JP2013248964A - ボンネット付車両 - Google Patents

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恵一 林
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Abstract

【課題】ボンネット内の熱せられた空気を確実に排出することを可能としたボンネット付車両を提供する。
【解決手段】ボンネット11と、エンジンと、エアカットプレートAPと、ステアリングと、ボンネット11に形成され、走行時に外気をボンネット11内に取り込むための外気取入部とを備える。そして、外気取入部から取り入れた外気をボンネット11の後部より排出するための空気収集部50を備え、空気収集部50が、ボンネット11内で、かつ、エアカットプレートAPに隣接して配置され、空気収集部50から取り込んだボンネット11内の空気を、外に排出するためのダクト51を空気収集部50に連続して備え、ダクト51より排出される空気がボンネット11の側方に向かう。
【選択図】図2

Description

本発明は、ボンネットと、ボンネット内に収納されたエンジンと、ボンネットの後端に配置されたエアカットプレートと、エアカットプレートの後方に隣接して配置されたステアリングと、ボンネットに形成され、走行時に外気をボンネット内に取り込むための外気取入部とを備えるボンネット付車両に関する。
従来より、トラクタ(ボンネット付車両)では、ボンネット内の温度を低下させることが課題となっていた。詳しくは、ボンネット内にエンジン、ラジエータ、排気浄化装置などを備え、これらによって熱せられた空気をどのようにボンネットの外に排出するかという問題であった。このような課題に対して、特許文献1では、ボンネットの後部側面に排気のための開口を形成するとともに、この開口にボンネット内の空気を導くための変向板を備えたトラクタが開示されている。
特開2000-318650号公報
しかし、特許文献1に開示されている変向板は1枚の板状の部材であるため、ボンネット内の熱せられた空気の流れを開口に向けて誘導する際に、空気の流れを十分に集めることができず、したがって、ボンネット内の熱せられた空気を確実に開口から排出できないという問題があった。そこでこの発明は、ボンネット内の熱せられた空気を確実に排出することを可能としたボンネット付車両を提供することにある。
このため請求項1に記載の発明は、ボンネットと、
該ボンネット内に収納された駆動部と、
前記ボンネットの後端に配置された遮蔽部と、
該遮蔽部の後方に隣接して配置された運転部と、
前記ボンネットに形成され、走行時に外気を前記ボンネット内に取り込むための外気取入部とを備えるボンネット付車両において、
前記外気取入部から取り入れた外気を前記ボンネットの後部より排出するための空気収集部を備え、
該空気収集部が、前記ボンネット内で、かつ、前記遮蔽部に隣接して配置され、
前記空気収集部から取り込んだ前記ボンネット内の空気を、外に排出するための誘導部を前記空気収集部に連続して備え、
前記誘導部より排出される空気が前記ボンネットの側方に向かうことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のボンネット付車両において、前記ボンネット内の空気の排出を促進するためのファンを前記空気収集部または前記誘導部に備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のボンネット付車両において、前記ボンネット内の気温を測定するための温度センサと、
該温度センサで測定した気温に基づいて前記ファンを作動させる制御部とを備えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、ボンネットと、
該ボンネット内に収納された駆動部と、
前記ボンネットの後端に配置された遮蔽部と、
該遮蔽部の後方に隣接して配置された運転部とを備えるボンネット付車両において、
前記遮蔽部が、前記ボンネット内の熱を前記運転部に伝達することを抑制するための断熱部を備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のボンネット付車両において、前記断熱部が、
