JP2003197576A - 研磨用流体の供給装置及び供給方法 - Google Patents

研磨用流体の供給装置及び供給方法

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JP2003197576A
JP2003197576A JP2001400653A JP2001400653A JP2003197576A JP 2003197576 A JP2003197576 A JP 2003197576A JP 2001400653 A JP2001400653 A JP 2001400653A JP 2001400653 A JP2001400653 A JP 2001400653A JP 2003197576 A JP2003197576 A JP 2003197576A
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polishing fluid
polishing
supplying
fluid
microorganisms
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JP2001400653A
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Etsuji Tachiki
悦二 立木
Hiroki Tanada
裕樹 棚田
Kazumasa Yamada
一雅 山田
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Panasonic Environmental Systems and Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】研磨装置に供給される研磨用流体中の微生物に
よって、研磨剤成分の粒度分布の変化とスラリー組成の
変動が生じることを防止する。 【解決手段】CMPスラリー用材料を含む研磨用流体を
研磨装置に供給するための装置において、研磨用流体の
冷却、マイクロ波照射による加熱、細胞障害性の電磁波
及び/または音波の照射、必須生育要素の除去、などに
よる研磨用流体中の微生物の汚染を防止する手段を備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造におけ
る半導体基板表面の平面加工を行う場合の化学機械研磨
(Chemical Mechanical Polis
hing:以下CMPと略す)スラリーの供給方法及び
それに使用する供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置の集積度の増加と多層
化に伴い、配線基板表面の平坦化が重要になってきてい
る。なかでも、CMP法は、平坦化のためにもっとも多
用され、必要不可欠な工程となっている。しかしながら
半導体装置の製造技術は、平坦化された面への加工が基
本であり、平坦化が不十分な場合は、配線の段切れ等の
問題が発生し、微細加工が不可能になる。したがって、
半導体製造工程におけるスラリーによる表面平坦化工程
においては、ますます高い表面平坦化精度が要求される
ようになってきている。
【0003】図13に示すように、従来、CMPスラリ
ー用材料は、少なくともスラリー貯留手段とその供給ラ
インとを有し、必要に応じて、恒温化手段や混合手段と
を備えるスラリー供給装置によって、半導体製造装置に
供給されるようになっている。平坦化の精度向上のため
には、平坦化工程に供給されるCMPスラリー中の砥粒
の粒度径ないしは粒度分布が安定していることも重要な
要素である。砥粒の粒度が一定でないと、研磨レートが
不安定化し、ひいては、平坦化精度が低下することにな
る。CMPスラリーは、通常、金属酸化物等の砥粒(機
械的研磨成分)、過酸化水素等の酸化剤あるいはKOH
等のアルカリからなる化学的研磨成分、分散助剤、pH
調整剤等を含有している。また、CMPスラリーは、そ
の必要量がCMPスラリーの貯留手段から供給ラインを
経て供給されるようになっているが、化学的研磨成分
は、スラリー中での安定性等の観点から半導体製造装置
への供給前に、混合手段にてスラリーと混合され最終組
成に調合される場合がある。このような場合、調合前の
スラリーは、主として砥粒とpH調整剤、分散助剤等か
ら組成されることになり、スラリーのpHは中性よりと
なっていることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、CMPス
ラリーは、有機物を含むこと、及び特に供給直前に調合
される場合にはその液性が中性よりであることから、微
生物、特にシュードモナス属菌等の好気性微生物の繁殖
を十分に許容する組成となっている。このため、従来、
スラリーには微生物の繁殖を抑制し、あるいは微生物を
殺菌する殺菌剤が添加されていたり、あるいは殺菌のた
め、スラリーの製造段階で加熱処理などが施されていた
りする。しかしながら、スラリー供給装置の構成部材
は、比較的長期間スラリーと接触される場合もあり、部
分的にはスラリー中の殺菌剤の有効に機能していない場
合も想定される。現実には、そのようなスラリーを用い
てもなお、供給装置内における微生物の繁殖を防ぐこと
は困難であった。また、汚染されたスラリーを半導体製
造装置に一旦供給すると、システム全体が汚染されるこ
とになる。さらに、本発明者らは、微生物の繁殖は、
(1)半導体製造工程において微生物自身の凝集作用に
より、スラリー中の研磨剤成分の凝集を生じせしめて、
研磨剤成分の粒度分布を変化させること、及び(2)微
生物の産生する物質によってスラリー組成が変動するこ
とを見出し、これらにより研磨レートが不安定化するこ
とを見出した。
【0005】そこで、本発明は、研磨装置に供給される
研磨用流体中に微生物の汚染が防止された研磨用流体の
供給装置及び方法を提供することを、その目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らが鋭意検討し
た結果、上記した課題は、CMPスラリー等の研磨用流
体の供給装置あるいはこれに付随する装置のいずれかの
1以上のCMPスラリーと接触しうる部位において、加
熱及び冷却、酸素濃度低下、放射線あるいは紫外線等の
電磁線放射、殺菌剤供給等の微生物汚染防止手段を備え
ることにより、解決されることを見出し、本発明を完成
した。すなわち、本発明によれば、以下の手段が提供さ
れる。
【0007】(1)CMPスラリー用材料を含む研磨用
流体を研磨装置に供給するための装置であって、第1の
研磨用流体を貯留する第1の貯留手段と、第2の研磨用
流体を貯留する第2の貯留手段と、前記第1の研磨用流
体と前記第2の研磨用流体とを混合する手段と、前記第
1の貯留手段、前記第2の貯留手段、これらのいずれか
の貯留手段から前記混合手段への前記各研磨用流体の送
液用配管、及び混合されて得られる研磨用流体の送液用
配管のうちいずれかの部位に設けられる微生物汚染防止
手段、とを備える、研磨用流体の供給装置。 (2)前記微生物汚染防止手段として、前記研磨用流体
の冷却手段を備える、(1)記載の研磨用流体の供給装
置。 (3)前記微生物汚染防止手段として、前記研磨用流体
の加熱手段を備える、(1)記載の研磨用流体の供給装
置。 (4)前記加熱手段には、マイクロ波照射源を備える、
(3)記載の研磨用流体の供給装置。 (5)前記混合手段の下流側に、あるいは前記混合手段
に付随して、前記研磨用流体の恒温化手段を備える、
(1)〜(4)記載の研磨用流体の供給装置。 (6)前記加熱手段によって加熱された研磨用流体を、
前記供給装置内の研磨用流体の送液用配管を介して当該
供給装置外へ排出するようになっている、(3)又
(4)記載の研磨用流体の供給装置。 (7)前記微生物汚染防止手段として、加熱された洗浄
用流体を、前記供給装置内の研磨用流体の通過経路に供
給する手段を備える、(1)記載の研磨用流体の供給装
置。 (8)第1の貯留手段から排出される第1の研磨用流体
の送液用配管を、前記混合手段を供給するか、あるい
は、前記混合手段を経ることなく、供給装置外へ排出す
るかを切替可能に形成されている、(1)記載の研磨用
流体の供給装置。 (9)前記第1の貯留手段を少なくとも2個備えた、
(1)〜(8)記載の研磨用流体の供給装置。 (10)前記微生物汚染防止手段として、前記供給装置
内の流体に対して細胞障害性の電磁波及び/又は音波を
供給する手段を備える、(1)記載の研磨用流体の供給
装置。 (11)前記微生物汚染防止手段は、紫外線および/ま
たは超音波である、(10)記載の研磨用流体の供給装
置。 (12)微生物汚染防止手段として、さらに、加熱手段
を備える、(10)又は(11)記載の研磨用流体の供
給装置。 (13)前記微生物汚染防止手段として、前記研磨用流
体を貯留する領域から微生物の必須生育要素を排除する
手段を備える、(1)記載の研磨用流体の供給装置。 (14)前記第1の研磨用流体は、研磨砥粒と水溶化剤
とを含有し、前記第2の研磨用流体は、酸化剤を含有す
る、(1)〜(13)のいずれかに記載の研磨用流体の
供給装置。 (15)CMPスラリー用材料を含有する研磨用流体の
