JP2013515714A - エチルベンゼンの調製方法 - Google Patents

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Abstract

本発明はエチルベンゼンの製造方法に関し、本方法は、ベンゼンをエタノール又はエタノールとエチレンとの混合物と、大気圧より高い圧力下、好ましくは気相又は混合気液相で、BEA型に属するゼオライトを含有する触媒系の存在のもとで反応させる反応ステップと、得られた生成物の分離ステップとを含む。好ましい態様では、バイオマス由来のエタノール、特にはバイオマス由来の糖の発酵から得られるエタノールを使用する。
【選択図】なし

Description

本発明はエチルベンゼンの製造方法に関し、本方法は、ベンゼンから成る供給原料をエタノール又はエタノールとエチレンとの混合物と反応させる反応ステップと、得られた生成物の分離ステップとを含む。アルキル化反応を、大気圧より高い圧力下で、そしてBEA型(BEA family)に属するゼオライトを含有する触媒系の存在のもとで行う。
好ましい態様では、バイオマス由来のエタノール、特にはバイオマス由来の糖の発酵から得られるエタノールを使用する。
本発明の方法は、望ましくない反応に由来する副生成物が存在しないことに加えて、反応混合物中に多量の水が存在することに起因する触媒の性能及びその持続時間への悪影響がないことを特徴とする。また、本発明の方法によって、最新技術で示されるものよりはるかに高い生産性ももたらされる。
悪影響がないのは、使用する触媒系及び選択する特定の条件に関係がある。更に、本発明の方法においては水性エタノールも便利に使用し得る。
本発明はスチレンを調製する方法にも関し、第1のエチルベンゼン調製ステップは、上で詳記したものに従ったベンゼンのアルキル化によって行われる。
エチルベンゼンは基礎化学工業にとって重要な中間生成物であり、主にスチレン製造用の前駆体として使用され、一方でこのスチレンはスチレンポリマー及びコポリマーの調製における中間体として有用である。スチレンの工業的な合成は、ベンゼンのエチルベンゼンへのアルキル化及び脱水素反応によるエチルベンゼンのスチレンへの変換のステップを含む。
エチレンでベンゼンをアルキル化してエチルベンゼンを得ることに関し、ゼオライト系触媒に次いでAlCl3も依然として部分的に石油化学工業において触媒としてスラリー反応器で使用されている。環境への影響及び安全性の問題は、このAlCl3の使用をベースにした方法に関係していて、実際、この触媒の使用は、腐食及び使用済みの触媒の廃棄に関して特に問題である。
軽量オレフィン(エチレン、プロピレン等)でベンゼンをアルキル化するためのフォージャサイト型構造のゼオライトの使用に関しては、Venutoら(J.Catal.5,(1966)81)が記載している。
EP432814明細書に記載されるように、β型構造のゼオライトを使用した(特には、EP687500明細書に記載のものに従ったベータゼオライトを含む触媒を使用)ベンゼン及びエチレンから開始してのエチルベンゼンの合成では、工業的な応用の観点からみて、優れた結果が得られている。
しかしながら、慣用のタイプの酸触媒を使用してエチルベンゼンを得るための、ベンゼンのアルキル化におけるエタノールの直接使用は、工業的な観点から実用的ではないと既に判明している。反応中にエタノールから放出される水が選択性の面で触媒の性能、とりわけ触媒自体の持続時間に悪影響を及ぼすからである。
エタノールはバイオマス、特にはバイオマス由来の糖の発酵から得ることができるため、石油化学工業にとっては化石燃料の代替物としての可能性を秘めた原料である。したがって、工業的に関心の高い中間体の製造分野においては、この生成物の新たな改良品を発見することが戦略的にも経済的にも重要である。
しかしながら、エチルベンゼンを得るために、ベンゼンのアルキル化剤としてエチルアルコールを使用する場合に発生する水の存在は、ゼオライトタイプ及び非ゼオライトタイプの酸触媒のどちらにも悪影響を与えてしまう。
エチルベンゼンの工業的合成で使用される慣用のタイプの触媒(三塩化アルミニウム等)の場合、反応混合物中の水の量が数百ppmより多いと、エチルベンゼンの収率という点で触媒性能が著しく低下する。
ゼオライト系触媒の場合、水の存在を原因とする悪影響が知られていて、これはエチルベンゼンの総収率の低下及び触媒自体の多かれ少なかれ急速な失活によって明らかとなる。
これら全ての悪影響が知られていて、これらの悪影響は、実際に産業上の利用可能性がある方法において、エチルベンゼンを得るためにベンゼンのアルキル化剤としてエチルアルコールを使用することで得られるものと比べ、反応における水分量が極めて少ないことから確認もされている。
エチルアルコールを用いたベンゼンのアルキル化工程の産業上の利用可能性では、実際、特定のパラメータ、例えば反応セクションに向かう供給流におけるベンゼン/エタノールモル比(一般に3〜10であり、エチルアルコールが全て転化されたと仮定して、反応における対応する水分濃度は約64000〜21000ppmである)などを無視することはできない。
