JP2012017244A - 石英ガラスルツボの製造方法 - Google Patents

石英ガラスルツボの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】石英ガラスルツボ表面のSiOの蒸発(ベーパライズ)を抑制することによって、Al、Ca等の不純物の濃縮を抑制することができる石英ガラスルツボの製造方法を提供する。
【解決手段】石英ガラス原料粉末を堆積させ、ルツボ形状体を形成する工程と、アーク放電を開始する工程と、アーク放電がなされ、ルツボ形状体の内側の石英ガラス原料粉末が溶融し、透明石英ガラス層が形成される透明石英ガラス層形成工程と、前記透明石英ガラス層形成工程後、ルツボ形状体の外側に気泡を有する不透明石英ガラス層が形成される不透明石英ガラス層形成工程と、前記不透明石英ガラス層形成工程中、窒素ガスまたはヘリウムガスをルツボ形状体内側の所定の部位に吹付け、前記部位の高温化を抑制するガス吹付け工程と、ルツボ形状体の外側に不透明石英ガラス層が形成された後、前記アーク放電及び該ガスの吹付けを停止する工程とを含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、石英ガラスルツボの製造方法に関し、該ルツボの製造時の原料粉末溶融中に生じるベーパライズによるアルミ及び金属系元素の濃縮を抑制する石英ガラスルツボの製造方法に関する。
半導体ディバイスの基板として用いられるシリコン単結晶は、主にチョクラルスキー(CZ法)により製造されている。この方法は、ルツボ内に多結晶シリコン原料を装填し、ルツボを周囲から加熱することによって多結晶シリコン原料を溶融させて、吊り下げられた種結晶をシリコン融液に浸して除々に引き上げることによって、シリコン単結晶インゴットを成長させるものである。
従来、前記したCZ法を実施するルツボとしては、図3に示すように内面側に透明石英ガラス層2を有し、この透明石英ガラス層2の外周に不透明石英ガラス層3を有する2層の石英ガラスルツボ1が多く用いられている。
この石英ガラスルツボ1の透明石英ガラス層2は、シリコン融液への浸食を極力低減し、さらに融液面の安定性を確保するなどのために、ルツボの内周側に配置された、気泡を実質的に皆無にした石英ガラス層である。また、前記不透明石英ガラス層3は、シリコン融液への均熱伝達を行うために、ルツボの外周側に配置された、多数の閉気孔を均一に分散させた石英ガラス層である。
この石英ガラスルツボの製造方法について、図4に基づいて説明する。図4に示す石英ガラスルツボ製造装置10のルツボ成形用型11は、例えば複数の貫通孔を穿設した金型、もしくは高純化処理した多孔質カーボン型などのガス透過性部材で構成されている内側部材12と、その外周に通気部13を設けて、前記内側部材12を保持する保持体14とから構成されている。
また、保持体14の下部には、図示しない回転手段と連結されている回転軸15が固着され、ルツボ成形用型11とともに回転可能に支持されている。また前記通気部13は、保持体14の下部に設けられた開口部16を介して、回転軸15の中央に設けられた排気口17と連結されている。この通気路13は、減圧機構18と連結されている。更に、内側部材12に対向する上部には、一対のアーク放電用のカーボン電極19が設けられている。
そして、上記製造装置10を用いて、石英ガラスルツボ1の製造を行うには、まず図示しない回転駆動源を稼働して回転軸15を矢印の方向に、ルツボ成形用型11を高速で回転させつつ、ルツボ成形用型11内の上部から石英ガラス原料粉末を供給する。
回転されたルツボ成形用型11内に石英ガラス原料粉末を装填する際には、初めに例えば粗粒の天然石英ガラス原料粉末を装填し、さらにその内表面に例えば微粒の合成シリカ原料粉末を装填する。
ルツボ成形用型11内に供給された天然石英ガラス原料粉末は、遠心力によってルツボ成形用型11の内側部材12に押圧され、一つの層が形成される。
この天然石英ガラス原料粉末に続いて合成シリカ原料粉末がルツボ成形用型11内に供給され、合成シリカ原料粉末は、遠心力によって天然石英ガラス原料粉末の層に押圧され、一つの層が形成され、全体としてルツボ形状の2層の石英充填層20が形成される。
その後、大気雰囲気で、減圧機構18の作動による減圧とほぼ同時にカーボン電極19に通電して石英充填層20の内側から加熱し、石英充填層20を内側から順次溶融する。
