JP2013249270A - 口腔用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】歯への光沢付与効果に優れ、安定性が高く、異味(苦味及び/又は油っぽい味)のない口腔用組成物の提供。
【解決手段】(A)エーテル化度が0.3以下のカルボキシメチルセルロース又はその塩、(B)アニオン界面活性剤、及び(C)ノニオン界面活性剤を含有する口腔用組成物。
【選択図】なし
【解決手段】(A)エーテル化度が0.3以下のカルボキシメチルセルロース又はその塩、(B)アニオン界面活性剤、及び(C)ノニオン界面活性剤を含有する口腔用組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、口腔用組成物に関する。
歯に光沢を与える口腔用組成物としては、セラックを含有する歯磨き組成物(特許文献1)、ロウを含有する歯磨き組成物(特許文献2)、(A)特定の比誘電率及び蒸気圧を有する歯牙白色化成分、(B)歯牙白色化成分に溶解し、且つ塩化カルシウム水溶液により析出する物質、及び(C)ゲル化剤を含有し、実質的に水及び過酸化物を含まない歯牙白色化用非水系ゲル組成物(特許文献3)、活性剤ならびにワックス及び持続剤を含む担体基剤を含む単体を含有する歯のホワイトニング組成物(特許文献4)が報告されている。
しかし、特許文献1及び2の技術は、ロウやセラックの歯牙への付着が不十分であった。特許文献3の技術は、歯牙への適用の際、特殊な適用用具を用いる必要があった。特許文献4の技術は、成分であるワックス剤が口腔内において唾液による希釈を受ける等により、剥がれ落ち易くなり、効果が持続しないという問題点があった。
また、口腔用組成物においては、発泡剤としてアニオン界面活性剤が用いられるが、苦味をもたらしたり、組成物の液分離を引き起こしたりする問題があった。組成物の液分離はノニオン界面活性剤を添加することで幾分抑えることができるものの、安定性は未だ十分とはいえず、保存時(特に30℃を超えるような高温での保存時)における液分離を十分に抑えることは困難であった。また、ノニオン界面活性剤を添加すると、油っぽい味がもたらされるという問題もあった。
本発明の課題は、歯への光沢付与効果に優れ、安定性が高く、異味(苦味及び/又は油っぽい味)のない口腔用組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題につき鋭意検討した結果、特定のエーテル化度を有するカルボキシメチルセルロースが歯への光沢付与効果に優れることを見出した。本発明者はまた、斯かるカルボキシメチルセルロースをアニオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤と組み合わせて口腔用組成物を形成したところ、歯への光沢付与効果が一段と高まることを見出した。こうして得られた口腔用組成物は、異味(苦味及び/又は油っぽい味)がなく、高温保存時にも液分離しない程の高い安定性を有することが確認された。本発明は斯かる知見に基づくものである。
本発明は、以下の[1]〜[5]を提供する。
[1](A)エーテル化度が0.3以下のカルボキシメチルセルロース又はその塩、(B)アニオン界面活性剤、及び(C)ノニオン界面活性剤を含有する口腔用組成物。
[2](B)成分が、アルキル硫酸塩及びN−アシルサルコシン塩からなる群から選ばれる1種以上である、上記[1]に記載の口腔用組成物。
[3](C)成分が、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルポリグリコシド、グリセリン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種以上である、上記[1]又は[2]に記載の口腔用組成物。
[4](C)成分が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の口腔用組成物。
[5]歯牙貼付用組成物である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の口腔用組成物。
[6]上記[5]に記載の口腔用組成物を含む粘着層と、前記粘着層を支持する支持体とを含む、歯牙貼付用シート。
[1](A)エーテル化度が0.3以下のカルボキシメチルセルロース又はその塩、(B)アニオン界面活性剤、及び(C)ノニオン界面活性剤を含有する口腔用組成物。
[2](B)成分が、アルキル硫酸塩及びN−アシルサルコシン塩からなる群から選ばれる1種以上である、上記[1]に記載の口腔用組成物。
[3](C)成分が、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルポリグリコシド、グリセリン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種以上である、上記[1]又は[2]に記載の口腔用組成物。
[4](C)成分が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の口腔用組成物。
[5]歯牙貼付用組成物である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の口腔用組成物。
[6]上記[5]に記載の口腔用組成物を含む粘着層と、前記粘着層を支持する支持体とを含む、歯牙貼付用シート。
本発明によれば、歯への光沢付与効果に優れ、安定性が高く、異味(苦味及び/又は油っぽい味)のない口腔用組成物を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[口腔用組成物]
本発明の口腔用組成物は、(A)エーテル化度が0.3以下のカルボキシメチルセルロース又はその塩、(B)アニオン界面活性剤、及び(C)ノニオン界面活性剤を含有する。
本発明の口腔用組成物は、(A)エーテル化度が0.3以下のカルボキシメチルセルロース又はその塩、(B)アニオン界面活性剤、及び(C)ノニオン界面活性剤を含有する。
(A)成分に関し、カルボキシメチルセルロースは、セルロース骨格中のヒドロキシ基にカルボキシメチル基をエーテル結合させて得られるセルロース誘導体である。
本発明において、(A)成分についていう「エーテル化度」とは、セルロース骨格を構成する無水グルコース単位1個当たりにエーテル結合したカルボキシメチル基の数をいう。無水グルコース単位1個当たり3個のヒドロキシ基が存在することから、カルボキシメチルセルロースの「エーテル化度」の理論的な上限値は3である。本発明においては、理論的な上限値の1/10以下という低いエーテル化度を有するカルボキシメチルセルロースが、特異的に、歯への光沢付与効果において優れることを見出したものである。
歯への光沢付与効果の観点から、(A)成分のエーテル化度は、0.3以下であり、0.1〜0.3であることが好ましく、0.2〜0.3であることがより好ましい。
なお、(A)成分のエーテル化度は、実施例記載の<灰分アルカリ法>により測定することができる。
(A)成分が塩の形態である場合、斯かる塩としては、薬理学的に許容される塩であれば特に限定はされない。薬理学的に許容される塩としては、例えば、酸付加塩、塩基付加塩及びアミノ酸塩が挙げられる。その具体例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;クエン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩等の有機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等の無機塩基塩;トリエチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩等の有機塩基塩;アルギニン塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等のアミノ酸塩が挙げられる。中でも、歯への光沢付与効果の観点から、無機塩基塩が好ましく、アルカリ金属塩又はアンモニウム塩がより好ましく、ナトリウム塩が更に好ましい。
