JP2013522264A - ポリスルフィドの解重合及びビスメルカプト−ジエーテルの調製のための方法 - Google Patents

ポリスルフィドの解重合及びビスメルカプト−ジエーテルの調製のための方法 Download PDF

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    • C08L81/04Polysulfides

Abstract

本発明は、塩基の存在下でポリスルフィドとモノチオールを反応させることによるビスメルカプトジエーテルの調製方法、及び塩基の存在下で前記ポリスルフィドとモノチオールを反応させることによるポリスルフィドの解重合方法に関する。これらの方法は、無機塩形成を伴わないビスメルカプトジエーテルの調製を可能にする。

Description

ポリスルフィドは、幾つかの硫黄原子と炭化水素の交互鎖を有するポリマーの一類である。その繰り返し単位の一般式は、−[R−S−であり、式中のxは硫黄原子を示し、nは繰り返し単位の数を示し、Rは有機ラジカルである。硬化されたポリスルフィドポリマーは、耐老化性及び耐候性であり、−40から+120℃まで高弾性であり、並びにそれらは実に優れた耐薬品性を、とりわけ油及び燃料に対して、示す。それらの特性のため、これらの材料は、舗装道路、断熱ガラスユニット及び航空機構造体における目地を充填するために利用されるシーラントにベースポリマーとして使用されている。
ポリスルフィドポリマーは、従来、有機ハロゲン化物とポリスルフィドアニオンのアルカリ金属塩との縮重合反応によって合成される:

