JP2013258138A - 導電粒子、異方性導電接着剤フィルム及び接続構造体 - Google Patents

導電粒子、異方性導電接着剤フィルム及び接続構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】粒子径が小さい母粒子を用いた場合であっても絶縁性と導通性を両立することが可能な導電粒子、並びにこれを用いて得られる異方性導電接着剤フィルム及び接続構造体を提供すること。
【解決手段】プラスチック核体、及び該プラスチック核体の表面を被覆し少なくともニッケル/リン合金層を有するめっき層を有する母粒子と、該母粒子の表面を被覆する絶縁性子粒子と、を備える導電粒子であって、上記母粒子の粒子径は2.0μm以上3.0μm以下であり、上記母粒子の飽和磁化は45emu/cm以下であり、上記絶縁性子粒子の粒子径は、180nm以上500nm以下である、導電粒子。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電粒子、異方性導電接着剤フィルム及び接続構造体に関する。
従来、回路部材同士又はICチップ若しくは電子部品と回路部材とを電気的に接続する際には、接着剤又は導電粒子を分散させた異方性導電接着剤が用いられていた。このような接続形態は液晶分野において発展が顕著である。液晶表示用ガラスパネルに液晶駆動用ICを実装する方式は、COG(Chip−on−Glass)実装とCOF(Chip−on−Flex)実装の2種類に大別することができる。COG実装では、導電粒子を含む異方性導電接着剤を用いて液晶用ICが直接ガラスパネル上に接合される。一方、COF実装では、金属配線を有するフレキシブルテープに液晶駆動用ICが接合され、導電粒子を含む異方性導電接着剤を用いてそれらがガラスパネルに接合される。ここでいう異方性導電とは、加圧方向の回路電極同士は電気的に導通し、非加圧方向の回路電極同士は電気的に絶縁することを意味する。導電粒子には、プラスチック粒子の外側にニッケルめっき、ニッケルめっきと金めっき、及びニッケルめっきとパラジウムめっきを施した粒子等が用いられる。近年は導通性を改善するために、ニッケルめっき表面に突起を有する導電粒子もある。突起を形成する方法としては、特許文献1に開示されるように、芯材としてニッケル粒子を用いてその上にニッケルめっきを施す方法が知られている。また、特許文献2に開示されるように、めっきの異常析出を利用して粒子表面に粗化形状を形成する方法が知られている。
近年の液晶表示の高精細化に伴い、液晶駆動用ICの回路電極である金バンプは狭ピッチ化及び狭面積化してきた。そのため、異方性導電接着剤の導電粒子が隣接する回路電極間に流出してショートを発生させるといった問題があり、特にCOG実装ではその傾向が顕著であった。一方、隣接する回路電極間に導電粒子が流出すると、金バンプとガラスパネルとの間に捕捉される異方性導電接着剤中の導電粒子数が減少し、対向する回路電極間の接続抵抗が上昇し、接続不良を起こすといった問題があった。特に近年は金バンプの狭ピッチ化及び狭面積化に伴って、単位面積あたり2万個/mm以上の導電粒子を投入するため、その傾向が顕著であった。
そこで、これらの問題を解決する方法として、異方性導電接着剤の少なくとも片面に絶縁性の接着剤を形成することで、COG実装又はCOF実装における接合品質の低下を防ぐ方法(特許文献3)、及び、導電粒子の全表面を絶縁性の膜で被覆する方法(特許文献4)がある。
特開2007−324138号公報 特開2000−243132号公報 特開平8−279371号公報 特許第2794009号公報
しかしながら、異方性導電接着剤の片面に絶縁性の接着剤を形成する方法において、バンプ面積が3000μm未満である場合には、安定した接続抵抗を得るために導電粒子を増やすことがあり、隣り合う回路電極間の絶縁性について未だ改良の余地があった。さらに、導電粒子の全表面を絶縁性の膜で被覆する方法で得られる回路部材では、非加圧方向の回路電極間の絶縁性は高いものの、加圧方向の回路電極間の導電性が低くなりやすいといった問題があった。
また、バンプ面積が小さい場合、異方性導電接着剤中の導電粒子を増やしているにもかかわらず、圧着時の樹脂流動により導電粒子がバンプ上に十分に残りにくい問題があった。このような問題から、異方性導電接着剤を圧着する際に、導電粒子の移動を抑制にすることが導通及び絶縁の双方の面から重要であった。
絶縁性の子粒子を母粒子表面に被覆させて得られる導電粒子を用いた回路部材では、初期絶縁性と導通性のバランスが良好である。ただし、上記絶縁性の子粒子は、磁性を有するニッケル等の金属粒子と相性が悪く、母粒子の粒子径が3μmより小さくなると急速に母粒子の磁性凝集が促進される傾向があることがわかった。また、特に、近年は金バンプの狭ピッチ化に対応するため、導電粒子の小径化と絶縁性子粒子の大径化が必要となる傾向があり、これらの傾向に伴い、絶縁性の子粒子が母粒子表面に吸着することが難しくなる問題が出てきた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、粒子径が小さい母粒子を用いた場合であっても絶縁性と導通性を両立することが可能な導電粒子、並びにこれを用いて得られる異方性導電接着剤フィルム及び接続構造体を提供することを目的とする。
本発明は、プラスチック核体、及び該プラスチック核体の表面を被覆し少なくともニッケル/リン合金層を有するめっき層を有する母粒子と、該母粒子の表面を被覆する絶縁性子粒子と、を備える導電粒子であって、上記母粒子の粒子径は2.0μm以上3.0μm以下であり、上記母粒子の飽和磁化は45emu/cm以下であり、上記絶縁性子粒子の粒子径は、180nm以上500nm以下である、導電粒子を提供する。
このような導電粒子を用いた回路部材は、粒子径が小さい母粒子を用いた場合であっても優れた絶縁性及び導通性を有する。
上記母粒子は表面に突起を有していてもよく、該突起の高さは上記絶縁性子粒子の粒子径よりも小さくてもよい。
上記突起は、芯材を付着させた上記プラスチック核体の表面が上記めっき層で被覆されることにより形成されていてもよく、上記芯材は非磁性体であってもよい。
上記芯材が非磁性体であることにより、母粒子の磁性凝集が低減され、絶縁性子粒子を母粒子にさらに均一に被覆させることが可能となる。
上記ニッケル/リン合金層のリン含有率は、1.0質量%以上10.0質量%以下であってもよい。
このような導電粒子を用いることにより、回路部材はより優れた導通性を有し、また母粒子の凝集を抑制し、絶縁性子粒子の母粒子表面への被覆ばらつき(C.V.)を小さくすることが可能となる。
上記絶縁性子粒子の被覆率は20〜50%の範囲であってもよく、被覆ばらつき(C.V.)は0.3以下であってもよい。
上記絶縁性子粒子は、重量平均分子量が1000以上であるポリマー又はオリゴマーからなる層を有していてもよい。
絶縁性子粒子が上記ポリマー又はオリゴマーで被覆されることにより、母粒子を絶縁性子粒子で被覆する際に、分散媒中の母粒子の分散性を向上させることができる。
上記母粒子は、重量平均分子量が1000以上のポリマー又はオリゴマーからなる層をさらに有していてもよい。また、上記絶縁性子粒子の粒子径は、200nm以上400nm以下であってもよい。
本発明はまた、上記導電粒子を接着剤中に分散させた異方性導電接着剤フィルムを提供する。
本発明はまた、第一の回路基板の主面上に第一の回路電極が形成された第一の回路部材と、第二の回路基板の主面上に第二の回路電極が形成された第二の回路部材と、上記第一の回路基板の主面と上記第二の回路基板の主面との間に設けられ、上記第一の回路電極と上記第二の回路電極とを対向配置させた状態で上記第一及び第二の回路部材同士を接続する回路接続部材と、を備える回路部材の接続構造体であって、上記回路接続部材は、上記異方性導電接着剤フィルムの硬化物からなり、対向する上記第一の回路電極と上記第二の回路電極とが扁平した導電粒子を介して電気的に接続されている、回路部材の接続構造体を提供する。
本発明によれば、粒子径が小さい母粒子を用いた場合であっても、該母粒子上に絶縁性子粒子を均一に被覆することができ、絶縁性と導通性に優れた導電粒子、並びにこれを用いて得られる異方性導電接着剤フィルム及び接続構造体を提供できる。
図1は、本発明の一実施形態の導電粒子を示す模式断面図である。 図2(a)は、本発明の一実施形態の導電粒子を含む異方性導電接着剤の模式断面図であり、図2(b)は、図2(a)の本発明の一実施形態の導電粒子を備える導電粒子含有層の拡大断面図である。 図3(a)及び図3(b)は、異方性導電接着剤を用いた接続構造体の製造方法を説明するための模式断面図である。
以下、図面を参照しながら、好適な実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面は理解を容易にするため一部を誇張して描いており、寸法比率は説明のものとは必ずしも一致しない。
(導電粒子)
図1は、本実施形態の導電粒子を示す模式断面図である。本実施形態における導電粒子30は、母粒子2と該母粒子2の表面を被覆する絶縁性子粒子1とを備える。
(母粒子)