たとえベンゼンのアルキル化をエタノールとエチレンとの混合物から成るアルキル化剤で行ったとしても、いかなる場合であっても、触媒系に影響がでない水分量を保証するために、使用するエチルアルコールの量を大幅に減量する必要があり、これが工程それ自体の実際の潜在的可能性を限定してしまう。
C.J.Johney、A.J.Chandwadkar、G.V.Potnis、M.U.Pai、S.B.Kulcarniは、“Indian Journal of Technology”,vol.15,November 1977,pp486−489において、大気圧下、様々に置換された13−Xゼオライトの存在下でベンゼンをエタノールでアルキル化することについて記載している。これらの触媒の活性はそれほど高くなく、また急速に低下する。
K.H.Chandawar、S.B.Kulkarni、P.Ratnasamyは、“Applied Catalysis”,4(1982),287−295において、ZSM−5ゼオライトの存在下でエタノールを用いたベンゼンのアルキル化について記載しているが、許容範囲の転化率は、極めて高温で操作した場合にしか得られない。
A.Corma、V.I.Costa−Vaya、M.J.Diaz−cabanas、F.J.Llopistは、“Journal of Catalysis 207,46−56(2002)において、ITQ−7ゼオライト及びベータゼオライトの存在下でエタノールを使用したベンゼンのアルキル化について記載している。反応は、大気圧下、過剰量のベンゼン(ベンゼン/エタノールモル比=4)中で行われ、ベータゼオライトの場合、キシレン及び他の望ましくない芳香族生成物が生成することに加えて、多量のポリアルキル化芳香族化合物が生成される。エタノールの転化率は47.7%にすぎないことから、供給したエタノールのうちの50%を超える量を再循環させる必要があることは明らかである。ベータゼオライトもまた、最大限にまで失活する触媒であると判明している。
したがって、エチレンでベンゼンをアルキル化するために使用する触媒を、アルキル化剤としてのエチルアルコールを使用して、又はエチルアルコールとエチレンとの混合物でベンゼンを使用してアルキル化反応させることに応用することは簡単にはできない。これらの触媒は概して水に極めて敏感であることから、反応中に発生する水の存在によってその寿命が極端に短くなるからである。
US2009/0211943明細書には、ガソリン中でベンゼンを還元する方法が記載されていて、この方法は、ベンゼン及びアルコール又はエーテルを反応蒸留塔で反応させることを含み、同時に、
・C6炭化水素及びベンゼンはC7+炭化水素から分離され、
・ベンゼンは少なくとも部分的にアルコール又はエーテルとアルキル化触媒の存在下で反応し、
・アルキル化物はC7+炭化水素と共に蒸留塔の底部で回収され、C6炭化水素、未反応のアルコール又はエーテル及び発生した水は蒸留塔の頭頂部で回収される。
反応蒸留は反応生成物をその生成と同時に分離し、次に、反応蒸留は生成物を同アルキル化反応により同時に分離する。したがって、生成物は反応が起きる同じステップ内で分離される。反応により発生した水もまた、その発生と同時に除去される。実施例はベンゼン単体でのアルキル化に関するが、これらの実施例で得られたデータからは、転化率及び選択性についての結果を計算することはできないようである。
ここで発明者は、触媒の性能、持続時間、ひいては生産性という観点からより良好な結果をもたらすある方法によれば、かなりの量の水の存在下であっても、BEA型ゼオライトを含む触媒を使用し、また適切な反応条件下で操作して、アルキル化剤としてのエタノール(同じく水性エタノール)又はエタノールとエチレンとの混合物でベンゼンをアルキル化することで、エチルベンゼンを得ることが可能であることを発見した。
特に、本発明の方法は、ベータゼオライトを使用する従来の方法と比較すると以下の予期せぬ利点、すなわちエタノールからエチルベンゼン及びアルキルベンゼンへのより高い転化率及び選択性、水が存在していても高い触媒の安定性を有し、この水は反応中に発生するだけでなく、使用するエタノールが水性である事実にも由来し得る。
したがって、本発明の目的はエチルベンゼンを製造する方法に関し、本方法は、ベンゼンを、エタノール又はエタノールとエチレンとの混合物と、大気圧より高い圧力下、BEA型に属するゼオライトを含有する触媒系の存在のもとで反応させる反応ステップと、得られた生成物(エチルベンゼン)の分離ステップとを含む。
本発明の方法では、従来のものとは異なり、エチルアルコールを用いたベンゼンのアルキル化反応を、所望の生成物であるエチルベンゼンを反応混合物から単離する分離ステップとは異なるステップで行う。したがって、エチルベンゼンの反応混合物からの分離ステップは、アルキル化ステップの後に続く。本発明の方法においては、アルキル化反応を、反応混合物から生成物を同時に除去することなく行う。すなわち、生成物を、その生成と同時に反応混合物から分離しない。
