JP2013256589A - ホットメルト樹脂、及びそれを含む構造体 - Google Patents

ホットメルト樹脂、及びそれを含む構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、ポリオレフィン系ホットメルト樹脂のプラスチック素材への接着強度を向上させることである。
【解決手段】本発明のホットメルト樹脂組成物は、極性ビニル化合物で変性されてなる、ポリオレフィン系ホットメルト樹脂100重量部、及び炭素系素材0.1〜20重量部を含むホットメルト樹脂組成物であり、各種プラスチック材料、特に極性樹脂への接着性が良好である。好ましくは、極性ビニル化合物、及び芳香族ビニル化合物で変性されてなる、ポリオレフィン系ホットメルト樹脂とすることである。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオレフィン系ホットメルト樹脂に関し、特に各種プラスチックへの接着性向上に関する。
近年、機械・デバイスの軽量化を目的とした、金属代替プラスチック材料に注目が集まっている。プラスチック材料を機械・デバイスの材料として展開するには、プラスチック材料同士、もしくはプラスチックと各種材料を接着するための接着剤が重要となる。
例えば、特許文献1は、自己加熱可能であり、特に多次元で湾曲した表面に固定するのに適した平面要素を提供するために、平面要素は、特に高い変形可能性を有し、これは、加熱層と接触層からなる層構造を有する平面要素によって達成され、これら両層がそれぞれ、特別な破断伸びと、同時に特別な引張弾性率とを有するエラストマーおよび/またはプラスチックポリマーをベースとするポリマー材料からなり、さらに、接着基板とこの種の平面要素とからなる接着複合体と、この種の平面要素を製造するための方法、ならびに接着複合体を加熱するためのそのような平面要素の使用を開示している。
ポリオレフィンをベースとする熱可塑性樹脂は、プラスチック材料のホットメルト接着剤として使用されているものの、極性樹脂への接着性が不十分であるという課題があった。
特開2010−199071
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、ポリオレフィンをベースとしたホットメルト接着剤の極性樹脂への接着性を向上させるというものである。
本発明者らは、安価でありながら極性ビニル化合物を含むポリオレフィン系ホットメルト樹脂に炭素系材料0.1〜20重量部を添加すると、ポリオレフィン系ホットメルト樹脂の極性樹脂への接着性が向上する事を見出し、本発明を完成させた。
極性ビニル化合物を含むポリオレフィン系ホットメルト樹脂に炭素系材料を0.1〜20重量部添加することで、ポリオレフィン系ホットメルト樹脂の極性樹脂への接着性が向上する。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のポリオレフィン系ホットメルト樹脂は、極性ビニル化合物を含み、ポリオレフィン系ホットメルト樹脂100重量部、及び炭素系素材0.1〜20重量部を含む事を特徴とする。
ポリオレフィン系ホットメルト樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、エチレン/オクテン共重合体などのポリオレフィン、シクロペンタジエンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体などの環状ポリオレフィン、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/アクリル酸エチル共重合体(EEA)、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体などの極性基が導入されたポリオレフィン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、アクリル酸変性ポリプロピレンなどの酸変性ポリプロピレンなどがあげられる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体が好ましく、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体がより好ましく、プロピレン−エチレン共重合体であって、エチレン含有量が5〜15重量%であることが特に好ましい。
極性ビニル化合物としては、ビニル基と極性官能基とを含有する原料に由来したものであれば特に制限はなく、不飽和カルボン酸、その無水物、エポキシ基含有ビニル化合物、水酸基含有ビニル化合物、ハロゲン含有ビニル化合物などがあげられる。
