再結晶化、分割、ジアステレオマー塩の形成、もしくはジアステレオマー付加体への誘導化後の分離によって)が挙げられる。
本明細書に示されている化合物が、酸性または塩基性部分を含んでいる場合、それは、薬学的に許容可能な塩としても提供され得る(例えば、Bergeらの文献:J. Pharm. Sci 1977, 66, 1-19;およびStahlとWermuth編集の文献:“製剤塩、その特性と使用のハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Salts, Properties, and Use)”Wiley-VCH and VHCA, Zurich, 2002))を参照すればよい)。
薬学的に許容可能な塩の調製における使用に適した酸としては、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、ホウ酸、(+)−樟脳酸、カンファースルホン酸、(+)−(lS)−カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルクロン酸、L−グルタミン酸、α−オキソグルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、l−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモン酸、過塩素酸、リン酸、L−ピログルタミン酸、糖酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、ウンデシレン酸、および吉草酸が挙げられるが、これらに限定されない。
薬学的に許容可能な塩の調製における使用に適した塩基としては、無機塩基(例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化亜鉛または水酸化ナトリウム);ならびに有機塩基(例えば、第一アミン、第二アミン、第三アミンおよび第四アミン、脂肪族アミンおよび芳香族アミン(L−アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、エタノールアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、イソプロピルアミン、N−メチル−グルカミン、ヒドラバミン、1H−イミダゾール、L−リジン、モルホリン、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、メチルアミン、ピペリジン、ピペラジン、プロピルアミン、ピロリジン、l−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、ピリジン、キヌクリジン、キノリン、イソキノリン、第二アミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチル−D−グルカミン、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−l,3−プロパンジオールおよびトロメタミンが挙げられる))が挙げられるが、これらに限定されない。
特定の実施形態において、本明細書に示されている化合物は、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、サリチル酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、アスコルビン酸、マレイン酸、メタンスルホン酸およびイソエトニック酸(isoethonic acid)の1つ以上;または炭酸カリウム、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム、アンモニア、トリエチルアミンおよびトリエタノールアミンの1つ以上を用いた、薬学的に許容可能なその塩である。
また、本明細書に示されている化合物は、該化合物(例えば、式Iの)の機能的誘導体であり、インビボで容易に親化合物に変換可能なプロドラッグとして提供され得る。プロドラッグは、一部の状況において親化合物より投与しやすいため、多くの場合有用である。例えば、プロドラッグは、経口投与により生物学的に利用可能であるが、親化合物は、利用可能ではない。また、プロドラッグは、親化合物に関する薬学的組成物の溶解度を高める可能性がある。プロドラッグは、種々のメカニズム(酵素的プロセスおよび代謝加水分解が挙げられる)によって、親薬剤に変換され得る(例えば、Harperの文献:“薬剤研究の進歩(Progress in Drug Research)” 1962, 4, 221-294;Morozowichらの文献:“プロドラッグとその類似体による生物薬剤の特性の設計(Design of Biopharmaceutical Properties through Prodrugs and Analogs)”, Roche編, APHA Acad. Pharm. Sci. 1977;“ドラッグデザインにおける薬剤の体内可逆性担体、理論と応用(Bioreversible Carriers in Drug in Drug Design, Theory and Application)”, Roche編, APHA Acad. Pharm. Sci. 1987;Bundgaardの文献:“プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)”, Elsevier, 1985;Wangらの文献:Curr. Pharm. Design 1999, 5, 265-287;Paulettiらの文献, Adv. Drug. Delivery Rev. 1997, 27, 235-256;Mizenらの文献:Pharm. Biotech. 1998, 11, 345-365;Gaignaultらの文献:Pract. Med. Chem. 1996, 671-696;Asgharnejadの文献:“医薬システムにおける輸送方法(Transport Processes in Pharmaceutical Systems)”, Amidonら編, Marcell Dekker, 185-218, 2000;Balantらの文献:Eur. J. Drug Metab. Pharmacokinet. 1990, 15, 143-53;BalimaneとSinkoの文献:Adv. Drug Delivery Rev. 1999, 39, 183-209;Browneの文献:Clin. Neuropharmacol. 1997, 20, 1-12;Bundgaardの文献:Arch. Pharm. Chem. 1979, 86, 1-39;Bundgaardの文献:“制御ドラッグデリバリー(Controlled Drug Delivery)”1987, 17, 179-96;Bundgaardの文献:Adv. Drug Delivery Rev. 1992, 8, 1-38;Fleisherらの文献:Adv. Drug Delivery Rev. 1996, 19, 115-130;Fleisherらの文献:Methods Enzymol. 1985, 112, 360-381;Farquharらの文献:J. Pharm. Sci. 1983, 72, 324-325;Freemanらの文献:J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1991, 875-877;FriisとBundgaardの文献:Eur. J. Pharm. Sci. 1996, 4, 49-59;Gangwarらの文献:Des. Biopharm. Prop. Prodrugs Analogs, 1977, 409-421;NathwaniとWoodの文献:Drugs 1993, 45, 866-94;SinhababuとThakkerの文献:Adv. Drug Delivery Rev. 1996, 19, 241-273;Stellaらの文献:Drugs 1985, 29, 455-73;Tanらの文献:Adv. Drug Delivery Rev. 1999, 39, 117-151;Taylorの文献:Adv. Drug Delivery Rev. 1996, 19, 131-148;ValentinoとBorchardtの文献:“今日の創薬(Drug Discovery Today)”1997, 2, 148-155;WiebeとKnausの文献:Adv. Drug Delivery Rev. 1999, 39, 63-80;およびWallerらの文献:Br. J. Clin. Pharmac. 1989, 28, 497-507を参照すればよい)。
(C.合成手順)
以下の手順は、本明細書に示されている化合物の調製のための例示的な調製方法を提供する。当業者であれば、同様の方法を用いて、本明細書に示されている化合物を調製することができるということを理解する。換言すれば、当業者であれば、試薬、保護基、反応条件、および反応順序に対する適切な調整を行って、所望の実施形態を準備することができるということを認識する。反応をスケールアップ・ダウンして、調製する材料の量に合わせることができる。一実施形態において、本明細書に示されている化合物は、実施例で開示される手順および手法と同様の手順および手法によって調製され得る。一実施形態において、本明細書に示されている化合物は、塩化スルホニルまたは酸塩化物をアミンとカップリングさせる技術分野において周知の手順および手法によって調製され得る。一実施形態において、当該塩化スルホニルまたは酸塩化物は、当該技術分野において周知の手順および手法によって調製される。一実施形態において、本明細書に示されている化合物は、酸塩化物をアミンとカップリングさせる技術分野において周知の手順および手法によって調製され得る。一実施形態において、当該酸塩化物は、当該技術分野において周知の手順および手法によって、例えば対応するカルボン酸から調製される。一実施形態において、本明細書に示されている化合物は、カルボン酸をアミンとカップリングさせる技術分野において周知の手順および手法によって、例えば、適切なカップリング剤の存在下で調製され得る。
一実施形態において、本明細書に示されている化合物の調製に用いる出発原料は、市販のものを用いることができる。一実施形態において、本明細書に示されている化合物の調製に用いる出発原料は、当該技術分野において周知の手順または条件に従って調製され得る。
一実施形態において、本明細書に示されている化合物は、手順1および2に従って調製され得る。一実施形態において、当該化合物は、過剰の塩化スルホニルまたは過剰の酸塩化物を、適切なアミンとN,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基とをジクロロメタンなどの溶媒中に混合した混合液に加えることによって、調製される。一実施形態において、例えば薄層クロマトグラフ法による観察で反応完了が確認されるまで反応物を室温で撹拌した後。一実施形態において、反応物は、希HClで、次いで希釈NaHCO水溶液および塩水で洗浄する、水性後処理(aqueous workup)が行われる。一実施形態において、水性後処理の後、反応混合物はMgSOで乾燥され、濃縮される。一実施形態において、当該化合物は、カラムクロマトグラフィーにより、または酢酸エチル/ヘキサンなどの溶出剤を用いてシリカゲルプラグを通すことにより、さらに精製され得る。一実施形態において、当該化合物は、LCMSにより分析される。一実施形態において、当該化合物はH NMRにより分析される。
一実施形態において、式(II)の化合物は、手順1に従って調製され得、中間体II−AおよびII−Bは、市販のものを用いてもよく、または当該技術分野において周知の手順に従って調製され得る。R、R、R、およびRは、本明細書の他の箇所で定義される通りである。一実施形態において、手順1の反応において用いる塩基はトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンである。一実施形態において、手順1の反応は非プロトン性溶媒中で行われる。一実施形態において、手順1の反応はジクロロメタンにおいて行われる。
一実施形態において、本明細書に示されている化合物は、塩化スルホニルとアミンとをカップリングさせる周知の有機合成法によって作成され得、また、実施例で開示される手順および手法によっても作成され得る。
Figure 2013528215
一実施形態において、式(III)の化合物は手順2に従って調製され得、中間体III−AおよびIII−Bは、市販のものを用いてもよく、または当該技術分野において周知の手順に従って調製され得る。一実施形態において、中間体III−Aは、酸、酸無水物、または酸塩化物である。一実施形態において、Zはクロロである。一実施形態において、ZはOHである。一実施形態において、Zは−O−アシルであり、III−Aは酸無水物である。R、R、R、R、R、およびXは本明細書の他の箇所で定義される通りである。一実施形態において、手順2の反応は非プロトン性溶媒中で行われる。一実施形態において、手順2の反応は昇温下で行われる。一実施形態において、手順2の反応は室温で行われる。一実施形態において、手順2の反応は、当該技術分野において周知のアミドカップリング剤(例えばHOBtまたはEDClなど)の1つ以上の存在下で行われる。一実施形態において、手順2の反応は、アミドカップリングを促進するための技術分野において周知の触媒(例えばDMAPなど)の存在下で行われる。一実施形態において、手順2の反応は、ジクロロメタンなどの溶媒中で、塩基(例えばトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下で行われる。
Figure 2013528215
一実施形態において、式(IV)の化合物は手順3に従って調製され得、中間体IV−AおよびIV−Bは、市販のものを用いてもよく、または当該技術分野において周知の手順に従って調製され得る。一実施形態において、中間体IV−Aは、酸、酸無水物、または酸塩化物である。一実施形態において、Zはクロロである。一実施形態において、ZはOHである。一実施形態において、Zは−O−アシルであり、IV−Aは酸無水物である。R、R、R、R、R10、およびR11は、本明細書の他の箇所で定義される通りである。一実施形態において、手順3の反応は非プロトン性溶媒中で行われる。一実施形態において、手順3の反応は昇温下で行われる。一実施形態において、手順3の反応は室温において行われる。一実施形態において、手順3の反応は、当該技術分野において周知のアミドカップリング剤(例えばHOBtまたはEDClなど)の1つ以上の存在下で行われる。一実施形態において、手順3の反応は、アミドカップリングを促進するための技術分野において周知の触媒(例えばDMAPなど)の存在下で行われる。一実施形態において、手順3の反応は、塩基(例えばトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下で行われる。
一実施形態において、本明細書に示されている化合物は、酸塩化物とアミンとをカップリングさせる周知の有機合成法によって作成され得、また、実施例で開示される手順および手法によっても作成され得る。
一実施形態において、手順1、手順2、および手順3におけるRは、水素である。
Figure 2013528215
一実施形態において、式(II)、(III)、または(IV)の化合物は手順4に従って調製され得、R、R、R、R、R、R、R10、R11、およびXは、本明細書の他の箇所で定義される通りである。Rは任意に置換され得るアルキルであり、Yはクロロ、ブロモ、またはヨードである。一実施形態において、中間体II−C、III−C、およびIV−Cは、手順1〜3において提供される手順および条件に従って調製され得る。一実施形態において、アルキル化反応は、アルキル化剤(例えば、ヨードアルカンまたはブロモアルカン(例えばヨードメタンまたは臭化ベンジル))、および塩基(例えば、炭酸カリウム)を用いて、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で、環境温度または昇温下で調製され得る。一実施形態において、例えば薄層クロマトグラフ法による観察で反応完了が確認されるまで、反応物を室温で撹拌する。一実施形態において、反応混合物は濃縮されてジクロロメタンに加えられ、当該ジクロロメタン溶液には、希HClで、次いで希釈NaHCO水溶液および塩水で洗浄する、水性後処理が行われる。一実施形態において、水性後処理の後、反応混合物はMgSOで乾燥され、濃縮される。一実施形態において、カラムクロマトグラフィーによって、または酢酸エチル/ヘキサンなどの溶出剤を用いてシリカゲルプラグを通すことによって、さらに精製され得る。一実施形態において、当該化合物はLCMSによって分析される。一実施形態において、当該化合物はH NMRによって分析される。
(D.薬学的組成物)
一実施形態において、本明細書の他の箇所に定義されている式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ、ならびに少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤、アジュバント、担体、緩衝剤または安定剤を含んでいる、薬学的組成物が提供される。
一実施形態において、上記薬学的に許容可能な賦形剤、アジュバント、担体、緩衝剤または安定剤は、無毒であり、有効成分の効果を妨げない。上記担体または他の物質の的確な性質は、投与経路によって異なり得る。投与経路は、経口投与または皮膚注射、皮下注射もしくは静脈注射などの注射によるものであり得る。
一実施形態において、上記薬学的組成物は、経口投与用投薬形態の形態で提供されるが、それは本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ、および1以上の薬学的に許容可能な賦形剤または担体を含んでいる。本明細書に示されている、経口投与用に製剤化される薬学的組成物は、錠剤、カプセル、粉末、または液体の形態であり得る。錠剤は固体の担体またはアジュバントを含み得る。液体の薬学的組成物は、概して、水、石油、動物性もしくは植物性油、または鉱油もしくは合成油などの液体の担体を含んでいる。生理食塩水、デキストロースもしくは他の糖液、またはグリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、もしくはポリエチレングリコールなど)が含まれ得る。カプセルは、ゼラチンなどの固体の担体を含み得る。
他の実施形態において、上記薬学的組成物は、非経口投与用投薬形態および1以上の薬学的に許容可能な賦形剤または担体の形態で提供される。薬学的組成物が静脈注射、皮膚注射または皮下注射用に製剤化され得る場合、有効成分は非経口的に許容可能な水溶液((発熱性物質を含まず、かつ適切なpH、等張性、および安定性を有している)の形態であり得る。当業者は、例えば、等張性ビヒクル(塩化ナトリウム注射液、リンガー液、または乳酸加リンガー液など)を用いて、適切な溶液を調製することが十分にできる。保存剤、安定剤、緩衝剤、抗酸化剤、および/または他の添加物が、必要に応じて含まれ得る。
さらなる他の実施形態において、上記薬学的組成物は、局所投与用投薬形態の形態にいて提供されるが、それは、本明細書に示されている化合物、および1以上の薬学的に許容可能な賦形剤もしくは担体を含んでいる。
一実施形態において、上記薬学的組成物は、放出制御投薬形態(例えば、遅延放出投薬形態、延長放出投薬形態、持続放出投薬形態、徐放性投薬形態、拍動性放出投薬形態(pulsatile-release dosage form)、制御放出投薬形態、加速放出投薬形態(accelerated-release dosage form)、高速放出投薬形態(fast-release dosage form)、標的放出投薬形態(targeted-release dosage form)、プログラム放出投薬形態(programmed-release dosage form)、および胃内滞留投薬形態(gastric retention dosage form)が挙げられる)としても製剤化され得る。これらの投薬形態は、当業者に公知の従来法および従来技術に従って調製され得る(例えば、Remingtonの文献:“薬学の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)”(上記参照);Rathboneら編集の文献:“放出制御ドラッグデリバリー技術(Modified-Release Drug Deliver Technology)”第2版、Marcel Dekker, Inc.: New York, NY, 2008を参照すればよい)。
一実施形態において、本明細書に示されている薬学的組成物は、単位投薬形態または複数投薬形態で提供することができる。本明細書に使用されるとき、単位投薬形態は、対象(例えば、ヒトおよび動物の対象)への投与に適し、当技術分野で公知であるような個別に包装した、物理的に分離したユニットを指す。それぞれの単位用量は、必要な医薬担体または賦形剤と一緒に、所望の治療効果を奏するのに十分な所定量の有効成分を含んでいる。単位投薬形態としては、例えば、アンプル、シリンジ、ならびに個別に包装された錠剤およびカプセルが挙げられる。単位投薬形態は、その一部またはその倍数において投与され得る。複数投薬形態は、分離した単位投薬形態において投与される単一の容器に包装された複数の同一の単位投薬形態である。複数投薬形態としては、例えば、バイアル、錠剤もしくはカプセル剤の瓶、またはパイントもしくはガロンの瓶が挙げられる。
一実施形態において、本明細書に示されている薬学的組成物は、1回、または時間間隔を置いた複数回において投与され得る。的確な投与および治療期間は、治療される患者の年齢、体重、および状態によって変化し得、公知の試験プロトコールを使用して、あるいはインビボ試験もしくはインビトロ試験または診断データからの推定によって、経験的に決定され得ることが理解される。さらに、任意の特定の個体について、個々の必要性、および製剤の投与もしくは該投与を監督する人の専門的な判断に従って、特定の投与計画は経時的に調整されるべきことが理解される。
他の実施形態において、本明細書に示されている薬学的組成物は、本明細書において定義される1以上の化学療法剤をさらに含んでいる。
さらなる他の実施形態において、本明細書に示されている1以上の疾患を治療するための薬剤の製造における、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくプロドラッグの使用が提供される。特定の実施形態において、上記薬剤は錠剤、カプセル、粉末、または液体の形態である。特定の実施形態において、上記薬剤は本明細書に記載されているように製剤化される。
(1.経口投与)