その後、冷却することにより、内面側には極小の気泡だけの実質的に無気泡化状態の透明石英ガラス層2が形成され、外表側には多数の気泡が存在する不透明石英ガラス層3が形成された、2重層構造の石英ガラスルツボ1が製造される。
ところで、このような石英ガラスルツボの製造方法において、透明石英ガラス層の無気泡化、あるいは不透明石英ガラス層の気泡について、いくつかの提案がなされている。
例えば、特許文献1(特開平7−330358号公報)では、透明石英ガラス層の気泡の発生・成長を抑制するために、アーク停止後の内表面を水素ガス含有雰囲気で冷却することが提案されている。
また、特許文献2(特開2001−233629号公報)では、石英粉の堆積層にHeガスを供給して堆積層のボイド中のガスをHeガスで置換し、この置換によって不透明石英ガラス層の気泡を膨張しにくくし、熱伝導性の低下を防止することが提案されている。
特開平7−330358号公報 特開2001−233629号公報
今日、シリコンウエハの大型化に伴い石英ガラスルツボも大型化の傾向にあり、石英ガラスルツボの石英ガラス原料粉末を溶融する際、より高温下で行われるようになっている。
このような大型化した石英ガラスルツボにあっては、石英ガラス原料粉末がより高温下で溶融されるため、特許文献1,2に示された透明石英ガラス層の無気泡化、あるいは不透明石英ガラス層の気泡に関する課題のみならず、ルツボ内表面にAl、Ca等の不純物濃度の高い箇所が存在するという新たな技術的課題を招来するものであった。
しかも、この石英ガラスルツボを用いてリコン単結晶の引上げを行うと、アルミ及び金属系元素がシリコン融液中に溶け込みシリコン単結晶のMCL(Metal contamination level)異常を引き起こすという技術的課題があった。
本発明者らは、ルツボ内表面にAl、Ca等の不純物濃度の高い箇所が存在する問題について鋭意検討した。その結果、ルツボ内表面にAl、Ca等の不純物濃度の高い箇所が存在するのは、加熱処理がかなり高い雰囲気温度となり、石英ガラスルツボ表面のSiOが蒸発(ベーパライズ)することによって、SiOより蒸気圧の低いAl、Ca等の不純物が濃縮された状態で残存することを知見し、本発明を想到した。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、石英ガラス原料粉末を溶融する際、石英ガラスルツボ表面のSiOの蒸発(ベーパライズ)を抑制することによって、Al、Ca等の不純物の濃縮を抑制することができる石英ガラスルツボの製造方法を提供することを目的とするものである。
上述した目的を達成するため、本発明にかかる石英ガラスルツボの製造方法は、回転するルツボ成形用型内でアーク放電によって石英ガラス原料粉末を溶融し、ルツボを成型する石英ガラスルツボの製造方法において、前記ルツボ成形用型の内面に沿って石英ガラス原料粉末を堆積させ、ルツボ形状体を形成する工程と、アーク放電を開始する工程と、アーク放電がなされ、ルツボ形状体の内側の石英ガラス原料粉末が溶融し、透明石英ガラス層が形成される透明石英ガラス層形成工程と、前記透明石英ガラス層形成工程後、ルツボ形状体の外側に気泡を有する不透明石英ガラス層が形成される不透明石英ガラス層形成工程と、前記不透明石英ガラス層形成工程中、窒素ガスまたはヘリウムガスをルツボ形状体内側の所定の部位に吹付け、前記部位の高温化を抑制するガス吹付け工程と、ルツボ形状体の外側に不透明石英ガラス層が形成された後、前記アーク放電及び該ガスの吹付けを停止する工程と、を含むことを特徴としている。
このように、ルツボ形状体の外側に気泡を有する不透明層を形成する工程において、窒素ガスまたはヘリウムガスをルツボの所定の部位に該ガスを吹付け、前記部位の高温化を抑制する。その結果、ルツボ表面のSiOの蒸発(ベーパライズ)を抑制することができ、Al、Ca等の不純物の濃縮が抑制された石英ガラスルツボを得ることができる。
このAl、Ca等の不純物の濃縮が抑制された石英ガラスルツボでは、アルミ及び金属系元素がシリコン融液中に溶け込みが抑制され、シリコン単結晶のMCL異常を防止することができる。
ここで、前記ルツボ形状体を形成する工程後、ルツボ形状体の外側から減圧機構による減圧を開始する工程と、前記減圧開始後、アーク放電を開始する工程と、前記アーク開始後、不透明石英ガラス層形成工程開始前に、外側に気泡を有する不透明石英ガラス層を形成するために、減圧機構を調整もしくは停止して減圧を調整もしくは停止させる工程とを備え、前記ガス吹き付け工程は、前記減圧を調整もしくは停止させる工程の開始と同時あるいはその後になされ、かつ前記減圧を調整もしくは停止させる工程と同時に終了することが好ましい。