供給装置の当該研磨用流体と接触する部材の保管装置で
あって、微生物の汚染が防止された内部環境を有する前
記接触部材の保管容器を備える、保管装置。 (16)(15)記載の保管装置を備える、研磨用流体
の供給装置。 (17)CMPスラリー用材料を含む研磨用流体を供給
する方法であって、前記研磨用流体の微生物の汚染を防
止する工程を有する、研磨用流体の供給方法。 (18)前記微生物汚染防止工程は、研磨用流体の冷却
工程を含む、(17)記載の研磨用流体の供給方法。 (19)前記微生物汚染防止工程は、研磨用流体の加熱
工程を含む、(17)記載の研磨用流体の供給方法。 (20)前記加熱工程は、研磨用流体にマイクロ波を照
射する、(19)記載の研磨用流体の供給方法。 (21)前記微生物汚染防止工程は、細胞障害性の電磁
波および/または音波を供給する工程を含む、(17)
記載の研磨用流体の供給方法。 (22)前記細胞障害波は、紫外線および/または超音
波である、(21)記載の研磨用流体の供給方法。 (23)前記微生物汚染防止工程は、さらに、加熱工程
を含む、(21)又は(22)記載の研磨用流体の供給
方法。 (24)前記微生物汚染防止工程は、貯留された研磨用
流体に対して微生物の必須生育要素を排除する工程を含
む、(17)記載の研磨用流体の供給方法。 (25)前記研磨用流体で繁殖しうる微生物を死滅させ
るのに有効な程度の熱を前記研磨用流体あるいはその供
給ラインに供給する工程を備える、(17)記載の研磨
用流体の供給方法。 (26)前記熱供給工程では、前記熱は、加熱された流
体が前記研磨用流体の供給ラインに供給される、(2
5)記載の研磨用流体の供給方法。
【0008】本発明によれば、CMPスラリーの供給装
置ないしは供給工程において、微生物の汚染を防止する
手段を備えるため、CMPスラリー供給に際して有効に
微生物の増殖が抑制され、微生物の増殖に起因する各種
不具合、特に、研磨剤粒子の凝集や粗大化等が抑制され
る。これにより、安定した研磨レートを確保することが
できる。また、研磨レートの安定化により、精度及び正
確性の高い平坦化工程を容易に実施することができる。
【0009】なお、微生物の汚染防止手段として、加熱
手段とともに他の手段を併用して微生物の汚染を防止
し、ひいては死滅に至らしめるようにすることにより、
加熱によるスラリー性状の変化を回避してスラリー性状
を維持しつつ微生物の汚染防止を達成することができ
る。特に、加熱手段として、高周波加熱手段を用いるこ
とにより、研磨用流体などの流体全体を加熱でき、温度
勾配による過熱部位の発生が回避される。これにより、
スラリー性状の変化を抑制することができる。なお、従
来、微生物が繁殖を回避するために、薬剤による定期的
な殺菌洗浄とそのための定期的な装置の停止の必要があ
ったが、本発明によれば、そのような定期的な装置の停
止を回避することができるというメリットもある。
【0010】
【発明を実施するための形態】以下、本発明の実施の形
態について詳細に説明する。本発明は、研磨用流体を、
微生物の増殖が抑制された状態で研磨装置に供給するも
のである。なお、本明細書において、研磨用流体とは、
半導体装置で半導体基板等の平坦化等を目的として使用
される研磨用流体を意味するものである。研磨用流体と
いうときには、最終的に研磨工程に供給されて被研磨物
を研磨するのに用いられる最終研磨用組成物の他、最終
研磨用組成物の少なくとも1成分を含有する流体を含む
概念である。研磨用流体は、水等の溶液中に、研磨用成
分を懸濁あるいは溶解させて得られる。砥粒を含む場合
には、懸濁液ないしはスラリーとなる。
【0011】CMPスラリー用材料あるいは研磨工程に
供給される最終組成物である研磨用組成物等の研磨用流
体における微生物の増殖を抑制することで、微生物によ
る砥粒等の凝集を抑制して、初期の砥粒の粒度分布を維
持することができるとともに、微生物自体(生体の他、
死滅体も含む)あるいは微生物の産生する代謝物の研磨
用流体に対する悪影響を低減させることができる。特
に、砥粒の凝集が抑制されることから、所期の研磨レー
トを安定して確保することができる。そして、精度及び
正確性の高い研磨工程及び平坦化工程を実施することが
できる。
【0012】特に、CMPスラリーのなかでも、砥粒及
び分散剤を含む、あるいは砥粒を実質的に含まない流体
と、使用前に酸化剤と混合する化学的研磨用流体を最終
的な研磨用組成物とするときは、酸化剤を混合する前の
研磨用流体は、微生物の繁殖、特にシュードモナス属菌
等の好気性微生物が繁殖するのに好ましい組成となって
いる。例えば、銅あるいは銅合金を研磨するための研磨
用組成物における酸化剤を含まない状態の研磨用流体
は、pH約6.5〜約8.5であり、さらに酸化剤の溶
解剤としての有機酸を含むために、空気中に浮遊するシ
ュードモナス属菌の好適な培地となりうる。このような
研磨用流体における微生物の増殖を抑制することは、銅
あるいは銅合金の研磨工程や、化学的研磨を主体とする
研磨工程においては、非常に有効である。
【0013】研磨用流体において微生物の増殖が抑制さ
れることにより、研磨用流体が通過する経路、すなわ
ち、供給装置から研磨装置に至る経路において、微生物
の増殖が抑制された状態を維持することができる。これ
により、微生物の研磨装置を含めた系における微生物の
汚染を有効に回避することができ、微生物の汚染が発生
した場合におけるメンテナンスや運転停止によって発生
する半導体装置等のロスコストによる製造コストの増大
を回避することができる。
【0014】(研磨用流体の供給)本発明の研磨用流体
の供給装置は、微生物汚染防止手段を備えている。ま
た、本発明の研磨用流体の供給方法は、微生物汚染防止
工程を備えている。研磨用流体の供給装置は、通常、研
磨用流体の貯留手段と、貯留手段から研磨装置側を指向
する研磨用流体の送液用配管群からなる送液ラインとを
有する研磨用流体の供給ラインを少なくとも1本備えて
いる。なお、本明細書において供給ラインとは、供給装
置内から研磨装置に供給される経路の全体を意味してい
る。供給ラインというときは、供給工程を実施する全て
の手段とこれらの手段を連絡する送液ラインを包含す
る。また、研磨装置に到達する経路数が供給ラインの数
に対応する。例えば、供給装置から研磨装置に対して最
終的に2本の経路で研磨用流体が送液されるときは、供
給ラインは2本となる。なお、送液ラインとは、供給ラ
インを構成する送液用経路である。供給ラインには、他
に、通常、ポンプ等の供給手段を備えるとともに、前記
貯留手段と供給装置に至る経路において混合手段を備え
ている。以下、本発明の研磨用流体の供給形態を、図1
に例示する形態に基づいて供給装置構成について説明
し、同時に供給工程についても説明する。
【0015】図1には、本発明を適用するのに好ましい
研磨用流体の供給ライン2の構成の例が記載されてい
る。本発明の供給装置は、少なくとも、研磨用流体の貯
留手段5と、送液ライン8とを有する供給ライン2と、
混合手段13とを有している。
【0016】(貯留手段)貯留手段5は、研磨用流体を貯
めておくことのできる容器であり、少なくとも、研磨装
置側へ研磨用流体を供給するための供給口を備えてい
る。図1に示すのは、2種の研磨用流体を混合して最終
研磨用組成物とする場合である。図1に示すように、貯
留手段5は、1つの供給ライン2に対して2以上備えて
いてもよい。同一の研磨用流体を貯留する2以上の貯留
手段5を備えてこれらの貯留手段からの送液を切り替え
可能とすることにより、貯留手段の容量にかかわらず連
続運転が可能となる。供給ライン2内に2以上の種類の
異なる研磨用流体の貯留手段5,7を備えることもでき
る。すなわち、少なくとも第1の研磨用流体の貯留手段
5と、第2の研磨用流体の貯留手段7とを備えることが
できる。2種類以上の貯留手段を備えることにより、こ
れらの貯留手段5,7に貯留される研磨用流体を混合し
て新たな別の研磨用流体を調製することができる。この
場合には、供給ライン2には、混合部12を備えること
になる。なお、供給装置内において必ずしも研磨用組成
物が調製される必要はなく、研磨装置において初めて研
磨用組成物が調製されるものであってもよい。したがっ
て、2以上の異なる研磨用流体の貯留手段を備えていて
も、研磨装置内において最終研磨用組成物を調製するこ
ととして、混合手段を備えないようにすることもでき
る。
【0017】図1に示すように、供給装置内に2以上の
種類の異なる研磨用流体の第1及び第2の貯留手段5、
7を備える場合、それぞれの貯留手段5,7には相互に
独立の送液ライン、すなわち、第1の送液ライン8と第
2の送液ライン10を有している。同一の研磨用流体を
貯留する2以上の第1の貯留手段5を備える場合には、
各貯留手段5は相互に切替可能に並列に設けられること
が多い。この場合、各貯留手段5からの配管9が合流し
て、下流側で分岐した送液ライン8を形成することがで
きる。各貯留手段から混合手段あるいは研磨装置への送
液ラインにおける研磨用液体の送液や停止は、送液用配
管に設けられたバルブ等によって切り替え可能に形成さ
れている。
【0018】貯留部4、6は、特に外部から区画された
領域に限定するものではないが、貯留部4、6は、貯留
される研磨用流体の安定性を維持するのに適した雰囲気
