JP6007696B2 - 歯磨組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、経時で製剤が変色することなく外観が良好に維持され、香り立ちも安定な、バニリン及び/又はマルトール含有の歯磨組成物及びその製造方法に関する。
歯磨組成物には、通常、0.1〜2質量%程度の香料成分が配合され、歯磨組成物の使用感確保に重要な役割を果たしている。しかし、香料成分は必ずしも安定な物質ではなく、他の歯磨成分、特に無機粒子の影響により変性(化学反応)することで組成物が変色したり、香り立ちが変わるという問題があった。
更に詳述すると、ほとんどの歯磨組成物には、口腔内の清掃効率を高めるため研磨剤が配合されており、市販されている歯磨組成物の多くでは無機粒子が用いられている。無機粒子としては、シリカを主成分とするシリカ系研磨剤、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムの3種類が主に使用されている。これらの無機粒子の表面は、通常、未改質の無機物質本来の活性を有した状態で配合されており、香料成分固有の親油的性質や静電的特性により粒子表面間で相互作用を示し、無機粒子表面に香料成分が吸着して変色したり、香り立ちが変化するといった問題が生じることが知られている。
歯磨組成物の製造においては、このような点を考慮して付香する香料を、経験をもとに調整して配合しているが、上記問題を抑えることは香味設計の点から口腔用組成物の開発においてその意義が高く、このことから、無機粒子への香料成分の吸着を抑える技術が求められていた。
歯磨組成物の香料成分であるバニリンはアルデヒドを有するフェノール誘導体であり、マルトールは環状ケトンを有するケト4H−ピラン誘導体である。これら香料成分は、化学変化により変色や、香味変化が起こり易い性質があることから、それらの変化を予測して歯磨組成物を調製する必要が生じていた。よって、バニリン及び/又はマルトールを含有する歯磨組成物において、これら香料を安定配合し、経時での製剤変色を抑え、良好な香り立ちも確保できる技術が求められていた。
歯磨組成物における製剤の変色に対しては、一般に酸化チタンなどの隠蔽剤を配合することで製剤の色調変化を抑える方法が採用されている。しかしながら、変色の度合いが高い成分(香料)を配合した組成においては、酸化チタンの配合量が少ないと変色が抑えられず、配合量を増加させると白度が高まりすぎて白さに違和感を感じるなど、十分とは言い難かった。
従来、香料による製剤変色の改善技術としては、例えば、歯磨製剤中に存在する鉄イオンによるミント系香料の発色をポリカルボン酸類により低減する技術(特許文献1)、香料を配合した歯磨剤組成物であって、ショ糖脂肪酸エステル及び/又はコラーゲン化合物を含むことで光の影響による変色や変臭が抑制された歯磨剤組成物(特許文献2)、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム、特定のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、及びシトラールを含有した経時での香味劣化や変色のない練歯磨組成物(特許文献3)、無機酸化物と甘味剤とを特定の質量比で予備混合し、粘結剤、湿潤剤、研磨剤、発泡剤からなる群より選択される少なくとも一の成分、香料及び水と混合する工程とを有することで、保存中の変色を防止できる歯磨剤の製造方法(特許文献4)などが提案されているが、何れも着色性の高い香料成分について十分に変色を抑えられるものではなかった。
一方、ポリエチレングリコールは、歯磨組成物に湿潤剤、粘稠剤として用いられ、また、タバコのヤニ除去効果を有することが知られている成分である。平均分子量が600程度までは液状であるが、高分子量になるに従い、ワックス状となり固形化する。歯磨組成物では、通常、生産時の取り扱い性の観点から平均分子量が200〜600で、液状であるもの、平均分子量が4,000〜6,000程度で、固化し、フレーク化して配合が可能なものが、市販製品において配合されている。
ポリエチレングリコールを用いた技術として、例えば、多価アルコールとアネトールとをある一定の割合で配合することにより亜鉛化合物の金属味を改善した特許文献5、6、グルカナーゼを含有する口腔用組成物に、特定のポリオキシエチレンアルキルエーテルと平均分子量1,000〜6,000のポリエチレングリコールとを併用した特許文献7、デキストラナーゼ、ポリビニルピロリドン、平均分子量が1,290〜25,000のポリエチレングリコール、アルキル硫酸塩及び重曹を歯磨組成物に配合した特許文献8などが提案されている。しかし、これらのいずれの文献にも、ポリエチレングリコールによる香料成分の安定化、製剤変色抑制については言及されていない。
特公昭61−7170号公報 特開2001−278757号公報 特開2007−55976号公報 特開2010−138132号公報 特開平11−246376号公報 特開2004−203894号公報 特開2004−262882号公報 特開2011−6328号公報