図1において、上記母粒子2は、プラスチック核体21、及び該プラスチック核体21の表面を被覆し少なくともニッケル/リン合金層を有するめっき層22を備える。母粒子2の粒子径は非加圧方向に隣り合う回路電極の最小の間隔よりも小さくてもよく、回路電極の高さにばらつきがある場合、母粒子2の粒子径は上記高さのばらつきよりも大きくてもよい。このような観点から、母粒子2の粒子径は、具体的には2.0μm以上3.0μm以下であり、2.2μm以上3.0μm以下であってもよく、2.4μm以上3.0μm以下であってもよく、2.5μm以上3.0μm以下であってもよい。母粒子2の粒子径が2.0μm以上である場合、回路電極の高さのばらつきを吸収できるため、導通信頼性が損なわれない傾向がある。また、母粒子2の粒子径が3.0μm以下である場合、絶縁信頼性が損なわれない傾向がある。
なお、母粒子2の粒子径とは、プラスチック核体21とめっき層22の合計を指すものとし、絶縁性子粒子1や突起23aを含まないものとする。母粒子2の粒子径は走査性電子顕微鏡(SEM)により数千〜数万倍の倍率で100個程度の母粒子2を撮影した後、画像解析により粒子径を測定し、その平均値より導かれるものとする。母粒子2の粒子径の測定には、HITACHI S−4800(日立ハイテク株式会社製)を用いた。
母粒子2は、45emu/cm(4.5×10A/m)以下の飽和磁化を有する。母粒子2の飽和磁化は、30emu/cm以下であってもよく、10emu/cm以下であってもよく、5emu/cm以下であってもよい。3μm以下の粒子径を有する母粒子の飽和磁化が45emu/cm以下であるとき、母粒子の磁性凝集が起こりにくく、これにより後に絶縁性子粒子が均一に被覆されやすくなる傾向がある。母粒子の飽和磁化が低ければ低いほど磁性凝集は起こりにくくなる。母粒子2の飽和磁化の下限値は特に限定されず、例えば、母粒子2の飽和磁化は0.5emu/cm(5.0×10A/m)以上であってもよい。
(プラスチック核体)
本実施形態のプラスチック核体21は、特に限定されないが、ポリメチルメタクリレート、若しくはポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂、又は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、若しくはポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂等からなる。プラスチック核体21の粒子径は2.0〜2.9μmであってもよい。
(めっき層)
めっき層に含まれる導体としては、特に限定されないが、金、銀、銅、白金、亜鉛、鉄、パラジウム、ニッケル、錫、クロム、チタン、アルミニウム、コバルト、ゲルマニウム及びカドミウム等の金属、並びに、ITO(酸化インジウム錫)及びはんだ等の金属化合物が挙げられる。これらの中でも、めっきにより被覆される金属は、耐腐食性の観点から、ニッケル、パラジウム、又は金であってもよい。
上記めっき層22は、単層構造を有していてもよく、複数の層からなる積層構造(複層構造)を有していてもよい。めっき層22が単層構造を有する場合、めっき層22は、コスト、導通性及び耐腐食性の観点から、ニッケル/リン合金層である。めっき層22が複層構造を有する場合、めっき層22は、ニッケル/リン合金層と、該ニッケル/リン合金層とは別の1つ以上の層とを有する。例えば、めっき層22は、ニッケル/リン合金層と、該ニッケル/リン合金層の外側に位置する金及びパラジウム等の貴金属からなる別の層とを有していてもよい。本実施形態において、ニッケル/リン合金層とは、ニッケル及びリンを含む合金層を意味する。
磁性の制御に関しては、ニッケル/リン合金層は、ニッケルとは異なる金属を含んでいてもよい。ニッケル/リン合金層が異種金属、例えばパラジウムのようなイオンマイグレーションの少ない金属を数質量%含むことにより、導通劣化を抑えることができる。
母粒子2は、表面に官能基を有していてもよい。母粒子2が表面に有する官能基は、母粒子2に後述する絶縁性子粒子1を吸着させるために用いられる。上記官能基としては、絶縁性子粒子1が表面に有する官能基、例えば水酸基、又は後述する官能基付きシリコーンオリゴマーの官能基との結合を形成する観点から、水酸基、カルボキシル基、アルコキシル基、及びアルコキシカルボニル基等が挙げられる。母粒子2及び絶縁性子粒子1が表面に有する官能基による結合としては、脱水縮合による共有結合及び水素結合が挙げられる。
母粒子2が、表面に金又はパラジウム層を有する場合、金又はパラジウムに対して配位結合を形成するメルカプト基、スルフィド基、及びジスルフィド基のいずれかを有する化合物で、母粒子2の表面に水酸基、カルボキシル基、アルコキシル基、及びアルコキシカルボニル基等の官能基を形成するとよい。上記化合物としては、例えば、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、メルカプト酢酸メチル、メルカプトコハク酸、チオグリセリン、及びシステイン等が挙げられる。
母粒子2が、表面にニッケル/リン合金層を有する場合、ニッケルに対して強固な結合を形成するシラノール基若しくは水酸基を有する化合物又は窒素化合物で、母粒子2の表面に水酸基、カルボキシル基、アルコキシル基、及びアルコキシカルボニル基等の官能基を形成するとよい。上記化合物としては、例えば、カルボキシベンゾトリアゾール等が挙げられる。
母粒子2の表面を上記化合物で処理する方法としては、特に限定されないが、メタノール又はエタノール等の有機分散媒中にメルカプト酢酸又はカルボキシベンゾトリアゾール等の上記化合物を10〜100mmol/L程度の濃度で分散させ、分散液中に母粒子2を分散させる方法が挙げられる。
めっき層22を形成する方法としては、無電解めっきの他、置換めっき、及び電気めっき等の方法が挙げられるが、簡便性、コスト、及びめっき層22の厚さの制御の観点から無電解めっきであってもよい。
めっき層22の厚さは、特に限定されないが、0.001〜1.0μmの範囲であってもよく、0.005〜0.3μmの範囲であってもよい。めっき層22の厚さが0.001μm以上であると導通不良を抑制する傾向があり、1.0μm以下であるとコストが高くなることを抑制する傾向がある。
母粒子2は、近年のガラス電極の平坦化を考慮すると、表面に突起23aを備えていてもよい。母粒子2が表面に突起23aを備えることにより、加圧方向の回路電極間の導通性が向上する傾向がある。母粒子2の表面に突起23aを形成する方法としては、めっきの異常析出による方法と、芯材を用いる方法が挙げられるが、突起23aの形状が均一に形成される点で、芯材を用いる方法であってもよい。突起の高さHは、30nm〜300nmの範囲であってもよく、50〜200nmの範囲であってもよい。突起23aの高さが300nm以下であると非加圧方向の回路電極間でのショートを抑制し、30nm以上であると母粒子2が表面に突起23aを備えることによる効果が十分得られやすくなる傾向がある。母粒子2は、表面積の5〜60面積%が突起で覆われている、すなわち母粒子2の突起被覆率が5〜60面積%であってもよい。母粒子2の突起被覆率を上記範囲とすることによっても、母粒子の飽和磁化を制御することができる。
母粒子2の表面に突起23aを形成する方法として芯材23を用いる方法を採用する場合、芯材23はプラスチック核体21に対して化学結合により固定される。また、プラスチック核体21に対して固定された芯材23の形状を反映して、母粒子2の表面に突起23aが形成される。芯材23としては、ニッケル等の強磁性材料、並びに、シリカ、架橋樹脂、金及びパラジウム等の非磁性材料が挙げられる。母粒子2の飽和磁化を低減し、絶縁性子粒子を被覆する際に母粒子2の磁性凝集が低減する傾向があることから、芯材23に非磁性材料を用いてもよい。なお、芯材23が強磁性材料(例えばニッケル)であっても、芯材23が強磁性材料に加えてさらに非磁性材料(例えばリン)を含有することにより、母粒子2の飽和磁化を低減することが可能である。めっき層22が有するニッケル/リン合金層は、1.0質量%以上10.0質量%以下のリンを有していてもよい。ここで、ニッケル/リン合金層が有するリンの上記割合(リン含有率)は、芯材23がニッケルである場合には、
(ニッケル/リン合金層が有するリンの割合)=(リンの合計質量)/(リンの合計質量+ニッケルの合計質量)
で表されるものとし、上記「リンの合計質量」及び「ニッケルの合計質量」にはニッケル/リン合金層に加えて芯材23に由来する原子の質量を含めるものとする。
ニッケル/リン合金層のリンの割合が10.0質量%以下であることにより、めっき層22が導電性に優れ、実装時の導通抵抗が低くなる傾向がある。リンの割合が1.0質量%以上である場合、母粒子2の飽和磁化を低下させることができるため、母粒子2の磁性凝集を減少させることが可能であり、絶縁性子粒子1の被覆ばらつきが低下する傾向がある。上記傾向は母粒子2の粒子径が3μm以下になると顕著である。
また、プラスチック核体21は、表面に水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、グリシジル基及びアルコキシカルボニル基から選ばれる官能基を有していてもよい。プラスチック核体21が表面に上記官能基を有することにより、芯材23をプラスチック核体21に固定することができる。例えば、プラスチック核体21を製造する際にアクリル酸を共重合モノマーとして用いることにより、表面にカルボキシル基を有するプラスチック核体21を合成することができる。また、グリシジルメタクリレートを共重合モノマーとして用いることにより、グリシジル基を表面に有するプラスチック核体21を合成することができる。