に形成されていることが好ましい。したがって、研磨用
流体の種類によっては、外気の侵入が抑制された構造体
(収納庫あるいは室)に形成されており、より好ましく
は、外気から遮断されて密閉状態であることが好まし
い。図1に示す例では、安定性の相対的に低い研磨用流
体の貯留手段5を、外気から遮断して温度制御された庫
室とした貯留部4の内部に設置し、相対的に安定性の高
い研磨用流体の貯留手段7を、特に他の部位と区画され
ていない貯留部6の区域に設置している。
【0019】混合手段13は、2種類以上の研磨用流体
を混合するものである。2種類以上の研磨用流体のそれ
ぞれに含まれる研磨用組成物の成分や濃度等は各種設定
することができる。混合手段13は、バッチ式あるいは
連続式のいずれとすることもできる。供給手段において
発生し、研磨用組成物において影響の大きいと予測され
る脈流の影響を回避するには、バッチ式とすることが好
ましい。バッチ式混合手段には、混合槽を有している。
混合手段13には、必要に応じて、流量あるいは重量制
御さらには、濃度制御等の混合量の制御手段を設けるこ
とができる。なお、混合槽には、外部循環法等の混合攪
拌手段等を備えることができる。なお、混合手段13に
おける研磨用流体の組成の安定化を図るためには、外気
から遮断可能な混合部12内に混合手段13を設置し、
より好ましくは、温度制御等を実施する。また、混合手
段13が、バッチ式の場合には混合槽に対して循環経路
ないし攪拌手段を設けることが好ましい。また、連続式
の場合には、混合後の研磨用流体を一旦貯留する貯留槽
を混合部12内に設け、必要に応じて、この貯留槽に循
環経路あるいは攪拌手段を備えるようにする。
【0020】(供給手段)供給ライン2には、研磨用流
体を混合手段等の各手段を介して研磨装置へ供給するた
めの供給手段を有している。供給手段の設置部位や個数
は、当業者において必要に応じて容易に適宜設定するこ
とができる。供給手段は、特に限定しないで種ポンプ
を利用できる。ポンプによって発生する脈流や研磨用流
体にかかるストレスは、砥粒やその他の成分の供給濃度
を変動させ研磨レートを変動させる大きな要因となりう
る。したがって、供給手段としては、好ましくは、脈流
が抑制された研磨用流体に与えるストレスが低減できる
容積型ポンプ等の供給手段を使用することが好ましい。
【0021】(研磨用流体)研磨用流体には、従来公知
の各種半導体研磨用のCMP等の研磨用組成物の成分を
含んでいる。ここで、研磨用組成物の成分とは、媒体の
他、砥粒、酸化剤、酸化剤の水溶化剤、砥粒の分散剤、
各種研磨助剤(界面活性剤、研磨油、防錆剤、分散助
剤、消泡剤等)がある。研磨用流体は、被研磨物や研磨
方法等に応じて適宜その成分あるいは濃度が調整され
る。媒体は、水を主成分とする水性媒体であることが多
い。水は、通常、研磨用組成物中約70〜約95wt%で
含有されている。他に、アルコール等の水溶性の有機溶
媒を含有することもある。
【0022】砥粒としては、例えば、コロイダルシリ
カ、ヒュームドシリカ等の二酸化ケイ素、ベーマイト、
アルミナ、アルミナゾル、ヒュームドアルミナ等のアル
ミニウム酸化物、酸化セリウム、炭化ケイ素及び酸化ク
ロミウム等を例示できる。これらの砥粒の粒子径は特に
問わないが、約0.05μm〜約0.2μmであること
が好ましい。
【0023】酸化剤としては、過酸化水素水、過酢酸、
硝酸鉄、ヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸化リウム、フェ
リシアン化カリウム、アンモニウムセリウムナイトレー
ト等を例示できる。好ましくは、過酸化水素である。具
体的には、約30%濃度あるいはこれを下回る濃度の過
酸化水素水を使用することができる。酸化物は、また、
硝酸第二鉄や過ヨウ素酸化カリウムも好ましく使用でき
る。これらの酸化剤は1種類あるいは2種類以上を組み
合わせて使用することができる。また、キレート形成剤
としては、ジエチレントリアミンペンタアセテート及び
エチレンジアミンテトラアセテートなどを使用できる。
【0024】水溶化剤としては、酸を使用することがで
きる。酸は、Cu2+等の金属イオンと錯イオンを形成す
る能力を利用している。酸としては、無機酸や有機酸、
あるいはこれらの塩を利用できる。具体的には、安息香
酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、ピメ
リン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、ク
エン酸、及びその塩、あるいはこれらの混合物である。
【0025】防錆剤は、例えば被研磨物が銅あるいは銅
合金である場合には、BTAやBTA誘導体、あるい
は、ポリアクリル酸やその塩等のカルボン酸を備えるポ
リマー等を使用することができる。
【0026】本発明の供給形態においては、すでに記載
したように、これらの単独成分あるいは2種類以上を含
有する各種研磨用流体を、混合して最終的な研磨用組成
物を得ることができる。2種類以上の研磨用流体を使用
する場合には、それぞれの流体中への各成分及び量の割
り当ては、必要に応じて設定することができる。例え
ば、分散媒体以外の有効成分の全てを含有するが、含有
成分の最終濃度よりも高い濃度に設定されている研磨用
流体と、分散媒体を主成分とする希釈用の研磨用流体と
を組み合わせることもできる。また、研磨用組成物が酸
化剤を含有する場合には、前記酸化剤は、使用直前にそ
れ以外の成分と混合されて、研磨用組成物が調製される
ことが好ましい。したがって、この場合には、分散媒体
以外の有効成分中、酸化剤を含有する研磨用流体と、そ
れ以外の成分を含有する研磨用流体とを組み合わせるこ
とが好ましい。本発明の供給装置においては、これらの
各種研磨用流体に応じて貯留手段を備えることもできる
が、好ましくは、全成分のうち酸化剤を貯留する手段を
別個に備えることが好ましい。なお、酸化剤の安定性を
妨げない限り他の成分を同時に貯留することもできる。
【0027】(微生物汚染防止手段)本明細書において
微生物汚染防止手段とは、微生物の増殖を抑制するのに
有効な障害を付与する手段(微生物増殖抑制手段)、微
生物を死滅させるのに有効な障害を付与する手段(微生
物死滅手段)(これらの2種類の手段を併せて障害付与
手段ともいう。)、及び微生物を排除する手段の他、研
磨用流体中の微生物数(生体及び死滅体を含む)を低減
できる全ての手段を包含する。上記した各種研磨用組成
物の成分のうち、酸化剤は、微生物によって代謝されに
くく、また、酸化剤を一定以上の濃度で含有する研磨用
流体は、それ自体、微生物の増殖抑制作用を発現するこ
とがわかっている。したがって、本発明において、微生
物増殖抑制の対象となる研磨用流体は、酸化剤を実質的
に含まない研磨用流体、酸化剤を含んでいても微生物の
増殖を抑制するのに有効量を含有していない研磨用流
体、具体的には、pHが約6.5〜約8.5の研磨用流
体が対象とすることが好ましい。
【0028】ここで、微生物とは、特に限定することな
く、細菌、カビを含む各種微生物を包含する。微生物が
好気性であるか嫌気性であるかは問わないが、通常の供
給装置においては好気性微生物が多く発生することか
ら、増殖抑制対象を好気性微生物とすることが好まし
い。具体的には、シュードモナス属、メチロバクテリウ
ム属等の微生物を例示できるが、特に、大気中に常在す
る好気性微生物を対象とすることが好ましい。
【0029】微生物汚染防止手段は、研磨用流体の供給
工程中に作用させる場合(インラインで作用させる場合
ともいう。)と、研磨用流体の送液停止中に作用させる
場合(全供給ラインの停止状態他、送液ライン切り替え
時等を含む。オフラインで作用させる場合ともいう。)
とがある。インラインでは、主として研磨用流体に対し
て作用させ、オフラインでは主として研磨用流体の接触
する部位(例えば、貯留手段内部、通過経路内部、混合
手段内部等)に作用させることになる。図1(b)に示
すように、第1の貯留手段5からの送液を相互に切替可
能に第1の送液ラインを形成することにより、第1の貯
留手段からの研磨用流体の連続供給が可能となる。ま
た、第1の送液ラインにおける配管の合流点より下流側
は常時インライン状態でありながら、合流点より上流側
をオフライン状態とすることができる。このような部分
的オフライン状態あるいは一時的オフライン状態を微生
物汚染防止工程に使用することができる。
【0030】微生物の汚染防止手段としては、既に公知
である各種の微生物の滅菌法、抗菌法、及びこれらの手
段に当業者において可能な変形を施した変法等を1種あ
るいは2種以上を組み合わせて採用することができる。
具体的には、冷却、加熱、X線や紫外線等の電磁波や超
音波(特にキャビテーションの発生を意図する)を含む
音波などの細胞障害性波の照射、オゾンや所定の殺菌剤
や抗菌性剤の供給、生育必須要素(栄養素あるいはガス
等)の除去、ろ過等を例示できる。また、その他、菌を
主として吸着するような吸着体や抗菌性を発現するセラ
ミックス等の無機系材料を供給ラインに配置することが
できる。さらに、供給ラインの研磨用流体接触部位に各
種抗菌性コーティングを施すこともできる。
