JP3193877U - クーラント再生装置及びこれを備えたワイヤーソーシステム - Google Patents

クーラント再生装置及びこれを備えたワイヤーソーシステム Download PDF

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Abstract

【課題】ワイヤーソー装置の循環機構を無駄なく利用することができ、しかも、ワイヤーソータンク内のクーラントに含まれる切削屑の濃度を自動で且つ安定的に低く維持するクーラント再生装置を提供する。【解決手段】クーラント再生装置は、ワイヤーソータンク22内のクーラントの一部が導出される導出経路4と、導出経路4へのクーラントの導出量を調節する導出量調節機構5と、導出経路4に導出されて導出経路4を通じて導かれたクーラントを再生する処理装置と、処理装置において再生されたクーラントをワイヤーソータンク22に導入する導入経路7と、ワイヤーソータンク22へのクーラントの導入量を調節する導入量調節機構8と、を備える。【選択図】図2

Description

本考案は、シリコン、サファイヤ、ガリウム砒素、磁石などの各種脆性材料を加工するためのワイヤーソー装置に用いられるクーラント再生装置及びこれを備えたワイヤーソーシステムに関する。
例えば半導体素子、太陽電池素子などの製品を製造する過程において、ブロック状のシリコンインゴット(シリコン材料)を予め規定されたサイズに切断するスライシング工程が行われる。このスライシング工程において、シリコンインゴットがワイヤーソー装置を用いて切断されるときには、切断部分の温度上昇を抑制するため及び潤滑性を付与するためにクーラントが用いられる。スライシング工程で使用された後のクーラント(使用済みクーラント)には、シリコンなどの切削屑(スラッジ)が含まれる。
例えば特許文献1には、ワイヤーソー(固定砥粒ワイヤ)にクーラントを供給してシリコン材料を切断するワイヤーソーのクーラント管理方法及び装置が開示されている。この特許文献1では、ワイヤーソーから落下する切断スラリを受けるスラリ受槽が設けられており、このスラリ受槽において受けられた切断スラリは、遠心分離機に導かれる。遠心分離機に導かれた切断スラリは、粗粒固形分と分離液とに分離される。遠心分離機で分離された分離液は膜濾過装置に供給されて微粒混合液と回収クーラントとに分離される。遠心分離機で分離された分離液の一部と膜濾過装置で分離された回収クーラントとは調合タンクにおいて調合されて再びワイヤーソーに供給される。
特開2010−253622号公報
ところで、ワイヤーソー装置としては、例えば図8に示すようなタイプのものがある。図8に示すワイヤーソー装置2は、ワイヤーソー21と、ワイヤーソータンク22と、循環機構23とを備えている。この循環機構23は、循環経路24と、循環ポンプ25とを含む。ワイヤーソー装置2では、ワイヤーソー21においてシリコンインゴットを加工する時に、ワイヤーソー21にクーラントが供給される。使用後のクーラントは、切削屑を含んだ状態でワイヤーソータンク22に回収される。回収されたクーラントは、循環ポンプ25によって循環経路24を通じて再びワイヤーソー21に供給される。
図8に示すようなワイヤーソー装置2では、シリコンインゴットの加工が進行するにつれて、ワイヤーソータンク22内のクーラントにおける切削屑濃度(スラッジ濃度)が上昇する。この切削屑濃度が所定濃度以上になると、シリコンインゴットを切断して得られるウエハーの品質に影響が及ぶ場合がある。このため、ワイヤーソー装置2を用いた加工後には、ワイヤーソータンク22内のクーラントの一部又は全部が新しいクーラントと交換される。これにより、ワイヤーソータンク22内のクーラントにおける切削屑濃度が所定濃度以上に上昇するのが防止できる。しかしながら、このようなクーラントの交換作業は、煩雑であり、生産性を低下させる原因となる。
また、上述した特許文献1の装置では、遠心分離機及び膜濾過装置を通過したクーラントは、調合タンクにおいて調合され、この調合タンクからクーラント供給管を通じてワイヤーソーに直接供給されるので、図8に示す構造を備えたワイヤーソー装置2に対して特許文献1の装置をそのまま適用することはできない。仮に、図8に示す構造を備えたワイヤーソー装置2に対して特許文献1の装置を適用しようとすると、ワイヤーソータンク22内のクーラントをワイヤーソー21に供給するための循環機構23が無駄になる。
本考案の目的は、ワイヤーソーと、ワイヤーソーにおいて使用されたクーラントを回収するワイヤーソータンクと、ワイヤーソータンク内のクーラントをワイヤーソーに戻す循環機構とを備えるワイヤーソー装置において、クーラントの再生機能を付与する際に、ワイヤーソー装置の循環機構を無駄なく利用することができ、しかも、ワイヤーソータンク内のクーラントに含まれる切削屑の濃度を自動で且つ安定的に低く維持することができるクーラント再生装置を提供することである。
本考案は、ワイヤーソー装置に用いられるクーラント再生装置である。このクーラント再生装置が適用されるワイヤーソー装置は、ワイヤーソーと、前記ワイヤーソーにおいて使用されたクーラントを回収するワイヤーソータンクと、前記ワイヤーソータンク内のクーラントを前記ワイヤーソーに戻す循環機構とを備える。そして、本考案のクーラント再生装置は、前記ワイヤーソータンク内のクーラントの一部が導出される導出経路と、前記導出経路へのクーラントの導出量を調節する導出量調節機構と、前記導出経路に導出されて前記導出経路を通じて導かれたクーラントを再生する処理装置と、前記処理装置において再生されたクーラントを前記ワイヤーソータンクに導入する導入経路と、前記ワイヤーソータンクへのクーラントの導入量を調節する導入量調節機構とを備える。
このように本考案では、ワイヤーソー装置のワイヤーソーにおいて使用されたクーラントがワイヤーソータンクに回収された後、循環経路を通じてワイヤーソーに再び供給されるというクーラントの一連の経路とは別に、ワイヤーソータンク内のクーラントが導出経路に導出され、処理装置において再生されたクーラントが導入経路を通じてワイヤーソータンクに導入されるというクーラントの一連の経路を形成することができる。したがって、ワイヤーソーとワイヤーソータンクと循環機構とを備えるワイヤーソー装置において、クーラントの再生機能を付与する際に、ワイヤーソー装置の循環機構を無駄なく利用することができる。
しかも、本考案では、ワイヤーソータンクから導出経路に導出されるクーラントの導出量が導出量調節機構によって調節され、導出されたクーラントが処理装置において再生され、再生されたクーラントのワイヤーソータンクへの導入量が導入量調節機構によって調節される。したがって、本考案では、ワイヤーソータンク内のクーラントに含まれる切削屑の濃度を自動で且つ安定的に低く維持することができる。よって、本考案では、図8に示すワイヤーソー装置2のように、加工後にワイヤーソータンク22内のクーラントの一部又は全部を新しいクーラントと交換するという作業が不要になるので、生産性の低下を防ぐことができる。
前記クーラント再生装置において、前記導出量調節機構は、前記導出経路に導出されたクーラントを一時的に貯留する原液タンクを含み、前記導入量調節機構は、再生されたクーラントを一時的に貯留する再生液タンクを含んでいるのが好ましい。
この構成では、導出量調節機構が原液タンクを含んでいるので、ワイヤーソータンクから導出されたクーラントを一時的に原液タンクにおいて貯留することができる。また、導入量調節機構が再生液タンクを含んでいるので、処理装置において再生されたクーラントを一時的に再生液タンクにおいて貯留することができる。このように原液タンクと再生液タンクをバッファとして用いることにより、ワイヤーソータンクから導出されたクーラントを処理装置に送るタイミングと、再生されたクーラントを導入経路を通じてワイヤーソータンクに導入するタイミングとを調節することができる。
前記クーラント再生装置において、前記導出量調節機構は、前記原液タンク内のクーラントの液面レベルを検出するセンサを含み、前記導入量調節機構は、前記再生液タンク内のクーラントの液面レベルを検出するセンサを含んでいるのが好ましい。