さらに母粒子2は、プラスチック核体21と芯材23との間に設けられた高分子電解質層をさらに備えていてもよい。この場合、高分子電解質層を介した化学結合により芯材23がプラスチック核体21に吸着する。例えば、プラスチック核体21、高分子電解質層(図示せず)及び芯材23がそれぞれ官能基を有しており、高分子電解質層の官能基が、プラスチック核体21及び芯材23それぞれの官能基と化学結合していてもよい。化学結合には、共有結合、水素結合、及びイオン結合等が含まれる。
水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、グリシジル基及びアルコキシカルボニル基から選ばれる官能基を表面に有する粒子の表面電位(ゼータ電位)は、pHが中性領域であるとき、通常マイナスである。さらに、芯材23の表面電位がマイナスである場合、表面電位がマイナスの粒子の表面を表面電位がマイナスの粒子で十分に被覆することは難しい場合が多いが、これらの間に高分子電解質層を設けることにより、効率的に芯材23をプラスチック核体に吸着させることができる。
高分子電解質層を形成する高分子電解質としては、水溶液中で電離し、電荷を有する官能基を主鎖又は側鎖に持つ高分子が用いられてもよく、ポリカチオンが用いられてもよい。ポリカチオンとしては、一般に、ポリアミン等のように正電荷を帯びることのできる官能基を有するもの、例えば、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリアリルアミン塩酸塩(PAH)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDDA)、ポリビニルピリジン(PVP)、ポリリジン、ポリアクリルアミド及びそれらを少なくとも1種以上を含む共重合体を用いることができる。高分子電解質の中でもポリエチレンイミンは電荷密度が高く、結合力が強い。
高分子電解質層は、エレクトロマイグレーション又は腐食を避けるために、アルカリ金属(Li、Na、K、Rb、及びCs)イオン、アルカリ土類金属(Ca、Sr、Ba、及びRa)イオン、並びにハロゲン化物イオン(フッ素イオン、クロライドイオン、臭素イオン、及びヨウ素イオン)を実質的に含まなくてもよい。
上記高分子電解質は、水溶性であり、水と有機溶媒との混合液に可溶である。高分子電解質の重量平均分子量は、用いる高分子電解質の種類により一概には定めることができないが、一般に、500〜200000程度であってもよい。
高分子電解質の種類又は分子量を調整することにより、芯材23によるプラスチック核体21の被覆率をコントロールすることができる。具体的にはポリエチレンイミン等、電荷密度の高い高分子電解質を用いた場合、芯材23による被覆率が高くなる傾向があり、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド等、電荷密度の低い高分子電解質を用いた場合、芯材23による被覆率が低くなる傾向がある。また、高分子電解質の分子量が大きい場合、芯材23による被覆率が高くなる傾向があり、高分子電解質の分子量が小さい場合、芯材23による被覆率が低くなる傾向がある。
水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、グリシジル基及びアルコキシカルボニル基から選ばれる官能基を表面に有するプラスチック核体21を高分子電解質溶液中に分散することにより、プラスチック核体表面に高分子電解質が吸着して、高分子電解質層を形成させることができる。高分子電解質層が設けられていることにより、主に静電的な引力によって芯材23が吸着される。吸着が進行して電荷が中和されるとそれ以上の吸着が起こらなくなる。したがって、ある飽和点までに至れば、それ以上膜厚が増加することは実質的にない。
高分子電解質層が形成されたプラスチック核体21を高分子電解質溶液から取り出した後、リンスにより余剰の高分子電解質を除去してもよい。リンスは、例えば、水、アルコール、又はアセトンを用いて行われる。比抵抗値が18MΩ・cm以上のイオン交換水(いわゆる超純水)が用いられてもよい。プラスチック核体21に吸着した高分子電解質は、プラスチック核体21表面に化学結合により静電的に吸着しているために、このリンスの工程で剥離することはない。
上記高分子電解質溶液は、高分子電解質を水又は水と水溶性の有機溶媒との混合溶媒に溶解したものである。使用できる水溶性の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、ジメチルホルムアミド及びアセトニトリルが挙げられる。
上記高分子電解質溶液における高分子電解質の濃度は、一般に、0.01〜10質量%程度であってもよい。また、高分子電解質溶液のpHは、特に限定されない。高分子電解質を高濃度で用いた場合、芯材23によるプラスチック核体の被覆率が高くなる傾向があり、高分子電解質を低濃度で用いた場合、芯材23によるプラスチック核体21の被覆率が低くなる傾向がある。
高分子電解質を用いた交互積層により芯材23を被覆する場合、芯材23を高分子電解質が巻きつけることになるので、結合力は飛躍的に向上する。結合力の観点からは重量平均分子量10000以上の高分子電解質を用いてもよい。結合力は重量平均分子量と共に向上するが、重量平均分子量が高すぎるとプラスチック核体21同士が凝集しやすくなる傾向がある。
芯材23は一層のみ被覆されていてもよい。複層積層すると積層量のコントロールが困難になる傾向がある。
芯材23によるプラスチック核体21の被覆率は5〜60面積%であってもよく、25〜60面積%でであってもよい。この場合の被覆率は粒子表面(2次元画像)の中心部(プラスチック核体21の半径を直径とする円)を解析することで、後述の絶縁性子粒子1の被覆率と同様に算出できる。80面積%はほぼ最密充填した場合である。なお、本実施形態における上記被覆率は、粒子のSEM写真の100枚(粒子100個)から求めた被覆率の平均値である。
無電解めっきを行うに際し、芯材23が吸着したプラスチック核体を水に超音波で分散させる。芯材23がプラスチック核体21表面に結合しているため、超音波処理によって芯材23が脱落することが少なく、有利である。共振周波数28〜38kHz及び超音波出力100Wで15分間超音波照射したときの芯材23の脱落率が10%以下であってもよく、3%以下であってもよい。
(絶縁性子粒子)
母粒子2に被覆する絶縁性子粒子1は、有機微粒子(有機粒子)、無機酸化物微粒子(無機酸化物粒子)又は有機無機ハイブリッド粒子であってもよい。有機微粒子は、導通性に優れる。他方、無機酸化物微粒子は、硬く、物理的衝撃に対し安定であり、溶剤に溶けにくい点で優れる。母粒子2に被覆される絶縁性子粒子の例を以下に示す。
有機微粒子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、エポキシ樹脂、並びにポリイミド樹脂等からなる粒子が挙げられる。
無機酸化物微粒子は、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、ニオブ、亜鉛、錫、セリウム、又はマグネシウムの元素を含む酸化物の粒子であってもよく、これらは単独で又は2種類以上を混合して使用することができる。また、絶縁性に優れ、粒子径を制御した水分散コロイダルシリカ(SiO)であってもよい。このような無機酸化物微粒子の市販品としては、例えば、スノーテックス、スノーテックスUP(日産化学工業社製)、及びクオートロンPLシリーズ(扶桑化学工業社製)等が挙げられる。絶縁信頼性の点で、分散溶液中のアルカリ金属イオン及びアルカリ土類金属イオン濃度が100ppm以下であってもよく、また無機酸化物微粒子は金属アルコキシドの加水分解反応、いわゆるゾルゲル法により製造されてもよい。
有機無機ハイブリッド粒子としては、アクリル樹脂と多官能アルコキシシランの共重合で得られる粒子が代表的である。アルコキシシランの割合を増やせばより無機粒子の特性を示し、アクリル樹脂の割合を増やせばより有機粒子の特性を示す。合成方法は分散重合や沈殿重合に代表される。
絶縁性子粒子1は、外側に水酸基、シラノール基及びカルボキシル基といった母粒子2の表面の官能基、又は後述する高分子電解質との反応性が良好な官能基を有していてもよい。
絶縁性子粒子1の、BET法による比表面積換算法又はX線小角散乱法で測定された粒子径は、180nm以上500nm以下であり、200nmから480nmであってもよく、200nmから400nmであってもよく、250nmから400nmであってもよい。絶縁性子粒子1の粒子径が200nm以上である場合、導電粒子30に吸着された絶縁性子粒子が絶縁膜として作用し、ショートの発生を抑制する傾向がある。一方、絶縁性子粒子1の粒子径が500nm以下である場合、接続の加圧方向の十分な導電性が得られる傾向がある。
絶縁性子粒子1の粒子径は上述の突起23aの高さHよりも大きくてもよい。
絶縁性子粒子1を母粒子2に被覆する方法としては、表面に官能基を有する母粒子2に、表面に官能基を有する絶縁性子粒子1を吸着させる方法等が挙げられる。
水酸基、カルボキシル基、アルコキシル基、及びアルコキシカルボニル基等の官能基を有する母粒子2の表面電位(ゼータ電位)は、通常(pHが中性領域であれば)マイナスである。一方で、水酸基等の官能基を有する絶縁性子粒子1の表面電位も通常マイナスである。表面電位がマイナスの粒子の周囲に表面電位がマイナスの粒子を被覆するのは難しい。