【0031】これらのうち、冷却、加熱、細胞障害性波
の照射、ガス等の生育必須要素の除去、及びろ過は、イ
ンラインの汚染防止手段として好ましい。これらの手段
はいずれも研磨用流体に外部から物質を添加するもので
はなく、研磨用流体における組成の変化や成分の変質を
有効に回避して研磨用流体に作用させることができる。
また、冷却,加熱、超音波照射、及びろ過は、流体(水
性媒体)中の微生物に対して有効な手段である点におい
て好ましい。細胞障害性波の照射、ろ過、ガス等の除去
は、研磨用流体が砥粒を含有していても、砥粒の凝集や
変質を回避できる点において好ましい。
【0032】殺菌剤や抗菌性剤等の供給は、研磨用流体
の組成や成分において本発明において本質的に要求され
ている研磨能力を維持することができる範囲内で研磨用
流体にこれらを添加することにより、インラインで使用
できるが、オフラインで研磨用流体に接触する部材に作
用させる汚染防止手段としてより好ましい。
【0033】オフラインでの汚染防止手段としては、特
に、清浄化(殺菌等により菌数が少ないあるいは滅菌さ
れていることを意味する)された流体を供給する手段や
微生物を死滅させるのに有効な障害性を有する流体を供
給する手段を採用することができる。例えば、滅菌水を
供給する手段、加熱流体を供給する手段、殺菌剤や抗菌
性剤等を含有する流体を供給する手段を採用することが
好ましい。洗浄効果を高めるには、ブロアーなどで同時
にガスを送り混んで物理的な洗浄あるいは滅菌効果を増
強することも可能である。また、細胞障害性波の照射を
同時に併用することも効果的である。このような洗浄あ
るいは滅菌用流体を研磨用流体の接触部位に作用させる
ことにより、オフラインで供給ラインの微生物増殖を有
効に抑制でき、次の使用時における微生物汚染を有効に
防止できる。
【0034】汚染防止手段は、図1に示す供給ラインの
うち、貯留部4、送液ライン8、混合部12、供給ライ
ン外部16のいずれにも設けることができる。インライ
ンでの汚染防止には、特に、送液ライン8に設けること
が好ましく、オフラインでの汚染防止のための流体供給
手段は、供給ライン外部16に設けることが好ましい。
以下、各汚染防止手段について個別に説明する。
【0035】(冷却手段)冷却手段は、微生物の増殖を
抑制するのに有効な障害を付与する手段であることが多
い。低温下での微生物は死滅する場合よりも増殖停止状
態となる場合が多いからである。冷却手段を採用する好
適例としては、冷却手段を研磨用流体に作用させて、研
磨用流体を低温供給する形態を挙げることができる。特
に、インラインでの微生物増殖抑制手段として有効であ
る。この手段によれば、研磨用流体の品質を損なうこと
なく微生物の増殖抑制が可能であり、微生物に起因する
研磨用流体の供給ライン停止等の障害を未然に防止する
ことができる。冷却手段としては、チラーやペリチエ素
子などを使用することができる。
【0036】微生物の増殖を抑制するのに有効な低温域
は、対象となる微生物や研磨用流体の組成によっても異
なるが、約15℃以下とすることが好ましい。15℃を
超えると、多くの微生物についての増殖活動が活発化す
るからである。より好ましくは10℃以下である。なお
下限は、研磨用流体の送液等を妨げない範囲で設定する
ことができるが、研磨用流体の流動性を考慮すると好ま
しくは約1℃以上とする。また、研磨用流体は最終的に
は、約10℃〜約30℃の温度域で研磨装置に供給され
る必要があり、低温状態を一定時間保持した後は後述す
る恒温化手段により加温してこの供給温度域に到達させ
ることもありうることを考慮すれば、好ましくは約5℃
以上とする。なお、低温状態は、研磨装置の供給前はで
きるだけ長く維持されることが好ましく、酸化剤と混合
する場合には、酸化剤と混合するまで低温状態を維持す
ることが好ましい。
【0037】冷却手段としては、各種の公知の手段を特
に限定することなく採用することができる。また、供給
装置における作用領域としては、供給ライン2のうち、
いずれの個所とすることもできるが、好ましくは、送液
ライン8、10とする。最も微生物が増殖しやすいから
である。特に、送液ライン8、10において上流側で作
用させると、一旦冷却された研磨用流体が送液ライン
8、10の下流側に送液されていく間において研磨用流
体自体が微生物の増殖抑制効果を発揮することができ
る。なお、冷却手段には、細胞障害性波の照射やろ過等
のインラインでの作用に適した他の手段を組み合わせる
ことが好ましい。また、研磨装置に到達するまでの間
に、研磨装置に適切な温度域にまで復温しない場合に
は、送液ライン8、10の下流側に恒温化手段を備える
ことが好ましい。
【0038】(加熱手段)加熱手段は、供給しようとす
る熱とその時間等により微生物の増殖抑制ないし死滅に
有効な障害を付与することができる。微生物の増殖抑制
手段として使用する場合(典型的には、インラインでの
研磨用流体に対して作用させる場合)には、実質的に研
磨用流体の品質に影響を及ぼさない範囲で熱を付与する
ようにする。そして、この範囲内で実質的に研磨用流体
に対して加熱により微生物の増殖抑制効果が得られる程
度の熱が付与されるように作用条件(温度及び時間等)
を設定することができる。具体的には、研磨用流体を約
40℃未満に加熱するようにすることが好ましい。40
℃以上とすると研磨用流体の品質劣化を及ぼす可能性が
高くなり、また、研磨用流体の供給温度域に戻すための
エネルギー量が増大する。なお、加熱により一時的に研
磨用流体の品質に影響が生じる場合であっても、供給ラ
インの下流側でその影響が解消され、あるいは積極的に
その影響を解消するような手段を備えることもできる。
例えば、加熱によって一時的に砥粒の凝集等が生じた場
合、下流側へ送液されることによって凝集等が解消され
る場合もあり、また、下流側で攪拌手段等の凝集等解消
手段を設けることもできる。このような場合は、最終的
に研磨用流体の品質に影響が及んでいないとする。微生
物の種類や研磨用流体の組成によっても異なるが、抑制
の実効性を確保するには、抑制しようとする微生物の最
適増殖温度よりも高い温度に加熱することが好ましい。
例えば、シュードモナス属菌にあっては、最適生育温度
が25℃〜30℃であるため、30℃以上、より好まし
くは33℃以上に加熱する。
【0039】増殖抑制を主体とする場合には、供給ライ
ンの少なくとも一部において加熱手段を備えるようにす
ればよいが、好ましくは送液ライン8である。送液ライ
ン8では、一部でも全体であってもよいし、間隔を置い
て複数箇所に加熱手段を設置して、送液ライン8を移動
する研磨用流体を断続的に加熱するようにしてもよい。
なお、かかる加熱手段を供給ラインに設ける場合には、
加熱手段の下流側では、研磨用流体は徐々に復温して、
増殖最適温度域内に到達するおそれがあるので、恒温化
手段を下流側に設けて、速やかに供給適温にまで冷却
し、混合手段へ送るようにすることが好ましい。また、
あくまで増殖抑制目的の場合には、加熱した研磨用流体
に対して他の、細胞障害性波の照射、ろ過、酸素除去等
の微生物汚染防止手段を作用させることが好ましい。特
に、これらの付加手段を、加熱手段の下流に設けること
により、復温過程にある研磨用流体の微生物増殖抑制に
効果的である。
【0040】また、微生物死滅手段として用いる場合
(典型的には、オフラインでの廃棄予定の研磨用流体あ
るいは研磨用流体の接触部位に対する作用させる場合)
には、微生物の死滅効果が得られる程度の熱が研磨用流
体あるいは作用部位に付与されるように作用条件(温度
及び時間等)を設定することができる。死滅のために必
要な条件は、微生物種によって異なるが、好ましくは標
的微生物の95%死滅条件以上、より好ましくは99%
死滅条件以上の条件を採用する。例えば、シュードモナ
ス属菌にあっては、95%死滅条件が、54℃、4〜5
分であるので、加熱条件としては、約40℃で2時間〜
約80℃、10秒の範囲で設定することが好ましい。
【0041】死滅を主体とする場合の加熱手段の作用部
位は特に限定しないで、微生物を死滅させようとする領
域を加熱できるように設けることができる。送液ライン
8あるいはそれ以降の部位で微生物を死滅させたい場合
には、送液ライン8に設ければよい。、廃棄予定の研磨
用流体や外部から供給された流体を供給ライン内の加熱
装置で加熱し供給ラインを移動させることで、有効に微
生物を死滅させることができる。
【0042】加熱手段としては、従来公知の各種加熱手
段を採用することができる。したがって、熱源を熱媒体
として熱伝達により研磨用流体や外部から供給された流
体を間接加熱することもできる。研磨用流体を加熱する
場合、特に,インラインでの加熱においては、研磨用流
体に加熱によって温度勾配や過熱部位の形成が抑制さ
れ、均一に加熱できる加熱手段を採用することが好まし
い。研磨用流体中に含まれる砥粒は、熱により凝集する
可能性があるからである。したがって、マイクロ波加熱
方式の加熱手段を採用することが好ましい。マイクロ波
加熱方式では、周波数300MHz〜30GHz、波長
が1m〜1cmの範囲で使用することができる。なお、
マイクロ波加熱方式を採用する場合には、配管外部から
液に非接触でマイクロ波を照射できる照射部備えるよう
