JP2013258266A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体装置内で電源電圧の電圧降下が異なる場合にも、MOSトランジスタの動作特性のばらつきを抑制することが可能な半導体装置を提供すること。
【解決手段】半導体装置1は、バックゲートバイアス回路10、配線W1、W2、W3、シンク電流源20、および抵抗配線R1、R2、R3を備える。バックゲートバイアス回路10は、PMOSトランジスタのバックゲート領域をバイアスする。配線W1、W2、W3は、バックゲート領域の小区画間を接続する配線であって互いに独立して配置される。配線W1、W2、W3は、最外周側から順に間隔を空けて同心状に配線W1、W2、W3の順で配線され、それぞれ電源電圧の電圧降下が互いに異なる配線領域に属するバックゲート領域に接続される。最外周側に配線されている配線W1には、バックゲートバイアス回路から出力されるバックゲートバイアス電圧Vb1が供給されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置に関し、特にMOSトランジスタを有する半導体装置に係り、半導体装置内の電源電圧の電圧降下に対応してMOSトランジスタの特性を確保する半導体装置に関する。
半導体装置において、半導体のプロセスに起因して生じるプロセスばらつきを低減する技術として、MOSトランジスタの基板電位を調整するABB(Adaptive Body Bias)技術が知られている。基板電位を調整することで、MOSトランジスタのしきい値電圧は調整され、MOSトランジスタの特性を調整することにより、プロセスばらつきに伴うMOSトランジスタの特性のばらつきを緩和することができる。
上記のABB技術をプロセスばらつきにとどまらず、動作状態に応じたMISトランジスタの動作特性の確保に利用した技術が例示されている(特許文献1など)。MISトランジスタの基板部と基板バイアス発生回路との間に介設される抵抗体を備え、MISトランジスタの動作時、非動作時で抵抗体両端の電位が変化することにより、自己調整的に基板バイアスが変化する技術である。
また、ABB技術を閾値電圧のばらつきの補償に利用する一例として、半導体集積回路において、電気的に分離された複数のウエル領域に製造された複数のMOSトランジスタについて実測された閾値電圧における製造ばらつきに基づいて、複数のウエル領域のそれぞれに基板バイアスを与え、MOSトランジスタの閾値電圧を規定の閾値電圧へ適合させる技術が知られている(特許文献2など)。
特開平7-183469 特開2005−136322
特許文献1などに記載されている技術は、MISトランジスタの動作時と非動作時との各々で動作特性を確保するために基板バイアスを変化させる技術が開示されているに過ぎない。半導体装置の内部において、MISトランジスタの配置位置に起因する素子間のばらつきに対応して基板バイアスを調整し、閾値電圧などを調整することに関しては何ら記載がない。
また、特許文献2などに記載されている技術は、実測された複数のMOSトランジスタの閾値電圧における製造ばらつきに基づいて、MOSトランジスタの閾値電圧を調整する技術であるに過ぎない。MOSトランジスタの閾値電圧を調整するには、各々のウエル領域に製造された複数のMOSトランジスタの閾値電圧を実測することが前提である。閾値電圧の実測をすることなく基板バイアスを調整する技術については何ら開示されていない。
つまり、上記特許文献1、2に記載の背景技術は何れも、半導体装置内の配置位置によってMOSトランジスタの電源電圧の電圧降下の大きさが異なり、それによって配置位置に依存してMOSトランジスタの動作特性が異なってしまうといった課題については、何ら解決策を提供するものではない。
