JP2013527113A - 石英ガラスルツボ及びそれを製造する方法 - Google Patents

石英ガラスルツボ及びそれを製造する方法 Download PDF

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Abstract

石英ガラスルツボ及びそれを製造する方法
石英ガラスルツボを製造する既知の方法において、真空溶融型が準備され、その内側にSiO粒子からなるルツボ形状の粒子層が形成され、その粒子層は底領域と側壁領域とを有している。多孔質粒子層の少なくとも一部の上に、気泡の少ない石英ガラスからなる被膜層が形成される。負圧を印加することによって、被膜層に隣接する粒子層の少なくとも一部からガス状の成分が除去され、粒子層は、ルツボ高さHを有する石英ガラスルツボを形成しながらガラス化する。そこから出発して、開始プロセスを容易にし、かつシリコン融液内へ不純物が侵入する危険が少ない、石英ガラスルツボを製造するために、本発明によれば、粒子層の、底領域から最大でルツボ高さの0.8倍まで延びる、下方の領域内のみに、又は主としてその中に、負圧が印加されることにより、粒子層の、下方の領域に連続して完全な高さHまで延びる、上方の領域内に、ガラス化の際に被膜層の下にかつそれに隣接して気泡帯域が形成され、その気泡帯域は、気泡の少ない石英ガラス内のガスで満たされた気泡の固有体積の少なくとも2倍の大きさの固有の気泡体積を有する、ガスで満たされた気泡を含んでいることが、提案される。

Description

本発明は、ルツボ高さHと内側を有するルツボ壁とを備え、そのルツボ壁が石英ガラスからなる底及び底と結合された側壁とによって形成され、その場合に内側が密な石英ガラスからなる被膜層によって少なくとも部分的に覆われている、単結晶を引き上げるための石英ガラスルツボに関する。
本発明は、さらに、単結晶を引き上げるための石英ガラスルツボを製造する方法に関するものであって、以下の工程を有する:
(a)内側、外側及び内側と外側の間の連通孔を有する、壁を備えた真空溶融型を準備し、
(b)真空溶融型の内側上にSiO粒子からなるルツボ形状の多孔質粒子層を形成し、その場合に粒子層が底領域と側壁領域とを有し、
(c)多孔質粒子層の少なくとも一部の上に、気泡の少ない石英ガラスからなる被膜層を形成し、
(d)溶融型壁の外側を介して負圧が印加されることにより、被膜層に隣接する粒子層の少なくとも一部からガス状の成分を除去し、
(e)ルツボ高さHを有する石英ガラスルツボを製造しながら多孔質粒子層をガラス化する。
石英ガラスルツボは、いわゆるチョクラルスキー方法に従ってシリコン単結晶を引き上げる場合にシリコン融液を収容するために使用される。この方法において、石英ガラスルツボ内で多結晶の金属シリコンが溶融されて、シリコン単結晶からなる種結晶が上から融液表面へ案内されるので、結晶と融液との間に溶融メニスカスが形成される。単結晶は、ルツボの回転のもとで、ゆっくりと上へ向かって引き上げられ、その場合に種結晶に接してシリコン単結晶が成長する。このプロセスは、以下で「開始プロセス」又は短くして「開始」と称する。
石英ガラスルツボは、通常、穴を有する不透明な外側層上の透明な内側層によって形成されている。従って透明な内側層は、結晶引き上げプロセスの際にシリコン融液と接触して、高い機械的、化学的及び熱的負荷を受ける。シリコン融液の腐食攻撃を減少させて、それに伴ってルツボ壁からの不純物の遊離を最小限に抑えるために、内側層はできるだけ均質かつ気泡が少ない。
気泡のなさを改良するために、内側層の真空補助下形成によるルツボ製造方法が知られている。その場合に真空溶融型が使用され、その壁が貫通した穴を有しており、従って溶融型は多孔であって、又は多数の貫通した孔を有しているので、溶融型外側の負圧を印加した場合にSiO粒子層からガスを外側へ引き出すことができる。
この種の真空製造方法は、未公開の欧州特許出願公開第2236469(A1)号明細書から知られている。その中には、定められない厚みの気泡のない内側層と気泡を含む外側層とを有する石英ガラスルツボが記載されている。外側層の気泡の量と気泡の大きさは、ルツボの底領域から側壁を介して上方へ増加する。気泡を多く含む領域と気泡の少ない領域の間の移行部は、正確に定められておらず、その場合に実施例は、図式的にほぼルツボ中央における分割を示している。気泡のない内側層の形成は、真空を印加することによって行なわれる。異なる気泡の量を発生させるために、使用材料として異なる石英ガラス粒子の使用が提案される。
上方の壁部分の気泡の量がより多いことによって、その重量が減少されるので、定めに従って使用する場合に、石英ガラスルツボの変形は、より少ない。