前面部と、
側面部と、
底面部とで構成され、
前記断熱部を前記遮蔽部の前側に固設することで閉塞空間が形成され、
該閉塞空間が前記ボンネット内の熱を前記運転部に伝達することを妨げることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のボンネット付車両において、前記ボンネット内の空気を吸引して前記閉塞空間に取り込むためのファンを前記前面部に設けるとともに、前記閉塞空間内に取り込まれた空気を排気するための開口を前記側面部に形成することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載のボンネット付車両において、前記ボンネット内の気温を測定するための温度センサと、
該温度センサで測定した気温に基づいて前記ファンを作動させる制御部とを備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、ボンネットと、該ボンネット内に収納された駆動部と、前記ボンネットの後端に配置された遮蔽部と、該遮蔽部の後方に隣接して配置された運転部と、前記ボンネットに形成され、走行時に外気を前記ボンネット内に取り込むための外気取入部とを備えるボンネット付車両において、前記外気取入部から取り入れた外気を前記ボンネットの後部より排出するための空気収集部を備え、該空気収集部が、前記ボンネット内で、かつ、前記遮蔽部に隣接して配置され、前記空気収集部から取り込んだ前記ボンネット内の空気を、外に排出するための誘導部を前記空気収集部に連続して備え、前記誘導部より排出される空気が前記ボンネットの側方に向かう。
このため、エンジンなどの駆動部や、排気浄化装置の周辺で高温となった空気を確実にボンネット外に排出して、ボンネット内の温度を効率的に下げることができる。また、高温の空気をボンネットの側方に向けて排出するので、運転部に直接向かうことがなく、運転者が運転中に高温の空気を受けることを回避できる。
請求項2に記載の発明によれば、前記ボンネット内の空気の排出を促進するためのファンを前記空気収集部または前記誘導部に備えるので、効率的にボンネット内の空気を排出することができる。
請求項3に記載の発明によれば、前記ボンネット内の気温を測定するための温度センサと、該温度センサで測定した気温に基づいて前記ファンを作動させる制御部とを備えるので、運転が終了した後であっても、ボンネット内の気温が高いときには、ファンを引き続き作動させて空気の排出を継続することができる。このため、ボンネット内の気温を短時間で低下させることができる。また、運転停止の有無に係らずボンネット内の冷却を確実に行うことができる。
請求項4に記載の発明によれば、ボンネットと、該ボンネット内に収納された駆動部と、前記ボンネットの後端に配置された遮蔽部と、該遮蔽部の後方に隣接して配置された運転部とを備えるボンネット付車両において、前記遮蔽部が、前記ボンネット内の熱を前記運転部に伝達することを抑制するための断熱部を備える。
これにより、ボンネット内の熱が運転部に伝達することがなく、運転者が快適に運転することできる。
請求項5に記載の発明によれば、前記断熱部が、前面部と、側面部と、底面部とで構成され、前記断熱部を前記遮蔽部の前側に固設することで閉塞空間が形成され、該閉塞空間が前記ボンネット内の熱を前記運転部に伝達することを妨げる。このため、熱伝導率の低い空気の層を構成することによって断熱部を形成し、効率的に断熱部を形成することができる。また、閉塞空間を形成することで、ボンネット内の駆動部などによる騒音を運転部へ伝達しないため、閉塞空間が防音部としても機能する。
請求項6に記載の発明によれば、前記ボンネット内の空気を吸引して前記閉塞空間に取り込むためのファンを前記前面部に設けるとともに、前記閉塞空間内に取り込まれた空気を排気するための開口を前記側面部に形成するので、効率的にボンネット内の空気を排出することができる。
