以下、本発明に係るキャップ付き容器における第1の実施形態について、図1〜図20を参酌して説明する。
本実施形態に係るキャップ付き容器は、図1〜図4に示すように、開口部211aを有する容器2と、容器2の開口部211aを閉じるべく容器2に装着されるキャップ1とを備える。そして、キャップ付き容器は、キャップ1が容器2に対して回転されることにより、開口部211aを開放できない閉位置(図1及び図2)と、開口部211aを開放できる開位置(図3及び図4)とに、キャップ1を位置変更可能に構成されている。
なお、キャップ1においては、開放されている側、即ち、図1〜図4における下方側(下端部)が軸線方向及び螺旋方向の「先端側(先端部)」といい、図1〜図4における上方側(上端部)が軸線方向及び螺旋方向の「基端側(基端部)」といい、また、容器2においては、開口部211a側、即ち、図1〜図4における上方側(上端部)が軸線方向及び螺旋方向の「先端側(先端部)」といい、図1〜図4における下方側(下端部)が軸線方向及び螺旋方向の「基端側(基端部)」という。
キャップ1は、図1〜図8に示すように、容器2と係合するキャップ本体11と、容器2と係合し、容器2の開口部211aを閉塞するための蓋体12とを備えている。また、キャップ1は、蓋体12が容器2の開口部211aを開閉できるように、キャップ本体11と蓋体12とを接続する接続部13を備えている。
そして、キャップ1は、容器2に対して回転されることにより、開口部211aを閉じるべく蓋体12が容器2と係合する閉位置と、開口部211aを開くべく蓋体12が容器2との係合を解除する開位置とに位置変更可能に構成されている。なお、キャップ1は、本実施形態において、硬質樹脂(例えば、プラスチック)で形成されている。
キャップ本体11は、円筒状に形成される基体部111と、蓋体12と嵌合する嵌合部(以下、「本体嵌合部」ともいう)112とを備えている。そして、キャップ本体11は、容器2と係合すべく、容器2と螺合する雌ネジ形状のネジ部(以下、「本体ネジ部」ともいう)113を、基体部111の内周部に備えている。
なお、キャップ本体11(及びその各構成)において、「軸線方向」は、キャップ1、キャップ本体11、基体部111及び本体ネジ部113の軸線方向をいい、「径方向」は、キャップ1、キャップ本体11、基体部111及び本体ネジ部113の径方向をいい、「周方向」は、キャップ1、キャップ本体11、基体部111及び本体ネジ部113の周方向をいい、「螺旋方向」は、本体ネジ部113の螺旋方向(ネジ山が延設される方向)をいう。
基体部111は、軸線方向の先端側(下方側)にスリット111aを備えており、これにより、軸線方向の先端側(下方側)が内周壁111bと外周壁111cとの二重構造で形成されている。そして、基体部111は、内周壁111bが径方向で弾性変形可能に構成されている。
本体嵌合部112は、基体部111における軸線方向の基端部(上端部)から該軸線方向(上方向)に向けて凸状となるように突出して形成されている。そして、本体嵌合部112は、径方向で接続部13と対面する位置に配置されている。即ち、本体嵌合部112は、接続部13に対して、円筒状の基体部111における180度反対の位置に配置されている。なお、本体嵌合部112は、キャップ1が閉位置に位置する際に、蓋体12と嵌合する。
本体ネジ部113は、径方向内方に突出する一対の突出部(以下、「本体突出部」ともいう)114,114と、キャップ本体11が容器2に対して揺動することを抑制すべく、径方向内方に突出し、容器2と螺合する螺合部115とを備える。そして、本体ネジ部113は、一対の本体突出部114,114と一つの螺合部115とにより、ネジ山を構成している。
一対の本体突出部114,114は、径方向で互いに対面するように、即ち、円筒状の基体部111における180度反対の位置にそれぞれ配置されている。また、本体突出部114は、二重構造である基体部111の軸線方向の先端側(下方側)、即ち、内周壁111bに配置されている。
そして、本体突出部114は、キャップ1が容器2に取り付けられる際に、内周部で容器2と摺接する。なお、本体突出部114は、螺旋方向の先端側(下方側)が傾斜するように形成されている。具体的には、本体突出部114は、螺旋方向において、先端側(下方側)から基端側(上方側)に向けて、基体部111からの突出量が次第に大きくなるように形成されている。
また、本体突出部114は、キャップ1が閉位置から開位置に位置変更される際に、軸線方向の基端側(上方側)の面114aを、容器2に案内される。なお、本体突出部114の当該面(以下、「第1被案内面」ともいう)114aは、径方向に沿う平面状で且つ周方向(又は、螺旋方向)に沿う平面状に形成されている。
さらに、本体突出部114は、キャップ1が容器2から離脱されることを防止すべく、螺旋方向の基端側(上方側)の面114bを、螺旋方向にて容器2に係止される。なお、本体突出部114の当該面(以下、「本体係止面」ともいう)114bは、径方向に沿う平面状で且つ軸線方向に沿う平面状に形成されている。
螺合部115は、螺旋方向(周方向)における幅寸法が本体突出部114の当該幅寸法よりも小さくなるように形成されている。また、螺合部115は、軸線方向における幅寸法(高さ寸法)が本体突出部114の当該幅寸法(高さ寸法)と略同じになるように形成されている。そして、螺合部115は、径方向における基体部111からの突出量が本体突出部114の当該突出量と略同じになるように形成されている。
そして、螺合部115は、螺旋方向において、各本体突出部114と離間して配置されている。また、螺合部115は、螺旋方向において、本体突出部114よりも基端側(上方側)に配置されている。さらに、螺合部115は、周方向において、一対の本体突出部114,114の略中間位置に配置されている。加えて、螺合部115は、内周壁111bよりも厚く形成される(一重構造である)基体部111の軸線方向の基端側(上方側)に配置されている。
蓋体12は、円筒状に形成される蓋本体部121と、本体嵌合部112と嵌合する嵌合部(以下、「蓋体嵌合部」ともいう)122と、容器2と係合すべく、容器2と螺合する雌ネジ形状のネジ部(以下、「蓋体ネジ部」ともいう)123とを備える。また、蓋体12は、蓋本体部121の基端部(上端部)を閉塞し且つ容器2の開口部211aを覆う蓋部124と、蓋部124の内側に配置され、容器2の開口部211aを封止する弾性部(パッキン)125とを備える。
