JPH10338258A - ヒンジ付きキャップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓋の開閉が簡単でしかも不用意に開蓋しない
合成樹脂製のヒンジ付きキャップを安価で提供する。 【解決手段】 キャップと容器とを固定する係止筒部１
１の外周に空洞部８を介して外側壁１２を設け、係止筒
部１１と外側壁１２の間を薄肉で波状に形成された複数
の可撓部９で連結し、閉蓋時には蓋２のフック７と係止
筒部１１の突起６とが係合してロックされるとともに、
閉栓１０と注液口５、及び内周縁１４と外周縁１３とが
嵌合され、開蓋時には外側壁１２を円周方向に捻ること
で、可撓部９が延びるように変形し、外側壁１２と蓋２
が円周方向に捻られ、突起６とフック７の係合が外れて
ロックが解除されるようにしたので、蓋２を天面４へ向
けて押さえ込むだけで、閉蓋と同時に蓋２を容易にロッ
クすることができるうえ、外側壁１２を捻りながら蓋２
を上方に引き上げることによって簡単に蓋２が開けられ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、薬液等を封入し
て適宜注液，塗布を行うための容器に取り付けられるヒ
ンジ付きキャップに関するものであり、特に、蓋の開閉
が簡単でしかも不用意に開蓋しないロック機構を有す
る、合成樹脂製のヒンジ付きキャップに係るものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、ヒンジ付きキャップは、ヒンジ部
分を回転軸として蓋が開閉自在となっており、閉蓋時に
は蓋がキャップ本体の天面を覆った状態で固定され、一
方、開蓋時には、蓋の下端面からキャップ本体上端部よ
りも膨出した突出部に、指を掛けて上方へ引き上げるこ
とで係合が解除されて蓋が開けられるものであった。ま
た、不用意に開蓋しないように、キャップ本体と蓋との
間にロック機構を設け、開蓋時にはロックを解除して開
けるようにしたものがあった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術において、蓋にはキャップ本体上端部よりも膨出
した突出部が設けられているので、この突出部を何かに
引っかけたりして、不用意に開蓋する恐れがあるばかり
でなく、幼児等が手にしたとき、容易に開蓋されて内容
物を誤用するという心配があった。また、ロック機構を
設けたキャップでは、ロックを解除しない限りは不用意
に開蓋することはないが、一旦ロックを解除した後に蓋
を開けねばならず、開蓋操作が煩わしいという問題があ
った。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記のような問題を解決
するため、この発明は、天面に注液口を有し、側面に容
器へ係止される係止筒部を有するキャップ本体と、該キ
ャップ本体の天面を覆い、後側に設けられたヒンジを回
転軸として開閉可能な蓋とからなり、閉蓋状態ではロッ
クされ、開蓋時にはロックの解除が自在なロック機構を
有するヒンジ付きキャップにおいて、キャップと容器と
を固定する係止筒部の外周に空洞部を介して外側壁を設
け、係止筒部と外側壁の間を薄肉で波状に形成された複
数の可撓部で連結し、閉蓋時には蓋の内側面に設けられ
たフックと係止筒部の外側面に設けられた突起とが係合
してロックされるとともに、蓋の裏面中央に設けられた
閉栓とキャップ本体の天面中央に設けられた注液口、及
び、蓋の内周縁と外側壁の外周縁とが嵌合されて、蓋，
係止筒部，外側壁とを固定し、開蓋時には外側壁を円周
方向に捻ることで上記フックと突起との係合が外れ、ロ
ックが解除されるようにしたものである。

【０００５】

【発明の実施の形態】この発明のヒンジ付きキャップ
は、キャップ本体と蓋とがヒンジで連結され、該ヒンジ
を回転軸として蓋の開閉がなされる。キャップと容器と
を固定する係止筒部の外周には空洞部を介して外側壁が
設けられ、係止筒部と外周壁との間は薄肉で波状に形成
された複数の可撓部で連結される。蓋の内側面にはフッ
クが、また、係止筒部の外側面には突起が、互いに係合
される位置で設けられる。蓋の裏面の閉栓とキャップ本
体の天面の注液口は、中央で互いに嵌合するように設け
られる。さらに、蓋の内周縁と外側壁の外周縁も互いに
嵌合されるように形成される。

