以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づき説明する。図1から図14は、本発明に係るキャップ付き容器の一実施形態を示す。
本実施形態に係るキャップ付き容器は、図1〜図3に示すように、開口部211aを有する容器2と、容器2の開口部211aを閉じるべく容器2に装着されるキャップ1とを備える。そして、キャップ付き容器は、キャップ1が容器2に対して回転されることにより、開口部211aを開放できない閉位置(図1)と、開口部211aを開放できる開位置(図2及び図3)とに、キャップ1を位置変更可能に構成されている。
なお、キャップ1においては、開放されている側、即ち、図1〜図3における下方側(下端部)が軸線方向及び螺旋方向の「先端側(先端部)」といい、図1〜図3における上方側(上端部)が軸線方向及び螺旋方向の「基端側(基端部)」といい、また、容器2においては、開口部211a側、即ち、図1〜図3における上方側(上端部)が軸線方向及び螺旋方向の「先端側(先端部)」といい、図1〜図3における下方側(下端部)が軸線方向及び螺旋方向の「基端側(基端部)」という。
キャップ1は、図1〜図8に示すように、容器2と係合するキャップ本体11と、容器2と係合し、容器2の開口部211aを閉塞するための蓋体12とを備えている。また、キャップ1は、蓋体12が容器2の開口部211aを開閉できるように、キャップ本体11と蓋体12とを接続する接続部13を備えている。
そして、キャップ1は、容器2に対して回転されることにより、開口部211aを閉じるべく蓋体12が容器2と係合する閉位置(図1の位置)と、開口部211aを開くべく蓋体12が容器2との係合を解除する開位置(図2及び図3の位置)とに位置変更可能に構成されている。なお、キャップ1は、本実施形態において、硬質樹脂(例えば、プラスチック)で形成されている。
キャップ本体11は、円筒状に形成される基体部111と、蓋体12と嵌合する嵌合部(以下、「本体嵌合部」ともいう)112とを備えている。そして、キャップ本体11は、容器2と係合すべく、容器2と螺合する雌ネジ形状のネジ部(以下、「本体ネジ部」ともいう)113を、基体部111の内周部に備えている。
なお、キャップ本体11(及びその各構成)において、「軸線方向」は、キャップ1、キャップ本体11、基体部111及び本体ネジ部113の軸線方向をいい、「径方向」は、キャップ1、キャップ本体11、基体部111及び本体ネジ部113の径方向をいい、「周方向」は、キャップ1、キャップ本体11、基体部111及び本体ネジ部113の周方向をいい、「螺旋方向」は、本体ネジ部113の螺旋方向(ネジ山が延設される方向)をいう。
基体部111は、軸線方向の先端側(下方側)にスリット111aを備えており、これにより、軸線方向の先端側(下方側)が内周壁111bと外周壁111cとの二重構造で形成されている。そして、基体部111は、内周壁111bが径方向で弾性変形可能に構成されている。
本体嵌合部112は、基体部111における軸線方向の基端部(上端部)から該軸線方向(上方向)に向けて凸状となるように突出して形成されている。そして、本体嵌合部112は、径方向で接続部13と対面する位置に配置されている。即ち、本体嵌合部112は、接続部13に対して、円筒状の基体部111における180度反対の位置に配置されている。なお、本体嵌合部112は、キャップ1が閉位置に位置する際に、蓋体12と嵌合する。
本体ネジ部113は、径方向内方に突出する一対の突出部(以下、「本体突出部」ともいう)113a,113bを有する。一対の本体突出部113a,113bは、径方向で互いに対面するように、即ち、円筒状の基体部111における180度反対の位置にそれぞれ配置されている。
より具体的には、一対の本体突出部113a,113bのうち、一方の本体突出部(以下、「第1本体突出部」ともいう)113aは、径方向で接続部13と対面する位置で、基体部111の内周面に形成されている。
また、他方の本体突出部(以下、「第2本体突出部」ともいう)113bは、径方向において、第1本体突出部113aと対向するように、基体部111の内周面に形成されている。換言すれば、第2本体突出部113bは、基体部111の外周面に形成される接続部13の位置に対応して、基体部111の内周面から径方向内方に突出して形成されている。