従って、無機研磨剤とバニリン及び/又はマルトールを含有する歯磨組成物において、無機研磨剤と上記香料成分との相互作用を抑制して上記香料を安定化配合し、経時での製剤変色を抑え、かつ良好な香り立ちを確保することが、本発明の技術課題である。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、経時で製剤が変色することなく外観が良好に維持され、香り立ちも安定な、バニリン及び/又はマルトール含有の歯磨組成物及びその製造方法に関する。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を進めた結果、(A)無機研磨剤を含有し、(B)バニリン、マルトールから選ばれる香料成分が配合された歯磨組成物に、(C)酸化チタンと(D)平均分子量が1,850〜2,150であるポリエチレングリコールとを組み合わせて配合すると、無機研磨剤への上記香料成分の吸着が抑えられて香料成分が安定化配合され、経時での製剤変色を抑え、かつ香り立ちを安定に維持できることを知見した。
更に詳述すると、化学変化して製剤変色が生じ易い香料であるバニリン及び/又はマルトールを無機研磨剤含有の歯磨組成物に配合すると、隠蔽剤として公知の酸化チタンを配合しても、経時で製剤変色が進むのを抑制できず、また、経時で香り立ちが低下するという課題が生じた。一方、上記香料成分にポリエチレングリコールを併用すると、香料成分の無機研磨剤への吸着を抑えて経時での香り変化を少なくできたが、ただこの場合も、製剤変色は経時で進み、香料成分の変性を抑制することができなかった。そこで、上記課題を解消するため、本発明者らが更に検討を進めた結果、酸化チタンと特定平均分子量のポリエチレングリコールとを併用して配合することによって、意外にも、上記香料成分の変性を抑制でき、香料成分を安定化配合できた。これにより、経時での製剤変色が抑えられ、酸化チタン配合製剤の外観を長期保存後も良好に維持することができ、かつ香り立ちの経時安定性を確保することもできた。乳化分散系の歯磨組成物中において、正確な現象を把握することは困難であり十分な分析はなされていないが、上記ポリエチレングリコールが無機粒子表面に吸着して上記香料成分の吸着を抑える作用を発揮するとともに、酸化チタンにも吸着し、香料成分への作用性が低下することで、製剤変色が抑えられ、かつ経時で香り立ち低下が改善されるものと推測され、特定の平均分子量を有するものにおいて効果が優れる理由は、選択した香料成分の分子構造とに何らかの関係があるものと推察している。酸化チタン、ポリエチレングリコールはそれぞれ歯磨組成物の配合成分として公知であるが、特定平均分子量のポリエチレングリコールが、酸化チタンと併用されることによって、特定香料成分の安定化、特に製剤変色の改善に寄与し、他のポリエチレングリコールとの併用ではなし得ない格別の作用効果を奏することは、本発明者らの新知見である。
従って、本発明は下記の歯磨組成物及びその製造方法を提供する。
〔1〕
(A)シリカ系研磨剤及び炭酸カルシウムから選ばれる無機研磨剤を5〜50質量%と、
(B)バニリン及び/又はマルトールを0.001〜0.5質量%と、
(C)酸化チタンを0.05〜1質量%と、
(D)平均分子量が1,850〜2,150であるポリエチレングリコールを0.3〜4質量%
を含有してなることを特徴とする歯磨組成物。
〔2〕
前記(A)(B)(C)(D)成分を配合して歯磨組成物を製造するに際し、(D)成分を配合した後、(A)成分及び(B)成分を添加する〔1〕に記載の歯磨組成物の製造方法。
本発明によれば、経時で製剤が変色することなく外観が良好に維持され、香り立ちも安定な、バニリン及び/又はマルトール含有の歯磨組成物及びその製造方法を提供できる。
以下、本発明につき更に詳細に説明する。本発明の歯磨組成物は、組成中に(A)無機研磨剤、(B)バニリン及び/又はマルトール、(C)酸化チタン及び(D)特定の分子量を有するポリエチレングリコールを含有することを特徴とする。
(A)無機研磨剤としては、歯磨組成物に配合されるものであれば特に制限されず、例えば沈降性シリカ、シリカゲル、アルミノシリケート、ジルコノシリケート等のシリカ系研磨剤、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、第2リン酸カルシウム2水和物、第2リン酸カルシウム無水和物、ピロリン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウム、第8リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、二酸化チタン、ゼオライト、ハイドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、カルシウム欠損アパタイトなどが挙げられる。中でも、シリカ系研磨剤を用いた場合は特に製剤変色及び香り立ちの変化が大きく、シリカ系研磨剤において本発明の効果がより有効に発揮されることから、シリカ系研磨剤が好適である。これら無機研磨剤の配合量は通常量でよく、組成全体の5〜50%(質量%、以下同様。)が好適である。特にシリカ系研磨剤の配合量は、組成全体の8〜30%が好適である。