にすることが好ましい。マイクロ波が配管内部の液体に
到達すれば、液体、あるいは液体中に存在する細胞内部
あるいはその細胞膜中の水分子を振動させて加熱するこ
とができる。おおよそ40℃程度にまで加熱すれば、細
胞膜の構造を破壊して菌を死滅させることができる。照
射部は、供給ラインを流れる研磨用流体の液量に合わ
せ、到達温度を最適な温度に抑えることが可能となる照
射出力、時間を調整できる機能を有する照射部を備える
ことが好ましい。なお、マイクロ波は外部遮断されてい
るものとする。
【0043】加熱されていることにより滅菌性のある流
体を外部から供給ラインに供給する手段を加熱手段の1
つとして位置付けることができる。通常、流体としては
水であり、好ましくは純水である。加熱条件は、上記し
た他の加熱手段に準じて設定することができる。予め加
熱された流体を供給する手段は、供給ライン外部16に
設けることが好ましく、特に、供給ラインに対する加熱
流体の供給起点を貯留部4ないし貯留手段5とすること
により、貯留部4以降の広い範囲の供給ラインで微生物
を死滅させることができる。なお、加熱された研磨用流
体あるいは外部流体は、混合手段13等の他の手段を経
ることなく送液ラインを介して供給ライン外へ排出する
ことが好ましい。
【0044】(細胞障害性波の照射手段)細胞障害性波
の照射手段は、研磨用流体に対する影響が低減されてい
るという点で他の障害性付与手段よりも好ましい。細胞
障害性波としては、好ましくは紫外線あるいは超音波を
採用する。紫外線の場合には、通常、波長は180nm〜
280nmである。また、超音波の場合には、18〜50
0kHzが多く採用されている。紫外線照射の場合に
は、同時に酸化チタン等を含有する光触媒を例えば供給
ライン内壁にコーティングするなどして研磨用流体に接
して配置することで殺菌効果を高めることができる。紫
外線等の供給ライン構成部材を透過しない電磁波を用い
る場合には、研磨用流体に照射する場合には、紫外線灯
を供給装置内部に配置するか、あるいは、供給ライン2
の外部から供給ライン2内部の研磨用流体に照射する場
合には、照射部位において、紫外線等の透過可能な窓部
を本照射手段の一部として設けるようにすることができ
る。
【0045】細胞障害性波照射手段は、貯留部4、6及
び貯留手段5、7、送液ライン8、10及び送液配管
9、混合部12及び混合手段13のいずれにも設けるこ
とができるが、貯留手段5、7内、あるいは送液ライン
8、10及び送液用配管9に設けることが好ましい。ま
た、当該手段は、細胞増殖抑制手段として使用されるこ
とが多いため、他の細胞増殖抑制手段や細胞死滅手段と
組み合わせて使用されることが好ましい。
【0046】(ガス等による生育必須要素の除去手段)
生育必須要素の除去手段は、微生物の増殖抑制に有効で
ある。特に、微生物に汚染される可能性のある雰囲気内
から必要なガス成分を除去することは、微生物の増殖抑
制に有効である。好気性微生物を対象とする場合には、
酸素を除去する手段とすることができる。酸素等の除去
の具体的手段としては、研磨用流体の脱気、雰囲気スペ
ースの低減、貯留手段内部あるいは貯留部内部への窒素
ガスやアルゴンガス等の不活性ガス供給等を例示でき
る。この手段は、外気との接触が多く、酸素の侵入部位
である貯留手段の配置場所である貯留部4、6や貯留手
段5、7内部にガスを供給するように設けることが好ま
しい。したがって、貯留部4、6あるいは供給ライン外
部16に当該手段を設けることができる。なお、貯留手
段5、7内あるいは貯留部4、6内に不活性ガスを供給
する場合には、研磨用流体中の水分変動を考慮して、湿
潤状態の不活性ガスを用いることが好ましい。貯留手段
内では、貯留容器内壁(特に、接液部位より上方側の内
壁部)においてシュードモナス等の好気性微生物の繁殖
が観察されるが、貯留手段内部あるいはその周囲から酸
素を除去することにより、当該部位での繁殖を有効に防
止できる。
【0047】(ろ過手段)ろ過手段は、標的とする微生
物のサイズよりも小さいポアサイズないし分離能を有す
るろ過材を用いることにより、物理的に研磨用流体から
微生物を排除することができる。この手段も、研磨用流
体の品質への悪影響が回避されている点において好まし
い。なお、研磨用流体に砥粒を含んでいる場合には、砥
粒のサイズを考慮して使用するポアサイズを決定する必
要がある。したがって、砥粒を含有しない研磨用流体、
砥粒混合前の研磨用流体、及び砥粒を含有するが標的と
する微生物からフィルターによって分離可能な程度に小
さいような研磨用流体に好ましく適用できる。また、微
生物をサイズでなく、その表面特性によって分離できる
ようなろ過材も用いることができる。例えば、表面電
荷、表面抗原性に基づいて吸着分離できるろ過材を使用
することも可能である。ろ過には、従来公知の各種のフ
ィルター等のろ過材から必要に応じて選択して用いるこ
とができる。また、ろ過手段の設置部位は、ろ過しよう
とする研磨用流体の通過部位に設けるようにする。
【0048】(殺菌剤等の供給手段)殺菌剤や抗菌性剤
の供給は、殺菌剤等あるいはこれらを含む流体を供給ラ
インに供給するものである。本手段は、研磨用流体への
組成への影響が大きいため、オフラインにおいて実施す
ることが好ましい。殺菌剤や抗菌剤等は、従来公知のも
のを使用することができる。この手段は、単独で実施す
る他、上記したうち、オフラインでの加熱手段や加熱流
体の供給手段に併用することが好ましい。この手段は、
供給ライン外部16に設けることが好ましく、特に、供
給ラインに対する供給起点を貯留部4、6ないし貯留手
段5、7とすることにより、貯留部4、6以降の広い範
囲の供給ラインで微生物を死滅させることができる。な
お、当該流体は、混合部12を経ないで供給ライン外へ
排出してもよい。
【0049】各種汚染防止手段は、1種類あるいは2種
類以上を組み合わせて使用することができる。組み合わ
せは必要に応じて設定することができるが、オフライン
には、加熱手段や加熱流体の供給手段に、細胞障害性波
の照射手段や殺菌剤等の供給手段を組み合わせることが
好ましい。インラインでの汚染防止には、研磨用流体へ
の影響が回避されている各種手段から2以上を組み合わ
せて用いることが好ましい。特に,冷却、加熱(細胞増
殖抑制程度の)、細胞障害性波の照射、ろ過、不活性ガ
ス供給から2種以上の手段を組み合わせることによっ
て、有効な汚染防止が可能である。また、インライン用
でも、オフライン用でも、送液ライン8、10上に1種
あるいは複数の汚染防止手段が設けられる場合、個々の
汚染防止手段への研磨溶液の供給や回避が切替可能な送
液ラインを構成することが好ましい。このようにする
と、必要に応じて適切な汚染防止手段を選択して汚染防
止工程を実施することができる。
【0050】本発明の研磨用流体の微生物汚染防止工程
として、貯留手段とポンプ等の供給手段とを接続するホ
ースを始めとする、供給ラインの構成部材の微生物汚染
防止工程を含めることができる。すなわち、研磨用流体
の供給ラインに使用する前の段階において、これらの構
成部材に対して汚染防止工程を実施することができる。
特に、前記ホースは、各貯留手段内の研磨用流体が空に
なり、充てん済み貯留手段に交換するときに同時に交換
するため、微生物汚染防止の観点から、複数個のホース
に対して予め汚染防止工程を実施して保管しておくこと
が好ましい。この汚染防止工程を実施するには、上記し
た、加熱した流体、殺菌性あるいは滅菌性の流体、ある
いは清浄化された流体の供給手段、紫外線等の細胞障害
性波照射手段等の汚染防止手段を構成部材に対して施せ
ればよい。典型的には、構成部材を微生物の汚染が防止
された環境下に保管するようにする。当該環境を構成す
る保管用媒体は、特に限定しないが、好ましくは、水あ
るいは水性媒体であり、より好ましくはこれらの媒体流
中に保管する。保管用媒体にオゾンを発生手段等により
オゾンを溶存化させたり、殺菌剤を付与したりすること
により、直接殺菌性あるいは滅菌性を付与して汚染防止
手段とすることもできるが、別途、紫外線照射手段等の
汚染防止手段を備えることもできる。例えば、ホース等
を保管庫に収納して準備する工程内において当該微生物
汚染防止工程を実施するには、その保管部位において各
種微生物汚染防止手段を作用させるようにすればよい。
本発明によれば、そのような保管ないし準備工程を備え
る供給ラインも提供される。また、そのような微生物汚
染防止手段を備えた保管装置及び当該保管装置を備えた
供給急装置も提供される。
【0051】なお、本発明における供給系には、微生物
汚染の検出あるいはモニターを実施する手段を備えるこ
とが好ましい。供給ラインのいずれかに、インラインで
サンプリングできる部位を設け、微生物の検出あるいは
その数を計数することにより、汚染を予測し、回避する
ことができる。
【0052】以下、各種微生物増殖抑制手段を備える研
磨用流体の供給ラインについて具体的な実施形態を例示
して詳細に説明する。 (実施形態1)図2には、汚染防止手段として、冷却手
段32とろ過手段34を備える研磨用流体の1本の供給
ライン20を示す。この供給ライン20では、第1の研
磨用流体を貯留する第1の貯留手段24と、第2の研磨
用流体を貯留する第2の貯留手段26と、混合手段28