この縮重合に用いられるジハロゲン化物は、ジクロロアルカン、例えば、1,2−ジクロロエタン、ビス−(2−クロロエチル)ホルマール(ClCHCHOCHOCHCHCl)、及び1,3−ジクロロプロパンである。得られた高分子は、通常、還元開裂によって必要鎖長に短縮される。開裂されたジスルフィド基は、反応性末端チオール基に転化される。
上記方法は、副生成物として塩を生じさせる。塩廃棄物は明らかに望ましくなく、その結果、無塩生産方法が探し求められている。
無塩方法は、米国特許出願公開第2007/0249860号明細書に提示されており、この特許文献は、モノマー状のヒドロキシアルキル末端ポリスルフィド、特にジチオグリコール、とホルムアルデヒドを酸の存在下で反応させることによる、ヒドロキシアルキル末端ポリスルフィドの調製のための方法を開示している:
しかし、結果として生ずるヒドロキシアルキル末端ポリスルフィドは、酸化的硬化法に基づく系では利用することができない。これは、これらの条件下ではるかに反応性が高いメルカプト末端ポリスルフィドとは対照的である。
上記ポリマーのヒドロキシ末端基をメルカプト末端基に高収率で変換させることによるメルカプト末端ポリスルフィドの調製は、可能であったとしても、面倒であると思われる。とりわけ、高い転化率を実現しなければいけないこと及び鎖の切断の危険性が高いことを考えるとなおさらである。さらに、前記変換は無機塩の形成を伴うことがあり、これらの塩を洗浄除去しなければならない。
メルカプト末端ポリスルフィドを調製するもう1つのやり方は、ビスメルカプトジエーテル、すなわち、HS−R−O−C(R)−O−R−SHを重合することによるものである。これは、例えば、米国特許第3,523,985号明細書から公知である。この重合反応は無塩であるが、出発ビスメルカプトジエーテルの調製は塩の形成を伴う。すなわち、従来の方法によると、ビスメルカプトジエーテルは、ヒドロキシハロゲン化物及びホルムアルデヒドから先ずジハロゲン化物エーテルを調製すること、その後、そのジハロゲン化物−ジエーテルをビスメルカプトジエーテルに変換することによって調製される。このように、この方法は、無機ハロゲン化物塩の形成をもたらす。
米国特許出願公開第2007/0249860号明細書 米国特許第3,523,985号明細書
従って、本発明の目的は、無機塩の形成をもたらさないビスメルカプトジエーテル調製方法を提供することである。
従って、本発明は、式(I)
HS−R−O−C(R)H−O−R−SH (I)
のビスメルカプトジエーテルの調製方法に関し、塩基の存在下で式R−SHのモノチオールと式(II)
−[S−R−O−C(R)H−O−R−S]− (II)
の繰り返し単位を有するポリスルフィドを反応させることによる。
上記式において、Rは、1から6個の炭素原子を有する直鎖、分岐若しくは環式アルキレン基、又はアリーレン基であり、Rは、水素、1から6個の炭素原子を有する直鎖、分岐若しくは環式アルキル基、又はアリール基であり;R及びRは、ヘテロ原子で場合により置換されていてもよい。Rは、ヘテロ原子で場合により置換されている、直鎖、分岐又は環式アルキル、アリール又はアルカリール基である。
本発明は、式(II)の繰り返し単位を有するポリスルフィドの解重合方法にも関し、この方法は、該ポリスルフィドと式R−SHのモノチオールとを塩基の存在下で反応させることによるものである。
は、1から6個の炭素原子を有する直鎖、分岐若しくは環式アルキレン基、又はアリーレン基であり、並びにヘテロ原子で置換されていてもよい。好適なR基の例は、−CHCH−、−CH(CH)−CH−、−CH−CH(CH)−、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−CHCHCHCHCH−、−CHCH−O−CHCH−、−CH(CH)−CH−O−CH−CH(CH3)−、−CH−CH(CH)−O−CH(CH)−CH−、シクロヘキシル及びフェニルである。最も好ましいR基は、−CHCH−である。
は、水素、1から6個の炭素原子を有する直鎖、分岐若しくは環式アルキル、又はアリール基であり、並びにヘテロ原子で置換されていてもよい。R基の好適な例は、−CH、−CH−CH、−CH−CH−CH−CH、フェニル及びシクロヘキシルである。最も好ましいR基は、水素である。
1つの実施形態において、前記ポリスルフィドは、次の構造(III):
−S−[S−R−O−C(R)H−O−R−S]−S−R (III)
を有し、式中、R及びRは、上で定義したとおりであり、各Rは、1から6個の炭素原子を有する、−SH及び−OH末端アルキル、エーテルアルキル、アリール及びアルカリール基から独立して選択され、並びにnは、1から100の範囲である。好ましいR基は、チオアルキル、エーテルアルキル、及びヒドロキシアルキル基である。
さらに好ましくは、Rは、ヒドロキシアルキル基である。これは、例えば米国特許出願公開第2007/0249860号明細書に開示されているような無塩方法によってヒドロキシ末端ポリスルフィドを調製できるからである。さらに、RとRの両方がヒドロキシアルキル基である場合、ジヒドロキシ末端ジスルフィド副生成物が形成され、該副生成物を再使用して、式(III)によるヒドロキシ末端ポリスルフィドを調製することができる。従って、R及びRは、両方ともヒドロキシアルキル基であることが好ましい。さらにいっそう好ましくは、R=R。好適なR基の例は、ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、及び2−ヒドロキシプロピルである。最も好ましくは、Rは、ヒドロキシエチル基である。
nは、1から100、好ましくは2から40、及び最も好ましくは3から30の範囲である。
もう1つの実施形態において、前記繰り返し単位は、網目構造の一部であり、これは、前記ポリスルフィドが、相互に連結されたポリスルフィド鎖の網目構造の形態を有することを意味する。前記網目構造の少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%は、上で定義した繰り返し単位からなる。繰り返し単位鎖は、結合単位で相互に連結されている。前記結合単位は、チオール又はヒドロキシル基と反応性である少なくとも2つ及び好ましくは少なくとも3つの官能基を含有する。これらの官能基によって結合基は個々のポリスルフィド鎖を連結することができる。