この構成では、原液タンク内のクーラントの液面レベルが所定の高さに達したことをセンサによって検出することができるので、原液タンクにおけるクーラントの貯留量を適切に制御することが可能になる。また、再生液タンク内のクーラントの液面レベルが所定の高さに達したことをセンサによって検出することができるので、再生液タンクにおけるクーラントの貯留量を適切に制御することが可能になる。
前記クーラント再生装置において、前記原液タンクの容量と前記再生液タンクの容量が同じであるのが好ましい。
この構成では、例えば、ワイヤーソータンクから導出経路へクーラントを導出する導出運転及び導入経路を通じてワイヤーソータンクへクーラントを導入する導入運転を断続的に行う場合に、導出量と導入量を同程度に調整しやすくなる。
前記クーラント再生装置において、前記導出量調節機構は、前記導出経路を開閉する自動弁を含み、前記導入量調節機構は、前記導入経路を開閉する自動弁を含んでいるのが好ましい。
この構成では、導出量調節機構の自動弁の開閉が制御されることによってクーラントの導出量を制御することができ、導入量調節機構の自動弁の開閉が制御されることによってクーラントの導入量を制御することができる。
前記クーラント再生装置において、前記導出量調節機構は、前記原液タンクよりも前記ワイヤーソータンク側において前記導出経路を開閉する自動弁と、前記原液タンクよりも前記処理装置側において前記導出経路を開閉する自動弁とを含み、前記導入量調節機構は、前記再生液タンクよりも前記ワイヤーソータンク側において前記導入経路を開閉する自動弁と、前記再生液タンクよりも前記処理装置側において前記導入経路を開閉する自動弁とを含んでいるのが好ましい。
この構成では、上記の4つの自動弁を適宜切り替えることによって、例えば次のような原液移送工程、再生液補充工程、原液引抜工程及び再生液投入工程を順次行うことが可能になる。原液移送工程は、原液タンクに貯留されているクーラントを処理装置に送る工程である。再生液補充工程は、処理装置(具体的には、処理装置おける後述の再生液槽)に貯留されているクーラントを再生液タンクに補充する工程である。原液引抜工程は、ワイヤーソータンクに貯留されているクーラントを原液タンクに補充する工程である。再生液投入工程は、再生液タンクに貯留されているクーラントをワイヤーソータンクに送る工程である。
原液移送工程では、4つの自動弁のうち、導出量調節機構における原液タンクよりも処理装置側において導出経路を開閉する自動弁のみを開状態とし、残りの自動弁を閉状態とする制御が行われる。再生液補充工程では、4つの自動弁のうち、導入量調節機構における再生液タンクよりも処理装置側において導入経路を開閉する自動弁のみを開状態とし、残りの自動弁を閉状態とする制御が行われる。原液引抜工程では、4つの自動弁のうち、導出量調節機構における原液タンクよりもワイヤーソータンク側において導出経路を開閉する自動弁のみを開状態とし、残りの自動弁を閉状態とする制御が行われる。再生液投入工程では、4つの自動弁のうち、導入量調節機構における再生液タンクよりもワイヤーソータンク側において導入経路を開閉する自動弁のみを開状態とし、残りの自動弁を閉状態とする制御が行われる。
前記クーラント再生装置において、前記導出量調節機構は、前記導出経路に設けられた導出ポンプを含み、前記導入量調節機構は、前記導入経路に設けられた導入ポンプを含んでいるのが好ましい。
この構成では、導出ポンプの運転と停止が制御されることによってクーラントの導出量を制御することができ、導入ポンプの運転と停止が制御されることによってクーラントの導入量を制御することができる。
前記クーラント再生装置において、前記ワイヤーソータンク内のクーラントの液面レベルを検出するセンサを備えているのが好ましい。
この構成では、センサの検出結果に基づいて、ワイヤーソータンク内のクーラントの貯留量を適切な範囲に維持する制御を行うことができる。これにより、ワイヤーソータンクからクーラントがオーバーフローしたり、ワイヤーソータンク内のクーラントが不足したりすることを防止できる。
前記クーラント再生装置において、前記循環機構は、前記ワイヤーソータンク内のクーラントを前記ワイヤーソーに戻すための循環経路と、前記循環経路に設けられた循環ポンプとを含み、前記導出経路における前記ワイヤーソータンク側の端部は、前記循環経路における前記循環ポンプよりも下流側の部分に接続されていてもよい。
この構成では、循環ポンプが運転されると、ワイヤーソータンク内のクーラントが循環経路を通じてワイヤーソー側に流れる。そして、この循環経路を流れるクーラントの一部が循環経路に接続された導出経路に流入する。したがって、この構成では、循環ポンプは、循環経路を通じてワイヤーソーにクーラントを送る機能に加え、クーラントを導出経路に導出させる機能も果たすことができる。
前記クーラント再生装置において、前記導出量調節機構及び前記導入量調節機構を制御する制御部を備え、前記ワイヤーソー装置において前記ワイヤーソーによる加工が行われるときに、前記制御部は、前記ワイヤーソータンクから前記導出経路へクーラントを導出する導出運転及び前記導入経路を通じて前記ワイヤーソータンクへクーラントを導入する導入運転を連続的又は断続的に行うことが好ましい。
この構成では、制御部によって導出運転と導入運転を連続的又は断続的に制御することができる。
前記クーラント再生装置において、前記制御部は、前記導出運転及び前記導入運転を予め定められた時間毎に断続的に行ってもよい。
この構成では、ワイヤーソーによる加工時において、導出運転及び導入運転を予め定められた時間毎に断続的に行うという比較的簡単な制御により、ワイヤーソータンク内のクーラントにおける切削屑濃度が所定濃度以上にならないように管理することができる。また、この構成では、ワイヤーソーによる加工時において、例えば、ワイヤーソータンク内のクーラントにおける切削屑濃度が所定濃度以上にならない範囲で、導出運転と導入運転を必要な時期に断続的に行うことにより、導出運転と導入運転を連続的に行う場合に比べて、導出運転及び導入運転に必要な電力消費の増大を抑制することができる。
前記クーラント再生装置において、予め定められた複数の運転条件を記憶する記憶部を備え、前記制御部は、前記複数の運転条件から選択された運転条件に基づいて前記導出運転及び前記導入運転を行ってもよい。
この構成では、例えば、加工対象の脆性材料(例えばインゴット)のサイズ、ワイヤーソータンク内のクーラントにおける切削屑濃度の許容される上限値などの加工条件に応じて、予め定められた複数の運転条件から最も適切な運転条件が選択され、選択された運転条件に基づいて、ワイヤーソータンク内のクーラントにおける切削屑濃度が所定濃度以上にならないように適切に管理することができる。
前記クーラント再生装置は、ユーザーによる運転条件の入力を受け付ける入力受付部を備え、前記制御部は、前記入力受付部に入力された前記運転条件に基づいて前記導出運転及び前記導入運転を行ってもよい。
この構成では、例えば、加工条件(加工対象の脆性材料のサイズ、ワイヤーソータンク内のクーラントにおける切削屑濃度の許容される上限値などの加工条件)が複数ある場合において、ユーザーは、複数の加工条件のそれぞれについて、実験、シミュレーションなどの手法を用いて、適切な運転条件を予め取得しておき、実際の加工時には、その加工条件に対応した運転条件を、入力受付部を通じて入力する。これにより、加工条件に適した運転条件でクーラント再生装置を運転することができるので、ワイヤーソータンク内のクーラントにおける切削屑濃度が所定濃度以上にならないように適切に管理することができる。
前記クーラント再生装置において、前記制御部は、前記導出経路へのクーラントの導出量と前記ワイヤーソータンクへのクーラントの導入量が同じになるように前記導出量調節機構及び導入量調節機構を制御するのが好ましい。
この構成では、導出量と導入量とが同じになるように制御されるので、ワイヤーソータンク内のクーラントの貯留量の変動を抑制することができる。
前記クーラント再生装置において、前記処理装置は、前記導出経路に導出されて前記導出経路に導かれたクーラントにおける切削屑濃度を低減してクーラントを再生するための遠心分離機と膜分離機とを備えているのが好ましい。
この構成では、処理装置は、導出されたクーラントにおける切削屑濃度を遠心分離機と膜分離機によって効果的に低減することができる。