本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、半導体装置内で複数のMOSトランジスタの配置位置の違いに応じて電源電圧の電圧降下が異なる場合にも、MOSトランジスタの動作特性のばらつきを抑制することが可能な半導体装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願に開示の半導体装置は、複数のMOSトランジスタを搭載する半導体装置であって、バックゲートバイアス回路と、金属配線とを備える。バックゲートバイアス回路は、複数のMOSトランジスタのバックゲート領域をバイアスする。金属配線は、複数あって、バックゲート領域の小区画間を接続する配線であって互いに独立して配置される。複数の金属配線は、複数のMOSトランジスタに給電される電源電圧の電圧降下が互いに異なる領域にそれぞれ配置されてなる。複数の金属配線のうちバックゲートバイアス回路の配置位置に最も近い金属配線は、バックゲートバイアス回路に接続されてなる。
本願に開示の技術が提供する半導体装置では、複数のMOSトランジスタに供給される電源電圧の電圧降下が半導体装置内でそれぞれのMOSトランジスタの配置位置に応じて異なる場合であっても、半導体装置内での配置位置に拘わらずMOSトランジスタの動作特性のばらつきを抑制することが可能となる。
実施形態に係る半導体装置のレイアウトの概略図 実施形態に係る半導体装置のバックバイアス領域と配線W1、W2、W3との関係を示すレイアウトを拡大して示す概略図 実施形態に係る半導体装置の図1、2の等価回路図 実施形態に係る半導体装置内のバックゲートバイアス電圧の分布を示す概略図
本願の実施形態における、半導体装置1は、MOSトランジスタ等の電源電圧を印加することにより動作する各種機能素子(不図示)を搭載した半導体チップである。各種機能素子に電源電圧を印加する電源線(不図示)には、抵抗成分があり、電流が流れることで、抵抗成分と配線長に応じた大きさの電源電圧の電圧降下が生じる。実施形態において、消費電流の分布が半導体装置1の面内で均一とし、電源線が半導体装置1内を格子状に配線され、電源電圧が印加される外周部は互いに接続される。この場合において、半導体チップ内の中央部が、電源電圧が印加される外周部から最も離れるため、最も電源電圧の電圧降下の最も大きい領域となる。したがって、半導体装置1内において、半導体チップの外周側が、電源電圧の電圧降下が小さく、中央部に近づくほど電源電圧の電圧降下が大きくなる。
半導体装置1内において、半導体装置1の外周側から中央部に近づくほど電源電圧の電圧降下が大きくなることで、外周側から中央部に近づくほどMOSトランジスタとの動作特性が悪くなる。なぜならば、MOSトランジスタごとに電源電圧に対する閾値電圧の大きさが異なるためである。製造プロセスやバイアス条件によりMOSトランジスタの閾値電圧は半導体装置1内で一意に定められ一定である。一方で、電源電圧は半導体装置1内の位置によって電圧値が異なるからである。これにより、外周側に配置される半導体装置1内でのMOSトランジスタと、中央部に配置されるMOSトランジスタとの動作特性にばらつきが生じる。
MOSトランジスタのバックゲート端子に、ソース端子とは異なる電圧のバックゲートバイアス電圧を印加することによりMOSトランジスタの閾値電圧が調整される効果は、バックゲートバイアス効果として知られている。このバックゲートバイアス効果を利用して閾値電圧を調整することで電源電圧に対する閾値電圧の関係を電源電圧の電圧降下に応じて、閾値を低くすることができ、MOSトランジスタの動作特性を調整することができる。本実施形態では、外周側と中央部側に配置されるMOSトランジスタとで生じる動作特性のばらつきを抑制する半導体装置1について説明をする。
バックゲートバイアス効果とは、PMOSトランジスタの場合には、PMOSトランジスタのバックゲート端子にバックゲートバイアス電圧として電源電圧より高い電圧が印加されると、バックゲート端子にソース端子と同電圧である電源電圧が印加される状態に比べて閾値電圧が大きくなる。この場合、閾値電圧は、バックゲート電圧が正電圧で大きいほど高く調整され小さいほど低く調整される。同様に、NMOSトランジスタの場合には、NMOSトランジスタのバックゲート端子にバックゲートバイアス電圧として電源電圧とは逆極性の負電圧が印加されるとバックゲート端子にソース端子と同電圧である接地電圧が印加される状態に比べて閾値電圧が大きくなる。この場合、閾値電圧は、バックゲート電圧が負電圧で大きいほど高く調整され小さいほど低く調整される。
図1は、実施形態に係る半導体装置1のレイアウトの概略図を示す。半導体装置1に配置されているMOSトランジスタのうちPMOSトランジスタ(不図示)を例にとり、PMOSトランジスタのバックゲート端子にバックゲートバイアス電圧を供給するための構成について説明する。