冒頭で挙げた種類の真空製造方法は、独国特許第102008030310(B3)号明細書から知られている。その場合に溶融型内壁に、まず比較的大粒の石英粒子からなる外側粒子層が形成される。その上に、細かく分れた、合成作製されたSiO粉末からなるSiO粒子層が塗布される。粒子層は、次に、内壁からのアークの影響を受けて加熱され、その場合にSiOs粒子層が、不透明な外側層と透明な内側層とを有する石英ガラスルツボに焼結される。その場合に細かく分れた粒子は、溶融型外壁に真空が印加される場合に溶融ルツボ内部空間からの雰囲気の吸引を阻止することにより、機械的なバリア層として作用するので、迅速かつローカルな不均一性なしで、密なガラスの封止層が形成され、それがより強い真空の迅速な印加を可能にする。
合成作製された石英ガラスからなる内側層は、融液近傍領域内の不純物の少ない濃度を保証し、その限りにおいて純粋かつ混加のないシリコン単結晶の収量に効果的に作用する。しかし、合成石英ガラスからなる内側層を有するルツボは、天然由来のケイ砂から形成された石英ガラスルツボに比較して、どちらかと言うと、融液表面の振動をもたらす傾向があることが、明らかにされている。この種の振動は、たとえば融液と種結晶の回転によって、又は種結晶が潜り込むことによってもたらされ、又は強化されることがある。それらは特に開始プロセスにおいて、核形成を困難にし、遅延させ、又は特に阻止することにより、好ましくないことが認められる。それが生産性を低下させ、かつ、開始プロセスの際にすでに石英ガラスルツボの耐用期間を上回り、又は単結晶内に混加物を発生させ、それが硬化したシリコンの再溶融を必要にしてしまうことがある。
融液表面の振動を減少させるために、欧州特許出願公開第1532297(A1)号明細書には、合成石英ガラスからなる透明な内側層を有する石英ガラスルツボが提案されているが、その内側層は結晶引き上げプロセスの開始時の融液面の高さにおいて、天然由来の石英ガラスからなる透明な気泡帯域によって遮られている。この気泡帯域は、少なくとも0.5×Hから0.8×Hの領域内に延びており、その場合にHは底の下側と側壁上縁との間のルツボ高さを表す。
結晶引き上げプロセスの開始時に融液面の高さに位置する、石英ガラスルツボの一周する側壁領域は、以下で「開始帯域」とも称される。
融液表面の振動を減少させるのに寄与する、欧州特許出願公開第1045046(A1)号明細書に記載の他の溶融ルツボにおいて、内壁は開始帯域の領域内で、多数の凹部を有する一周する環状面として形成されている。同様な石英ガラスルツボが、特開2004−250304号公報からも知られている。ここでは、シリコン融液の振動を抑制すために、一周する環状面が設けられており、その中に、0.01から0.2%の体積割合を有する気泡が含まれている。
開始帯域の領域を中心としてこのように粗面化された表面は、シリコン融液に対してすべての可能な接触角度をとることができ、それが石英ガラス表面を同位相で濡らすことと濡らさないことを阻止し、それによって振動の発生を減殺する。他方で、たとえば石英ガラスルツボの清掃措置において、移送において、又は取扱いにおいて、粗面化された領域内によごれが集まることがあり、それが結晶引き上げプロセスの際にシリコン融液内へ遊離する。
本発明の課題は、開始プロセスを容易にし、かつシリコン融液内へ不純物が侵入する危険が小さい、石英ガラスルツボを提供することである。
さらに、本発明の課題は、この種のルツボを再現可能に製造するための方法を提供することである。
方法に関してこの課題は、冒頭で挙げた種類の方法から出発して、本発明によれば、粒子層の、底領域から最大でルツボ高さHの0.8倍まで延びる、下方の領域内で負圧が印加されることにより、粒子層の、下方の領域に連続して完全な高さHまで延びる、上方の領域内で、ガラス化の際に被膜層の下方及びそれに隣接して気泡帯域が形成され、その気泡帯域が、気泡の少ない石英ガラス内のガスで満たされた気泡の固有体積の少なくとも2倍の大きさの固有の気泡体積を有するガスで満たされた気泡を含んでいることによって解決される。
気泡を含む一周する帯域(ここでは「気泡帯域」とも称される)が石英ガラスルツボの側壁内に形成され、それは、単結晶引き上げプロセスの開始時に融液表面の高さに、従って開始帯域の領域内に、位置する。従来技術とは異なり、気泡を含む帯域は密な石英ガラスからなる(好ましくは薄い)被膜層によって覆われている。
被膜層は、粒子層が溶融型内で高温雰囲気にさらされて、その場合に表面的にガラス化されることにより、又は粒子層上に薄いガラスの層が沈積されることにより、形成される。もっとも簡単な場合においては、被膜層は粒子層の内壁全体を覆う。
被膜層は、たとえばルツボを清掃し、又はさらなる処理工程において、移送において、又は結晶引き上げ装置内へ組み込む際に、不純物がラフな表面領域内に固着し得ることを阻止する。被膜層は、少なくとも開始帯域の領域内では次のような薄さであり、すなわち石英ガラスルツボを規定通りに使用した場合に短い時間内にシリコン融液の腐食作用によって溶解されて、その後それに直接隣接する側壁の気泡を含む帯域がシリコン融液の表面と直接接触するような、薄さである。
露出後に、気泡帯域は、シリコン融液の振動の減少に関して予測される作用を示す。気泡帯域は、粗面化された表面領域として用いられ、それが融液とのすべての可能な接触角度をとることができ、従って振動を最小限に抑える。