また、第1本体突出部113aは、二重構造である基体部111の軸線方向の先端側(下方側)に形成され、第2本体突出部113bは、基体部111の軸線方向の基端側(上方側)に形成されている。そして、第1本体突出部113a及び第2本体突出部113bは、キャップ1が容器2に取り付けられる際に、容器2と摺接するように構成される。
蓋体12は、円筒状に形成される蓋本体部121と、本体嵌合部112と嵌合する嵌合部(以下、「蓋体嵌合部」ともいう)122と、容器2と係合すべく、容器2と螺合する雌ネジ形状のネジ部(以下、「蓋体ネジ部」ともいう)123とを備える。また、蓋体12は、蓋本体部121の基端部(上端部)を閉塞し且つ容器2の開口部211aを覆う蓋部124と、蓋部124の内側に配置され、容器2の開口部211aを封止する弾性部(パッキン)125とを備える。
なお、蓋体12において、「軸線方向」は、キャップ1、蓋体12、蓋本体部121及び蓋体ネジ部123の軸線方向をいい、「径方向」は、キャップ1、蓋体12、蓋本体部121及び蓋体ネジ部123の径方向をいい、「周方向」は、キャップ1、蓋体12、蓋本体部121及び蓋体ネジ部123の周方向をいい、「螺旋方向」は、蓋体ネジ部123の螺旋方向(ネジ山が延設される方向)をいう。
蓋体嵌合部122は、凸状の本体嵌合部112と嵌合すべく、蓋本体部121における軸線方向の先端部(下端部)に凹状となるように形成されている。そして、蓋体嵌合部122は、径方向で接続部13と対面する位置に配置されている。即ち、蓋体嵌合部122は、接続部13に対して、円筒状の蓋本体部121における180度反対の位置に配置されている。なお、蓋体嵌合部122は、キャップ1が閉位置に位置する際に、本体嵌合部112と嵌合する。
蓋体ネジ部123は、本体ネジ部113と同じリードとなるように形成されている。
接続部13は、本実施形態において、ヒンジ機構としている。なお、接続部13は、ヒンジ機構に限られず、例えば、可撓性や弾性を有する紐状体でもよい。要するに、接続部13は、キャップ本体11と蓋体12とを接続し、蓋体12がキャップ本体11に対して変位(接離)できる構成であればよい。
容器2は、図3〜図5及び図9〜図14に示すように、キャップ1を装着する装着部21と、装着部21よりも大径に形成され、内容物を収容可能な容器本体22とを備え、装着部21の軸線方向における基端部(下端部)と容器本体22の軸線方向における先端部(上端部)とが連結して構成されている。なお、容器2は、本実施形態において、硬質樹脂(例えば、プラスチック)で形成されている。
装着部21は、円筒状に形成され且つ先端部(上端部)に開口部211aを配置している装着部本体211と、装着部本体211の外周部に配置され、複数条の雄ネジ部を有するネジ部(以下、「容器ネジ部」ともいう)212とを備えている。また、装着部21は、キャップ1を装着部21に装着する際に、キャップ1を装着位置まで案内する第1案内部213と、キャップ本体11と蓋体12とを離反させることで、本体嵌合部112と蓋体嵌合部122との嵌合を解除させるべく、キャップ1を案内する第2案内部214と、キャップ1が開位置から緩め方向に回転されて容器2から離脱されることを防止すべく、第1本体突出部113aを係止する係止部(以下、「容器係止部」ともいう)216と、を備える。
なお、容器2(及びその各構成)において、「軸線方向」は、容器2、装着部21、装着部本体211及び容器ネジ部212の軸線方向をいい、「径方向」は、容器2、装着部21、装着部本体211及び容器ネジ部212の径方向をいい、「周方向」は、容器2、装着部21、装着部本体211及び容器ネジ部212の周方向をいい、「螺旋方向」は、容器ネジ部212の螺旋方向(ネジ山が延設される方向)をいう。
容器ネジ部212は、本体ネジ部113と螺合すると共に、蓋体ネジ部123と螺合する。そして、キャップ1が閉位置に位置する(図1)際には、蓋体ネジ部123が容器ネジ部212と螺合しているため、開口部211aを開放できない状態となり、また、キャップ1が開位置に位置する(図2及び図3)際には、蓋体ネジ部123が容器ネジ部212との螺合を解除しているため、開口部211aを開放できる状態となる。