前記クーラント再生装置において、前記処理装置は、導出されたクーラントにおける切削屑濃度を低減してクーラントを再生するための処理ユニットと、前記原液タンクと前記処理ユニットとの間の経路に設けられた原液槽と、前記処理ユニットと前記再生液タンクとの間の経路に設けられた再生液槽とを備え、前記原液タンクの容量が前記原液槽の容量及び前記ワイヤーソータンクの容量よりも小さく、前記再生液タンクの容量が前記再生液槽の容量及び前記ワイヤーソータンクの容量よりも小さくなるように構成されているのが好ましい。
この構成では、処理装置の原液槽は、その容量が原液タンクの容量よりも大きく、ワイヤーソータンクから導出経路に導出されて原液タンクに一時的に貯留されているクーラントを受け入れて貯留するバッファ槽として機能する。具体的には、処理装置の原液槽は、例えば遠心分離機、膜分離機などを有する処理ユニットを循環するクーラントの循環量を十分に確保できる程度の大きな容量を備えている。その一方で、原液タンクは、その容量が原液槽の容量よりも小さく且つワイヤーソータンクの容量よりも小さくなるように設計されている。具体的には、原液タンクは、例えば後述するような断続的な導出運転(バッチ式の導出運転)が行われる際に1回あたりの導出運転で導出されるクーラントの導出量に対応する容量に設計されているのが好ましい。このように容量が小さく設計された原液タンクが採用されることによって1回あたりの導出量を正確に制御しやすくなる。
また、この構成では、処理装置の再生液槽は、その容量が再生液タンクの容量よりも大きく、処理ユニットにおいて再生されたクーラントを貯留するバッファ槽として機能する。その一方で、再生液タンクは、その容量が再生液槽の容量よりも小さく且つワイヤーソータンクの容量よりも小さくなるように設計されている。具体的には、再生液タンクは、断続的な導出運転が行われる際に1回あたりの導入運転でワイヤーソータンクに導入されるクーラントの導入量に対応する容量に設計されているのが好ましい。このように容量が小さく設計された再生液タンクが採用されることによって1回あたりの導入量を正確に制御しやすくなる。
本考案のワイヤーソーシステムは、ワイヤーソー装置と、上述したクーラント再生装置とを備えている。前記ワイヤーソー装置は、ワイヤーソーと、前記ワイヤーソーにおいて使用されたクーラントを回収するワイヤーソータンクと、前記ワイヤーソータンク内のクーラントを前記ワイヤーソーに戻す循環機構とを有する。前記クーラント再生装置は、前記ワイヤーソータンク内のクーラントの一部を導出し、導出されたクーラントを再生し、再生されたクーラントを前記ワイヤーソータンクに導入する。
この構成では、例えば図8に示すワイヤーソー装置においてクーラントの再生機能を付与する際にワイヤーソー装置の循環機構を無駄なく利用することができ、しかも、ワイヤーソータンク内のクーラントに含まれる切削屑の濃度を自動で且つ安定的に低く維持することができる。
以上説明したように、本考案によれば、ワイヤーソー装置の循環機構を無駄なく利用しつつ、ワイヤーソータンク内のクーラントに含まれる切削屑の濃度を自動で且つ安定的に低く維持することができる。
本考案の一実施形態に係るワイヤーソーシステムを示す概略図である。 本考案の一実施形態に係るクーラント再生装置の自動供給装置と、ワイヤーソー装置とを示す概略図である。 前記クーラント再生装置における自動弁の制御例を示す図である。 前記実施形態の変形例1に係るクーラント再生装置の自動供給装置と、ワイヤーソー装置とを示す概略図である。 前記実施形態の変形例2に係るクーラント再生装置の自動供給装置と、ワイヤーソー装置とを示す概略図である。 前記実施形態の変形例3に係るクーラント再生装置の自動供給装置と、ワイヤーソー装置とを示す概略図である。 前記実施形態の変形例4に係るクーラント再生装置の自動供給装置と、ワイヤーソー装置とを示す概略図である。 参考例に係るワイヤーソー装置を示す概略図である。
以下、本考案の実施形態に係るクーラント再生装置3及びこれを備えたワイヤーソーシステム1について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[ワイヤーソーシステムの全体構造]
図1に示すように、本実施形態に係るワイヤーソーシステム1は、ワイヤーソー装置2と、クーラント再生装置3とを備えている。このワイヤーソーシステム1において、ワイヤーソー装置2は、脆性材料をクーラントによって冷却しながら所定の大きさに切断加工するためのものである。また、ワイヤーソーシステム1において、クーラント再生装置3は、ワイヤーソー装置2において使用されたクーラントに含まれる切削屑の一部又は全部を除去する再生処理を行うとともに、再生されたクーラントをワイヤーソー装置2に供給するためのものである。
上述の脆性材料としては、例えばシリコン、サファイヤ、ガリウム砒素、磁石などの各種材料を挙げることができるが、これらに限られない。脆性材料が例えばシリコンである場合には、ワイヤーソーシステム1は、例えばブロック状のシリコンインゴットを予め規定されたサイズに切断するスライシング工程において用いられるが、このような用途に限られるものではない。シリコンインゴットを切断加工する際に用いられるクーラントは、例えばジエチレングリコール、水、その他添加剤などを含む液体が用いられるが、これに限られない。
スライシング工程おいて、ワイヤーソー装置2で使用された後の使用済みクーラントにはシリコン切削屑が含まれる。使用済みクーラントは、クーラント再生装置3によって再利用可能な状態に再生される。再生された再生クーラントは、ワイヤーソー装置2に再び戻される。
[ワイヤーソー装置]
図2は、ワイヤーソーシステム1の一部を示す概略図である。図2は、ワイヤーソー装置2と、本考案の一実施形態に係るクーラント再生装置3の自動供給装置10とを示している。図1及び図2に示すように、ワイヤーソー装置2は、ケーシング20と、このケーシング20内に設けられたワイヤーソー21と、ワイヤーソータンク22と、循環機構23とを備える。
ワイヤーソー21は、複数のローラ211と、これらのローラ211に架け渡されたワイヤー212とを備える。少なくとも1つのローラ211が回転することによってワイヤー212が走行するように構成されている。ワイヤー212としては、例えばワイヤー212の芯材の表面にダイヤモンド等の砥粒が貼着された固定砥粒方式のワイヤーを用いることができるが、これに限られない。
ワイヤーソータンク22は、ワイヤーソー21の下方に配置された容器である。本実施形態では、ワイヤーソータンク22は、ケーシング20の直下に配置されている。本実施形態では、ワイヤーソータンク22の横幅は、ケーシング20の横幅と同程度であるが、これに限られない。ケーシング20は、その下部が開口しており、ワイヤーソータンク22は、その上部が開口しているので、ワイヤーソー21において使用されて下方に落下するクーラントを受け入れて回収することができる。
循環機構23は、ワイヤーソータンク22内のクーラントをワイヤーソー21に供給する機能を有する。図2に示す具体例では、循環機構23は、循環経路24と、循環ポンプ25とを含む。循環経路24は、ワイヤーソータンク22内のクーラントをワイヤーソー21に送ることが可能な配管によって構成されている。循環ポンプ25は、循環経路24に設けられている。循環ポンプ25が運転されると、ワイヤーソータンク22内のクーラントの一部は、循環経路24に流入し、循環経路24の先端からワイヤーソー21に供給される。循環経路24の先端には、例えば図略のノズルなどが設けられていてもよい。ワイヤーソー21に供給されたクーラントは、切削部分を冷却した後、流下してワイヤーソータンク22に受け入れられて回収される。
本実施形態では、ワイヤーソータンク22には、その内部に貯留されたクーラントの液面レベルを検出するセンサ26が設けられている。センサ26としては、例えばフロート式液面レベルセンサ、光学式液面レベルセンサ、超音波式液面レベルセンサ、静電容量式液面レベルセンサなどの種々のセンサを用いることができる。このセンサ26は必須のものではなく省略することもできる。
[クーラント再生装置]