一実施形態において、経口投与のための、本明細書に示されている薬学的組成物は、経口投与用の固形、半固形、または液状投薬形態の形態で提供され得る。本明細書に使用されるとき、経口投与は、口腔投与、経舌投与、および舌下投与も包含する。適切な経口投与投薬形態としては、例えば、錠剤、ファストメルト剤(fastmelt)、咀嚼錠、カプセル、丸薬、ストリップ剤(strip)、トローチ、舐剤、香錠、カシェ剤、ペレット、薬用チューイングガム、混合散剤、発泡性もしくは非発泡性の散剤もしくは顆粒、口腔ミスト剤、液剤、エマルジョン、懸濁液、ウェーハ、スプリンクル剤(sprinkle)、エリキシル剤、およびシロップ剤が挙げられるが、これらに限定されない。有効成分に加え、該薬学的組成物は、1以上の薬学的に許容可能な担体または賦形剤(例えば、バインダ、充填剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、潤滑剤、滑剤、着色剤、色素移動阻害剤(dye-migration inhibitor)、甘味料、着香料、乳化剤、懸濁剤と分散剤、保存剤、溶剤、非水性液体、有機酸、および二酸化炭素供給源が挙げられるが、これらに限定されない)を含有し得る。
一実施形態において、バインダまたはグラニュレータ(granulator)は、錠剤に粘着性を付与し、圧縮後に錠剤が確実に損傷しないままにする。適切なバインダまたはグラニュレータとしては、例えば、トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、およびα化澱粉(例えば、STARCH 1500)などの澱粉類;ゼラチン;スクロース、グルコース、デキストロース、糖蜜、およびラクトースなどの糖類;アカシア、アルギン酸、アルギン酸塩、アイルランドコケの抽出物、パンワゴム(panwar gum)、ガッチゴム、イサゴール(isabgol)ハスクの粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビーガム、カラマツアラボガラクタン、粉末トラガカントゴム、およびグアーゴムなどの天然ゴムおよび合成ゴム;エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロース;AVICEL−PH−101、AVICEL−PH−103、AVICEL RC−581、AVICEL−PH−105(FMC社(Marcus Hook, PA)製)などの微結晶性セルロース;およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。適切な充填剤としては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストレート(dextrates)、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、澱粉、α化澱粉、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に示されている薬学的組成物におけるバインダまたは充填剤の量は、製剤の種類によって異なり、当業者は直ちに識別できる。バインダまたは充填剤は、本明細書に示されている薬学的組成物中に約50重量%〜約99重量%の量で存在し得る。
一実施形態において、適切な希釈剤としては、例えば、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、ソルビトール、スクロース、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥澱粉、および粉糖が挙げられるが、これらに限定されない。マンニトール、ラクトース、ソルビトール、スクロース、およびイノシトールなどの特定の希釈剤は、十分な量において存在する場合、咀嚼によって口腔内で分解することが可能ないくつかの圧縮錠剤に、特性を付与し得る。このような圧縮錠剤は、咀嚼錠として使用され得る。本明細書に示されている薬学的組成物における希釈剤の量は、製剤の種類によって異なり、当業者は直ちに識別できる。
一実施形態において、適切な崩壊剤としては、寒天;ベントナイト;メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースなどのセルロース;木の産生物;海綿;陽イオン交換樹脂;アルギン酸;グアーゴムおよびビーガムHVなどのゴム;柑橘類の果肉;クロスカルメロースなどの架橋セルロース;クロスポピドンなどの架橋ポリマー;架橋澱粉類;炭酸カルシウム;グリコール酸ナトリウム澱粉などの微結晶性セルロース;ポラクリリンカリウム;トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、タピオカ澱粉、およびα化澱粉などの澱粉類;粘土;アライン(align);およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に示されている薬学的組成物における崩壊剤の量は、薬剤の種類によって異なり、当業者は直ちに識別できる。本明細書に示されている薬学的組成物は、約0.5重量%〜約15重量%または約1重量%〜約5重量%の崩壊剤を含有し得る。
一実施形態において、適切な潤滑剤としては、ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽油;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;ベヘン酸グリセロールおよびポリエチレングリコール(PEG)などのグリコール;ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;落花生油、綿実油、ヒマワリ油、胡麻油、オリーブオイル、トウモロコシ油、および大豆油を包含する水素化植物油;ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;ラウリン酸エチル(ethyl laureate);寒天;澱粉;石松子;AEROSIL(登録商標)200(W.R. Grace社(Baltimore, MD)製)、およびCAB−O−SIL(登録商標)(Cabot社(Boston, MA)製)などのシリカもしくはシリカゲル;およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に示されている薬学的組成物は、約0.1重量%〜約5重量%の潤滑剤を含有し得る。
一実施形態において、適切な滑剤としては、コロイド状二酸化ケイ素、CAB−O−SIL(登録商標)(Cabot社(Boston, MA)製)、および石綿を含まないタルクが挙げられるが、これらに限定されない。適切な着色剤としては、承認、保証されたあらゆる、水溶性FD&C色素、アルミナ水和物に懸濁された水不溶性FD&C色素、レーキ顔料、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。レーキ顔料としては、重金属の水和酸化物へ水溶性色素を吸着させた化合物であり、不溶性形態の色素を生ずる。適切な着香料としては、果実などの植物から抽出された天然香料、ならびにペパーミントおよびサリチル酸メチルなどの快適な味覚を産生する化合物の合成混合物が挙げられるが、これらに限定されない。適切な甘味料としては、スクロース、ラクトース、マンニトール、シロップ、グリセリン、ならびにサッカリンおよびアスパルテームなどの人工甘味料が挙げられるが、これらに限定されない。適切な乳化剤としては、ゼラチン、アカシア、トラガカント、ベントナイト、ならびにポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(TWEEN(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80(TWEEN(登録商標)80)、およびオレイン酸トリエタノールアミンなどの界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。適切な懸濁剤および分散剤としては、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカント、ビーガム、アカシア、カルボメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびポリビニルピロリドンが挙げられるが、これらに限定されない。適切な保存剤としては、グリセリン、メチルおよびプロピルパラベン、安息香酸付加物(bensoic add)、安息香酸ナトリウム、ならびにアルコールが挙げられるが、これらに限定されない。適切な湿潤剤としては、プロピレングリコールモノステアラート、ソルビタンモノオレアート、ジエチレングリコールモノラウラート、およびポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。適切な溶剤としては、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール、およびシロップが挙げられるが、これらに限定されない。エマルジョンにおいて利用される適切な非水性液体としては、鉱油および綿実油が挙げられるが、これらに限定されない。適切な有機酸としては、クエン酸および酒石酸が挙げられるが、これらに限定されない。適切な二酸化炭素供給源としては、重炭酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。
多くの担体および賦形剤が、同一の薬剤内であっても、種々の機能を果たし得ることが、理解されるはずである。
一実施形態において、経口投与のための、本明細書に示されている薬学的組成物は、圧縮錠剤、粉薬錠剤、咀嚼舐剤、速溶性錠剤、多層錠剤、または腸溶コーティング錠剤、糖衣錠、もしくはフィルムコート錠として提供され得る。腸溶コーティング錠剤は、胃酸の作用に耐えるが、腸内で溶解または崩壊する物質でコーティングした圧縮錠剤であり、このため、胃の酸性環境から有効成分を保護する。腸溶コーティングとしては、脂肪酸、脂肪、サリチル酸フェニル、ワックス、セラック、アンモニア化セラック、および酢酸フタル酸セルロースが挙げられるが、これらに限定されない。糖衣錠は、糖衣に囲まれた圧縮錠剤であり、不快な味または臭いを隠し、酸化から錠剤を保護するのに有用であり得る。フィルムコート錠は、水溶性物質の薄層またはフィルムで覆われている圧縮錠剤である。フィルムコーティングとしては、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000、および酢酸フタル酸セルロースが挙げられるが、これらに限定されない。フィルムコーティングは、糖衣と同様の一般的性質を付与する。多層錠剤は、2以上の圧縮サイクルによって作製された圧縮錠剤であり、例えば、層状錠剤、およびプレスコーティングまたはドライコーティング錠剤が挙げられる。
一実施形態において、錠剤の投薬形態は、単独で、または本明細書に記載される1以上の担体もしくは賦形剤(例えば、バインダ、崩壊剤、制御放出ポリマー、潤滑剤、希釈剤、および/または着色剤が挙げられる)と併用して、粉末、結晶または顆粒の形態の有効成分から調製され得る。着香料および甘味料は、咀嚼錠および舐剤の調合において特に有用である。
一実施形態において、経口投与のための、本明細書に示されている薬学的組成物は、軟カプセル剤または硬カプセル剤として提供され得るが、それは、ゼラチン、メチルセルロース、澱粉、またはアルギン酸カルシウムから作製され得る。乾燥充填カプセル(DFC)としても知られている硬ゼラチンカプセル剤は、2つの部分から成り、一方が他方で収まり、このため、有効成分を完全に封入している。軟カプセル剤(SEC)は、ゼラチンシェルなどの柔軟な球状のシェルであり、グリセリン、ソルビトール、または類似のポリオールの添加によって可塑化される。柔軟なゼラチンシェルは、微生物の増殖を防止するために保存剤を含有し得る。適切な保存剤は、本明細書に記載されているとおりであり、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、およびソルビン酸が挙げられる。本明細書に示されている液状投薬形態、半固体投薬形態、および固体投薬形態は、カプセルに封入され得る。適切な液状投薬形態および半固体投薬形態としては、例えば、プロピレンカーボネート、植物油、またはトリグリセリド中の溶液および懸濁液が挙げられる。このような液剤を含有しているカプセルは、米国特許第4,328,245号、米国特許第4,409,239号、および米国特許第4,410,545号に記載されているとおりに調製され得る。また、該カプセルは、有効成分の分解を改良または維持するために、当業者に公知のコーティングがなされ得る。
一実施形態において、経口投与のための、本明細書に示されている薬学的組成物は、液状投薬形態および半固体投薬形態で提供され得、エマルジョン、溶液、懸濁液、エリキシル剤、およびシロップを含み得る。エマルジョンは二相系であり、一方の液体は、他方の液体全体にわたって小球の形態で分散しており、水中油型または油中水型であり得る。エマルジョンは、薬学的に許容可能な非水性液体または溶剤、乳化剤、および保存剤を含み得る。懸濁液は、薬学的に許容可能な懸濁化剤および保存剤を含み得る。水性アルコール性液剤は、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール(例えば、アセトアルデヒドジエチルアセタール)などの薬学的に許容可能なアセタール;およびプロピレングリコールおよびエタノールなどの1以上の水酸基を有する水混和性溶媒を含み得る。エリキシル剤は、透明で、甘い、水アルコール性溶液である。シロップは、糖(例えば、スクロース)の濃縮水溶液であり、保存剤も含有し得る。液状投薬形態については、例えば、ポリエチレングリコールの溶液は、十分な量の薬学的に許容可能な液状担体(例えば、水)で希釈され、投与に都合の良いように計量され得る。
一実施形態において、他の有用な液状投薬形態および半固体投薬形態は、本明細書に示されている有効成分、およびジアルキル化モノ−またはポリ−アルキレングリコール(例えば、1,2−ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール−350−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−550−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−750−ジメチルエーテル(ここで、350、550および750は、ポリエチレングリコールの概算の平均分子量を指す)が挙げられる)を含有するものが挙げられるが、これらに限定されない。これらの製剤は、1以上の抗酸化剤(ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、ケファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、亜硫酸水素塩、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸とそのエステル、およびジチオカーバメートなど)をさらに含み得る。
一実施形態において、経口投与のための、本明細書に示されている薬学的組成物は、リポソーム、ミセル、マイクロスフィア、またはナノシステムの形態においても提供され得る。ミセル投薬形態は、米国特許第6,350,458号に記載されているとおりに調製され得る。
一実施形態において、経口投与のための、本明細書に示されている薬学的組成物は、非発泡性または発泡性の顆粒および散剤として提供され得、液状投薬形態へ戻される。非発泡性の顆粒または散剤において使用される薬学的に許容可能な担体および賦形剤としては、希釈剤、甘味料、および湿潤剤を挙げ得る。発泡性顆粒または散剤において使用される薬学的に許容可能な担体および賦形剤としては、有機酸、および二酸化炭素供給源を挙げ得る。
一実施形態において、着色剤および着香料は、上述のすべての投薬形態において使用され得る。
一実施形態において、経口投与のための、本明細書に示されている薬学的組成物は、即時放出性投薬形態もしくは放出制御投薬形態(例えば、遅延放出投薬形態、徐放性投薬形態、パルス放出投薬形態(pulsed-release form)、制御放出投薬形態、標的放出投薬形態、およびプログラム放出投薬形態が挙げられる)として製剤化され得る。
(2.非経口投与)
一実施形態において、本明細書に示されている薬学的組成物は、局所投与または全身投与について、注射、注入、または移植によって、非経口的に投与され得る。本明細書に使用されるとき、非経口投与は、静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、髄腔内投与、脳室内投与、尿道内投与、胸骨内投与、頭蓋内投与、筋肉内投与、滑液包内投与、膀胱内投与、および皮下投与を包含する。
一実施形態において、非経口投与のための、本明細書に示されている薬学的組成物は、非経口投与に適した任意の投薬形態(例えば、溶液、懸濁液、エマルジョン、ミセル、リポソーム、マイクロスフィア、ナノシステムが挙げられる)、および注射前の液体状態の溶液または懸濁液に適した固体の形態で調製され得る。このような投薬形態は、製薬科学の当業者に公知の従来法に従って製造され得る(例えば、上記のRemingtonの文献:“薬学の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)”を参照すればよい)。
一実施形態において、非経口投与が意図された薬学的組成物は、1以上の薬学的に許容可能な担体および賦形剤(例えば、水性ビヒクル、水混和性ビヒクル、非水性ビヒクル、微生物の増殖に対する抗微生物剤または保存剤、安定剤、溶解促進剤、等張性剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁剤および分散剤、湿潤剤または乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤またはキレート剤、凍結防止剤、分散防止剤(lyoprotectant)、増粘剤、pH調整剤、ならびに不活性ガスが挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。
一実施形態において、適切な水性ビヒクルとしては、例えば、水、食塩水、生理食塩水、生理食塩液またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、等張性デキストロース注射液(isotonic dextrose injection)、注射用滅菌水、デキストロースおよび乳酸リンゲル注射液が挙げられるが、これらに限定されない。適切な非水性ビヒクルとしては、例えば、植物由来の不揮発性油、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブオイル、落花生油、ハッカ油、サフラワー油、胡麻油、大豆油、水素化植物油、水素化大豆油、ならびにやし油およびパームシード油の中鎖トリグリセリドが挙げられるが、これらに限定されない。適切な水混和性ビヒクルとしては、例えば、エタノール、1,3−ブタンジオール、液体ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール300、およびポリエチレングリコール400)、プロピレングリコール、グリセリン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、およびジメチルスルホキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、適切な抗微生物剤または保存剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、p−ヒドロキシ安息香酸メチルおよびp−ヒドロキシ安息香酸プロピル、チメロサール、塩化ベンザルコニウム(例えば、塩化ベンゼトニウム)、メチルおよびプロピルパラベン、ならびにソルビン酸が挙げられるが、これらに限定されない。適切な等張性剤としては、例えば、塩化ナトリウム、グリセリン、およびデキストロースが挙げられるが、これらに限定されない。適切な緩衝剤としては、例えば、リン酸塩およびクエン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。適切な抗酸化剤は、本明細書に記載されているものであり、例えば、亜硫酸水素塩およびメタ重亜硫酸ナトリウムが挙げられる。適切な局所麻酔薬としては、例えば、塩酸プロカインが挙げられるが、これに限定されない。適切な懸濁剤および分散剤は、本明細書に記載されているものであり、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびポリビニルピロリドンが挙げられる。適切な乳化剤は、本明細書に記載されているものであり、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80、およびオレイン酸トリエタノールアミンが挙げられる。適切な金属イオン封鎖剤もしくはキレート剤としては、例えば、EDTAが挙げられるが、これに限定されない。適切なpH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、および乳酸が挙げられるが、これらに限定されない。適切な錯化剤としては、例えば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、およびスルホブチルエーテル7−β−シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標)、CyDex社(Lenexa, KS)製)を包含するデキストリンが挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、本明細書に示されている薬学的組成物が、複数用量投与のために製剤化される場合、複数用量非経口製剤は、静菌濃度または静真菌濃度の抗微生物剤を含有する必要がある。すべての非経口製剤は、当技術分野において公知で実施されているように、滅菌される必要がある。
一実施形態において、非経口投与のための薬学的組成物は、即時使用できる滅菌溶液として提供される。他の実施形態において、薬学的組成物は、滅菌乾燥可溶性製品(凍結乾燥粉末および注射用錠剤が挙げられる)として提供され、使用前にビヒクルを用いて元に戻される。さらなる他の実施形態において、薬学的組成物は、即時使用できる滅菌懸濁液として提供される。さらなる他の実施形態において、薬学的組成物は、滅菌乾燥不溶性製品として提供され、使用前にビヒクルを用いて元に戻される。さらなる他の実施形態において、薬学的組成物は、即時使用できる滅菌エマルジョンとして提供される。
一実施形態において、非経口投与のための、本明細書に示されている薬学的組成物は、即時放出性投薬形態または放出制御投薬形態(遅延放出投薬形態、徐放性投薬形態、パルス放出投薬形態、制御放出投薬形態、標的放出投薬形態、およびプログラム放出投薬形態が挙げられる)として製剤化され得る。