半導体装置1は、バックゲートバイアス回路10、配線W1、W2、W3、シンク電流源20、および抵抗配線R1、R2、R3を備える。半導体装置1は、MOSトランジスタ等の各種機能素子(不図示)を搭載した半導体チップであって、電源電圧を印加することにより動作する。半導体装置1に搭載されるPMOSトランジスタの動作には、駆動に必要な電源電圧以外に、PMOSトランジスタのバックゲート端子にバックゲートバイアス電圧が印加される。PMOSトランジスタの閾値電圧を調整するためである。
バックゲートバイアス回路10は、半導体装置1の周辺部に配置され、図1において電源電圧より高電圧のバックゲートバイアス電圧Vb1を出力する。シンク電流源20は、接地電圧に電流を引き込む電流源であり、半導体装置1の中央部に配置される。
配線W1、W2、W3は、半導体装置1内を周回するメタル配線層であって、図1において、最外周側から順に間隔を空けて同心状に配線W1、W2、W3の順で配線される。配線W1、W2、W3は、図示しないコンタクト層を介して、それぞれの配線領域に属するバックゲート領域に接続される。最外周側に配線されている配線W1には、バックゲートバイアス回路から出力されるバックゲートバイアス電圧Vb1が供給されている。配線W1、W2、W3は、半導体装置1内の電源電圧の電圧降下に対応する間隔で配線される。
抵抗配線R1、R2、R3は、ポリシリコン等の抵抗素子であって、各配線W1、W2、W3間、および配線W3とシンク電流源20との間に接続される。抵抗配線R1は配線W1、W2の間に、抵抗配線R2は配線W2、W3の間に、抵抗配線R3は配線W3、シンク電流源20の間にそれぞれ接続される。これにより、バックゲートバイアス回路10からシンク電流源20に向かって電流が流れる。この電流が抵抗配線R1、R2、R3を流れることにより、配線W2、W3には、バックゲートバイアス電圧Vb1から電圧降下された電圧が印加される。最外周側に配置される配線W1にはバックゲートバイアス回路10が接続されるため、配線W1にはバックゲートバイアス電圧Vb1が印加される。配線W2、W3には、バックゲートバイアス電圧Vb1より順次低電圧の電圧Vb2、電圧Vb3が、それぞれ印加される。なお、配線W1、W2、W3からバックゲート領域に流れる電流は電源電圧から供給されるMOSトランジスタの動作電流と比較して小さな電流であるため、配線W1、W2、W3の線幅は、電源線(不図示)と比較して線細に形成することが可能である。
図2は、半導体装置1に配置されているPMOSトランジスタのバックゲート領域であるNウェル領域と、配線W1、W2、W3とを拡大して示すレイアウトの概略図を示す。Nウェル領域WN1a、WN1b、WN2a、WN2b、WN3a、WN3bは、STI(Shallow Trench Isolation)等により分離されて形成される構成を示す。ウェル領域は相互に絶縁される場合である。
配線W1は、図示しないコンタクト層Cを介して、Nウェル領域WN1a、WN1bに接続される。同様にして、配線W2はNウェル領域WN2a、WN2bに接続され、配線W3はNウェル領域WN3a、WN3bに接続される。これにより、Nウェル領域WN1a、WN1bに形成されるPMOSトランジスタTP1a、TP1bのバックゲート端子B1a、B1bは、Nウェル領域WN1a、WN1bを介して配線W1に接続される。これにより、PMOSトランジスタTP1a、TP1bのバックゲート領域であるNウェル領域WN1a、WN1bには、バックゲートバイアス電圧Vb1が印加される。同様に、Nウェル領域WN2a、WN2bに形成されるPMOSトランジスタTP2a、TP2bのバックゲート端子B2a、B2bは、Nウェル領域WN2a、WN2bを介して配線W2に接続される。これにより、PMOSトランジスタTP2a、TP2bのバックゲート領域であるNウェル領域WN2a、WN2bには、バックゲートバイアス電圧Vb1より低電圧である電圧Vb2が印加される。更に同様に、Nウェル領域WN3a、WN3bに形成されるPMOSトランジスタTP3a、TP3bのバックゲート端子B3a、B3bは、Nウェル領域WN3a、WN3bを介して配線W3に接続される。これにより、PMOSトランジスタTP3a、TP3bのバックゲート領域であるNウェル領域WN3a、WN3bには、電圧Vb2より低電圧である電圧Vb3が印加される。