と、冷却手段32と、ろ過手段34とを備えるととも
に、これらの第1の貯留手段24から混合手段28に至
る第1の送液ライン30と、第2の貯留手段26から混
合手段28に至る第2の送液ライン33とを備えてい
る。この供給ライン20は、最終的に、混合手段28か
ら半導体製造装置の研磨装置に研磨用流体を供給するよ
うになっている。なお、本形態では、貯留手段24、2
6及び混合手段28は、それぞれ、これらの外気から遮
断された庫室を備える貯留部25,27、29に配置さ
れているが、このような配置は本形態においては必須で
はない。この供給ライン20においては、2個の第1の
貯留手段24は同一組成の第1の研磨用流体を貯留する
容器である。第1の研磨用流体は、本形態では、砥粒と
酸化剤の水溶化剤としての有機酸を含有しており酸化剤
を含有してはいない水性分散体である。第2の貯留手段
26は酸化剤を含有する第2の研磨用流体貯留する容器
である。第1の貯留手段24及び第2の貯留手段26に
は、研磨用流体を送液するためのポンプがそれぞれ備え
られており、各貯留液が混合槽であるバッチ式混合手段
28に供給されるようになっている。また、必要に応じ
て、各第1の貯留手段24について、使用中(第1の送
液ライン30に研磨用流体を送液する状態)及び待機中
(研磨用流体の送液を停止した状態)を自在に切替可能
に形成されている。
【0053】本形態における微生物汚染防止手段は、第
1の送液ライン30上において混合手段28よりも上流
側に備えられている。また,本形態では、2つの貯留手
段24からの送液配管の合流点より下流側に設けられて
いる。冷却手段32は、インラインにおいて、典型的に
は、第1の送液ライン内を通過する第1の研磨用流体を
1℃以上15℃以下に冷却するものである。これによ
り、第1の研磨用流体中に混在しうる微生物の増殖を抑
制することができる。冷却手段32は、好ましくは第1
の送液ライン30の貯留手段24寄り、すなわち、上流
側に設けられている。かかる部位で十分に冷却するよう
にすると、以降の第1の送液ライン30において有効に
微生物増殖を達成できるとともに、混合手段28に至る
までに、混合に適した温度にまで復温させることができ
る。本形態では、送液用配管の合流点より下流に設ける
ことにより、複数の貯留手段24に対してそれより少な
い冷却手段32によって汚染防止工程を実施することが
できる。さらに、冷却手段32に次いで送液ライン30
上に備えられるろ過手段34は、ポアサイズが0.2μ
m程度のフィルターを有している。0.2μmは汚染可
能性のある微生物のサイズより小さいため、このろ過手
段16を第1の研磨用流体が通過することにより、混在
可能性のある微生物(生体及び死滅体)を排除すること
ができる。
【0054】本実施形態によれば、冷却手段32及びろ
過手段34によって、インラインで供給ラインの微生物
の増殖が抑制され、あるいは除去されているため、微生
物数が低減された状態で混合手段28に第1の研磨用流
体を供給することができる。このようにして第1の送液
ライン30から供給される第1の研磨用流体に第2の研
磨用流体が混合されることにより、組成が安定し所期の
砥粒の粒度分布を有する研磨用流体を研磨装置に供給す
ることができる。また、ろ過手段34は、必ずしも必須
ではなく、必要に応じて設けることができる手段であ
る。また、ろ過手段34を設ける場合には、第1の送液
ライン30上のいずれの部位に配置することもできる
が、好ましくは、混合手段8の直前に配置する。また、
本形態の供給ライン30には、冷却手段32に替えて、
あるいはこの手段32とともに、必要に応じて他の各種
汚染防止手段を1種あるいは2種以上備える形態を採用
することもできる。
【0055】(実施形態2)図3には、汚染防止手段と
して、加熱手段42を備える供給ライン40を示す。な
お、以下の説明において、特に相違点のない限り、既述
の実施形態と同様の構成要素には、既述の実施形態と同
じ番号を付して説明するものとする。この供給ライン4
0では、実施形態1と同様に、第1の貯留手段24と、
第2の貯留手段26と、混合手段28と、ろ過手段34
と、第1の送液ライン30と第2の送液ライン33とを
備えており、第1の送液ライン30上に加熱手段42を
備えている。
【0056】本形態における加熱手段42は、インライ
ンで研磨用流体中の微生物の増殖を抑制する手段あるい
はオフラインで研磨用流体中の微生物を死滅させる細胞
死滅手段として設けられている。増殖抑制手段の場合に
は、40℃未満の温度に研磨用流体を加熱することによ
り、第1の研磨用流体中に混在しうる微生物の増殖を抑
制し、もってインラインで加熱手段42以降の供給ライ
ン40において微生物の増殖を抑制することができる。
また、微生物死滅手段の場合には、死滅に必要な温度に
供給ライン40に内在する研磨用流体を加熱して十分時
間研磨用流体を加熱することにより、研磨用流体中の混
在可能性のある微生物を死滅させることができ、もって
オフラインで加熱手段42以降の供給ライン40を殺菌
あるいは滅菌して清浄化することができる。さらに、第
1の送液ライン30から混合手段28に至る直前におい
て分岐状に排出ライン44を備えるようにすることで、
混合手段28に至らない範囲で供給ライン30を清浄化
し混合手段28への加熱された流体の供給を回避するこ
とができる。なお、本形態の供給ライン40には、加熱
手段42に替えて、あるいはこの手段42とともに、必
要に応じて他の各種汚染防止手段を1種あるいは2種以
上備える形態を採用することもできる。
【0057】(実施形態3)図4には、実施形態2にお
いて、汚染防止手段として、加熱手段42とろ過手段3
4の他、細胞障害性波照射手段46を備えるとともに恒
温化手段48を備える、研磨用流体の供給ライン50を
示す。なお、以下の説明において、特に相違点のない限
り、既述の実施形態と同様の構成要素には、既述の実施
形態と同じ番号を付して説明するものとする。この供給
ライン50では、第1の送液ライン30上の加熱手段4
2とろ過手段34との間に、細胞障害性波照射手段46
と恒温化手段48とをこの順で備えている。本形態にお
ける加熱手段42は、実施形態2と同様に、必要に応じ
て微生物の増殖抑制手段あるいは微生物死滅手段として
使用可能に形成されている。
【0058】本供給ライン50において、インラインに
おける微生物の汚染防止を実施するには、加熱手段42
を微生物増殖抑制手段として使用して、第1の研磨用流
体に混在しうる微生物の増殖を抑制し、次いで、細胞障
害性波照射手段46により、細胞障害性波を照射して第
1の研磨用流体中に混在する可能性のある微生物の増殖
を抑制ないし死滅させるように作用させる。加熱手段4
2により熱が供給された第1の研磨用流体に対してかか
る細胞障害性波が照射されることにより、これらの相乗
効果によって、第1の研磨用流体における微生物増殖抑
制効果あるいは死滅効果を向上させることができる。な
お、図4に示すように、加熱手段42、細胞障害性波照
射手段46、恒温化手段48及びろ過手段34のいずれ
か1種以上の手段を必要に応じて選択使用できるように
送液用配管52を形成することにより、1つの供給ライ
ンで多種類の微生物汚染防止工程を実施することができ
るようになる。また、混合手段28を介さないで汚染防
止処理後或いは汚染発覚後の流体を排出可能とすること
もできる。
【0059】さらに、微生物の増殖抑制されたあるいは
死滅が促進された第1の研磨用流体は、恒温化手段48
により、研磨用装置に供給するのに適した温度になるよ
うに冷却等された上で、ろ過手段34に到達し、微生物
(生体及び死滅体)の双方が除去される。本形態では、
加熱手段42、細胞障害性波照射手段46及びろ過手段
34を組み合わせることによる相乗効果により、研磨用
流体の組成への悪影響を回避しつつインラインで有効に
微生物の増殖を抑制しあるいは死滅を促進できるように
なっている。
【0060】なお、本供給ライン50においてオフライ
ンの微生物の汚染防止を実施する場合には、加熱手段4
2を微生物死滅手段として用いるようすればよく、他の
手段を回避するように送液用配管52を利用して送液ラ
インを調節することができる。細胞障害性波照射手段4
6やろ過手段34は必要に応じて使用することとし、ま
た、恒温化手段48及び混合手段28は省略することが
できる。なお、本実施形態では、加熱手段42の他2種
類の微生物汚染防止手段を採用したが、これに限定する
ものでない。当該加熱手段42に加えて、細胞障害性波
照射手段46、ろ過手段34のそれぞれを単独あるいは
2種類以上を組み合わせて使用することもできる。ま
た、当該加熱手段42に加えて、あるいはこれに替えて
前記2種類の微生物汚染防止手段の他酸素除去手段等の
研磨用流体に悪影響を及ぼしにくい手段を1つ以上組み
合わせて使用することができる。加熱手段42を含むほ
かの微生物汚染防止手段34の配列順序は特に問わない
が、好ましくは当該加熱手段42を第1の供給ライン5
0の上流側に備えるようにする。なお、本実施形態で
は、恒温化手段48を設ける構成としたが、第1の供給
ライン50あるいは混合手段28等において、熱による
研磨用流体への悪影響が回避され、研磨装置に適切な温