式(II)の繰り返し単位を有するポリスルフィドを式R−SHのモノチオール、すなわち、1つだけチオール基を含有する化合物と反応させる。1つより多くのチオール基を有する化合物の使用は、式(I)のビスメルカプトジエーテルの非常に低い収率を生じさせる結果となるだろう。
は、ヘテロ原子で場合により置換されている、直鎖、分岐又は環式アルキル、アリール又はアルカリール基である。ヘテロ原子含有置換基の例は、ヒドロキシル及びエーテル基である。Rが−SH基を含有できないことは明白である。
好適なR基の例は、ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、及び3−ヒドロキシプロピルである。
好ましい実施形態において、前記ポリスルフィドは、式(III)に従う構造を有し、RとRは等しい。
式R−SHを有する好ましいモノチオールは、ベータ−メルカプトエタノール(すなわち、HO−CHCH−SH)である。これは、本発明の方法におけるこの化合物の使用は、副生成物としてジヒドロキシ末端ジスルフィド、例えば、HO−CHCH−S−S−CHCH−OHの形成をもたらすからであり、この副生成物を式(II)に従う繰り返し単位を有するポリスルフィドを調製するために再使用することができる。
前記モノチオール及びポリスルフィドを、好ましくは、少なくとも0.4:1、さらに好ましくは少なくとも1.6:1、及び最も好ましくは少なくとも2.0:1のモル比、モノチオール:繰り返し単位で、本発明による方法において使用する。この比は、好ましくは20:1以下、さらに好ましくは10:1未満、及び最も好ましくは8:1未満である。ビスメルカプトジエーテルでのポリスルフィドの完全解重合のために、ビスメルカプトエタノールの理論的に必要なモル量は、繰り返し単位のモル量の約二倍である。
平衡反応がこの方法に関与するため、モノチオール:繰り返し単位の比が高いほど、結果として生ずるビスメルカプトジエーテルの濃度は高い。結果として生ずる生成物(ビスメルカプトジエーテル又は副生成物のいずれか)の1つを反応混合物から選択的に除去することによってビスメルカプトジエーテルの収率を増加させることが可能である。ビスメルカプトジエーテルの選択的除去は、その収率の増加をもたらすだろう。理論的には、ポリスルフィドを完全に解重合することさえ可能である。抽出、蒸留及び膜濾過は、この除去に好適な方法である。抽出は、極性溶剤を用いて行うことができ、下でさらに概説する。そのような選択的除去を用いると、高いビスメルカプトジエーテル収率に、より低いモノチオール:繰り返し単位比で十分である。
本発明による方法は、塩基の存在下で行わなければならない。前記塩基のpKaは、好ましくは、25℃の水溶液で判定してモノチオールのpKaより高い。前記塩基がモノチオールのアニオンの形成を可能にし、それにより該アニオンをポリスルフィドと反応させて所望のモノマーを形成することができる。従って、モノチオールのアニオンを形成することができるすべての塩基が本方法において好適である。明らかに、酸を使用することはできない。これは、それらはジスルフィド結合との反応に必要とされるモノチオールのアニオンを形成できないからである。
好適な塩基は、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、アルカリ金属化合物、例えばカリウムt−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水素化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム、アンモニア、第一級アミン、例えばベンジルアミン、第二級アミン、例えばシクロヘキシルアミン、並びに第三級アミン、例えばトリエタノールアミン及びトリエチルアミンである。
前記塩基を、好ましくは、反応混合物の総重量に基づき0.01〜5重量%、さらに好ましくは0.05〜0.1重量%、及び最も好ましくは0.1から0.5重量%の量で本発明による方法において使用する。
本発明による方法を、好ましくは20〜150℃、さらに好ましくは20〜120℃、及び最も好ましくは20〜100℃の範囲の温度で行う。
本発明による方法を1つ又はそれ以上の有機溶剤の存在下で行ってもよい。そのような溶剤の例は、トルエン、ベンゼン及びキシレンである。1つの実施形態では、前記方法を追加の溶剤の不在下で行い、この場合、モノチオールが溶剤として機能し得る。モノチオールが溶剤として機能することが望まれる場合、上で言及したモル比、モノチオール:繰り返し単位は、20:1より高くなるだろう。
本発明による方法の結果として得ることができる生成物は、式(I)のビスメルカプトジエーテルの他に、そのオリゴマー及び副生成物を含む。主な副生成物は、R−S−S−R及び/又はそのオリゴマーの混合物である。
好ましい実施形態では、式(I)のビスメルカプトジエーテルを本発明の方法の間に反応混合物から単離し、それによって平衡を該ビスメルカプトジエーテルの方にシフトさせ、その収率を増加させる。好適な分離方法の例は、抽出、蒸留及び膜分離である。抽出は、好ましくは、ビスメルカプトエーテルに対して比較的高い親和性及び副生成物に対して低い親和性を有する、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、イソ−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン又は石油エーテルのような非極性溶剤を用いて行う。抽出を20〜150℃の範囲の温度で行うことができる。
さらに好ましい実施形態では、本発明による方法を向流抽出カラムで行う。さらにいっそう好ましくは、前記方法は、連続運転反応向流抽出方法である。好ましくは、前記向流抽出を一段より多い段数、好ましくは少なくとも4段、さらにいっそう好ましくは少なくとも6段、及びさらにいっそう好ましくは少なくとも8段、及び最も好ましくは少なくとも10段で行う。