図1に示すように、クーラント再生装置3は、自動供給装置10と、処理装置6と、コントローラ9とを備える。コントローラ9は、クーラント再生装置3の動作(自動供給装置10、処理装置6などの動作)を制御する。コントローラ9は、クーラント再生装置3の動作を制御するだけでなく、ワイヤーソーシステム1全体を制御するように構成されていてもよい。
コントローラ9は、図略の中央演算処理装置(CPU)、記憶部92(メモリ)などを備える。コントローラ9は、制御部91と、入力受付部93とを機能として備える。入力受付部93は、例えばユーザーが手動で入力する運転条件などを受け付ける。制御部91は、入力受付部93において受け付けられた運転条件に基づいてクーラント再生装置3の動作を制御する。また、制御部91は、予め設定された運転条件に基づいてクーラント再生装置3の動作を制御してもよい。
制御部91は、ワイヤーソー装置2においてワイヤーソー21による加工が行われるときに、ワイヤーソータンク22から自動供給装置10(具体的には、後述する自動供給装置10の導出経路4)にクーラントを導出する導出運転、及び自動供給装置10(具体的には、後述する自動供給装置10の導入経路7)を通じてワイヤーソータンク22にクーラントを導入する導入運転を連続的又は断続的に行う。
[自動供給装置]
自動供給装置10は、ワイヤーソータンク22内のクーラントを自動で導出させて処理装置6に送る機能と、処理装置6において再生されたクーラントをワイヤーソータンク22に自動で供給する機能とを有する。図2に示すように、自動供給装置10は、導出経路4と、導出量調節機構5と、導入経路7と、導入量調節機構8とを備える。
導出経路4は、ワイヤーソータンク22内のクーラントの一部を導出させることが可能な配管によって構成されている。本実施形態では、導出経路4は、導出量調節機構5よりも上流側(ワイヤーソータンク22側)の上流側導出経路41と、導出量調節機構5よりも下流側(処理装置6側)の下流側導出経路42とを含む。
導入経路7は、処理装置6において再生されたクーラントをワイヤーソータンク22に導入することが可能な配管によって構成されている。本実施形態では、導入経路7は、導入量調節機構8よりも上流側(処理装置6側)の上流側導入経路71と、導入量調節機構8よりも下流側(ワイヤーソータンク22側)の下流側導入経路72とを含む。
導出経路4の一方の端部(具体的には、上流側導出経路41の端部)は、ワイヤーソータンク22内のクーラントが導出経路4に流入可能な位置に設けられている。導出経路4の他方の端部(具体的には、下流側導出経路42の端部)は、後述する処理装置6(具体的には、処理装置6の原液槽61)に接続されている。
導入経路7の一方の端部(具体的には、下流側導入経路72の端部)は、ワイヤーソータンク22内にクーラントを供給可能な位置に設けられている。導入経路7の他方の端部(具体的には、上流側導入経路71の端部)は、後述する処理装置6(具体的には、処理装置6の再生液槽65)に接続されている。
導出量調節機構5は、導出経路4に設けられており、導出経路4へのクーラントの導出量を調節可能に構成されている。図2に示す実施形態では、導出量調節機構5は、導出経路4を開閉する自動弁51,52と、導出経路4に設けられた導出ポンプ53とを含む。ただし、導出量調節機構5は、後述する図4に示す変形例1、図5に示す変形例2などのように、自動弁51,52及び導出ポンプ53の一方を含み、自動弁51,52及び導出ポンプ53の他方を省略した形態であってもよい。
導出量調節機構5は、原液タンク54をさらに含む。この原液タンク54は、ワイヤーソータンク22から導出経路4に導出されたクーラントを一時的に貯留するための容器である。原液タンク54は、例えば図4に示す変形例1のように省略することもできる。
本実施形態では、導出量調節機構5は、複数の自動弁51,52を備えているが、これに限られず、後述する図7に示す変形例4のように単一の自動弁50のみを備えている形態であってもよい。複数の自動弁51,52は、原液タンク54の上流側に設けられた自動弁51と、原液タンク54の下流側に設けられた自動弁52とによって構成されている。これらの自動弁51,52としては、例えば電磁弁、電動弁などを用いることができるが、これらに限られない。自動弁51,52の動作は制御部91によって制御される。自動弁51,52が開度調節可能な電動弁である場合には、その開度調節によってクーラントの導出量を調節することができる。
導出量調節機構5は、原液タンク54内のクーラントの液面レベルを検出するセンサ55を含む。センサ55としては、例えばフロート式液面レベルセンサ、光学式液面レベルセンサ、超音波式液面レベルセンサ、静電容量式液面レベルセンサなどの種々のセンサを用いることができる。センサ55は、例えば図5に示す変形例2のように省略することもできる。制御部91は、センサ55の検出結果に基づいて、原液タンク54内に所定量のクーラントが貯留されると、自動弁51を閉じるという制御を行うことができる。
導入量調節機構8は、導入経路7に設けられており、ワイヤーソータンク22へのクーラントの導入量を調節可能に構成されている。図2に示す実施形態では、導入量調節機構8は、導入経路7を開閉する自動弁81,82と、導入経路7に設けられた導入ポンプ83とを含む。ただし、導入量調節機構8は、後述する図4に示す変形例1、図5に示す変形例2などのように、自動弁81,82及び導入ポンプ83の一方を含み、自動弁81,82及び導入ポンプ83の他方を省略した形態であってもよい。
導入量調節機構8は、再生液タンク84をさらに含む。この再生液タンク84は、処理装置6から送られてくる再生されたクーラントを一時的に貯留するための容器である。再生液タンク84は、例えば図4に示す変形例1のように省略することもできる。
本実施形態では、導入量調節機構8は、複数の自動弁81,82を備えているが、これに限られず、後述する図7に示す変形例4のように単一の自動弁80のみを備えている形態であってもよい。複数の自動弁51,52は、再生液タンク84の上流側に設けられた自動弁81と、再生液タンク84の下流側に設けられた自動弁82とによって構成されている。これらの自動弁81,82としては、上述した電磁弁、電動弁などを用いることができるが、これらに限られない。自動弁81,82の動作は制御部91によって制御される。自動弁81,82が開度調節可能な電動弁である場合には、その開度調節によってクーラントの導入量を調節することができる。
導入量調節機構8は、再生液タンク84内のクーラントの液面レベルを検出するセンサ85を含む。センサ85としては、上述したような種々のセンサを用いることができる。センサ85は、例えば図5に示す変形例2のように省略することもできる。制御部91は、センサ85の検出結果に基づいて、再生液タンク84内に所定量のクーラントが貯留されると、自動弁81を閉じるという制御を行うことができる。
図2に示す実施形態では、制御部91は、2つの自動弁51,52及び導出ポンプ53を制御することによってクーラントの導出量を調節することができ、2つの自動弁81,82及び導入ポンプ83を制御することによってクーラントの導入量を調節することができる。
また、本実施形態では、原液タンク54内のクーラントの貯留量がセンサ55の検出結果に基づいて適切に管理される。すなわち、ワイヤーソータンク22から導出されて原液タンク54に貯留されるクーラントの貯留量を毎回ほぼ一定にすることができる。また、本実施形態では、再生液タンク84内のクーラントの貯留量がセンサ85の検出結果に基づいて適切に管理される。すなわち、処理装置6において再生され、再生液タンク84に貯留されるクーラントの貯留量を毎回ほぼ一定にすることができる。
したがって、制御部91は、ワイヤーソータンク22から導出経路4へクーラントを導出する導出運転及び導入経路7を通じてワイヤーソータンク22へクーラントを導入する導入運転を断続的に行う場合には、クーラントの導出量とクーラントの導入量を、毎回ほぼ同程度に調節することができる。これにより、ワイヤーソータンク22内のクーラントの出し入れされる量のバランスを維持することができる。
本実施形態では、原液タンク54の容量と再生液タンク84の容量が同じである。この場合には、原液タンク54の容量に対応するクーラントをワイヤーソータンク22から導出し、再生液タンク84の容量に対応するクーラントをワイヤーソータンク22に導入する。これにより、ワイヤーソータンク22内のクーラントの出し入れされる量のバランスを維持することができる。