(A)成分の分子量は、特に制限されないが、歯への光沢付与効果の観点から、重量平均分子量で10万以上、好ましくは30万以上、より好ましくは80万以上である。上限値としては120万以下であることが好ましい。なお、(A)成分の分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)測定法を用いて測定することができる。
(A)成分は、特に制限されるものではないが、1%水溶液の粘度(25℃)が5〜200mPa・sのものが好ましく、特に10〜150mPa・sのものが好ましい。なお、(A)成分の1%水溶液の粘度(25℃)は、B型粘度計(粘度に応じてNo.1〜No.5のロータを適宜使用)を用いて、回転数毎分10〜100回転で適宜測定することができる。
本発明の口腔用組成物における(A)成分の含有量は、歯への光沢付与効果及び異味低減効果の観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましい。
(A)成分の含有量の上限は、特に制限されないが、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましい。
一実施形態において、本発明の口腔用組成物における(A)成分の含有量は、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましく、1〜3質量%が更に好ましい。
なお、本発明において、口腔用組成物中の各成分の含有量は、組成物を製造する際の各成分の仕込み量を基準とするものである。
(A)成分として用いられるエーテル化度が0.3以下のカルボキシメチルセルロース又はその塩は、公知のスキーム(例えば、セルロースとクロロ酢酸のエーテル化反応等)に従って合成することができる。あるいは(A)成分は、市販品を用いてもよく、形態としては繊維状、粉末状、微粉末状の何れを用いてもよい。
(A)成分の市販品としては、例えば、日本製紙ケミカル株式会社から発売されている「サンローズSLD−F1」、「サンローズSLD−S」、「サンローズSLD−FM」(エーテル化度:0.2〜0.3)が挙げられる。
本発明の口腔用組成物に含有される(B)成分は、アニオン界面活性剤である。ここで、アニオン界面活性剤は、水に溶けたときに親水基が負(−)に荷電する界面活性剤である。
アニオン界面活性剤は、発泡剤として、口腔用組成物に従来から使用されてきた公知の成分ではあるが、本発明者は、斯かるアニオン界面活性が、後述する(C)成分と共に使用することによって、(A)成分の効果(即ち、歯への光沢付与効果)をより一層高めることができることを見出した。
(B)成分として好適に用いることができるアニオン界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸塩及びN−アシルサルコシン塩からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。
中でも、(B)成分としては、(C)成分と協働して(A)成分の効果を高める観点から、アルキル基部分の炭素原子数が10〜16のアルキル硫酸塩、及びアシル基部分の炭素原子数が10〜16のN−アシルサルコシン塩からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、アルキル基部分の炭素原子数が12若しくは14のアルキル硫酸塩、及びアシル基部分の炭素原子数が12若しくは14のN−アシルサルコシン塩からなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、ラウリル硫酸塩、ミリスチル硫酸塩及びN−ラウロイルサルコシン塩からなる群から選ばれる1種以上が更に好ましい。
(B)成分の塩を形成する対イオンとしては、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンが挙げられ、(A)成分の効果を高める観点から、アルカリ金属イオンが好ましく、ナトリウムイオンがより好ましい。
一実施形態において、(B)成分としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシンナトリウムからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
本発明の口腔用組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分の効果を高めて一層優れた歯への光沢付与効果を実現する観点並びに発泡性の観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましい。
(B)成分の含有量の上限は、苦味や口腔内への刺激を抑える観点から、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましい。
一実施形態において、(B)成分としてアルキル硫酸塩を使用する場合、本発明の口腔用組成物における(B)成分の含有量は、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましく、0.5〜3質量%が更に好ましい。
一実施形態において、(B)成分としてN−アシルサルコシン塩を使用する場合、本発明の口腔用組成物における(B)成分の含有量は、0.001〜5質量%が好ましく、0.01〜3質量%がより好ましく、0.1〜1質量%が更に好ましい。
本発明の口腔用組成物において、(B)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の口腔用組成物に含有される(C)成分は、ノニオン界面活性剤である。ここで、ノニオン界面活性剤は、水に溶けたときに親水基がイオン化しない界面活性剤である。
ノニオン界面活性剤は、アニオン界面活性剤と同様に、口腔用組成物に従来から使用されてきた公知の成分ではあるが、本発明者は、斯かるノニオン界面活性剤が、(B)成分と共に使用することによって、(A)成分の効果(即ち、歯への光沢付与効果)をより一層高めることができることを見出した。
(C)成分として好適に用いることができるノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルポリグリコシド、及びグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。
(C)成分として用いられるポリオキシエチレン脂肪酸エステルとしては、炭素原子数が10〜22の脂肪酸由来のポリオキシエチレン脂肪酸エステルが好ましく、炭素原子数が14〜20の脂肪酸由来のポリオキシエチレン脂肪酸エステルがより好ましい。中でも、(B)成分と協働して(A)成分の効果を高める観点から、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が特に好ましい。
ポリオキシエチレン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド(以下、「EO」ともいう。)の平均付加モル数は、30モル以下であることが好ましく、20モル以下であることがより好ましい。30モル以下であることにより、(C)成分を安定して配合することができる。また、EOの平均付加モル数は、入手の容易性の観点から、5モル以上であることが好ましく、10モル以上であることがより好ましい。一実施形態において、EOの平均付加モル数が5〜30モルであるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましく、EOの平均付加モル数が10〜20モルであるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がより好ましい。