このような場合、絶縁性子粒子1を母粒子2に被覆する方法は、ポリマー又はオリゴマーと絶縁性子粒子1を交互に積層する方法であってもよく、高分子電解質と絶縁性子粒子1を交互に積層する方法であってもよい。上記被覆方法は、(1)表面に官能基を有する母粒子2を、高分子電解質溶液に分散し、母粒子2の表面に高分子電解質を吸着させた後、リンスする工程、(2)母粒子2を絶縁性子粒子1の分散溶液に分散し、母粒子2の表面に絶縁性子粒子1を吸着させた後、リンスする工程を有する。図2(b)に示されるように、上記被覆方法によれば、表面に高分子電解質と絶縁性子粒子1との積層による絶縁被覆層3が形成された微粒子を製造できる。
このような方法は、交互積層法(Layer−by−Layer assembly)と呼ばれる。交互積層法は、G.Decherらによって1992年に発表された有機薄膜を形成する方法である(Thin Solid Films, 210/211, p831(1992))。この方法では、正電荷を有するポリマー電解質(ポリカチオン)と負電荷を有するポリマー電解質(ポリアニオン)の水溶液に、基材を交互に浸漬することで基材上に静電的引力によって吸着したポリカチオンとポリアニオンの組が積層して複合膜(交互積層膜)が得られるものである。
交互積層法では、静電的な引力によって、基材上に形成された材料の電荷と、溶液中の反対電荷を有する材料が引き合うことにより膜成長するので、吸着が進行して電荷の中和が起こるとそれ以上の吸着が起こらなくなる。したがって、ある飽和点までに至れば、それ以上膜厚が増加することはない。Lvovらは交互積層法を、微粒子に応用し、シリカ、チタニア、及びセリアの各微粒子分散液を用いて、微粒子の表面電荷と反対電荷を有する高分子電解質を交互積層法で積層する方法を報告している(Langmuir、Vol.13(1997)、p.6195−6203)。この方法を用いると、負の表面電荷を有する絶縁性子粒子とその反対電荷を持つポリカチオンであるポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(PDDA)又はポリエチレンイミン(PEI)等とを交互に積層することで、絶縁性子粒子と高分子電解質が交互に積層された微粒子積層薄膜を形成することが可能である。
母粒子を高分子電解質溶液或いは絶縁性子粒子の分散液に浸漬後、反対電荷を有する絶縁性子粒子分散液或いは高分子電解質溶液に浸漬する前に、溶媒のみのリンスによって余剰の高分子電解質溶液或いは絶縁性子粒子分散液を洗い流してもよい。このようなリンスに用いるものとしては、水、アルコール、及びアセトン等がある。
高分子電解質溶液は、高分子電解質を水又は有機溶媒の混合溶媒に溶解したものである。使用できる水溶性の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、及びアセトニトリル等が挙げられる。
高分子電解質は、水溶液中で電離し、電荷を有する官能基を主鎖又は側鎖に持つ高分子であってもよく、ポリカチオンであってもよい。また、ポリカチオンとしては、一般に、ポリアミン類等のように正電荷を帯びる(正電荷を有する)ことのできる官能基を有するもの、例えば、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリアリルアミン塩酸塩(PAH)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDDA)、ポリビニルピリジン(PVP)、ポリリジン、ポリアクリルアミド及びそれらを少なくとも1種以上を含む共重合体等を用いることができる。
高分子電解質の中でもポリエチレンイミンは電荷密度が高く、結合力が強い。これらの高分子電解質の中でも、エレクトロマイグレーションや腐食を避けるために、アルカリ金属(Li、Na、K、Rb、及びCs)イオン、アルカリ土類金属(Ca、Sr、Ba、及びRa)イオン、及びハロゲン化物イオン(フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、及びヨウ化物イオン)を含まなくてもよい。
これらの高分子電解質は、いずれも水に可溶或いはアルコール等の有機溶媒に可溶なものであり、高分子電解質の重量平均分子量は、用いる高分子電解質の種類により一概には定められないが、一般に、1000以上であってもよく、1000〜200000程度であってもよい。重量平均分子量が1000以上であると、高分子電解質溶液中の母粒子2の分散性が十分となる傾向があり、母粒子2の粒子径が3.0μm以下であっても、凝集の顕在化を抑制する傾向がある。なお、溶液中の高分子電解質の濃度は、一般に、0.01〜10質量%程度であってもよい。また、高分子電解質溶液のpHは、特に限定されない。
このようにして得られる高分子電解質薄膜を用いることにより、高分子電解質を母粒子2の表面に欠陥なく均一に被覆することができ、非加圧方向の回路電極間隔が狭ピッチでも絶縁性が確保され、電気的に接続する加圧方向の回路電極間では接続抵抗が低く良好となる。
母粒子2の粒子径が小さい場合、母粒子2の磁性凝集が大きくなり、母粒子2の表面に絶縁性子粒子1を吸着させるのが困難になる。その場合、母粒子2の表面に重量平均分子量1000以上のポリマーが配置されていると、絶縁性子粒子分散液中の母粒子2の分散を促し、絶縁性子粒子1の母粒子2の表面への吸着が容易になる傾向がある。
また、高分子電解質の種類、分子量、又は濃度を調整することにより、母粒子2の表面に高分子電解質の被覆後にさらに被覆される絶縁性子粒子1の被覆率を制御することができる。
具体的にはポリエチレンイミン等、電荷密度の高い高分子電解質薄膜を用いた場合、絶縁性子粒子1の被覆率が高くなる傾向があり、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド等、電荷密度の低い高分子電解質薄膜を用いた場合、絶縁性子粒子1の被覆率が低くなる傾向がある。また、高分子電解質の分子量が大きい場合、絶縁性子粒子1の被覆率が高くなる傾向があり、高分子電解質の分子量が小さい場合、絶縁性子粒子1の被覆率が低くなる傾向がある。さらに高分子電解質溶液を高濃度で用いた場合、絶縁性子粒子1の被覆率が高くなる傾向があり、高分子電解質溶液を低濃度で用いた場合、絶縁性子粒子1の被覆率が低くなる傾向がある。
絶縁性子粒子1の表面は重量平均分子量500以上のポリマー又はオリゴマーで被覆されていてもよく、上記重量平均分子量は1000以上であってもよく、1000〜10000であってもよく、1000〜4000であってもよい。絶縁性子粒子1の表面は重量平均分子量1000〜4000の官能基付きシリコーンオリゴマーで被覆されていてもよい。ポリマー又はオリゴマーは官能基を有していてもよい。官能基としては、母粒子の表面の官能基又は上述の高分子電解質と反応することが可能な基であってもよく、具体的にはグリシジル基、カルボキシル基又はイソシアネート基であってもよく、グリシジル基であってもよい。
このように、化学反応性のポリマー又はオリゴマーを有する粒子同士を結合させることで、従来にはない強固な結合が得られる上、母粒子2の小径化又は絶縁性子粒子1の大径化に対応できる。
絶縁性子粒子1の被覆率は10面積%〜50面積%の範囲であってもよく、20〜50面積%の範囲であってもよい。絶縁性子粒子1の被覆率が高い場合は、絶縁性が高く導電性が低い傾向があり、絶縁性子粒子1の被覆率が低い場合は、導電性が高く絶縁性が低い傾向がある。なお、ここでいう被覆率は、母粒子2の表面における中心部(プラスチック核体21の半径を直径とする円)の全表面積をW(母粒子の粒子径から算出した突起を含まない面積)、粒子の中心部(プラスチック核体21の半径を直径とする円)の画像解析により絶縁性子粒子1で被覆されていると分析された部分の表面積をPとしたときに、P/W×100(面積%)で表される。なお、本実施形態における上記被覆されていると分析された部分の表面積Pは、粒子のSEM写真100枚から求めた表面積の平均値である。
また、絶縁性子粒子1の被覆ばらつき(C.V.)は0.3以下の範囲であってもよい。絶縁性子粒子1の被覆ばらつき(C.V.)が0.3以下であるとき、絶縁性が向上する傾向がある。なお、ここでいう被覆ばらつき(C.V.)は、粒子の中心部(プラスチック核体21の半径を直径とする円)の画像解析に基づいて算出された上記被覆率の標準偏差をS、平均値をMとしたときに、S/M×100(%)で表される。なお、本実施形態における上記被覆率の標準偏差S及び平均値Mは、粒子のSEM写真100枚から求めたものである。
母粒子2は絶縁性子粒子1一層でのみ被覆されているのがよい。複層積層すると積層量のコントロールが困難になることがある。
このようにして得られた導電粒子30、すなわち絶縁性子粒子1が被覆された母粒子2を加熱乾燥することで絶縁性子粒子1と母粒子2との結合を強化することができる。結合力が増す理由としては、官能基同士の化学結合が挙げられる。加熱乾燥の温度は60〜200℃であってもよく、加熱時間は10〜180分の範囲であってもよい。加熱温度が60℃以上である場合又は加熱時間が10分以上である場合は、母粒子2からの絶縁性子粒子1の剥離が抑制される傾向があり、加熱温度が200℃以下である場合又は加熱時間が180分以下である場合は、導電粒子30の変形が抑制される傾向がある。