一実施形態において、非経口投与のための、本明細書に示されている薬学的組成物は、植込み型デポー製剤として投与するための、懸濁液、固体、半固体、またはチクソトロピー性液体(thixotropic liquid)として製剤化され得る。一実施形態において、本明細書に示されている薬学的組成物は、固形状の内側マトリクス(体液に不溶であるが、薬学的組成物の有効成分を拡散させる、外側高分子膜に囲まれる)において分散する。
一実施形態において、適切な内側マトリクスとしては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリブチル−メタクリレート、可塑化もしくは非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタラート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネート共重合体、親水性ポリマー(アクリル酸およびメタクリル酸のエステルのヒドロゲルなど)、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール、および部分的に加水分解された架橋ポリ酢酸ビニルが挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、適切な外側高分子膜としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニルと塩化ビニルとの共重合体、塩化ビニリデン、エチレンおよびプロピレン、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコール三元共重合体、ならびにエチレン/ビニルオキシエタノール共重合体が挙げられるが、これらに限定されない。
(3.局所投与)
一実施形態において、本明細書に示されている薬学的組成物は、皮膚、孔、または粘膜へ局所的に投与され得る。本明細書に使用されるとき、局所投与は、皮膚投与(皮内投与)、結膜投与、角膜投与、眼内投与、眼投与、耳介投与、経皮投与、経鼻投与、膣内投与、経尿道投与、経気管投与、および直腸投与を包含する。
一実施形態において、本明細書に示されている薬学的組成物は、局所的または全身的な効果のための局所投与に適した任意の投薬形態(エマルジョン、溶液、懸濁液、クリーム、ゲル、ヒドロゲル、軟膏剤、粉剤、包帯剤、エリキシル剤、ローション、懸濁液、チンキ剤、ペースト、泡沫剤、フィルム、エアゾール剤、灌注剤、スプレー剤、坐薬、包帯、および貼付剤が挙げられる)において製剤化され得る。また、本明細書に示されている薬学的組成物の局所製剤は、リポソーム、ミセル、マイクロスフィア、ナノシステム、およびこれらの混合物から成り得る。
一実施形態において、本明細書に示されている局所製剤に使用するのに適した薬学的に許容可能な担体および賦形剤としては、例えば、水性ビヒクル、水混和性ビヒクル、非水性ビヒクル、微生物の増殖に対する抗微生物剤または保存剤、安定剤、溶解促進剤、等張性剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁剤および分散剤、湿潤剤または乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤またはキレート剤、浸透促進剤、凍結防止剤、分散防止剤、増粘剤、ならびに不活性ガスが挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、薬学的組成物は、また、エレクトロポレーション、イオン導入、フォノフォレーシス、ソノフォレーシス、または極微針もしくは針無注射(POWDERJECT(商標)(Chiron Corp社(Emeryville, CA)製)およびBIOJECT(商標)(Bioject Medical Technologies社(Tualatin, OR)製)など)によって、局所的に投与され得る。
一実施形態において、本明細書に示されている薬学的組成物は、軟膏、クリーム、およびゲルの形態において提供され得る。適切な軟膏のビヒクルとしては、例えば、油性または炭化水素のビヒクル(例えば、ラード、安息香豚脂、オリーブオイル、綿実油、および他の油、白色ワセリンが挙げられる);乳化可能なビヒクルまたは吸収ビヒクル(親水性ワセリン、ヒドロキシステアリンスルファート、および無水ラノリンなど);親水軟膏などの水除去可能なビヒクル;水溶性軟膏ビヒクル(種々の分子量のポリエチレングリコールが挙げられる);油中水型(W/O)エマルジョンまたは水中油型(O/W)エマルジョンのいずれかのエマルジョンビヒクル(セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリン、ラノリン、およびステアリン酸が挙げられる)(上記のRemingtonの文献:“薬学の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)”を参照すればよい)が挙げられる。これらのビヒクルは、軟化するが、一般的に抗酸化剤および保存剤の添加を必要とする。
一実施形態において、適切なクリーム基剤は、水中油型または油中水型であり得る。適切なクリームのビヒクルは、水洗可能であり、油相、乳化剤、および水相を含有し得る。また、該油相は、「内」相とも呼ばれ、一般的に、ワセリンおよび脂肪アルコール(セチルまたはステアリルアルコールなど)からなる。該水相は通常(必須ではないが)、該油相より体積が大きく、一般に、湿潤剤を含有する。クリーム製剤の乳化剤は、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、または両性の界面活性剤であり得る。
一実施形態において、ゲルは半固体の懸濁型の系である。単相のゲルは、液体担体の全体にわたって実質的に均一に分散した有機高分子を含有する。適切なゲル化剤としては、例えば、カルボマー、カルボキシポリアルキレン、およびCARBOPOL(商標)などの架橋アクリル酸ポリマー;ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、およびポリビニルアルコールなどの親水性ポリマー;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびメチルセルロースなどのセルロースポリマー;トラガカントゴムおよびキサンタンゴムなどのゴム;アルギン酸ナトリウム;ならびにゼラチンが挙げられるが、これらに限定されない。均一なゲルを調製するために、アルコールまたはグリセリンなどの分散剤が添加され得るか、あるいは、ゲル化剤が、トリチュレーション、機械的な混合、および/または撹拌によって分散され得る。
一実施形態において、本明細書に示されている薬学的組成物は、坐薬、ペッサリー、ブジー剤、湿布もしくはパップ剤、ペースト、粉末、包帯剤、クリーム、プラスタ、避妊薬、軟膏、溶液、エマルジョン、懸濁液、タンポン、ゲル、泡、スプレー、または浣腸の形態で、直腸に、尿道に、経膣的に、または膣周囲に(perivaginally)、投与され得る。これらの投薬形態は、上記のRemingtonの文献:“薬学の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)”に記載されている従来法を用いて、製造され得る。
一実施形態において、直腸、尿道、および膣の坐薬は、身体の孔へ挿入するための固形物であり、常温で固体であるが、体温で溶けるか、あるいは軟らかくなり、孔の内部において有効成分を放出する。直腸および膣の坐薬において使用される薬学的に許容可能な担体としては、硬化剤(本明細書に示されている薬学的組成物と共に製剤化される場合、体温に近い温度で融点を生ずる)および本明細書に記載されている抗酸化剤(亜硫酸水素塩およびメタ重亜硫酸ナトリウムが挙げられる)などの基剤またはビヒクルが挙げられる。適切なビヒクルとしては、例えば、カカオバター(カカオ脂)、グリセリン−ゼラチン、カーボワックス(ポリオキシエチレングリコール)、鯨蝋、パラフィン、白ろうおよび黄ろう、脂肪酸のモノ−、ジ−、およびトリグリセリドの適切な混合物、ならびにヒドロゲル(ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、およびポリアクリル酸など)が挙げられるが、これらに限定されない。また、種々のビヒクルの組み合わせが使用され得る。直腸および膣の坐薬は、圧縮または成形によって調製され得る。直腸および膣の坐薬の典型的な重量は、約2〜約3gである。
一実施形態において、本明細書に示されている薬学的組成物は、溶液、懸濁液、軟膏、エマルジョン、ゲル形成溶液、溶液のための粉末、ゲル、眼球インサート、およびインプラントの形態で、眼科的に投与され得る。
一実施形態において、本明細書に示されている薬学的組成物は、鼻腔内で、または呼吸器官への吸入によって、投与され得る。薬学的組成物は、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(電気流体力学を用いて微細なミストを生成するアトマイザーなど)、またはネブライザーを使用して、単独で、または適切な噴射剤(1,1,1,2−テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなど)と併用して、送達用のエアゾールまたは溶液の形態において、提供され得る。また、薬学的組成物は、単独で、または不活発な担体(ラクトースまたはリン脂質など)と併用して、吸入用の乾燥粉末;および点鼻剤として提供され得る。鼻腔内の使用において、粉末は、生体付着剤(bioadhesive agent)(キトサンまたはシクロデキストリンが挙げられる)を含み得る。
一実施形態において、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、またはネブライザーにおいて使用される溶液または懸濁液は製剤化され、エタノール、水性エタノール、または本明細書に示されている有効成分の分散、安定化、もしくは延長放出のための適切な代替的な薬剤;溶媒としての噴射剤;および/または界面活性剤(トリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、もしくはオリゴ乳酸など)を含有し得る。
一実施形態において、本明細書に示されている薬学的組成物は、吸入による送達に適したサイズ(約50マイクロメートルもしくはそれ未満、またはは約10マイクロメートル以下もしくはそれ未満など)に微細化され得る。このようなサイズの粒子は、スパイラル式ジェットミル、ナノ粒子を形成する超臨界流体処理、高圧均質化、または噴霧乾燥などの当業者に公知の粉砕法を用いて、調製され得る。
一実施形態において、吸入器または通気器において使用されるカプセル、ブリスター、およびカートリッジは製剤化され、本明細書に示されている薬学的組成物の粉末混合物;ラクトースもしくは澱粉などの適切な粉末基剤;および1−ロイシン、マンニトール、もしくはステアリン酸マグネシウムなどの機能調整剤(performance modifier)を含有し得る。ラクトースは、無水、または一水和物の形態であり得る。他の適切な賦形剤または担体としては、例えば、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、およびトレハロースが挙げられるが、これらに限定されない。吸入投与/鼻腔内投与のための、本明細書に示されている薬学的組成物は、メントールおよびレボメントールなどの適切なフレーバ;および/またはサッカリンおよびサッカリンナトリウムなどの甘味料をさらに含み得る。
一実施形態において、局所投与のための、本明細書に示されている薬学的組成物は、即時放出または制御放出(遅延放出、徐放、パルス放出、制御放出、標的放出、およびプログラム放出が挙げられる)するものとして製剤化され得る。
(4.放出制御)
一実施形態において、本明細書に示されている薬学的組成物は、放出制御投薬形態として製剤化され得る。本明細書に使用されるとき、用語「放出制御」は、同じ経路によって投与された場合に、有効成分の放出の速度または場所が、即時放出性投薬形態とは異なる投薬形態を指す。放出制御投薬形態としては、例えば、遅延放出投薬形態、延長放出投薬形態、持続放出投薬形態、徐放性投薬形態、拍動性放出投薬形態、制御放出投薬形態、加速放出投薬形態、高速放出投薬形態、標的放出投薬形態、プログラム放出投薬形態、および胃内滞留投薬形態が挙げられるが、これらに限定されない。放出制御投薬形態における薬学的組成物は、当業者に公知の種々の制御放出デバイスおよび方法(例えば、マトリクス制御放出デバイス、浸透制御放出デバイス、多粒子制御放出デバイス、イオン交換樹脂、腸溶コーティング、多層コーティング、マイクロスフィア、リポソーム、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない)を使用して調製され得る。また、有効成分の放出速度は、該有効成分の粒径および多形を変えることによって改良され得る。
制御放出の例としては、米国特許第3,845,770号、米国特許第3,916,899号、米国特許第3,536,809号、米国特許第3,598,123号、米国特許第4,008,719号、米国特許第5,674,533号、米国特許第5,059,595号、米国特許第5,591,767号、米国特許第5,120,548号、米国特許第5,073,543号、米国特許第5,639,476号、米国特許第5,354,556号、米国特許第5,639,480号、米国特許第5,733,566号、米国特許第5,739,108号、米国特許第5,891,474号、米国特許第5,922,356号、米国特許第5,972,891号、米国特許第5,980,945号、米国特許第5,993,855号、米国特許第6,045,830号、米国特許第6,087,324号、米国特許第6,113,943号、米国特許第6,197,350号、米国特許第6,248,363号、米国特許第6,264,970号、米国特許第6,267,981号、米国特許第6,376,461号、米国特許第6,419,961号、米国特許第6,589,548号、米国特許第6,613,358号および米国特許第6,699,500号に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
(a)マトリクス制御放出デバイス
一実施形態において、放出制御投薬形態における、本明細書に示されている薬学的組成物は、当業者に公知のマトリクス制御放出デバイスを使用して製造され得る(例えば、Takadaらの文献:“制御ドラッグデリバリーの専門事典(Encyclopedia of Controlled Drug Delivery)”第2巻、Mathiowitz編集、Wiley, 1999を参照すればよい)。
特定の実施形態において、放出制御投薬形態における、本明細書に示されている薬学的組成物は、水膨潤性、侵食性もしくは非侵食性ポリマー(合成ポリマー、ならびに多糖およびタンパク質などの天然ポリマーが挙げられるが、これに限定されない)である、侵食性マトリクスデバイスを使用して製剤化される。
一実施形態において、浸食性マトリクスを形成するのに有用な物質としては、例えば、キチン、キトサン、デキストラン、およびプルラン;ゴム寒天、アラビアゴム、カラヤガム、ローカストビーンガム、トラガカントゴム、カラゲナン、ガッティゴム、グアーゴム、キサンタンゴム、およびスクレログルカン;デキストリンおよびマルトデキストリンなどの澱粉;ペクチンなどの親水コロイド;レシチンなどのリン脂質;アルギン酸塩;アルギン酸プロピレングリコール;ゼラチン;コラーゲン;エチルセルロース(EC)、メチルエチルセルロース(MEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMEC、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、酢酸セルロース(CA)、プロピオン酸セルロース(CP)、酪酸セルロース(CB)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、CAP、CAT、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、HPMCP、HPMCAS、トリメリット酸酢酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAT)、およびエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)などのセルロース化合物;ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコール;ポリ酢酸ビニル;グリセロール脂肪酸エステル;ポリアクリルアミド;ポリアクリル酸;エタクリル酸またはメタクリル酸の共重合体(EUDRAGIT(登録商標)、Rohm America社(Piscataway, NJ)製);ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリラート);ポリ乳酸;L−グルタミン酸およびエチル−L−グルタミン酸エチルの共重合体;分解性乳酸−グリコール酸共重合体;ポリD−(−)−3−ヒドロキシブチル酸;ならびにブチルメタクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート、および(トリメチルアミノエチル)メタクリレートクロリドのホモ重合体および共重合体などの他のアクリル酸誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
特定の実施形態において、本明細書に示されている薬学的組成物は、非浸食性マトリクスデバイスを用いて製剤される。一旦投与されると、有効成分は不活性マトリクスにおいて溶解または分散し、主に不活性マトリクス中を拡散することによって放出される。非浸食性マトリクスデバイスとしての使用に適した物質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリラート、ポリブチルメタクリラート、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル酸メチル−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、酢酸ビニルと塩化ビニルとの共重合体、塩化ビニリデン、エチレンおよびプロピレン、イオノマーポリエチレンテレフタラート、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコール三元共重合体、エチレン/ビニルオキシエタノール共重合体、ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタラート、天然ゴム、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサンおよびシリコーンカーボネート共重合体などの不溶性プラスチック;エチルセルロース、酢酸セルロース、クロスポピドンおよび部分的に加水分解された架橋ポリ酢酸ビニルなどの親水性ポリマー;ならびにカルナウバろう、ミクロクリスタンワックスおよびトリグリセリド類などの脂肪族化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、マトリクス制御放出システムにおける所望の放出動態は、例えば採用する重合体の種類、重合体の粘度、重合体の粒径および/または有効成分、有効成分の重合体に対する比率、ならびに組成物における他の賦形剤または担体によって制御され得る。
一実施形態において、放出制御投薬形態における、本明細書に示されている薬学的組成物は、当業者に周知の方法(直接圧縮、乾式または湿式造粒およびこれに続く圧縮、ならびに溶融造粒およびこれに続く圧縮が挙げられる)によって調製され得る。
(b)浸透圧制御放出デバイス
一実施形態において、放出制御投薬形態における、本明細書に示されている薬学的組成物は、浸透制御放出デバイス(一室系、二室系、非対称膜技術(AMT)、および押出コアシステム(extruding core system)(ECS)が挙げられるが、これらに限定されない)を用いて製剤され得る。概して、このようなデバイスは少なくとも2つの構成部分を有している:(a)有効成分を収容するコア部;および(b)該コア部を封入し、少なくとも1つの送達ポートを具備する半透膜。半透膜は、該送達ポートによる押し出しによって薬剤が放出をするように、使用時の水性環境からコア部への水の流入を制御する。
一実施形態において、有効成分に加えて、浸透圧性デバイスのコア部は、浸透物質を任意に含み、使用時の環境から該デバイスのコア部への水移送の原動力を作り出す。浸透物質の一つの分類は水膨張性親水性ポリマーであり、「オスモポリマー」および「ヒドロゲル」とも呼ばれている。浸透物質として適切な水膨張性親水性ポリマーとしては、例えば、親水性ビニル重合体、親水性アクリル重合体、および多糖類(アルギン酸カルシウム、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)、ポリ(アクリル)酸、ポリ(メタクリル)酸、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋PVP、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA/PVP共重合体、メタクリル酸メチルおよび酢酸ビニルなどの疎水性モノマーを含んだPVA/PVP共重合体、大きなPEOブロックを含有する親水性ポリウレタン、クロスカルメロースナトリウム、カラギナン、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびカルボキシエチル、セルロース(CEC)、アルギン酸ナトリウム、ポリカルボフィル、ゼラチン、キサンタンゴム、ならびにグリコール酸ナトリウム澱粉など)が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、浸透物質の他の分類は、酸素原(osmogen)であり、これは、水を吸収することができ、周りのコーティングの仕切りを挟んだ浸透圧勾配に影響を与える。適切な酸素原としては、例えば、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸ナトリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリウム、および硫酸ナトリウムなどの無機塩類;デキストロース、フルクトース、グルコース、イノシトール、ラクトース、マルトース、マンニトール、ラフィノース、ソルビトール、スクロース、トレハロース、およびキシリトールなどの糖類;アスコルビン酸、安息香酸、フマル酸、クエン酸、マレイン酸、セバシン酸、ソルビン酸、アジピン酸、エデト酸、グルタミン酸、p−トルエンスルホン酸、コハク酸、および酒石酸などの有機酸;尿素;ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、種々の溶解速度を有する浸透物質を用いて、初期にどのくらい速く有効成分が投薬形態から送達されるかを調整し得る。例えば、MANNOGEM(商標)EZ(SPI Pharma社、Lewes, DE)などのアモルファス糖を用いて、初期の数時間で速い送達を実現して速やかに所望の治療効果を奏し、残量を徐々にかつ継続的に放出して所望のレベルの治療効果または予防効果を長期間にわたり維持し得る。この場合、有効成分は、代謝および排泄された有効成分の量を補充するような速さで放出される。