度の研磨用流体が得られる限り省略することができる。
【0061】(実施形態4)図5には、微生物汚染防止
手段として、外部流体供給手段62を備える供給ライン
60を示す。なお、以下の説明において、特に相違点の
ない限り、既述の実施形態と同様の構成要素には、既述
の実施形態と同じ番号を付して説明するものとする。本
形態における外部流体供給手段62は、研磨用流体中の
微生物を死滅させるのに有効な温度の流体(純水)を供
給する微生物死滅手段として設けられている。したがっ
て、典型的には40℃以上の流体を供給できるようにな
っている。好ましくは60°以上の流体を供給できるよ
うになっている。このため、この手段62を用いて死滅
するのに有効な温度で十分時間外部流体を供給ライン6
0に供給することにより、外部流体供給部位以降の供給
ライン60内の研磨用流体あるいは接触部位において混
在可能性のある微生物を死滅させることができ、供給ラ
イン60の全体を殺菌あるいは滅菌して清浄化すること
ができる。本形態では、この手段62による外部流体の
供給起点が、貯留手段24のすぐ下流部位となってい
る。このため、貯留手段24以降の供給ライン60につ
いて清浄化することができる。特に、この形態では、加
熱した純水を利用し薬剤を使用しないため、薬剤の除去
のための洗浄工程を要しない点において好ましい。な
お、供給ライン60における送液ライン68及び70
は、恒温化手段48や混合手段28への外部流体の送液
及び停止、さらには供給ライン外への排出を切替できる
ようになっている。このため、微生物汚染防止工程を実
施する送液ラインを必要に応じて変化させることができ
る。
【0062】また、本実施形態では供給ライン60は、
2個の貯留手段24からの送液ライン68,70の合流
点より上流側に恒温化手段48を備えており、これらの
送液ライン68,70は相互に切替可能に形成されてい
る。このため、一方の貯留手段24中の研磨用流体がな
くなり、貯留手段24の交換あるいは洗浄時には、送液
ラインを他方に切り替えれば、研磨用流体の送液を継続
することができる。そして、この切り替え後に、他方の
送液ラインを使用しつつ、使用後の送液ライン(図5に
おいては、送液ライン68が、使用中のライン(インラ
イン)であり、送液ライン70が使用後のライン(オフ
ライン)となっている)を、外部流体により清浄化する
ことができる。なお、恒温化手段48は、各送液ライン
68,70からの研磨用流体の送液を相互に切替可能に
形成されているため、送液ライン68,70に形成数に
応じて設置する必要がないものとなっている。 この形
態によると、送液ラインの切り替え時を利用して容易に
使用済みラインの清浄化を達成することができる。
【0063】本実施形態では、外部流体供給手段62
を、加熱流体を供給する構成としたが、殺菌剤や抗菌性
剤を含有する流体や、滅菌された(清浄化された)流体
を供給して、供給ライン60を清浄化することもでき
る。なお、外部流体の供給起点は、必要に応じて設定す
ることができる。また、本形態の供給ライン60には、
外部流体供給手段62に替えて、あるいはこの手段62
とともに、必要に応じて他の各種汚染防止手段を1種あ
るいは2種以上備える形態を採用することもできる。
【0064】(実施形態5)図6には、実施形態4の変
形例である供給ライン80を示す。本実施形態が、実施
形態4と相違する点は、外部加熱流体供給手段62の
他、送液ライン82,84上に加熱手段42を備える点
である。以下の説明において、特に相違点のない限り、
既述の実施形態と同様の構成要素には、既述の実施形態
と同じ番号を付して説明するものとする。本形態の加熱
手段42は、各送液ライン82,84上において、当該
手段42への研磨用流体の送液及び回避が切り替え可能
に設けられている。本形態における汚染防止の第1工程
は、使用中である供給ライン80の送液ライン82で加
熱手段42を利用して、研磨用流体の品質を実質的に損
なわない程度に加熱することができる。加熱された研磨
用流体は、必要に応じて恒温化手段48に供給されて、
次いで混合手段28に供給される。また、第2の工程
は、他方の供給停止中の送液ライン84に、外部流体供
給手段62により、送液ライン84の清浄化のための流
体を供給して、送液ライン84を清浄化する。本形態で
は、複数の貯留手段24に対する送液ライン82,84
を切替可能に有するとともに、汚染防止手段である加熱
手段42を、送液ライン82,84の合流点より上流側
に備えているので、これらの第1の工程と第2の工程と
を同時に異なる送液ラインで実施することができる。ま
た、合流点より上流側で汚染防止工程を実施できるの
で、合流点より下流側への汚染を有効に防止できる。
【0065】すなわち、本形態によれば、1本の送液ラ
インは、インラインでもオフラインでも常時汚染防止工
程が実施されあるいは汚染が抑制された状態に維持され
る。また、このような2本以上の送液ラインを備える供
給装置によれば、オフラインの汚染防止工程のための別
個の作業時間を要しないとともに、連続供給が可能であ
るという特徴を備えている。したがって、この形態によ
れば、インラインでの微生物汚染防止とオフラインでの
微生物汚染防止が実施され、常時、主として送液ライン
82、84を含む供給ライン80を清浄な状態に維持す
ることができる。このため、微生物による汚染を有効に
回避して安定した研磨レートを達成できる研磨用流体を
供給できるとともに、安定した連続作動も容易になって
いる。なお、本形態の供給ライン80には、送液ライン
82、84の合流点の前後を問わず、加熱手段42に替
えて、あるいはこの手段42とともに、必要に応じて他
の各種汚染防止手段を1種あるいは2種以上備える形態
を採用することもできる。
【0066】(実施形態6)図7には、微生物汚染防止
手段として酸素等の生育必須要素除去手段を備える供給
ライン100を示す。以下の説明において、特に相違点
のない限り、既述の実施形態と同様の構成要素には、既
述の実施形態と同じ番号を付して説明するものとする。
本実施形態では、生育必須要素除去手段を酸素除去手段
とし、貯留手段24を配備する貯留部25の庫内および
/または貯留手段24の内部から酸素(O2)を除去す
ることで、貯留手段24内の研磨用流体の微生物汚染防
止工程を実施する。なお、貯留部25及び貯留手段24
への外気の侵入は、やや加圧された不活性ガスを常時パ
ージすることにより防ぐことができるようになってい
る。
【0067】本実施形態の酸素除去手段は、ウエットN
2ガス供給手段102であり、湿潤したN2ガスを供給す
ることにより、効果的に、特に、好気性微生物の増殖を
抑制することができる。ウエットN2ガスの調製方法
は、公知の方法と手段を採用することができる。このガ
スを貯留部25内に供給することにより、貯留手段24
等の交換時あるいは洗浄時に供給ライン100の開放さ
れた部位が貯留部25内の雰囲気と接触しても、供給ラ
イン100への浮遊性微生物等の混入を効果的に抑制で
きる。なお、N2ガスの貯留部25内への導入及び貯留
部25からの排気は、常時、内部が正圧となるようにが
調節されることが好ましい。なお、貯留部25内には、
従来公知の微生物フィルターを備えて、N2ガスの循環
により、当該フィルターへ吸着させて内部空間から微生
物を排除することもできる。外気との接触可能性の最も
高い貯留手段24の交換時等において微生物の汚染が防
止される点及び供給ライン100に近い部位での汚染を
防止できる点で本手段は有用である。
【0068】また、貯留手段24の内部にウエットN2
ガスを導入することにより、貯留手段24内部における
微生物の汚染を防止できる。特に、貯留手段24内部の
内壁(液面上)や液中に浸漬されているホースの液面上
の外周面は、研磨用流体が付着し、かつ空気が存在する
ために好気性微生物が好む繁殖状態になっていたが、本
手法によれば、このような好繁殖部位をなくすことがで
きる。したがって、この手法は、供給ライン100の起
点に最も近い部位で微生物の増殖を抑制できる点及び好
繁殖部位をなくすことができる点において有用である。
なお、特に、ウエットガスを利用することにより、研磨
用流体からの水分の蒸発を防ぎ、水分蒸発による組成へ
の影響を回避できるとともに、水分蒸発による微生物増
植の促進を回避することができる。
【0069】以上のことから、本汚染防止手段、すなわ
ち、酸素等の生育必須要素除去手段102は、単独でも
有効であるとともに、研磨用流体の品質にほとんど〜全
く影響を与えないため、他のいずれの汚染手段と容易に
組み合わせできる。また、供給ライン100の起点付近
でかつ外気と接触可能性の高い汚染可能性の高い部位に
おける汚染防止である点において、他の汚染防止手段と
組み合わせた場合に高い相乗効果を発揮することができ
る。本形態では、ウエットN2ガスを用いたが、他の不
活性ガス種でもよい。なお、本形態では、貯留手段24
及び/又は貯留部25に対して、生育必須要素除去手段
102を施したが、他方の貯留手段26においても、当
該貯留手段24と同様に汚染防止が可能であり、貯留手
段26を外気から遮断された貯留部内に配置すれば、貯
留部25と同様に汚染防止が可能である。
【0070】(実施形態7)図8には、実施形態6の変