気泡帯域は、開始帯域の上方と下方に延びている。すなわちそれは、結晶引き上げプロセスの開始時に融液面に相当する、石英ガラスルツボ側壁の高さに位置する。この高さは、引き上げプロセスの開始前に、石英ガラスルツボの容積及びシリコン融液の充填体積に基づいてわかっている。
固有の気泡含有量(気泡体積/cm)は、気泡帯域内では、たとえば被膜層内に存在するような、気泡の少ない石英ガラス内の少なくとも2倍の大きさである。気泡帯域と気泡の少ない石英ガラスは、通常、直接隣接してはおらず、滑らかな移行が存在する。各場合において、気泡帯域の下方の端縁は、ルツボ側壁の領域内に、従って底の上方に位置している。この上方の気泡を含む部分領域は、ここでは側壁(ないし粒子層)の「上方の領域」とも称され、下方の部分領域は、側壁(ないし粒子層)の「下方の領域」とも称される。
気泡帯域は、その下方の端部から始まって、側壁の残りの上方の面全体にわたって延びるか、又はその一部のみにわたって延びる。(径方向に見た)気泡帯域の厚みは、この領域内の石英ガラスルツボの肉厚(被膜帯域を差し引いて)又はその一部に相当する。ルツボ高さHとして、(他においても一般的であるように、)ルツボ底の下側と側壁上縁との間の距離が定義される。
気泡帯域は、ガスで満たされた気泡を有しているので、これは、石英ガラスルツボを加熱する際に消滅しない。
最初は被膜層によって覆われている気泡帯域の形成は、ガラス化プロセスにおけるルツボ壁にわたる不均一な吸出しに基づく。その場合に負圧は専ら、又は主として粒子層の下方の領域内に印加され、その領域は、底領域から最大でルツボ高さHの0.8倍まで延びることによって定義されている。
それを補足して、気泡帯域を形成するための複数の方法が適している。
第1の好ましい方法変形例において、粒子層の上方の領域内のガスで満たされた気泡は、粒子層のガラス化の際又はその前に上方の領域へガスが供給されることにより、又は上方の領域内へのガスの供給が可能にされることにより、発生される。
粒子層の上方の領域へガスが供給され、それに対して下方の領域内に存在するガスは、負圧処理によって引き出される。粒子層の上方の領域におけるガス供給が、この領域内の気泡含有量を高めるので、同時に、又は次にこの領域がガラス化する際に、被膜層の下方にガスで満たされた気泡が発生して封じ込められる。ガス供給のために適したガスは、たとえば窒素、酸素、アルゴン、これらのガスの混合物又は空気である。
持続するガス供給を保証するために、ガラス化の間、粒子層の上方の端縁の密な焼結を阻止する措置が講じられる。
その代わりに、ガスが能動的に供給されず、同様に、ガラス化の間、粒子層の上方の端縁の密な焼結を阻止し、それによってこの領域内へのガスのそれ以上の供給を可能にする措置が講じられる。
というのは、溶融型内側から高温雰囲気の発生によって粒子層をガラス化する際に、通常、粒子層の自由な表面領域が急速に密に焼結され、それがそれ以上のガス供給を阻止するからである。これは特に、粒子層の上方の端縁について当てはまる。それにもかかわらずガラス化する際に、粒子層の上方の領域内への連続した受動的又は能動的なガス供給を保証するために、高温雰囲気とは逆の、粒子層の「背側」に、特に溶融型のガスを透過する壁部分を介して、ガス供給が行なわれる。
その場合に、ガスは、好ましくは真空溶融炉の粒子層の上方の領域に隣接する、ガスを透過する壁部分を通して粒子層に供給される。
ガス透過性は、好ましくは、粒子層に接して終了する、溶融型壁内の孔によって、又は、粒子層の上方の領域内に配置されて、溶融型の構成要素をなす、多孔質グラファイトのような、多孔質材料からなるリングによって、もたらすことができる。
それを補って、粒子層の上方の領域と下方の領域との間に、上方の領域から下方の領域内へのガス流を阻止する、粒子バリア層が設けられると好ましいことが実証されている。
粒子層の上方の領域に、ガラス化の際に連続的に、又は、ガラス化の時若しくはその前に1回、ガスが供給される。特に、石英ガラス内で低速で拡散するガスとガス混合物、特に窒素、アルゴン、酸素又は空気が適している。粒子バリア層は、粒子層の上方の領域から吸引を受ける下方の領域内へのガスの流出を制限するために、流れ抵抗を増大させる。
その場合に粒子層は、好ましくはSiO粉末からなる粒子層内部の環状の中間層として形成されており、その粉末は粒子層の残りのSiO粒子よりも高いかさ密度を有している。
その場合に粒子バリア層は、粒子層の上方の領域と下方の領域の間に閉鎖された粉末層を形成する。比較的高いかさ密度を有する粒子からなる粉末層は、ガス流に対してより大きい粒子としてより高い流れ抵抗を作用させる。下方の領域内で作用する吸出しによる、粒子層の上方の領域からのガスの流出が減少される。
他の好ましい実施変形例において、粒子層の上方の領域内のガスで満たされた気泡は、粒子層の下方の領域内に存在するガスがヘリウムと交換されることにより、かつこのガス交換が粒子層の上方の領域内では阻止されることによって、発生される。