図3は、実施形態に係る半導体装置1の図1、2の等価回路図であり、半導体装置1の備えるバックゲートバイアス回路10、シンク電流源20、抵抗配線R1、R2、R3、およびPMOSトランジスタTP1a、TP2a、TP3aの接続関係を示す。尚、図2においては、PMOSトランジスタTP1a、TP2a、TP3aの他に、PMOSトランジスタTP1b、TP2b、TP3bが記載されているが、以下の説明においては、PMOSトランジスタTP1a、TP2a、TP3aについてのみ記載する。PMOSトランジスタTP1b、TP2b、TP3bについても同様の構成および作用効果を奏することは言うまでもない。
バックゲートバイアス回路10と抵抗配線R1間のノードN1は、図1、2における配線W1に相当し、ノードN1には、配線W1と同様に、バックゲートバイアス電圧Vb1が印加される。これにより、ノードN1に接続されるPMOSトランジスタTP1aの基板端子Bに1は、バックゲートバイアス電圧Vb1が印加される。同様に、抵抗配線R1、R2間のノードN2は、図1、2における配線W2に相当する。これにより、ノードN2に接続されるPMOSトランジスタTP2aの基板端子B2は、電圧Vb2が印加される。同様に、抵抗配線R2、R3間のノードN3は、図1、2における配線W3に相当する。これにより、ノードN3に接続されるPMOSトランジスタTP3aの基板端子B3は、電圧Vb3が印加される。
図4は、半導体装置1内のバックゲートバイアス電圧の分布領域を示す概略図である。Nウェル領域は、印加されるバックゲートバイアス電圧が同電圧である領域ごとに、領域Ab1、Ab2、Ab3に区分される。領域Ab1に配置されるNウェル領域は、配線W1に接続され、バックゲートバイアス電圧Vb1が印加される。領域Ab2に配置されるNウェル領域は、配線W2に接続され、電圧Vb2が印加される。領域Ab3に配置されるNウェル領域は、配線W3に接続され、電圧Vb3が印加される。この電圧の分布は、半導体装置1内の電源電圧の電圧降下に対応できるように設定される。領域Ab1、Ab2、Ab3の区分は、PMOSトランジスタのばらつきを許容できる範囲に基づいて定められる。
例えば、半導体装置1の最外周側であってバックゲートバイアス電圧Vb1が印加される領域から内側の領域において、電源電圧が降圧してPMOSトランジスタの動作特性が許容できる範囲を超える領域に属する領域Ab2のNウェル領域には、バックゲートバイアス電圧Vb1より低電圧である電圧Vb2が印加される。これにより、領域Ab2に配置されるPMOSトランジスタのバックゲート端子に電圧Vb2が印加されると、PMOSトランジスタは、バックゲートバイアス電圧Vb1が印加される状態に比べて閾値電圧が低くなる。よって、電源電圧の降圧に応じて閾値電圧が低くなり領域Ab2に配置されるPMOSトランジスタにおいても、許容できる動作特性の範囲に収めることが可能となる。
同様に、半導体装置1の電圧Vb2が印加される領域から内側である中央部の領域において、電源電圧が降圧してPMOSトランジスタの動作特性が許容できる範囲を超える領域に属する領域Ab3のNウェル領域には、電圧Vb2より低電圧である電圧Vb3が印加される。これにより、領域Ab3に配置されるPMOSトランジスタのバックゲート端子に電圧Vb3が印加されると、PMOSトランジスタは、電圧Vb2が印加される状態に比べて閾値電圧が低くなる。よって、電源電圧の降圧に応じて閾値電圧が低くなり領域Ab3に配置されるPMOSトランジスタにおいても、許容できる動作特性の範囲に収めることが可能となる。
