JP2012240885A - 水素貯蔵材料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】分解させることなくホウ化水素マグネシウムを得る方法を提供する。
【解決手段】BH4の塩とMgの塩を混合し、この混合物を溶媒に溶解させ、溶液中でBH4の塩とMgの塩を反応させ、形成した沈殿を除去し、ろ液から溶媒を除去し、得られた残渣を80℃以下、400MPa以上において加圧成形することを含む、水素貯蔵材料の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】BH4の塩とMgの塩を混合し、この混合物を溶媒に溶解させ、溶液中でBH4の塩とMgの塩を反応させ、形成した沈殿を除去し、ろ液から溶媒を除去し、得られた残渣を80℃以下、400MPa以上において加圧成形することを含む、水素貯蔵材料の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、可逆的な水素の貯蔵・放出が可能な水素貯蔵材料の製造方法に関する。
近年、大気汚染、地球温暖化等の環境問題と長期安定供給のエネルギー問題の観点から、化石燃料に代わるエネルギー源として水素が注目されている。水素を燃料とする燃料電池は排出物が水のみであり、大気を汚染しないという利点がある。しかしながら、水素をエネルギー源として用いる場合の最大の問題点はその貯蔵・運搬にある。すなわち、水素を気体として貯蔵・運搬するには高圧ガスボンベが用いられ、このような高圧貯蔵は単純ではあるが、肉厚の容器が必要であり、そのため容器の重量が重くなり貯蔵・輸送効率が低く、特に車載等への実用化には困難である。また、水素を液体として貯蔵・輸送する場合、気体水素に比べて貯蔵・輸送効率は向上するが、液体水素製造には高純度の水素が必要であり、ガスの液化に多量の熱を除去しなければならず、液化温度が−252℃と低温であるため、超低温用の特殊な容器が必要であるという問題がある。
そこで近年、可逆的に水素を貯蔵・放出することができる水素貯蔵材料を使用して高圧タンク等に水素を貯蔵する方法が検討されている。このような水素貯蔵材料としては、LiNH2、LiBH4等のリチウムを含む水素貯蔵材料、NaAlH4等のナトリウムを含む水素貯蔵材料、Mg(NH2)2等のマグネシウムを含む水素貯蔵材料などが知られている。
また、非特許文献1には、ホウ化水素マグネシウム(Mg(BH4)2)が高い水素貯蔵能を有することが記載されている。
Materials Transaction, Vol.49, No.10 (2008), p.2224-2228
従来、ホウ化水素マグネシウムは、MgCl2とNaBH2をジエチルエーテル中において反応させることにより合成されていたが、この合成過程において、溶媒として用いたエーテルが合成されたホウ化水素マグネシウムの周囲に結合した化合物が形成されてしまう。この結合したエーテルを除去してホウ化水素マグネシウムを単相化するため、170℃以上の高温で処理することにより、結合しているエーテルを脱離させていた。しかしながら、このような高温での処理を行うと、合成されたホウ化水素マグネシウムが一部分解してしまうという問題があった。
上記問題点を解決するために本発明によれば、BH4の塩とMgの塩を混合し、この混合物を溶媒に溶解させ、溶液中でBH4の塩とMgの塩を反応させ、形成した沈殿を除去し、溶液から溶媒を除去し、得られた残渣を80℃以下、400MPa以上において加圧成形することを含む、水素貯蔵材料の製造方法が提供される。
本発明の水素貯蔵材料の製造方法においては、まずBH4の塩とMgの塩を混合する。BH4の塩としては、Na、Li、K等の塩を用いることができる。Mgの塩としては、MgCl2、MgBr2、MgI2等を用いることができる。BH4の塩とMgの塩の混合比は特に制限はないが、効率性の観点から、BH4:Mgのモル比が2:1となるようにすることが好ましい。
次いで、このBH4の塩とMgの塩の混合物を溶媒に溶解させ、溶液中でBH4の塩とMgの塩を反応させる。溶媒としては、ジエチルエーテル、トルエン、THF等を用いることができる。また、効率性の観点からは上記の塩の溶解度の高いものを用いることが好ましい。この反応温度は特に限定されないが、使用する溶媒の沸点以上とすることが好ましい。
この反応によって、沈殿が生成し、例えばBH4の塩として水素化ホウ素ナトリウムを、Mgの塩として塩化マグネシウムを用いた場合、NaClが生成するため、ろ過等によってこの沈殿を除去する。沈殿を除去後の溶液中にホウ化水素マグネシウムが存在しており、溶媒を蒸発させることによりホウ化水素マグネシウムを得ることができる。
しかしながら、得られたホウ化水素マグネシウムは、その周囲に溶媒分子が結合した化合物であるため、そのままでは十分な水素貯蔵放出能を発揮することができない。またこの溶媒分子はいわば不純物であり、放出される水素中に不純物ガスとして含まれるため好ましくない。従来は170℃以上の高温で熱処理することにより溶媒化合物を脱離させてホウ化水素マグネシウムの単相化を行っていたが、このような高温ではホウ化水素マグネシウムが分解してしまう。
本発明においては、80℃以下の温度において、かつ圧力を400MPa以上として処理することによって、ホウ化水素マグネシウムの分解を引き起こすことなく、ホウ化水素マグネシウムの単相化を可能としている。この処理温度は効率等の観点から、0〜40℃とすることがより好ましく、また圧力は400〜600MPaとすることがより好ましい。
図1に示すフローチャートに従ってホウ化水素マグネシウムを合成した。