【０００６】ここで、蓋を閉じる場合、蓋がキャップ本
体の天面を覆うように上から押さえ込むことで、蓋の内
側面に設けられたフックが係止筒部の外側面に設けられ
た突起を乗り越えて係合する。このとき、閉栓と注液口
とが嵌合されて注液口を閉塞するとともに蓋と係止筒部
とを固定し、かつ、蓋の内周縁と外側壁の外周縁とが嵌
合されて蓋と外側壁とを固定することにより、外力によ
り可撓部が撓んで蓋，係止筒部，外側壁の位置がずれる
ことがない。フックと突起は十分な掛かり量をもって強
固に係合されるので、蓋に指を掛けて上方へ引き上げよ
うとしても係合を解除できないロック状態となる。

【０００７】次に、蓋を開ける場合には、係止筒部は容
器にしっかりと固定されているので、外側壁を円周方向
に捻ると、波状に形成された可撓部が延びるように変形
して外側壁と蓋だけが円周方向に捻られる。このとき、
閉栓と注液口が中央で嵌合され、蓋の内周縁と外側壁の
外周縁とが嵌合して固定されているので、外側壁と蓋
は、閉栓と注液口を回転軸として円弧を描くように動
く。このため、外側壁を捻ったとき係止筒部に設けられ
た突起は移動せず、蓋に設けられたフックだけが円周方
向に移動し、フックと突起との係合が外されてロック状
態が解除される。さらに、外側壁を捻ったまま蓋を上方
に引き上げることによって、ヒンジを回転軸として蓋が
開けられる。捻りにより変形したした可撓部は手を放す
と弾性によって復元し、外側壁及び蓋は再び元の位置に
戻る。

【０００８】

【実施例】以下、この発明の実施例について図面に基づ
いて説明する。キャップ本体１と蓋２とはヒンジ３で連
結されており、該ヒンジ３を回転軸として蓋２の開閉が
なされる。キャップと容器とを固定する係止筒部１１の
外周には空洞部８を介して外側壁１２が設けられ、係止
筒部１１と外側壁１２の間は、薄肉で波状に形成された
４カ所の可撓部９で連結されている。蓋２の内側面には
フック７が、係止筒部１１の外側面には突起６が、ヒン
ジ３と反対側となる位置で互いに係合されるように設け
られている。一方、蓋２の内周縁１４には、ヒンジ３と
反対側となる位置に凹部１６が設けられ、外側壁１２の
外周縁１３には、該凹部１６に係合する位置に凸部１５
が設けられている。また、蓋２の裏面中央には閉栓１０
が設けられ、キャップ本体１の天面４の中央には該閉栓
１０と嵌合する注液口５が設けられている。さらに、蓋
２の内周縁１４と外側壁１２の外周縁１３は互いに嵌合
されるように形成されている。蓋２の前側面には引き上
げるときに指が滑らないように突出部１７が設けられて
いる。

【０００９】ここで、蓋２を閉じる場合には、蓋２がキ
ャップ本体１の天面４を覆うように上から押さえ込むこ
とで、蓋２の内側面に設けられたフック７が係止筒部１
１の外側面に設けられた突起６を乗り越えて係合する。
さらに、蓋２の内周縁１４に設けられた凹部１６と、外
側壁１２の外周縁１３に設けられた凸部１５が係合して
蓋２が閉じられる。このとき、閉栓１０と注液口５とが
嵌合されて注液口５を閉塞するとともに蓋２と係止筒部
１１とを固定し、かつ、蓋２の内周縁１４と外側壁１２
の外周縁１３とが嵌合されて蓋２と外側壁１２とを固定
するので、外力により可撓部９が撓んで蓋２，係止筒部
１１，外周壁１２の位置が相互にずれるようなことがな
い。フック７と突起６は十分な掛かり量をもって強固に
係合されるので、蓋２の前側面に設けられた突出部１７
に指を掛けて上方へ引き上げようとしても係合を解除で
きないロック状態となる。