ポリオキシエチレン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド(以下、「EO」ともいう。)の平均付加モル数は、30モル以下であることが好ましく、20モル以下であることがより好ましい。30モル以下であることにより、(C)成分を安定して配合することができる。また、EOの平均付加モル数は、入手の容易性の観点から、5モル以上であることが好ましく、10モル以上であることがより好ましい。一実施形態において、EOの平均付加モル数が5〜30モルであるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましく、EOの平均付加モル数が10〜20モルであるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がより好ましい。
(C)成分として用いられるポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、EOの平均付加モル数が10モル以下のポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましく、EOの平均付加モル数が5〜10モルのポリオキシエチレンアルキルエーテルがより好ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテルのアルキル基部分の炭素原子数は、好ましくは8〜24であり、より好ましくは10〜22であり、更に好ましくは12〜20である。
(C)成分として用いられるアルキルポリグリコシドとしては、アルキル基部分の炭素原子数が8〜16のアルキルポリグリコシドが好ましく、アルキル基部分の炭素原子数が10〜14のアルキルポリグリコシドがより好ましい。
(C)成分として用いられるグリセリン脂肪酸エステルとしては、炭素原子数8〜20の脂肪酸のモノエステルが好ましく、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸からなる群から選ばれる脂肪酸のモノエステルがより好ましい。グリセリン脂肪酸エステルとしてポリグリセリン脂肪酸エステルを使用する場合、グリセリンの重合度は2〜20が好ましく、4〜14がより好ましい。
中でも、(B)成分と協働して(A)成分の効果を高める観点から、(C)成分としては、ポリオキシエチレン(EO平均付加モル数20モル)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(EO平均付加モル数6モル)ステアリルエーテル、ラウリルグルコシド、及びラウリン酸デカグリセリルからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
本発明の口腔用組成物における(C)成分の含有量は、(A)成分の効果を高めて一層優れた歯への光沢付与効果を実現する観点並びに組成物の安定性を高めて組成物の液分離を抑える観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましい。
(C)成分の含有量の上限は、油っぽい味を抑える観点から、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましい。
一実施形態において、本発明の口腔用組成物における(C)成分の含有量は、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましく、1〜3質量%が更に好ましい。
本発明の口腔用組成物において、(C)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
先に述べたとおり、(B)成分及び(C)成分は、その両方を(A)成分と組み合わせて使用することにより、相乗的に(A)成分の効果(即ち、歯への光沢付与効果)を高めることができる。(A)成分の効果を高めて一層優れた歯への光沢付与効果を実現するにあたり、(A)成分の質量と、(B)成分及び(C)成分の合計質量との比には、好ましい範囲がある。すなわち、本発明の口腔用組成物における、(B)成分及び(C)成分の合計質量に対する(A)成分の質量の比[(A)成分/((B)成分+(C)成分)]は、0.0005〜1000が好ましく、0.001〜100がより好ましく、0.01〜10が更に好ましい。
また、(A)成分の効果を高めて一層優れた歯への光沢付与効果を実現するにあたり、(B)成分と(C)成分の質量比には、好ましい範囲がある。すなわち、本発明の口腔用組成物における、(B)成分と(C)成分の質量比[(B)成分/(C)成分]は、0.0001〜1000が好ましく、0.001〜200が好ましく、0.05〜10がより好ましい。
また、(A)成分の効果を高めて一層優れた歯への光沢付与効果を実現するにあたり、(B)成分と(C)成分の質量比には、好ましい範囲がある。すなわち、本発明の口腔用組成物における、(B)成分と(C)成分の質量比[(B)成分/(C)成分]は、0.0001〜1000が好ましく、0.001〜200が好ましく、0.05〜10がより好ましい。
(A)成分を、(B)成分及び(C)成分と組み合わせて含有する本発明の口腔用組成物は、歯への光沢付与効果に優れるばかりでなく、安定性に優れ、高温保存時であっても液分離を十分に抑えることができる。(A)成分を、(B)成分及び(C)成分と組み合わせて含有する本発明の口腔用組成物はさらに、異味(苦味及び/又は油っぽい味)をもたらさず、優れた使用感(味)を有する。
本発明の口腔用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)〜(C)成分以外の添加成分を配合してもよい。斯かる添加成分としては、研磨剤、湿潤剤(粘稠剤)、粘結剤、(B)成分以外の発泡剤、甘味剤、着色剤(色素)、防腐剤、香料、他の有効成分、溶剤等が挙げられ、剤形に応じて適宜選択し得る。以下に添加成分の具体例を示すが、本発明の口腔用組成物に配合可能な成分はこれらに限定されるものではない。
研磨剤としては、例えば以下のものが挙げられる:沈降性シリカ、シリカゲル、アルミノシリケート、ジルコノシリケート等のシリカ系研磨剤;第二リン酸カルシウム2水和物、第二リン酸カルシウム無水和物、ピロリン酸カルシウム、不溶性メタリン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、第四リン酸カルシウム、第八リン酸カルシウム等のリン酸系研磨剤;水酸化アルミニウム、アルミナ等のアルミニウム系研磨剤;二酸化チタン;結晶性ジルコニウムシリケート;ポリメチルメタアクリレート;軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム系研磨剤;炭酸マグネシウム、第三リン酸マグネシウム等のマグネシウム系研磨剤;無水ケイ酸、ゼオライト、ケイ酸ジルコニウム等のケイ酸系研磨剤;ハイドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、カルシウム欠損アパタイト等のアパタイト系研磨剤;合成樹脂系研磨剤等。研磨剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。研磨剤としては、シリカ系研磨剤、炭酸カルシウム系研磨剤、リン酸系研磨剤、ケイ酸系研磨剤が好ましい。これらの研磨剤を用いることにより、後述する歯牙貼付用シートの粘着性及び唾液の吸水性を向上させることができる。
研磨剤の配合量は、無機粉体の場合、口腔用組成物全量に対して通常7〜50質量%である。一般的に、シリカ系研磨剤の配合量は、口腔用組成物全体に対して7〜30質量%、リン酸系研磨剤及び重質炭酸カルシウムの配合量は、口腔用組成物全体に対して15〜50質量%である。
湿潤剤(粘稠剤)としては、例えば、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、分子量200〜6000のポリエチレングリコール、エチレングリコール、還元でんぷん糖化物等の多価アルコール等の1種又は2種以上を使用できる(通常配合量5〜50質量%)。