水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4、アルドリッチ製、純度99.9%)と塩化マグネシウム(MgCl2、アルドリッチ製、純度99.9%)を2:1のモル比でボールミル装置にて混合を行った(回転数400rpm、ステンレス製ボール及び容器、ボール径10mm、ボール重量/サンプル重量が40)。
水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4、アルドリッチ製、純度99.9%)と塩化マグネシウム(MgCl2、アルドリッチ製、純度99.9%)を2:1のモル比でボールミル装置にて混合を行った(回転数400rpm、ステンレス製ボール及び容器、ボール径10mm、ボール重量/サンプル重量が40)。
得られた混合粉末1gをフラスコに投入し、次いでジエチルエーテルを100mL投入した。この混合物をエバポレータ内で8時間撹拌を行い、下式で示される反応を行った。
2NaBH4+MgCl2→Mg(BH4)2+2NaCl
2NaBH4+MgCl2→Mg(BH4)2+2NaCl
撹拌後の溶液と沈殿物を0.2μmメッシュのろ紙に通過させて、沈殿物であるNaClを除去し、ろ液のみをフラスコに回収した。次いでろ液中のジエチルエーテルを50℃で真空(15hPa)保持させて、純粋なジエチルエーテルを揮発させた。また、ここで析出したMg(BH4)2ジエチルエーテル化合物を比較例1とする。
比較例1のMg(BH4)2ジエチルエーテル化合物を80℃で真空雰囲気にて脱気処理を行ったものを比較例2とし、50MPa、150MPa、250MPa、350MPa、400MPa及び600Mpaの圧力において加圧成形させたものをそれぞれ比較例3、比較例4、比較例5、比較例6、実施例1及び実施例2とした。
比較例1のMg(BH4)2ジエチルエーテル化合物を加熱し、温度と相対水素放出強度の関係を図2に示す。図2に示す結果より、Mg(BH4)2ジエチルエーテル化合物の状態から加熱して温度を上げていくと、80℃付近から水素が放出されることから、Mg(BH4)2が分解していることがわかる。この結果から、Mg(BH4)2ジエチルエーテル化合物からMg(BH4)2の分解を抑制しつつエーテルを除去するには、80℃以下において処理することが必要であることがわかった。
Mg(BH4)2ジエチルエーテル化合物を80℃真空雰囲気において脱気させた後(比較例2)のC−NMRプロファイルを図3に示す。図3に示す結果より、エチル基(−C2H5)のピークが確認できることから、エーテル化合物が残留していることがわかり、真空による脱気ではエーテルを除去することが困難であることがわかった。
図4に、比較例3、4、5、6及び実施例1、2のC−NMRプロファイルを示す。図4に示す結果より、成形時の圧力400MPaではエーテル結合が消滅しており、成形時の圧力50〜350MPaではエーテル結合が残留していた。以上の結果より、Mg(BH4)2ジエチルエーテル化合物からMg(BH4)2の分解を抑制しつつエーテルを除去するには、少なくとも400MPa以上の圧力で処理することが必要であることがわかった。
最後に、実施例の化合物が分解していないかについて調べた。Mg(BH4)2が分解したときに考えられる構成相は、B、MgB2、MgBnHm(n、mは任意の整数)であり、分解の有無を確認するために、B(ホウ素)の結合状態をNMRを用いて調べた。図5に、実施例1のB−NMRプロファイルを示す。図5に示す結果より、実施例1ではMg(BH4)2が単独で存在しており、分解はしていないことがわかった。
以上のように、本発明の方法によれば、Mg(BH4)2ジエチルエーテル化合物からMg(BH4)2の分解を抑制しつつエーテルを除去し、水素吸蔵能に優れたMg(BH4)2を単相化することができる。
Claims (2)
- BH4の塩とMgの塩を混合し、この混合物を溶媒に溶解させ、溶液中でBH4の塩とMgの塩を反応させ、形成した沈殿を除去し、ろ液から溶媒を除去し、得られた残渣を80℃以下、400MPa以上において加圧成形することを含む、水素貯蔵材料の製造方法。
- BH4の塩が水素化ホウ素ナトリウムであり、Mgの塩が塩化マグネシウムであり、溶媒がジエチルエーテルである、請求項1記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011112552A JP2012240885A (ja) | 2011-05-19 | 2011-05-19 | 水素貯蔵材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011112552A JP2012240885A (ja) | 2011-05-19 | 2011-05-19 | 水素貯蔵材料の製造方法 |
Publications (1)
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JP2011112552A Withdrawn JP2012240885A (ja) | 2011-05-19 | 2011-05-19 | 水素貯蔵材料の製造方法 |
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2011
- 2011-05-19 JP JP2011112552A patent/JP2012240885A/ja not_active Withdrawn
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