JP2013248706A - クーラント廃液の再生方法、クーラント廃液の処理方法、クーラント廃液の処理システム、及び再生クーラント液の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クーラント廃液貯留槽1に、例えば、シリコンインゴッド等のスライスなどの切り出しに用いられた使用済みのクーラント液(クーラント廃液)を収容し、クーラント廃液貯留槽1から遠心分離機2に所定量のクーラント廃液を供給する。遠心分離機2による遠心分離後の分離液(上清)を濾過機3に供給し、分離液の濾過を行い、固形分を除去する。濾過機3で得られた濾液を加熱手段4によって加熱し、殺菌を行う。加熱処理された濾液を回収槽5に供給し、必要に応じて純水及び使用前のクーラント液等を用いて、回収槽5において再生クーラント液を所定の濃度に調製する。クーラント廃液から、クーラント再生液中の粒子濃度を低下させ、クーラント液が用いられる加工時に、加工速度と加工品質の悪化を防止できるクーラント廃液の再生方法を提供する。
【選択図】図1
Description
また、加熱後濾過を行なうと、加熱により、Si粒子が加水分解によりSiO3 -2となり、濾過除去されずに濾液中に溶出し、その後、常温に戻るとクーラント再生液中に固形物として析出する。その析出した固形物粒子がシリコンインゴット等のスライスなどの加工時に悪影響を及ぼし加工速度が悪化することとなる。クラッシュ、あるいは、ひびなどが発生し易くなり、加工品質も劣ることとなる。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、クーラント廃液から、クーラント再生液中の粒子濃度を低下させ、シリコンインゴット等のスライスなどのクーラント液が用いられる加工時に、加工速度と加工品質の悪化を抑制し、使用前のクーラント液(以下、「クーラント新液」という)と略同程度、略クーラント新液並み、あるいはクーラント新液に略準ずる加工速度と加工品質が得られるクーラント廃液の再生方法を提供することを目的とする。
クーラント廃液から十分なクーラント性能を示すクーラント液を再生可能な新たな方法を提供する。
これにより、濾過工程により得られた濾液を加熱することでクーラント再生液を加熱殺菌でき、クーラント再生液の腐敗と細菌等微生物繁殖を防止でき、細菌性粒子など微生物性粒子濃度が低下する。
細菌性粒子とは、細菌に起因する粒子であり、例えば、細菌自体、あるいは、細菌によって分解、合成、あるいは生成などする粒子などがある。微生物性粒子も同様に、微生物に起因する粒子であり、例えば、真菌、細菌等の微生物自体、あるいは微生物によって分解、合成、あるいは生成などする粒子などがある。
また、加熱前の濾過により、シリコン粒子が除去でき、シリコン粒子が除去された濾液を加熱しても、加熱によりシリコン粒子が加水分解してSiO3 -2が生じ溶出しその溶出したSiO3 -2がその後冷えて、あるいは冷却により固形物として析出するが、その固形物析出を防止でき、クーラント再生液中の固形物としての粒子濃度が低下する。
したがって、クーラント廃液から、クーラント再生液中のシリコン粒子、微生物性粒子などの粒子濃度を低下させ、クーラント再生液が用いられる加工時に、加工対象物に対して加工速度が遅くなる、あるいは、クラッシュあるいはひびなどが発生し易くなるなどの、加工速度と加工品質の悪化を抑制し、クーラント新液(使用前のクーラント液)と略同程度、略クーラント新液並み、あるいはクーラント新液に略準ずる加工速度と加工品質が得られるクーラント廃液の再生方法を提供できるという効果を奏する。
そして、濾液の温度が下がるとSiO2となってクーラント再生液中に固形物として析出する。その析出した固形物としての粒子がシリコンインゴット等のスライスなどの加工時に加工速度、あるいは加工品質に悪影響を及ぼす。クーラント液のクーラント性能が低下する。
これに対し、本発明では、クーラント廃液に含まれるシリコンを遠心分離及び濾過処理によって除去した後、加熱処理を行うことから、シリコンの溶出及びその後の析出を抑制できる。これにより、Si粉含有量が少なく、SiO2濃度も低いため、クーラント再生液が用いられる加工時に、加工品の品質が安定する。
また、本発明では、クーラント廃液の殺菌を加熱により行うことから、オゾンや紫外線照射による殺菌と比較して、クーラント液の変質を抑制でき、潤滑機能及び冷却機能を十分に維持できる。
これらにより、本発明では、クーラント液が用いられる加工時に、加工速度と加工品質の悪化を抑制し、クーラント新液と略同程度、略クーラント新液並み、あるいはクーラント新液に略準ずる加工速度と加工品質が得られるクーラント廃液の再生方法を提供できる。十分なク−ラント性能を示す再生クーラント液を調製できる。ただし、これらは本発明を限定するものではない。
クーラント液におけるグリコール類の濃度は特に制限されるものではないが、クーラント液の粘度低下による濾過し易さ、すなわち、濾過時の低圧力損失化を考慮に入れると、例えば、2〜20重量%、好ましくは2〜7重量%である。グリコール類としては、例えば、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、及びポリエチレングリコール等が挙げられ、中でもジエチレングリコールが好ましい。