導電粒子30の表面は、さらにシリコーンオリゴマー処理がなされていてもよい。導電粒子30の表面がシリコーンオリゴマー処理されることにより、導電粒子30の絶縁信頼性がさらに向上する傾向がある。ここで用いるシリコーンオリゴマーは、メチル基又はフェニル基等の疎水性の官能基を有し、重量平均分子量が500〜5000程度のものを用いるとよい。
(異方性導電接着剤)
以上のようにして作製した導電粒子30を、接着剤31に分散させることにより、導電粒子含有層32が得られる。異方性導電接着剤40は、導電粒子含有層32のみからなっていてもよく、上記導電粒子含有層32の一方の面上に形成された導電粒子非含有層33をさらに備えた2層構造であってもよく、図2(a)に示すように、上記導電粒子含有層32の他方の面上に形成された導電粒子非含有層34をさらに備えた3層構造であってもよい。また、図2(a)の拡大断面図である図2(b)に示すように、導電粒子30は母粒子2と該母粒子2表面に絶縁性子粒子1によって形成される絶縁被覆層3とを備える。
異方性導電接着剤40に用いられる接着剤31には、熱反応性樹脂と硬化剤の混合物が用いられる。接着剤としては、エポキシ樹脂と潜在性硬化剤との混合物が用いられてもよい。潜在性硬化剤としては、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、スルホニウム塩、アミンイミド、ポリアミンの塩、及びジシアンジアミド等が挙げられる。この他、接着剤には、ラジカル反応性樹脂と有機過酸化物の混合物又は紫外線等のエネルギー線硬化性樹脂が用いられうる。
エポキシ樹脂としては、エピクロルヒドリンと、ビスフェノールA、ビスフェノールF、又はビスフェノールAD等とから誘導されるビスフェノール型エポキシ樹脂;エピクロルヒドリンと、フェノールノボラック又はクレゾールノボラックとから誘導されるエポキシノボラック樹脂;ナフタレン環を含む骨格を有するナフタレン系エポキシ樹脂;グリシジルアミン、グリシジルエーテル、ビフェニル、又は脂環式等の1分子内に2個以上のグリシジル基を有する各種のエポキシ化合物;等を単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることが可能である。
これらのエポキシ樹脂は、エレクトロマイグレーション防止のために、不純物イオン(Na、Cl等)又は加水分解性塩素等を300ppm以下に低減した高純度品であってもよい。
接着剤31には接着後の応力を低減するため、或いは接着性を向上するために、ブタジエンゴム、アクリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、又はシリコーンゴム等を混合することができる。また、異方性導電接着剤40としてはペースト状(異方性導電接着剤ペースト)又はフィルム状(異方性導電接着剤フィルム)のものが用いられる。接着剤31は、フィルム状にするために、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、及びポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂(フィルム形成性高分子)を含んでいてもよい。これらのフィルム形成性高分子は、熱反応性樹脂の硬化時の応力緩和にも効果がある。接着性が向上するため、フィルム形成性高分子は水酸基等の官能基を有していてもよい。
フィルム形成は、例えば、エポキシ樹脂等の熱反応性樹脂、アクリルゴム等のフィルム形成性高分子、及び潜在性硬化剤からなる接着組成物を有機溶剤に溶解或いは分散することにより、液状化して、上記液状の接着剤組成物を剥離性基材上に塗布し、硬化剤の活性温度以下で溶剤を除去することにより行われる。この時用いられる溶剤は、材料の溶解性を向上させるため、芳香族炭化水素系と含酸素系の混合溶剤であってもよい。
異方性導電接着剤フィルムの厚みは導電粒子30の粒子径及び異方性導電接着剤40の特性を考慮して相対的に決定されるが、この場合導電粒子含有層32と導電粒子非含有層33の2層構成であってもよい。導電粒子非含有層33を金属バンプ側に配置し、導電粒子含有層32をガラス側に配置することで導電粒子30が高効率で金属バンプ側に捕捉されるようになる。したがって、導電粒子含有層32は薄くてもよく、導電粒子非含有層33は導電粒子含有層32よりも厚くて流動性が高くてもよい。具体的には導電粒子含有層32の厚みは3〜15μmの範囲であり、導電粒子非含有層33の厚みは7〜20μmの範囲であり、導電粒子含有層32の厚みが異方性導電接着剤フィルム全体の厚みの50質量%以下であってもよい。
また、ガラス基板又はITO等との接着性を強化する意味で、厚み4μm以下の導電粒子非含有層34をガラス電極側にさらに配置した3層構成であってもよい。この導電粒子非含有層34は流動性が高くてもよい。
図2(b)に示すように、導電粒子含有層32において、導電粒子30と表面が疎水性の無機酸化物粒子35が接着剤31中に分散されていてもよい。導電粒子含有層32において、導電粒子30と表面が疎水性の無機酸化物粒子35が接着剤31中に分散されていることにより、導電粒子30の流動が無機酸化物粒子35により抑えられ、導電粒子30が金属バンプ42、及びITO又はIZO電極44上に捕捉されやすくなるため、加圧方向に高い導通性が得られる傾向がある。
この異方性導電接着剤40を用いた接続構造体50の作製方法の一例を、図3(a)及び(b)を用いて説明する。
接続構造体50の作製方法は、図3(a)に示すように、第一の回路基板(ICチップ)41上の第一の回路電極(金属バンプ)42と、第二の回路基板(ガラス基板)43上の第二の回路電極(ITO(Indium Tin Oxide)又はIZO(Indium Zinc Oxide)電極)44を、異方性導電接着剤40を介して電気的に接続する工程を備える。図3(a)において、異方性導電接着剤40は導電粒子非含有層33と導電粒子含有層32と導電粒子非含有層34とがこの順に積層された3層構成である。このとき、ICチップとガラス基板は、金属バンプ42とガラス43上の回路電極44とが対向するように配置される。次に、図3(a)及び(b)に示すように、ICチップとガラス基板を加圧加熱して、これらを異方性導電接着剤40を介して積層する。得られた接続構造体50は、第一の回路基板41の主面上に第一の回路電極42が形成された第一の回路部材と、第二の回路基板43の主面上に第二の回路電極44が形成された第二の回路部材と、第一の回路基板41の主面と第二の回路基板43の主面との間に設けられ、第一の回路電極42と第二の回路電極44とを対向配置させた状態で第一及び第二の回路部材同士を接続する回路接続部材40aと、を備える。加熱加圧を通して、異方性導電接着剤40中の接着剤31は溶融変形した後、硬化する。また、異方性導電接着剤40中の導電粒子30は押しつぶされ、扁平した導電粒子となる。上記回路接続部材40aは異方性導電接着剤40の硬化物からなり、例えば異方性導電接着剤40が3層構成である場合には、導電粒子非含有層33の硬化物33aと導電粒子含有層32の硬化物32aと導電粒子非含有層34の硬化物34aとからなる。対向する第一の回路電極41と第二の回路電極43とは扁平した導電粒子を介して電気的に接続されている。
このようにして接続構造体50を作製すると、無機酸化物粒子35により導電粒子の流動が抑えられ、導電粒子が金属バンプ42上に捕捉されやすくなるため、加圧方向に高い導通性が得られる。金属バンプ42、及びITO又はIZO電極44に対しては、無機酸化物粒子35の含有量の低い導電粒子非含有層34が接触するため、埋め込み性と接着性を維持することができる。加圧方向の回路電極間における導電粒子30の捕捉率向上により、非加圧方向の回路電極間に流れる導電粒子の割合が低減するため、非加圧方向の回路電極間の絶縁性が向上する。導電粒子30表面に存在する絶縁被覆層3の被覆率を下げても絶縁性が確保されやすくなる。絶縁被覆層3の被覆率を下げることでさらに加圧方向の回路電極間の導通性が向上する。
(1)母粒子1の作製
架橋度を調整したジビニルベンゼンとアクリル酸の共重合体からなる平均粒子径2.6μmのプラスチック核体10gを準備した。このプラスチック核体はその表面にカルボキシル基を有する。プラスチック核体の硬さ(200℃において粒子直径が20%変位したときの圧縮弾性率、20%K値)は280kgf/mmであった。
分子量70000の30質量%ポリエチレンイミン水溶液(和光純薬社製)を、超純水で0.3質量%まで希釈した。この0.3質量%ポリエチレンイミン水溶液300mLに上記プラスチック核体10gを加え、室温で15分攪拌した。孔径φ3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いた濾過によりプラスチック核体を取り出し、取り出されたプラスチック核体を超純水300gに入れ、室温で5分攪拌した。次いで孔径φ3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いた濾過によりプラスチック核体を取り出した。メンブレンフィルタ上のプラスチック核体を200gの超純水で2回洗浄し、吸着していないポリエチレンイミンを除去して、ポリエチレンイミンが吸着したプラスチック核体を得た。