なお、蓋体12(及びその各構成)において、「軸線方向」は、キャップ1、蓋体12、蓋本体部121及び蓋体ネジ部123の軸線方向をいい、「径方向」は、キャップ1、蓋体12、蓋本体部121及び蓋体ネジ部123の径方向をいい、「周方向」は、キャップ1、蓋体12、蓋本体部121及び蓋体ネジ部123の周方向をいい、「螺旋方向」は、蓋体ネジ部123の螺旋方向(ネジ山が延設される方向)をいう。
蓋体嵌合部122は、凸状の本体嵌合部112と嵌合すべく、蓋本体部121における軸線方向の先端部(下端部)に凹状となるように形成されている。そして、蓋体嵌合部122は、径方向で接続部13と対面する位置に配置されている。即ち、蓋体嵌合部122は、接続部13に対して、円筒状の蓋本体部121における180度反対の位置に配置されている。なお、蓋体嵌合部122は、キャップ1が閉位置に位置する際に、本体嵌合部112と嵌合する。
蓋体ネジ部123は、本体ネジ部113と同じリードとなるように形成されている。また、蓋体ネジ部123は、キャップ1が閉位置から開位置に位置変更される際に、ネジ山における軸線方向の先端側の面(下方側のフランク)123aを、容器2に案内される。なお、蓋体ネジ部123の当該面(以下、「第2被案内面」ともいう)123aは、径方向に沿う平面状で且つ螺旋方向に沿う平面状に形成されている。
接続部13は、本実施形態において、ヒンジ機構としている。なお、接続部13は、ヒンジ機構に限られず、例えば、可撓性や弾性を有する紐状体でもよい。要するに、接続部13は、キャップ本体11と蓋体12とを接続し、蓋体12がキャップ本体11に対して変位(接離)できる構成であればよい。
容器2は、図1〜図4及び図9〜図14に示すように、キャップ1を装着する装着部21と、装着部21よりも大径に形成され、内容物を収容可能な容器本体22とを備え、装着部21の軸線方向における基端部(下端部)と容器本体22の軸線方向における先端部(上端部)とが連結して構成されている。なお、容器2は、本実施形態において、硬質樹脂(例えば、プラスチック)で形成されている。
装着部21は、円筒状に形成され且つ先端部(上端部)に開口部211aを配置している装着部本体211と、装着部本体211の外周部に配置され、雄ネジ形状のネジ部(以下、「容器ネジ部」ともいう)212とを備えている。また、装着部21は、キャップ本体11と蓋体12とを離反させることで、本体嵌合部112と蓋体嵌合部122との嵌合を解除させるべく、蓋体12を案内する案内部(以下、「蓋体案内部」ともいう)213と、キャップ本体11を案内する案内部(以下、「本体案内部」ともいう)214とを備えている。
また、装着部21は、離脱されているキャップ1が容器2に装着されるべく締め方向に回転される際に、本体突出部114を本体案内部214に乗り上げさせる乗上部215と、キャップ1が開位置から緩め方向に回転されて容器2から離脱されることを防止すべく、本体突出部114を係止する係止部(以下、「容器係止部」ともいう)216とを備えている。さらに、装着部21は、キャップ1を開位置で保持するための開位置保持部217と、キャップ1を閉位置で保持するための閉位置保持部218とを備えている。
なお、容器2(及びその各構成)において、「軸線方向」は、容器2、装着部21、装着部本体211及び容器ネジ部212の軸線方向をいい、「径方向」は、容器2、装着部21、装着部本体211及び容器ネジ部212の径方向をいい、「周方向」は、容器2、装着部21、装着部本体211及び容器ネジ部212の周方向をいい、「螺旋方向」は、容器ネジ部212の螺旋方向(ネジ山が延設される方向)をいう。
容器ネジ部212は、本体ネジ部113と螺合すると共に、蓋体ネジ部123と螺合する。そして、キャップ1が閉位置に位置する(図1及び図2)際には、蓋体ネジ部123が容器ネジ部212と螺合しているため、開口部211aを開放できない状態であり、また、キャップ1が開位置に位置する(図3及び図4)際には、蓋体ネジ部123が容器ネジ部212との螺合を解除しているため、開口部211aを開放できる状態である。なお、容器ネジ部212は、本実施形態において、二条ネジとしている。
蓋体案内部213は、容器ネジ部212のネジ山から軸線方向の先端側(上方側)に向けて突出している。具体的には、蓋体案内部213は、容器ネジ部212のネジ山における螺旋方向の先端部であって且つ軸線方向の先端側の面(上方側のフランク)から突出している。なお、蓋体案内部213は、容器ネジ部212のネジ山からの軸線方向への突出量が螺旋方向の先端側(上方側)に向けて大きくなるように形成されている。また、蓋体案内部213は、容器ネジ部212のネジ溝に配置されている。
そして、蓋体案内部213は、キャップ1が閉位置から開位置に位置変更する際に、軸線方向の先端側(上方側)の面213aで、蓋体ネジ部123のネジ山の第2被案内面123aを案内する。なお、蓋体案内部213の当該面(以下、「蓋体案内面」ともいう)213aは、径方向に沿う平面状で且つ周方向(又は、螺旋方向)に沿う平面状に形成されている。
本体案内部214は、容器ネジ部212のネジ山から軸線方向の基端側(下方側)に向けて突出している。具体的には、本体案内部214は、容器ネジ部212のネジ山における基端側の面(下方側のフランク)から突出している。
なお、本体案内部214は、容器ネジ部212のネジ山からの軸線方向への突出量が螺旋方向の先端側(上方側)に向けて大きくなるように形成されている。そして、本体案内部214は、容器ネジ部212のネジ溝に配置されている。さらに、本体案内部214は、螺旋方向において、蓋体案内部213よりも基端側(下方側)に配置されている。
そして、本体案内部214は、キャップ1が閉位置から開位置に位置変更する際に、軸線方向の基端側(下方側)の面214aで、本体ネジ部113のネジ山である本体突出部114の第1被案内面114aを案内する。なお、本体案内部214の当該面(以下、「本体案内面」ともいう)214aは、径方向に沿う平面状で且つ周方向(又は、螺旋方向)に沿う平面状に形成されている。