v炭素系材料としては、グラファイト、カーボンブラック、ケッチェンブラック、グラフェン、カーボンナノ粒子、カーボンナノチューブ、フラーレン、ダイヤモンド、アセチレンブラック、及びそれらの誘導体などがあげられる。中でもカーボンブラック、グラファイトが好ましく、さらにはカーボンブラックであることが特に好ましい。添加量としては0.1〜20重量%であることが好ましく、さらには添加量が1〜5重量%であることが特に好ましい。炭素系材料の添加方法としては、樹脂を溶融混練する際に加えるが、添加するタイミングは、変性前後どちらでもよいが、変性しながら、または変性後に添加する方が好ましい。炭素系材料の一次粒子の数平均粒径としては、1nm〜200μm以下であることが好ましく、1nm〜70μm以下であることが特に好ましい。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレンなどのメチルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、α−クロロスチレン、β−クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレンなどのクロロスチレン、o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレンなどのブロモスチレン、o−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、ジフルオロスチレン、トリフルオロスチレンなどのフルオロスチレン、o−ニトロスチレン、m−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン、ジニトロスチレン、トリニトロスチレンなどのニトロスチレン、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン、トリヒドロキシスチレンなどのビニルフェノール、o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼンなどのジビニルベンゼン、o−ジイソプロペニルベンゼン、m−ジイソプロペニルベンゼン、p−ジイソプロペニルベンゼンなどのジイソプロペニルベンゼンなどが挙げられる。これらの中でも、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン単量体またはジビニルベンゼン異性体混合物が好ましく、特にスチレンが好ましい。上記の芳香族ビニル単量体は、単独または2種以上を混合して用いることができる。
極性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル系樹脂などがあげられる。
極性ビニル化合物で変性するとは、ポリオレフィン系樹脂に対して、極性ビニル化合物を添加し、反応させる事であり、例えば共重合、ブロック共重合、リビング重合、グラフト重合、溶液重合等があげられる。好ましくはポリオレフィン系樹脂とラジカル重合開始剤を溶融混練した混合物に、極性ビニル化合物を加え溶融混練することが好ましい。さらに好ましくは、押出溶融混練を行うことが好ましい。この場合、反応としては極性ビニル化合物がグラフト反応に関与する事が好ましく、さらには、極性ビニル化合物がポリオレフィン系樹脂の主鎖にグラフトしていることが特に好ましい。
エポキシとしては、エポキシ基を含有する化合物であって、例えばメタクリル酸グリシジル(GMA)、アクリル酸グリシジル、マレイン酸モノグリシジル、マレイン酸ジグリシジル、イタコン酸モノグリシジル、イタコン酸ジグリシジル、アリルコハク酸モノグリシジル、アリルコハク酸ジグリシジル、p−スチレンカルボン酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル、p−グリシジルスチレン、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテンなどが挙げられる。これらの中でも、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジルが好ましく、特にメタクリル酸グリシジルが好ましい。上記のエポキシ基含有化合物は、単独または2種以上を混合して用いることもできる。
水酸基含有ビニル化合物としては、例えば、ビニルアルコール、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル等があげられる。
ハロゲン含有ビニル化合物としては、塩化ビニル、フッ化ビニル等があげられる。
不飽和カルボン酸としては、例えばマレイン酸、フタル酸、メタクリル酸、アクリル酸、酢酸ビニル、及びそれらの誘導体などがあげられる。
カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、無水フタル酸などがあげられる。
芳香族ビニル単量体の添加量は、(a−1)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.1〜50重量部であることが好ましく、1〜30重量部であることがより好ましい。添加量が少なすぎるとポリオレフィン系樹脂に対するエポキシ基含有ビニル単量体のグラフト率が劣る傾向があり、好ましくない。添加量が多すぎるとエポキシ基含有ビニル単量体のグラフト効率が飽和域に達するので、50重量部を上限とすることが好ましい。
ラジカル開始剤としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール、パーメタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどが挙げられる。
中でも、水素引き抜き能が高いことから、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどを用いることが好ましい。上記のラジカル開始剤は、単独または2種以上を混合して用いることができる。
ラジカル重合開始剤の添加量は、(a−1)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、0.2〜5重量部であることがより好ましい。