この実施変形例において、粒子層の下方の領域内に存在するガスのみが、又は、主としてそれがヘリウムに交換されることによって、側壁の下方の領域と側壁の上方の領域の泡立ちの間に差が形成される。ヘリウム原子は、より小さい大きさを有し、かつ石英ガラス内で比較的急速に拡散することができ、それが石英ガラス内にガスで満たされた孔が生じることを減殺する。
粒子層の上方の領域内のガス交換を阻止し、又は、阻止若しくは減少させる措置は、好ましくは、ヘリウムが粒子層の底領域に供給され、かつ同時に、粒子層の下方領域内に印加されている負圧によって溶融型の壁を介して、特に粒子層の上方の領域へ達する前に、吸い出されることにある。
このようにして、ガス交換は粒子層の下方の領域内でのみ、又は主としてその中でもたらされ、粒子層の上方の領域内では回避される。ガラス化する際に、粒子層の下方の、ヘリウムを装填された、又は排気された領域が、気泡の少ない又は気泡のない石英ガラスに焼結され、それに対して上方の領域内にはガスで満たされた気泡が残留する。
被膜層は、一方で、石英ガラスルツボを取扱い、かつ移送する際に簡単には剥がれない厚みに形成されるが、他方では溶融プロセスのできるだけ早い段階においてすでに完全に除去されるような薄さで形成される。それに関して、粒子層の上方の領域内で50μmから800μmの範囲の厚みを有する被膜層が形成されると、好ましいことが明らかにされている。
粒子層の、底領域から少なくとも0.2×H、好ましくは少なくとも0.4×Hの高さまで延びる下方の領域内に負圧が印加されると、好ましいことが実証されている。
この領域内に負圧を印加する場合に、少なくとも底領域内と、0.2×ルツボ高さHの、好ましくは0.4×Hまでのルツボ側壁内で、比較的気泡の少ない石英ガラスが得られる。上方へ向かって、直接気泡帯域が続くか、又は、気泡帯域への移行領域が続く。
融液面下方の気泡帯域の幅は、好ましくは、できる限り狭く、かつ必要なだけ広い。できあがった石英ガラスルツボ内の開始帯域の高さは、通常前もってわかっているので、気泡帯域を石英ガラスルツボのこの高さ領域に制限することができる。
それに関して、側壁領域に、0.5×Hから0.95×Hの間の高さの仮想の開始帯域が対応づけられると、好ましく、その場合に気泡帯域はこの開始帯域の下方10cmより多くは、好ましくは5cmより多くは達しない。
石英ガラスルツボに関して、上で挙げた課題は、冒頭に記載した種類の石英ガラスルツボから出発して、本発明によれば、被膜層が底領域において、かつ側壁の、底から最大でルツボ高さHの0.8倍まで延びる下方の領域内では気泡の少ない石英ガラスに隣接し、側壁の、下方の領域に完全なルツボ高さHまで連続する上方の領域内では、50μmから800μmの範囲の厚みをもって、気泡のより豊富な、ガスで満たされた気泡を含む石英ガラスからなる気泡帯域に隣接することによって、解決される。
本発明に基づく石英ガラスルツボにおいて、密な石英ガラスからなる薄い被膜層が、石英ガラスルツボの壁内に一周する気泡を含む帯域を覆い、その帯域は単結晶引き上げプロセスの開始時に融液表面の高さに、従って開始帯域の領域内に位置する。
被膜層は、不純物が、たとえばルツボを清掃し、又はさらに処理するステップにおいて、移送において、又は結晶引き上げ装置へ組み込む場合に、気泡内に集まり得ることを阻止する。
被膜層は、石英ガラスルツボを規定通りに使用する場合に短い時間内に、シリコン融液の腐食作用によって溶解され、それによってその後それに直接隣接する、側壁の気泡を含む帯域がシリコン融液の表面と直接接触するような薄さである。従って露出後に、気泡帯域は、粗面化された表面領域として用いられ、それが融液とすべての可能な接触角度をとることができ、それによって振動を最小限に抑える。気泡帯域内の固有の気泡体積は、被膜層の気泡の少ない石英ガラス内の少なくとも2倍の大きさである。気泡含有量に関して、被膜層と気泡の少ない石英ガラスは異ならず、又は取り立てて言うほど異ならない。光学的に、被膜層の気泡の少ない石英ガラスと、ルツボの底及び下方の側壁内の気泡の少ない石英ガラスの間に、通常、差は認められない。
気泡帯域は、開始帯域の領域内に、従って石英ガラスルツボ側壁の、結晶引き上げプロセスの開始時の融液面の高さに相当する高さにある。この高さは引き上げプロセスの開始前に、石英ガラスルツボの容積と充填すべきシリコン融液の体積に基づいて、通常、わかっている。
気泡帯域は、ガスで満たされた気泡を有しているので、これは石英ガラスルツボを加熱する場合に消滅しない。
本発明に基づく石英ガラスルツボは、上で説明した本発明に基づく方法を用いて形成することができる。石英ガラスルツボを溶融型から取りだした後に、上方の端縁は平坦ではなく、研磨され、又は切断される。高さHは、研磨又は切断後のルツボ側壁の高さに相当し、かつかつての粒子層の側壁領域の高さにもほぼ相当する。
被膜層は、側壁の上方の領域内で、50μmから800μmの範囲の厚みを有している。
厚みが50μmより少ない場合には、石英ガラスルツボを取り扱い、かつ移送する際に除去される危険がある。厚みが800μmより多い場合には、結晶引き上げプロセスにおいて融液によって被膜層を除去することが、不必要に長い時間を必要とする。