粘結剤としては、例えば、セルロース系粘結剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、メチルセルロース、カチオン化セルロース等)、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、グアガム、トラガントガム、カラヤガム、アラビヤガム、ローカストビーンガム、モンモリロナイト、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー(商品名:カーボポール)、増粘性無水ケイ酸、アルミニウムシリカゲル、珪酸アルミニウムマグネシウム(商品名:ビーガム)、ラポナイトが挙げられる。なお、セルロース系粘結剤に分類されるカルボキシメチルセルロースは、「エーテル化度」が0.6以上であることから、上記(A)成分とは明確に区別される。粘結剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。粘結剤の配合量は、口腔用組成物全体に対して0.1〜10質量%であることが好ましい。
(B)成分以外の発泡剤としては、例えば、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアンモニウム、アルキルベンジルアンモニウム塩等があげられる。両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインや、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、N−アシルグルタメート、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
(B)成分以外の発泡剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。発泡剤の配合量は、本発明の口腔用組成物の形態、使用目的等に応じ適宜選択してよい。
甘味剤としては、例えば、サッカリンナトリウム、アスパラテーム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルヒドロカルコン、ペルラルチン、ソーマチン、アスパラチルフェニルアラニンメチルエステル等が挙げられる。甘味剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
着色剤としては、例えば、赤色2号、赤色3号、赤色106号、赤色225号、赤色226号、黄色4号、黄色5号、黄色205号、青色1号、青色2号、青色201号、青色204号、緑色3号、酸化チタン、雲母チタン等が挙げられる。着色剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
防腐剤としては、パラベン類(例えば、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン等)、パラオキシ安息香酸エステル(例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸ブチル)、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。防腐剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
甘味剤、着色剤、防腐剤の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で適宜調整することができる。
香料としては、歯磨用組成物に用いられる公知の香料材料が利用できる。香料材料としては、例えば、以下のものが挙げられる:ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料;これらの天然香料を加工処理(例えば、前溜部カット、後溜部カット、分留、液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)して得られる香料;メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアセデヒド、シトラール、プレゴン、カルビートアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、メチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料;ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等。これらの香料材料を使用した賦香用香料も、香料として利用できる。香料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
香料の配合量は特に限定されないが、香料材料の場合、口腔用組成物全体に対して、0.000001〜1質量%であることが好ましい。また、賦香用香料の場合、口腔用組成物全体に対して、0.1〜2.0質量%であることが好ましい。
他の有効成分は、(A)〜(C)以外の成分であればよい。例えば、ポリリン酸塩類、アルカリ金属モノフルオロフォスフェート(例えば、モノフルオロリン酸ナトリウム等)、フッ素化合物(例えば、フッ化ナトリウム、フッ化第1スズ等)、水溶性リン酸化合物(例えば、水溶性リン酸のカリウム塩、水溶性リン酸のナトリウム塩等)、抗炎症剤(グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸、トラネキサム酸、イプシロン−アミノカプロン酸、アルミニウムクロルヒドロキシアラントイン、アズレン、塩化ナトリウム、ビタミンC、ビタミンE等)、酵素(例えば、デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテナーゼ、ムタナーゼ等)、ヒノキチオール、アスコルビン酸、酢酸dl−トコフェロール、ジヒドロコレステロール、α−ビサボロール、クロルヘキシジン塩、銅クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム、クロロフィル、キレート性リン酸化合物(例えば、グリセロホスフェート等)、銅化合物(例えば、グルコン酸銅等)、乳酸アルミニウム、塩化ストロンチウム、硝酸カリウム、ベルベリン、ヒドロキサム酸及びその誘導体、無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エピジヒドロコレステリン、殺菌剤(セチルピリジウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、トリクロサン、塩化リゾチーム等)、歯石予防剤(ゼオライト、ポリリン酸塩(例えば、トリポリリン酸ナトリウム等)等)、タバコヤニ除去剤(ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等)、知覚過敏予防剤(例えば、乳酸アルミニウム、硝酸カリウム等)等が挙げられる。口腔用組成物が歯牙貼付用組成物の場合には、ポリリン酸塩が好ましい。口腔用組成物が歯磨用組成物である場合には、フッ素化合物が好ましい。
上記他の有効成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記他の有効成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で、それぞれの成分の有効量とすることができる。
溶剤としては、例えば、水、及び、エタノール、プロパノールなどの炭素原子数3以下の低級アルコール等が挙げられる。溶剤は、液体系の口腔用組成物には通常配合される。溶剤として水を配合する場合、その配合量は、口腔用組成物全体に対して20〜95質量%であることが好ましい。溶剤として低級アルコールを配合する場合、その配合量は、口腔用組成物全体に対して1〜20質量%であることが好ましい。
本発明の口腔用組成物は、練歯磨、液状歯磨、液体歯磨、潤製歯磨、粉歯磨等の歯磨用組成物、洗口用組成物として利用することができる。