乗上部215は、螺旋方向において、本体案内部214よりも先端側(上方側)に配置されている。そして、乗上部215は、容器ネジ部212のネジ溝に配置されている。また、乗上部215は、螺旋方向の先端部(上端部)が傾斜して形成されている。具体的には、乗上部215は、螺旋方向において本体案内部214や容器係止部216に向けて、即ち、螺旋方向において先端側(上方側)から基端側(下方側)に向けて、装着部本体211からの突出量が次第に大きくなるように形成されている。
容器係止部216は、軸線方向において、本体案内部214よりも基端側(下方側)に配置されていると共に、螺旋方向において、本体案内部214の先端部に連結されている。そして、容器係止部216は、容器ネジ部212のネジ溝に配置されている。また、容器係止部216における装着部本体211からの突出量は、本体案内部214における当該突出量と、略同じである。
そして、容器係止部216は、キャップ1が開位置から緩め方向に回転された際に、螺旋方向の基端側(下方側)の面216aで、螺旋方向にて本体突出部114の本体係止面114bを係止する。なお、容器係止部216の当該面(以下、「容器係止面」ともいう)216aは、径方向に沿う平面状で且つ軸線方向に沿う平面状に形成されている。
開位置保持部217は、螺旋方向の先端部(上端部)で、本体突出部114の螺旋方向の先端部(下端部)を係止すべく、装着部本体211から径方向外方に突出している。そして、開位置保持部217は、容器係止部216と離間して配置されていると共に、容器係止部216よりも螺旋方向の基端側(下方側)に配置されている。
開位置保持部217は、螺旋方向の両端部が傾斜して形成されている。具体的には、開位置保持部217は、螺旋方向において中央部に向けて、装着部本体211からの突出量が次第に大きくなるように形成されている。そして、開位置保持部217は、容器ネジ部212のネジ溝に配置されている。なお、開位置保持部217における装着部本体211からの突出量は、本体案内部214や容器係止部216における当該突出量よりも小さい。
閉位置保持部218は、螺旋方向の先端部(上端部)で、螺合部115の螺旋方向の先端部(下端部)を係止すべく、装着部本体211から径方向外方に突出している。そして、閉位置保持部218は、容器係止部216と離間して配置されていると共に、容器係止部216よりも螺旋方向の先端側(上方側)に配置されている。また、閉位置保持部218は、容器ネジ部212のネジ溝に配置されている。
さらに、閉位置保持部218は、螺旋方向の先端部(上端部)が傾斜して形成されている。具体的には、閉位置保持部218は、螺旋方向において先端部(上端部)から中央部に向けて、装着部本体211からの突出量が次第に大きくなるように形成されている。なお、閉位置保持部218における装着部本体211からの突出量は、本体案内部214や容器係止部216における当該突出量よりも小さい。
容器本体22は、軸線方向における先端部(上端部)に、キャップ1の先端部(下端部)と当接する当接部221を備える。そして、当接部221は、キャップ1が閉位置に位置する際に、キャップ本体11の先端部(下端部)と周方向に亘って当接する。したがって、キャップ1が閉位置に位置する際に、キャップ1が揺動することを抑制したり、本体嵌合部112と蓋体嵌合部122とを確実に嵌合させたりする。
本実施形態に係るキャップ付き容器の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係るキャップ付き容器の作用について、図15〜図20を参酌して説明する。
まず、キャップ1が容器2から離脱されている状態から、キャップ1を容器2に対して締め方向(右回り)に回転させる。これにより、容器ネジ部212と本体ネジ部113とがそれぞれの先端側から螺合し始める。具体的には、キャップ1は、本体突出部114、螺合部115の順に、容器ネジ部212と螺合する。このとき、本体嵌合部112と蓋体嵌合部122とは、嵌合している。
さらに、キャップ1を締め方向に回転させると、図15及び図16に示すように、本体突出部114と乗上部215とは、互いに傾斜している先端側で当接する。そして、本体突出部114の内周部と乗上部215の外周部が摺接することで、内周壁111bが弾性変形し、その後、本体突出部114が乗上部215を乗り越える。
ここで、本体嵌合部112と蓋体嵌合部122とが嵌合しており、しかも、蓋体ネジ部123が蓋体案内部213に摺接していることもあり、乗上部215を乗り越えた本体突出部114は、容器係止部216を介して、本体案内部214に乗り上がる。そして、キャップ1をさらに締め方向に回転させると、本体突出部114が本体案内部214を乗り越え、図17及び図18に示すように、キャップ1が閉位置に位置する。
したがって、本体嵌合部112と蓋体嵌合部122との嵌合が維持された状態(図1及び図2参照)で、キャップ1が容器2に装着される。このとき、閉位置保持部218が螺合部115を係止するため、閉位置に位置するキャップ2を閉位置で保持している。また、蓋体案内部213は、蓋体ネジ部123と離間している。なお、図17において、蓋体ネジ部123の二条のネジ山のうち、一つのネジ山のみが図示されている。
次に、閉位置に位置しているキャップ1を緩め方向(左回り)に回転させると、蓋体ネジ部123が蓋体案内部213に案内されると共に、本体突出部114が本体案内部214に案内される。
このとき、蓋体12は、蓋体ネジ部123が容器ネジ部212に案内されている(蓋体案内部213に案内されていない)場合よりも、容器2の先端側に大きく移動する(容器2の先端側へのリードが大きくなる)一方、キャップ本体11は、本体突出部114が容器ネジ部212に案内されている(本体案内部214に案内されていない)場合よりも、容器2の先端側に小さく移動する(容器2の先端側へのリードが小さくなる)。これにより、キャップ本体11と蓋体12とが軸線方向で徐々に離反していく。
さらに、キャップ1を緩め方向に回転させると、本体突出部114が開位置保持部217を乗り越えて、図19及び図20に示すように、キャップ1が閉位置から開位置に位置変更する。そして、キャップ本体11と蓋体12とが軸線方向で徐々に離反しているため、キャップ1が開位置に位置した際には、本体嵌合部112と蓋体嵌合部122との嵌合が解除されている(図3及び図4参照)。なお、図19において、蓋体ネジ部123の二条のネジ山のうち、一つのネジ山のみが図示されている。