このように、ルツボ形状体の外側から減圧機構による減圧がなされるため、気泡が抑制された透明石英ガラス層を形成することができ、不透明石英ガラス層を形成する際には、減圧を調整もしくは停止させるため、気泡を有する不透明石英ガラス層を形成することができる。
しかも、前記ガス吹き付け工程は、前記減圧を調整もしくは停止させる工程の開始と同時あるいはその後になされ、かつ前記減圧を調整もしくは停止させる工程と同時に終了するようになされ、不透明石英ガラス層の形成と対応している。
即ち、不透明石英ガラス層の形成工程中には、ルツボ形状体の内表面はより高温になされ、ルツボ表面のSiOの蒸発(ベーパライズ)が発生し易いが、ガス吹き付け工程がなされるため、ベーパライズが抑制され、Al、Ca等の不純物の濃縮が抑制される。
また、前記窒素ガスまたはヘリウムガスの流速が5〜30m/秒であることが望ましい。前記流速が5m/秒未満である場合には、窒素ガスまたはヘリウムガスをルツボ形状体内側の所定の部位に吹付け、前記部位の高温化を抑制することができない。また、前記流速が30m/秒を超える場合には、窒素ガスまたはヘリウムガスをルツボ形状体内側の全体を冷却し過ぎるため、好ましくない。
本発明によれば、石英ガラス原料粉末を溶融する際、石英ガラスルツボ表面のSiOの蒸発(ベーパライズ)を抑制することによって、Al、Ca等の不純物の濃縮を抑制することができる石英ガラスルツボの製造方法を得ることができる。
本発明にかかる石英ガラスルツボの製造方法に用いられる石英ガラスルツボの製造装置を示す概略構成図である。 本発明にかかる石英ガラスルツボの製造方法のタイムチャート図である。 石英ガラスルツボの構成を示す概念図である。 従来の石英ガラスルツボの製造装置を示す概略構成図である。
以下、本発明に係わる石英ガラスルツボの製造方法について図1乃至図3に基づいて説明する。図4に示した部材と同一相当する部材は、同一符号を付する。
本発明に係わる石英ガラスルツボ1は、例えば、図1に示すような石英ガラスルツボ製造装置10を用いて行われる。石英ガラスルツボ製造装置10のルツボ成形用型11は、例えば複数の貫通孔を穿設した金型、もしくは高純化処理した多孔質カーボン型などのガス透過性部材で構成されている内側部材12と、その外周に通気部13を設けて、内側部材12を保持する保持体14とから構成されている。
また、保持体14の下部には、図示しない回転手段と連結されている回転軸15が固着されていて、ルツボ成形用型11を回転可能なようにして支持している。通気部13は、保持体15の下部に設けられた開口部17を介して、回転軸15の中央に設けられた排気口16と連結されており、この通気部13は、減圧機構18と連結されている。
前記内側部材12に対向する上部にはアーク放電用のアーク電極19と、原料供給ノズル21と、窒素ガスあるいはヘリウムガスを噴射し、ルツボの所定部位に前記ガスを吹付けるノズル22とが設けられている。
この石英ガラスルツボ製造装置10を用いてルツボの製造を行うには、回転駆動源(図示せず)を稼働させて回転軸15を矢印の方向に回転させることによってルツボ成形用型11を所定の速度で回転させる。そして、ルツボ成形用型11内に、ルツボ成形用型11内の上部の原料供給ノズル21から石英ガラス原料粉末を供給する。この原料供給ノズル21は、回転されたルツボ成形用型11内に石英ガラス原料粉末を装填する際には、初めに例えば粗粒の天然石英ガラス原料粉末を装填し、その後、その内表面に例えば微粒の合成シリカ原料粉末を装填するように構成されている。尚、原料供給ノズルを二つ設けて、夫々別々に原料粉末を供給しても良い。
このルツボ成形用型11内に供給された天然石英ガラス原料粉末は、遠心力によってルツボ成形用型11の内側部材12に押圧され、一つの層(天然石英ガラス層20b)が形成される。そして、この天然石英ガラス原料粉末に続いて合成シリカ原料粉末がルツボ成形用型11内に供給され、合成シリカ原料粉末は、遠心力によって天然石英ガラス原料粉末の層に押圧され、一つの層(合成シリカ層20a)が形成され、全体としてルツボ形状の2層の石英充填層20(ルツボ形状体)が形成される。
その後、大気雰囲気で、減圧機構18の作動による減圧を行い、所定時間経過後にカーボン電極19に通電して石英充填層20(ルツボ形状体)の内側から加熱し、石英充填層20を内側から順次溶融する。