請求項7に記載の発明によれば、前記ボンネット内の気温を測定するための温度センサと、該温度センサで測定した気温に基づいて前記ファンを作動させる制御部とを備えるので、運転が終了した後であっても、ボンネット内の気温が高いときには、ファンを引き続き作動させて空気の排出を継続することができる。このため、ボンネット内の気温を短時間で低下させることができる。また、運転停止の有無に係らずボンネット内の冷却を確実に行うことができる。
この発明のボンネット付車両の一例としてのトラクタの斜視図である。 そのボンネット内の斜視図である。 エアカットプレートの正面図である。 エアカットプレートの側面図である。 ファン、制御部、温度センサの回路図である。 エアカットプレートの取付を説明するための図である。 エアカットプレートの取付を説明するための図である。 ボンネットの側面図である。 ボンネットへの空気の流入出を説明するための図である。 図9の変形例のトラクタのボンネットへの空気の流入出を説明するための図である。 この発明のボンネット付車両の別の例のトラクタのボンネット内の斜視図である。 エアカットプレートの正面図である。 (a)は前面部の正面図、(b)は前面部、側面部およびエアカットプレートの側面図である。 ボンネットの側面図である。 ボンネットへの空気の流入出を説明するための図である。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態について詳述する。図1はこの発明のボンネット付車両としてのトラクタ10の斜視図である。トラクタ10は、ボンネット11内にエンジン(駆動部)E、ラジエータ、冷却ファン、エアクリーナ、バッテリーなどを備える。また、ボンネット11の前部には、前照灯12、エンジンに外気を取り入れるためのフロントグリル13を備える。エンジンE、ラジエータ、バッテリーは、シャーシ14上に載置される。また、機体の前部左右には前輪15,15を、後部左右には後輪16,16を備える。左右の後輪16をそれぞれ上方と内側から覆うようにフェンダー17,17を設ける。
ボンネット11の後方には、後に詳述するエアカットプレート(遮蔽部)を介してダッシュボード18を備える。ダッシュボード18には、速度、燃料残量などを表示するパネルを設ける。ダッシュボード18の後方にはステアリングコラムカバー20を隣接して備える。ステアリングコラムカバー20の上端には、ステアリング21を突出して設ける。ステアリングコラムカバー20の上面には、ステアリング21の左側にリバーサレバー22を、ステアリング(運転部)21の右側にアクセルレバーをそれぞれ備える。ステアリングコラムカバー20の下方右側には左右ブレーキペダル、ステアリングコラムカバー20の下方左側にはクラッチペダル25を備える。
ステアリングコラムカバー20の後方には一定距離を隔てて運転席(運転部)27を設ける。運転席27は、左右のフェンダー17,17の間に配置される。運転席27は、運転台28上に取り付けられる。運転台28の天面右側には、油圧リフトレバー31およびPTOレバー32を備える。一方、運転台28の天面左側には、副変速レバー33を備える。さらに、運転台28の前面右側には主変速レバー、運転台28の前面左側には4WDレバーを備える。
運転台28とボンネット11との間にはフロア34を備える。フロア34は、運転者がトラクタ10に乗降する際や、運転中に足を置くためのものである。フロア34の下方には、トランスミッションを内蔵するトランスミッションケースTMが配置されている。トランスミッションケースTMはシャーシ14の後部に固定されている。トランスミッションを経て、後輪16にエンジンEからの動力が伝達される。
なお、運転席27の後方に隣接して燃料タンク36を配置する。燃料タンク36は左右のフェンダー17,17の間に配置される。左右のフェンダー17,17の後端には、ROPS(Roll−over protective structures)37を突設する。ROPS37は、後輪16の車軸ケースACに固定されている。車軸ケースACは、トランスミッションケースTMに固定されている。
図2にはボンネット11の内部を示し、図3にはエアカットプレートAPの正面図、図4にはエアカットプレートAPの側面図を示す。ボンネット11内の後部には、エンジンEを備え、エンジンEの上には排気浄化装置PFを備える。排気浄化装置PFはエンジンEからの排気内に含まれる一部の黒鉛などの粉塵を除去するものである。この排気浄化装置PFには消音器を併設している。排気浄化装置PFには排気パイプEPが連設されている。