平均粒子径100nmのコロイダルシリカ分散液を超純水で希釈して、0.33質量%シリカ粒子分散液(シリカ総量:1g)を得た。そこにポリエチレンイミンが吸着した上記プラスチック核体を入れ、室温で15分攪拌した。その後孔径φ3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いた濾過によりプラスチック核体を取り出した。濾液からシリカは抽出されなかったことから、実質的にすべてのシリカ粒子がプラスチック核体に吸着したことが確認された。シリカ粒子が吸着したプラスチック核体を超純水200gに入れて室温で5分攪拌した。その後、孔径φ3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いた濾過によりプラスチック核体を取り出し、メンブレンフィルタ上のプラスチック核体を200gの超純水で2回洗浄した。洗浄後のプラスチック核体を80℃で30分、120℃で1時間の順に加熱することにより乾燥して、表面にシリカ粒子が吸着したプラスチック核体(複合粒子)を得た。
上記複合粒子を1g分取し、共振周波数28kHz、出力100Wの超音波を15分間照射した後、パラジウム触媒であるアトテックネオガント834(アトテックジャパン株式会社製:商品名)を8質量%含有するパラジウム触媒化液100mLに添加して、超音波を照射しながら30℃で30分攪拌した。その後、孔径φ3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いた濾過により複合粒子を取り出し、取り出された複合粒子を水洗した。水洗後の複合粒子を、pH6.0に調整された0.5質量%ジメチルアミンボラン液に添加し、表面が活性化された複合粒子を得た。
この表面が活性化された複合粒子を蒸留水に浸漬し、超音波分散して、懸濁液を得た。この懸濁液を50℃で攪拌しながら、硫酸ニッケル6水和物50g/L、次亜リン酸ナトリウム一水和物20g/L、ジメチルアミンボラン2.5g/L及びクエン酸50g/Lを混合し、pHを5.0に調整した無電解めっき液Aを徐々に添加し、複合粒子上に無電解ニッケル/リン合金層を形成させた。ニッケル/リン合金層はリンを約7質量%含有していた。サンプリングと原子吸光によって、ニッケルの膜厚を測定し、ニッケルめっき層の膜厚が750Åになった時点で無電解めっき液Aの添加を中止した。濾過後、100mLの純水を用いた洗浄を60秒行い、表面に突起を有し、めっき層としてニッケル/リン合金層を有する母粒子1を得た。母粒子1の表面の突起の高さをSEMで観測したところ、プラスチック核体に吸着したシリカ粒子の粒径とほぼ同じ100nmであった。突起の被覆率をSEM像の画像解析により測定した結果、約40面積%であった。また、母粒子1の単位体積あたりの飽和磁化を以下の要領で求めた。飽和磁化の測定には、振動試料型磁力計(VSM:Vibrating Sample Magnetometer、理研電子製BHV−525)を用いた。また、事前に標準試料(ニッケル)を用いて、磁力計の校正を行った。母粒子1を専用容器に秤量し、サンプルホルダーに取り付けた。サンプルホルダーを磁力計本体に取り付け、温度20℃(定温)、最大印加磁界2万Oe(1.6MA/m)、速度3分/loopの条件下での測定により、磁化曲線を得た。得られた磁化曲線から飽和磁化(emu)を求めた。一方、比重計(島津製作所製Accupyc1330)を用いて、母粒子1の比重を測定した。母粒子1の飽和磁化、飽和磁化の測定に用いた母粒子1の質量、及び母粒子1の比重から、母粒子1の単位体積あたりの飽和磁化を算出したところ、0.5emu/cmであった。
(2)母粒子2の作製
平均粒子径100nmのコロイダルシリカ分散液の代わりに平均粒子径100nmのニッケル微粒子分散液を用い、投入量を変更した以外は母粒子1と同様にして、突起(芯材ニッケル)を有する母粒子2を作製した。突起の高さ及び被覆率をSEM像の画像解析により測定した結果、突起の高さは100nmであり突起の被覆率は約40面積%であり、単位体積あたりの飽和磁化を測定したところ、44.5emu/cmであった。
(3)母粒子3の作製
平均粒子径2.6μmのプラスチック核体の代わりに平均粒子径2.8μmのプラスチック核体を用いた以外は母粒子2と同様に突起(芯材ニッケル)を有する母粒子3を作製した。突起の高さ及び被覆率をSEM像の画像解析により測定した結果、突起の高さは100nmであり突起の被覆率は約40面積%であった。また、母粒子3の単位体積あたりの飽和磁化を測定したところ、44.3emu/cmであった。
(4)母粒子4の作製
平均粒子径2.6μmのプラスチック核体の代わりに平均粒子径2.3μmのプラスチック核体を用いた以外は母粒子2と同様に突起(芯材ニッケル)を有する母粒子4を作製した。突起の高さ及び被覆率をSEM像の画像解析により測定した結果、突起の高さは100nmであり突起の被覆率は約40面積%であった。また、母粒子4の単位体積あたりの飽和磁化を測定したところ、44.7emu/cmであった。
(5)母粒子5の作製
平均粒子径2.6μmのプラスチック核体の代わりに平均粒子径2.1μmのプラスチック核体を用いた以外は母粒子2と同様に突起(芯材ニッケル)を有する母粒子5を作製した。突起の高さ及び被覆率をSEM像の画像解析により測定した結果、突起の高さは100nmであり突起の被覆率は約40面積%であった。また、母粒子5の単位体積あたりの飽和磁化を測定したところ、44.8emu/cmであった。
(6)母粒子6の作製
平均粒子径2.6μmのプラスチック核体の代わりに平均粒子径1.8μmのプラスチック核体を用いた以外は母粒子2と同様に突起(芯材ニッケル)を有する母粒子6を作製した。突起の高さ及び被覆率をSEM像の画像解析により測定した結果、突起の高さは100nmであり突起の被覆率は約40面積%であった。また、母粒子6の単位体積あたりの飽和磁化を測定したところ、44.9emu/cmであった。
(7)母粒子7の作製
平均粒子径2.6μmのプラスチック核体の代わりに平均粒子径3.0μmのプラスチック核体を用いた以外は母粒子2と同様に突起(芯材ニッケル)を有する母粒子7を作製した。突起の高さ及び被覆率をSEM像の画像解析により測定した結果、突起の高さは100nmであり突起の被覆率は約40面積%であった。また、母粒子7の単位体積あたりの飽和磁化を測定したところ、44.5emu/cmであった。
(8)母粒子8の作製
平均粒子径100nmのニッケル微粒子分散液の投入量を変更したこと以外は母粒子2と同様に突起(芯材ニッケル)を有する母粒子8を作製した。突起の高さ及び被覆率をSEM像の画像解析により測定した結果、突起の高さは100nmであり突起の被覆率は約44.5面積%であった。また、母粒子8の単位体積あたりの飽和磁化を測定したところ、49.5emu/cmであった。
(9)母粒子9の作製
平均粒子径100nmのニッケル微粒子分散液の投入量を変更したこと以外は母粒子2と同様に突起(芯材ニッケル)を有する母粒子9を作製した。突起の高さ及び被覆率をSEM像の画像解析により測定した結果、突起の高さは100nmであり突起の被覆率は約27.3面積%であった。また、母粒子9の単位体積あたりの飽和磁化を測定したところ、29.8emu/cmであった。
(10)母粒子10の作製
平均粒子径100nmのニッケル微粒子分散液の投入量を変更したこと以外は母粒子2と同様に突起(芯材ニッケル)を有する母粒子10を作製した。突起の高さ及び被覆率をSEM像の画像解析により測定した結果、突起の高さは100nmであり突起の被覆率は約9.1面積%であった。また、母粒子10の単位体積あたりの飽和磁化を測定したところ、9.9emu/cmであった。
(シリコーンオリゴマー1の作製)
メタノール10gにトリエトキシフェニルシラン50gを配合して溶液を調製した。これを攪拌しながら、蒸留水6gと酢酸0.5gの溶液を添加し、80℃で一定時間加熱して加水分解、重縮合反応を行った。一旦、0℃に冷却した後、テトラエトキシシラン6gを滴下して室温で2時間攪拌して、シロキサン骨格中にフェニル基を含有し、末端が3官能性のシリコーンオリゴマーを得た。得られたシリコーンオリゴマーの重量平均分子量は1100であった。得られたシリコーンオリゴマー溶液にメタノールを加えて、固形分20質量%の処理液を作製した。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー法(GPC)により、標準ポリスチレンによる検量線を用いて測定されたものであり、測定条件は次のとおりである。
<GPC条件>
使用機器:日立L−6000型〔(株)日立製作所〕
カラム :ゲルパックGL−R420+ゲルパックGL−R430+ゲルパックGL−R440(計3本)〔いずれも日立化成工業(株)製商品名〕
溶離液 :テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量 :1.75mL/分
検出器 :L−3300RI〔(株)日立製作所〕
(シリコーンオリゴマー2の作製)
攪拌装置、コンデンサー及び温度計を備えたガラスフラスコに、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン118gとメタノール5.9gを配合した溶液に、活性白土5g及び蒸留水4.8gを添加し、75℃で一定時間攪拌し、重量平均分子量1300のシリコーンオリゴマーを得た。得られたシリコーンオリゴマーは、水酸基と反応する末端官能基としてメトキシ基又はシラノール基を有するものである。得られたシリコーンオリゴマー溶液にメタノールを加えて、固形分20質量%の処理液を作製した。