本実施形態において、容器ネジ部212は、4条の雄ネジ部212a〜212dからなる。以下、4条の雄ネジ部212a〜212dのそれぞれを、第1容器ネジ部212a、第2容器ネジ部212b、第3容器ネジ部212c、及び第4容器ネジ部212dという。第1容器ネジ部212a〜第4容器ネジ部212dのうちの1つは、第1案内部213と一体に形成されていることが望ましい。本実施形態では、第2容器ネジ部212bが第1案内部213と一体に形成されている。
各容器ネジ部212a〜212dは、円筒状の装着部本体211の外周面において、位相が90°ずれた状態で形成されている。各容器ネジ部212a〜212dには、その先端部からキャップ1が螺合可能である。したがって、本実施形態では、4条の容器ネジ部212a〜212dの先端部に対応して、装着部本体211の4カ所の位置でキャップ1を螺合させることができる。
第1案内部213は、キャップ1を容器2に装着する際に、キャップ1を装着位置である閉位置に案内するためのものである。具体的には、第1案内部213は、キャップ本体11における第1本体突出部113aを案内することによって、キャップ1を閉位置まで案内する。
第1案内部213は、装着部本体211の外面の一部211bと、装着部本体211から突出する環状突起部2131と、第2容器ネジ部212bと環状突起部2131とを連結する連結部2132と、によって構成される。
図10、図12及び図13に示すように、環状突起部2131は、軸線方向において、容器ネジ部212から離れた位置に形成されている。これにより、環状突起部2131と容器ネジ部212との間には、円筒状の装着部本体211の外面が露出した状態となっている。
この装着部本体211の円筒形状における外面部分211bには、容器ネジ部212が形成されていないことから、キャップ1の本体ネジ部113における第1本体突出部113a及び第2本体突出部113bは、容器ネジ部212に螺合した後、この外面部分211bに到達したときに、螺合が解除されて空転可能になる。
環状突起部2131は、容器ネジ部212のような螺旋状ではなく、装着部本体211の円周方向に対して平行となるように形成されている。
環状突起部2131は、図10、図12及び図13に示すように、先端側(上方側)の面(以下、「第1案内面」ともいう)2131aと、基端側(下方側)の面(以下、「第2案内面」ともいう)2131bとにより、第1本体突出部113aと第2本体突出部113bを案内する。
図12、図13に示すように、環状突起部2131は、中途部が分断されており、第1本体突出部113aを環状突起部2131よりも先端側(上方側)の部分から基端側(下方側)の部分へと移動させることができる。環状突起部2131の周方向における端部には、第1案内面2131aによって案内される第1本体突出部113aを環状突起部2131よりも基端側に案内するための案内面(以下、「第3案内面」という)2131cが形成されている。この第3案内面2131cは、図10、図12に示すように、螺旋方向の先端側から基端側へ向かうにつれて、軸線方向における先端側(上方側)から基端側(下方側)に向かって傾斜する傾斜面である。
連結部2132は、第2容器ネジ部212bの一方の面(上面)と、環状突起部2131の第1案内面2131aとが連続的に繋がるように、第2容器212bと第1案内面2131aとを連結する連結面2132aを有する。この連結面2132aは、図10に示すように、螺旋方向の先端側から基端側に向かうにつれて、軸線方向の基端側(下方側)に傾斜する傾斜面とされている。
第2案内部214は、キャップ1が閉位置から開位置に位置変更する際に、本体嵌合部112と蓋体嵌合部122との嵌合が解除されるべく、キャップ本体11と蓋体12とが離反するように、キャップ1を案内するためのものである。第2案内部214は、第1案内部213とともに、キャップ本体11における第2本体突出部113bを案内することによって、キャップ1を開位置まで案内する。
第2案内部214は、第1案内部213に対して、円筒状の基体部111における180度反対の位置に配置されている。第2案内部214は、図13に示すように、軸線方向において、第1案内部213における環状突起部2131と容器ネジ部212との間に形成されている。