本発明の口腔用組成物はまた、歯牙貼付用組成物(膏体組成物)として利用することができる。歯牙貼付用組成物は、そのまま歯牙に貼り付ける態様で利用してもよいし、歯牙貼付用組成物と共に支持体を含む歯牙貼付用シートの態様で利用してもよい。中でも、歯牙貼付用シートの態様で利用することにより、長時間歯牙に貼りつける(パックする)ことができるので、他の利用形態と比較して、歯に対し高い光沢感を付与でき、また、光沢の持続性においても顕著な効果を得ることができる。歯牙貼付用シートは、例えば、歯牙貼付用フィルム、歯牙貼付用シールの形態で製剤化することができる。
本発明の口腔用組成物の剤形は、利用形態に応じて適宜選択することができ、特に限定されない。剤形としては、例えば、溶液状、ゲル状、ペースト状等が挙げられる。
本発明の口腔用組成物の製造方法は特に限定されず、剤形に応じて、それぞれの通常の方法で調製され得る。
例えば練歯磨用組成物とする場合の製造方法としては、水溶性成分を調製した後、それ以外の成分を混合し、必要に応じて脱泡(例えば、減圧等)を行う方法が挙げられる。得られる練歯磨は、容器に収容して製品とすることができる。容器は、形状、材質は特に制限されず、通常の練歯磨用組成物に使用される容器を使用でき、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンなどのプラスチック容器等が挙げられる。
歯牙貼付用組成物(膏体組成物)の製造方法の一例を以下に示す。水溶性成分を、水に投入し溶解させる。必要に応じて、得られる溶液のpH(25℃)を、pH緩衝剤等を用いて通常は4.0〜10.0、好ましくは5.0〜9.0に調整する。この溶液に他の成分を順次投入し混合する。混合は、必要に応じて減圧条件下で行い得る。界面活性剤を投入し混合する。界面活性剤の投入は常圧で行ってもよいが、界面活性剤の混合は減圧条件下で行うことがより望ましい。
得られる歯牙貼付用組成物は、上述したように、支持体とともに歯牙貼付用シートとすることができる。すなわち、歯牙貼付用シートは、上記歯牙貼付用組成物を含有する粘着層と、粘着層を支持する支持体とを含むシートである。
支持体は、口腔内に適用可能な安全性を供えるものが好ましい。支持体の材料は、水不溶性のものが好ましい。例えば、セルロース、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、紙、パルプ、絹、コットン、ポリエチレン、発泡ポリエチレン、ポリプロピレン、発泡ポリプロピレン、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール、アセテート、ナイロン、レーヨン、金、白金、銀、パラジウム、チタン、ニッケル、クロム、コバルト、銅、アルミニウム、鉄等が挙げられる。これらの材料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
支持体の形態としては、例えば、織布、不織布、フィルム、金属箔等が挙げられる。これらのうち、装着感、唾液分泌抑制の観点から、織布、不織布、フィルムが好ましく、不織布がより好ましい。
織布及び不織布の材料としては、上記「支持体の材料」の具体例のうち、ポリエチレン、発泡ポリエチレン、ポリプロピレン、発泡ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、コットン、パルプ、紙及び絹から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせが好ましく、ポリエチレン、レーヨン、ポリエステルがより好ましく、低密度ポリエチレン、レーヨン、ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。不織布の目付けは、10〜300g/m2であることが好ましい。不織布の製造方法は、特に限定されず、例えば、乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブロー法、サーマルボンド法、ケミカルボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法、ステッチボンド法、スチームジェット法等のいずれであってもよい。
支持体は、1層からなる単層構造であってもよいし、2層以上からなる複層構造であってもよい。支持体が複層構造である場合、粘着剤層(歯牙貼付用組成物層)に接する層から最も遠い層は、親水性及び吸水性の高い材料からなる層により構成することが好ましい。これにより、口腔内で発生した唾液を吸収し保持できるので、使用感をより向上させることができる。親水性及び吸水性の高い材料としては、例えば、レーヨン、パルプ、コットン、絹、紙が挙げられる。また、粘着剤層(歯牙貼付用組成物層)に接する層は、水不透過性の材料により構成することが好ましい。これにより、歯牙貼付用組成物が歯牙に効率よく吸着され且つ、歯牙貼付用組成物の乾燥を顕著に抑制する。水不透過性の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。支持体の表面は、粗面であってもよいし平滑面であってもよい。
支持体としては、ポリエチレンテレフタレート又はポリプロピレンから構成される層と、レーヨンから構成される層との間に、ポリエチレン又はポリプロピレンから構成される中間層を有する3層構造の支持体が好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレート又はポリプロピレンから構成される不織布と、レーヨンを含む不織布との間に、ポリエチレン又はポリプロピレンの中間層を有する3層構造の支持体がより好ましく、ポリエチレンテレフタレート又はポリプロピレンから構成されるスパンレース不織布と、レーヨンを含むスパンレース不織布との間に、ポリエチレン又はポリプロピレンの中間層を有する3層構造の支持体が更に好ましく、ポリエチレンテレフタレート又はポリプロピレンから構成されるスパンレース不織布と、レーヨンを含むスパンレース不織布との間に、低密度ポリエチレンの中間層を有する3層構造の支持体が更により好ましい。これらの3層構造の支持体に関しては、特開2010−168370号公報に記載されている。
歯牙貼付用組成物(膏体組成物)を支持体に支持(保持)させる方法は特に制限はない。例えば、ヘラ、延展機等の用具を用いて、支持体へ膏体組成物を塗膏する方法が挙げられる。
歯牙貼付用シートにおいて、歯牙貼付用組成物は、歯牙に直接粘着する粘着剤層を構成する。粘着剤層は、剥離ライナーにより被覆されていることが好ましい。これにより、粘着剤層を保護することができる。剥離ライナーの材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート等)が好ましい。剥離ライナーの材料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせ用いてもよい。剥離ライナーの片面或いは両面には、非粘着性物質(例えば、ワックス、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン(商品名:テフロン(登録商標))等)が塗布されていることが好ましく、シリコーンが片面に塗布されていることが好ましい。剥離ライナーの厚さは、通常、25〜200μmであり、好ましくは35〜100μmである。
歯牙貼付用シートのサイズは特に限定されない。厚さは、通常、0.1〜5mmであり、0.2〜3mmであることが好ましい。粘着剤層を正面とした場合の横の幅は、通常、3〜10mmであり、5〜7mmであること好ましい。縦の幅は、通常、1〜7mmであり、2〜5mmであること好ましい。
歯牙貼付用シートの形状は特に限定されない。歯牙の外周の少なくとも一部は、好ましくは歯の唇側の面の少なくとも一部に貼付可能な形状であればよく、折り返し部、切り込み部等を有していてもよい。
歯牙貼付用シートの製造方法は、特に限定されない。例えば、一体型の製剤の場合、支持体と剥離ライナーの間に膏体組成物を塗膏し、所望のサイズ及び形状にカットして製造することができる。