【００１０】次に、蓋２を開ける場合には、係止筒部１
１は容器にしっかりと固定されているので、外側壁１２
を円周方向に捻ると、波状に形成された可撓部９が延び
るように変形して外側壁１２と蓋２だけが円周方向に捻
られる。このとき、閉栓１０と注液口５が中央で嵌合さ
れ、蓋２の内周縁１４と外側壁１２の外周縁１３とが嵌
合して固定されているので、外側壁１２と蓋２が一体と
なって、閉栓１０と注液口５を回転軸として円弧を描く
ように動く。このため、外側壁１２を捻ったとき係止筒
部１１に設けられた突起６は移動せず、蓋２に設けられ
たフック７だけが円周方向に移動し、フック７と突起６
との位置が円周方向にずれ、係合が外されることでロッ
ク状態が解除される。さらに外側壁１２を捻ったまま、
蓋２の突出部１７に指を掛けて上方に引き上げることに
よって、蓋２の凹部１６と外側壁１２の凸部１５の係合
が解かれ、ヒンジ３を回転軸として蓋２が開けられる。
捻りにより変形した可撓部９は手を放すと弾性によって
復元し、外側壁１２及び蓋２は再び元の位置に戻る。

【００１１】外側壁１２を捻ってロック状態を解除する
のに必要な力は、可撓部９の肉厚及び高さ，設置数など
によって適宜調整が可能であり、子供には開けられず大
人が簡単に開けられる力として、３Ｋｇｆ程度が好まし
い。蓋２を開けるのに必要な引き上げ力は、凹部１６の
深さ及び凸部１５の高さによって適宜調整が可能であ
り、蓋２を確実に固定できてかつ簡単に引き上げられる
力として、１Ｋｇｆ程度が好ましい。また、このヒンジ
付きキャップは、合成樹脂を原料として射出成形により
一体で簡単に生産することができ、その原料としてはヒ
ンジ性，弾性を有するものとしてたとえばポリプロピレ
ン，ポリエチレンなどの合成樹脂が好ましい。

【００１２】

【発明の効果】この発明によれば、閉蓋時の蓋とキャッ
プ本体は、十分な掛かり量をもって強固に係合されたロ
ック状態となっているので、幼児等が手にしたとき、容
易に開蓋されて内容物を誤用するという心配がないう
え、このヒンジ付きキャップを何かにぶつけたり引っか
けたりしても、不用意に蓋が開いてしまうことがない。
また、蓋をキャップ本体の天面へ向けて押さえ込むだけ
で、閉蓋と同時に蓋を容易にロックすることができるう
え、外側壁を捻りながら蓋を上方に引き上げることによ
って簡単に蓋が開けられるので、ロック機構を解除する
ための煩わしい操作を必要としない。さらに、このヒン
ジ付きキャップは、合成樹脂を原料として射出成形によ
り一体で簡単に生産することができるので、簡単な構造
で安価に生産できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示すヒンジ付きキャップ
の開蓋状態を示す外観斜視図である。

【図２】この実施例のヒンジ付きキャップの閉蓋状態を
示す外観斜視図である。

【図３】この実施例のヒンジ付きキャップの閉蓋状態を
示す縦断面図である。

【符号の説明】

１ キャップ本体 ２ 蓋 ３ ヒンジ ４ 天面 ５ 注液口 ６ 突起 ７ フック ８ 空洞部 ９ 可撓部 １０ 閉栓 １１ 係止筒部 １２ 外側壁 １３ 外周縁 １４ 内周縁 １５ 凸部 １６ 凹部 １７ 突出部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】天面に注液口を有し、側面に容器へ係止さ
   れる係止筒部を有するキャップ本体と、該キャップ本体
   の天面を覆い、後側に設けられたヒンジを回転軸として
   開閉可能な蓋とからなり、閉蓋状態ではロックされ、開
   蓋時にはロックの解除が自在なロック機構を有するヒン
   ジ付きキャップにおいて、キャップと容器とを固定する
   係止筒部の外周に空洞部を介して外側壁を設け、係止筒
   部と外側壁の間を薄肉で波状に形成された複数の可撓部
   で連結し、閉蓋時には蓋の内側面に設けられたフックと
   係止筒部の外側面に設けられた突起とが係合してロック
   されるとともに、蓋の裏面中央に設けられた閉栓とキャ
   ップ本体の天面中央に設けられた注液口、及び、蓋の内
   周縁と外側壁の外周縁とが嵌合されて、蓋，係止筒部，
   外側壁とを固定し、開蓋時には外側壁を円周方向に捻る
   ことで上記フックと突起との係合が外れ、ロックが解除
   されることを特徴とするヒンジ付きキャップ。