連続多段向流抽出カラムの一例は、クーニ(Kuhni)塔である。そのような塔内で、液/液界面を作り、攪拌の分散作用によって維持する。本発明による方法では、抽出溶剤は一般に軽い相であり、反応混合物は重い相であり、その結果、抽出溶剤は底部から上部へと流れ、反応混合物は上部から底部へと流れることとなる。このとき、抽出溶剤中のビスメルカプトジエーテル濃度は、底部から上部へと流れて行く間に増加する。
反応混合物への水の添加が有利であることもある。水は、反応混合物中の種々の化合物の溶解度に影響を及ぼし、それによって、それらの化合物の平衡に影響を及ぼし、分離を助長することができる。これは、式(I)のビスメルカプトジエーテルを本発明の方法の間に反応混合物から、例えば上で説明したような抽出によって、単離する場合、特に有利である。
結果として生じた式(I)のビスメルカプトジエーテルを、例えばイソシアネート硬化、エポキシ樹脂硬化又はアクリレート樹脂硬化を用いる、シーラント、接着剤、及び塗料組成物に、そのまま使用することができる。
さらに、無塩方法でのポリスルフィド、例えばSH末端ポリスルフィド、の製造にそれを好適に使用することができる。好適な方法は、例えば、M.A. Walters et al., Inorganica Chimica Acta 359 (2006) 3996-4000及びI. Bereczki et al., Carbohydrate Polymers 37 (2008) 1-7によって、並びに米国特許第3,294,760号明細書、同第3,522,312号明細書及び同第3,523,985号明細書に開示されている。ビスメルカプトジエーテルは、例えば米国特許第4,623,711号明細書に記載されているように、極めて高分子量のポリスルフィドを開裂させてより低分子量のポリスルフィドを形成するために使用することもできる。
ビスメルカプトジエーテルから調製されたポリスルフィドには様々な用途があり、それらとしては、ビスメルカプトジエーテルを使用することができる上で述べたもの、すなわち、シーラント、接着剤及び塗料組成物における、イソシアネート硬化の際の、エポキシ樹脂硬化の際の、並びにアクリレート樹脂硬化の際の結合剤としての用途が挙げられる。
実施例においてさらに説明するような、連続多段向流抽出をシミュレートするための方法スキームを示すものである。
実施例
実施例1
113.26gのベータ−メルカプトエタノールを、16の重合度を有する56.13gのHTPS(ヒドロキシ末端ポリスルフィド)ポリマーに添加した。カリウム−t−ブトキシド(0.28g;HTPSに基づき0.50重量%)を添加した。温度を60℃に上昇させた。60分後、360gのシクロヘキサンを添加し、反応をさらに60分間、進行させた。シクロヘキサン上層を除去し、残りの反応混合物に360gの追加量のシクロヘキサンを添加した。60℃でさらに45分後、シクロヘキサン層を再び除去した。
それらのシクロヘキサン層を併せ、シクロヘキサンを蒸発させ、それによって、23.69g(これは、HTPSからそのモノマーへの44.1%の転化率に相当する)の所望のビス(メルカプトエトキシ)メタンと14.3gのメルカプトエタノールとを含有する42.30gの混合物を得た。
実施例2
115.42gのベータ−メルカプトエタノールを、16の重合度を有する57.71gのHTPSポリマーに添加した。0.28g(HTPSに基づき0.49重量%)のカリウム−t−ブトキシドを添加した。温度を80℃に上昇させた。35分後、360gのシクロヘキサンを添加し、反応をさらに45分間、進行させた。シクロヘキサン上層を除去し、残りの反応混合物に360gの追加量のシクロヘキサンを添加した。80℃でさらに45分後、シクロヘキサン層を再び除去した。
それらのシクロヘキサン層を併せ、シクロヘキサンを蒸発させ、それによって、25.1g(これは、HTPSからそのモノマーへの45.5%の転化率に相当する)の所望のビス(メルカプトエトキシ)メタンと27.4gのメルカプトエタノールとを含有する61.99gの混合物を得た。
実施例3
この実施例を用いて、4段連続運転向流抽出カラムでの本発明の方法をシミュレートする。
第一の実験3−1において、267.98gのHTPSと401.97gのベータ−メルカプトエタノールと1.33g(HTPSに基づき0.5重量%)のカリウム−t−ブトキシドとを含有する反応混合物を調製し、30分間、60℃で反応させた。
この反応混合物の55gの8つの等しい部分(RM1からRM8と符号化した)を、シクロヘキサンの355.7gの8つの等しい部分(S1からS8と符号化した)と接触させた。
反応混合物RM1を20分間、溶剤S1と60℃で混合した(これは、厳密に化学平衡に近づくために十分であった)。得られた混合物を放置して沈降させ、2層の液層に分離させ、それら固有のサンプル番号:RM1及びS1を有するビンに戻した。
第二段階では、RM1を新たな溶剤S2と混合し、その一方で、使用した溶剤S1を新たな反応混合物RM2と混合した。60℃で20分混合した後、2液を分離し、ラベルの付いたビンに戻した。同じことをRM2及びS1について行った。
この手順を、4段向流方法が開発されるまで、上から下へ図1のスキームに従って繰り返した。サンプルRM5〜RM8及びS5〜S8を(シクロヘキサンの大部分を蒸発させた後)ガスクロマトグラフィーによって分析した。
第二の実験3−2では、22.5gの水を反応混合物RM1からRM8のそれぞれに添加したことを除き、実験3−1で説明したとおりの手順を繰り返した。結果を下の表にまとめる:
これらの結果は、連続運転向流抽出を本発明の方法において好適に使用できることを示している。この実験は、多段向流方法で得られる転化率の方が一段運転(実施例1及び2)でより有意に高いという原理の証拠となる。原則的には、無限の段数での抽出でDMDHのすべてが得られるHTPSからそのモノマーへの完全転化に近づくことが可能である。
反応混合物への水の添加は、HTPSの転化率及びビスメルカプトジエーテルの収率をさらに向上させた。