次に、ルツボ形状体の溶融工程について、図2に示すような製造工程図に基づいて詳しく説明する。
まず、減圧機構18の作動により内側部材12内を減圧し、所定時間経過後、アーク電極10に通電、継続し、ルツボ形状体の内側から加熱し、ルツボ形状体の内表面に溶融層を形成する。このように減圧溶融を行うことにより、透明石英ガラス層中に残存する気泡を低減することができる。
そして、合成シリカ層20aが溶融し、合成シリカ層20aに内在する気泡が抜け、透明石英ガラス層が形成された後、窒素ガスあるいはヘリウムガスを高温に成り易い部位、例えばルツボの底部等に噴射し、高温化を抑制する。
尚、合成シリカ層20aに内在する気泡が抜け、透明石英ガラス層が形成される前に、窒素ガスあるいはヘリウムガスの吹付けがなされと、前記ガスによって合成シリカ層20aの表面に気泡が残存するため好ましくない。
前記減圧機構18による、減圧度合の調整によって、不透明石英ガラス層中の気泡量および気泡径を制御される。即ち、合成シリカ層20aに内在する気泡が抜け、透明石英ガラス層が形成された後、ルツボ形状体の外側に気泡を多数含む不透明石英ガラス層を適切に形成するため、減圧を調整もしくは停止する。
また、不透明石英ガラス層を形成する際、アーク電極10への通電量を増大させる。このアーク電極10への通電量を増大によって、合成シリカ層20aは高温化する。
しかしながら、高温に成り易い部位、例えばルツボ形状体の底部に窒素ガスあるいはヘリウムガスを噴射し、該部位における合成シリカ層20aの高温化を抑止し、ベーパライズによるアルミ及び金属系元素の濃縮を抑制する。
この窒素ガスあるいはヘリウムガスの流速は5〜30m/秒であることが好ましい。前記ガスの流速は5m/秒未満である場合には、ルツボの底部等の高温に成り易い部位を適切に冷却することができず、前記ガスの流速は30m/秒を超える場合には、ルツボの内表面の温度を過度に冷却し、不透明石英ガラス層を適切に形成することができないため、好ましくない。
また、吹付けるガスを窒素ガスあるいはヘリウムガスとしたのは、両者とも不燃性ガスであり、石英ガラスルツボの特性への影響がないためである。
そして、天然石英ガラス層20bが溶融し、不透明石英ガラス層が形成された後、アークを停止すると共に、窒素ガスあるいはヘリウムガスの吹き付を終了する。
このように、石英ガラスルツボの大型化により石英ガラスルツボの溶融がより高温化で行われても、所定の部位の溶融中の温度を下げることができ、石英ガラスのベーパライズ化によるアルミ及び金属系元素の濃縮を抑制することができる。
本発明は、上述したように製造工程において、ルツボ内表面の高温化を抑制し、ベーパライズによるアルミ及び金属系元素の濃縮を抑制するために、窒素ガス、ヘリウムガスの吹付けを行うものであるが、これと並行して、透明石英ガラス層の気泡量の低減を図るために、減圧後から透明石英ガラス層が形成される後まで、水素ガスを供給しても良い。
(実施例1)
図1に示した上記製造装置10を用いて、ルツボ成形用型11を高速で回転させつつ、ルツボ成形用型11内の上部から、初めに粗粒の天然石英ガラス原料粉末を装填し、さらにその内表面に微粒の合成シリカ原料粉末を装填し、ルツボ形状の2層の石英充填層20を形成した。その後、大気雰囲気で、減圧機構18の作動による減圧とほぼ同時にカーボン電極19に通電して石英充填層20の内側から加熱、溶融した。
合成シリカ層20aが溶融し、合成シリカ層20aに内在する気泡が抜け、透明石英ガラス層が形成された後、窒素ガスをルツボの底部の高温に成り易い部位に噴射し、減圧機構18を調整した。
そして、天然石英ガラス層20bが溶融し、不透明石英ガラス層が形成された後、アークを停止すると共に、窒素ガスの吹付けを終了した。窒素ガスの流速は15m/秒とした。
その後冷却し、内面側に透明石英ガラス層2、外表側に不透明石英ガラス層3が形成された、2重層構造の石英ガラスルツボを製造した。
この石英ガラスルツボのルツボの底部における透明石英ガラス層の純度を測定した。この分析は、例えば、原子吸光分光光度計、誘導結合プラズマ質量分析装置などを用いて、金属不純物が分析される。
分析対象の石英ガラスルツボのルツボの底部内表面に室温のフッ化水素酸を滴下し、数分間放置して目的の深さまで溶解後、フッ化水素酸溶液を回収する。回収したフッ化水素酸溶液を加熱・濃縮した後、定容して測定溶液を調製した。この測定溶液を用い、分析目的の不純物元素に応じて原子吸光分光光度計、誘導結合プラズマ質量分析装置などを用いて、Al、Ca、Tiの濃度を測定した。