(B)成分は、バニリン及び/又はマルトールであり、これら香料成分は1種単独でも、あるいは効果発現の点で2種を併用してもよい。
(B)成分の香料成分の含有量は、組成全体の0.001〜0.5%が好ましく、より好ましくは0.01〜0.3%である。配合量が多いほど香り立ちの発現には有効であり、0.001%以上配合すると香り立ちを十分に発現させることができる。0.5%以下であることが、製剤変色及び香り立ちの改善に好適である。
本発明においては、(C)酸化チタンと(D)成分のポリエチレングリコールとを併用することによって、(B)成分の香料成分を安定化配合でき、保存後の製剤変色を抑制し、かつ香り立ちの経時安定性を向上できる。(C)成分の酸化チタンを欠くと、保存後の製剤変色を改善できない。(D)成分のポリエチレングリコールを欠くと、製剤変色を改善できず、また、香り立ちの経時安定性に劣る。
(C)酸化チタンの含有量は、組成全体の0.05〜1%が好ましく、より好ましくは0.1〜0.6%である。0.05%以上配合することが効果発現に好適である。多く配合しすぎると香り立ちが低下する可能性があり、1%以下であることが香り立ちの経時安定性に好適である。
(D)成分の平均分子量1,850〜2,150のポリエチレングリコールは、無機研磨剤への香料成分の吸着を抑え、製剤変色及び香り立ちの改善に寄与する。
ポリエチレングリコールの平均分子量は1,850〜2,150であることが重要であり、保存後の製剤変色の点から、好ましくは1,900〜2,100である。平均分子量が上記範囲外では、酸化チタンと併用しても製剤変色を抑制できない。また、香り立ちの経時安定性に劣る。
なお、ポリエチレングリコールの平均分子量は、医薬部外品原料規格(外原規)2006記載の平均分子量を示し、外原規2006に収載されるポリエチレングリコール2000の平均分子量試験を用いて測定することができる。
測定法について詳述すると、ピリジン中で無水フタル酸と反応させてフタル酸エステルとし、過剰量の無水フタル酸を加水分解して水酸化ナトリウムで滴定することにより平均分子量を求める。具体的には下記に示す。
本品約12.5gを精密に量り、約200mLの耐圧共栓瓶に入れ、ピリジン約25mLを加え、加温して溶かし、放冷する。別に無水フタル酸42gをとり、新たに蒸留したピリジン300mLを正確に量って入れた1Lの遮光した共栓瓶に加え、強く振り混ぜて溶かした後、16時間以上放置する。この液25mLを正確に量り、先の耐圧共栓瓶に加えて密栓し、丈夫な布でこれを包み、あらかじめ98±2℃に加熱した水浴中に入れる。この際、瓶の中の液が水浴の液の中に浸かるようにする。98±2℃で30分間加温した後、室温になるまで空気中で放冷する。次に、0.5mol/L水酸化ナトリウム液50mLを正確に加え、この液につき、0.5mol/L水酸化ナトリウム液で滴定する(指示薬:フェノールフタレインのピリジン溶液(1→100)5滴)。但し、滴定の終点は、液が15秒間持続する淡赤色を呈するときとする。同様の方法で空試験を行う。S:試料の量(g)、a:空試験における0.5mol/L水酸化ナトリウム液の消費量(mL)、b:試料の試験における0.5mol/L水酸化ナトリウム液の消費量(mL)とした場合、平均分子量=S×4000/(a−b)で求めることができる。
このようなポリエチレングリコールとしては、例えば市販されているポリエチレングリコール2000(PEG−2000、三洋化成(株)、PEG#2000、日油(株))などを用いることができる。
(D)成分のポリエチレングリコールの含有量は、組成全体の0.3〜4%が好ましく、0.5〜3%がより好ましく、保存後の香り立ちの点から、更に好ましくは1.0〜2%である。多く配合するほど製剤変色の抑制、香り立ちの改善には有効であり、0.3%以上配合すると十分に効果を与えることができるが、4%を超えると香り立ちが経時で弱くなる傾向があり、この範囲で配合すると製剤変色の抑制、香り立ちの改善により好適である。
(D)成分のポリエチレングリコールは、(B)成分の香料成分に対して適切割合で配合することが、製剤変色の抑制、香り立ちの改善により好適である。質量比として(D)成分/(B)成分が2〜1,000が好ましく、より好ましくは5〜200の範囲である。
本発明の歯磨組成物は、練歯磨、液状歯磨、液体歯磨、潤製歯磨等の歯磨剤、特に練歯磨として好適に調製される。また、剤型に応じ、上記成分に加えて、通常、歯磨組成物に配合されるその他の公知成分、例えば、研磨剤、界面活性剤、粘結剤、粘稠剤、薬効成分、甘味料、着色料、防腐剤、pH調整剤、香料等を本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて配合し得る。