一実施形態において、コア部は、投薬形態の性能を向上させるために、または安定性もしくは加工を促進するために、本明細書に記載されている幅広い種類の他の賦形剤および担体を含み得る。
一実施形態において、半透膜を形成するのに有用な材料としては、透水性でありかつ生理的に適切なpHにおいては不水溶性であるか、あるいは架橋結合などの化学変換によって不水溶性になりやすい、様々のなど級のアクリル類、ビニル類、エーテル類、ポリアミド類、ポリエステル類、およびセルロース誘導体が挙げられる。コーティングを形成するのに有用な適切な重合体の例としては、可塑化、非可塑化、および強化酢酸セルロース(CA)、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸CA、硝酸セルロース、酢酸酪酸セルロース(CAB)、カルバミン酸エチルCA、CAP、カルバミン酸メチルCA、コハク酸CA、トリメリット酸酢酸セルロース(CAT)、ジメチルアミノ酢酸CA、炭酸エチルCA、クロロ酢酸CA、シュウ酸エチルCA、スルホン酸メチルCA、スルホン酸ブチルCA、p−トルエンスルホン酸CA、酢酸寒天、三酢酸アミロース、酢酸βグルカン、三酢酸βグルカン、アセトアルデヒドジメチルアセテート、ローカストビーンゴムのトリアセテート、水酸化エチレン−ビニルアセテート、EC、PEG、PPG、PEG/PPG共重合体、PVP、HEC、HPC、CMC、CMEC、HPMC、HPMCP、HPMCAS、HPMCAT、ポリ(アクリル)酸およびエステル、ポリ(メタクリル)酸およびエステル、およびこれらの共重合体、澱粉、デキストラン、デキストリン、キトサン、コラーゲン、ゼラチン、ポリアルケン、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリハロゲン化ビニル、ポリビニルエステルとエーテル、天然ろう、ならびに合成ろうが挙げられる。
一実施形態において、半透膜は、また、疎水性微細孔膜(米国特許第5,798,119号に開示されるように、孔が実質的にガスで満たされ、水性媒体によって湿潤されていないが、水蒸気に対して浸透性である)であり得る。このように疎水性であるが水蒸気透過性である膜は、典型的には、ポリアルケン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸誘導体、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリハロゲン化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルエステルおよびエーテル、天然ろう、ならびに合成ろうなどの疎水性ポリマーからなる。
一実施形態において、半透膜上の送達ポートは、機械式ドリル加工またはレーザードリル加工によって、コーティング後に形成され得る。また、送達ポートは、水溶性材料のプラグの浸食、またはコア部の窪みにおける膜が薄くなっている部分の破断によって、その場で(in situ)形成され得る。さらに、送達ポートは、米国特許第5,612,059号および米国特許第5,698,220号に開示されているタイプの非対称膜コーティングの場合のように、コーティング処理中に形成され得る。
一実施形態において、放出される有効成分の総量および放出速度は、半透膜の厚さおよび多孔度、コア部の組成、ならびに送達ポートの数、大きさ、および位置によって実質的に調節され得る。
一実施形態において、浸透制御放出投薬形態における薬学的組成物は、製剤の性能または加工を促進するために、本明細書に記載されている付加的な従来の賦形剤または担体をさらに含み得る。
一実施形態において、浸透制御放出投薬形態は、当業者に周知の従来法および従来技術によって製剤化することができる(例えば、上記のRemingtonの文献:“薬学の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)”;SantusおよびBakerの文献:J. Controlled Release 1995, 35, 1-21;Vermaらの文献:Drug Development and Industrial Pharmacy 2000, 26, 695-708;Vermaらの文献:J. Controlled Release 2002, 79, 7-27を参照すればよい)。
特定の実施形態において、本明細書に示されている薬学的組成物は、AMT制御放出投薬形態として製剤化されるが、これは、有効成分および他の薬学的に許容可能な賦形剤または担体を含んでいるコアを被覆する非対称浸透膜を具備している。例えば、米国特許第5,612,059号および国際公開公報第2002/17918号を参照すればよい。AMT制御放出投薬形態は、当業者に公知の従来法および従来技術(直接圧縮法、乾式造粒法、湿式造粒法、および浸漬被覆法が挙げられる)によって調製され得る。
特定の実施形態において、本明細書に示されている薬学的組成物は、ESC制御放出投薬形態として製剤化されるが、それは、有効成分、ヒドロキシエチルセルロース、および他の薬学的に許容可能な賦形剤または担体を含んでいるコアを被覆する浸透膜を具備している。
(c)多粒子制御放出デバイス
一実施形態において、放出制御投薬形態における、本明細書に示されている薬学的組成物は、多粒子制御放出デバイスとして製造され得るが、これは、約10μm〜約3mm、約50μm〜約2.5mm、または約100μm〜約1mmの直径の多数の粒子、顆粒、またはペレットを含んでいる。このような多粒子は、当業者に公知のプロセス(乾式および湿式造粒法、押出/球状化、ローラー圧縮、溶融凝固(melt congealing)が挙げられる)によって、およびスプレーコーティングシードコア(spray-coating seed core)によって、作製され得る。例えば、“多粒子経口ドラッグデリバリー(Multiparticulate Oral Drug Delivery)”;Marcel Dekker: 1994;および“製薬球状化技術(Pharmaceutical Pelletization Technology)”;Marcel Dekker: 1989を参照すればよい。
一実施形態において、本明細書に記載されている他の賦形剤もしくは担体は、多粒子の加工および形成を助けるために、薬学的組成物と混合され得る。生じる粒子はそれら自体、多粒子デバイスを構成し得るか、あるいは、腸溶ポリマー、水膨張性、および水溶性ポリマーなどの種々の膜形成材料によって被覆され得る。多粒子は、カプセルまたは錠剤として、さらに加工され得る。
(d)標的送達
一実施形態において、本明細書に示されている薬学的組成物は、治療対象の身体の特定の組織、受容体、または他の領域を目標とするために、製剤化され得る(リポソームに基づく送達システム、再封された赤血球に基づく送達システム、および抗体に基づく送達システムが挙げられる)。例としては、米国特許第6,316,652号;米国特許第6,274,552号;米国特許第6,271,359号;米国特許第6,253,872号;米国特許第6,139,865号;米国特許第6,131,570号;米国特許第6,120,751号;米国特許第6,071,495号;米国特許第6,060,082号;米国特許第6,048,736号;米国特許第6,039,975号;米国特許第6,004,534号;米国特許第5,985,307号;米国特許第5,972,366号;米国特許第5,900,252号;米国特許第5,840,674号;米国特許第5,759,542号;および米国特許第5,709,874号に開示されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
(5.キット)
一実施形態において、医療従事者によって使用される際に、対象への有効成分の適正量の投与を容易にし得るキットが、本明細書に示されている。特定の実施形態においては、本明細書に示されているキットは、容器と、本明細書に示されている化合物(単一のエナンチオマーまたはエナンチオマーもしくはそのジアステレオマーの混合物;または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグが挙げられる)の投薬形態とを含んでいる。
特定の実施形態において、キットは、本明細書に記載されている1以上の他の治療薬を含んでいる容器に収容された本明細書に示されている化合物(単一のエナンチオマーまたはエナンチオマーもしくはそのジアステレオマーの混合物;または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグが挙げられる)の投薬形態を含んでいる容器を含んでいる。
一実施形態において、本明細書に示されている有効成分は、患者に対して同時に投与されたり、同一の投与経路によって投与されたりしない。他の実施形態において、適量の有効成分の投与を容易にし得るキットが提供される。
一実施形態において、キットは本明細書に示されている化合物の投薬形態を含んでいる。キットは、本明細書に記載されている1以上の第二の有効成分、もしくは当該有効成分の薬理学的活性のある変異種もしくは誘導体、またはこれらの組み合わせをさらに含み得る。
他の実施形態において、キットは有効成分を投与するために用いられるデバイスをさらに含み得る。このようなデバイスの例としては、シリンジ、点滴バッグ、パッチ、および吸入器が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、キットは、1以上の有効成分を投与するために使用され得る、薬学的に許容可能なビヒクルとともに、移植のための細胞または血液をさらに含み得る。例えば、非経口投与のために液体に戻される必要がある固体の形態において有効成分が提供される場合、キットは、非経口投与に適した微粒子フリーの滅菌溶液を形成するように有効成分が溶解し得る、適切なビヒクルのシール容器を含み得る。薬学的に許容可能なビヒクルとしては、例えば、米国薬局方注射用水;塩化ナトリウム注射液、リンガー液、ブドウ糖注射液、ブドウ糖塩化ナトリウム注射液、および乳酸加リンガー液など(これらに限定されない)の水性ビヒクル;エチルアルコール、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコールなど(これらに限定されない)の水混和性ビヒクル;ならびにトウモロコシ油、綿実油、落花生油、胡麻油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、および安息香酸ベンジルなど(これらに限定されない)の非水性ビヒクルが挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、本明細書に示されている化合物は、また、当業者に周知の包装材料を用いた製品として提供され得る。例えば、米国特許第5,323,907号;第5,052,558号;および第5,033,252号を参照すればよい。医療包装材料としては、例えば、ブリスターパック、瓶、チューブ、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、シリンジ、ならびに選択された投薬形態と投与および治療の意図した方式とに適した任意の包装材料が挙げられるが、これらに限定されない。
〔E.使用方法〕
(1.インビトロアッセイおよびインビボアッセイ)
一実施形態において、eIF4Eの活性を阻害または抑制する方法が提供される。一実施形態において、上記方法は、キャップ依存的なタンパク質の翻訳開始を、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物)によって下方制御することを含んでいる。一実施形態において、特定の理論に限定されないが、上記方法は、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物)を、翻訳開始複合体eIF4F(eIF4E、eIF4G(骨格タンパク質)、およびeIF4A(RNAヘリカーゼ)を含んでいる)における、1以上の分子標的と接触させることを含んでいる。一実施形態において、特定の理論に限定されないが、上記方法は、eIF4Eと7−メチルグアノシン5’キャップとの間の相互作用を、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物)によって崩壊させることを含んでいる。一実施形態において、本明細書に示されている方法は、キャップ依存的なタンパク質の翻訳開始を、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物)によって選択的に下方制御することを含んでいる。一実施形態において、本明細書に示されている化合物は、標的に対する毒性が最小限に抑えられている。一実施形態において、本明細書に示されている化合物は高い治療指数を有している。一実施形態において、本明細書に示されている化合物は、正常細胞における毒性を最小限に抑えながら癌の成長を阻害する。
一実施形態において、上記化合物は、キャップ依存的なタンパク質翻訳経路を選択的に標的とする。一実施形態において、特定の理論に限定されないが、上記化合物はeIF4F複合体を選択的に崩壊させる。
一実施形態において、ヘッジホッグ経路の活性を阻害または抑制する方法が提供される。一実施形態において、上記方法は、ヘッジホッグ経路における1以上の受容体を、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物)に接触させることを含んでいる。一実施形態において、上記方法は、ヘッジホッグ経路におけるスムーズンドを、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物)に接触させることを含んでいる。一実施形態において、上記方法は、ヘッジホッグ経路におけるパッチドを、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物)に接触させることを含んでいる。
一実施形態において、上記化合物はヘッジホッグ経路を選択的に標的とする。
一実施形態において、上記化合物は、キャップ依存的なタンパク質翻訳経路およびヘッジホッグ経路を選択的に標的とする。
一実施形態において、本明細書に示されている化合物を、特定の種類の癌(例えば、乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌、ER+乳癌、またはER−乳癌)、基底細胞癌、皮膚癌、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、脳癌、髄芽細胞腫、膠芽細胞腫、結腸直腸癌、卵巣癌、肝臓癌、膵臓癌(例えば、癌腫、血管肉腫、腺肉腫)、胃癌、胃食道接合部癌、前立腺癌、子宮頸癌、膀胱癌、頭頸部癌、リンパ腫(例えば、マントル細胞リンパ腫、広汎性大細胞型B−細胞リンパ腫)、手術で除去できない固形腫瘍、局所進行性固形腫瘍、転移性固形腫瘍、白血病(例えば、急性脊髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、または慢性脊髄性白血病(CML))、または再発性もしくは難治性腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない)の1以上の細胞に接触させる工程を含んでいる方法が提供される。一実施形態において、本明細書に示されている化合物を、特定の種類の疾患(例えば、基底細胞母斑症候群(ゴーリン症候群)が挙げられるが、これに限定されない)の1以上の細胞に接触させる工程を含んでいる方法が提供される。一実施形態において、本明細書に示されている化合物を、特定の種類の疾患(例えば、ゴーリン症候群に関連する基底細胞癌が挙げられるが、これに限定されない)の1以上の細胞に接触させる工程を含んでいる方法が提供される。特定の実施形態において、上記方法はインビボ、インビトロ、および/またはエキソビボにおいて行われ得る。特定の実施形態において、上記方法は動物(例えば、マウスまたはラット)において行われ得る。特定の実施形態において、本明細書に示されている方法は、特定の癌細胞型(例えば、乳癌)を、当該分野において公知の方法を用いて動物(例えば、マウスまたはラット)に移植する工程と、これに続く、本明細書に示されている化合物を用いて当該動物を治療する工程とをさらに含んでいる。移植工程と治療工程のと間の時間は、動物において癌が確立および/または転移されるように、多様であり得る。
一実施形態において、本明細書に示されている化合物は、活性化末梢血単核細胞(PBMC)から分泌されたサイトカインを調節するとともに、特定の癌の細胞株(例えば、MDA−MB−468(トリプルネガティブ乳癌)、XPA−1(膵臓癌)、およびPanc−1(膵臓癌)が挙げられるが、これらに限定されない)における細胞毒性を増大させる。
一実施形態において、上記細胞は、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物であって、当該化合物のEC50は、約0.001μM未満、約0.005μM未満、約0.01μM未満、約0.05μM未満、約0.1μM未満、約0.3μM未満、約0.5μM未満、約0.7μM未満、約1μM未満、約3μM未満、約5μM未満、約10μM未満、約15μM未満、または約30μM未満である)に対して感受性がある。一実施形態において、上記細胞は、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物であって、当該化合物のEC50は約0.001μM〜約30μM、約0.01μM〜約30μM、約0.1μM〜約30μM、約1μM〜約30μM、約3μM〜約30μM、または約10μM〜約30μMである)に対して感受性がある。一実施形態において、上記細胞は、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物であって、当該化合物EC50は、約0.001μM、約0.005μM、約0.01μM、約0.05μM、約0.1μM、約0.3μM、約0.5μM、約0.7μM、約1μM、約3μM、約5μM、約10μM、約15μM、約30μM、または30μMより大きい)に対して感受性がある。
(2.疾患の治療、予防、および/または改善)
一実施形態において、キャップ依存的なタンパク質翻訳が介在する疾患の1以上の症状を治療、予防、または改善する方法であって、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくは2つ以上のジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ、または本明細書に示されている薬学的組成物)を投与することを含んでいる方法が提供される。一実施形態において、eIF4Eが介在する疾患の1以上の症状を治療、予防、または改善する方法であって、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくは2つ以上のジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ、または本明細書に示されている薬学的組成物)を投与することを含んでいる方法が提供される。ヘッジホッグ経路が介在する疾患の1以上の症状を治療、予防、または改善する方法であって、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくは2つ以上のジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ、または本明細書に示されている薬学的組成物)を投与することを含んでいる方法が提供される。一実施形態において、上記疾患は、癌、増殖性疾患、乳癌、トリプルネガティブ乳癌、ER+乳癌、ER−乳癌、基底細胞母斑症候群(ゴーリン症候群)、基底細胞癌、皮膚癌、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、脳癌、髄芽細胞腫、膠芽細胞腫、結腸直腸癌、卵巣癌、肝臓癌、膵臓癌、膵癌、膵臓血管肉腫、膵臓腺肉腫、胃癌、胃食道接合部癌、前立腺癌、子宮頸癌、膀胱癌、頭頸部癌、リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、広汎性大細胞型B−細胞リンパ腫、手術で除去できない固形腫瘍、局所進行性固形腫瘍、転移性固形腫瘍、白血病、急性脊髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性脊髄性白血病(CML)、または再発性もしくは難治性腫瘍である。一実施形態において、上記疾患はゴーリン症候群に関連する基底細胞癌である。
一実施形態において、対象における疾患(癌、増殖性疾患、または血管形成が介在する疾患など)の1以上の症状を治療、予防、または改善する方法であって、治療上効果的な量の、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ)を当該対象に投与することを含んでいる方法が提供される。一実施形態において、上記対象はヒトである。一実施形態において、上記対象は哺乳類である。一実施形態において、上記対象は齧歯類(例えば、マウスまたはラットなど)である。一実施形態において、上記対象は霊長類である。一実施形態において、上記対象はヒトでない霊長類、牛などの家畜、馬などのスポーツ用動物、または犬または猫などのペットである。
一実施形態において、本明細書に記載されている疾患の治療、予防、または改善のための薬剤の製造における、化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ、または当該化合物を含んでいる薬学的組成物)の使用が提供される。一実施形態において、本明細書に記載されている疾患の治療、予防、または改善における使用のための、化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ、または当該化合物を含んでいる薬学的組成物)が提供される。一実施形態において、上記疾患は癌である。一実施形態において、上記疾患は増殖性疾患である。一実施形態において、癌の治療のための薬剤の製造における、化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ、または当該化合物を含んでいる薬学的組成物)の使用が提供される。