半導体装置1内で、半導体チップの外周側が、電源電圧の電圧降下が小さく、中央部に近づくほど電源電圧の電圧降下が大きくなることで、中央部に近い領域ほど電源電圧に対して相対的に閾値電圧が高い状態となり、PMOSトランジスタの動作特性が低下する。この場合において、半導体装置1内には、電源電圧の電圧降下に対応する間隔で、最外周側から配線W1、W2、W3が配線される。最外周側に配置される配線W1にはバックゲートバイアス回路10が接続されるため、配線W1にはバックゲートバイアス電圧Vb1が印加される。配線W2、W3には、バックゲートバイアス電圧Vb1より順次低電圧の電圧Vb2、電圧Vb3が、それぞれ印加される。最外周側の領域Ab1では、配線W1からバックゲートバイアス電圧Vb1、中央部の領域Ab3では、配線W3から電圧Vb3、最外周側の領域と中央部の領域の中間領域である領域Ab2では、配線W2から電圧Vb2が、それぞれの領域のNウェル領域に印加される。Nウェル領域を介してPMOSトランジスタの基板端子に、電源電圧の電圧降下に応じた電圧を印加することで、電源電圧が降下した領域に配置されるPMOSトランジスタにおいても閾値電圧を低くすることで、許容できる動作特性の範囲に収めることが可能となる。
また、半導体装置1に配置されているMOSトランジスタのうち不図示のNMOSトランジスタにおいて、半導体チップの外周側が、電源電圧の電圧降下が小さく、中央部に近づくほど電源電圧の電圧降下が大きくなり、中央部に近い領域ほど、配置されるNMOSトランジスタの動作特性が低下する。この場合には、NMOSトランジスタが配置されるPウェル領域用のバックゲートバイアス回路は、半導体装置1の周辺部に配置され、接地電圧より低電圧のバックゲートバイアス電圧を出力する。Pウェル領域用のバックゲートバイアス回路とは、例えば、チャージポンプなどの接地電圧より低い電圧を発生させる回路である。この場合、接地電圧に電流を引き込むソース電流源が半導体装置1の中央部に配置される。半導体装置1内を周回するメタル配線層は、図1の場合と同様に、最外周側から順に間隔を空けて同心状に複数段階に分けられて配線される。抵抗配線は、図1の場合と同様に、各配線間、および配線とソース電流源との間に接続される。ソース電流源からバックゲートバイアス回路に向かって電流が流れることで、各配線には、バックゲートバイアス電圧から抵抗配線に流れる電流による電圧降下分だけ高電圧が印加される。
配線は、コンタクト層を介して、Pウェル領域に接続される。これにより、Pウェル領域に形成されるNMOSトランジスタのバックゲート端子は、Pウェル領域を介して配線に接続される。各配線に接続されるPウェル領域ごとに、印加されるバックゲートバイアス電圧の電圧値が異なる。半導体装置1の最外周側の領域から内周側の領域において、電源電圧の電圧降下によりNMOSトランジスタの動作特性が許容できる範囲を超えるPウェル領域ごとに、より高電圧のバックゲートバイアス電圧が印加される。
これにより、最外周側の領域より、電源電圧の電圧降下している領域に配置されるNMOSトランジスタのバックゲート端子にバックゲートバイアス電圧より高電圧が印加されると、NMOSトランジスタは、バックゲートバイアス電圧が印加される状態に比べて閾値電圧が低くなる。よって、Pウェル領域を介してNMOSトランジスタの基板端子に、抵抗配線により分圧されてより高電圧とされた電圧を電源電圧の電圧降下に応じて印加することで、電源電圧の電圧降下が異なる領域に配置されるNMOSトランジスタにおいても、PMOSトランジスタの場合と同様に、許容できる動作特性の範囲に収めることが可能となる。
以上、詳細に説明したように、本発明の実施形態によれば半導体装置1内で、Nウェル領域を介してPMOSトランジスタの基板端子に、バックゲートバイアス電圧Vb1より順次低電圧の電圧Vb2、電圧Vb3を、電源電圧の電圧降下に応じて印加する。これにより、電源電圧の電圧降下の大きい領域に配置されるPMOSトランジスタにおいて、許容できる動作特性の範囲に収めることができ、PMOSトランジスタの動作特性のばらつきを抑制することが可能となる。
また、半導体装置1に配置されているMOSトランジスタのうち図示しないNMOSトランジスタにおいても、Pウェル領域を介してNMOSトランジスタの基板端子に、電源電圧の電圧降下に応じて、高い電圧を印加することで、電源電圧の電圧降下の大きい領域に配置されるNMOSトランジスタにおいても、PMOSトランジスタの場合と同様に、許容できる動作特性の範囲に収めることでき、NMOSトランジスタの動作特性のばらつきを抑制することが可能となる。