一般的な微生物の大きさは0.5〜1μmであり、また、略1.0μm程度の粒子を除去すれば、回収クーラント中のSi濃度はほとんど除去できることから、例えば、分離液を、ポアサイズ略0.5μm〜略1.3μm程度、あるいは略1.0μm程度の濾過膜で濾過して、除菌を行い、シリコン屑、シリコン粒子などの固形物除去を行なう。クーラント再生液が用いられる加工時に、加工速度と加工品質が悪化しない程度に、粒子などの固形物を除去すれば良い。
本発明の処理方法によれば、クーラント廃液を遠心分離及び濾過処理した後、加熱処理することから、濾過手段による濾過前のクーラント廃液は加熱されておらず、クーラント廃液に含まれるシリコン粒子が加熱による加水分解により溶け出し、濾過されずに濾過手段を通過し濾液中への溶出とその後の冷えによる固形物析出を防止することができる。
したがって、クーラント廃液から、クーラント再生液中の粒子濃度を低下させ、クーラント液が用いられる加工時に、加工対象物に対して、加工速度と加工品質の悪化を防止でき、十分なクーラント性能を示す再生クーラント液を得ることができるという効果を奏する。
本発明の処理システムによれば、クーラント廃液を遠心分離及び濾過処理した後、加熱処理することから、濾過手段による濾過前のクーラント廃液は加熱されておらず、クーラント廃液に含まれるシリコン粒子が加熱による加水分解により溶け出し、濾過されずに濾過手段を通過し濾液中への溶出と、その後の冷えによる固形物析出を防止することができる。
したがって、クーラント廃液から、クーラント再生液中の粒子濃度を低下させ、クーラント液が用いられる加工時に、加工対象物に対して、加工速度と加工品質の悪化を防止でき、十分なクーラント性能を示す再生クーラント液を得ることができるという効果を奏する。
図1は、実施形態1のクーラント廃液の再生方法に用いる処理システムの概略構成図である。本実施形態1のクーラントは、クーラント廃液回収槽1と、遠心分離機2と、濾過機3と、回収槽5と、再生クーラント液貯留槽6とを有し、この順で接続し、濾過装置3と回収槽5との間には加熱手段4が配置されている。回収槽5と再生クーラント液貯留槽6との間には冷却手段(図示せず)が配置されていてもよい。
加熱と冷却はヒートポンプの凝縮による加熱と蒸発による冷却を用いても良いし、ペルチェ素子の発熱と冷却を用いても良い。ヒートポンプあるいはペルチェ素子のように、同時に発熱と冷却するものを使用すれば、エネルギー効率の良い加熱冷却を行なうことができる。省エネとなる。
クーラント液の粘度低下による濾過し易さ、すなわち、濾過時の低圧力損失化を考慮に入れて、再生クーラント液の濃度を、例えば、2〜20重量%、好ましくは2〜7重量%に調整する。
クーラント液としては、潤滑、冷却、あるいは/および洗浄機能があればよく、例えば、グリコール類あるいは/およびトリエタノールアミン等を基材とする水溶性クーラント液などがある。グリコール類としては、例えば、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、およびポリエトレングリコール等が挙げられ、中でもジエチレングリコールが好ましい。
所定の濃度に調整された再生クーラント液を再生クーラント液貯留槽6に供給し、貯留する。再生クーラント液貯留槽6に貯留された再生クーラント液は、使用前のクーラント液と同様に、シリコンインゴット等のスライス等の切り出し等といった金属加工のためのクーラント液として用いることができる。再生クーラント液貯留槽6への供給に先立ち、再生クーラント液を常温(例えば、25℃)までに冷却してもよい。再生クーラント液の冷却は、自然冷却であってもよいし、冷却手段を用いて行ってもよく、処理効率の点から、冷却手段を用いて行ってもよい。
2 遠心分離機
3 濾過機
4 加熱手段
5 回収槽
6 再生クーラント液貯留槽
7 純水貯留槽
8 クーラント液(新液)貯留槽
Claims (9)
- クーラント廃液を遠心分離する工程、
前記遠心分離工程により得られた分離液を濾過する工程、
前記濾過工程により得られた濾液を加熱する工程、及び
前記加熱後の濾液を用いて再生されたクーラント液を調製する工程、
を含む、クーラント廃液の再生方法。 - 前記クーラント廃液は、半導体製造工程で使用されたクーラント液である、請求項1記載の再生方法。
- 前記再生クーラント液の調製工程は、前記再生クーラント液を冷却する工程を含む、請求項1又は2に記載の再生方法
- 前記濾液の加熱と前記再生クーラント液の冷却とをヒートポンプにより行う、請求項3記載の再生方法。
- 前記加熱工程において、前記濾液を60〜80℃に加熱する、請求項1〜4のいずれかに記載の再生方法。
- 前記再生クーラント液の調製工程で調製された再生クーラント液を加熱する工程を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の再生方法。
- クーラント廃液を遠心分離する工程、
前記遠心分離工程により得られた分離液を濾過する工程、及び
前記濾過工程により得られた濾液を加熱する工程、
を含む、クーラント廃液の処理方法。 - クーラント廃液を遠心分離する遠心分離手段と、
前記遠心分離装置によって得られた分離液を濾過する濾過手段と、
前記濾過装置で得られた濾液を加熱する加熱手段と
を含む、クーラント廃液の処理システム。 - クーラント廃液を遠心分離する工程、
前記遠心分離工程により得られた分離液を濾過する工程、
前記濾過工程により得られた濾液を加熱する工程、及び
前記加熱後の濾液を用いて再生クーラント液を調製する工程、
を含む、再生クーラント液の製造方法。
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