一実施形態において、治療、予防、または改善され得る疾患は、対象におけるeIF4Eレベルに関連する疾患、疾病、または異常であって、治療上効果的な量の、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ)を対象に投与することを含んでいる。一実施形態において、治療、予防、または改善され得る疾患は、対象におけるキャップ依存的なタンパク質翻訳開始に関連する疾患、疾病、または異常であって、治療上効果的な量の、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ)を対象に投与することを含んでいる。一実施形態において、治療、予防、または改善され得る疾患は、対象におけるeIF4Eレベルの調節に反応する疾患、疾病、または異常であって、治療上効果的な量の、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ)を対象に投与することを含んでいる。一実施形態において、治療、予防、または改善され得る疾患は、対象におけるeIF4F複合体が介在する疾患、疾病、または異常であって、治療上効果的な量の、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ)を対象に投与することを含んでいる。
一実施形態において、治療、予防、または改善され得る疾患は、対象におけるヘッジホッグ経路の活性に関連する疾患、疾病、または異常であって、治療上効果的な量の、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ)を対象に投与することを含んでいる。一実施形態において、治療、予防、または改善され得る疾患は、対象におけるヘッジホッグ経路の調節に反応する疾患、疾病、または異常であって、治療上効果的な量の、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ)を対象に投与することを含んでいる。一実施形態において、治療、予防、または改善され得る疾患は、対象におけるヘッジホッグ経路が介在する疾患、疾病、または異常であって、治療上効果的な量の、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ)を対象に投与することを含んでいる。
一実施形態において、治療、予防、または改善され得る疾患は、癌または増殖性疾患であり、例えば、乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌、ER+乳癌、またはER−乳癌)、基底細胞癌、皮膚癌、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、脳癌、髄芽細胞腫、膠芽細胞腫、結腸直腸癌、卵巣癌、肝臓癌、膵臓癌(例えば、癌腫、血管肉腫、腺肉腫)、胃癌、胃食道接合部癌、前立腺癌、子宮頸癌、膀胱癌、頭頸部癌、リンパ腫(例えば、マントル細胞リンパ腫、広汎性大細胞型B−細胞リンパ腫)、手術で除去できない固形腫瘍、局所進行性固形腫瘍、転移性固形腫瘍、白血病(例えば、急性脊髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、または慢性脊髄性白血病(CML))、または再発性もしくは難治性腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、治療、予防、または改善され得る疾患としては、基底細胞母斑症候群(ゴーリン症候群)が挙げられるが、これに限定されない。一実施形態において、治療、予防、または改善され得る疾患としては、ゴーリン症候群に関連する基底細胞癌が挙げられるが、これに限定されない。
一実施形態において、本明細書に示されている化合物は、ヘッジホッグシグナル伝達経路の活性を阻害または抑制し、異常なヘッジホッグシグナリング(例えば、PtcによるSmoの抑制ができない、もしくは不十分である場合(Ptc機能消失表現型)、および/または、Ptcによる抑制に関わらずSmoが活性化している場合(Smo機能獲得表現型)など)に関連する癌の治療に有用である。一実施形態において、このような癌の種類の例としては、基底細胞癌、髄芽細胞腫などの神経外肺葉性腫瘍、髄膜腫、血管腫、膠芽細胞腫、肝臓腺癌、扁平上皮肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、軟骨肉腫、乳癌、横紋筋肉腫、食道癌、胃癌、胆道癌、腎癌、および甲状腺癌が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、本明細書に示されている化合物は、本明細書の他の箇所において記載されるような他の抗癌治療(例えば、放射線療法または化学療法など)の実施の前、同時、または後に投与されて得る。
一実施形態において、本明細書に示されている化合物は、血管形成を阻害し、血管形成が介在する疾病または異常の治療に有用である。一実施形態において、本明細書に示されている化合物は、腫瘍(例えば、固形腫瘍(例えば、結腸腫瘍、肺腫瘍、膵臓腫瘍、卵巣腫瘍、乳房腫瘍、および神経膠腫など))の治療に有用である。一実施形態において、本明細書に示されている化合物は、黄斑変性(例えば、湿性加齢性黄斑変性など)の治療に有用である。一実施形態において、本明細書に示されている化合物は、炎症性/免疫性疾患(例えば、クローン病、炎症性大腸炎、シェーグレン症候群、喘息、臓器移植拒否反応、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、乾癬性関節炎、乾癬、および多発性硬化症など)の治療に有用である。一実施形態において、本明細書に示されている化合物は、脱毛剤として有用である。
一実施形態において、本明細書に示されている方法は、対象において、特定の種類の癌の存在を同定する工程を含んでいる。一実施形態において、本明細書に示されている方法は、対象において、eIF4Eの調節に感受性のある種類の癌の存在を同定する工程を含んでいる。一実施形態において、本明細書に示されている方法は、対象において、ヘッジホッグシグナル伝達経路の活性の調節に感受性のある種類の癌の存在を同定する工程を含んでいる。一実施形態において、本明細書に示されている方法は、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ)を、特定の種類の癌を患っている対象に投与する工程を含んでいる。
一実施形態において、リンパ節においておよび/または遠隔転移の後に、原発腫瘍における癌を治療、予防、または改善する方法であって、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ、または本明細書に示されている薬学的組成物)を、当該化合物を必要とする対象に投与することを含んでいる方法が提供される。一実施形態において、原発腫瘍における癌を治療、予防、または改善する方法であって、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ、または本明細書に示されている薬学的組成物)を、当該化合物を必要とする対象に投与することを含んでいる方法が提供される。一実施形態において、リンパ節における癌を治療、予防、または改善する方法であって、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ、または本明細書に示されている薬学的組成物)を、当該化合物を必要とする対象に投与することを含んでいる方法が提供される。一実施形態において、遠隔転移の後に、癌を治療、予防、または改善する方法であって、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ、または本明細書に示されている薬学的組成物)を、当該化合物を必要とする対象に投与することを含んでいる方法が提供される。
一実施形態において、手術で摘出可能な癌、局所進行癌、局部進行癌(regionally advanced cancer)、および/または遠隔転移性癌を患っている対象において、癌を治療、予防、または改善する方法であって、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ、または本明細書に示されている薬学的組成物)を、当該化合物を必要とする対象に投与することを含んでいる方法が提供される。一実施形態において、手術で摘出可能な癌を患っている対象において、癌を治療、予防、または改善する方法であって、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ、または本明細書に示されている薬学的組成物)を、当該化合物を必要とする対象に投与することを含んでいる方法が提供される。一実施形態において、局所進行癌を患っている対象において、癌を治療、予防、または改善する方法であって、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ、または本明細書に示されている薬学的組成物)を、当該化合物を必要とする対象に投与することを含んでいる方法が提供される。一実施形態において、局部進行癌を患っている対象において、癌を治療、予防、または改善する方法であって、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ、または本明細書に示されている薬学的組成物)を、当該化合物を必要とする対象に投与することを含んでいる方法が提供される。一実施形態において、遠隔転移性癌を患っている対象において、癌を治療、予防、または改善する方法であって、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ、または本明細書に示されている薬学的組成物)を、当該化合物を必要とする対象に投与することを含んでいる方法が提供される。
一実施形態において、乳癌を治療、予防、または改善する方法であって、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ、または本明細書に示されている薬学的組成物)を、乳癌を患っている対象に投与することを含んでいる方法が提供される。一実施形態において、トリプルネガティブ乳癌を治療、予防、または改善する方法であって、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ、または本明細書に示されている薬学的組成物)を投与することを含んでいる方法が提供される。
一実施形態において、特定の病期の乳癌(0期、I期、IIA期、IIB期、IIIA期、IIIB期、IIIC期、およびIV期が挙げられるが、これらに限定されない)を治療、予防、または改善する方法であって、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ、または本明細書に示されている薬学的組成物)を、当該化合物を必要とする対象に投与することを含んでいる方法が提供される。乳癌の病期は、当該分野において公知の方法に従って(例えば、米国癌合同委員会(AJCC)提供のガイドラインに従って)定義され得る。一実施形態において、乳癌の病期は、乳癌を患っている対象において、TNM分類、すなわち原発腫瘍のステータス(例えば、TX、T0、Tis、T1、T2、T3、T4)、局所リンパ節(例えば、NX、N0、N1、N2、N3)、および/または遠隔転移(例えば、MX、M0、M1)に基づく分類に基づいて指定および分類される。例えば、Breastの文献: American Joint Committee on Cancer: AJCC Cancer Staging Manual, 6th ed., New York, NY, Springer, 2002, 171-80 を参照すればよい。
一実施形態において、乳癌(例えば、特定の乳癌のサブタイプが挙げられる)を患っている対象を治療する方法であって、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ、または本明細書に示されている薬学的組成物)を用いる方法が提供される。一実施形態において、腫瘍は、エストロゲン受容体−ネガティブ、プロゲステロン受容体−ネガティブ、およびHER2−ネガティブである。一実施形態において、対象において、特定の種類の乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌が挙げられる)の存在を同定する工程と、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ、または本明細書に示されている薬学的組成物)を当該対象に投与する工程とを含んでいる方法が提供される。
一実施形態において、本明細書に示されている化合物によって治療可能な疾患、疾病、または異常としては、例えば、(1)炎症性疾患またはアレルギー性疾患(例えば、全身性アナフィラキシーおよび過敏性疾患、アトピー性皮膚炎、じんましん、薬物アレルギー、虫刺されアレルギー、食物アレルギー(セリアック病などが挙げられる)、ならびに肥満細胞症が挙げられる);(2)炎症性大腸炎(クローン病、潰瘍性大腸炎、回腸炎、および腸炎が挙げられる);(3)脈管炎およびベーチェット症候群;(4)乾癬および炎症性皮膚疾患(例えば、皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、じんましん、ウイルス性の皮膚の病状(ヒト乳頭腫ウイルス、HIV感染、またはRLV感染を原因とするものが挙げられる)、細菌性、フルーガル(flugal)、および他の寄生虫性の皮膚の病状、ならびに皮膚エリテマトーデスが挙げられる);(5)喘息および呼吸器系アレルギー性疾患(例えば、アレルギー性喘息、運動誘発性喘息、アレルギー性鼻炎、中耳炎、アレルギー性結膜炎、過敏性肺疾患、および慢性閉塞性肺疾患が挙げられる);(6)自己免疫疾患(例えば、関節炎(リウマチ関節炎および乾癬性関節炎が挙げられる)、全身性エリテマトーデス、I型糖尿病、重症筋無力症、多発性硬化症、グレーヴズ病、および糸状体腎炎が挙げられる);(7)移植片拒絶(同種異系移植片拒絶および移植片対宿主疾患が挙げられる)、例えば、植皮片拒否、固形臓器移植拒否反応、脊髄移植拒絶;(8)熱病;(9)循環器疾患(例えば、急性心不全、低血圧、高血圧、狭心症、心筋梗塞、心筋症、うっ血性心不全、アテローム性動脈硬化、冠動脈疾患、再狭窄、および血管狭窄が挙げられる);(10)脳血管障害(例えば、外傷性脳損傷、卒中、血虚再かん流損傷、および動脈瘤が挙げられる);(11)胸部、皮膚、前立腺、頸、子宮、卵巣、睾丸、膀胱、肺、肝臓、喉頭、口腔、結腸、および消化管(例えば、食道、胃、膵臓)、脳、甲状腺、血液、およびリンパ系の癌;(12)繊維症、結合組織病、および類肉腫症、(13)生殖器および生殖の異常(例えば、勃起不全が挙げられる);(14)消化器疾患(例えば、胃炎、潰瘍、吐き気、膵炎、および嘔吐が挙げられる);(15)神経疾患(例えば、アルツハイマー病が挙げられる);(16)睡眠障害不眠症、発作性睡眠、睡眠時無呼吸症候群、およびピックウィック症候群が挙げられる);(17)痛み;(18)腎機能異常;(19)眼疾患(例えば、緑内障が挙げられる);および(20)感染病(例えば、HIVが挙げられる)が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、本明細書に示されている化合物によって治療可能な疾患、疾病、または異常としては、例えば、(1)炎症性疾患またはアレルギー性疾患(例えば、全身性アナフィラキシーおよび過敏性疾患、アトピー性皮膚炎、じんましん、薬物アレルギー、虫刺されアレルギー、食物アレルギー(セリアック病などが挙げられる)、ならびに肥満細胞症が挙げられる);(2)炎症性大腸炎(クローン病、潰瘍性大腸炎、回腸炎、および腸炎が挙げられる);(3)脈管炎およびベーチェット症候群;(4)乾癬および炎症性皮膚疾患(例えば、皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、じんましん、ウイルス性の皮膚の病状(ヒト乳頭腫ウイルス、HIV感染、またはRLV感染を原因とするものが挙げられる)、細菌性、フルーガル(flugal)、および他の寄生虫性の皮膚の病状、ならびに皮膚エリテマトーデスが挙げられる);(5)喘息および呼吸器系アレルギー性疾患(例えば、アレルギー性喘息、運動誘発性喘息、アレルギー性鼻炎、中耳炎、アレルギー性結膜炎、過敏性肺疾患、および慢性閉塞性肺疾患が挙げられる);(6)自己免疫疾患(例えば、関節炎(リウマチ関節炎および乾癬性関節炎が挙げられる)、全身性エリテマトーデス、I型糖尿病、重症筋無力症、多発性硬化症、グレーヴズ病、および糸状体腎炎が挙げられる);(7)移植片拒絶(同種異系移植片拒絶および移植片対宿主疾患が挙げられる)、例えば、植皮片拒否、固形臓器移植拒否反応、脊髄移植拒絶;(8)熱病;(9)循環器疾患(例えば、急性心不全、低血圧、高血圧、狭心症、心筋梗塞、心筋症、うっ血性心不全、アテローム性動脈硬化、冠動脈疾患、再狭窄、および血管狭窄が挙げられる);(10)脳血管障害(例えば、外傷性脳損傷、卒中、血虚再かん流損傷、および動脈瘤が挙げられる);(11)胸部、皮膚、前立腺、頸、子宮、卵巣、睾丸、膀胱、肺、肝臓、喉頭、口腔、結腸、および消化管(例えば、食道、胃、膵臓)、脳、甲状腺、血液、およびリンパ系の癌;(12)繊維症、結合組織病、および類肉腫症、(13)生殖器および生殖の異常(例えば、勃起不全が挙げられる);(14)消化器疾患(例えば、胃炎、潰瘍、吐き気、膵炎、および嘔吐が挙げられる);(15)神経疾患(例えば、アルツハイマー病が挙げられる);(16)睡眠障害不眠症、発作性睡眠、睡眠時無呼吸症候群、およびピックウィック症候群が挙げられる);(17)痛み;(18)腎機能異常;(19)眼疾患(例えば、緑内障が挙げられる);および(20)感染病(例えば、HIVが挙げられる)が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、本明細書に示されている方法を用いて治療可能な癌は、(1)白血病(例えば、急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病(骨髄芽球性、前骨髄球性、骨髄単球性、単球性、赤白血球性白血病など)および骨髄異形成症候群、またはこれらの症状(貧血症、血小板減少症、好中球減少症、二血球減少症、または汎血球減少症など)、難治性貧血(RA)、環状鉄芽球性貧血(RARS)、芽球増加を伴う不応性貧血(RAEB)、移行期の芽球増加を伴う不応性貧血(RAEB−T)、前白血病、および慢性骨髄単球性白血病(CMML)が挙げられるが、これらに限定されない)(2)慢性白血病(例えば、慢性骨髄性(顆粒性)白血病、慢性リンパ性白血病、およびヘアリーセル白血病が挙げられるが、これらに限定されない);(3)真性赤血球増加症;(4)リンパ腫(例えば、ホジキン病および非ホジキン病が挙げられるが、これらに限定されない);(5)多発性骨髄腫(例えば、くすぶり型多発性骨髄腫、非分泌性骨髄腫、骨硬化性骨髄腫、形質細胞性白血病、孤立性形質細胞腫、および髄外性形質細胞腫が挙げられるが、これらに限定されない);(6)ヴァルデンストレームマクログロブリン血症;(7)意義不明の単クローン性高ガンマグロブリン血症;(8)良性単クローン性免疫グロブリン血症;(9)重鎖病;(10)骨および結合組織の肉腫(例えば、骨肉腫(bone sarcoma)、骨肉腫(osteosarcoma)、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性骨巨細胞腫、骨線維肉腫、脊索腫、骨膜肉腫、軟部組織の肉腫、血管肉腫(血管内皮腫)、線維肉腫、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、転移性癌、神経鞘腫、横紋筋肉腫、および滑膜肉腫が挙げられるが、これらに限定されない);(11)脳癌(例えば、神経膠腫、星状細胞腫、脳幹神経膠腫、上衣細胞腫、乏突起膠腫、非神経膠腫瘍、聴神経鞘腫、頭蓋咽頭腫、髄芽細胞腫、髄膜腫、松果体細胞腫、松果体芽細胞腫、および原発性脳リンパ腫が挙げられるが、これらに限定されない);(12)乳癌(例えば、腺癌、小葉(小細胞)癌、腺管内癌、髄様癌、粘液性乳癌、乳腺管状癌、乳頭状乳癌、原発癌、パジェット病、および炎症性乳癌が挙げられるが、これらに限定されない);(13)副腎癌(例えば、褐色細胞腫、および副腎皮質癌が挙げられるが、これらに限定されない);(14)甲状腺癌(例えば、甲状腺乳頭癌、または濾胞性甲状腺癌、甲状腺髄様癌、および未分化甲状腺癌が挙げられるが、これらに限定されない);(15)膵臓癌(例えば、膵島細胞腫、ガストリン産生腫瘍、グルカゴン産生腫瘍、VIP産生腫瘍、ソマトスタチン産生腫瘍、およびカルチノイド腫瘍、または膵島細胞腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない);(16)下垂体癌(例えば、クッシング病、ポロラクチン分泌腫瘍、末端肥大症、および尿崩症が挙げられるが、これらに限定されない);(17)眼癌(例えば、虹彩黒色腫、脈絡膜黒色腫、および毛様体黒色腫などの眼黒色腫、ならびに網膜芽細胞腫が挙げられるが、これらに限定されない);(18)膣癌(例えば、扁平上皮癌、腺癌、および黒色腫が挙げられるが、これらに限定されない);(19)外陰癌(例えば、扁平上皮癌、黒色腫、腺癌、基底細胞癌、肉腫、およびパジェット病が挙げられるが、これらに限定されない);(20)子宮頸癌(例えば、扁平上皮癌および腺癌が挙げられるが、これらに限定されない);(21)子宮癌(例えば、子宮内膜癌および子宮肉腫が挙げられるが、これらに限定されない);(22)卵巣癌(例えば、上皮性卵巣癌、境界型腫瘍、胚細胞腫瘍、および間質性腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない);(23)食道癌(例えば、扁平上皮癌、腺癌、腺様嚢胞癌、粘液性類表皮癌、腺扁平上皮癌、肉腫、黒色腫、形質細胞腫、疣状癌、および燕麦細胞(小細胞)癌が挙げられるが、これらに限定されない);(24)胃癌(例えば、腺癌、菌状(ポリープ状)、潰瘍性、表在拡大型、拡散拡大型、悪性リンパ腫、脂肪肉腫、線維肉腫、および癌肉腫が挙げられるが、これらに限定されない);(25)結腸癌;(26)直腸癌;(27)肝臓癌(例えば、肝細胞癌および肝芽腫が挙げられるが、これらに限定されない);(28)胆嚢癌(例えば、腺癌が挙げられるが、これに限定されない);(29)胆管癌(例えば、乳頭状、結節性、およびびまん性のものが挙げられるが、これらに限定されない);(30)肺癌(例えば、非小細胞肺癌、扁平上皮癌(扁平上皮癌)、腺癌、大細胞癌、および小細胞肺癌が挙げられるが、これらに限定されない);(31)睾丸癌(例えば、胚腫瘍、精上皮腫、未分化癌、古典的(典型的)癌、精母細胞癌、非精上皮腫、胎生期癌、奇形腫癌、および絨毛癌(卵黄嚢腫瘍)が挙げられるが、これらに限定されない);(32)前立腺癌(例えば、腺癌、平滑筋肉腫、および横紋筋肉腫が挙げられるが、これらに限定されない);(33)陰茎癌;(34)口腔癌(例えば、扁平上皮癌が挙げられるが、これに限定されない);(35)基底癌(basal cancer);(36)唾液腺癌(例えば、腺癌、粘液性類表皮癌、および腺様嚢胞癌が挙げられるが、これらに限定されない);(37)咽頭癌(例えば、扁平上皮癌および疣状癌が挙げられるが、これらに限定されない);(38)皮膚癌(例えば、基底細胞癌、扁平上皮癌、および黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節性黒色腫、悪性黒子型黒色腫、および末端性黒子型黒色腫が挙げられるが、これらに限定されない);(39)腎癌(例えば、腎細胞癌、腺癌、副腎腫、線維肉腫、および移行細胞癌(腎盂および/または尿管(uterer))が挙げられるが、これらに限定されない);(40)ウィルムス腫瘍;(41)膀胱癌(例えば、移行細胞癌腫、扁平上皮癌、腺癌、および癌肉腫が挙げられるが、これらに限定されない);ならびに他の癌(例えば、粘液肉腫、骨原性肉腫、内皮肉腫、リンパ管内皮肉腫、中皮腫、滑膜腫、血管芽腫、上皮性悪性腫瘍、嚢胞腺癌、気管支原性癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭状癌、および乳頭腺癌が挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない(Fishmanらの文献:1985,“医学(Medicine)”第2版、J. B. Lippincott Co., Philadelphia;およびMurphyらの文献;1997, “詳細な説明を受けた上での決断:癌診断、治療および回復の完全本(Informed Decisions:The Complete Book of Cancer Diagnosis, 治療, and Recovery)”Viking Penguin, Penguin Books U.S.A., Inc., United States of Americaを参照すればよい)。