第2案内部214は、第2本体突出部113bを先端側(上方側)に押し上げる押上部214aと、押上部214aによって押し上げられた第2本体突出部113bを支持する支持部214bと、支持部214bによって支持される第2本体突出部113bの位置を規制する位置規制部214cとを備える。
押上部214aは、図13に示すように、第1案内部213の第1案内面2131aよりも先端側(上方側)に位置している。押上部214aは、第1案内部213の第1案内面2131aと支持部214bとを連結する湾曲面として構成される。本実施形態において、この押上部214aは、所定の曲率半径を有する円弧状の湾曲面とされているが、これに限定されるものではない。
支持部214bは、第1案内部213の第1案内面2131aとほぼ平行な平坦面として構成される。支持部214bは、第2本体突出部113bの先端側の面である下面に当接することにより、第2本体突出部113bを支持する。
位置規制部214cは、螺旋方向において、支持部214bよりも先端側に位置している。この位置規制部214cは、第2本体突出部113bが支持部214bに支持されている状態において、この第2本体突出部113bが螺旋方向の先端側に移動しないように、第2本体突出部113bに当接する当接部として構成される。
容器係止部216は、軸線方向において、第1案内部213の環状突起部2131よりも基端側(下方側)に配置されている。容器係止部216は、キャップ1が開位置から緩め方向に回転される場合、螺旋方向の基端側(下方側)の面216aで、螺旋方向にて第1本体突出部113aを係止する。なお、容器係止部216の当該面(以下、「容器係止面」ともいう)216aは、径方向に沿う平面状で且つ軸線方向に沿う平面状に形成されている。
図10、図11に示すように、容器係止部216の近傍位置に、装着部本体211の外面から径方向外方に突出する突起部217が形成されている。この突起部217は、キャップ1が閉位置から開位置へ、又は、開位置から閉位置へと移動する際に、キャップ本体11における本体ネジ部113の第1本体突出部113aに接触しながらこれを通過させるためのものである。第1本体突出部113aが突起部217を通過する際にこの突起部217に接触すると、基体部111の内周壁111bが弾性変形する。この状態で、第1本体突出部113aが突起部217を通過すると、内周壁111bの弾性変形が解除され、内周壁111bは元の形状に復元する。
キャップ付き容器の使用者は、第1本体突出部113aが突起部217に接触したときに、その抵抗を感じることができ、この弾性変形とその解除の際に生じる音を聞くことができる。これにより、使用者は、キャップ1の閉位置への移動が完了したことを、いわゆるクリック感として感じることができる。
同様に、図13、図14に示すように、第2案内部214の近傍位置にも、クリック感を演出するための突起部218が形成されている。
本実施形態に係るキャップ付き容器の構成については以上の通りである。次に、キャップ1を容器2に装着する方法、及びキャップ付き容器の使用方法について説明する。
キャップ1を容器2に装着するには、まず、キャップ1が容器2から離脱されている状態から、キャップ1を容器2の装着部本体211に被せた後、キャップ1を容器2に対して締め方向(右回り)に回転させる。これにより、容器ネジ部212と本体ネジ部113とがそれぞれの先端側から螺合し始める。具体的には、キャップ1における第1本体突出部113aが容器ネジ部212に螺合し、次に第2本体突出部113bが容器ネジ部212に螺合する。このとき、本体嵌合部112と蓋体嵌合部122とは、嵌合した状態となっている。
第1本体突出部113aと第2本体突出部113bとが容器ネジ部212に螺合した状態で、さらにキャップ1を締め方向に回転させると、第1本体突出部113aによる容器ネジ部212との螺合が解除される。
より具体的には、第1本体突出部113aが第1容器ネジ部212a、第3容器ネジ部212c、及び第4容器ネジ部212dに螺合していた場合には、その螺合が解除されたときに、容器ネジ部212と第1案内部213との間の領域で空転する。また、第1本体突出部113aが第2容器ネジ部212bに螺合していた場合には、その螺合が解除され、第1本体突出部113aは、第1案内部213の連結部2132に移行する。