(絶縁性子粒子1の作製)
3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(73.13質量%)、アクリル酸メチル(5.42質量%)、メタクリル酸(19.5質量%)、及びアゾビスイソブチロニトリル(1.95質量%)の組成で微粒子を作製した。500mLフラスコに上記各化合物を(濃度を調整して)一括して仕込み、溶媒としてアセトニトリル350gを加え、窒素(100mL/分)にて1時間溶存酸素を置換した後、溶存酸素計(飯島電子工業DoメーターB506)を用いて溶存酸素量を測定したところ、0.07mg/mLであった。その後、攪拌機を用い、ウォーターバス温度80℃で、約6時間加熱攪拌をして、有機無機ハイブリッド粒子分散液を得た。次に、得られた分散液中の粒子を遠心分離機により沈降させ、上澄みを除いた後、再度アセトニトリルを添加し、粒子を再分散させた。その後、粒子硬化触媒としてアンモニア水溶液(28質量%)を1.76g(粒子の仕込みカルボキシル基量に対して等モル)添加し、粒子を架橋させた。続いて、再度遠心分離にて粒子を沈降させ、上澄みを除いた後メタノールに粒子を再分散させた。得られた有機無機ハイブリッド粒子を絶縁性子粒子1とした。絶縁性子粒子1の平均粒子径をSEMで測定したところ、300nmであった。
(絶縁性子粒子2の作製)
粒子作製時の化合物の濃度を変更した(組成は同一)以外は、絶縁性子粒子1と同様の方法で、平均粒子径180nmの絶縁性子粒子2を作製した。
(絶縁性子粒子3の作製)
粒子作製時の化合物の濃度を変更した(組成は同一)以外は、絶縁性子粒子1と同様の方法で、平均粒子径220nmの絶縁性子粒子3を作製した。
(絶縁性子粒子4の作製)
粒子作製時の化合物の濃度を変更した(組成は同一)以外は、絶縁性子粒子1と同様の方法で、平均粒子径480nmの絶縁性子粒子4を作製した。
(絶縁性子粒子5の作製)
粒子作製時の化合物の濃度を変更した(組成は同一)以外は、絶縁性子粒子1と同様の方法で、平均粒子径550nmの絶縁性子粒子5を作製した。
(導電粒子1)
メルカプト酢酸8mmolをメタノール200mLに溶解させて反応液を作製した。次に母粒子1を10g上記反応液に加え、室温で2時間スリーワンモーターと直径45mmの攪拌羽で攪拌した。メタノールで洗浄後、孔径φ3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)で母粒子1を濾過することで表面にカルボキシル基を有する母粒子1 10gを得た。
次に分子量70000の30質量%ポリエチレンイミン水溶液(和光純薬社製)を超純水で希釈し、0.3質量%ポリエチレンイミン水溶液を得た。上記カルボキシル基を有する母粒子1 10gを0.3質量%ポリエチレンイミン水溶液に加え、室温で15分攪拌した。次に孔径φ3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)で母粒子1を濾過し、超純水200gに入れて室温で5分攪拌した。さらに孔径φ3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)で母粒子1を濾過した。上記メンブレンフィルタ上にて200gの超純水で2回洗浄を行い、吸着していないポリエチレンイミンを除去することで、表面にアミノ基含有ポリマーを有する母粒子1を作製した。
次に、シリコーンオリゴマー2を絶縁性子粒子1上に被覆させ、表面にグリシジル基含有オリゴマーを有する絶縁性子粒子1のメタノール分散媒を作製した。
次にポリエチレンイミンで処理した母粒子1をイソプロピルアルコールに浸漬し、表面にグリシジル基含有オリゴマーを有する絶縁性子粒子1のメタノール分散媒を滴下することで、絶縁性子粒子の被覆率が30面積%の導電粒子を作製した。被覆率は滴下量で調整した。次にシリコーンオリゴマー1で得られた導電粒子全体を処理し、洗浄を行い、表面の疎水化を行った。その後80℃30分の条件で乾燥を行い、120℃1時間加熱乾燥行うことで導電粒子1を作製した。
(導電粒子2)
母粒子1の代わりに母粒子2を用いたこと以外は、導電粒子1と同様の方法で導電粒子2を作製した。絶縁性子粒子の被覆率は30面積%であった。
(導電粒子3)
母粒子1の代わりに母粒子3を用いたこと以外は、導電粒子1と同様の方法で導電粒子3を作製した。絶縁性子粒子の被覆率は30面積%であった。
(導電粒子4)
母粒子1の代わりに母粒子4を用いたこと以外は、導電粒子1と同様の方法で導電粒子4を作製した。絶縁性子粒子の被覆率は30面積%であった。
(導電粒子5)
母粒子1の代わりに母粒子5を用いたこと以外は、導電粒子1と同様の方法で導電粒子5を作製した。絶縁性子粒子の被覆率は30面積%であった。
(導電粒子6)
母粒子1の代わりに母粒子6を用いたこと以外は、導電粒子1と同様の方法で導電粒子6を作製した。絶縁性子粒子の被覆率は30面積%であった。
(導電粒子7)
母粒子1の代わりに母粒子7を用いたこと以外は、導電粒子1と同様の方法で導電粒子7を作製した。絶縁性子粒子の被覆率は30面積%であった。
(導電粒子8)
母粒子1の代わりに母粒子8を用いたこと以外は、導電粒子1と同様の方法で導電粒子8を作製した。絶縁性子粒子の被覆率は30面積%であった。
(導電粒子9)
母粒子1の代わりに母粒子9を用いたこと以外は、導電粒子1と同様の方法で導電粒子9を作製した。絶縁性子粒子の被覆率は30面積%であった。
(導電粒子10)
母粒子1の代わりに母粒子10を用いたこと以外は、導電粒子1と同様の方法で導電粒子10を作製した。絶縁性子粒子の被覆率は30面積%であった。
(導電粒子11)
絶縁性子粒子1の代わりに絶縁性子粒子2を用いたこと以外は、導電粒子2と同様の方法で導電粒子11を作製した。絶縁性子粒子の被覆率は30面積%であった。
(導電粒子12)
絶縁性子粒子1の代わりに絶縁性子粒子3を用いたこと以外は、導電粒子2と同様の方法で導電粒子12を作製した。絶縁性子粒子の被覆率は30面積%であった。
(導電粒子13)
絶縁性子粒子1の代わりに絶縁性子粒子4を用いたこと以外は、導電粒子2と同様の方法で導電粒子13を作製した。絶縁性子粒子の被覆率は30面積%であった。
(導電粒子14)
絶縁性子粒子1の代わりに絶縁性子粒子5を用いたこと以外は、導電粒子2と同様の方法で導電粒子14を作製した。絶縁性子粒子の被覆率は30面積%であった。
(実施例1)
フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製商品名、PKHC)100gと、アクリルゴム(ブチルアクリレート40部、エチルアクリレート30部、アクリロニトリル30部、及びグリシジルメタクリレート3部の共重合体、分子量:85万)75gを酢酸エチルとトルエンを重量比で1:1に混合した溶媒300gに溶解し、30質量%溶液を得た。次いで、マイクロカプセル型潜在性硬化剤を含有する液状エポキシ(エボキシ当量185、旭化成エポキシ株式会社製、ノバキュアHX−3941)300gと液状エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製、YL980)400gを上記溶液に加え、撹拌することにより、接着剤溶液1を作製した。
次に、接着剤固形分に対しシリカ固形分が5質量%となるように粒子径14nmシリカ(R202、日本アエロジル社製)を溶剤分散したシリカスラリーを接着剤溶液1に加えた。
導電粒子1を、酢酸エチルとトルエンを質量比で1:1に混合した溶媒10g中に超音波分散した。超音波分散は、38kHz、400W、20L(試験装置:US107藤本科学商品名)の超音波槽にて1分間行った。
上記分散液を接着剤溶液1に分散し、接着剤溶液2を作製した。この接着剤溶液2をセパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフイルム、厚み40μm)にロールコータで塗布し、90℃、10分乾燥し、厚さ10μmの異方性導電接着剤フィルムAを作製した。この異方性導電接着剤フィルムは単位面積あたり10万個/mmの粒子を含有していた。
また、接着剤溶液1をセパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフイルム、厚み40μm)にロールコータで塗布し、90℃、10分乾燥し、厚さ3μmの異方性導電接着剤フィルムBを作製した。
さらに、接着剤溶液1をセパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフイルム、厚み40μm)にロールコータで塗布し、90℃、10分乾燥し、厚さ10μmの異方性導電接着剤フィルムCを作製した。
次に、異方性導電接着剤フィルムB、異方性導電接着剤フィルムA、及び異方性導電接着剤フィルムCを、この順番にラミネートし、3層からなる異方性導電接着剤フィルムDを作製した。
次に、作製した異方性導電接着剤フィルムDを用いて、金バンプ(面積:30×90μm、スペース8μm、高さ:15μm、バンブ数362)付きチップ(1.7×1.7mm、厚み:0.5μm)と回路付きガラス基板(厚み:0.7mm)の接続を、以下に示すように行った。