好ましい態様では、本発明の方法において、バイオマスから得られるエタノール、特にはバイオマス由来の糖の発酵で得られるエタノールを使用する。
大気圧より高い圧力とは、1気圧より高い圧力を意味する。反応は、気相、液相又は混合気液相条件下で行い得る。本発明のある態様では、反応セクションに存在する混合物全体の完全気相に対応する圧力及び温度条件下で操作するように選択が成され得る。したがって、この場合、反応物及び生成物の両方が気相である。本発明の別の態様では、反応生成物の少なくとも部分的な液相に対応する温度及び圧力条件下で操作するように選択が成され得る。したがって、この場合、反応物は気相であり、生成物は少なくとも部分的に液体である。
本発明の更なる態様では、反応物が気相と液相の両方、生成物が少なくとも部分的に液相となるような温度及び圧力条件下で操作することが可能である。本発明の別の態様では、反応物及び生成物の両方が液相となるような温度条件下で操作することが可能である。本発明の方法を、気相又は混合相で行うことが特に好ましい。
本発明の方法により、実際に産業上の利用可能性がある範囲内で、反応セクションに向かう供給流中のベンゼンとエチルアルコールとのモル比が高くなくても操作が可能になり、したがって反応中に発生する水の総量を無視できる。
本発明の方法では、水性エタノール(すなわち、最高で20質量%、好ましくは最高で5質量%の水を含有するエタノール)も使用し得る。
好ましい実施形態では、バイオマス由来の糖の発酵から得られるエタノールを使用する。
したがって、本発明の目的はエチルベンゼンを製造する方法に関し、本方法は、ベンゼンを、エタノール又はエタノールとエチレンとの混合物と、大気圧より高い圧力下、BEA型に属するゼオライトを含有する触媒系の存在のもとで反応させるステップと分離ステップとを含み、使用するエタノールをバイオマス、好ましくはリグノセルロース系バイオマスから得る。
したがって、アルキル化反応及び所望の生成物であるエチルベンゼンの分離は2つの別々のステップで行われる。バイオマスからエタノールを得るための既知の方法のいずれもが、本発明で使用し得るエタノールを得るのに適している。
特に、当業者に既知の方法のいずれかに従ってバイオマス由来の、好ましくはリグノセルロース系バイオマス由来の糖の発酵から得られるエタノールを使用する。更に特定すると、バイオマス、好ましくはリグノセルロース系バイオマスを発酵に使用し得る供給原料(feedstock)(好ましくは糖の形態)に変換し、続いてその供給原料を発酵に供する方法で得られるエタノールを使用する。
したがって、本発明の特定の目的は、エタノール又はエタノールとエチレンとの混合物を用いたベンゼンのアルキル化の方法に関し、本方法は、
(1)バイオマス、好ましくはリグノセルロース系バイオマスを変換に供することによって発酵に使用し得る好ましくは糖の形態の供給原料を得て、
(2)このようにして得られた供給原料を発酵に供することによってエタノールを得て、
(3)このようにして得られたエタノールを用いて、ベンゼンを、場合によってはエチレンとの混合物の中で、大気圧より高い圧力で、好ましくは気相又は混合気液相条件下、BEA型に属するゼオライトを含有する触媒系の存在のもとでアルキル化し、
(4)所望の生成物であるエチルベンゼンを分離する
ことを含む。
エタノールを用いたベンゼンのアルキル化反応及び所望の生成物であるエチルベンゼンの分離は2つの別々のステップで行われる。
バイオマスは有機の動植物のマトリックスを有する全ての物質であるとして定義され、エネルギー目的、例えばバイオ燃料製造用の原料又は燃料に添加し得る成分として使用され得る。
特に、リグノセルロース系バイオマスは、3種類の主成分、すなわちセルロース、ヘミセルロース及びリグニンを含む複雑な構造体である。これらの相対量は、使用するリグノセルロース系バイオマスのタイプに応じて異なる。
セルロースはリグノセルロース系バイオマスで最大の構成要素であり、β−1,4−グルコシド結合を介して互いに結合されたグルコース分子(約500〜10000単位)から成る。一般にリグノセルロース系バイオマスの総質量の10〜40質量%の量で存在するヘミセルロースは混合ポリマーとして現れ、比較的短く分岐し、6個の炭素原子を有する糖と5個の炭素原子を有する糖の両方から成る。リグニンは一般にリグノセルロース系バイオマスの総質量の10〜30質量%の量で存在する。
バイオマスからのエタノールの合成は様々なステップに分割され、利用可能な多くの技術方法の1つを適用することによって、発酵に使用し得る供給原料(通常は糖の形態)にバイオマスを転化することを含み、この転化が、バイオエタノールの合成における様々な技術的解決策に差異をもたらすステップとなる。このステップに、生体触媒(微生物、例えば酵母、細菌)を使用したバイオマスの中間体の発酵が続き、低濃度溶液でエタノールが得られる。次に、発酵生成物を処理することによってエタノール、他の燃料の製造に使用し得る副生成物、化合物、熱及び電気エネルギーを得る。
