JP2013526475A - ボラザンの生成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(a)100ppm未満(好ましくは10ppm未満)の水を含むテトラヒドロフランからなる溶媒にボラザンが溶解した溶液を取得する工程であって、100ppm未満(好ましくは10ppm未満)の水を含むテトラヒドロフランにおいて少なくとも1のアンモニウム塩を少なくとも1のアルカリ及び/又はアルカリ土類金属のホウ化水素と反応させることによりボラザンを合成した後、前記テトラヒドロフランからなる溶媒又は当該溶媒に溶解したボラザンにおいて少なくとも1のアンモニウム塩を少なくとも1のアルカリ及び/又はアルカリ土類金属のホウ化水素と反応させることによりボラザンを合成する工程
(b)100ppm未満(好ましくは10ppm未満)の水を含むと共に塩素系溶媒、フッ素系溶媒、直鎖アルカン、分岐アルカン、環状アルカン、及びこれらの混合物から選択される非溶媒を、前記工程(a)で取得した溶液に追加することにより、ボラザンを沈殿させる工程
(c)前記工程(b)で沈殿されたボラザンを、好ましくは濾過により、回収する工程
(d)場合により、前記工程(c)で回収されたボラザンを乾燥させる工程
(上記のように沈殿、回収、さらに場合により乾燥されたボラザンは、最初の溶液中に存在するボラザンよりも、含有される不純物が少ない。)
(e)前記工程(c)で回収され(且つ好ましくは前記工程(d)で乾燥され)たボラザンを、前記ボラザンの熱分解温度よりも低い温度で、100ppm未満(好ましくは10ppm未満)の水を含むと共に60g/mol以上の分子量を有するアルコール族からなる溶媒に、加熱溶解する工程
(f)前記アルコール族からなる溶媒に不溶の不純物を、好ましくは濾過により、加熱除去する工程
(g)前記アルコール族からなる溶媒に溶解したボラザンを冷却により沈殿させる工程
(h)前記工程(g)で沈殿されたボラザンを、好ましくは濾過により、回収する工程
(i)場合により、前記工程(h)で回収されたボラザンを乾燥させる工程
(a1)100ppm未満(好ましくは10ppm未満)の水を含むテトラヒドロフランにおいて少なくとも1のアンモニウム塩を少なくとも1のアルカリ及び/又はアルカリ土類金属のホウ化水素と反応させることによりボラザンを合成する工程
(a2)好ましくは濾過により、前記工程(a1)に係る反応の反応媒体から固形物を除去する工程
(a3)前記工程(a2)で固形物が除去された反応媒体を、好ましくは前記テトラヒドロフランからなる溶媒の一部を蒸発させることにより、濃縮する工程
a)合成、及び、反応媒体からの固形物の除去
炭酸アンモニウム288g及び乾燥(0.0005%の水を含む)テトラヒドロフラン4Lを、攪拌装置及び凝縮装置に設けられた4Lの反応器に投入し、アルゴンのブランケット下に置いた。そして、当該混合物に、予め140℃のオーブン内で2時間調整した水素化ホウ素ナトリウム112gを投入し、当該反応媒体を、40℃で攪拌しつつ12時間放置した。その後、反応媒体を濾過し、残留反応物及び形成された炭酸ナトリウムを除去した。
b)溶媒の蒸発
上記のようにして取得された溶液(テトラヒドロフランからなる溶媒にボラザンが溶解した溶液)を、再び反応器に投入した。そして、THFの溶媒を蒸発させ、ボラザン(生成物B)を回収した。
a)合成、及び、反応媒体からの固形物の除去
上述した実施例Iのa)と同様
b)エチルエーテルを用いた抽出
THFの蒸発後に回収された天然の固体のボラザンをソックスレー抽出器に投入し、特許文献1の教示にしたがったエチルエーテルの還流により、35℃で12時間、抽出を行った。
c)溶媒の蒸発
上記抽出の後、エチルエーテルを蒸発させ、ボラザンを回収した。さらに、回収したボラザンを乾燥させ、アルゴン雰囲気下で保存した。
a)合成、及び、反応媒体からの固形物の除去
上述した実施例Iのa)と同様
b)本発明に係る純化工程
テトラヒドロフランからなる溶媒にボラザンが溶解した溶液を、再び反応器に投入した。そして、容器底部に400ml(合成開始時に投入されたTHF全体の10%)が残るまで、当該溶液の一部を蒸発させた。その後、乾燥(0.005%の水を含む)ジクロロメタン2.5Lを強制攪拌しつつ反応器に投入し、ボラザンを沈殿させた。そして、当該ボラザンを、濾過した後、20℃・真空下のオーブン内で12時間乾燥させた。これにより、ボラザンの粉末70gを回収した。つまり、当該方法による収率は70%を超えている。
a)合成、及び、反応媒体からの固形物の除去
上述した実施例Iのa)と同様
b)本発明に係る第1の純化工程
上述した実施例1のb)と同様
c)本発明に係る第2の純化工程
回収されたボラザンの粉末70gを、76℃まで温度上昇させた乾燥(0.0005%の水を含む)イソプロパノール0.7Lに溶解した。その後、当該溶液を濾過して不溶物質を加熱除去し、−10℃までゆっくりと冷却して当該溶液に含まれるボラザンを沈殿させた。そして、当該溶液を濾過し、高純度のボラザンの粉末を含む沈殿物を回収した。さらに、当該粉末を35℃・真空下のオーブン内で24時間乾燥させた。これにより、粉末60gを回収した。つまり、当該方法(2つの純化工程を含む方法)による収率は65%を超えている。
a)合成、及び、反応媒体からの固形物の除去
上述した実施例Iのa)と同様
b)本発明に係る第1の純化工程
上述した実施例1のb)と同様
c)第2の純化工程