[処理装置]
処理装置6は、自動供給装置10によって処理装置6に供給されるクーラントにおける切削屑濃度を低減させる機能を有する。図1に示す本実施形態では、処理装置6は、原液槽61と、貯留槽62と、遠心分離機63と、膜分離機64と、再生液槽65と、切削屑用タンク66とを備える。貯留槽62、遠心分離機63及び膜分離機64は、処理ユニット60を構成している。処理装置6において、原液槽61、再生液槽65及び切削屑用タンク66は、必須のものではなく省略することもできる。
処理装置6は、自動供給装置10に接続されている。具体的には、図1及び図2に示すように、処理装置6の上流側は、自動供給装置10の導出経路4に接続されており、処理装置6の下流側は、自動供給装置10の導入経路7に接続されている。
原液槽61は、ワイヤーソータンク22から導出されたクーラントを一時的に貯留するための容器である。原液槽61には、原液槽61に接続された導出経路4(具体的には、下流側導出経路42)を通じてクーラントが流入する。原液槽61内に貯留されているクーラントは、ポンプPが設けられた配管32を通じて貯留槽62に送られる。
原液槽61は、原液タンク54と処理ユニット60との間の経路に設けられている。原液タンク54の容量は、原液槽61の容量及びワイヤーソータンク22の容量よりも小さい。処理装置6の原液槽61は、その容量が原液タンク54の容量よりも大きく、ワイヤーソータンク22から導出経路4に導出されて原液タンク54に一時的に貯留されているクーラントを受け入れて貯留するバッファ槽として機能する。具体的には、処理装置6の原液槽61は、貯留槽62、遠心分離機63及び膜分離機64を有する処理ユニット60を循環するクーラントの循環量を十分に確保できる程度の大きな容量を備えている。
一方、原液タンク54は、その容量が原液槽61の容量よりも小さく且つワイヤーソータンク22の容量よりも小さくなるように設計されている。具体的には、原液タンク54は、例えば断続的な導出運転(バッチ式の導出運転)が行われる際に1回あたりの導出運転で導出されるクーラントの導出量に対応する容量に設計されているのが好ましい。このように容量が小さく設計された原液タンク54が採用されることによって1回あたりの導出量を正確に制御しやすくなる。
貯留槽62は、原液槽61から送液されたクーラントを一時的に貯留する容器である。貯留槽62に貯留されたクーラントは、遠心分離機63及び膜分離機64に供給される。
具体的に、貯留槽62内のクーラントは、ポンプPが設けられた配管33を通じて遠心分離機63に送られる。遠心分離機63は、クーラントを遠心分離液とスラッジとに分離する。遠心分離液は、遠心分離機63における遠心分離処理によってスラッジの含有量が低減された液である。遠心分離機63において処理された遠心分離液は、配管34を通じて貯留槽62に戻される。遠心分離機63において分離されたスラッジは、遠心分離機63から排出されて切削屑用タンク66に回収される。
また、貯留槽62内のクーラントは、ポンプPが設けられた配管35を通じて膜分離機64に送られる。図1に示す具体例では、膜分離機64は、クーラントを膜濾過液(再生クーラント)と、濃縮液とに分離するクロスフロータイプであるが、これに限られない。膜分離機64において濾過されて切削屑が除去された膜濾過液は、配管37を通じて再生液槽65に送られる。膜濾過液以外の濃縮液(切削屑を含む液)は、膜分離機64から配管36を通じて貯留槽62に戻される。
上記のように貯留槽62内のクーラントは、遠心分離機63及び膜分離機64によって切削屑濃度(スラッジ濃度)が低減される。
再生液槽65は、処理ユニット60において再生されたクーラントを一時的に貯留するための容器である。再生液槽65には、配管37を通じてクーラントが流入する。再生液槽65内に貯留されているクーラントは、例えば図略のポンプによって自動供給装置10に送られ、自動供給装置10によってワイヤーソー装置2のワイヤーソータンク22に供給される。
再生液槽65は、処理ユニット60と再生液タンク84との間の経路に設けられている。再生液タンクの容量は、再生液槽65の容量及びワイヤーソータンク22の容量よりも小さい。処理装置6の再生液槽65は、その容量が再生液タンク84の容量よりも大きく、処理ユニット60において再生されたクーラントを貯留するバッファ槽として機能する。
一方、再生液タンク84は、その容量が再生液槽65の容量よりも小さく且つワイヤーソータンク22の容量よりも小さい。具体的には、再生液タンク84は、断続的な導出運転が行われる際に1回あたりの導入運転でワイヤーソータンク22に導入されるクーラントの導入量に対応する容量に設計されているのが好ましい。このように容量が小さく設計された再生液タンク84が採用されることによって1回あたりの導入量を正確に制御しやすくなる。
遠心分離機63としては、回転体(回転釜)の回転軸の方向が上下方向に向いた縦型タイプの装置(縦型遠心分離機)、回転体の回転軸の方向が水平方向に向いた横型タイプの装置(横型遠心分離機)などを例示できるが、これらに限られない。
膜分離機64としては、例えば細長い形状の筐体内に中空糸膜が設けられた構造を採用できるが、これに限られない。膜分離機64は、クーラントから切削屑などを除去することができるものであればよく、中空糸膜以外の他の分離膜が筐体内に設けられた構造であってもよい。
[制御例]
本実施形態では、ワイヤーソー装置2においてワイヤーソー21による加工が行われるときに、制御部91は、ワイヤーソータンク22から導出経路4へクーラントを導出する導出運転、及び導入経路7を通じてワイヤーソータンク22へクーラントを導入する導入運転を連続的又は断続的に行う。
本実施形態では、ワイヤーソー装置2においてワイヤーソー21による加工が行われるときに、循環機構23によってワイヤーソータンク22内のクーラントをワイヤーソー21に戻す運転が連続的に行われる。その一方で、ワイヤーソー装置2においてワイヤーソー21による加工が行われるときに、制御部91は、導出運転及び導入運転を断続的にバッチ式で行うようにしてもよい。この場合には、ワイヤーソー21による加工時にクーラントをワイヤーソー21に連続的に供給して切断部分の温度上昇を適切に抑制できる。その一方で、ワイヤーソー21による加工時において、ワイヤーソータンク22内のクーラントにおける切削屑濃度が所定濃度以上にならない範囲で、導出運転と導入運転を必要な時期に断続的に行うことにより、導出運転及び導入運転に必要な電力消費の増大を抑制することができる。
本実施形態では、ワイヤーソー装置2においてワイヤーソー21による加工が行われるときに、制御部91は、導出運転及び導入運転を予め定められた時間毎に断続的に行ってもよい。このように導出運転及び導入運転を予め定められた時間毎に定期的に行うという比較的簡単な制御により、ワイヤーソータンク22内のクーラントにおける切削屑濃度が所定濃度以上にならないように管理することができる。
前記予め定められた時間は、特に限定されるものではない。また、導出運転1回あたりにワイヤーソータンク22から導出されるクーラントの導出量(再生液タンク84に貯留される貯留量)は、特に限定されるものではない。また、導入運転1回あたりにワイヤーソータンク22に導入されるクーラントの導入量(再生液タンク84に貯留されている貯留量)は、特に限定されるものではない。
前記予め定められた時間、及び1回あたりの導出量及び導入量は、例えばワイヤーソータンク22内のクーラントにおいて許容される切削屑濃度の上限値、加工対象の脆性材料のサイズ(厚み、幅など)、加工サイズなどに応じて適宜調節される。具体例を挙げると、断続的な運転における前記予め定められた時間は、例えば1〜20分の範囲で設定することができる。また、断続的な運転における1回あたりの導出量及び導入量のそれぞれは、例えば1〜20Lの範囲で設定することができる。
例えば、脆性材料の加工のサイズ(例えば加工後のウエハー厚み)が薄くなるほど、切削屑濃度が上昇するので、前記予め定められた時間を小さな値に設定するのが好ましい。また、加工対象の脆性材料のサイズ(厚み、幅など)が大きくなるほど、切削屑濃度が上昇するので、前記予め定められた時間を小さな値に設定するのが好ましい。また、ワイヤーソータンク22内のクーラントにおいて許容される切削屑濃度の上限値が小さくなるほど、前記予め定められた時間を小さな値に設定するのが好ましい。