気泡帯域から隣接する側壁の気泡の数内領域への移行は、通常、急峻ではなく滑らかであって、移行領域が生じる。各場合において、気泡帯域の下方の端縁は、ルツボ側壁内に、従ってルツボ底の上方に位置する。気泡帯域は、その下方の端部から始まって、側壁の上方の部分面全体にわたって、又はその一部のみにわたって延びる。
気泡帯域は、結晶引き上げプロセスの開始時のみに、融液振動を減少させるのに役立つ。結晶引き上げプロセスの後の段階においては、気泡を含む表面は、むしろ望ましくない。
従って気泡帯域は、理想的には開始帯域の高さにおいてのみ延びるが、それより下には延びない。実際においては、気泡帯域が、0.4×Hから上方のルツボ端縁までの領域内に達する高さに延びていると、好ましいことが実証されている。
それに関して、本発明に基づく石英ガラスルツボの実施形態も好ましく、それにおいて側壁に、0.5×Hから0.95×Hの間の高さの仮想の開始帯域が対応づけられており、その場合に気泡帯域は開始帯域の下方10cmより多くは、好ましくは5cmより多くは達しない。
(径方向に見た)気泡帯域の厚みは、この領域内の石英ガラスルツボの肉厚(被膜層を差し引いて)か、又はその一部に相当する。
以下、実施例と図面を用いて本発明を詳細に説明する。図式的な表示において:
本発明に基づく石英ガラスルツボを製造する装置の第1の実施形態を示している。 本発明に基づく石英ガラスルツボを製造する装置の第2の実施形態を示している。 本発明に基づく石英ガラスルツボを製造する装置の第3の実施形態を示している。 本発明に基づく石英ガラスルツボの実施形態を側断面で示している。
図1に図式的に示す溶融装置は、68cmの内径、彎曲した底及び50cmの高さの側壁を有する金属からなる溶融型1を有している。溶融型1は、その中心軸2を中心に回転可能に軸承されている。溶融型1の内部空間3内へ、グラファイトからなる電極4が突出しており、その電極は、内部空間3の内部ですべての空間方向へ移動可能であることが、示されている。
溶融型1の底領域内及び壁の下半分の領域内に、多数の通路6が設けられており、それを介して、溶融型1の外側に印加された真空が内部空間3内へ作用することができる。溶融型1の上方の3分の1の壁17内に、他の通路7が設けられており、それを介してガスを溶融型内部空間3の方向へ案内することができる。通路7は、共通の環状溝16内へ連通しており、その環状溝は溶融型壁の上側に穿設されている。通路6;7は、それぞれ多孔質グラファイトからなる栓11によって閉鎖されており、その栓が内部空間3からのSiO粒子の流出を阻止する。
以下、本発明に基づく石英ガラスルツボを製造するための方法を、図1に示す溶融装置を用いて詳細に説明する。
第1の工程において、熱塩素置換によって浄化された天然のケイ砂からなる結晶の粒子が溶融型1内へ投入される。ケイ砂は、90μmから315μmの粒子大きさを有する。遠心力を作用させ、かつ型ステンシルを使用しながら、長手軸2を中心に回転する溶融型1の内壁に、機械的に固化されたケイ砂からなる回転対称のルツボ形状の粒子層12が形成される。粒子層の層厚は、底領域8内及び下方と上方の側領域9、10内でほぼ等しく、約12mmである。側壁領域内の粒子層の高さは、溶融型の高さに相当し、従って50cmである。
第2の工程において、電極4が長手軸2を中心にさらに回転する溶融型1内の粒子層12の近傍に位置決めされて、電極4の間でアーク13が着火される。
その場合に電極には、600kW(300V、2000A)の出力が供給されるので、溶融型内部空間3内に高温雰囲気が生じる。このようにして、石英粒子層12上に、約0.5mmの厚みを有する密な透明の石英ガラスからなる被膜層14が形成される。その場合に粒子層12の自由な上側5も圧縮される。
被膜層14の形成後に、第3の工程において、通路6を介して真空(100mbar絶対圧)が底領域8内と下方の壁領域9内の粒子層12へ印加される。同時に通路7を介して空気が、まだ多孔質粒子層12の上3分の1・10内へ導入される。空気を吸い出し、かつ導入する際のそれぞれのガス流は、図1から3に矢印で示されている。
空気は、粒子層の上3分の1・10内に実質的に残留する。下方へ向かって、下方の領域9内へ達した空気が、下方の壁領域9内の真空による吸出しを減殺する。それによって粒子層の上方の領域10内で、SiO粒子に比較的強く空気が装填される。下方の領域9内と底領域8内では、粒子層12の流れ抵抗が印加される真空と結びついて、これらの領域8、9内への空気の侵入を阻止する。
粒子層の底領域8、下方の側領域9と、上方の側領域10との間の流れ抵抗をさらに高めるために、予測される開始帯域の高さ領域内に(すなわち2/3Hの高さであって、その場合に「H」は一義的なルツボ高さである)、環状の中間層15が設けられており、それは80μmを中心とする領域内の粒子大きさを有する、特に細かい粒の粒子からなり、かつ高い流れ抵抗を特徴としている。