特定の実施形態において、本明細書に示されている方法のうちの1つ以上を手術とともに用いた、癌を患っている対象の治療が提供される。特定の実施形態において、本明細書に示されている方法のうちの1つ以上を化学療法とともに用いた、癌を患っている対象の治療が提供される。特定の実施形態において、本明細書に示されている方法のうちの1つ以上を免疫療法とともに用いた、癌を患っている対象の治療が提供される。特定の実施形態において、本明細書に示されている方法のうちの1つ以上を標的療法とともに用いた、癌を患っている対象の治療が提供される。特定の実施形態において、本明細書に示されている方法のうちの1つ以上を放射線療法とともに用いた、癌を患っている対象の治療が提供される。特定の実施形態において、本明細書に示されている方法のうちの1つ以上を、手術、化学療法、免疫療法、標的療法、および放射線療法から選ばれる2つ以上の治療とともに用いた、癌を患っている対象の治療が提供される。
特定の実施形態において、本明細書に示されている方法のうちの1つによって治療される対象は、本明細書に示されている化合物の投与前に抗癌治療を受けていない。特定の実施形態において、本明細書に示されている方法のうちの1つによって治療される対象は、本明細書に示されている化合物の投与前に1つ以上の抗癌治療を受けている。特定の実施形態において、本明細書に示されている方法のうちの1つによって治療される対象は、本明細書に記載されている癌治療薬を用いて治療されている。特定の実施形態において、本明細書に示されている方法のうちの1つによって治療される対象は、抗癌治療に対する薬剤耐性が生じている。特定の実施形態において、本明細書に示されている方法によって治療される対象は、再発性癌を有している。特定の実施形態において、本明細書に示されている方法によって治療される対象は、難治性癌を有している。特定の実施形態において、本明細書に示されている方法によって治療される対象は、転移性癌を有している。
一実施形態において、癌を有している対象を治療する方法が提供され、当該方法は、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ)の治療上効果的な量を対象に投与することを含んでおり;当該癌は従来の治療に対して耐性がある(例えば、他の抗癌剤に対して耐性がある)。一実施形態において、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物)によって治療される癌は、1以上の抗癌剤(例えば、ビンクリスチン、タクソール、シタラビン、および/またはドキソルビシンが挙げられるが、これらに限定されない)に対して耐性がある。一実施形態において、癌は、本明細書に記載されている治療薬に対して耐性がある(例えば、後述のE.5節を参照すればよい)。一実施形態において、癌はビンクリスチン耐性である。一実施形態において、癌はタクソール耐性である。一実施形態において、癌はシタラビン耐性である。一実施形態において、癌はドキソルビシン耐性である。一実施形態において、癌は、微小管形成を調節する治療薬に対して耐性がある。一実施形態において、癌は、p−糖タンパク質が介在する多剤耐性と関連する治療薬に対して耐性がある。
一実施形態において、いくつかの疾病または疾患は特定の年齢のグループにおいてより多くみられるが、本明細書に示されている方法は、患者の年齢に関わらず、対象を治療することを包含する。本明細書において、問題になっている(at issue)疾病または異常を治療する試みとして手術を受けた対象を治療する方法が、さらに提供される。本明細書において、問題になっている疾病または異常を治療する試みとして手術を受けていない対象を治療する方法が、さらに提供される。癌を患っている対象は、種々雑多な臨床症状を有しており、かつ臨床結果が変化する。そのため、特定の対象に対して行われる治療は、その人の予後に応じて変更し得る。熟練した臨床医は、癌を有する個別の対象の治療に効果的に使用できる、特定の二次薬剤、手術の種類、および薬を使用しない標準的治療を、必要以上の実験を行わずに直ちに決定することができる。
本明細書に示されている各実施形態において、上記方法は、例えば、対象における癌の種類、特定の細胞型の有無、および/または疾病の病期を判定するための、1つ以上の診断工程をさらに含み得る。
本明細書に示されている各実施形態において、上記方法は、対象への化合物または薬学的組成物の投与後に、例えば、本明細書の他の箇所に記載されている1つ以上の分子マーカーにおける変化、腫瘍のサイズおよび位置における変化、および/または対象における癌の予後を判定するために当業者によって用いられる他の基準を判定するための、疾病評価工程をさらに含み得る。
(3.バイオマーカー)
特定の実施形態において、本明細書に示されている方法が病状に与える影響の判定または予測、ならびに投与スケジュールおよび投与量についての指針の提供を行うために適切なバイオマーカーが用いられ得る。特定の実施形態において、大きな効果は、全体的な延命効果である。特定の実施形態において、大きな効果は、腫瘍の停滞および寛解である。特定の実施形態において、大きな効果は、腫瘍再発の防止である。一実施形態において、癌である診断された患者が、本明細書に示されている化合物を用いた治療から大きな効果を得る可能性が高まるかどうかを、当該患者から採取した腫瘍生体標本におけるeIF4Eのレベルを評価することによって判定する方法が提供される。一実施形態において、癌である診断された患者が、本明細書に示されている化合物を用いた治療から大きな効果を得る可能性が高まるかどうかを、当該患者から採取した癌細胞の、キャップ依存的なタンパク質翻訳開始の下方制御に対する感受性を評価することによって判定する方法が提供される。一実施形態において、上記方法は、本明細書に示されている化合物の、腫瘍生体標本における活性をインビトロで評価することを含んでいる。一実施形態において、上記方法は、癌の進行に重要でありかつ弱く翻訳される、1つ以上の増殖因子および/またはサイトカインのレベルを評価することを含んでいる。一実施形態において、当該増殖因子マーカーおよびサイトカインマーカーとしては、VEFG、FGF、IL−1、およびTGF−βが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、本明細書に示されている化合物の治療に対する患者の反応を、本明細書に記載の分子バイオマーカーのうちの1つ以上を評価することによって判定する方法が提供される。一実施形態において、患者の治療に用いる化合物の投与量は、当該化合物を用いた最初の治療後に、その特定の患者におけるバイオマーカーの反応の結果に基づいて調整される。
(4.化合物の投与)
治療される疾患、疾病もしくは異常および対象の状態に応じて、本明細書に示されている化合物または薬学的組成物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、嚢内注射もしくは注入、皮下注射、または移植)、吸入、鼻、膣、直腸、舌下、または局所(例えば、経皮的もしくは局部的)の投与経路によって投与され得、また、単独で、またはそれぞれの投与経路に適した薬学的に許容可能な賦形剤、担体、アジュバント、およびビヒクルと共に適切な単位投薬形態において、製剤化され得る。また、本明細書に示されている化合物または薬学的組成物の、デポー製剤としての投与が提供され、この場合、有効成分は所定の期間をかけて放出される。一実施形態において、当該化合物または組成物は、経口投与される。他の実施形態において、当該化合物または組成物は、非経口投与される。さらなる他の実施形態において、当該化合物または組成物は、静脈内投与される。
本明細書における特定の方法は、本明細書に示されている化合物の、静脈内(IV)、皮下(SC)、または経口の投与経路による投与を提供する。本明細書における特定の実施形態は、本明細書に示されている化合物と、1つ以上の付加的な活性剤との同時投与を提供し、これにより、治療を必要とする対象において相乗的治療効果を与える。本明細書に記載のとおり、同時投与される薬剤は、癌治療薬であり得る。特定の実施形態において、同時投与される薬剤は、例えば、経口または注射(例えば、IVまたはSC)によって投与され得る。
本明細書における特定の実施形態は、本明細書に示されている化合物を、例えば、IV、SCおよび/または経口の投与法を用いて投与することを含んでいる、細胞異常増殖の疾患の治療方法を提供する。特定の実施形態において、治療サイクルとしては、投与を必要とする対象への、複数日(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、または14日より長く)にわたる複数回投与、任意でその後の治療投与休息期間(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、または14日より長く)が挙げられる。本明細書に示されている方法に適する投薬量としては、例えば、治療上効果的な量および予防上効果的な量が挙げられる。例えば、特定の実施形態において、本明細書に示されている方法において投与される、本明細書に示されている化合物の量は、例えば、約10mg/日〜約2,000mg/日、約20mg/日〜約1,000mg/日、約50mg/日〜約1,000mg/日、約100mg/日〜約1,000mg/日、約100mg/日〜約500mg/日、約100mg/日〜約200mg/日、または約200mg/日〜約500mg/日の範囲であり得る。特定の実施形態において、特定の投与量は、例えば、約10mg/日以下、約20mg/日以下、約40mg/日以下、約60mg/日以下、約80mg/日以下、約100mg/日以下、約120mg/日以下、約140mg/日以下、約150mg/日以下、約160mg/日以下、約180mg/日以下、約200mg/日以下、約220mg/日以下、約240mg/日以下、約250mg/日以下、約260mg/日以下、約280mg/日以下、約300mg/日以下、約320mg/日以下、約350mg/日以下、約400mg/日以下、約450mg/日以下、約500mg/日以下、約750mg/日以下、または約1000mg/日以下である。特定の実施形態において、特定の投与量は、例えば、約10mg/日、約20mg/日、約50mg/日、約75mg/日、約100mg/日、約120mg/日、約150mg/日、約200mg/日、約250mg/日、約300mg/日、約350mg/日、約400mg/日、約450mg/日、約500mg/日、約600mg/日、約700mg/日、約800mg/日、約900mg/日、約1,000mg/日、約1,200mg/日、または約1,500mg/日である。
一実施形態において、本明細書に示されている薬学的組成物または投薬形態における、本明細書に示されている化合物の量は、例えば、約5mg〜約2,000mg、約10mg〜約2,000mg、約20mg〜約2,000mg、約50mg〜約1,000mg、約100mg〜約500mg、約150mg〜約500mg、または約150mg〜約250mgの範囲であり得る。特定の実施形態において、本明細書に示されている薬学的組成物または投薬形態における、本明細書に示されている化合物の量は、例えば、約10mg、約20mg、約50mg、約75mg、約100mg、約120mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、約1,000mg、約1,200mg、または約1,500mgである。特定の実施形態において、本明細書に示されている薬学的組成物または投薬形態における、本明細書に示されている化合物の量は、例えば、約10mg以下、約20mg以下、約50mg以下、約75mg以下、約100mg以下、約120mg以下、約150mg以下、約200mg以下、約250mg以下、約300mg以下、約350mg以下、約400mg以下、約450mg以下、約500mg以下、約600mg以下、約700mg以下、約800mg以下、約900mg以下、約1,000mg以下、約1,200mg以下、または約1,500mg以下である。
一実施形態において、上記化合物または組成物は、単回投与(例えば、単回ボーラス注射、または経口錠剤もしくは丸剤など)として;または長期にわたって(例えば、長期の連続注入、または長期の分割したボーラス投与など)、送達され得る。一実施形態において、例えば、患者が安定した疾病もしくは退行を経験するか、または患者が疾病の進行もしくは許容できない毒性を経験するまで、必要であれば、上記化合物または組成物は反復して投与され得る。例えば、固形腫瘍についての安定した疾病は、概して、測定可能な病変の垂直方向の直径が、直近の測定から25%以上増加していないことを意味する。例えば、固形腫瘍の反応評価基準(RECIST)ガイドライン、Journal of the National Cancer Institute 92(3): 205-216 (2000)を参照すればよい。安定した疾病またはその欠如は、当技術分野で公知の方法(患者の症状の評価、身体検査、画像化した腫瘍の視覚化(X線、CAT、PETもしくはMRIスキャンを用いて)、および他の一般的に認められている評価法など)によって決定される。
一実施形態において、上記化合物または組成物は、1日1回(QD)投与されるか、または1日2回(BID)、1日3回(TID)、および1日4回(QID)などの1日複数回投与に分けられ得る。一実施形態において、該投与は、連続的(すなわち、連日または毎日)、または断続的(例えば、周期的(すなわち、投与しない休息期間を、何日間、何週間、もしくは何月間か設ける))であり得る。一実施形態において、上記化合物または組成物は、毎日(例えば、ある期間中に1日1回またはそれより多く)投与される。一実施形態において、上記化合物または組成物は、少なくとも7日間、いくつかの実施形態においては最長52週間の間、中断なしで毎日投与される。一実施形態において、上記化合物または組成物は、断続的に(すなわち、規則的もしくは不規則的な間隔で、停止および開始を行う)投与される。一実施形態において、上記化合物または組成物は、1週間に1〜6日投与される。一実施形態において、上記化合物または組成物は、周期的に(例えば、2〜8の連続した週の毎日投与、その後、1週以内の投与しない休息期間)投与される。一実施形態において、上記化合物または組成物は、1日おきに投与される。一実施形態において、上記化合物または組成物は、周期的に(例えば、毎日投与、または休息期間で中断される特定の期間中の連続投与)投与される。
一実施形態において、投与の頻度は、ほぼ毎日〜ほぼ毎月の範囲である。特定の実施形態において、上記化合物または組成物は、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日おきに1回、週2回、毎週1回、2週毎に1回、3週毎に1回、または4週毎に1回において投与される。
一実施形態において、上記化合物または組成物は、1日〜6ヶ月、1週〜3ヶ月、1週〜4週、1週〜3週、または1週〜2週の間、毎日投与される。特定の実施形態において、上記化合物または組成物は、1週、2週、3週、または4週の間、毎日投与される。一実施形態において、上記化合物または組成物は、約1週、約2週、約3週、約4週、約6週、約9週、約12週、約15週、約18週、約21週、または約26週の間、1日1回投与される。特定の実施形態において、上記化合物または組成物は、断続的に投与される。特定の実施形態において、上記化合物または組成物は、連続的に投与される。特定の実施形態において、上記化合物または組成物は、周期的に対象に投与される。周期的な療法(cycling therapy)は、ある期間の活性剤の投与、その後のある期間の休息期間、およびこの連続投与の繰り返しを必要とする。周期的な療法は、治療の抵抗性の発達を低減し、治療の副作用を回避もしくは低減し、および/または治療の有効性を改善し得る。
治療期間は、治療される対象の年齢、体重、および状態によって多様であり得、公知の試験プロトコールを用いて、または治療を提供もしくは監督する人の専門的な判断によって、経験的に決定され得るということが理解される。熟練した臨床医は、特定の種類の癌を患ている個々の対象を治療するための効果的な投薬量および治療期間を、必要以上の実験を行わずに、直ちに決定することができる。
(5.治療薬の同時投与)
一実施形態において、本明細書に示されている、本明細書に記載されている疾患を治療、予防、または改善する方法は、本明細書に示されている化合物(例えば、式(I)の化合物、もしくはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物、またがこれらの薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ)を、1つ以上の治療薬(例えば癌治療薬など)とともに同時投与して相乗的な治療効果を生むことを含んでいる。一実施形態において、治療、予防、または改善される疾患は、癌である。一実施形態において、同時投与される治療薬としては、例えば、細胞毒性剤、代謝拮抗物質、抗葉酸剤、MGCD0103(別名:N−(2−アミノフェニル)−4−((4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)メチル)ベンズアミド)などのHDAC阻害剤、DNA挿入剤、DNA架橋剤、DNAアルキル化剤、DNA切断剤、トポイソメラーゼ阻害剤、CDK阻害剤、JAK阻害剤、血管新生阻害剤、Bcr−Abl阻害剤、HER2阻害剤、EGFR阻害剤、VEGFR阻害剤、PDGFR阻害剤、HGFR阻害剤、IGFR阻害剤、c−Kit阻害剤、Ras経路阻害剤、PI3K阻害剤、マルチターゲットキナーゼ阻害剤、mTOR阻害剤、抗エストロゲン剤、抗アンドロゲン剤、アロマターゼ阻害剤、ソマトスタチン類縁体、ER調整剤、抗チュブリン剤、ビンカアルロイド、タキサン、HSP阻害剤、スムーズンド拮抗薬、テロメラーゼ阻害剤、COX−2阻害剤、抗転移薬、免疫抑制剤、抗体などの生物製剤、およびホルモン療法が挙げられるが、これらに限定されない。同時投与される治療薬は、例えば、経口もしくは注射によって投与され得る。一実施形態において、本明細書に示されている各方法は、独立して、第2の治療薬(例えば、抗癌剤などが挙げられる)を投与する工程をさらに含み得る。
一実施形態において、第2の治療薬は、抗癌剤である。一実施形態において、当該抗癌剤は、代謝拮抗物質(5−フルオロウラシル、メトトレキサート、シタラビン、高用量シタラビン、およびフルダラビンが挙げられるが、これらに限定されない)である。一実施形態において、当該抗癌剤は、微小管阻害剤(ビンカアルロイド(例えば、ビンクリスチンおよびビンブラスチン)およびタキサン(例えば、パクリタキセルおよびドセタキセル)が挙げられるが、これらに限定されない)である。一実施形態において、当該抗癌剤は、アルキル化剤(シクロホスファミド、メルファラン、カルムスチン、およびニトロソ尿素化合物(例えば、ヒドロキシ尿素およびビスクロロエチルニトリソウレア)が挙げられるが、これらに限定されない)である。一実施形態において、当該抗癌剤は、白金系薬剤(シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン(JM−216)、およびCI−973が挙げられるが、これらに限定されない)である。一実施形態において、当該抗癌剤は、アントラサイクリン(ドキソルビシンおよびダウノルビシンが挙げられるが、これらに限定されない)である。一実施形態において、当該抗癌剤は、抗腫瘍抗生物質(マイトマイシン、イダルビシン、アドリアマイシン、およびダウノマイシン(ダウノルビシンとしても知られる)が挙げられるが、これらに限定されない)である。一実施形態において、当該抗癌剤は、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシドおよびカンプトテシンなど)である。一実施形態において、当該抗癌剤は、アドリアマイシン、ブスルファン、シタラビン、シクロホスファミド、デキサメタゾン、フルダラビン、フルオロウラシル、ヒドロキシ尿素、インターフェロン、オブリメルセン、白金誘導体、タクソール、トポテカン、およびビンクリスチンからなる群から選ばれる。
一実施形態において、本明細書に示されている化合物の投与経路は、第2の治療の投与経路から独立している。一実施形態において、本明細書に示されている化合物は、経口投与される。他の実施形態において、本明細書に示されている化合物は、静脈内投与される。これらの実施形態(すなわち、本明細書に示されている化合物の経口投与または静脈内投与)に応じて、第2の治療は、経口、非経口、腹腔内、静脈内、動脈内、経皮、舌下、筋肉内、直腸、口腔内、経鼻、リポソーム、吸入、膣、眼内、カテーテルもしくはステントによる局所送達、皮下、脂肪内、関節内、鞘内、または遅延放出投薬形態において、投与され得る。一実施形態において、本明細書に示されている化合物および第2の治療は、同じ投与方式(例えば、経口または静脈内)によって投与される。他の実施形態において、本明細書に示されている化合物はある投与方式(例えば、経口)によって投与され、第2の薬剤(例えば、抗癌剤)は別の投与方式(例えば、静脈内)によって投与される。他の実施形態において、本明細書に示されている化合物はある投与方式(例えば、静脈内)によって投与され、第2の薬剤(例えば、抗癌剤)は別の投与方式(例えば、経口)によって投与される。