異方性導電接着剤フィルムDを回路付きガラス基板に80℃、0.98MPa(10kgf/cm)で貼り付けた後、セパレータを剥離し、金バンプ付きチップのバンプと回路付きガラス基板の回路電極との位置合わせを行った。次いで、190℃、40g/バンプ、及び10秒の条件でチップ上方から加熱、及び加圧を行い、本接続を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例2)
導電粒子1の代わりに導電粒子2を用いた以外は、実施例1と同様の方法で接続構造体を作製した。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
導電粒子1の代わりに導電粒子3を用いた以外は、実施例1と同様の方法で接続構造体を作製した。評価結果を表1に示す。
(実施例7)
導電粒子1の代わりに導電粒子4を用いた以外は、実施例1と同様の方法で接続構造体を作製した。評価結果を表1に示す。
(実施例8)
導電粒子1の代わりに導電粒子5を用いた以外は、実施例1と同様の方法で接続構造体を作製した。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
導電粒子1の代わりに導電粒子6を用いた以外は、実施例1と同様の方法で接続構造体を作製した。評価結果を表1に示す。
(比較例4)
導電粒子1の代わりに導電粒子7を用いた以外は、実施例1と同様の方法で接続構造体を作製した。評価結果を表1に示す。
(比較例5)
導電粒子1の代わりに導電粒子8を用いた以外は、実施例1と同様の方法で接続構造体を作製した。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
導電粒子1の代わりに導電粒子9を用いた以外は、実施例1と同様の方法で接続構造体を作製した。評価結果を表1に示す。
(実施例5)
導電粒子1の代わりに導電粒子10を用いた以外は、実施例1と同様の方法で接続構造体を作製した。評価結果を表1に示す。
(実施例9)
導電粒子1の代わりに導電粒子11を用いた以外は、実施例1と同様の方法で接続構造体を作製した。評価結果を表1に示す。
(実施例6)
導電粒子1の代わりに導電粒子12を用いた以外は、実施例1と同様の方法で接続構造体を作製した。評価結果を表1に示す。
(実施例10)
導電粒子1の代わりに導電粒子13を用いた以外は、実施例1と同様の方法で接続構造体を作製した。評価結果を表1に示す。
(比較例8)
導電粒子1の代わりに導電粒子14を用いた以外は、実施例1と同様の方法で接続構造体を作製した。評価結果を表1に示す。
(絶縁抵抗試験及び導通抵抗試験)
実施例1〜10及び比較例3〜5及び8で作製した接続構造体に対し、絶縁抵抗試験及び導通抵抗試験を行った。異方性導電接着フィルムは非加圧方向のチップ電極(バンプ)間の絶縁抵抗が高く、加圧方向のチップ電極/ガラス電極間の導通抵抗が低いことが重要である。絶縁抵抗試験では、20サンプルのチップ電極間の絶縁抵抗値を測定し、各サンプルの最小値の平均値を算出した。また、絶縁抵抗値>10(Ω)を良品とした場合の歩留まりを算出した。
さらに、14サンプルのチップ電極/ガラス電極間の導通抵抗値を測定し、その平均値を算出した。導通抵抗値の測定は、初期と吸湿耐熱試験(温度85℃、湿度85%の条件で500時間放置)後において行った。
(突起被覆率)
母粒子のSEM像を100枚準備し、像の中心部分(プラスチック核体の半径を直径とする円内)に存在する突起が占める面積を、突起の谷の輪郭を画像解析することにより測定し、上記中心部分全体の面積に対する突起部分が占める面積として、突起部分の被覆率を算出した。
(絶縁性子粒子の被覆ばらつき(C.V.))
導電粒子のSEM像を100枚準備し、像の中心部分(プラスチック核体の半径を直径とする円内)に存在する絶縁性子粒子が占める面積を、絶縁性子粒子の輪郭を画像解析することにより測定し、絶縁性子粒子の被覆ばらつきを算出した。
絶縁抵抗及び吸湿耐熱試験後の導通抵抗について得られた評価結果が、回路基板の接続構造体に求められる特性を満足するか否かを下記指標により判断した。
AA:十分に満足する
A:満足する
B:満足するが相対的にAより劣る
C:使用不可能
実施例1は芯材にシリカを用いた例である。めっきの含リン率が高く、突起芯材が非磁性体であるため、母粒子の飽和磁化は低い値を示した。したがって、絶縁性子粒子被覆時に母粒子が凝集しにくく、絶縁性子粒子の被覆ばらつき(C.V.)が小さいため、絶縁性が特に良好であった。実施例2、3、7及び8は突起の芯材にニッケルを用いた例である。したがって、母粒子の飽和磁化は実施例1と比べて高い値を示した。母粒子の粒子径が小さくなるほど、磁性の影響で凝集が起こりやすい傾向にあり、その結果、被覆ばらつき(C.V.)が大きくなり、絶縁性が低下した。母粒子の粒子径が2μmを下回ると、磁性凝集が起こりやすく、絶縁抵抗値が低かった。また、母粒子の粒子径が小さいため導通性も低かった(比較例3)。
母粒子の粒子径が3μmを上回ると絶縁性が大きく低下した(比較例4)。また、母粒子の飽和磁化が45emu/cmを上回る場合(比較例5)、磁性凝集が起こりやすく、絶縁抵抗が低下した。この現象は、母粒子の粒子径が3μm以下の場合に特に生じる傾向がある。また、突起の被覆率が低い場合(実施例4、5)、母粒子の飽和磁化が小さくなり、優れた絶縁性を有していた。絶縁性子粒子の粒子径が200nmを下回ると(実施例9)、絶縁性が低下した。また、絶縁性子粒子の粒子径が500nmに近づくと(実施例10)、絶縁性及び導通性が低下する傾向があり、絶縁性子粒子の粒子径が500nmを超えると(比較例8)、接続構造体としての使用ができなかった。
Figure 2013258138
1・・・絶縁性子粒子、2・・・母粒子、3・・・絶縁被覆層、21・・・プラスチック核体、22・・・めっき層、23・・・芯材、23a・・・突起、30・・・導電粒子、31・・・接着剤、32・・・導電粒子含有層、33,34・・・導電粒子非含有層、35・・・無機酸化物粒子、40・・・異方性導電接着剤、40a・・・回路接続部材、41・・・第一の回路基板(ICチップ)、42・・・第一の回路電極(金属バンプ)、43・・・第二の回路基板(ガラス基板)、44・・・第二の回路電極(ITO又はIZO電極)、50・・・接続構造体。

Claims (10)

  1. プラスチック核体、及び該プラスチック核体の表面を被覆し少なくともニッケル/リン合金層を有するめっき層を有する母粒子と、
    該母粒子の表面を被覆する絶縁性子粒子と、を備える導電粒子であって、
    前記母粒子の粒子径は、2.0μm以上3.0μm以下であり、
    前記母粒子の飽和磁化は、45emu/cm以下であり、
    前記絶縁性子粒子の粒子径は、180nm以上500nm以下である、導電粒子。
  2. 前記母粒子は表面に突起を有し、
    該突起の高さは前記絶縁性子粒子の粒子径よりも小さい、請求項1に記載の導電粒子。
  3. 前記母粒子は表面に突起を有し、
    該突起は、芯材を付着させた前記プラスチック核体の表面が前記めっき層で被覆されることにより形成され、
    前記芯材は非磁性体である、請求項1又は2に記載の導電粒子。
  4. 前記ニッケル/リン合金層のリン含有率は、1.0質量%以上10.0質量%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電粒子。
  5. 前記絶縁性子粒子の被覆率は20〜50%であり、
    前記絶縁性子粒子の被覆ばらつきC.V.は0.3以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電粒子。
  6. 前記絶縁性子粒子は、重量平均分子量が1000以上であるポリマー又はオリゴマーからなる層を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の導電粒子。
  7. 前記母粒子は、重量平均分子量が1000以上のポリマー又はオリゴマーからなる層をさらに有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の導電粒子。
  8. 前記絶縁性子粒子の粒子径は、200nm以上400nm以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の導電粒子。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の導電粒子を接着剤中に分散させた、異方性導電接着剤フィルム。
  10. 第一の回路基板の主面上に第一の回路電極が形成された第一の回路部材と、
    第二の回路基板の主面上に第二の回路電極が形成された第二の回路部材と、
    前記第一の回路基板の主面と前記第二の回路基板の主面との間に設けられ、前記第一の回路電極と前記第二の回路電極とを対向配置させた状態で前記第一及び第二の回路部材同士を接続する回路接続部材と、
    を備える回路部材の接続構造体であって、
    前記回路接続部材は、請求項9に記載の異方性導電接着剤フィルムの硬化物からなり、
    対向する前記第一の回路電極と前記第二の回路電極とが扁平した導電粒子を介して電気的に接続されている、回路部材の接続構造体。
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