具体例を挙げると、ワイヤーソータンク22の容量が250Lの場合に、例えば7分毎に導出運転と導入運転を行い、1回あたりのクーラントの導出量及び導入量を7Lに設定することができるが、このような具体例に限定されるものではない。この場合、原液タンク54の容量及び再生液タンク84の容量が同一(例えば7L)に設計されているのが好ましく、1回あたりの導出運転及び導入運転でそれぞれのタンクの容量分のクーラントの引抜き及び投入が行われるのが好ましい。
本実施形態では、クーラント再生装置3は、予め定められた複数の運転条件を記憶する記憶部92を備え、制御部91は、複数の運転条件から選択された運転条件に基づいて導出運転及び導入運転を断続的に行ってもよい。この場合には、例えば、加工対象の脆性材料(例えばインゴット)のサイズ、ワイヤーソータンク22内のクーラントにおける切削屑濃度の許容される上限値などの加工条件に応じて、予め定められた複数の設定値から最も適切な設定値を選択することができる。これにより、ワイヤーソータンク22内のクーラントにおける切削屑濃度が所定濃度以上にならないようにさらに適切に管理することができる。
本実施形態では、クーラント再生装置3は、ユーザーによる運転条件の入力を受け付ける入力受付部93を備え、制御部91は、入力受付部93に入力された運転条件に基づいて導出運転及び導入運転を断続的に行ってもよい。この場合には、ユーザーは、複数の加工条件のそれぞれについて、実験、シミュレーションなどの手法を用いて、適切な運転条件を予め取得しておき、実際の加工時には、その加工条件に対応した運転条件を、入力受付部93を通じて入力する。これにより、ワイヤーソータンク22内のクーラントにおける切削屑濃度が所定濃度以上にならないように適切に管理することができる。
本実施形態では、制御部91は、導出経路4へのクーラントの導出量とワイヤーソータンク22へのクーラントの導入量が同じになるように導出量調節機構5及び導入量調節機構8を制御してもよい。この場合には、導出量と導入量とが同じになるように制御されるので、ワイヤーソータンク22内のクーラントの貯留量の変動を抑制することができる。
本実施形態では、ワイヤーソータンク22内のクーラントの液面レベルを検出するセンサ26が設けられているので、制御部91は、このセンサ26の検出結果に基づいて、ワイヤーソータンク22内のクーラントの貯留量を適切な範囲に維持する制御を行うことができる。これにより、ワイヤーソータンク22からのクーラントの引き抜きとワイヤーソータンク22へのクーラントの投入のアンバランスが生じるのを回避することができる。よって、ワイヤーソータンク22からクーラントがオーバーフローしたり、ワイヤーソータンク22内のクーラントが不足したりすることを防止できる。
具体的には、制御部91は、センサ26の検出結果に基づいて、ワイヤーソータンク22内のクーラントの液面レベルが予め定められた上限値に達したことを示す信号を受けた場合には、ワイヤーソータンク22へのクーラントの導入を停止するという制御を行うことができる。また、制御部91は、センサ26の検出結果に基づいて、ワイヤーソータンク22内のクーラントの液面レベルが予め定められた下限値に達したことを示す信号を受けた場合には、ワイヤーソータンク22からのクーラントの導出を停止するという制御を行うことができる。
本実施形態では、クーラント再生装置3によってワイヤーソータンク22内のクーラントにおける切削屑濃度を自動で且つ安定的に低く維持することができる。ワイヤーソータンク22内のクーラントにおける切削屑濃度の上限値は、特に限定されるものではなく、処理対象液、切削条件などに応じて適宜設定される。切削屑濃度は、加工対象(脆性材料)が例えばシリコンである場合には、例えば10%以下(すなわち、切削屑濃度の上限値が10%)であるように、クーラント再生装置3を制御するという制御例を挙げることができる。ただし、が、切削屑濃度の上限値はこれに限られない。
本実施形態では、導出量調節機構5は、原液タンク54の上流側と下流側に自動弁51,52を有し、導入量調節機構8は、再生液タンク84の上流側と下流側に自動弁81,82を有する。したがって、例えば図3に示すように、4つの自動弁51,52,81,82を適宜切り替えることによって、次のような原液移送工程、再生液補充工程、原液引抜工程及び再生液投入工程を順次行うことが可能になる。
原液移送工程は、原液タンク54に貯留されているクーラントを処理装置に送る工程である。原液移送工程において、制御部91は、4つの自動弁51,52,81,82のうち、導出量調節機構5における原液タンク54よりも処理装置6側において導出経路4を開閉する自動弁52のみを開状態とし、残りの自動弁51,81,82を閉状態とする制御を行う。
再生液補充工程は、処理装置6(具体的には、処理装置6おける再生液槽65)に貯留されているクーラントを再生液タンク84に補充する工程である。再生液補充工程において、制御部91は、4つの自動弁51,52,81,82のうち、導入量調節機構8における再生液タンク84よりも処理装置6側において導入経路7を開閉する自動弁81のみを開状態とし、残りの自動弁51,52,82を閉状態とする制御を行う。
原液引抜工程は、ワイヤーソータンク22に貯留されているクーラントを原液タンク54に補充する工程である。原液引抜工程において、制御部91は、4つの自動弁51,52,81,82のうち、導出量調節機構5における原液タンク54よりもワイヤーソータンク22側において導出経路4を開閉する自動弁51のみを開状態とし、残りの自動弁52,81,82を閉状態とする制御を行う。
再生液投入工程は、再生液タンク84に貯留されているクーラントをワイヤーソータンク22に送る工程である。再生液投入工程において、制御部91は、4つの自動弁51,52,81,82のうち、導入量調節機構8における再生液タンク84よりもワイヤーソータンク22側において導入経路7を開閉する自動弁82のみを開状態とし、残りの自動弁51,52,81を閉状態とする制御を行う。
原液移送工程、再生液補充工程、原液引抜工程及び再生液投入工程を実行する順番は、この順に限定されるものではく、種々の順番を採用することができる。ただし、原液引抜工程及び再生液投入工程は、この順に実行されるのが好ましく、これにより、ワイヤーソータンク22内のクーラントがオーバーフローするのを抑制できる。
[実施形態のまとめ]
本実施形態では、クーラント再生装置3は、ワイヤーソータンク22内のクーラントを導出する導出経路4と、処理装置6において再生されたクーラントをワイヤーソータンク22に導入する導入経路7とを備えている。すなわち、ワイヤーソー装置2においては、ワイヤーソー21において使用されたクーラントがワイヤーソータンク22に回収された後、循環経路24を通じてワイヤーソー21に再び供給される。この動作と並行して、ワイヤーソータンク22内のクーラントの一部は導出経路4に導出され、処理装置6において再生された後、導入経路7を通じてワイヤーソータンク22に導入される。しかも、本実施形態では、ワイヤーソータンク22から導出経路4へのクーラントの導出量が導出量調節機構5によって調節され、導入経路7を通じてワイヤーソータンク22へのクーラントの導入量が導入量調節機構8によって調節される。したがって、図2に示す本実施形態では、例えば図8に示すような構造を備えたワイヤーソー装置2に対して図1及び図2に示すクーラント再生装置3を適用してクーラントの再生機能を付与する際に、ワイヤーソー装置2の循環機構23を無駄なく利用しつつ、ワイヤーソータンク22内のクーラントに含まれる切削屑の濃度を自動で且つ安定的に低く維持することができる。また、ワイヤーソー装置2に対して再生機能が付与されると、ワイヤーソータンク22内の切削屑の濃度が低く保たれるので、循環機構23を安定して使用することができる。
本実施形態では、導出量調節機構5は、導出経路4を開閉する自動弁と、導出経路4に設けられた導出ポンプ53とを含んでいる。自動弁及び導出ポンプ53によってワイヤーソータンク22から導出経路4へのクーラントの導出量が調節される。