研磨剤としては、(A)成分の無機研磨剤以外のもの、例えばポリメチルメタアクリレート、合成樹脂系研磨剤などを配合できる。これら研磨剤の配合量は、(A)成分との合計で組成全体の5〜50%が好適である。
界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、N−ラウロイルタウリン塩、ラウロイルサルコシン塩、α−オレフィンスルホン酸塩等、両性界面活性剤として脂肪酸アミドプロピルベタイン、N−アシルグルタメート、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルグリコシド、ショ糖脂肪酸エステル、アルキロールアマイド、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、脂肪酸ポリグリセリル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。なお、これら界面活性剤の配合量は組成全体の0.5〜5%程度が好ましい。
粘稠剤としては、(D)成分のポリエチレングリコール以外のもの、例えばソルビット、キシリトール、マルチトール、エリスリトール等の糖アルコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。粘稠剤の配合量は通常10〜50%であり、特に15〜40%が好ましい。
粘結剤としては、ポリアクリル酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガムなどのイオン性高分子化合物、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸プロピレングリコールエステルなどの非イオン性高分子化合物などが挙げられ、これら粘結剤の配合量は0.5〜3%が好ましい。
薬効成分(有効成分)としては、例えばフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化第1錫、フッ化ストロンチウム等のフッ化物、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、ソルビン酸塩、ヒノキチオール、アズレンスルホン酸塩等の殺菌性物質、デキストラナーゼ、ムタナーゼなどのグルカナーゼ酵素、プロテアーゼ、リゾチーム等の分解酵素、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、アラントイン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸等の抗炎症物質、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、塩化ストロンチウム、硝酸カリウムなどの無機塩類、ゼオライト、クロロフィル、グリセロホスフェートなどのキレート性化合物、アスコルビン酸、酢酸トコフェロール、ピリドキシン等の各種ビタミン類、トウキ軟エキス、オウバクエキス、カミツレ、チョウジ、ローズマリー、オウゴン、ベニバナ等の天然抽出物などが挙げられる。これら有効成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量である。
甘味料としては、例えば、サッカリンナトリウム、スクラロース、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチン、p−メトキシシンナミックアルデヒド等が配合できる。
着色料としては、赤色2号、赤色3号、赤色225号、赤色226号、黄色4号、黄色5号、黄色205号、青色1号、青色2号、青色201号、青色204号、緑色3号、雲母チタン等を挙げることができる。
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えばクエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、酢酸、リン酸、グリセロリン酸やこれらの各種塩などを挙げることができ、所望のpHに応じて適宜選択して使用できる。
本発明の歯磨組成物は、pH6〜10、特に7〜9に調整されることが好ましい。
香料としては、(B)成分のバニリン、マルトール以外の香料成分を、本発明の効果を妨げない範囲で添加してもよい。具体的には、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料、及び、これらの天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分溜、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、メントール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビートアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、ウンデカラクトン、ヘキサナール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、メチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等、歯磨組成物に用いられる公知の香料素材を使用することができ、実施例の香料に限定されない。また、配合量も特に限定されないが、上記の香料素材は、製剤組成中に0.000001〜1%使用するのが好ましい。また、上記香料素材を使用した賦香用香料としては、製剤組成中に0.1〜2%使用するのが好ましい。