エタノールの第1合成ステップでは、リグノセルロース系バイオマスのエネルギー用途の生成物への変換を最適化するために、前記バイオマスを、リグニンを分離し、またセルロース及びヘミセルロースを、第2ステップで続いてアルコール製造のための発酵工程に供し得る単糖(例えば、グルコース、キシロース)に加水分解する処理に供することが知られている。これを目的として様々な方法、特には加水分解、好ましくは酸加水分解を利用し得て、加水分解は強鉱酸(一般にH2SO4、HCl、HNO3。希釈又は濃縮されたもの)の存在下で行われるか、または酵素加水分解(SHF法)で行われる。次に、得られた生成物をエタノール製造のための発酵に供する。
特定の態様では、第1及び第2ステップを同時に、例えば真菌T.リーセイ(T.reesei)及び酵母S.セレビシエ(S.cerevisiae)の存在下で行い得る(SSF法)。
バイオマスからエタノールを製造する方法は、例えばUS5562777明細書、US2008/0044877明細書、“Ethanol from ligninocellulosic biomass:technology,economics and process for the production of ethanol”F.Magalhaes,R.M.Vila Cha−Baptista,4th International Conference on Hands−on Science Development,Diversity and Inclusion in Science Education 2007、“Ethanol fermentation from biomass resources:current state and prospects”Y.Lin,S.Tanaka,Appl.Microbiol.Biotechnol.(2006)69:627−642、“Hydrolysis of ligninocellulosic materials for ethanol production:a review”Y.Sun,J.Cheng,Bioresource Tecnology,volume 83,Issue 1,May 2002,pp.1−11に記載されている。
ステップ(2)で得られたエタノールを、例えば蒸留によって分離する。
好ましく使用されるBEA構造タイプのゼオライトはベータゼオライトである。ベータゼオライトはUS3308069の明細書において初めて記載され、また組成:
[(x/n)M(1±0.1−x)TEA]AlO2.ySiO2.wH2
(nはMの酸化状態であり、xは1未満であり、yは5〜100であり、wは0〜4であり、Mは周期表のIA、IIA、IIIA族、すなわち遷移金属から選択される金属であり、TEAはテトラ−エチルアンモニウムヒドロキシドである)を有する多孔質の結晶性物質である。
ベータゼオライトは、例えばUS4642226明細書及びEP159846明細書にも記載されている。
BEA型ゼオライト、特にはベータゼオライトを、好ましくはその構造内に存在するカチオンサイトの少なくとも50%を水素イオンが占める形態で使用する。水素イオンがカチオンサイトの少なくとも90%を占めることが特に好ましい。
本発明で使用の触媒系は適切なリガンド、例えばIIIA、IVA及びIVB族の酸化物を含み得る。この触媒系は、より好ましくは、リガンドとして作用するSi又はAlの酸化物を含有し得る。リガンドは、好ましくは、触媒系に対して5:95〜95:5、好ましくは70:30〜30:70の相対質量で使用される。本発明の特に好ましい態様は、EP687500明細書及びEP847802明細書に記載のベータゼオライト含有触媒組成物の使用である。特に、EP687500の明細書には、そのままの或いはホウ素、鉄若しくはガリウムでのアルミニウムの同形置換又はアルカリ若しくはアルカリ土類金属のイオン交換手順に従った導入によって修飾されたベータゼオライト及び無機リガンドを含有する触媒組成物についての記載があり、ゼオライト外多孔度(extrazeolite porosity)、すなわち触媒組成物自体の中に存在するメソ多孔性及びマクロ多孔性画分を合計することで得られる多孔度は、少なくとも25%の画分が100Åを超える半径を有する細孔から構成されるようなものである。特に、EP847802の明細書には、そのままの或いはホウ素、鉄若しくはガリウムでのアルミニウムの同形置換又はアルカリ若しくはアルカリ土類金属のイオン交換手順に従った導入によって修飾されたベータゼオライト及び無機リガンドを含有する触媒組成物についての記載があり、ゼオライト外多孔度、すなわち触媒組成物自体の中に存在するメソ多孔性及びマクロ多孔性画分を合計することで得られる多孔度は、少なくとも25%の画分が100Åを超える半径を有する細孔から構成されるようなものであり、またこの触媒は、0.80ml/g以上のゼオライト外細孔総容積を特徴とする。