その結果を表1に示す。尚、表1は、透明石英ガラス層の純度を、原料粉末の純度を1とした場合の比で表わしている。
(比較例1)
実施例1における窒素ガスをルツボの底部に噴射することを除いて、実施例1と同様にして、2重層構造の石英ガラスルツボを製造した。
そして、実施例1と同様に、この石英ガラスルツボにおけるルツボの底部の不純物分析を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2012017244
表1に示すように、比較例1にあっては、Alが原料粉末の10倍含まれ、Caが原料粉末の4倍含まれ、Tiが原料粉末の2倍含まれ、石英ガラスのベーパライズ化によるアルミ及び金属系元素の濃縮が認められた。
これに対して、実施例1は、Alが原料粉末の2.4倍含まれ、Caが原料粉末の1.5倍含まれ、Tiが原料粉末の1.2倍含まれているが、比較例1に比べて、石英ガラスのベーパライズ化によるアルミ及び金属系元素の濃縮の抑制効果が認められた。
そして、このAl、Ca等の不純物の濃縮が抑制された石英ガラスルツボを用いてシリコン単結晶引き上げを行った結果、シリコン単結晶のMCL異常は認められなかった。
(実施例2〜4,比較例2,3)
実施例1におけるガスを窒素ガスからヘリウムガスに変更するすると共に、ガスの流速を表2に示すように変え、実験を行った。これ以外の条件は実施例1と同条件で実験を行った。
その結果、実施例1の場合と同様な、石英ガラスのベーパライズ化によるアルミ及び金属系元素の濃縮の抑制効果が認められた。
Figure 2012017244
1 石英ガラスルツボ
2 透明石英ガラス層
3 不透明石英ガラス層
10 石英ガラスルツボ製造装置
11 ルツボ成形用型
12 内側部材
13 通気部
14 保持体
15 回転軸
16 開口部
17 排気口
18 減圧機構
19 カーボン電極
20 石英充填層(ルツボ形状体)
21 原料供給ノズル
22 ノズル(窒素ガスあるいはヘリウムガスの噴射ノズル)

Claims (3)

  1. 回転するルツボ成形用型内でアーク放電によって石英ガラス原料粉末を溶融し、ルツボを成型する石英ガラスルツボの製造方法において、
    前記ルツボ成形用型の内面に沿って石英ガラス原料粉末を堆積させ、ルツボ形状体を形成する工程と、
    アーク放電を開始する工程と、
    アーク放電がなされ、ルツボ形状体の内側の石英ガラス原料粉末が溶融し、透明石英ガラス層が形成される透明石英ガラス層形成工程と、
    前記透明石英ガラス層形成工程後、ルツボ形状体の外側に気泡を有する不透明石英ガラス層が形成される不透明石英ガラス層形成工程と、
    前記不透明石英ガラス層形成工程中、窒素ガスまたはヘリウムガスをルツボ形状体内側の所定の部位に吹付け、前記部位の高温化を抑制するガス吹付け工程と、
    ルツボ形状体の外側に不透明石英ガラス層が形成された後、前記アーク放電及び該ガスの吹付けを停止する工程と、
    を含むことを特徴とする石英ガラスルツボの製造方法。
  2. 前記ルツボ形状体を形成する工程後、ルツボ形状体の外側から減圧機構による減圧を開始する工程と、
    前記減圧開始後、アーク放電を開始する工程と、
    前記アーク開始後、不透明石英ガラス層形成工程開始前に、外側に気泡を有する不透明石英ガラス層を形成するために、減圧機構を調整もしくは停止して減圧を調整もしくは停止させる工程とを備え、
    前記ガス吹き付け工程は、前記減圧を調整もしくは停止させる工程の開始と同時あるいはその後になされ、かつ前記減圧を調整もしくは停止させる工程と同時に終了することを特徴とする請求項1記載の石英ガラスルツボの製造方法。
  3. 窒素ガスまたはヘリウムガスの流速が5〜30m/秒であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の石英ガラスルツボの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017149603A (ja) * 2016-02-24 2017-08-31 クアーズテック株式会社 石英ガラスルツボの製造方法

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