適切な他の治療薬としては、(1)αアドレナリン作動薬;(2)抗不整脈薬;(3)抗アテローム性動脈硬化剤(ACAT阻害剤など);(4)抗生物質(アントラサイクリン、ブレオマイシン、マイトマイシン、ダクチノマイシン、およびププリカマイシンなど);(5)抗癌剤および細胞毒性剤(例えば、アルキル化剤(ナイトロジェンマスタード、スルホン酸アルキル、ニトロソ尿素化合物、エチレンイミン、およびトリアゼンなど));(6)抗凝血剤(アセロクマロール、アルガトロバン、ビバリルジン、レピルジン、フォンダパリヌクス、ヘパリン、フェニンジオン、ワルファリン、およびキシメラガトランなど);(7)抗糖尿病薬(ビグアニド(例えば、メトホルミン)、グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース)、インスリン、メグリチニド(例えば、レパグリニド)、スルホニル尿素(例えば、グリメピリド、グリブリド、およびグリピジド)、チオゾリジンジオン(例えば、トログリタゾン、ロジグリタゾン、およびピオグリタゾン)、およびPPAR−ガンマアゴニストなど);(8)抗真菌剤(アモロルフィン、アムホテリシンB、アニデュラファンギン、ビホナゾール、ブテナフィン、ブトコナゾール、カスポファンギン、シクロピロクス、クロトリマゾール、エコナゾール、フェンチコナゾール、フィリピン、フルコナゾール、イソコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミカファンギン、ミコナゾール、ナフチフィン、ナタマイシン、ナイスタチン、オキシコナゾール、ラブコナゾール、ポサコナゾール、リモシジン、セルタコナゾール、スルコナゾール、テルビナフィン、テルコナゾール、チオコナゾール、およびボリコナゾールなど);(9)抗炎症薬(例えば、非ステロイド系抗炎症薬(アセクロフェナク、アセメタシン、アモキシプリン、アスピリン、アザプロパゾン、ベノリラート、ブロムフェナク、カルプロフェン、セレコキシブ、コリンマグネシウムサリチル酸、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、エトリコキシブ、ファイスラミン、フェンブフェン、フェノフロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラック、ロルノキシカム、ロキソプロフェン、ルミラコキシブ、メクロフェナム酸、メフェナム酸、メロキシカム、メタミゾール、サリチル酸メチル、サリチル酸マグネシウム、ナブメトン、ナプロキセン、ニメスリド、オキシフェンブタゾン、パレコキシブ、フェニルブタゾン、ピロキシカム、サリチル酸サリチル、スリンダク、スルフィンピラゾン、スプロフェン、テノキシカム、チアプロフェン酸、およびトルメチンなど);(10)代謝拮抗物質(葉酸拮抗薬、プリン類似体、およびピリミジン類似体);(11)抗血小板剤(GPIIb/IIIa遮断薬(例えば、アブシキシマブ、エプチフィバチド、およびチロフィバン)、P2Y(AC)拮抗薬(例えば、クロピドグレル、チクロピジン、およびCS−747)、シロスタゾール、ジピリダモール、およびアスピリンなど);(12)抗増殖剤(メトトレキサート、FK506(タクロリムス)、およびミコフェノール酸モフェチルなど);(13)抗TNF抗体または可溶性TNF受容体(エタネルセプト、ラパマイシン、およびレフルニミドなど);(14)aP2阻害剤;(15)βアドレナリン作動薬(カルベジロールおよびメトプロロールなど);(16)胆汁酸隔離剤(クエストランなど);(17)カルシウムチャネル遮断薬(ベシル酸アムロジピンなど);(18)化学療法剤;(19)シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤(セレコキシブおよびロフェコキシブなど);(20)シクロスポリン;(21)細胞毒性薬(アザチオプリンおよびシクロホスファミドなど);(22)利尿剤(クロロサイアザイド、ヒドロクロロサイアザイド、フルメサイアザイド、ヒドロフルメサイアザイド、ベンドロフルメサイアザイド、メチルクロロサイアザイド、トリクロロメサイアザイド、ポリサイアザイド、ベンゾサイアザイド、エタクリン酸、チクリナフェン、クロルタリドン、フロセニド、ムゾリミン、ブメタニド、トリアムテレン、アミロライド、およびスピロノラクトンなど);(23)エンドセリン変換酵素(ECE)阻害剤(ホスホラミドンなど);(24)酵素(L−アスパラギナーゼなど);(25)第VIIa因子阻害剤および第Xa因子阻害剤;(26)ファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;(27)フィブラート;(28)増殖因子阻害剤(PDGF活性調整剤など);(29)成長ホルモン分泌促進因子;(30)HMG CoAレダクターゼ阻害剤(パロバスチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、シンバスタチン、NK−104(別名:インバスタチン(itavastatin)、ニスバスタチン(nisvastatin)、またはニスバスタチン(nisbastatin))、およびZD−4522(別名:ロスバスタチン(rosuvastatin)、アタバスタチン(atavastatin)、またはビサスタチン(visastatin))など);中性エンドペプチターゼ(NEP)阻害剤;(31)ホルモン剤(クルココルチコイド(例えば、コルチゾン)、エストロゲン/抗エストロゲン、アンドロゲン/抗アンドロゲン、プロゲスチン、黄体形成ホルモン−放出ホルモン拮抗薬、および酢酸オクトレオチドなど);(32)免疫抑制剤;(33)ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(スピロノラクトンおよびエプレレノンなど);(34)微小管破壊剤(エクテイナシジンなど);(35)微小管安定剤(パシタキセル、ドセタキセル、およびエポチロンA−Fなど);(36)MTP阻害剤;(37)ナイアシン;(38)ホスホジエステラーゼ阻害剤(PDE III阻害剤(例えば、シロスタゾール)およびPDE V阻害剤(例えば、シルデナフィル、タダラフィル、およびバルデナフィル)など);(39)植物由来の生成物(ビンカアルロイド、エピポドフィロトキシン、およびタキサンなど);(40)血小板活性化因子(PAF)拮抗薬;(41)白金配位錯体(シスプラチン、サトラプラチン、およびカルボプラチンなど);(42)カリウムチャンネル開口薬;(43)プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;(44)タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤;(45)レニン阻害剤;(46)スクアレンシンセターゼ阻害剤;(47)ステロイド類(アルドステロン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、デオキシコルチコステロンアセテート、フルドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン(コルチゾール)、プレドニゾロン、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、およびトリアムシノロンなど);(48)TNF−α阻害剤(テニダップなど);(49)トロンビン阻害剤(ヒルジンなど);(50)血栓溶解剤(アニストレプラーゼ、レテプラーゼ、テネクテプラーゼ、組織プラスミノーゲンアクチベータ(tPA)、組換えtPA、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、プロウロキナーゼ、およびアニソイル化プラスミノーゲンストレプトキナーゼ活性化因子複合体(APSAC)など);(51)トロンボキサン受容体拮抗薬(イフェトロバンなど);(52)トポイソメラーゼ阻害剤;(53)バソペプチダーゼ阻害剤(二重NEP−ACE阻害剤)(オマパトリラトおよびゲモパトリラトなど);および(54)他の種々の薬剤(ヒドロキシ尿素、プロカルバジン、ミトタン、ヘキサメチルメラミン、金化合物など)が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、本明細書に示されている化合物と組み合わせて用いられ得る、他の治療または抗癌剤としては、手術、放射線治療(例えば、ガンマ線照射、中性子線放射線治療、電子ビーム放射線治療、陽子線治療、近接照射療法、および全身性ラジオアイソトープ)、内分泌療法、生物学的反応調節剤(例えば、インターフェロン、インターロイキン、および腫瘍壊死因子(TNF))、発熱療法および凍結療法、任意の副作用を弱める薬剤(例えば、制吐薬)、ならびに他の承認された化学療法薬が挙げられる。当該他の承認された化学療法薬としては、アルキル化剤(メクロレタミン、クロラムブシル、シクロホスファミド、メルファラン、およびイホスファミド)、代謝拮抗物質(シタラビン、高用量シタラビン、およびメトトレキサート)、プリン拮抗薬およびピリミジン拮抗薬(6−メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、シタラビン、およびゲムシタビン)、紡錘体毒(ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、およびパクリタキセル)、ポドフィロトキシン(エトポシド、イリノテカン、およびトポテカン)、抗生物質(ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、およびマイトマイシン)、ニトロソ尿素化合物(カルムスチンおよびロムスチン)、無機イオン(シスプラチンおよびカルボプラチン)、酵素(アスパラギナーゼ)、ならびにホルモン(タモキシフェン、リュープロリド、フルタミド、およびメゲストロール)、イマチニブ、アドリアマイシン、デキサメタゾン、ならびにシクロホスファミドが挙げられるが、これらには限定されない。さらに利用可能な癌治療については、例えば、http://www.nci.nih.gov/を参照すればよい;FDA認可抗癌剤のリストについては、例えば、http://www.fda.gov/、The Merck Manual(第18版、2006年)、およびPDR: Physician Desk Reference 2010(第64版、2009年)を参照すればよい(各々の内容はその全体が参照によって本明細書に援用される)。
以下の非限定的な実施例を挙げて、特定の実施形態を説明する。
〔A.化合物の合成〕
以下の実施例において、別段示されない限り、全ての温度は摂氏温度で示され、全ての部およびパーセンテージは、重量部および重量%である。試薬は、Sigma-Aldrich Chemical Companyなどの供給業者から購入でき、別段示されない限り、さらに精製することなく使用し得る。試薬はまた、当業者に公知の標準的な文献の手順に従って調製され得る。溶媒は、シュアシールボトル(Sure-Seal bottles)に入った状態のものをAldrich社から購入することができ、そのまま使い得る。全ての溶媒は、別段示されない限り、当業者に公知の標準的な方法を用いて精製され得る。
下記の反応は、別段示されない限り、概して、周囲温度で行われた。一実施形態において、反応フラスコは、シリンジを介して基質および試薬を導入するためのゴム隔膜が備えられていた。一実施形態において、ガラスで支持されたシリカゲルプレコーテッドプレート(Merck Art 5719)を用いて、分析的薄層クロマトグラフ(TLC)を行い、適切な溶媒比(v/v)で溶出した。一実施形態において、反応をTLC、HPLC、またはLCMSによって分析し、出発原料が消費されたと判断された時にその反応を終了した。一実施形態において、UV光(254nm波長)または適切なTLC可視化溶媒(熱によって活性化されたKMnOの塩基性水溶液など)を用いて、TLCプレートの可視化を行った。一実施形態において、シリカゲル60(Merck Art 9385)または種々のMPLCシステムを用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィー(例えば、Stillらの文献:J. Org. Chem., 43: 2923 (1978)を参照すればよい)を行った。
以下の実施例における化合物の構造は、次の方法(プロトン磁気共鳴分光法、質量分析、微量元素分析、および融点)のうちの1つ以上によって確かめた。一実施形態において、特定の磁界強度において作動するNMR分光計を用いて、プロトン磁気共鳴(H−NMR)スペクトルを測定した。化学シフトは、TMSなどの内部標準からの低磁場の百万分率(ppm,δ)で記録する。あるいは、H−NMRスペクトルを、以下のとおりに、重水素化溶媒中の残留プロトンからのシグナルと関係づけた:CDCl=7.25ppm;DMSO−d=2.49ppm;C=7.16ppm;CDOD=3.30ppm。ピーク多重度は、以下のように示す:s,一重項;d,二重項;dd,二重項の二重項;t,三重項;dt,三重項の二重項;q,四重項;br,ブローデンド;m,多重項。結合定数は、ヘルツ(Hz)単位で表す。一実施形態において、APCIまたはESIイオン化による質量分析計を用いて、質量スペクトル(MS)データを得た。
(化合物1:5−フェニル−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド)
Figure 2013528215
3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニルアミン(0.758g、3.3mmol)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.58mL)とのジクロロメタン(50mL)溶液に、過剰の5−フェニル−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボニルクロライド(1g、3.6mmol)を加えた。室温において1日間撹拌した後、反応物に対し、水性酸性(希HCl、2×30mL)および塩基性(希NaHCO、2×30mL)の後処理を行い、その後、塩水(飽和NaCl、2×30mL)による洗浄、MgSOによる乾燥、および濃縮を行った。粗化合物を、シリカゲルプラグに通して酢酸エチル/ヘキサン(2:1)で溶出することによって精製し、表題の化合物(1.42g、収率92%)を得た。ES-MS ネガティブ Q1 (m/z) 466。
(化合物2:5−(4−クロロフェニル)−N−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボキサミド)
Figure 2013528215
3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニルアミン(0.034g)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.026mL)とのジクロロメタン(5mL)溶液に、5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボニルクロライド(0.050g)を加えた。室温において1日撹拌した後、反応物に対し、水性酸性(希HCl、2×5mL)および塩基性(希NaHCO、2×5mL)の後処理を行い、その後、塩水(飽和NaCl、2×5mL)による洗浄、MgSOによる乾燥、および濃縮を行った。粗化合物を、酢酸エチル/ヘキサン(4:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題の化合物(0.047g、収率58%)を得た。1H NMR (CDCl3) δ 8.12 (s, 2H), 7.83 (bs, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.68 (d, 2H, J = 0.017 Hz), 7.47 (d, 2H, J = 0.017 Hz), 7.03 (s, 1H)。ES-MS ネガティブ Q1 (m/z) 501。
(化合物3:5−(4−ブロモフェニル)−N−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−2−トリフルオロメチルフラン−3−カルボキサミド)
Figure 2013528215
5−(4−ブロモ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸(0.100g)を乾燥ジクロロメタン(8mL)中に溶解し、これに、窒素雰囲気下で、塩化オキサリル(0.028mL)を加え、続いてジメチルホルムアミド(1滴)を加えた。1時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。窒素雰囲気下で、3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニルアミン(0.065g)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.052mL)との乾燥ジクロロメタン(8mL)溶液を加えた。室温で1日撹拌した後、反応物に対し、水性酸性(希HCl、2×15mL)および塩基性(希NaHCO、2×15mL)の後処理を行い、その後、塩水(飽和NaCl、2×15mL)による洗浄、MgSOによる乾燥、および濃縮を行った。粗化合物を、シリカゲルプラグに通して酢酸エチル/ヘキサン(4:1)で溶出することによって精製し、表題の化合物(0.052g、収率32%)を得た。ES-MS ネガティブ Q1 (m/z) 545。
(化合物4:2−メチル−5−フェニル−フラン−3−カルボン酸(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド)
Figure 2013528215
2−メチル−5−フェニル−フラン−3−カルボニルクロライド(0.025g)を、3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニルアミン(0.024g)とN,N−ジイソプロピルエチル−アミン(0.018mL)とのジクロロメタン(5mL)溶液に加えた。室温において1日撹拌した後、反応物に対し、水性酸性(希HCl、2×5mL)および塩基性(希NaHCO、2×5mL)の後処理を行い、その後、塩水(飽和NaCl、2×5mL)による洗浄、MgSOによる乾燥、および濃縮を行った。粗化合物を、シリカゲルプラグに通してヘキサン/酢酸エチル(2:1)で溶出することによって精製し、表題の化合物(0.035g、収率82%)を得た。ES-MS ネガティブ Q1 (m/z) 412。
(化合物5:5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド)
Figure 2013528215
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボニルクロライド(0.200g)を、3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニルアミン(0.105g)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.102mL)とのジクロロメタン(5mL)溶液に加えた。室温において1日撹拌した後、反応物に対し、水性酸性(希HCl、2×15mL)および塩基性(希NaHCO、2×15mL)の後処理を行い、その後、塩水(飽和NaCl、2×15mL)による洗浄、MgSOによる乾燥、および濃縮を行った。粗化合物を、ヘキサン/エチルエーテル(1:1)を用いて粉末化し、表題の化合物(0.069g、収率24%)を得た。1H NMR (CDCl3) δ 7.69 (d, 1H, J = 0.02 Hz), 7.68 (s, 1H), 7.67 (d, 2H, J = 0.017 Hz), 7.53 (s, 1H), 7.47 (d, 2H, J = 0.017 Hz), 7.16 (d, 1H. J = 0.02 Hz), 7.02 (s, 1H)。ES-MS ネガティブ Q1 (m/z) 451。
(化合物6:5−フェニル−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド)
Figure 2013528215
5−フェニル−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸(0.153g)のジクロロメタン(10mL)溶液に、塩化オキサリル(0.112mL)を、窒素下で加え、続いて、1滴のジメチルホルムアミドを加えた。室温において1時間撹拌した後、反応混合物を真空下で濃縮した。これに、ジクロロメタン(5mL)、および3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニルアミン(0.102g)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.103mL)とのジクロロメタン(5mL)溶液を加えた。室温において1日撹拌した後、反応物に対し、水性酸性(希HCl、2×15mL)および塩基性(希NaHCO、2×15mL)の後処理を行い、その後、塩水(飽和NaCl、2×15mL)による洗浄、MgSOによる乾燥、および濃縮を行った。粗化合物を、ヘキサン/酢酸エチル(4:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題の化合物(0.118g、収率47%)を得た。ES-MS ネガティブ Q1 (m/z) 416。
(化合物7:5−(4−ブロモ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド)
Figure 2013528215
5−(4−ブロモ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸(0.200g)のジクロロメタン(10mL)溶液に、塩化オキサリル(0.112mL)を、窒素下で加え、続いて、1滴のジメチルホルムアミドを加えた。室温において1時間撹拌した後、反応混合物を真空下で濃縮した。これに、ジクロロメタン(5mL)、および3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニルアミン(0.102g)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.103mL)とのジクロロメタン(5mL)溶液を加えた。室温において1日撹拌した後、反応物に対し、水性酸性(希HCl、2×15mL)および塩基性(希NaHCO、2×15mL)の後処理を行い、その後、塩水(飽和NaCl、2×15mL)による洗浄、MgSOによる乾燥、および濃縮を行った。粗化合物を、ヘキサン/酢酸エチル(4:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題の化合物(0.083g、収率28%)を得た。ES-MS ネガティブ Q1 (m/z) 495。