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、本願の実施形態において、半導体チップ内の中央部が、最も電源電圧の電圧降下の最も大きい領域としたが、それ以外の領域が最も電圧降下が大きい領域である場合にも、本願発明は適用することができる。シンク電流源20は、半導体装置1の中央部でなくとも、最も電圧降下が大きい領域に配置することで、半導体装置内の位置に応じてバックゲートバイアス電圧を調整して閾値電圧を調整することができる。これにより、位置に依存せずMOSトランジスタの動作特性を所定の許容範囲に収めることができる。
また、バックゲートバイアス回路10は、半導体装置1に1つとは限られない、複数個用意しても構わない。例えば、4つ用意する場合において、半導体装置1の四隅に配置することにより、配線W1に均一なバックゲートバイアス電圧を印加することができる。
また、抵抗配線の抵抗値は、固定値に限定されるものではない。各抵抗の抵抗値を調整することで、任意のバイアス電圧を各ウェル領域に印加することもできる。
また、バックゲートバイアス回路10を持たず、配線W1と接続される外部端子を介してバックゲートバイアス電圧を供給することもできる。
また、配線は、ウェル領域の小区画間を接続するものであれば、半導体装置1内を周回する形状に限定されるものでない。例えば、周回する形状であっても、複数に分割されてもよい。さらに、分割された配線同士抵抗で接続されてもよい。
これらにより、印加されるバックゲートバイアス電圧の区分領域は、例えば、格子状など同心状以外の形状にすることができる。さらに、配線同士に接続される抵抗配線の抵抗値を調整することにより、バックゲートバイアス電圧の領域を任意の形状に調整することができる。
また、各配線W1、W2、W3間、および配線W3とシンク電流源20との間に接続される抵抗成分は、抵抗配線R1、R2、R3に限定されない。例えば、半導体装置内で単一のウェル領域を有する構成とすれば、ウェル領域における抵抗成分を利用することもできる。
また、シンク電流源20は、バックゲートバイアス回路10からの電流を引き込めば、接地電圧に引き込むことに限定されない。同様に、ソース電流源は、Pウェル領域用のバックゲートバイアス回路へ電流を供給できれば電源電圧に接続されるものに限られない。
また、バックゲートバイアス回路10の発生させる電圧は、電源電圧より高電圧に限られない。シンク電流源20が電流を引き込めれば、電源電圧より低い電圧でも構わない。同様に、Pウェル領域用のバックゲートバイアス回路の発生させる電圧は、接地電圧より低い電圧に限られない。
ここで、配線W1、W2、W3は、金属配線の一例である。
1 半導体装置
10 バックゲートバイアス回路
20 シンク電流源
W1、W2、W3 配線
R1、R2、R3 抵抗配線

Claims (4)

  1. 複数のMOSトランジスタを搭載する半導体装置において、
    前記複数のMOSトランジスタのバックゲート領域をバイアスするバックゲートバイアス回路と、
    前記バックゲート領域の小区画間を接続する配線であって互いに独立して配置される複数の金属配線とを備え、
    前記複数の金属配線は、前記複数のMOSトランジスタに給電される電源電圧の電圧降下が互いに異なる領域にそれぞれ配置されてなり、
    前記複数の金属配線のうち前記バックゲートバイアス回路の配置位置に最も近い金属配線は、前記バックゲートバイアス回路に接続されてなることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記バックゲートバイアス回路は、
    前記電源電圧の電圧降下が前記半導体装置内の他の領域よりも小さい領域に配置されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記複数の金属配線の各々の間を接続する抵抗配線を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記電源電圧の電圧降下が前記半導体装置内の他の領域よりも大きい領域に最も近い前記複数の金属配線のうちの一つに接続される電流源を備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の半導体装置。
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