さらにキャップ1を回転させると、第1本体突出部113aは、空転しながら、第1案内部213の環状突起部2131に形成される第1案内面2131aに摺接する。第1本体突出部113aは、第1案内面2131aに接触した状態で回転方向に移動する。このとき、第2本体突出部113bは、容器ネジ部212に螺合したままである。
キャップ1の回転が進むと、第1案内面2131aに案内される第1本体突出部113aは、移動の途中で、第2案内部214を乗り越えて通過し、第2案内部214の近傍に位置する突起部218も乗り越えて通過する。さらに、第1本体突出部113aは、第3案内面2131cに移行する。第1本体突出部113aは第3案内面2131cに案内されて、環状突起部2131よりも基端側(下方側)の領域へと向かう。さらに、容器ネジ部212に対する第2本体突出部113bの螺合が解除される。
キャップ1の回転がさらに進むと、第1本体突出部113aは、容器係止部216を乗り越えて通過し、さらに、容器係止部216の近傍に位置する突起部217を乗り越えて通過する。さらに、第1本体突出部113aは、環状突起部2131の第2案内面2131bに摺接して案内される。
また、このとき、第2本体突出部113bは、第1案内部213の第1案内面2131aに接触して案内されている。第2本体突出部113bは、第1案内面2131aに案内されながら、第2案内部214を乗り越えて通過し、第2案内部214の近傍に位置する突起部218も乗り越えて通過する。さらに、キャップ1の蓋体ネジ部123が容器ネジ部212に螺合する。
キャップ1をさらに回転させ、容器ネジ部212に対する蓋体ネジ部123の螺合が完了したとき、キャップ1の閉位置への移動が完了する(図1の状態)。すなわち、キャップ1の容器2に対する装着が完了する。キャップ1が閉位置にあるとき、蓋体ネジ部123が容器ネジ部212に螺合していることによって、蓋体12は開かないように容器2に固定されることになる。このとき、図4に示すように、第1本体突出部113aと第2本体突出部113bとによって、第1案内部213の環状突起部2131を挟持した状態になっている。
次に、キャップ付き容器の使用方法(キャップ1の開閉方法)について説明する。
まず、閉位置から開位置へと移動させるために、キャップ1を容器2に対して緩め方向(左方向)に回転させる。そうすると、キャップ本体11の基体部111に形成される本体ネジ部113の第1本体突出部113aは、第1案内部213の第2案内面2131bに接触して案内される。また、本体ネジ部113における第2本体突出部113bは、第1案内部213の第1案内面2131aに接触して案内される。
その後、第1本体突出部113aは、容器係止部216の近傍位置にある突起部217に接触する。また、第2本体突出部113bは、第2案内部214の近傍位置にある突起部218に接触する。
この状態でさらにキャップ1を緩め方向に回転させると、第1本体突出部113aは、突起部217を乗り越えて通過する。また、第2本体突出部113bは、突起部218を乗り越えて通過する。
その後、第2本体突出部113bは、第2案内部214における押上部214aに接触する。キャップ1の回転により、第2本体突出部113bは、湾曲形状の押上部214aに案内されて支持部214bへと押し上げられる。このように、第2本体突出113bが押上部214aによって押し上げられることによって、キャップ本体11において接続部13が形成されている部分が第1案内部213から離れるように押し上げられる(図2、図3参照)。このとき、第2本体突出部113bは、蓋体12における軸線方向の先端側の面、すなわち、下面が支持部214bによって支持されることになる。これによって、キャップ1が開位置への移動が完了する。
キャップ1が開位置へと移動したとき、蓋体ネジ部123の容器ネジ部212への螺合が解除される。
また、キャップ1が開位置にあるとき、第1本体突出部113aは、第1案内部213の第2案内面2131bに接触したままの状態である。すなわち、キャップ1を閉位置から開位置へと移動させたときに、第1本体突出部113aは、常に第2案内面2131bに接触しており、容器2における軸線方向の先端側(上方側)に移動しないように規制される。同様に、この第1本体突出部113aと同じ位置に形成される、キャップ本体11の本体嵌合部112に関しても、軸線方向の先端側(上方側)に移動しないように規制される。