(化合物8:5−(4−メトキシ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド)
Figure 2013528215
5−(4−メトキシ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸(0.010g)のジクロロメタン(3mL)溶液に、塩化オキサリル(0.005mL)を、窒素下で加え、続いて、1滴のジメチルホルムアミドを加えた。室温において1時間撹拌した後、反応混合物を真空下で濃縮した。これに、ジクロロメタン(2mL)、および3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニルアミン(0.008g)と1滴のN,N−ジイソプロピルエチルアミンとのジクロロメタン(2mL)溶液を加えた。室温において1日撹拌した後、反応物に対し、水性酸性(希HCl、2×5mL)および塩基性(希NaHCO、2×5mL)の後処理を行い、その後、塩水(飽和NaCl、2×5mL)による洗浄、MgSOによる乾燥、および濃縮を行った。粗化合物を、ヘキサン/酢酸エチル(6:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題の化合物(0.008g、収率49%)を得た。ES-MS ネガティブ Q1 (m/z) 496。
〔B.細胞に基づくアッセイにおけるIC50の決定〕
一実施形態において、本明細書に示されている化合物のIC50を、接着細胞を用いた、細胞に基づくアッセイにおいて決定した。一実施形態において、本明細書に示されている化合物の活性を、トリプルネガティブ乳癌細胞株MDA−MB−468を用いた、細胞に基づくアッセイにおいて決定した。一実施形態において、細胞に基づくアッセイにおいて用いる接着細胞は、表1から選ばれる細胞型であり得る。一実施形態において、細胞に基づくアッセイは、本明細書に記載のとおりに行われ得る。0日目に、細胞を、96ウェル組織培養プレートのそれぞれのウェル内に、100μLの培地中20,000細胞/ウェルで播種した。翌日、化合物を、所望の最終濃度の2倍となるように希釈して100μLの培地中に加え、最終体積を200μLにした。各化合物のための標準溶液を、DMSOにおいて1000×の濃度で調製した。最高濃度は30mMであった。ここから、1:1の段階希釈を、6点または9点曲線になるように(例えば、30mM、15mM、7.5mMなど)行った。次いで、化合物を、培地中に1:500の割合で希釈し、こうして得られた溶液のうち100μLを、1:1000の最終希釈になるように各ウェルに加えた。化合物の各濃度を3重に調べた。5%CO、37℃において、細胞をインキュベートした。72時間後、20μLのCellTiter 96 Aqueous One Solution Cell Proliferation Assay(Promega社)を各ウェルに加えた。細胞をインキュベーター内に戻し、2〜3時間後、490nmにおける吸光度を計測した。代謝的に活性のある細胞の数を50%減少させた、化合物の濃度を決定し、IC50として記録した。平均バックグランド値(培地のみ)を差し引くことによって「パーセント生存率」を決定し、これを、DMSOのみで処理された細胞から得た平均値に対する割合として表した。
本明細書に示されている化合物を、接着細胞型の細胞に基づいたアッセイのパネルにおいて試験した。そのデータを、表1にまとめる。
Figure 2013528215
一実施形態において、本明細書に示されている化合物のIC50を、懸濁細胞を用いた、細胞に基づくアッセイにおいて決定した。一実施形態において、JeKo−1細胞株(マントル細胞リンパ腫)またはプファイファー(Pfeiffer)細胞株(広汎性大細胞型B−細胞リンパ腫)を用いた、細胞に基づくアッセイにおいて、本明細書に示されている化合物の活性を決定した。一実施形態において、細胞に基づいたアッセイにおいて用いる懸濁細胞は、表2から選ばれる細胞型であり得る。懸濁細胞を用いたアッセイは、40,000〜60,000個の細胞を各ウェルに加えた点、および化合物を、細胞播種の直後に加えた点を除いては、同様とした。
本明細書に示されている化合物を、懸濁細胞型の細胞に基づくアッセイのパネルにおいて試験した。そのデータを、表2にまとめる。
Figure 2013528215
本明細書に示されている化合物のIC50を、トリプルネガティブ乳癌細胞株MDA−MB−468を用いた、細胞に基づくアッセイにおいて決定した。その結果を表3にまとめる。
Figure 2013528215
(C.乳癌についてのマウス異種移植モデルにおける腫瘍増殖阻害)
一実施形態において、マウス動物モデルにおける腫瘍増殖に対する、本明細書に示されている化合物の効果を評価した。特定の実施形態において、マウス動物モデルは、乳癌についてのMDA−MB−468異種移植モデルであった。マウスにおけるMDA−MB−468乳房腫瘍の増殖に対する、本明細書に示されている化合物の効果を評価するために、研究を行った。使用した試験システムを、以下にまとめる。
Figure 2013528215
1ケージにつきマウス10匹ずつ、マイクロアイソレーターの中に、滅菌したトウモロコシ穂軸の床敷、食物、および水と共に、動物を収容した。マウスを3日間慣らし、食物および水道水を無制限に与えた。研究開始前に動物を調べ、十分な健康および適正を備えていることを確認した。病気であるか、または適正のないとみなした動物は、研究に用いなかった。研究の過程において、12時間の明期/12時間の暗期というサイクルを維持した。20℃〜23℃の表示温度範囲および30%〜70%の相対湿度を維持した。研究の間、LabDiet 5053認定PicoLab Rodent Dietおよび滅菌水を無制限に与えた。
プロトコール例:1グループにつき10匹のマウスに対し、5×10個のMDA−MB−468細胞を、皮下注射によって左脇腹に接種した。腫瘍の平均体積が100mmまたは200mmに達した時、本明細書に示されている化合物を用いた動物の処置を開始した(表4参照)。試験物またはビヒクルを、最長21日間、1日1回、IP注射によって投与した。腫瘍を毎月曜日、毎水曜日、および毎金曜日に評価し、体重および体調を毎日評価した。
Figure 2013528215
細胞培養:MDA−MB−468乳癌細胞を、10%のウシ胎仔血清および1%のpen/strepを含んでいるLiebowitz’s L-15中で増殖させた。定期的に、細胞をトリプシン処理して1:4で継代した。移植当日、細胞をPBSで洗浄し、トリプシン処理を行い、完全培地に再懸濁した。細胞を、無血清培地で3回洗浄した(1000rpmで5分間遠心分離した)。1×10細胞/mLの密度まで細胞を再懸濁し、マトリゲルと1:1で希釈した。細胞を、0.1mLの体積において、23Gの針を用いて、皮下注射によって移植した。
腫瘍測定:腫瘍を毎日観察した。毎日の評価の間に、動物の腫瘍が1500mmを超えたと思われる場合には、この腫瘍を測定した;また、1500mmより大きい腫瘍を有するおよび/または壊死を有するおよび/または運動が妨げられている動物は安楽死させた。腫瘍の測定は、1週間に2回、各腫瘍を、最大の寸法(長さ、L)に沿って、また、この寸法に対して垂直に(幅、W)、二次元に測定することによって行った。腫瘍の重さを、標準式:(L×W)/2を用いて計算した。腫瘍の平均の重さと、この平均値の標準誤差とを、各グループについて各時点において計算した。分散分析を用いて原発腫瘍の体積の差を比較した。
動物の体重:すべての動物について、研究の間中、1週間に2回、体重測定を行った。グループの体重変化を、グループの平均体重として表した。開始時点での総体重と比較して20%より多く体重が減少した動物は、安楽死させた。
化合物1を、22日間またはそれ以上の間、例えば毎日50mg/kgの投与量において、マウスに投与した。腫瘍増殖阻害データを、図1ならびに表5および6にまとめる。
化合物2を、マウスに対し、0日目〜7日目に例えば毎日20mg/kgの投与量において投与し、その後、8日目以降22日間またはそれ以上の間、毎日10mg/kgの投与量において投与した。腫瘍増殖阻害データを、図1ならびに表5および6にまとめる。
Figure 2013528215
Figure 2013528215
上記実施例は、当業者に対し、特許請求の範囲に記載された実施形態の製造方法および使用方法の完全な開示および説明を与えるものであって、本明細書に開示されているものの範囲を限定することを意図しない。当業者にとって自明な変更は、以下の特許請求の範囲内にあることが意図される。本明細書において言及されている全ての公報、特許、および特許出願は、このような公報、特許、または特許出願がそれぞれ、その全体が参照によって本明細書に援用されることを明確にかつ個々に示されるのと同じ程度に、参照によって援用される。

Claims (19)

  1. 式(I):
    Figure 2013528215
    (ここで、
    (A)
    LはS(O)であり;
    は、ハロゲン、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NRまたはNRS(O)の1つ以上を用いて、それぞれが任意に置換されている、フェニルまたは(5〜6員環の)ヘテロアリールであり;
    存在しているRのそれぞれは、
    (i)ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、(6〜10員環の)アリール、(5〜10員環の)ヘテロアリールまたは(3〜10員環の)ヘテロシクリルの1つ以上を用いて、それぞれが任意に置換されている(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニルまたは(C〜C)アルキニルであり;ここで、当該ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルのそれぞれは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NRまたはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換されているか;または
    (ii)ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、(6〜10員環の)アリール、(5〜10員環の)ヘテロアリールまたは(3〜10員環の)ヘテロシクリルの1つ以上を用いて任意に置換されている(C〜C)シクロアルキルであり;ここで、当該アルキル、アルケニルおよびアルキニルのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NRまたはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換されており、かつ当該ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルのそれぞれは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NRまたはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換されており;
    は水素またはRであり;
    は、ハロゲン、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、任意に置換されている(6〜10員環の)アリール、任意に置換されている(5〜10員環の)ヘテロアリールまたは任意に置換されている(3〜10員環の)ヘテロシクリルの1つ以上を用いて、それぞれが任意に置換されているフェニルまたは(5〜6員環の)ヘテロアリールであり;
    およびRはそれぞれ独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C12)アラルキル、フェニル、(5〜6員環の)ヘテロアリールまたは(3〜7員環の)ヘテロシクリルであるか;またはRおよびRはともに3〜10員環を形成しているか;または
    (B)
    LはC(O)であり;
    は、ハロゲン、シアノ、R、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NRまたはNRS(O)の1つ以上を用いて、それぞれが任意に置換されているフェニルまたは5〜6員環のヘテロアリールであり;
    存在しているRのそれぞれは、
    (i)ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、(6〜10員環の)アリール、(5〜10員環の)ヘテロアリールまたは(3〜10員環の)ヘテロシクリルの1つ以上を用いて、それぞれが任意に置換されている(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニルまたは(C〜C)アルキニルであり、ここで、当該ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルのそれぞれは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NRまたはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換されているか;または
    (ii)ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NR、NRS(O)、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、6〜10員環のアリール、5〜10員環のヘテロアリールまたは3〜10員環のヘテロシクリルの1つ以上を用いて、任意に置換されている(C〜C)シクロアルキルであり;ここで、当該アルキル、アルケニルおよびアルキニルのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NRまたはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換されており、かつ当該ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルのそれぞれは、1つ以上の(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ハロゲン、シアノ、OR、OC(O)R、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NR、OS(O)R、SR、S(O)R、S(O)、S(O)NRまたはNRS(O)の1つ以上を用いて、任意に置換されており;
    は水素またはRであり;

    Figure 2013528215
    (ここで、(i)Xはそれぞれ独立してNまたはCHであり、RおよびRはそれぞれ独立してハロゲンまたはCFであり、(ii)RはクロロまたはCFであり、R10はフルオロ、クロロまたはCFであり、R11は水素、フルオロ、クロロ、CFまたは(C〜C)アルキルである)であり;
    およびRはそれぞれ独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)ヘテロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C12)アラルキル、フェニル、(5〜6員環の)ヘテロアリールまたは(3〜7員環の)ヘテロシクリルであるか;またはRおよびRはともに3〜10員環を形成しており;
    (i)RおよびRの両方がCFであり、かつXがCHである場合、Rは3,4−ジクロロフェニルまたは3,5−ジクロロフェニルではなく、(ii)RおよびR10の両方がCFであり、かつR11が水素である場合、Rは3,4−ジクロロフェニルまたは3,5−ジクロロフェニルではない)
    の化合物、もしくはその光学異性体、光学異性体の混合物もしくは2つ以上のジアステレオマーの混合物;または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ。
  2. LはS(O)である、請求項1に記載の化合物。
  3. LはC(O)である、請求項1に記載の化合物。

  4. Figure 2013528215
    である、請求項3に記載の化合物。

  5. Figure 2013528215
    である、請求項3に記載の化合物。
  6. 式(V):
    Figure 2013528215
    (ここで、
    はCHまたはCFであり;
    は、水素、(C〜C)アルキルまたはベンジルであり;
    は、クロロまたはCFであり、
    10は、フルオロ、クロロまたはCFであり;
    11は、水素、フルオロ、クロロ、CFまたは(C〜C)アルキルであり;
    12は、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、ヒドロキシルまたはメトキシルであり;
    nは、0、1または2であり;
    およびR10の両方がCFであり、R11が水素であり、かつnが2である場合、R12はクロロではない)
    を有している、請求項5に記載の化合物、もしくはその光学異性体、光学異性体の混合物もしくは2つ以上のジアステレオマーの混合物;または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ。
  7. 上記化合物は
    Figure 2013528215
    である、請求項1および3から6のいずれか1項に記載の化合物。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の化合物、もしくはその光学異性体、光学異性体の混合物もしくは2つ以上のジアステレオマーの混合物;または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ、ならびに少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤または担体を含んでいる、薬学的組成物。
  9. 1つ以上のさらなる活性剤を含んでいる、請求項8に記載の薬学的組成物。
  10. キャップ依存性のタンパク質翻訳によって媒介される障害の1つ以上の症状を処置、予防または改善する方法であって、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の化合物、もしくはその光学異性体、光学異性体の混合物もしくは2つ以上のジアステレオマーの混合物;または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ;または請求項8もしくは9に記載の薬学的組成物を投与することを包含している、方法。
  11. eIF4Eによって媒介される障害の1つ以上の症状を処置、予防または改善する方法であって、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の化合物、もしくはその光学異性体、光学異性体の混合物もしくは2つ以上のジアステレオマーの混合物;または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ;または請求項8もしくは9に記載の薬学的組成物を投与することを包含している、方法。
  12. ヘッジホッグ経路によって媒介される障害の1つ以上の症状を処置、予防または改善する方法であって、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の化合物、もしくはその光学異性体、光学異性体の混合物もしくは2つ以上のジアステレオマーの混合物;または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ;または請求項8もしくは9に記載の薬学的組成物を投与することを包含している、方法。
  13. 上記障害は、がん、増殖性疾患、乳がん、トリプルネガティブの乳がん、ER+乳がん、ER−乳がん、基底細胞母斑症候群(ゴーリン症候群)、基底細胞がん、皮膚がん、肺がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、脳腫瘍、髄芽細胞腫、膠芽細胞腫、結腸直腸がん、卵巣がん、肝臓がん、膵臓がん、膵がん、膵臓血管肉腫、膵臓腺肉腫、胃がん、胃食道接合部がん、前立腺がん、子宮頸がん、膀胱がん、頭頸部がん、リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B−細胞リンパ腫、手術によって除去され得ない固形腫瘍、局所進行性固形腫瘍、転移性固形腫瘍、白血病、急性脊髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性脊髄性白血病(CML)、再発性難治性腫瘍または難治性腫瘍である、請求項10から12のいずれか1項に記載の記載の方法。
  14. 障害の1つ以上の症状を治療、予防または改善する方法であって、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の化合物、もしくはその光学異性体、光学異性体の混合物もしくは2つ以上のジアステレオマーの混合物;または薬学的に許容可能なその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグ;または請求項8もしくは9に記載の薬学的組成物を投与することを包含しており、
    上記障害は、がん、増殖性疾患、乳がん、トリプルネガティブの乳がん、ER+乳がん、ER−乳がん、基底細胞母斑症候群(ゴーリン症候群)、基底細胞がん、皮膚がん、肺がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、脳腫瘍、髄芽細胞腫、膠芽細胞腫、結腸直腸がん、卵巣がん、肝臓がん、膵臓がん、膵がん、膵臓血管肉腫、膵臓腺肉腫、胃がん、胃食道接合部がん、前立腺がん、子宮頸がん、膀胱がん、頭頸部がん、リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B−細胞リンパ腫、手術で除去できない固形腫瘍、局所進行性固形腫瘍、転移性固形腫瘍、白血病、急性脊髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性脊髄性白血病(CML)、再発性難治性腫瘍または難治性腫瘍である、方法。
  15. 上記がんは従来の治療法に対して耐性である、請求項13または14に記載の方法。
  16. 上記がんはビンクリスチン耐性である、請求項13または14に記載の方法。
  17. 上記がんはタキソール耐性である、請求項13または14に記載の方法。
  18. 上記がんはシタラビン耐性である、請求項13または14に記載の方法。
  19. 上記がんはドキソルビシン耐性である、請求項13または14に記載の方法。
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