このとき、容器係止部216と本体突出部114とが螺旋方向で互いに係止するため、キャップ1が開位置からさらに緩め方向に回転されて容器2から離脱されることを防止している。さらに、開位置保持部217が本体突出部114を係止するため、キャップ1を開位置で保持している。そして、キャップ1が開位置に位置することで、蓋体12が容器2から離脱可能であるため、接続部13を介して蓋体12を回動させることで、容器2の開口部211aが開放される。
再度、キャップ1を開位置から閉位置に位置変更させる際には、接続部13を介して蓋体12を戻して、キャップ1を締め方向に回転させる。このとき、本体突出部114が開位置保持部217を乗り越える一方、本体突出部114が本体案内部214に乗り上がることはない。そして、キャップ1をさらに締め方向に回転させると、キャップ1が閉位置に位置し保持される一方、本体嵌合部112と蓋体嵌合部122とが嵌合する。
以上より、本実施形態に係るキャップ付き容器は、開口部211aを有する容器2と、容器2の開口部211aを閉じるべく容器2に装着されるキャップ1とを備え、キャップ1は、容器2と係合するキャップ本体11と、容器2と係合し且つ容器2の開口部211aを開閉できるようにキャップ本体11に接続される蓋体12とを備え、容器2に対して回転されることにより、開口部211aを閉じるべく蓋体12が容器2と係合する閉位置と、開口部211aを開くべく蓋体12が容器2との係合を解除する開位置とに位置変更可能に構成され、キャップ本体11及び蓋体12は、キャップ1が閉位置に位置する際に、互いに嵌合する嵌合部112,122を備え、容器2は、キャップ1が閉位置から開位置に位置変更する際に各嵌合部112,122の嵌合が解除されるべく、キャップ本体11と蓋体12とが離反するように、キャップ本体11を案内する本体案内部214と、蓋体12を案内する蓋体案内部213とを備える。
したがって、本実施形態に係るキャップ付き容器によれば、キャップ本体11及び蓋体12は、互いに嵌合する嵌合部112,122を備えている。これにより、キャップ1が容器2に装着される際に、各嵌合部112,122が嵌合することで、キャップ本体11と蓋体12とが固定される。したがって、キャップ1を容器2に容易に装着することができる。また、容器2は、キャップ1が閉位置から開位置に位置変更する際に、キャップ本体11を案内する本体案内部214と、蓋体12を案内する蓋体案内部213とを備えている。
これにより、キャップ1が閉位置から開位置に位置変更すると、本体案内部214がキャップ本体11を案内し且つ蓋体案内部213が蓋体12を案内するため、キャップ本体11(本体嵌合部112)と蓋体12(蓋体嵌合部122)とが離反する。したがって、キャップ1が開位置に位置すると、各嵌合部112,122の嵌合が解除されるため、容器2の開口部211aを容易に開けることができる。
また、本実施形態に係るキャップ付き容器において、容器2は、ネジ形状の容器ネジ部212を備え、蓋体12は、容器2と係合すべく容器ネジ部212と螺合するネジ形状の蓋体ネジ部123を備え、さらに、容器2は、蓋体ネジ部123のネジ山を案内する蓋体案内部213を備え、蓋体案内部213は、容器ネジ部212の軸線方向において、容器ネジ部212のネジ山から先端側に向けて突出している。
したがって、本実施形態に係るキャップ付き容器によれば、容器2は、ネジ形状の容器ネジ部212を備えていると共に、蓋体12は、容器ネジ部212と螺合するネジ形状の蓋体ネジ部123を備えていることで、容器2と係合している。さらに、容器2は、蓋体ネジ部123のネジ山を案内する蓋体案内部213を備えている。そして、蓋体案内部213は、容器ネジ部212の軸線方向において、容器ネジ部212のネジ山から先端側に向けて突出している。
これにより、キャップ1が閉位置から開位置に位置変更する際に、蓋体案内部213が蓋体ネジ部123のネジ山を案内することで、容器ネジ部212の軸線方向における先端側への蓋体12の移動量(リード)が、同方向におけるキャップ本体11の移動量(リード)よりも大きくなる。したがって、キャップ1が閉位置から開位置に位置変更する際に、キャップ本体11と蓋体12とが離反するため、キャップ1が開位置に位置すると、本体嵌合部112と蓋体嵌合部122との嵌合が解除される。
また、本実施形態に係るキャップ付き容器において、容器2は、ネジ形状の容器ネジ部212を備え、キャップ本体11は、容器2と係合すべく容器ネジ部212と螺合するネジ形状の本体ネジ部113を備え、さらに、容器2は、本体ネジ部113のネジ山を案内する本体案内部214を備え、本体案内部214は、容器ネジ部212の軸線方向において、容器ネジ部212のネジ山から基端側に向けて突出している。
したがって、本実施形態に係るキャップ付き容器によれば、容器2は、ネジ形状の容器ネジ部212を備えていると共に、キャップ本体11は、容器ネジ部212と螺合するネジ形状の本体ネジ部113を備えていることで、容器2と係合している。さらに、容器2は、本体ネジ部113のネジ山を案内する本体案内部214を備えている。そして、本体案内部214は、容器ネジ部212の軸線方向において、容器ネジ部212のネジ山から基端側に向けて突出している。
これにより、キャップ1が閉位置から開位置に位置変更する際に、本体案内部214が本体ネジ部113のネジ山を案内することで、容器ネジ部212の軸線方向における先端側へのキャップ本体11の移動量(リード)が、同方向における蓋体12の移動量(リード)よりも小さくなる。したがって、キャップ1が閉位置から開位置に位置変更する際に、キャップ本体11と蓋体12とが離反するため、キャップ1が開位置に位置すると、本体嵌合部112と蓋体嵌合部122との嵌合が解除される。
また、本実施形態に係るキャップ付き容器において、キャップ本体11は、径方向に突出する本体突出部114を備え、本体突出部114は、本体案内部214に案内されるべく、本体ネジ部113のネジ山の一部を構成し、容器2は、離脱されているキャップ1が容器2に装着されるべく締め方向に回転される際に、本体突出部114が本体案内部214に乗り上がるべく、容器ネジ部212の螺旋方向において本体案内部214よりも先端側に配置され且つ傾斜して形成される乗上部215を備えている。
したがって、本実施形態に係るキャップ付き容器によれば、キャップ本体11は、径方向に突出する本体突出部114を備えている。そして、本体突出部114が本体ネジ部113のネジ山の一部を構成するため、キャップ1が閉位置から開位置に位置変更する際に、本体突出部114が本体案内部214に案内される。