本発明の方法の好ましい態様では、1atmより高く30atm以下の反応圧力で、エタノール又はエタノールとエチレンとの混合物をアルキル化剤として中性で使用して操作する。1atmより高く20atm未満、より一層好ましくは2atmより高く10atm以下の圧力で操作することが好ましい。本発明の目的である方法においては、ベンゼンとエタノールとのモル比は好ましくは2〜20、より一層好ましくは4〜10である。
本発明の方法を、好ましくは、150〜300℃、より一層好ましくは200〜270℃の温度で行う。
1〜10時間-1のWHSVで操作することが好ましい。
アルキル化剤としてエタノールと共にエチレンも追加で使用する場合、ベンゼンとアルキル化剤であるエタノール+エチレンとのモル比は好ましくは2〜20、より好ましくは4〜10である。エタノールとエチレンとのモル比は、好ましくは、10〜0.01、より一層好ましくは5〜0.1である。
エタノールを用いたベンゼンのアルキル化は、連続的、半連続的又はバッチ式で行い得る。
本方法を連続的に行う場合、冷却、脱混合及び有機相からの水相の除去後、反応セクションから出た流出物の有機相の同反応セクションへの部分的な再循環を含む反応系の構成を利用して操作することも可能である。
アルキル化剤エタノール、又はエタノールとエチレンとの混合物を用いたベンゼンのアルキル化反応は、いかなる場合であっても、エタノールの存在にも関わらず発熱性のままであり、好ましい範囲内に温度を維持し且つポリアルキル化芳香族化合物の副生成を抑制するために、触媒を、固定床反応器内部に様々な層で反応器内に配置し得る。
不活性溶媒とベンゼンの一部及び/又はアルキル化剤であるエチルアルコール若しくはエチルアルコール/エチレン混合物の一部を使用して層と層との間でのクエンチを行う。
このように操作することによって、高いベンゼン/アルキル化剤比を、単一層上でその全体比を上げることなく、エチルベンゼンへの選択性、ひいては反応セクションの下流での分離操作に関する明白な利点でもって得ることが可能である。
温度制御は、反応物及び/又は不活性生成物のクエンチを行うことによってだけでなく層と層との間での中間冷却によっても行われ得る。
アルキル化反応は、直列につながれ、また中間冷却によって温度制御を行う2基以上の反応器で便利に行われ得る。場合によってはエチレンと混合されるエチルアルコール及び/又はベンゼンの供給流は、様々な反応器及び反応器の異なる層間で適切に分割され得る。すなわち、アルキル化剤及びベンゼンを2つ以上のステップで添加する。
アルキル化反応を、ベータゼオライトを微小球の形態で使用するスラリー反応器でも行い得る。
反応ステップが一旦終了したら、分離ステップを、当業者に既知の方法のいずれかを利用して行い得る。アルキル化生成物を、例えば分離セクションにおいて慣用の分離法(例えば、脱気、液体の蒸留及び脱混合)を利用して分画し得る。
本発明の目的である方法から得られる混合物を、好ましくは、実質的な水相、ベンゼン含有画分(1)、エチルベンゼン含有画分(2)及びポリエチルベンゼン含有画分(3)に分離する。
本発明の方法では、エチルベンゼンが少なくとも80%の高選択性及び95%以上のエタノール転化率で得られ、既知の方法の数値よりずっと高い。
画分(1)は、アルキル化ステップに再循環させ得る。
好ましい態様では、エチルベンゼンの製造を最大に高めるために、画分(3)もアルキル化ステップに再循環させ、少なくとも部分的なトランスアルキル化に供し得る。しかしながら、このトランスアルキル化は、好ましくは、ポリエチルベンゼンのこの画分をトランスアルキル化触媒の存在下でベンゼンと接触させる特殊な反応器において行われる。
したがって、本発明の特定の目的は、以下の
(a)ベンゼンを、エタノール又はエタノールとエチレンとの混合物と、大気圧より高い圧力下、BEA型に属するゼオライトを含有する触媒系の存在のもとで接触させ、
(b)ステップ(a)で得られた混合物を分離に供することによって実質的な水相、ベンゼン含有画分(1)、エチルベンゼン含有画分(2)及びポリエチルベンゼン含有画分(3)に分離し、
(c)画分(3)を、ゼオライト含有触媒の存在のもと、トランスアルキル化条件下でベンゼンと接触させることによってエチルベンゼンを得る
ステップを含む方法に関する。
ステップ(b)において、水相を脱混合によって除去し、残った有機相を好ましくは蒸留による分離に供することによってエチルベンゼンを単離する。好ましくは、冷却がステップ(b)の分離に先行する。
ステップ(c)のトランスアルキル化反応を、ベンゼンでのポリエチルベンゼンのトランスアルキル化のための当業者に既知の触媒のいずれかを使用して行い得て、特には、トランスアルキル化を、ベータゼオライト若しくはYゼオライト、又は特にはEP687500明細書、EP847802明細書及びWO2004056475パンフレットに記載のものに従って調製したベータゼオライト若しくはYゼオライトをベースとした触媒の存在下で便利に行い得る。特に、WO2004056475パンフレットには、Yゼオライト及び無機リガンドを含む触媒が記載されていて、この無機リガンドはγ−アルミナであり、この触媒は、同触媒中に存在するメソ多孔性及びマクロ多孔性画分を合計することで得られる0.7cc/g以上の細孔容積を特徴とし、この容積の少なくとも30%が、100ナノメートルより大きい直径を有する細孔から成る。