ガラス化する際に、溶融前線が粒子層12を通って内側から外側へ移動する。その場合に上方の領域10内に(高さHの上方)空気装填がより強いことにより、全般的に気泡を含む、ガラス化された帯域(図4:気泡帯域41)が形成される。これは、壁の上3分の1全体、従って約17cmの長さにわたって延びており、かつ内側被膜14によって完全に覆われている。
それに対して粒子層12の下方の領域9と底領域は、まず、取り立てて言うほどの気泡形成なしでガラス化する。透明性に関して、被膜層14の石英ガラスと底及び側壁の気泡の少ない石英ガラスとの間に、はっきりとした差はない。
溶融前線が溶融型壁から約4cm遠ざかっている場合に、排気が終了される。それによって粒子層12の裏側が、底領域内と下方の側壁領域内でも不透明な、気泡を含む石英ガラスにガラス化される。ガラス化は、溶融前線が溶融型に達する直前に、停止される。
ガラス化の後に、以前の中間層15は、気泡を含む石英ガラスから気泡の少ない領域への比較的シャープな移行をマークする。被膜層の下方の固有の気泡体積がメイン層内の2倍の高さになる領域が、気泡帯域と見なされる。この帯域の下方の端縁は、予測される開始帯域の約3cm下に位置する。
図2から4において図1におけるのと同一の参照符号が使用される限りにおいて、上で図1を用いて詳細に説明したのと構造が等しく、又は等価の部材及び構成要素が示される。
図2に図式的に示す溶融装置においては、下方の金属の下方部分22からなる溶融型21が設けられており、その下方部分は彎曲した底と、全体として50cmの高さを有する側壁の2つの下3分の1を定め、その高さも、製造すべき石英ガラスルツボの高さ「H」にほぼ相当する。
下方部分22上に、17cmの高さと68cmの内径とを有するグラファイトリング23の形式の上方部分が固定されている。グラファイトリング23は、25%の多孔率を有する多孔質グラファイトからなる。真空が印加された場合に、多孔質グラファイトリング23を介して、空気が上方の粒子領域10内へ吸い込まれる。その限りにおいて図1の溶融装置の環状溝16及び通路7と同様の機能を有するグラファイトリング23を別にして、溶融装置の第1の実施形態と第2の実施形態は異ならない。
以下、図2に示す溶融装置を用いて石英ガラスルツボを製造する方法を詳細に説明する。
第1の工程において、溶融型21内に粒子層12が形成され、それに第2の工程において、図1を用いて説明したような、被膜層14が設けられる。
第3の工程において、通路6を介して真空(100mbar絶対圧力)が底領域8内と下方の壁領域9内の粒子層12へ印加され、同時に負圧によって空気が多孔質グラファイトリング23を介して、空気がまだ多孔質粒子層12の上方の壁領域10内へ達する。グラファイトリング23は、粒子層12を形成する際の型部材として用いられるだけでなく、その粒子層をアーク13の熱に対して遮蔽もするので、プラズマ13とは逆の側からの粒子層12の密な焼結が阻止される。
それによってグラファイトリング23を介して空気が粒子層12の上方の領域10内へ流入することができる。下方の領域9内へ流出する空気は吸い出されるので、真空は粒子層12の上方の領域10内へ完全に作用することはできず、粒子層12の上方の領域10と下方の領域9との間には圧力勾配が生じる。それによって、粒子層の上方の領域10内において、SiO粒子に空気が相対的に装填される。下方の領域9内と底領域8内では、粒子層12の流れ抵抗が印加された真空と結びついて、これらの領域8、9内への空気の侵入を減少させる。
粒子層12がガラス化する際に、上方の領域10内では空気装填がより強いことにより、全般的に気泡の多い帯域が形成され、その帯域はルツボ高さHの上3分の1にわたって、従って約17cmの長さにわたって、下方へ向かって延びており、かつ内側被膜14によって完全に覆われている。
それに対して粒子層12の下方の領域9と底領域8は、真空が印加される間、取り立てて言うほどの気泡形成なしでガラス化する。石英ガラスルツボの外側領域は、上で図1を用いて説明したように、一貫して不透明に形成される。気泡帯域から気泡の少ない、ないしは気泡のない領域への移行は、滑らかである。気泡帯域と見なされるのは、被膜層14に隣接する石英ガラスの固有の気泡体積が、被膜層14の気泡のない石英ガラス内の2倍の高さになる領域である。
図3に図式的に示される溶融装置は、68cmの内径、彎曲した底及び50cmの高さ「H」の側壁を有する金属からなる溶融型31を有している。溶融型31は、その中心軸2を中心に回転可能に軸承されている。溶融型31の内部空間3内において、グラファイトからなる電極4が、方向矢印5を用いて示すように、すべての空間方向に移動可能である。
溶融型31の下方の壁半分の領域内に、多数の通路6が設けられており、それらを介して、溶融型31の外側に印加される真空が内側へ作用することができる。多孔質グラファイトからなる栓33によって閉鎖されている、溶融型31の底に設けられた中央の開口部32を介して溶融型31へヘリウムを供給することができる。
以下、石英ガラスルツボを製造する手順を、図3に示す溶融装置を用いて詳細に説明する。