また、容器2は、容器ネジ部212の螺旋方向において本体案内部214よりも先端側に配置され且つ傾斜して形成される乗上部215を備えている。これにより、離脱されているキャップ1が容器2に装着されるべく締め方向に回転される際に、本体突出部114が容器ネジ部212の螺旋方向の先端側から本体案内部214に乗り上がる。
したがって、離脱されているキャップ1が容器2に装着される際においては、本体突出部114が本体案内部214を通過する際でも、本体嵌合部112と蓋体嵌合部122との嵌合が維持される。その結果、キャップ1を容器2にさらに容易に装着することができる。
また、本実施形態に係るキャップ付き容器において、容器2は、キャップ1が開位置から緩め方向に回転されて容器2から離脱されることを防止すべく、容器ネジ部212の螺旋方向で本体突出部114を係止する容器係止部216を備え、容器係止部216は、容器ネジ部212の螺旋方向において、本体案内部214の先端部に連結されている。
したがって、本実施形態に係るキャップ付き容器によれば、容器2は、容器ネジ部212の螺旋方向で本体突出部114を係止する容器係止部216を備えている。これにより、キャップ1が開位置から緩め方向に回転されて容器2から離脱されることを防止できる。
また、容器係止部216は、容器ネジ部212の螺旋方向において、本体案内部214の先端部に連結される。これにより、容器係止部216が本体案内部214と一体的に形成されているため、離脱されているキャップ1が締め方向に回転されて容器2に装着される際に、本体突出部114が乗上部215を介して本体案内部214に乗り上がることで、本体突出部114が容器係止部216も通過できる。
次に、本発明に係るキャップ付き容器における第2の実施形態について、図21〜図32を参酌して説明する。
本実施形態に係るキャップ付き容器は、図21〜図24に示すように、開口部411aを有する容器4と、容器4の開口部411aを閉じるべく容器4に装着されるキャップ3とを備える。そして、キャップ付き容器は、キャップ3が容器4に対して回転されることにより、開口部411aを開放できない閉位置(図21及び図22)と、開口部411aを開放できる開位置(図23及び図24)とに、キャップ3を位置変更可能に構成されている。
なお、キャップ3においては、開放されている側、即ち、図21〜図24における下方側(下端部)が軸線方向及び螺旋方向の「先端側(先端部)」といい、図21〜図24における上方側(上端部)が軸線方向及び螺旋方向の「基端側(基端部)」といい、また、容器4においては、開口部411a側、即ち、図21〜図24における上方側(上端部)が軸線方向及び螺旋方向の「先端側(先端部)」といい、図21〜図24における下方側(下端部)が軸線方向及び螺旋方向の「基端側(基端部)」という。
キャップ3は、図21〜図26に示すように、容器4と係合するキャップ本体31と、容器4と係合し、容器4の開口部411aを閉塞するための蓋体32と、蓋体32が容器4の開口部411aを開閉できるように、キャップ本体31と蓋体32とを接続する接続部33を備えている。そして、キャップ3は、容器4に対して回転されることにより、開口部411aを閉じるべく蓋体32が容器4と係合する閉位置と、開口部411aを開くべく蓋体32が容器4との係合を解除する開位置とに位置変更可能に構成されている。
キャップ本体31は、円筒状に形成される基体部311と、蓋体32と嵌合する嵌合部(以下、「本体嵌合部」ともいう)312とを備えている。そして、キャップ本体31は、容器4と係合する係合部(以下、「本体係合部」ともいう)313を、基体部311の内周部に備えている。
なお、キャップ本体31(及びその各構成)において、「軸線方向」は、キャップ3、キャップ本体31及び基体部311の軸線方向をいい、「径方向」は、キャップ3、キャップ本体31及び基体部311の径方向をいい、「周方向」は、キャップ3、キャップ本体31及び基体部311の周方向をいう。
基体部311は、軸線方向の先端側(下方側)から基端側(上方側)に延びるスリット311aを備えており、これにより、内周壁311bと外周壁311cとの二重構造で形成されている。そして、基体部311は、内周壁311bが径方向で弾性変形可能に構成されている。
本体嵌合部312は、基体部311における基端部(上端部)から該軸線方向(上方向)に向けて凸状となるように突出して形成されている。そして、本体嵌合部312は、径方向で接続部33と対面する位置に配置されている。なお、本体嵌合部312は、キャップ3が閉位置に位置する際に、蓋体32と嵌合する。
本体係合部313は、基体部311から径方向内方に突出する突出部(以下、「第1本体突出部」ともいう)314と、第1本体突出部314よりも先端側(下端側)に配置され、基体部311から径方向内方に突出する突出部(以下、「第2本体突出部」ともいう)315とを備えている。各突出部314,315は、本実施形態において、それぞれ四つずつ設けられている。
第1本体突出部314は、周方向において、それぞれ等間隔に配置されている。そして、第1本体突出部314は、二重構造である基体部311の軸線方向の中央部、即ち、内周壁311bの軸線方向の中央部に配置されている。なお、第1本体突出部314は、周方向の一端面(以下、「傾斜面」ともいう)314aが傾斜するように形成されている。
また、第1本体突出部314は、キャップ3が閉位置から開位置に位置変更される際に、軸線方向の基端側(上方側)の面314bで、容器4に案内される。なお、斯かる第1本体突出部314の当該面(以下、「第1被案内面」ともいう)314bは、径方向に沿う平面状で且つ周方向に沿う平面状に形成されている。
また、第1被案内面314bは、本体嵌合部312の近傍に配置されている第1本体突出部314のみに設けられている。即ち、第1被案内面314bは、本体嵌合部312と周方向で同じ位置(同じ角度位置)に配置されている第1本体突出部(図26の横方向中央に位置している第1本体突出部)314のみに設けられている。なお、各第1本体突出部314の形状は、同じである。
さらに、第1本体突出部314は、キャップ3が容器4から離脱されることを防止すべく、周方向の他端面314cで、周方向にて容器4を係止する。なお、第1本体突出部314の当該面(以下、「本体係止面」ともいう)314cは、径方向に沿う平面状で且つ軸線方向に沿う平面状に形成されている。