本発明のエポキシ変性ポリオレフィン系樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲内で、熱可塑性樹脂、エラストマー、粘着付与剤(タッキファイヤー)、可塑剤などを添加してもよい。
エラストマーとしては、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ブチルゴム、アクリルゴム、塩素化ポリエチレン、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどが挙げられる。
粘着付与剤としては、数平均分子量300〜3000、JISK−2207に定められた環球法に基づく軟化点が60〜150℃である低分子の樹脂であって、ロジンおよびロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂およびそれらの水素化物、テルペンフェノール樹脂、クマロン・インデン樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂およびその水素化物、芳香族系石油樹脂およびその水素化物、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂およびその水素化物、スチレンまたは置換スチレンの低分子量重合体が例示される。
可塑剤としては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルなどの石油系プロセスオイル、シリコーン系オイル、液状ポリブテン、液状ポリイソプレンなどの低分子量液状ポリマーが例示される。
さらに、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、連鎖移動剤、核剤、滑剤、充填材、顔料、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。
これらの添加剤は、予めポリオレフィン系樹脂に添加しておいてもよく、ポリオレフィン樹脂を溶融するときに添加してもよく、またエポキシ変性ポリオレフィン系樹脂組成物を製造した後に添加してもよい。
溶融混練時の添加方法については、ポリオレフィン系樹脂とラジカル重合開始剤を溶融混練した混合物に、エポキシ基含有ビニル単量体、芳香族ビニル単量体を加え溶融混練することが好ましい。
溶融混練時の加工温度は、130〜300℃であることが好ましい。130℃〜300℃の場合、ポリオレフィン系樹脂が充分に溶融し、また、熱分解しにくい。
また、混練時間、すなわち、ラジカル重合開始剤を混合してからの時間は、通常30秒間〜60分間であることが好ましい。
溶融混練には、押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミル、加熱ロールなどを使用することができる。生産性という観点から、単軸または2軸の押出機を用いることが好ましい。また、各種原料の混和性や分散性を高めるために、前記の溶融混練装置を併用してもよい。
上記ポリオレフィン系ホットメルト樹脂の用途としては、プラスチック材料の表面保護フィルム、異種材料接着用の接着剤、好ましくはPETフィルム用接着剤、太陽電池用バックシート等があげられる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。尚、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
〔ポリオレフィン系ホットメルト樹脂〕
(製造例1)
(a−1)プロピレン−エチレン共重合体(バーシファイ3401、MFR8、ダウ・ケミカル製)100重量部、1,3−ジ(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂株式会社製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.5重量部を、シリンダー温度200℃に設定したベント付き噛合い型同方向回転式2軸押出機(TEX44、L/D=38、日本製鋼所製)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中より(a−2)メタクリル酸グリシジル5重量部、(a−3)スチレン5重量部をノズルから加え、エポキシ変性ポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを得た。
(実施例1)エポキシ変性ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法
製造例1で得られたペレット100重量部に対して、カーボンブラック(東海カーボン社製:Sheast V)0.5重量部を、シリンダー温度200℃に設定したベント付き噛合い型異方向回転式2軸コンレン機(20C200、株式会社東洋精機製作所製)に供給して溶融混練した。
(実施例2)
製造例1で得られたペレット100重量部に対して、カーボンブラック(東海カーボン社製:Sheast V)1重量部を、シリンダー温度200℃に設定したベント付き噛合い型異方向回転式2軸コンレン機(20C200、株式会社東洋精機製作所製)に供給して溶融混練した。
(実施例3)
製造例1で得られたペレット100重量部に対して、カーボンブラック(東海カーボン社製:Sheast V)2.5重量部を、シリンダー温度200℃に設定したベント付き噛合い型異方向回転式2軸コンレン機(20C200、株式会社東洋精機製作所製)に供給して溶融混練した。