第1の工程において、溶融型21内に粒子層12が形成されて、それに第2の工程において、図1を用いて説明したように、被膜層14が設けられる。
第3の工程において、下方の壁領域9内の通路6を介して粒子層12へ真空が印加され、同時に粒子層12に中央の開口部32を介してヘリウムからなるガス混合物が圧力なしで注入される。ガス混合物の供給及び同時の吸出しが、粒子層12の底及び下方の領域8;9内で空気をHe/Hガス混合物に交換する。洗浄プロセスは、ガラス化の間、続行される。多孔質粒子層12の上方の壁領域10内には、その前に含まれていた空気が実質的に残留する。
粒子層12がガラス化する際に、上方の領域10内には、空気装填が強いことによって全般的に気泡の多い気泡帯域が形成され、それが約17cmの高さにわたって上方の端縁から下方へ向かって延びており、かつ内側被膜14によって完全に覆われている。
それに対して粒子層12の下方の領域9と底領域は、まず、取り立てて言うほどの気泡形成なしでガラス化する。透明性に関して、被膜層14の石英ガラスと底8及び下方の側壁領域9の気泡の少ない石英ガラスの間にはっきりとした差はない。
溶融前線が溶融型壁からまだ約5cm離れている時に、ヘリウムの導入及び吸出しが終了される。それによって粒子層12の外側は、底領域と下方の側壁領域においても、上で図1を用いて説明したように、不透明な、気泡を含む石英ガラスにガラス化する。溶融前線が溶融型内壁に達する直前に、ガラス化が停止される。
溶融型から取り出した後に、かつての粒子層の上方の部分的にガラス化した端縁が切断され、上で詳細に説明したすべての方法変形例において、図4に図式的に示すように、気泡帯域41を有する石英ガラスルツボ40が得られる。その下方の端縁は、高さ「A」に延びる仮想の開始帯域の約2から3cm下方に達する。気泡帯域41は、不透明な領域よりも光学的に容易に認識可能である。その固有の気泡含有量は、被膜層14内の少なくとも2倍の大きさである。従って「B」で示すこの領域内で、被膜層14は気泡帯域41に隣接する。気泡帯域41は、上方のルツボ端縁まで達しており、かつその壁全体にわたって延びている。
ルツボ底42と側壁43の下方の領域内で、被膜層14は、被膜層14内に存在するのと同様に気泡の少ない石英ガラスに隣接する。この気泡の少ない領域が、図4に参照符号44で示されている。石英ガラスルツボ40の外側の壁領域は、底及び下方の側壁領域内においても、不透明な気泡を含む石英ガラスからなる。
図4において、ルツボ高さ「H」は、底42の下側と側壁の上方の端縁44との間の距離としても示されている。
石英ガラスルツボを規定に従って使用する場合に、ガスで満たされた気泡は、気泡成長を免れない。被膜層14の熔解後に、シリコン融液の表面の領域内に粗い、ないしは波打ったルツボ表面が露出する。この粗面化されたルツボ表面に基づいて、シリコン融液と壁との間に各任意の接触角度が生じるので、融液振動が抑制される。
第1の工程において、溶融型31内に粒子層12が形成されて、それに第2の工程において、図1を用いて説明したように、被膜層14が設けられる。
図4において、ルツボ高さ「H」は、底42の下側と側壁の上方の端縁との間の距離としても示されている。

Claims (15)

  1. 単結晶を引き上げるための石英ガラスルツボを製造する方法であって、以下の工程を有する:
    (a)内側、外側及び外側と内側の間の連通孔(6;7)を有する壁を備えた真空溶融型(1;21;31)を準備し、
    (b)前記真空溶融型(1;21;31)の内側上にSiO粒子からなるルツボ形状の多孔質粒子層(12)を形成し、その場合に前記粒子層(12)が底領域(8)と側壁領域(9;10)を有しており、
    (c)前記多孔質粒子層(12)の少なくとも一部の上に気泡の少ない石英ガラスからなる被膜層(14)を形成し、
    (d)前記溶融型壁(1;21;31)の外側を介して負圧が印加されることにより、前記被膜層(14)に隣接する粒子層(12)の少なくとも一部から、ガス状の成分を除去し、
    (e)ルツボ高さHを有する石英ガラスルツボ(40)を形成しながら、前記多孔質粒子層(12)をガラス化する、
    前記方法において、
    前記粒子層(12)の、前記底領域(8)から最大でルツボ高さHの0.8倍まで延びる下方の領域(9)内に負圧が印加されることにより、前記粒子層(12)の、前記下方の領域(9)に続いて完全な高さHまで延びる、上方の環状の領域(10)内に、ガラス化する際に前記被膜層(14)の下にかつそれに隣接して、気泡帯域(41)が形成され、前記気泡帯域が、気泡の少ない石英ガラス内のガスで満たされた気泡の固有の体積の少なくとも2倍の大きさの固有の気泡体積を有する、ガスで満たされた気泡を含んでいることを特徴とする単結晶を引き上げるための石英ガラスルツボを製造する方法。