第2本体突出部315は、周方向における幅寸法が第1本体突出部314の当該幅寸法よりも小さくなるように形成されている。また、第2本体突出部315は、周方向において、第1本体突出部314,314間に配置されており、軸線方向において、第1本体突出部314と重なることを防止するように配置されている。そして、第2本体突出部315は、基体部311の先端側(下方側)、即ち、内周壁311bの先端側(下方側)に配置されている。
蓋体32は、円筒状に形成される蓋本体部321と、本体嵌合部312と嵌合する嵌合部(以下、「蓋体嵌合部」ともいう)322と、容器4と係合すべく、容器4と螺合する雌ネジ形状のネジ部(以下、「蓋体ネジ部」ともいう)323とを備える。また、蓋体32は、蓋本体部321の基端部(上端部)を閉塞し且つ容器4の開口部411aを覆う蓋部324と、蓋部324の内側に配置され、容器4の開口部411aを封止する弾性部(パッキン)325とを備える。
なお、蓋体32(及びその各構成)において、「軸線方向」は、キャップ3、蓋体32、蓋本体部321及び蓋体ネジ部323の軸線方向をいい、「径方向」は、キャップ3、蓋体32、蓋本体部321及び蓋体ネジ部323の径方向をいい、「周方向」は、キャップ3、蓋体32、蓋本体部321及び蓋体ネジ部323の周方向をいい、「螺旋方向」は、蓋体ネジ部323の螺旋方向(ネジ山が延設される方向)をいう。
蓋体嵌合部322は、凸状の本体嵌合部312と嵌合すべく、蓋本体部321における軸線方向の先端部(下端部)に凹状となるように形成されている。そして、蓋体嵌合部322は、径方向で接続部33と対面する位置に配置されている。なお、蓋体嵌合部322は、キャップ3が閉位置に位置する際に、本体嵌合部312と嵌合する。
蓋体ネジ部323は、キャップ3が閉位置から開位置に位置変更される際に、ネジ山における軸線方向の先端側の面(下方側のフランク)323aで、容器4に案内される。なお、蓋体ネジ部323の当該面(以下、「第2被案内面」ともいう)323aは、径方向に沿う平面状で且つ螺旋方向に沿う平面状に形成されている。
容器4は、図21〜図24及び図27〜図28に示すように、キャップ3を装着する装着部41と、装着部41よりも大径に形成され、内容物を収容可能な容器本体42とを備える。そして、容器4は、装着部41の軸線方向における基端部(下端部)と容器本体42の軸線方向における先端部(上端部)とが連結して構成されている。
装着部41は、円筒状に形成され且つ先端部(上端部)に開口部411aを配置している装着部本体411と、装着部本体411の外周部に配置され、蓋体ネジ部323と螺合する雄ネジ形状のネジ部(以下、「容器ネジ部」ともいう)412とを備えている。また、装着部41は、本体係合部313と係合する係合部(以下、「第1容器係合部」ともいう)413と、第1容器係合部413よりも基端側(下方側)に配置され、本体係合部313と係合する係合部(以下、「第2容器係合部」ともいう)414とを備える。
なお、容器4(及びその各構成)において、「軸線方向」は、容器4、装着部41、装着部本体411及び容器ネジ部412の軸線方向をいい、「径方向」は、容器4、装着部41、装着部本体411及び容器ネジ部412の径方向をいい、「周方向」は、容器4、装着部41、装着部本体411及び容器ネジ部412の周方向をいい、「螺旋方向」は、容器ネジ部412の螺旋方向(ネジ山が延設される方向)をいう。
そして、装着部41は、装着部本体411から周方向に亘って径方向外方に突出し且つ容器ネジ部412と第1容器係合部413との間に配置される鍔部415を備えている。また、装着部41は、キャップ3が閉位置に位置する際にキャップ本体31の先端部(下端部)と当接すべく、装着部本体411から周方向に亘って径方向外方に突出し且つ第2容器係合部414より基端側(下方側)に配置される当接部416を備える。
さらに、装着部41は、キャップ本体31と蓋体32とを離反させることで、本体嵌合部312と蓋体嵌合部322との嵌合を解除させるべく、蓋体32を案内する案内部(以下、「蓋体案内部」ともいう)417と、キャップ本体31を案内する案内部(以下、「本体案内部」ともいう)418とを備えている。
容器ネジ部412は、蓋体ネジ部323と螺合する。そして、キャップ3が閉位置に位置する(図21及び図22)際には、蓋体ネジ部323が容器ネジ部412と螺合しているため、開口部411aを開放できない状態であり、また、キャップ3が開位置に位置する(図23及び図24)際には、蓋体ネジ部323が容器ネジ部412との螺合を解除しているため、開口部411aを開放できる状態である。なお、容器ネジ部412は、本実施形態において、四条ネジとしている。
第1容器係合部413は、鍔部415から軸線方向の基端側(下方側)に突出していると共に、装着部本体411から径方向外方に突出している。なお、第1容器係合部413は、本実施形態において、四つ設けられている。そして、第1容器係合部413は、周方向において、それぞれ等間隔に配置されている。
さらに、第1容器係合部413は、キャップ3を開位置で保持すべく、周方向の一端面413aで、周方向にて第1本体突出部314の傾斜面314aを係止する。なお、第1容器係合部413の当該面(以下、「第1開位置保持面」ともいう)413aは、キャップ3が所定以上のトルク力で開位置から締め方向に回転された際に、キャップ3が開位置から閉位置に位置変更できるように、傾斜して形成されている。
また、第1容器係合部413は、キャップ3が開位置から緩め方向に回転された際に、周方向の他端面413bで、周方向にて第1本体突出部314の本体係止面314cを係止する。なお、第1容器係合部413の当該面(以下、「容器係止面」ともいう)413bは、径方向に沿う平面状で且つ軸線方向に沿う平面状に形成されている。
第2容器係合部414は、当接部416から軸線方向の先端側(上方側)に突出していると共に、装着部本体411から径方向外方に突出している。なお、第2容器係合部414は、本実施形態において、四つ設けられている。そして、第2容器係合部414は、周方向において、それぞれ等間隔に配置されていると共に、軸線方向において、第1容器係合部413と重なるように配置されている。