なお、香料を任意で添加する場合は、(B)成分の香料成分の組成中含有量が上記範囲内において配合することが望ましい。
収容容器の材質は特に制限されず、通常、歯磨組成物に使用される容器を使用できる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等のプラスチック容器等が使用できる。例えば直径26mm、口部内径8〜12mmのラミネートチューブ(最外層よりLDPE55/PET12/LDPE20/白LDPE60/EMAA20/AL10/EMAA30/LDPE20/LLDPE30)などを好適に使用できる。なお、上記略号は下記のとおりであり、末尾の数字は厚さ(μm)を示す。
LDPE:低密度ポリエチレン 白LDPE:白色低密度ポリエチレン
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン AL:アルミニウム
PET:ポリエチレンテレフタレート
EMAA:エチレン・メタクリル酸の共重合体樹脂
本発明の歯磨組成物は、(A)〜(D)成分を配合して常法により製造できるが、特に(D)成分のポリエチレングリコールの配合が(B)成分の香料成分の添加より前であることが好ましい。(D)成分のポリエチレングリコールを配合した後、(B)成分の香料成分、更には(A)成分の無機研磨剤を添加配合すると、保存後の製剤変色の改善効果がより高まる。(A)成分が存在する状態で(B)成分を添加した後に(D)成分を添加した場合に比べ、(D)成分を添加した後に(B)成分、(A)成分を添加した場合の方が、より良好な製剤変色の抑制効果が得られる。(D)成分が存在しない条件下で、(B)成分が(A)成分と共存すると吸着が生じ、後に(D)成分を添加しても吸着した香料成分が脱離し難くなると推測される。
なお、(C)成分の添加配合については、特に制限されず、(D)成分、更には(C)成分を配合した後に(B)成分を添加配合しても、あるいは(D)成分を配合した後に(B)成分と共に(C)成分を添加配合してもよいが、効果発現の点から(B)成分の添加前に(C)成分を添加配合することがより好ましい。
歯磨剤組成物の製造法につき、具体的に下記に示す。
(i)精製水中に水溶性成分(粘結剤、プロピレングリコールを除く)を常温で混合溶解させたP相を調製する。
(ii)プロピレングリコール中に粘結剤を常温で分散させたQ相を調製する。
(iii)攪拌中のP相の中にQ相を添加混合し、R相を調製する。
(iv)R相中に、香料、研磨剤等の水溶性成分以外の成分を、ユニミキサー又はニーダーを用い常温で混合し、減圧(5.3kPa)による脱泡を行い、歯磨組成物を得る。
本発明においては、上記工程(i)で精製水中に水溶性成分と共に(D)成分のポリエチレングリコールを添加し、(C)成分の酸化チタンは工程(iii)でQ相と共に添加し、工程(iv)で(B)成分の香料成分、(A)成分の無機研磨剤を添加、混合し、攪拌、脱泡を行うことが好適である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において配合量はいずれも質量%である。また、形態が水溶液の成分については、表中も含め何れも純分換算の配合量を示した。なお、ポリエチレングリコールの平均分子量は、上記と同様にして外原規2006に収載された平均分子量試験を用いて測定した値である。
〔実施例、比較例〕
表1、2に示す組成の歯磨組成物(練歯磨)を下記方法で調製し、直径26mm、口部内径8mmのラミネートチューブに充填した。得られた歯磨組成物を下記方法で評価し、結果を表1、2に併記した。
試験歯磨組成物の調製(実施例1〜10、比較例1〜4)
精製水に、ポリエチレングリコール、サッカリンナトリウム等の水溶性物質を溶解させ、ソルビットを加えた後、別途、プロピレングリコールにキサンタンガム等の高分子化合物を分散させた液、更に酸化チタンを加え攪拌した。その後、バニリン、マルトール等の香料、無水ケイ酸等の研磨剤、ラウリル硫酸ナトリウムを順次加え、更に減圧下(5.3kPa)で攪拌し、歯磨組成物を得た。製造にはユニミキサー(FM−SR−25,POWEREX CORPORATION社製)を用いた。比較例の組成物は、上記に準じて調製した。
試験歯磨組成物の調製(実施例11)