上記歯牙貼付用シートは、支持体に歯牙貼付用組成物が予め塗膏されている一体型の製剤であるが、支持体と、歯牙貼付用組成物とが別個に包装されており、適用時に支持体へ膏体組成物を塗膏するような製剤も、本発明の実施態様として有用である。すなわち、容器に収納されている歯牙貼付用組成物と、支持体と、ヘラとを含む、歯牙貼付用キットであってもよい。
本発明の口腔用組成物の歯牙への適用条件は、特には限定されないが、例えば、1回に上下顎のシートあたり0.2g〜2g程度を、1日に1〜5回程度、1回あたりの処置時間1分〜5分程度とすることが好ましい。これにより、歯牙表面に良好な光沢を付与することができ、また、光沢感を長期間持続させることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、表中の%は特に断らない限り質量%を示す。
[カルボキシメチルセルロースのエーテル化度の測定方法]
カルボキシメチルセルロースのエーテル化度は、下記<灰分アルカリ法>により測定した。
カルボキシメチルセルロースのエーテル化度は、下記<灰分アルカリ法>により測定した。
<灰分アルカリ法>
測定対象試料(無水物)0.5〜0.7gを精密にはかり、ろ紙に包んで磁製ルツボ中で灰化させた。冷却した後、これを500mLビーカーに移し、水を約250mL、さらにピペットで0.05mol/L硫酸を35mL加えて30分間煮沸した。これを冷却し、フェノールフタレイン指示薬を加えて、過剰の酸を0.1mol/L水酸化カリウムで逆滴定して、下記式(1)により、測定対象試料1g当たりに含まれる結合アルカリに消費された0.05mol/L硫酸の量A(mL)を算出した。
測定対象試料(無水物)0.5〜0.7gを精密にはかり、ろ紙に包んで磁製ルツボ中で灰化させた。冷却した後、これを500mLビーカーに移し、水を約250mL、さらにピペットで0.05mol/L硫酸を35mL加えて30分間煮沸した。これを冷却し、フェノールフタレイン指示薬を加えて、過剰の酸を0.1mol/L水酸化カリウムで逆滴定して、下記式(1)により、測定対象試料1g当たりに含まれる結合アルカリに消費された0.05mol/L硫酸の量A(mL)を算出した。
なお、式(1)中の「アルカリ度」は、下記方法により算出した。
まず測定試料(無水物)1gを300mL三角フラスコに精密にはかりとり、水を約200mL加えて溶かした。これに0.05mol/L硫酸5mLをピペットで加え、10分間煮沸した。冷却した後、フェノールフタレイン指示薬を加え、0.1mol/L水酸化カリウムで滴定した(このときの滴定量(mL)をSとする)。別途、測定試料を含有しない水200mLについてブランク試験を行った(このときの滴定量(mL)をBとする。)。滴定量S及びBを用いて、下記式(3)により、アルカリ度を求めた。
まず測定試料(無水物)1gを300mL三角フラスコに精密にはかりとり、水を約200mL加えて溶かした。これに0.05mol/L硫酸5mLをピペットで加え、10分間煮沸した。冷却した後、フェノールフタレイン指示薬を加え、0.1mol/L水酸化カリウムで滴定した(このときの滴定量(mL)をSとする)。別途、測定試料を含有しない水200mLについてブランク試験を行った(このときの滴定量(mL)をBとする。)。滴定量S及びBを用いて、下記式(3)により、アルカリ度を求めた。
なお、式(3)中の(B−S)fbの値が負(−)である場合、式(1)における「− アルカリ度」は「+ 酸度」と読み替えることができる。
[実施例及び比較例に使用した主な原料]
実施例及び比較例において用いた主な原料を下記にまとめて記載する。
<(A)成分>
・(A−1):カルボキシメチルセルロース(エーテル化度:0.2〜0.3)
日本製紙ケミカル株式会社製、商品名「サンローズSLD−F1」
<(A’)成分>((A)成分の比較成分)
・(A’−1):カルボキシメチルセルロース(エーテル化度:0.7)
日本製紙ケミカル株式会社製、商品名「サンローズF50MC」
<(B)成分>
・(B−1)ラウリル硫酸ナトリウム(東邦化学工業株式会社製)
・(B−2)N−ラウロイルサルコシンナトリウム(川研ファインケミカル株式会社製)
<(C)成分>
・(C−1)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(EO平均付加モル数:20)
青木油脂工業株式会社製、商品名「BLAUNON RCW−20」
・(C−2)ラウリルグルコシド
花王株式会社製、商品名「マイドール 12」
・(C−3)ラウリン酸デカグリセリル
阪本薬品工業株式会社製、商品名「SYグリスター ML−750」
・(C−4)ポリオキシエチレンステアリルエーテル(EO平均付加モル数:6)(ライオン化学株式会社製)
<添加成分>
・無水ケイ酸(研磨剤;PQコーポレイション製、商品名「AC77」)
・プロピレングリコール(湿潤剤;旭硝子株式会社製、ダウ・ケミカル製)
・70%ソルビトール(湿潤剤;三菱商事フードテック株式会社製、70質量%水溶液品、医薬部外品原料規格2006に適合)
・ポリアクリル酸ナトリウム(粘結剤;東亜合成株式会社製)
・ヒドロキシエチルセルロース(粘結剤;HECダイセル ダイセルファインケム株式会社製)
・アルギン酸ナトリウム(粘結剤;フードケミファ株式会社製、医薬部外品原料規格2006に適合)
・キサンタンガム(粘結剤;三晶株式会社製、商品名「ケルザン」、医薬部外品原料規格2006に適合)
・増粘性無水ケイ酸(粘結剤;DSLジャパン株式会社製、商品名「カープレックス #67Q」、湿式法による沈降性シリカ、吸液量2.5ml/g、BET比表面積405m2/g)
・サッカリンナトリウム(甘味剤;和光純薬工業株式会社製、医薬部外品原料規格2006に適合)
・香料(ライオン株式会社製)
・フッ化ナトリウム(有効成分;ステラケミファ株式会社製、ふっ化ナトリウム)
・トリポリリン酸ナトリウム(有効成分;太平化学産業株式会社製)
・塩化ベンザルコニウム(有効成分;日本油脂株式会社製)
・水(溶剤;医薬部外品原料規格2006に適合)
実施例及び比較例において用いた主な原料を下記にまとめて記載する。
<(A)成分>
・(A−1):カルボキシメチルセルロース(エーテル化度:0.2〜0.3)
日本製紙ケミカル株式会社製、商品名「サンローズSLD−F1」
<(A’)成分>((A)成分の比較成分)
・(A’−1):カルボキシメチルセルロース(エーテル化度:0.7)
日本製紙ケミカル株式会社製、商品名「サンローズF50MC」
<(B)成分>
・(B−1)ラウリル硫酸ナトリウム(東邦化学工業株式会社製)
・(B−2)N−ラウロイルサルコシンナトリウム(川研ファインケミカル株式会社製)
<(C)成分>
・(C−1)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(EO平均付加モル数:20)
青木油脂工業株式会社製、商品名「BLAUNON RCW−20」
・(C−2)ラウリルグルコシド
花王株式会社製、商品名「マイドール 12」
・(C−3)ラウリン酸デカグリセリル
阪本薬品工業株式会社製、商品名「SYグリスター ML−750」
・(C−4)ポリオキシエチレンステアリルエーテル(EO平均付加モル数:6)(ライオン化学株式会社製)
<添加成分>
・無水ケイ酸(研磨剤;PQコーポレイション製、商品名「AC77」)
・プロピレングリコール(湿潤剤;旭硝子株式会社製、ダウ・ケミカル製)
・70%ソルビトール(湿潤剤;三菱商事フードテック株式会社製、70質量%水溶液品、医薬部外品原料規格2006に適合)
・ポリアクリル酸ナトリウム(粘結剤;東亜合成株式会社製)
・ヒドロキシエチルセルロース(粘結剤;HECダイセル ダイセルファインケム株式会社製)
・アルギン酸ナトリウム(粘結剤;フードケミファ株式会社製、医薬部外品原料規格2006に適合)
・キサンタンガム(粘結剤;三晶株式会社製、商品名「ケルザン」、医薬部外品原料規格2006に適合)
・増粘性無水ケイ酸(粘結剤;DSLジャパン株式会社製、商品名「カープレックス #67Q」、湿式法による沈降性シリカ、吸液量2.5ml/g、BET比表面積405m2/g)