  2. 前記粒子層(12)の前記上方の領域(10)に、ガラス化する際又はその前にガスが供給されることにより、又は前記上方の領域(10)内へのガスの供給が可能にされることにより、前記粒子層(12)の前記上方の領域(10)内にガスで満たされた気泡が発生されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記ガスは、前記粒子層(12)の前記上方の領域(10)に隣接する、前記真空溶融型(21)のガスを透過する壁部分(17;23)を通して前記粒子層(12)へ供給されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記壁部分(17)のガス透過性が、前記壁の孔(7;16)によってもたらされることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記壁部分(23)のガス透過性が、多孔質材料からなるリングによってもたらされ、前記リングが前記真空溶融型(21)の壁の一部を形成することを特徴とする請求項3に記載の方法。
  6. 前記粒子層(12)の前記上方の領域(10)と下方の領域(9)の間に、前記上方の領域(10)から前記下方の領域(9)へのガス流を阻止する、粒子バリア層(15)が設けられていることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記粒子バリア層(15)が、前記粒子層(12)の内部の環状の中間層として、SiO粉末から形成されており、同粉末が、前記粒子層(12)の残りのSiO粒子よりも高いかさ密度を有していることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 前記粒子層(12)の前記下方の領域(9)内に存在するガスがヘリウムに交換されることにより、前記粒子層(12)の前記上方の領域(10)内にガスで満たされた気泡が発生され、その場合に前記ガス交換は、前記粒子層(12)の前記上方の領域(10)内では阻止されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 前記粒子層(12)の前記底領域(8)へヘリウムが供給され、前記ヘリウムが、前記粒子層(12)の前記下方の領域(9)内に印加されている負圧により、特に前記粒子層(12)の前記上方の領域(10)へ達する前に、前記溶融型(31)の壁を介して吸い出されることによって、前記粒子層(12)の前記下方の領域(9)内のガス交換と、前記粒子層(12)の前記上方の領域(10)内のガス交換の阻止がもたらされることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 被膜層(14)が形成され、前記被膜層が前記粒子層(12)の前記上方の領域(10)内で50μmから800μmの範囲の厚みを有していることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記粒子層(12)の、前記底領域(8)から少なくとも0.2×H、好ましくは少なくとも0.4×Hの高さまで延びる下方の領域(9)内に、負圧が印加されることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記側壁領域(9;10)に、0.5×Hから0.95×Hまでの間の高さの仮想の開始帯域(A)が対応づけられ、かつ
    前記気泡帯域(41)が、この開始帯域(A)の下方10cmより多くは達しない、
    ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
  13. ルツボ高さHと内側を備えたルツボ壁とを有し、前記ルツボ壁が石英ガラスからなる底(42)及び前記底(42)と結合された側壁(41;43)によって形成され、その場合に前記内側が密な石英ガラスからなる被膜層(14)によって、少なくとも部分的に覆われている、単結晶を引き上げるための石英ガラスルツボにおいて、
    前記被膜層(14)が、前記底(42)において、かつ前記側壁の、前記底(42)から最大で前記ルツボ高さHの0.8倍まで延びる下方の領域(43)内で、気泡の少ない石英ガラスに隣接し、かつ、前記側壁の、前記下方の領域(43)に完全なルツボ高さHまで連続する上方の領域内では、50μmから800μmの範囲の厚みをもって、気泡の豊富な、ガスで満たされた気泡帯域(41)を含む石英ガラスに隣接し、その場合に前記被膜層(14)が、前記側壁の前記上方の領域内で、50μmから800μmの範囲の厚みを有していることを特徴とする単結晶を引き上げるための石英ガラスルツボ。
  14. 前記側壁(41;43)に、0.5×Hから0.95×Hの間の高さの仮想の開始帯域(A)が対応づけられており、かつ
    前記気泡帯域(41)が、この開始帯域(A)の下方10cmより多くは達しないことを特徴とする請求項13に記載の石英ガラスルツボ。
  15. 前記気泡帯域(41)が、上方のルツボ端縁まで0.4×Hの領域内に達する高さに延びていることを特徴とする請求項13又は14に記載の石英ガラスルツボ。
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