トランスアルキル化反応のための温度条件は100〜350℃から選択され得て、圧力は10〜50atmから選択され、WHSVは0.1〜200時間-1の範囲である。適切な反応条件は、例えば、EP687500明細書、EP847802明細書及びWO2004056475パンフレットに記載のものである。
ステップ(c)のトランスアルキル化反応生成物を、慣用の分離法、例えば分離ステップ(b)に関して上述のものを利用して分画する。特に、好ましい態様は、分離ステップ(b)で採用したものと同じ分離セクションを利用することであり、ステップ(c)からの混合物を前記ステップ(b)に送る。
したがって、本発明の特定の態様は、以下の
(a)ベンゼンを、エタノール又はエタノールとエチレンとの混合物と、大気圧より高い圧力下、BEA型に属するゼオライトを含有する触媒系の存在のもとで接触させ、
(b)ステップ(a)からの混合物を分離に供することによって実質的な水相、ベンゼン含有画分(1)、エチルベンゼン含有画分(2)及びポリエチルベンゼン含有画分(3)に分離し、
(c)画分(3)を、ゼオライト含有触媒の存在のもとトランスアルキル化条件下でベンゼンと接触させ、
(d)ステップ(c)からの生成物をステップ(b)に再度送り、
(e)場合によってはステップ(b)からの画分(1)をステップ(a)及び/又はステップ(c)に再度送る
ステップを含む方法に関する。
ステップ(b)において、水相を脱混合によって除去し、残った有機相を好ましくは蒸留による分離に供することによってエチルベンゼンを単離する。本発明の目的はスチレンを調製する方法も含み、本方法は、以下の
(a)ベンゼンを、エタノール又はエタノールとエチレンとの混合物と、大気圧より高い圧力下、BEA型に属するゼオライトを含有する触媒系の存在のもとで接触させ、
(b)ステップ(a)からの混合物を分離に供することによって実質的な水相、ベンゼン含有画分(1)、エチルベンゼン含有画分(2)及びポリエチルベンゼン含有画分(3)に分離し、
(c)場合によっては画分(3)を、ゼオライト含有触媒の存在のもとトランスアルキル化条件下でベンゼンと接触させ、
(d)場合によってはステップ(c)からの生成物をステップ(b)に再循環させ、
(e)場合によってはステップ(b)からの画分(1)をステップ(a)及び/又はステップ(c)に再循環させ、
(f)ステップ(b)で得られたエチルベンゼン含有画分(2)を脱水素に供することによってスチレンを得る
ステップを含む。
ステップ(b)において、水相を脱混合によって除去し、残った有機相を好ましくは蒸留による分離に供することによってエチルベンゼンを単離する。ステップ(f)は文献において周知であり、また例えばUS7393986明細書に記載されるようにして行われ得る。
本明細書で請求の発明を説明するために以下の実施例を挙げるが、これらの実施例は、いかなる形であっても本発明の範囲を限定しない。
実施例1
エチルアルコールを用いたベンゼンのアルキル化試験を、以下に記載の実験装置を使用して行う。
この実験装置は、反応物であるベンゼン及びエチルアルコールのためのタンク、反応器に反応物を送るための供給ポンプ、電気加熱炉内部に位置するスチール製反応器、反応器内部の温度の調節ループ、反応器内部の圧力の調節ループ、反応器からの流出物の冷却剤、並びに液状及び気体状生成物の回収システムから成る。
特に、反応器は、機械的密閉システムを備えた直径約1.5cmの円筒形のスチール管から成る。
反応器の長軸に沿って直径1.5mmを有する温度測定用の空洞があり、内部には反応器の長軸に沿って摺動自在な熱電対がある。
EP847802の実施例4に記載されるように調製した、ベータゼオライト(EP847802明細書の実施例3に記載されるように調製したベータゼオライトを使用)及びベーマイト(bohemite)の形態のアルミナをベースとした押出成形触媒を反応器に装入する。
触媒は、半径が100Åを超え、35%を超える細孔の多孔度の画分を有し、ゼオライト外細孔容積は0.81ml/gである。これらの特徴は、EP847802明細書の表Iに記載のものに対応する。触媒を造粒し、0.8〜1mmの画分に篩過する。ある量の不活性材料を触媒床の上下に詰めて触媒床を完成させる。
反応物であるベンゼン及びエタノールを、ダウンフロー構成の反応器に送る。この実施例におけるエタノールは無水エタノールである。
最初の170時間にわたる操作時間において試験を行う反応条件は以下の通りである。
反応温度:250℃
反応圧力:10atm
WHSV:2.7時間-1
供給流中の[ベンゼン]/[エタノール]:5モル/モル
これらの条件により、気相で反応が起きる。