Claims (17)


  1. HS−R−O−C(R)H−O−R−SH
    (式中、Rは、1から6個の炭素原子を有する直鎖、分岐若しくは環式アルキレン基、又はアリーレン基であり、Rは、水素、1から6個の炭素原子を有する直鎖、分岐若しくは環式アルキル基、又はアリール基であり;R及びRは、ヘテロ原子で場合により置換されていてもよい)のビスメルカプトジエーテルの調製のための方法であって、
    次の繰り返し単位:
    −[S−R−O−C(R)H−O−R−S]−
    (式中、R及びRは、上で定義したとおりである)
    を有するポリスルフィドを

    −SH
    (式中、塩基の存在下で、Rは、ヘテロ原子で場合により置換されている直鎖又は分岐アルキル、アリール又はアルカリール基である)
    のモノチオールと反応させることによる方法。
  2. 前記ポリスルフィドが次の構造:
    −S−[S−R−O−C(R)H−O−R−S]−S−R
    (式中、各Rは、1から6個の炭素原子を有する−SH及び−OH末端アルキル、エーテルアルキル、アリール及びアルカリール基から独立して選択され、並びにnは、1から100の範囲である)
    を有する、請求項1に記載の方法。
  3. が、1から6個の炭素原子を有するOH末端アルキル、エーテルアルキル、アリール又はアルカリール基である、請求項2に記載の方法。
  4. が、−CHCHOHである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記ポリスルフィドが、少なくとも90重量%が前記繰り返し単位からなる網目構造である、請求項1のいずれか一項に記載の方法。
  6. が水素である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. が、−CHCH−である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. が、ヒドロキシ末端アルキル基である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記ビスメルカプトジエーテルが、反応中に反応混合物から分離される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記ビスメルカプトジエーテルが、反応中に抽出によって反応混合物から分離される、請求項9に記載の方法。
  11. 多段向流抽出方法として行われる、請求項10に記載の方法。
  12. 前記多段向流抽出方法が、連続的に運転される、請求項11に記載の方法。
  13. 段数が少なくとも4である、請求項11又は12に記載の方法。
  14. 前記反応が、水の存在下で行われる、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 次の繰り返し単位:
    −[S−R−O−C(R)H−O−R−S]−
    (式中、Rは、1から6個の炭素原子を有する直鎖、分岐若しくは環式アルキレン基、又はアリーレン基であり、Rは、水素、1から6個の炭素原子を有する直鎖、分岐若しくは環式アルキル基、又はアリール基であり;R及びRは、ヘテロ原子で場合により置換されていてもよい)を有するポリスルフィドの解重合のための方法であって、
    前記方法は、前記ポリスルフィドと式
    −SH
    (式中、塩基の存在下でRは、ヘテロ原子で場合により置換されている直鎖又は分岐アルキル、アリール又はアルカリール基である)
    のモノチオールとの反応を含む、方法。
  16. ポリスルフィドの調製のための方法であって、
    (i)請求項1から14のいずれか一項に記載の方法に従ってビスメルカプトジエーテルを調製する工程、及び
    (ii)前記ビスメルカプトジエーテルを重合してポリスルフィドを形成する工程を含む、方法。
  17. ポリスルフィドの調製のための方法であって、
    (i)請求項15に記載の方法に従ってポリスルフィドを解重合する工程、及び
    (ii)結果として生じた生成物を重合してポリスルフィドを形成する工程を含む、方法。
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