エンジンEおよび排気浄化装置PFの後方に隣接してエアカットプレート(遮蔽部)APを備える。エアカットプレートAPの上部には吸気装置(空気収集部)50を取り付ける。吸気装置50は、両側に延設された取付板50Fを介してボルトにてエアカットプレートAPに取り付けられる。吸気装置50内にはファンを備え、ファンを回転させることを開口50Oからボンネット11内の空気を吸引する(ファンの形態はどのようなものであってもよい)。吸引された空気は、吸気装置50の側面に取付けられたダクト(誘導部)51内を通り、ダクト端部51Eよりボンネット11の外に排気される。ダクト51は鋼製の矩形の断面形状に形成され、取付部材52を介してボルトによってエアカットプレートAPに固定される(なお、ダクト51は耐熱樹脂などで形成されてもよい。また、ダクト51はエアカットプレートAPと一体的に形成されてもよい)。
吸気装置50の上面には温度センサSEを取り付ける。この温度センサSEはボンネット11内の温度を測定して、そのデータを制御部Cに送信し、制御部Cでは設定温度に下がるまで、吸気装置50内のファンFを回し続ける(図5参照)。このため、トラクタ10の運転を終えた後であっても、ボンネット11内の温度が設定温度よりも高いときにはファンFが回り続けて、吸気装置50はボンネット11内の空気を吸引し続ける。
エアカットプレートAPは、略門型に形成された板状の本体部APM、本体部APMの内側に連続して形成された突出部AP2、本体部APMの両下端部に形成された板状の取付部AP1,AP1などで構成される。突出部AP2は、運転席27側に突出するように形成されている。
図6,7に示すように、エアカットプレートAPの取付部AP1は、ブラケット61にボルトによって固定される。ブラケット61はフレーム部材63にボルトによって固定されている。金属製のアングル状に形成されたフレーム部材63はその一端を板状の取付プレート62に溶接によって固定する。取付プレート62はエンジンEにボルトによって固定される。なお、フレーム部材63の他端は別のフレーム部材64に溶接によって固定される。フレーム部材63,64はフロア34の構成部材である。
トラクタ10が走行しているときは、エンジンEが作動状態にあり発熱する。また、排気浄化装置PFも高温となる。このためボンネット11内の温度が上昇する。温度センサSEが設定温度を越える温度を測定すると、制御部Cによって吸気装置50のファンFが始動する。
図8,9に示すように、走行するトラクタ10では、ボンネット11の両側部に形成された外気取入部11Pより外気Wがボンネット11内に流入する。ボンネット11内に流入した外気Wは、吸気装置50のファンFが始動するのでエンジンE上および排気浄化装置PF周辺を流れて吸気装置50に吸引され、ダクト51を経てボンネット11の外へと排出される。これによって、エンジンE周辺および排気浄化装置PF周辺の温度を低下させる。なお、ボンネット11内の前側部にはラジエータを備えるので、ラジエータからの排気風もボンネット11内を後方に向かって流れ、この排気風もエンジンEや排気浄化装置PF周辺で熱せられて後方へ向かい外気Wと合流して吸気装置50に吸引される。
トラクタ10が走行を停止した状態で、ファンFが作動している場合には、吸気装置50の吸引力によって、なお、外気取入部11Pより外気Wが流入する。なお、この例では、図9に示すように、吸気装置50をトラクタ10の幅方向の中心線CL上に位置するように(すなわち、吸気装置50をトラクタ10の幅方向の略中央に位置するように)配置している。
ところで、吸気装置50は、図10に示すように、排気浄化装置PFの真後ろに一定の距離をもって配置してもよい。排気浄化装置PFはボンネット11内で高温を発生させる熱源であるため、ボンネット11内を効率的に冷却させるためには、吸気装置50をできるだけ排気浄化装置PFに近傍に置くことが望ましい。しかし、排気浄化装置PFは、必ずしもトラクタ10の幅方向の中央に位置するように配置されているとは限らない。このような観点から、図10の例では、吸気装置50を排気浄化装置PFの真後ろに配置するレイアウトとしている。このように吸気装置50を配置することで、排気浄化装置PFで発生した熱を効果的に回収してボンネット11の外側に排出することができる。