反応物混合物の物理的状態の属性は、問題となっている成分及び混合物についての既存の状態図との比較、及びRKS状態方程式を用いた計算法の両方によって得られる(Soave.G.Chem.Eng.Sci 27,1197,(1972))。この方程式のための相互作用パラメータは、炭化水素/水混合物の気液平衡及び相互溶解度に関する文献の実験データへの回帰から得られる(C.C.Li,J.J.McKetta Jul.Chem.Eng.Data 8 271−275(1963) and C.Tsonopoulos,G.M.Wilson ALCHE Journel29,990−999,(1983))。
上記方程式を適用する反応系を、組成に関して、下記の系に同化させる。
[ベンゼン]/[エタノール]=5
[ベンゼン]/[水]=5
0〜170時間にわたる操作期間中、反応器からの流出物を定期的にガスクロマトグラフに送って分析する。エタノールの転化は常に完全である。反応物であるエタノールの完全転化後にシステム中に存在する水の総量の濃度は4.2%である(t.o.s=0〜170時間)。試験を継続し、330〜360時間にわたる操作期間中([ベンゼン]/[エタノール]比4.7を使用)、反応器から出てくる混合物を定期的にガスクロマトグラフに送って分析する。エタノールの転化は常に完全であり、水分濃度は4.4%である。
エチルベンゼン/エタノール(EB/エタノール)及びアルキル芳香族/エタノール(Ar/エタノール)(ここでアルキル芳香族とはエチルベンゼン、ジエチルベンゼン及びポリエチルベンゼンである)の選択性は、この2つの操作期間中、ほぼ一定であった。
2つの操作期間中に得られた平均値を表1に示す。
Figure 2013515714
実施例2
実施例1の試験を、360時間を超えて、触媒の処理後、大気圧下、550℃の空気中で24時間にわたって継続する。次に、窒素流中、温度を250℃にし、圧力を10atmにする。窒素の供給を一時停止し、ベンゼン及び95質量%EtOHの水性エタノールを反応物として318時間の操作時間にわたって供給し、80質量%EtOHの水性エタノールを更に66時間の操作時間にわたって供給する。
反応器からの流出物を定期的にガスクロマトグラフに送って分析する。エタノールの転化は常に完全であると判明している。反応物であるエタノールの完全転化後にシステム中に存在する全ての水の濃度は、結果的に、エタノールと共に供給された水も含み、約4.1質量%及び6.2質量%である。
試験が行われた時の反応条件、及び2つの操作期間中に得られた選択性の平均値を表2に示す。エチルベンゼン/エタノール(EB/エタノール)及びアルキル芳香族/エタノール(Ar/エタノール)(ここでアルキル芳香族とはエチルベンゼン、ジエチルベンゼン及びポリエチルベンゼンである)の選択性は、長い操作時間及び反応物自体が含有する高水分濃度にも関わらず、極めて高い値に留まった。
Figure 2013515714

Claims (21)

  1. エチルベンゼンの製造方法であって、
    ベンゼンを、エタノール又はエタノールとエチレンとの混合物と、大気圧より高い圧力下、BEA型に属するゼオライトを含有する触媒系の存在のもとで反応させる反応ステップと、得られたエチルベンゼンの分離ステップと、
    を含む方法。
  2. 気相、液相又は混合気液相の条件下で行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 気相又は混合相条件下で行われる、請求項2に記載の方法。
  4. 最高で20質量%の水を含有するエタノールを使用する、請求項1に記載の方法。
  5. ベンゼンを、エタノール又はエタノールとエチレンとの混合物と、大気圧より高い圧力下、BEA型に属するゼオライトを含有する触媒系の存在のもとで反応させるステップと分離ステップとを含み、使用する前記エタノールをバイオマスから得る、請求項1に記載の方法。
  6. 以下の
    (a)前記バイオマス、好ましくはリグノセルロース系バイオマスを変換に供することによって発酵に使用し得る供給原料を得て、
    (b)このようにして得られた供給原料を発酵に供することによってエタノールを得て、
    (c)このようにして得られたエタノールを用いて、ベンゼンを、場合によってはエチレンとの混合物の中で、大気圧より高い圧力下、BEA型に属するゼオライトを含有する触媒系の存在のもとでアルキル化し、
    (d)得られた前記エチルベンゼン生成物を分離する
    ことを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記BEA構造タイプのゼオライトがベータゼオライトである、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記ゼオライトを、その構造内に存在するカチオンサイトの少なくとも50%を水素イオンが占める形態で使用する、請求項1又は7に記載の方法。