本実施形態では、導入量調節機構8は、導入経路7を開閉する自動弁と、導入経路7に設けられた導入ポンプ83とを含んでいる。自動弁及び導入ポンプ83によって導入経路7からワイヤーソータンク22へのクーラントの導入量が調節される。
本実施形態では、導出量調節機構5は、導出経路4に導出されたクーラントを貯留する原液タンク54を含んでいるので、ワイヤーソータンク22から導出されたクーラントを一時的に原液タンク54において貯留することができる。これにより、ワイヤーソータンク22から導出されたクーラントが処理装置6に送られるタイミングを調節することができる。
本実施形態では、導出量調節機構5は、原液タンク54内のクーラントの液面レベルを検出するセンサ55を含んでいる。したがって、原液タンク54内のクーラントの貯留量がセンサ55の検出結果に基づいて適切に管理される。
本実施形態では、導入量調節機構8は、再生されたクーラントを貯留する再生液タンク84を含んでいるので、処理装置6において再生されたクーラントを一時的に再生液タンク84において貯留することができる。これにより、再生されたクーラントが導入経路7を通じてワイヤーソータンク22に導入されるタイミングを調節することができる。
本実施形態では、原液タンク54の容量と再生液タンク84の容量が同じである。したがって、原液タンク54の容量に対応するクーラントをワイヤーソータンク22から導出し、再生液タンク84の容量に対応するクーラントをワイヤーソータンク22に導入するだけで、ワイヤーソータンク22内のクーラントの出し入れされる量のバランスを維持することができる。
本実施形態では、導入量調節機構8は、再生液タンク84内のクーラントの液面レベルを検出するセンサ85を含んでいる。したがって、再生液タンク84内のクーラントの貯留量がセンサ85の検出結果に基づいて適切に管理される。
本実施形態では、クーラント再生装置3は、ワイヤーソータンク22内のクーラントの液面レベルを検出するセンサ26を備えている。したがって、ワイヤーソータンク22内のクーラントの貯留量を適切な範囲に維持することができる。
本実施形態では、ワイヤーソー装置2においてワイヤーソー21による加工が行われるときに、導出運転と導入運転が連続的に行われる場合には、ワイヤーソータンク22から一定量のクーラントを引き抜くと同時に、処理装置6において再生されたクーラントをワイヤーソータンク22に一定量供給する。これによりワイヤーソータンク22内の切削屑濃度を低く抑えることができ、ウエハーの品質の安定化に繋がる。
また、図8に示すようなワイヤーソー装置2では、シリコンインゴットの加工が進行し、ワイヤーソータンク22内のクーラントにおける切削屑濃度(スラッジ濃度)が上昇するので、ワイヤーソータンク22内のクーラント(切削屑濃度が一定濃度以上となった廃クーラント)を全量交換するという作業が必要である。これに対し、本実施形態では、このようなクーラントの交換作業が不要になるため、作業時間が大幅に短縮され、生産性向上に寄与する。
[変形例]
以上、本考案の実施形態に係るクーラント再生装置3及びこれを備えたワイヤーソーシステム1について説明したが、本考案は、実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。
図4は、実施形態の変形例1に係るクーラント再生装置3の自動供給装置10と、ワイヤーソー装置2とを示す概略図である。図4に示す変形例1では、導出量調節機構5の構成及び導入量調節機構8の構成が図2に示す実施形態と異なっており、それ以外の構成は図2に示す実施形態と同じである。
図4に示すように、変形例1における導出量調節機構5は、導出ポンプ53を備える一方で、自動弁及び原液タンク54を備えていない。この変形例1では、制御部91は、例えば導出ポンプ53を運転する時間、導出ポンプ53の回転数などを調節することによってクーラントの導出量を調節することができる。変形例1における導入量調節機構8は、導入ポンプ83を備える一方で、自動弁及び再生液タンク84を備えていない。この変形例1では、制御部91は、例えば導入ポンプ83を運転する時間、導入ポンプ83の回転数などを調節することによってクーラントの導入量を調節することができる。
図4に示す変形例1では、例えば図8に示すような構造を備えたワイヤーソー装置2に対して図1及び図4に示すクーラント再生装置3を適用してクーラントの再生機能を付与する際に、ワイヤーソー装置2の循環機構23を無駄なく利用しつつ、ワイヤーソータンク22内のクーラントに含まれる切削屑の濃度を自動で且つ安定的に低く維持することができる。また、ワイヤーソー装置2に対して再生機能が付与されると、ワイヤーソータンク22内の切削屑の濃度が低く保たれるので、循環機構23を安定して使用することができる。
図5は、実施形態の変形例2に係るクーラント再生装置3の自動供給装置10と、ワイヤーソー装置2とを示す概略図である。図5に示す変形例2では、導出量調節機構5の構成及び導入量調節機構8の構成が図2に示す実施形態と異なっており、それ以外の構成は図2に示す実施形態と同じである。
図5に示すように、変形例2における導出量調節機構5は、自動弁及び原液タンク54を備える一方で、導出ポンプ53を備えていない。また、変形例2における導入量調節機構8は、自動弁及び再生液タンク84を備える一方で、導入ポンプ83を備えていない。
この変形例2では、例えば処理装置6に設けられたポンプを利用することにより、クーラントの導出量を調節することができる。
また、この変形例2では、例えば処理装置6に設けられたポンプ(図示省略)を利用することにより、クーラントの導入量を調節することができる。また、変形例2では、再生液タンク84は、ワイヤーソータンク22よりも高い位置に設けられている。したがって、再生液タンク84内のクーラントは、そのクーラントの自重によって導入経路7を通じてワイヤーソータンク22に導入されるように構成されていてもよい。このようにクーラントの自重を利用してクーラントをワイヤーソータンク22に導入する場合には、クーラントの導入のためのポンプを省略することもできる。
図5に示す変形例2では、例えば図8に示すような構造を備えたワイヤーソー装置2に対して図1及び図5に示すクーラント再生装置3を適用してクーラントの再生機能を付与する際に、ワイヤーソー装置2の循環機構23を無駄なく利用しつつ、ワイヤーソータンク22内のクーラントに含まれる切削屑の濃度を自動で且つ安定的に低く維持することができる。また、ワイヤーソー装置2に対して再生機能が付与されると、ワイヤーソータンク22内の切削屑の濃度が低く保たれるので、循環機構23を安定して使用することができる。
図6は、実施形態の変形例3に係るクーラント再生装置3の自動供給装置10と、ワイヤーソー装置2とを示す概略図である。図6に示す変形例3では、導出経路4の構成及び導出量調節機構5の構成が図2に示す実施形態と異なっており、それ以外の構成は図2に示す実施形態と同じである。
図6に示すように、変形例3では、導出経路4におけるワイヤーソータンク22側の端部(具体的には、上流側導出経路41の端部)は、循環経路24における循環ポンプ25よりも下流側の部分に接続されている。
この変形例3では、循環ポンプ25が運転されると、ワイヤーソータンク22内のクーラントが循環経路24を通じてワイヤーソー21側に流れる。そして、制御部91は、ワイヤーソータンク22内のクーラントを導出経路4に導出させる場合には、自動弁51を開状態とし、循環経路24を流れるクーラントの一部を循環経路24に接続された導出経路4に流入させる。そして、制御部91は、原液タンク54におけるクーラントの貯留量が所定の量に達したことをセンサ55によって検知した場合には、自動弁51を閉状態とする。これにより、循環経路24を流れるクーラントは、導出経路4には流入せず、ワイヤーソー21側にのみ流れる。
図6に示す変形例3では、例えば図8に示すような構造を備えたワイヤーソー装置2に対して図1及び図6に示すクーラント再生装置3を適用してクーラントの再生機能を付与する際に、ワイヤーソー装置2の循環機構23を無駄なく利用しつつ、ワイヤーソータンク22内のクーラントに含まれる切削屑の濃度を自動で且つ安定的に低く維持することができる。また、ワイヤーソー装置2に対して再生機能が付与されると、ワイヤーソータンク22内の切削屑の濃度が低く保たれるので、循環機構23を安定して使用することができる。