(実施例4)
製造例1で得られたペレット100重量部に対して、カーボンブラック(東海カーボン社製:Sheast V)5重量部を、シリンダー温度200℃に設定したベント付き噛合い型異方向回転式2軸コンレン機(20C200、株式会社東洋精機製作所製)に供給して溶融混練した。
(実施例5)
製造例1で得られたペレット100重量部に対して、グラファイト(中越黒鉛工業所社製:天然黒鉛 BF−50A)10重量部を、シリンダー温度200℃に設定したベント付き噛合い型異方向回転式2軸コンレン機(20C200、株式会社東洋精機製作所製)に供給して溶融混練した。
(比較例1)
製造例1で得られた樹脂
〔接着性の測定〕
実施例(1)〜(5)及び比較例(1)で得られた樹脂を、100mmx250mm、厚さ50μmのPETフィルム2枚の間に設置した。但し測定時に使用する端部20mmx100mmの部分は除くようにした。加熱プレス機(NSF.70、株式会社神藤金属工業所製)を用いて200度で3分加熱した後、5MPaで1分間押さえつけた状態にし、樹脂層の厚みが200μmになるようにした。その後、大気圧下室温で冷却し、試料を作製した後、接着性を測定した。
接着性試験はオートグラフ(AG−2000A、株式会社島津製作所)を用いて、室温下、PETフィルムの両端を200mm/分で引っ張るT字ピール強度の測定により、三層界面の長さで規格化した値を接着性強度として評価した。
結果を表1に示す。
Figure 2013256589
先行技術文献(特開2010−199071)によるとエチレン酢酸ビニルコポリマーをベース・ホットメルト接着剤として、28重量%の導電性カーボンブラックを添加し混練した後、接着強度を比較測定している。該報告では、導電性カーボンブラックを含まない場合、ポリエステル樹脂に対するホットメルト接着剤の接着強度が4.5N/cmであり(参考比較例1)、導電性カーボンブラックを含む場合、ポリエステル樹脂に対するホットメルト接着剤の接着強度が2.9N/cmである(参考比較例2)と報告されている。さらに、「ベース・ホットメルト接着剤に導電性フィラーを混和することによって、そのホットメルト接着特性がほぼ保たれたままであることを示している。」と記載されている。その記載内容を表2にまとめて示す。
Figure 2013256589
比較例と実施例をみてみると、炭素系材料を適量添加することによって、接着性の向上がみられていることが分かる。また、参考比較例をみてみると、芳香族化合物で変性することにより、ポリエステル樹脂に対する接着性が向上していることと、炭素系材料の添加量が多すぎると接着性向上には不適切であることが伺える。

Claims (12)

  1. 極性ビニル化合物で変性されてなる、ポリオレフィン系ホットメルト樹脂100重量部、及び炭素系素材0.1〜20重量部を含むホットメルト樹脂組成物。
  2. 極性ビニル化合物、及び芳香族ビニル化合物で変性されてなる、ポリオレフィン系ホットメルト樹脂100重量部、及び炭素系素材0.1〜20重量部を含む請求項1に記載のホットメルト樹脂組成物。
  3. 極性樹脂用の接着剤である請求項2に記載のホットメルト樹脂
  4. 前記極性ビニル化合物が、エポキシ、及び不飽和カルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の極性基を有する不飽和極性基であり、それらで変性されてなる請求項1〜3に記載のポリオレフィン系ホットメルト樹脂。
  5. ポリオレフィン系ホットメルト樹脂が、カルボン酸無水物の群から選ばれる不飽和極性基の少なくとも1種類以上で変性されてなる請求項1〜4に記載のポリオレフィン系ホットメルト樹脂
  6. ポリオレフィン系ホットメルト樹脂が、エポキシ変性ポリオレフィン系樹脂組成物であって、(a−1)ポリオレフィン系樹脂に対して、ラジカル重合開始剤の存在下、(a−2)エポキシ基含有ビニル単量体および(a−3)芳香族ビニル単量体を溶融混練して得られることを特徴とする請求項1〜5に記載のポリオレフィン系ホットメルト樹脂。
  7. ポリオレフィン系ホットメルト樹脂が、エポキシ変性ポリオレフィン系樹脂組成物が、(a−1)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、ラジカル重合開始剤の存在下、(a−2)エポキシ基含有ビニル単量体0.5〜30重量部、および(a−3)芳香族ビニル単量体0〜30重量部を溶融混練して得られることを特徴とする請求項1〜6に記載のポリオレフィン系ホットメルト樹脂。
  8. 請求項1〜7に記載のポリオレフィン系ホットメルト樹脂によって被膜されたプラスチック材料、およびその構造体。
  9. 請求項1〜8に記載のポリオレフィン系ホットメルト樹脂と極性樹脂とが直接接触してなる構造体。
  10. ポリエチレンテレフタレート樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂からなる群の1種類以上に請求項1〜9に記載のポリオレフィン系ホットメルト樹脂と極性樹脂とが直接接触してなる構造体。
  11. 請求項1〜10に記載のポリオレフィン系ホットメルト樹脂を用いた太陽電池用バックシート。
  12. 請求項11に記載の太陽電池用バックシートを用いた太陽電池モジュール
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