  9. 使用する前記触媒系が結合剤を含む、請求項1、7又は8に記載の方法。
  10. 前記触媒系が、そのままの或いはホウ素、鉄若しくはガリウムでのアルミニウムの同形置換又はアルカリ若しくはアルカリ土類金属のイオン交換手順に従った導入によって修飾されたベータゼオライトと、
    無機リガンドと、
    を含み、
    またゼオライト外多孔度、すなわち触媒組成物自体の中に存在するメソ多孔性及びマクロ多孔性画分を合計することで得られる多孔度を有し、この多孔度が、少なくとも25%の画分が100Åを超える半径を有する細孔から構成されるようなものである、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記触媒系が、そのままの或いはホウ素、鉄若しくはガリウムでのアルミニウムの同形置換又はアルカリ若しくはアルカリ土類金属のイオン交換手順に従った導入によって修飾されたベータゼオライトと、
    無機リガンドと、
    を含み、
    またゼオライト外多孔度、すなわち触媒組成物自体の中に存在するメソ多孔性及びマクロ多孔性画分を合計することで得られる多孔度を有し、この多孔度が、少なくとも25%の画分が100Åを超える半径を有する細孔から構成されるようなものであり、
    前記触媒組成物が、0.80ml/g以上のゼオライト外細孔容積を特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 1atmより高く30atm以下の圧力で行われる、請求項1に記載の方法。
  13. ベンゼンとエタノールとのモル比、又はベンゼンとエタノール+エチレンとのモル比が2〜20である、請求項1に記載の方法。
  14. 1〜10時間-1のWHSVで行われる、請求項1に記載の方法。
  15. エタノールとエチレンとの混合物を使用し、エタノールとエチレンとのモル比が10〜0.01である、請求項1に記載の方法。
  16. 150〜300℃の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
  17. 200〜270℃の温度で行われる、請求項16に記載の方法。
  18. 前記反応ステップで混合物が得られ、この混合物を実質的な水相、ベンゼン含有画分(1)、エチルベンゼン含有画分(2)及びポリエチルベンゼン含有画分(3)に分離する、請求項1に記載の方法。
  19. 以下の
    (a)ベンゼンを、エタノール又はエタノールとエチレンとの混合物と、大気圧より高い圧力下、BEA型に属するゼオライトを含有する触媒系の存在のもとで接触させ、
    (b)ステップ(a)からの前記混合物を分離に供することによって実質的な水相、ベンゼン含有画分(1)、エチルベンゼン含有画分(2)及びポリエチルベンゼン含有画分(3)に分離し、
    (c)前記画分(3)を、ゼオライト含有触媒の存在のもとトランスアルキル化条件下でベンゼンと接触させることによってエチルベンゼンを得るステップを含む、請求項1又は18に記載の方法。
  20. 以下の
    (a)ベンゼンを、エタノール又はエタノールとエチレンとの混合物と、大気圧より高い圧力下、BEA型に属するゼオライトを含有する触媒系の存在のもとで接触させ、
    (b)ステップ(a)からの混合物を分離に供することによって実質的な水相、ベンゼン含有画分(1)、エチルベンゼン含有画分(2)及びポリエチルベンゼン含有画分(3)に分離し、
    (c)前記画分(3)を、ゼオライト含有触媒の存在のもとトランスアルキル化条件下でベンゼンと接触させ、
    (d)ステップ(c)からの生成物をステップ(b)に再循環させ、
    (e)場合によってはステップ(b)からの前記画分(1)をステップ(a)及び/又はステップ(c)に再循環させるステップを含む、請求項1又は19に記載の方法。
  21. スチレンを調製するための請求項1〜20のいずれかに記載の方法であって、
    以下の
    (a)ベンゼンを、エタノール又はエタノールとエチレンとの混合物と、大気圧より高い圧力下、BEA型に属するゼオライトを含有する触媒系の存在のもとで接触させ、
    (b)ステップ(a)からの混合物を分離に供することによって実質的な水相、ベンゼン含有画分(1)、エチルベンゼン含有画分(2)及びポリエチルベンゼン含有画分(3)に分離し、
    (c)場合によっては前記画分(3)を、ゼオライト含有触媒の存在のもとトランスアルキル化条件下でベンゼンと接触させ、
    (d)場合によってはステップ(c)からの生成物をステップ(b)に再循環させ、
    (e)場合によってはステップ(b)からの前記画分(1)をステップ(a)及び/又はステップ(c)に再循環させ、
    (f)ステップ(b)で得られた前記エチルベンゼン含有画分(2)を脱水素に供することによってスチレンを得るステップを含む方法。
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