・サッカリンナトリウム(甘味剤;和光純薬工業株式会社製、医薬部外品原料規格2006に適合)
・香料(ライオン株式会社製)
・フッ化ナトリウム(有効成分;ステラケミファ株式会社製、ふっ化ナトリウム)
・トリポリリン酸ナトリウム(有効成分;太平化学産業株式会社製)
・塩化ベンザルコニウム(有効成分;日本油脂株式会社製)
・水(溶剤;医薬部外品原料規格2006に適合)
実施例1〜23及び比較例1〜4(歯磨用組成物)
上述の成分を用いて、下記の調製方法に従って、表1−1及び表1−2に示す配合組成(質量部)を有する歯磨用組成物を調製した。
上述の成分を用いて、下記の調製方法に従って、表1−1及び表1−2に示す配合組成(質量部)を有する歯磨用組成物を調製した。
[歯磨用組成物の調製方法]
精製水に水溶性成分(サッカリンナトリウム、フッ化ナトリウム)を溶解させてI液を得た。別途、湿潤剤に粘結剤及び(A)成分を分散させてII液を得た。次いで、得られたI液にII液を加えて撹拌し、III液を得た。得られたIII液に、香料、研磨剤、(B)成分、(C)成分を加え、1.5Lニーダー(石山工作所社製)を用い常温で混合し、減圧(圧力4kPa)による脱泡を行い、歯磨用組成物を得た。
精製水に水溶性成分(サッカリンナトリウム、フッ化ナトリウム)を溶解させてI液を得た。別途、湿潤剤に粘結剤及び(A)成分を分散させてII液を得た。次いで、得られたI液にII液を加えて撹拌し、III液を得た。得られたIII液に、香料、研磨剤、(B)成分、(C)成分を加え、1.5Lニーダー(石山工作所社製)を用い常温で混合し、減圧(圧力4kPa)による脱泡を行い、歯磨用組成物を得た。
実施例24〜42及び比較例4〜8(歯牙貼付用組成物)
上述の成分を用いて、下記の調製方法に従って、表2−1及び表2−2に示す配合組成(質量部)を有する歯牙貼付用組成物を調製した。次いで、得られた各歯牙貼付用組成物を用いて、下記の作製方法に従って、歯牙貼付用シートを作製した。
上述の成分を用いて、下記の調製方法に従って、表2−1及び表2−2に示す配合組成(質量部)を有する歯牙貼付用組成物を調製した。次いで、得られた各歯牙貼付用組成物を用いて、下記の作製方法に従って、歯牙貼付用シートを作製した。
[歯牙貼付用組成物(膏体組成物)の調製]
湿潤剤に粘結剤及び(A)成分を撹拌しながら投入し、更に水溶性成分(サッカリンナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム)を溶解した精製水を添加した。必要に応じて、調製後の組成物のpHが5.0〜9.0になるようにpH緩衝剤を用いてpHを調整した。続いて研磨剤、香料を順次投入し、4kPaまで減圧し均一になるまで混合した。一旦常圧に戻し、(B)成分、(C)成分を投入した後、再度4kPaまで減圧し混合して歯牙貼付用組成物を調製した。なお、組成物のpHは25℃における歯牙貼付用組成物のpHを直接pHメーター(東亜ディーケーケー(株)製、HM−26S)で測定した。
湿潤剤に粘結剤及び(A)成分を撹拌しながら投入し、更に水溶性成分(サッカリンナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム)を溶解した精製水を添加した。必要に応じて、調製後の組成物のpHが5.0〜9.0になるようにpH緩衝剤を用いてpHを調整した。続いて研磨剤、香料を順次投入し、4kPaまで減圧し均一になるまで混合した。一旦常圧に戻し、(B)成分、(C)成分を投入した後、再度4kPaまで減圧し混合して歯牙貼付用組成物を調製した。なお、組成物のpHは25℃における歯牙貼付用組成物のpHを直接pHメーター(東亜ディーケーケー(株)製、HM−26S)で測定した。
[歯牙貼付用シートの作製]
上記の方法にて調製した歯牙貼付用組成物(膏体組成物)を、支持体の粘着剤塗工面に塗布した。支持体としては、ポリエチレンテレフタレート不織布(スパンレース、シンワ(株)製)を、低密度ポリエチレン・レーヨン不織布(低密度ポリエチレンフィルム層を有するレーヨン不織布、スパンレース、シンワ(株)製)の低密度ポリエチレン側に積層して得られる、3層構造の支持体を用いた。3層構造の支持体の厚さは、ポリエチレンテレフタレート層が12μm、低密度ポリエチレン層が12μm、レーヨン層が20μmであった。粘着剤層が所定の厚さになるように、支持体と剥離ライナー(フィルムバイナ 75E−0010 BD ニュウハク、フジモリ産業株式会社製)のシリコーンでコーティングされた面で挟み込みこみながら、展延機(花栄機械工業製、ロールサンドコーター)を用いて塗工した。次に、上顎用は横幅62mm、縦幅25mmに、下顎用は横幅52mm、縦幅24mmの大きさに、型抜きし、歯牙貼付用シートを得た。
なお、剥離ライナーがない歯牙貼付用シートは、上記方法にて作製した歯牙貼付用シートから剥離ライナーのみを剥離する方法、又は支持体の粘着剤塗工面にヘラなどを用いて膏体組成物を塗布する方法により調製することができる。
上記の方法にて調製した歯牙貼付用組成物(膏体組成物)を、支持体の粘着剤塗工面に塗布した。支持体としては、ポリエチレンテレフタレート不織布(スパンレース、シンワ(株)製)を、低密度ポリエチレン・レーヨン不織布(低密度ポリエチレンフィルム層を有するレーヨン不織布、スパンレース、シンワ(株)製)の低密度ポリエチレン側に積層して得られる、3層構造の支持体を用いた。3層構造の支持体の厚さは、ポリエチレンテレフタレート層が12μm、低密度ポリエチレン層が12μm、レーヨン層が20μmであった。粘着剤層が所定の厚さになるように、支持体と剥離ライナー(フィルムバイナ 75E−0010 BD ニュウハク、フジモリ産業株式会社製)のシリコーンでコーティングされた面で挟み込みこみながら、展延機(花栄機械工業製、ロールサンドコーター)を用いて塗工した。次に、上顎用は横幅62mm、縦幅25mmに、下顎用は横幅52mm、縦幅24mmの大きさに、型抜きし、歯牙貼付用シートを得た。
なお、剥離ライナーがない歯牙貼付用シートは、上記方法にて作製した歯牙貼付用シートから剥離ライナーのみを剥離する方法、又は支持体の粘着剤塗工面にヘラなどを用いて膏体組成物を塗布する方法により調製することができる。
得られた歯磨用組成物及び歯牙貼付用組成物の各々について、下記の評価方法に従って、歯への光沢付与効果、光沢の持続性(歯牙貼付用組成物について)、異味(苦味及び/又は油っぽい味)、保存時の安定性(液分離)を評価した。評価結果を表1−1、表1−2、表2−1及び表2−2に示す。
[評価1:歯への光沢付与効果の評価]
歯磨用組成物に関しては、10名の被験者が歯磨用組成物1gを用いて3分間歯のブラッシングを行った。一度ゆすいだ後、鏡で前歯4歯(上下)を観察し、以下の評価基準に従って光沢付与効果を評価した。
歯牙貼付用組成物(歯牙貼付用シート)に関しては、10名の被験者が歯牙貼付用シートの歯牙貼付用組成物(粘着層)を歯牙に3分間密着させた後、シートを剥がし、歯のブラッシング(3分間)を行った。一度ゆすいだ後、鏡で前歯4歯(上下)を観察し、以下の評価基準に従って光沢付与効果を評価した。
歯磨用組成物に関しては、10名の被験者が歯磨用組成物1gを用いて3分間歯のブラッシングを行った。一度ゆすいだ後、鏡で前歯4歯(上下)を観察し、以下の評価基準に従って光沢付与効果を評価した。
歯牙貼付用組成物(歯牙貼付用シート)に関しては、10名の被験者が歯牙貼付用シートの歯牙貼付用組成物(粘着層)を歯牙に3分間密着させた後、シートを剥がし、歯のブラッシング(3分間)を行った。一度ゆすいだ後、鏡で前歯4歯(上下)を観察し、以下の評価基準に従って光沢付与効果を評価した。
(光沢効果の評価基準)
◎:歯の表面につやもしくは光沢感が非常にある
○:歯の表面につやもしくは光沢感がある
△:歯の表面につやもしくは光沢感がわずかにある
×:歯の表面につやもしくは光沢感がない
◎:歯の表面につやもしくは光沢感が非常にある
○:歯の表面につやもしくは光沢感がある
△:歯の表面につやもしくは光沢感がわずかにある
×:歯の表面につやもしくは光沢感がない
[評価2:光沢の持続性の評価]