一方、第2本体突出部113bは、第2案内部214における押上部214aによって容器2における軸線方向の先端側(上方側)に移動するため、この第2本体突出部113bと同じ位置にある接続部13も軸線方向の先端側(上方)に移動する。また、キャップ1が緩め方向に回転させられることで、蓋体ネジ部123と容器ネジ部212との螺合関係により、蓋体12には、キャップ本体11から離れるように、軸線方向の力(下方から上方への力)が作用する。
このような状態において、キャップ1が開位置に移動したとき、すなわち、第2本体突出部113bが第2案内部214に位置したとき、蓋体ネジ部123と容器ネジ部212との螺合が解除されるとともに、キャップ本体11における本体嵌合部112と蓋体12における蓋体嵌合部122との嵌合が解除され、蓋体12がキャップ本体11から離反可能になる(図2参照)。
なお、この状態において、キャップ本体11における第1本体突出部113aは、キャップ1の緩め方向にこれ以上移動しないように、容器係止部216の容器係止面216aによって係止される。
蓋体12を閉じて容器2の開口部211aを閉塞するには、まず、蓋体12の蓋体嵌合部122を容器本体22の本体嵌合部112に嵌合させる。次に、キャップ1を締め方向(右方向)に回転させて、開位置から閉位置へと移動させる。
以上説明した本発明に係るキャップ付き容器によれば、キャップ1が閉位置から開位置に位置変更する際に、キャップ本体11を案内する第2案内部214を備えている。これにより、キャップ1が閉位置から開位置に位置変更すると、第2案内部214がキャップ本体11を案内するため、キャップ本体11と蓋体12とが離反する。したがって、キャップ1が開位置に位置すると、蓋体嵌合部122と本体嵌合部112の嵌合が解除されるため、容器2の開口部211aを容易に開けることができる。
また、キャップ付き容器は、キャップ1を容器2に装着する際、容器ネジ部212に対する第1本体突出部113aの螺合が解除されたときに、第1本体突出部113aを空転させながら、この第1本体突出部113aに摺接することによりキャップ1を閉位置へと案内する第1案内部213を有する。したがって、容器本体22に複数の容器ネジ部212a〜212dが形成されて、複数箇所でキャップ1を容器2に係合させることができる構造であっても、キャップ本体11の第1本体突出部113aの容器ネジ部212への螺合を解除して空転させる状態を形成することによって、キャップ1を容器2に装着する場合に、1カ所の閉位置にキャップ1を確実に案内できるようになる。このような構成により、キャップ付き容器の構造を簡素化できるようになる。したがって、容器2の気密性を高く維持するとともに、キャップ1を機械(キャッパー装置)によって容器2に装着することが可能になる。
さらに、キャップ1を容器2に装着すると、キャップ本体11における第1本体突出部113aが、容器係止部216の容器係止面216aによって係止されることにより、キャップ本体11を容器2から容易に取り外すことができなくなる。したがって、キャップ1を容器2に対して確実かつ強固に装着できる。
また、キャップ付き容器は、キャップ1を閉位置から開位置へと移動させたときに、キャップ1が下方に移動しないように、第2本体突出部113bの下面に当接して支持する支持部214bを有する。したがって、キャップ1を開位置に移動させたときに、キャップ1が下方に移動しないように固定でき、位置決めが可能となったことにより、確実にキャップ本体11における接続部13側の部分が持ち上がり、これによって、蓋体12の開閉を確実に行うことができるようになる。
なお、本発明に係るキャップ付き容器は、上記実施形態の構成に限定されるものではない。また、本発明に係るキャップ付き容器は、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明に係るキャップ付き容器は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。