また、第2容器係合部414は、キャップ3が閉位置から開位置に位置変更する際に、容器ネジ部412と同じリードとなるように、軸線方向の先端側の面(上方側の面)414aで第2本体突出部315と摺接する。なお、第2容器係合部414の当該面(以下、「摺接面」ともいう)414aは、径方向に沿う平面状で且つ螺旋方向に沿う平面状に形成されている。
さらに、第2容器係合部414は、キャップ3が開位置に位置する際に容器4に対して軸線方向で移動(揺動)することを防止すべく、軸線方向の先端側の面(上方側の面)414bで第2本体突出部315を係止する。なお、第2容器係合部414の当該面(以下、「第2開位置保持面」ともいう)414bは、径方向に沿う平面状で且つ周方向に沿う平面状に形成されている。また、第2開位置保持面414bは、摺接面414aの周方向の一端部に連結されている。
また、第2容器係合部414は、キャップ3を閉位置で保持すべく、周方向の一方側の面414cで、周方向にて第2本体突出部315を係止する。なお、第2容器係合部414の当該面(以下、「第1閉位置保持面」ともいう)414cは、径方向に沿う平面状で且つ軸線方向に沿う平面状に形成されている。そして、第1閉位置保持面414cは、摺接面414aよりも周方向の一方側に配置されていると共に、第2開位置保持面414bより基端側(下方側)で且つ当接部416より先端側(上方側)に配置されている。
さらに、第2容器係合部414は、キャップ3が閉位置に位置する際に容器4に対して軸線方向で移動(揺動)することを防止すべく、軸線方向の基端側の面(下方側の面)414dで第2本体突出部315を係止する。なお、第2容器係合部414の当該面(以下、「第2閉位置保持面」ともいう)414dは、径方向に沿う平面状で且つ周方向に沿う平面状に形成されている。
そして、第2閉位置保持面414dは、摺接面414aの周方向の一方側に配置されていると共に、第2開位置保持面414bより基端側(下方側)で且つ第2開位置保持面414bより先端側(上方側)に配置されている。なお、第2閉位置保持面414dにおける装着部本体411からの径方向の突出量は、第1閉位置保持面414cにおける当該突出量よりも大きい。
蓋体案内部417は、容器ネジ部412のネジ山から軸線方向の先端側(上方側)に向けて突出している。具体的には、蓋体案内部417は、容器ネジ部412のネジ山における螺旋方向の先端部であって且つ軸線方向の先端側の面(上方側のフランク)から突出している。また、蓋体案内部417は、容器ネジ部412のネジ溝に配置されている。
そして、蓋体案内部417は、キャップ3が閉位置から開位置に位置変更する際に、軸線方向の先端側(上方側)の面417aで、蓋体ネジ部323のネジ山の第2被案内面323aを案内する。なお、蓋体案内部417の当該面(以下、「蓋体案内面」ともいう)417aは、径方向に沿う平面状で且つ周方向(又は、螺旋方向)に沿う平面状に形成されている。
本体案内部418は、鍔部415から軸線方向の基端側(下方側)に向けて突出している。また、本体案内部418は、キャップ3が開位置に位置する際に、各嵌合部312,322の近傍に位置するように配置されている。具体的には、本体案内部418は、キャップ3が開位置に位置する際に、各嵌合部312,322と周方向で同じ位置(同じ角度位置)となるように配置されている。
そして、本体案内部418は、キャップ3が閉位置から開位置に位置変更する際に、軸線方向の基端側(下方側)の面418aで、第1本体突出部314の第1被案内面314bを案内する。なお、本体案内部418の当該面(以下、「本体案内面」ともいう)418aは、径方向に沿う平面状で且つ周方向に沿う平面状に形成されている。また、本体案内部418は、周方向の両側が傾斜して形成されている。
本実施形態に係るキャップ付き容器の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係るキャップ付き容器の作用について、図29〜図32を参酌して説明する。なお、図29及び図31は、容器4の正面図を示し、図30及び図32は、容器4の正面図の180度反対側の図、即ち、容器4の背面図を示している。
まず、キャップ3が容器4から離脱されている状態から、キャップ3を軸線方向に沿って容器4に押し込む。これにより、図29及び図30に示すように、本体係合部313は、容器ネジ部412及び鍔部415を乗り越して、鍔部415と当接部416との間に位置すると共に、蓋体ネジ部323は、容器ネジ部412の一部を乗り越して、容器ネジ部412と螺合する。このとき、本体嵌合部312と蓋体嵌合部322とは、嵌合している。
斯かる状態から、キャップ3を締め方向(右回り)に回転させると、本体嵌合部312と蓋体嵌合部322との嵌合が維持された状態で、キャップ3が閉位置に位置する(図21及び図22参照)。したがって、離脱されているキャップ3を容器4に装着するまで、本体嵌合部312と蓋体嵌合部322との嵌合が維持されている。
そして、キャップ3が閉位置に位置すると、第2容器係合部414が軸線方向で第2本体突出部315を係止すると共に、当接部416が軸線方向で第2本体突出部315を係止する。これにより、第2容器係合部414と当接部416とが協働して、キャップ3が容器4に対して軸線方向で移動することを防止する。
さらに、第2容器係合部414が周方向で第2本体突出部315を係止するため、キャップ3が閉位置で保持される。また、蓋体案内部417は、蓋体ネジ部323と離間している。なお、図29及び30において、蓋体ネジ部323の四条のネジ山のうち、一つのネジ山のみが図示されている。
次に、閉位置に位置しているキャップ3を緩め方向(左回り)に回転させると、第2容器係合部414が摺接面414aで第2本体突出部315と摺接する。そして、図31及び図32に示すように、蓋体ネジ部323が蓋体案内部417に案内されると共に、所定の第1本体突出部314が本体案内部418に案内される。
これにより、キャップ本体31と蓋体32とが軸線方向で離反する。そして、キャップ3が開位置に位置した際には、本体嵌合部312と蓋体嵌合部322との嵌合が解除されていると共に、キャップ本体31が本体嵌合部312側を下方(接続部33側を上方)にして傾斜している(図23及び図24参照)。
このとき、キャップ3が開位置に位置した際に、本体案内部418と各嵌合部312,322とが周方向で同じ位置(同じ角度位置)になる。これにより、キャップ本体31の本体嵌合部312側が確実に下方になるため、嵌合部312,322同士の嵌合が確実に解除される。