図11〜13には、この発明のさらに別の例を示す。この例では、上述の例の吸気装置50、ダクト51に代えて、吸気装置150、サイドプレート(側面部)151、フロントプレート(前面部)152、ボトムプレート(底面部)153を備える。サイドプレート151の左右には、開口151Oをそれぞれ設ける。また、フロントプレート152の上部の略中央には開口152Oを形成する。この開口152Oに沿うように吸気装置150を配置し、取付板150Fを介してボルトにてエアカットプレートAPに取付ける。
吸気装置150は、前面に開口150Oを備えるととともに、背面にも開口を備える中空状の構造となっており、内部にはファンを備える。ファンが回転することによって、開口150Oから空気を吸引して背面の開口へと排出するように構成されている。また、吸気装置150の上面には温度センサSEを取り付ける。この温度センサSEは前述の例の図5と同様に制御部、ファンFと接続されており、ファンFを作動させる作用も図5と同様である。
フロントプレート152とエアカットプレートAPを略平行に配置し、その間を塞ぐようにサイドプレート151とボトムプレート153を配置し、内部に閉塞空間を形成する。この閉塞空間が、上述のダクト51のようにボンネット11の外への排気誘導路の役割をする。フロントプレート152と、サイドプレート151およびボトムプレート153は溶接によって固定される。また、エアカットプレートAPと、サイドプレート151およびボトムプレート153も溶接によって固定される。
図14,15に示すように、走行するトラクタ10では、ボンネット11の両側部に形成された外気取入部11Pより外気Wがボンネット11内に流入する。ボンネット11内に流入した外気Wは、吸気装置150のファンFが始動するのでエンジンE上および排気浄化装置PF周辺を流れて吸気装置150に吸引され、フロントプレート152の開口152Oよりフロントプレート152、エアカットプレートAP、サイドプレート151、ボトムプレート153で形成された排気誘導路に流入する。
そして、サイドプレート151に形成された開口151O,151Oよりボンネット11の外へと排出される。これによって、エンジンE周辺および排気浄化装置PF周辺の温度を低下させる。なお、トラクタ10が走行を停止した状態で、ファンFが作動している場合には、吸気装置150の吸引力によって、なお、外気取入部11Pより外気Wが流入する。
なお、図10にて説明したのと同様に、吸気装置150を排気浄化装置PFの真後ろに配置してもよい。また、この例では、ファンFを備えた吸気装置150としたが、この発明はこれに限定されるものではなく、吸気装置150を備えなくてもよい。
この場合以下の2通りの例がある。1つ目の例は、フロントプレート152、エアカットプレートAP、サイドプレート151、ボトムプレート153で形成された閉塞空間が、ボンネット11内の熱をステアリング21側に伝達しないための空気層による断熱部として機能する。このときは、フロントプレート152に開口152Oを形成しないとともに、サイドプレート151にも開口151Oを形成せず、さらにさらに、ボンネット11の側部に外気取入部11Pを形成しない。すなわち、閉塞空間にはボンネット11内の空気を流入させない。フロントプレート152はボンネット11からの空気に直接接しているので熱せられるが、エアカットプレートAPは閉塞空間を挟んで配置されているので、熱の伝達が著しく低減される。閉塞空間はエアカットプレートAPの上部のみに形成されるが、ボンネット11内の空気が高温であることから上部のみでも十分効果がある。閉塞空間をエアカットプレートAP全体に形成すると断熱効果がいっそう高まる。
吸気装置150を備えない2つ目の例は、フロントプレート152、エアカットプレートAP、サイドプレート151、ボトムプレート153で形成された閉塞空間が、排気誘導路として機能する。このときは、フロントプレート152に開口152Oを形成するとともに、サイドプレート151にも開口151Oを形成し、さらに、ボンネット11の側部に外気取入部11Pを形成する(すなわち、閉塞空間にはボンネット11内の空気を流入させる)。トラクタ10の走行中、外気取入部11Pから取り入れた外気Wおよびラジエータからの排気風は、開口152Oから閉塞空間へと流入し、サイドプレート151の開口151Oから外部に向かって排出される。