精製水に、サッカリンナトリウム等の水溶性物質を溶解させ、ソルビットを加えた後、別途、プロピレングリコールにキサンタンガム等の高分子化合物を分散させた液、更に酸化チタンを加え攪拌した。その後、バニリン、マルトール等の香料、無水ケイ酸等の研磨剤、ラウリル硫酸ナトリウムを順次加え、最後にポリエチレングリコールを加え、更に減圧下(5.3kPa)で攪拌し、歯磨組成物を得た。製造にはユニミキサー(FM−SR−25,POWEREX CORPORATION社製)を用いた。なお、ポリエチレングリコールは加温溶解(80℃)して添加した。
これら歯磨組成物の調製に用いた各成分の詳細は以下のとおりである。
研磨性シリカ(Tixosil73,ローディア日華(株)、メジアン径14μm)
炭酸カルシウム(ソフトン1500、備北粉化工業(株)、平均粒径45μm)
バニリン(高砂香料工業(株))
マルトール(高砂香料工業(株))
酸化チタン(タイペーク CR−50、石原産業(株))
ポリエチレングリコール2000(PEG−2000、三洋化成(株))
ポリエチレングリコール1540(PEG−1540、三洋化成(株))
ポリエチレングリコール4000(PEG−4000S、三洋化成(株))
なお、上記ポリエチレングリコールの測定平均分子量は表に示すとおりである。
その他の成分については、医薬部外品原料規格2006に適合したものを用いた。
香料Aとして、ペパーミント油(50%)、ペパーミント油前溜部20%カット(30%)、和種ハッカ(15%)、メントール(1%)、エタノール(2%)及びプロピレングリコール(2%)を用いた。なお、香料Aは、バニリン及びマルトールを含まない。
また、下記評価において使用した収容容器は、直径26mm、口部内径8mmのラミネートチューブ(大日本印刷(株)製)であり、層構成は最外層よりLDPE55/PET12/LDPE20/白LDPE60/EMAA20/AL10/EMAA30/LDPE20/LLDPE30、厚さ257μmである。略号の示すところは上記の通りであり、数値は各層の厚さ(μm)を示す。
評価方法:
(1)保存後(60℃,1ヶ月)の製剤変色
歯磨組成物をラミネートチューブに50g充填し、各組成3本を60℃で1ヶ月間又は−5℃で1ヶ月間保存した後、わら半紙上に10cm押し出し、専門家5名の官能評価により、−5℃保存品に比べた60℃保存品の色調変化を観察した。下記の4段階で色調変化を評価した。
評点基準
4点:変色が認められない状態
3点:わずかに変色が認められる状態
2点:変色が認められる状態。
1点:著しく変色が認められる状態
3本の評価点の平均値を求め、液分離の度合いを下記4段階で判定した。◎、○となるものを50℃保存時における製剤の製剤変色が抑えられ色調の安定性に優れる歯磨組成物であると判断した。
評価基準
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.5点以上3.0点未満
×:2.5点未満
(2)保存後(50℃,1ヶ月)の香り立ち
歯磨組成物を上記ラミネートチューブに50g充填し、各組成を50℃で1ヶ月間又は−5℃で1ヶ月間保存した後、薬包紙上に1g押し出し、専門家5名の官能評価により、−5℃保存品に比べた50℃保存品の香り立ち変化を下記の4段階で評価した。
評点基準
4点:香り立ちに変化が認められない状態
3点:わずかに香り立ちに変化が認められる状態
2点:香り立ちに変化が認められる状態
1点:著しく香り立ちに変化が認められる状態
5名の評価点の平均値を求め、香り立ちの変化の度合いを下記4段階で判定した。◎、○となるものを50℃保存時における製剤の香り立ちの安定性に優れる歯磨組成物であると判断した。
評価基準
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.5点以上3.0点未満
×:2.5点未満
Figure 0006007696
* :純分換算値(以下、同様。)。
**:歯磨製造工程の最後にポリエチレングリコールを添加。
Figure 0006007696

Claims (5)

  1. (A)シリカ系研磨剤及び炭酸カルシウムから選ばれる無機研磨剤を5〜50質量%と、
    (B)バニリン及び/又はマルトールを0.001〜0.5質量%と、
    (C)酸化チタンを0.05〜1質量%と、
    (D)平均分子量が1,850〜2,150であるポリエチレングリコールを0.3〜4質量%
    を含有してなることを特徴とする歯磨組成物。
  2. (A)成分の無機研磨剤が、シリカ系研磨剤である請求項1記載の歯磨組成物。
  3. (D)成分/(B)成分が質量比として5〜200である請求項1又は2記載の歯磨組成物。
  4. 前記(A)(B)(C)(D)成分を配合して歯磨組成物を製造するに際し、(D)成分を配合した後、(A)成分及び(B)成分を添加する請求項1乃至のいずれか1項記載の歯磨組成物の製造方法。
  5. (C)成分は、(B)成分の添加前に添加するか、又は(B)成分と共に添加する請求項4記載の歯磨組成物の製造方法。
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