上述した実施例2のc)と同様(ただし、乾燥イソプロパノールの代わりに、乾燥(50ppmの水を含む)MTBEを用いた。)
Claims (11)
- 下記の連続した工程を備えたことを特徴とする、ボラザンの生成方法。
(a)100ppm未満(好ましくは10ppm未満)の水を含むテトラヒドロフランからなる溶媒にボラザンが溶解した溶液を取得する工程であって、100ppm未満(好ましくは10ppm未満)の水を含むテトラヒドロフランにおいて少なくとも1のアンモニウム塩を少なくとも1のアルカリ及び/又はアルカリ土類金属のホウ化水素と反応させることによりボラザンを合成した後、前記テトラヒドロフランからなる溶媒又は当該溶媒に溶解したボラザンにおいて少なくとも1のアンモニウム塩を少なくとも1のアルカリ及び/又はアルカリ土類金属のホウ化水素と反応させることによりボラザンを合成する工程
(b)100ppm未満(好ましくは10ppm未満)の水を含むと共に塩素系溶媒、フッ素系溶媒、直鎖アルカン、分岐アルカン、環状アルカン、及びこれらの混合物から選択される非溶媒を、前記工程(a)で取得した溶液に追加することにより、ボラザンを沈殿させる工程
(c)前記工程(b)で沈殿されたボラザンを、好ましくは濾過により、回収する工程
(d)場合により、前記工程(c)で回収されたボラザンを乾燥させる工程 - 下記の工程をさらに備えたことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
(e)前記工程(c)で回収され(且つ好ましくは前記工程(d)で乾燥され)たボラザンを、前記ボラザンの熱分解温度よりも低い温度で、100ppm未満(好ましくは10ppm未満)の水を含むと共に60g/mol以上の分子量を有するアルコール族からなる溶媒に、加熱溶解する工程
(f)前記アルコール族からなる溶媒に不溶の不純物を、好ましくは濾過により、加熱除去する工程
(g)前記アルコール族からなる溶媒に溶解したボラザンを冷却により沈殿させる工程
(h)前記工程(g)で沈殿されたボラザンを、好ましくは濾過により、回収する工程
(i)場合により、前記工程(h)で回収されたボラザンを乾燥させる工程 - 前記工程(a)が下記の工程を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
(a1)100ppm未満(好ましくは10ppm未満)の水を含むテトラヒドロフランにおいて少なくとも1のアンモニウム塩を少なくとも1のアルカリ及び/又はアルカリ土類金属のホウ化水素と反応させることによりボラザンを合成する工程
(a2)好ましくは濾過により、前記工程(a1)に係る反応の反応媒体から固形物を除去する工程 - 前記工程(a)がさらに下記の工程を含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
(a3)前記工程(a2)で固形物が除去された反応媒体を、好ましくは前記テトラヒドロフランからなる溶媒の一部を蒸発させることにより、濃縮する工程 - 前記非溶媒がジクロロメタンからなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 本質的に前記工程(a)〜(c)(及び場合により(d))からなることを特徴とする、請求項1,3〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 本質的に前記工程(a)〜(c)(及び場合により(d))と下記の工程とからなることを特徴とする、請求項2〜5のいずれか一項に記載の方法。
(e)前記工程(c)で回収され(且つ好ましくは前記工程(d)で乾燥され)たボラザンを、前記ボラザンの熱分解温度よりも低い温度で、100ppm未満(好ましくは10ppm未満)の水を含むと共に60g/mol以上の分子量を有するアルコール族からなる溶媒に、加熱溶解する工程
(f)前記アルコール族からなる溶媒に不溶の不純物を、好ましくは濾過により、加熱除去する工程
(g)前記アルコール族からなる溶媒に溶解したボラザンを冷却により沈殿させる工程
(h)前記工程(g)で沈殿されたボラザンを、好ましくは濾過により、回収する工程
(i)場合により、前記工程(h)で回収されたボラザンを乾燥させる工程 - 前記アルコール族からなる溶媒が、ブタノール、t−ブタノール、及びイソプロパノールから選択され、好ましくはイソプロパノールからなることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
- 前記工程(e)を70〜80℃の温度で行うことを特徴とする、請求項7又は8に記載の方法。
- 前記少なくとも1のアンモニウム塩が、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、及びこれらの混合物から選択され、
且つ/或いは(好ましくは且つ)、
前記少なくとも1のアルカリ及び/又はアルカリ土類金属のホウ化水素が、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。 - 前記少なくとも1のアンモニウム塩が、炭酸アンモニウムからなり、
且つ、
前記少なくとも1のアルカリ及び/又はアルカリ土類金属のホウ化水素が、水素化ホウ素ナトリウムからなることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
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