上述の例では、トラクタ10に運転席27を備えたが、この発明はこれに限定されるものではなく、運転席を備えず運転者が立ったままでステアリングホイール(運転部)21を操作するようにしてもよい。また、ファンFは、吸気装置50内に備えることに限定されるものではなく、ダクト51内に配置してもよい。さらに、ファンFは、吸気装置150内に備えることに限定されるものではなく、排気誘導路に配置してもよい。
また、駆動部はエンジンEに限定されるものではなく、電動モータであってもよい。電動モータで駆動部を構成する場合、電動モータに電力を供給するためのバッテリーを載置する必要がある。また、排気浄化装置は不要である。
この発明は上述の例に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない限りにおいて、いかなる形態もとることができる。
この発明は、トラクタに限定されるものではなく、田植機、コンバインなどの農業用車両、建設用車両、普通自動車などあらゆるボンネット付車両に適用することができる。
10 トラクタ(ボンネット付車両)
11 ボンネット
E エンジン(駆動部)
AP エアカットプレート(遮蔽部)
21 ステアリングホイール(運転部)
11P 外気取入部
50,150 吸気装置(空気収集部)
51 ダクト(誘導部)
F ファン

Claims (7)

  1. ボンネットと、
    該ボンネット内に収納された駆動部と、
    前記ボンネットの後端に配置された遮蔽部と、
    該遮蔽部の後方に隣接して配置された運転部と、
    前記ボンネットに形成され、走行時に外気を前記ボンネット内に取り込むための外気取入部とを備えるボンネット付車両において、
    前記外気取入部から取り入れた外気を前記ボンネットの後部より排出するための空気収集部を備え、
    該空気収集部が、前記ボンネット内で、かつ、前記遮蔽部に隣接して配置され、
    前記空気収集部から取り込んだ前記ボンネット内の空気を、外に排出するための誘導部を前記空気収集部に連続して備え、
    前記誘導部より排出される空気が前記ボンネットの側方に向かうことを特徴とする、ボンネット付車両。
  2. 前記ボンネット内の空気の排出を促進するためのファンを前記空気収集部または前記誘導部に備えることを特徴とする、請求項1に記載のボンネット付車両。
  3. 前記ボンネット内の気温を測定するための温度センサと、
    該温度センサで測定した気温に基づいて前記ファンを作動させる制御部とを備えることを特徴とする、請求項2に記載のボンネット付車両。
  4. ボンネットと、
    該ボンネット内に収納された駆動部と、
    前記ボンネットの後端に配置された遮蔽部と、
    該遮蔽部の後方に隣接して配置された運転部とを備えるボンネット付車両において、
    前記遮蔽部が、前記ボンネット内の熱を前記運転部に伝達することを抑制するための断熱部を備えることを特徴とする、ボンネット付車両。
  5. 前記断熱部が、
    前面部と、
    側面部と、
    底面部とで構成され、
    前記断熱部を前記遮蔽部の前側に固設することで閉塞空間が形成され、
    該閉塞空間が前記ボンネット内の熱を前記運転部に伝達することを妨げることを特徴とする、請求項4に記載のボンネット付車両。
  6. 前記ボンネット内の空気を吸引して前記閉塞空間に取り込むためのファンを前記前面部に設けるとともに、前記閉塞空間内に取り込まれた空気を排気するための開口を前記側面部に形成することを特徴とする、請求項5に記載のボンネット付車両。
  7. 前記ボンネット内の気温を測定するための温度センサと、
    該温度センサで測定した気温に基づいて前記ファンを作動させる制御部とを備えることを特徴とする、請求項5または6に記載のボンネット付車両。
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