また、第2容器係合部414が第2本体突出部315を軸線方向で係止すると共に、鍔部415(本体案内部418)が第1本体突出部314を軸線方向で係止する。これにより、第2容器係合部414と鍔部415(本体案内部418)とが協働して、キャップ3が容器4に対して軸線方向で移動することを防止する。なお、鍔部415が第1本体突出部314を軸線方向で係止することにより、キャップ3が容器4から離脱されることを防止している。
さらに、第1容器係合部413が第1開位置保持面413aで第1本体突出部314を係止するため、キャップ3が開位置で保持される。なお、第1容器係合部413が容器係止面413bで第1本体突出部314を係止するため、キャップ3が開位置から緩め方向にさらに回転されることを防止している。そして、キャップ3が開位置に位置することで、蓋体32が容器4から離脱可能であるため、接続部33を介して蓋体32を回動させることで、容器4の開口部411aが開放される。
再度、キャップ3を開位置から閉位置に位置変更させる際には、接続部33を介して蓋体32を戻して、キャップ3を締め方向に回転させる。そして、キャップ3が閉位置に位置すると、キャップ3が閉位置で保持される一方、本体嵌合部312と蓋体嵌合部322とが嵌合する。
以上より、本実施形態係るキャップ付き容器は、開口部411aを有する容器4と、容器4の開口部411aを閉じるべく容器4に装着されるキャップ3とを備え、キャップ3は、容器4と係合するキャップ本体31と、容器4と係合し且つ容器4の開口部411aを開閉できるようにキャップ本体31に接続される蓋体32とを備え、容器4に対して回転されることにより、開口部411aを閉じるべく蓋体32が容器4と係合する閉位置と、開口部411aを開くべく蓋体32が容器4との係合を解除する開位置とに位置変更可能に構成され、キャップ本体31及び蓋体32は、キャップ4が閉位置に位置する際に、互いに嵌合する嵌合部312,322を備え、容器4は、キャップ3が閉位置から開位置に位置変更する際に各嵌合部312,322の嵌合が解除されるべく、キャップ本体31と蓋体32とが離反するように、キャップ本体31を案内する本体案内部418と、蓋体32を案内する蓋体案内部417とを備える。
したがって、本実施形態に係るキャップ付き容器によれば、キャップ本体31及び蓋体32は、互いに嵌合する嵌合部312,322を備えている。これにより、キャップ3が容器4に装着される際に、各嵌合部312,322が嵌合することで、キャップ本体31と蓋体32とが固定される。したがって、キャップ3を容器4に容易に装着することができる。
また、容器4は、キャップ3が閉位置から開位置に位置変更する際に、キャップ本体31を案内する本体案内部418と、蓋体32を案内する蓋体案内部417とを備えている。これにより、キャップ3が閉位置から開位置に位置変更すると、本体案内部418がキャップ本体31を案内し且つ蓋体案内部417が蓋体32を案内するため、キャップ本体31と蓋体32とが離反する。したがって、キャップ3が開位置に位置すると、各嵌合部312,322の嵌合が解除されるため、容器4の開口部411aを容易に開けることができる。
なお、本発明に係るキャップ付き容器は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。また、上記した複数の実施形態の各構成や各方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る各構成や各方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、さらに、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
まず、上記第1実施形態に係る構成は、キャップ本体11と容器2との係合がネジ機構で且つ蓋体12と容器2との係合がネジ機構である構成であり、また、上記第2実施形態に係る構成は、キャップ本体31と容器4との係合がスライド機構で且つ蓋体32と容器4との係合がネジ機構である構成であったが、本発明に係る構成は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係る構成は、キャップ本体と容器との係合がネジ機構で且つ蓋体と容器との係合がスライド機構である構成でもよく、また、キャップ本体と容器との係合がスライド機構で且つ蓋体と容器との係合もスライド機構である構成でもよい。
また、上記第1及び第2実施形態に係る構成は、離脱されているキャップ1,3を容器2,4に装着するまで、本体嵌合部112,312と蓋体嵌合部122,322との嵌合が維持される構成であったが、本発明に係る構成は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係る構成は、離脱されているキャップを容器に装着する際に、本体嵌合部と蓋体嵌合部との嵌合が一旦解除され、キャップが閉位置に位置して容器に装着された際に、本体嵌合部と蓋体嵌合部とが嵌合する構成でもよい。
また、上記第1及び第2実施形態に係る構成は、キャップ本体11,31を案内する本体案内部214,418と、蓋体12,32を案内する蓋体案内部213,417との双方が設けられる構成であったが、本発明に係る構成は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係る構成は、キャップ本体を案内する本体案内部のみが設けられる構成でもよく、また、蓋体を案内する蓋体案内部のみが設けられる構成でもよい。
また、上記第1及び第2実施形態に係る構成は、容器ネジ部212,412が雄ネジ形状である構成であったが、本発明に係る構成は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係る構成は、容器ネジ部が雌ネジ形状である構成でもよい。
また、上記第1実施形態に係る構成は、本体突出部114が本体ネジ部113のネジ山の一部である構成であったが、本発明に係る構成は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係る構成は、本体突出部が本体ネジ部のネジ山の全体である構成、即ち、本体ネジ部のネジ山が本体突出部のみからなる構成でもよい。