歯牙貼付用組成物(歯牙貼付用シート)に関して、10名の被験者が歯牙貼付用シートの歯牙貼付用組成物(粘着層)を歯牙に3分間密着させた後、シートを剥がし、歯のブラッシング(3分間)を行った。一度ゆすいだ直後と30分後に、鏡で前歯4歯(上下)を観察し、下記評価基準に基づいて光沢の持続性を評価した。
歯牙貼付用組成物(歯牙貼付用シート)に関して、10名の被験者が歯牙貼付用シートの歯牙貼付用組成物(粘着層)を歯牙に3分間密着させた後、シートを剥がし、歯のブラッシング(3分間)を行った。一度ゆすいだ直後と30分後に、鏡で前歯4歯(上下)を観察し、下記評価基準に基づいて光沢の持続性を評価した。
(光沢の持続性の評価基準)
◎:30分後に、初期と同等レベルの、歯の表面のつやもしくは光沢感がある
○:30分後に、初期と比べて劣るが、歯の表面のつやもしくは光沢感がある
△:30分後に、初期と比べて劣るが、歯の表面のつやもしくは光沢感が若干ある
×:30分後に、歯の表面のつやもしくは光沢感がない
◎:30分後に、初期と同等レベルの、歯の表面のつやもしくは光沢感がある
○:30分後に、初期と比べて劣るが、歯の表面のつやもしくは光沢感がある
△:30分後に、初期と比べて劣るが、歯の表面のつやもしくは光沢感が若干ある
×:30分後に、歯の表面のつやもしくは光沢感がない
[評価3:異味の評価]
歯磨用組成物に関しては、10名の被験者が歯磨用組成物1gを用いて3分間歯のブラッシングを行った。ブラッシング時の異味(苦味及び/又は油っぽい味)の程度について、下記スコア基準に基づきスコア(1〜4点)をつけて被験者10名のスコアの平均値を算出した。
歯牙貼付用組成物(歯牙貼付用シート)に関しては、10名の被験者が歯牙貼付用シートの歯牙貼付用組成物(粘着層)を歯牙に3分間密着させた。密着時の異味(苦味及び/又は油っぽい味)の程度について、下記スコア基準に基づきスコア(1〜4点)をつけて被験者10名のスコアの平均値を算出した。
算出したスコアの平均値から下記評価基準に基づき異味の程度を評価した。
歯磨用組成物に関しては、10名の被験者が歯磨用組成物1gを用いて3分間歯のブラッシングを行った。ブラッシング時の異味(苦味及び/又は油っぽい味)の程度について、下記スコア基準に基づきスコア(1〜4点)をつけて被験者10名のスコアの平均値を算出した。
歯牙貼付用組成物(歯牙貼付用シート)に関しては、10名の被験者が歯牙貼付用シートの歯牙貼付用組成物(粘着層)を歯牙に3分間密着させた。密着時の異味(苦味及び/又は油っぽい味)の程度について、下記スコア基準に基づきスコア(1〜4点)をつけて被験者10名のスコアの平均値を算出した。
算出したスコアの平均値から下記評価基準に基づき異味の程度を評価した。
(異味のスコア基準)
4点:異味を感じない
3点:異味を僅かに感じる
2点:異味を感じる
1点:異味を強く感じる
4点:異味を感じない
3点:異味を僅かに感じる
2点:異味を感じる
1点:異味を強く感じる
(異味の評価基準)
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点以下
△:平均点2.0点以上3.0点以下
×:平均点1.0点以上2.0点以下
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点以下
△:平均点2.0点以上3.0点以下
×:平均点1.0点以上2.0点以下
[評価4:保存時の安定性(液分離)の評価]
歯磨用組成物及び歯牙貼付用組成物の各々をラミネートチューブに50gずつ充填した。ラミネートチューブとしては、直径26mm、口部内径8mmのラミネートチューブ(大日本印刷株式会社製)を用いた。該チューブの層構成は、最外層より、低密度ポリエチレン(LDPE)55/ポリエチレンテレフタレート(PET)12/LDPE20/白LDPE60/エチレンメタアクリル酸共重合樹脂(EMAA)20/コーティング絶縁樹脂(AL)10/EMAA30/LDPE20/直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)30であり(数値は各層の厚さ(μm)を示す)、総厚さ257μmであった。
60℃にて1ヶ月間保存した後、更紙上に組成物を5cm押し出し、更紙上に染み出した液の長さを測定し、保存時の安定性(液分離)の程度を下記基準に基づいて評価した。
歯磨用組成物及び歯牙貼付用組成物の各々をラミネートチューブに50gずつ充填した。ラミネートチューブとしては、直径26mm、口部内径8mmのラミネートチューブ(大日本印刷株式会社製)を用いた。該チューブの層構成は、最外層より、低密度ポリエチレン(LDPE)55/ポリエチレンテレフタレート(PET)12/LDPE20/白LDPE60/エチレンメタアクリル酸共重合樹脂(EMAA)20/コーティング絶縁樹脂(AL)10/EMAA30/LDPE20/直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)30であり(数値は各層の厚さ(μm)を示す)、総厚さ257μmであった。
60℃にて1ヶ月間保存した後、更紙上に組成物を5cm押し出し、更紙上に染み出した液の長さを測定し、保存時の安定性(液分離)の程度を下記基準に基づいて評価した。
(保存時の安定性の評価基準)
◎:液分離がない
○:ほとんど液分離がない(1mm未満)
△:やや液分離がある(1mm以上5mm未満)
×:液分離がある(5mm以上)
◎:液分離がない
○:ほとんど液分離がない(1mm未満)
△:やや液分離がある(1mm以上5mm未満)
×:液分離がある(5mm以上)
表1−1及び表1−2から明らかなように、実施例1〜23の歯磨用組成物は、比較例1〜4の組成物と比較して、歯への光沢付与効果、異味、高温保存時の安定性のすべてにおいて優れていた。また、表2−1及び表2−2から明らかなように、実施例24〜42の歯牙貼付用組成物は、比較例5〜8の組成物と比較して、歯への光沢付与効果、光沢の持続性、異味、高温保存時の安定性のすべてにおいて優れていた。これらの結果は、(A)成分を、(B)成分及び(C)成分と組み合わせて含有する本発明の口腔用組成物が、歯への光沢付与効果に優れ、異味がなく、安定性も極めて高いことを示すものである。
Claims (6)
- (A)エーテル化度が0.3以下のカルボキシメチルセルロース又はその塩、
(B)アニオン界面活性剤、及び
(C)ノニオン界面活性剤
を含有する口腔用組成物。 - (B)成分が、アルキル硫酸塩及びN−アシルサルコシン塩からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の口腔用組成物。
- (C)成分が、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルポリグリコシド、及びグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の口腔用組成物。
- (C)成分が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の口腔用組成物。
- 歯牙貼付用組成物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の口腔用組成物。
- 請求項5に記載の口腔用組成物を含む粘着層と、前記粘着層を支持する支持体とを含む、歯牙貼付用シート。
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JP2012123689A JP2013249270A (ja) | 2012-05-30 | 2012-05-30 | 口腔用組成物 |
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- 2012-05-30 JP JP2012123689A patent/JP2013249270A/ja active Pending
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