図7は、実施形態の変形例4に係るクーラント再生装置3の自動供給装置10と、ワイヤーソー装置2とを示す概略図である。図7に示す変形例4では、導出量調節機構5の構成及び導入量調節機構8の構成が図2に示す実施形態と異なっており、それ以外の構成は図2に示す実施形態と同じである。
図7に示すように、変形例4における導出量調節機構5は、単一の自動弁50及び導出ポンプ53を備える一方で、原液タンク54を備えていない。この変形例4では、制御部91は、例えば自動弁50及び導出ポンプ53を制御することによってクーラントの導出量を調節することができる。変形例4における導入量調節機構8は、単一の自動弁80及び導入ポンプ83を備える一方で、再生液タンク84を備えていない。この変形例4では、制御部91は、例えば自動弁80及び導入ポンプ83を制御することによってクーラントの導入量を調節することができる。
図7に示す変形例4では、例えば図8に示すような構造を備えたワイヤーソー装置2に対して図1及び図7に示すクーラント再生装置3を適用してクーラントの再生機能を付与する際に、ワイヤーソー装置2の循環機構23を無駄なく利用しつつ、ワイヤーソータンク22内のクーラントに含まれる切削屑の濃度を自動で且つ安定的に低く維持することができる。また、ワイヤーソー装置2に対して再生機能が付与されると、ワイヤーソータンク22内の切削屑の濃度が低く保たれるので、循環機構23を安定して使用することができる。
1 ワイヤーソーシステム
2 ワイヤーソー装置
3 クーラント再生装置
4 導出経路
5 導出量調節機構
6 処理装置
7 導入経路
8 導入量調節機構
9 コントローラ
10 自動供給装置
21 ワイヤーソー
22 ワイヤーソータンク
23 循環機構
24 循環経路
25 循環ポンプ
26 液面レベルセンサ
41 上流側導出経路
42 下流側導出経路
50,51,52 自動弁
53 ポンプ
54 原液タンク
55 液面レベルセンサ
61 原液槽
62 貯留槽
63 遠心分離機
64 膜分離機
65 再生液槽
66 切削屑タンク
71 上流側導入経路
72 下流側導入経路
80,81,82 自動弁
83 ポンプ
84 再生液タンク
85 液面レベルセンサ
91 制御部
92 記憶部
93 入力受付部

Claims (17)

  1. ワイヤーソーと、前記ワイヤーソーにおいて使用されたクーラントを回収するワイヤーソータンクと、前記ワイヤーソータンク内のクーラントを前記ワイヤーソーに戻す循環機構とを備えたワイヤーソー装置に用いられるクーラント再生装置であって、
    前記ワイヤーソータンク内のクーラントの一部が導出される導出経路と、
    前記導出経路へのクーラントの導出量を調節する導出量調節機構と、
    前記導出経路に導出されて前記導出経路を通じて導かれたクーラントを再生する処理装置と、
    前記処理装置において再生されたクーラントを前記ワイヤーソータンクに導入する導入経路と、
    前記ワイヤーソータンクへのクーラントの導入量を調節する導入量調節機構と、を備えるクーラント再生装置。
  2. 前記導出量調節機構は、前記導出経路に導出されたクーラントを一時的に貯留する原液タンクを含み、
    前記導入量調節機構は、再生されたクーラントを一時的に貯留する再生液タンクを含む、請求項1に記載のクーラント再生装置。
  3. 前記導出量調節機構は、前記原液タンク内のクーラントの液面レベルを検出するセンサを含み、
    前記導入量調節機構は、前記再生液タンク内のクーラントの液面レベルを検出するセンサを含む、請求項2に記載のクーラント再生装置。
  4. 前記原液タンクの容量と前記再生液タンクの容量が同じである、請求項2又は3に記載のクーラント再生装置。
  5. 前記導出量調節機構は、前記導出経路を開閉する自動弁を含み、
    前記導入量調節機構は、前記導入経路を開閉する自動弁を含む、請求項1〜4の何れか1項に記載のクーラント再生装置。
  6. 前記導出量調節機構は、前記原液タンクよりも前記ワイヤーソータンク側において前記導出経路を開閉する自動弁と、前記原液タンクよりも前記処理装置側において前記導出経路を開閉する自動弁とを含み、
    前記導入量調節機構は、前記再生液タンクよりも前記ワイヤーソータンク側において前記導入経路を開閉する自動弁と、前記再生液タンクよりも前記処理装置側において前記導入経路を開閉する自動弁とを含む、請求項2〜4の何れか1項に記載のクーラント再生装置。
  7. 前記導出量調節機構は、前記導出経路に設けられた導出ポンプを含み、
    前記導入量調節機構は、前記導入経路に設けられた導入ポンプを含む、請求項1〜6の何れか1項に記載のクーラント再生装置。
  8. 前記ワイヤーソータンク内のクーラントの液面レベルを検出するセンサを備える、請求項1〜7の何れか1項に記載のクーラント再生装置。
  9. 前記循環機構は、前記ワイヤーソータンク内のクーラントを前記ワイヤーソーに戻すための循環経路と、前記循環経路に設けられた循環ポンプとを含み、
    前記導出経路における前記ワイヤーソータンク側の端部は、前記循環経路における前記循環ポンプよりも下流側の部分に接続されている、請求項1〜8の何れか1項に記載のクーラント再生装置。
  10. 前記導出量調節機構及び前記導入量調節機構を制御する制御部を備え、
    前記ワイヤーソー装置において前記ワイヤーソーによる加工が行われるときに、前記制御部は、前記ワイヤーソータンクから前記導出経路へクーラントを導出する導出運転及び前記導入経路を通じて前記ワイヤーソータンクへクーラントを導入する導入運転を連続的又は断続的に行うように構成されている、請求項1〜9の何れか1項に記載のクーラント再生装置。
  11. 前記制御部は、前記導出運転及び前記導入運転を予め定められた時間毎に断続的に行うように構成されている、請求項10に記載のクーラント再生装置。
  12. 予め定められた複数の運転条件を記憶する記憶部を備え、
    前記制御部は、前記複数の運転条件から選択された運転条件に基づいて前記導出運転及び前記導入運転を行うように構成されている、請求項10に記載のクーラント再生装置。
  13. ユーザーによる運転条件の入力を受け付ける入力受付部を備え、
    前記制御部は、前記入力受付部に入力された前記運転条件に基づいて前記導出運転及び前記導入運転を行うように構成されている、請求項10に記載のクーラント再生装置。
  14. 前記制御部は、前記導出経路へのクーラントの導出量と前記ワイヤーソータンクへのクーラントの導入量が同じになるように前記導出量調節機構及び前記導入量調節機構を制御するように構成されている、請求項10〜13の何れか1項に記載のクーラント再生装置。
  15. 前記処理装置は、前記導出経路に導出されて前記導出経路を通じて導かれたクーラントにおける切削屑濃度を低減してクーラントを再生するための遠心分離機と膜分離機とを備える、請求項1〜14の何れか1項に記載のクーラント再生装置。
  16. 前記処理装置は、
    導出されたクーラントにおける切削屑濃度を低減してクーラントを再生するための処理ユニットと、
    前記原液タンクと前記処理ユニットとの間の経路に設けられた原液槽と、
    前記処理ユニットと前記再生液タンクとの間の経路に設けられた再生液槽と、を備え、
    前記原液タンクの容量は、前記原液槽の容量及び前記ワイヤーソータンクの容量よりも小さく、
    前記再生液タンクの容量は、前記再生液槽の容量及び前記ワイヤーソータンクの容量よりも小さい、請求項2〜4の何れか1項に記載のクーラント再生装置。
  17. ワイヤーソーと、前記ワイヤーソーにおいて使用されたクーラントを回収するワイヤーソータンクと、前記ワイヤーソータンク内のクーラントを前記ワイヤーソーに戻す循環機構とを有するワイヤーソー装置と、
    前記ワイヤーソータンク内のクーラントの一部を導出し、導出されたクーラントを再生し、再生されたクーラントを前記ワイヤーソータンクに導入する請求項1〜16の何れか1項に記載のクーラント再生装置と、を備えたワイヤーソーシステム。
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