形例であって、実施形態6の必須要素除去手段102に
加えて、送液ライン118上に冷却手段32と、その下
流に混合手段28に至る恒温化手段48を備える供給ラ
イン110である。以下の説明において、特に相違点の
ない限り、既述の実施形態と同様の構成要素には、既述
の実施形態と同じ番号を付して説明するものとする。こ
の形態では、微生物汚染防止手段として、必須生育要素
除去手段102と冷却手段32とを備えている。この形
態によれば、インラインで、双方の汚染防止手段による
相乗効果を得ることができる。必須生育要素除去手段1
02と冷却手段32とによって有効に微生物の汚染が抑
制された研磨用流体は、恒温化手段48により恒温化さ
れた後、混合手段28で、貯留手段26からの研磨用流
体と混合される。
【0071】また、本形態によれば、2つの貯留手段2
4を有しており、各貯留手段24からの2本の送液ライ
ン119が上流側で合流する送液ライン118を形成し
ている。そして、この合流点より上流側である送液ライ
ン119上に冷却手段32を備えている。これにより、
一方の貯留手段24において汚染が発生しても、供給ラ
イン110に対する汚染の影響を少なくすることができ
る。すなわち、合流点より下流側に汚染された研磨用流
体の送液を回避して、上流側でとどめることができ、他
方の貯留手段24側への微生物の混入も抑制できる。ま
た、汚染の発生した送液ラインを停止して、他方の送液
ライン119を使用することで、連続供給しつつ汚染防
止工程も実施することができる。特に、貯留手段25に
おいて各貯留手段24ないし各送液ライン119におい
ては、独立にかつ高度に微生物の汚染が防止される。
【0072】なお、本実施形態においては、送液ライン
119上での汚染防止手段を冷却手段32としたがこれ
に限定することなく、冷却手段32に替えてあるいはこ
の手段32とともに、他の汚染防止手段を1種あるいは
2種以上を組み合わせて使用することができる。また、
合流後の送液ラインにおいては、特に、インラインに適
した汚染防止手段を1種あるいは2種以上を使用するこ
とが好ましい。
【0073】図9には、本実施形態において、冷却手段
32に替えて、加熱手段42を備えた変形例を示す。こ
の変形例では、加熱手段によって、インラインでの汚染
防止工程とオフラインでの汚染防止工程の双方を実施で
きる。また、本変形例では、各加熱手段42の下流側の
送液ライン119上にそれぞれ強制排出手段115を備
えている。すなわち、加熱手段42を経由して汚染防止
工程を実施した研磨用流体を供給ライン120に送るこ
となく排出できる。このため、1本の供給ライン120
であっても、一方の送液ライン118で送液しながら、
他方の送液ライン119をオフラインで汚染防止し、洗
浄することができる。 このように、貯留手段側からの
複数本の送液ラインが合流する送液ラインの場合に、合
流前の送液ライン上に微生物汚染防止手段とライン内の
流体の排出手段115とを備えることにより、連続的に
研磨用流体を供給しつつ、オフラインで汚染防止工程を
実施することができるようになる。しかも、本形態で
は、合流点より上流側で流体が排出されるため、汚染さ
れた流体あるいは加熱された流体の合流点より下流側へ
の悪影響が回避されている。なお、この例においては、
送液ライン119上においては、他のオフライン用に適
した微生物汚染防止手段を備えることが好ましい。ま
た、合流点より下流側の送液ライン118上には、イン
ラインに適した微生物汚染防止手段を備えることが好ま
しい。
【0074】(実施形態8)図10〜12には、供給ラ
インの構成部材に対して微生物汚染防止手段を実施する
形態を示している。これらの形態では、特に、貯留手段
と研磨用流体を供給ラインに供給する供給手段との接続
するホースに対して微生物汚染防止工程を実施する形態
を例示する。図10には、ホースを収容する保管装置1
30にホース120が流水下で保管された状態が示され
ている。本実施形態においては、好ましくは、保管用媒
体122として、半導体装置の製造工程に使用可能な超
純水を用いる。通常、蒸留水や各種手法で調製した滅菌
水等であればよい。本形態においては保管用媒体122
である水は、空気と接触しないように装置130の底部
付近から導入されるようになっており、装置130の上
端でオーバーフローするようになっている。ホース12
0はその全体が流水下に浸漬されるように収納されてい
る。
【0075】このような状態で貯留手段切り替えまで、
使用前のホースを保管することにより、使用直前まで有
効に微生物の汚染が防止された状態を維持することがで
きる。そして、このように保管されたホース120を貯
留手段の切り替え時に使用することにより、当該作業時
における微生物の汚染が防止される。ホースは、直接供
給ラインに接続されるため、ホースが微生物によって汚
染されていると、供給ラインの起点が当初から汚染され
てしまい、研磨用流体の品質への影響は避けがたかった
が、本形態によれば、有効な汚染防止工程を実施するこ
とができる。なお、本保管装置130中には、微生物の
殺菌〜滅菌、あるいは抗菌に有効な手段等を配置するこ
ともできる。
【0076】図11には、本形態の変形例を示す。本例
では、装置130に供給する水をオーバーフローさせる
一方で、水槽130中の水を再度水槽130に供給し
て、装置130を含む装置内部と外部との循環系140
を形成するための循環経路142を備えている。本形態
では、循環系内の循環経路142上に汚染防止手段とし
てのオゾン発生手段134が設けられており、オゾン発
生手段134を水が通過させることにより、水にオゾン
を溶存化させることができるようになっている。これに
より、装置130には、常時オゾン溶存水が保管用流体
122として供給されることになる。したがって、ホー
ス120に対してより強力な汚染防止工程を実施するこ
とができる。また、保管用流体122を無駄なく有効利
用できる。なお、本例では、保管用流体に対する汚染防
止手段として、オゾンを使用したが、他の殺菌性あるい
は抗菌性材料も使用できる。好ましくは、ホース120
の使用前に別途洗浄等を要しないかあるいは洗浄しなく
ても組成に実施的な影響がない殺菌性あるいは抗菌性材
料を付与する。
【0077】図12には、図11の変形例であって、循
環系内の装置130中に、汚染防止手段として紫外線照
射灯144を配置した例を示す。この例では、装置13
0で照射される紫外線が、保管用流体122である水と
ホースとの双方に対して直接汚染防止作用を発揮する。
この汚染防止工程によれば、保管用媒体の循環を確保し
つつかつ汚染防止工程を直接装置130内において実施
するため、汚染防止の確実性が向上する。
【0078】特に、本形態では、供給ライン構成部材を
ホースに限定したが、ホースは、供給ラインの起点にほ
ぼ一致するとともに、もっとも汚染可能性の高く、かつ
従来においても微生物の好繁殖部位であったため、ホー
スに対して汚染防止工程を実施するのは非常に効果が高
い。特に、貯留手段の交換と同時にホースを交換する際
に、汚染防止工程が実施されたホースを使用すると、効
果が高い。なお、当該汚染防止工程は、当然に他の構成
部材にも有効である。
【0079】以上の本発明の形態においては、いずれ
も、研磨工程の不良項目の一つである砥粒径の不均一
化、凝集化による基板へのスクラッチを防ぐことができ
る。このため、ロスコストを削減するとともに、稼動率
を向上して製造コストの低減を図ることができる。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、研磨用流体中の微生物
の汚染が防止されている。このため、良好な性状及び組
成を維持して研磨装置に供給することができる。これに
より、微生物の存在による不具合が抑制された研磨工程
を実施することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】研磨用流体の供給ラインの例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態1の供給ラインを示す図であ
る。
【図3】本発明の実施形態2の供給ラインを示す図であ
る。
【図4】本発明の実施形態3の供給ラインを示す図であ
る。
【図5】本発明の実施形態4の供給ラインを示す図であ
る。
【図6】本発明の実施形態5の供給ラインを示す図であ
る。
【図7】本発明の実施形態6の供給ラインを示す図であ
る。
【図8】本発明の実施形態7の供給ラインを示す図であ
る。
【図9】本発明の実施形態7の変形例の供給ラインを示
す図である。
【図10】本発明の実施形態8の供給ラインを示す図で
ある。
【図11】本発明の実施形態8の他の態様の供給ライン
を示す図である。
【図12】本発明の実施形態8のさらに他の態様の供給
ラインを示す図である。
【図13】従来の研磨用流体の供給工程を示す図であ
る。
【符号の説明】
2,20,40,50,60,80,100,110,
120 供給ライン 8,10、30,33,68,70、82,84、11
8,119 送液ライン 4,6,25、27 貯留部 5,7,24,26 貯留手段 12、29 混合部 13、28 混合手段 32 冷却手段 42 加熱防止手段 46 細胞障害性波照射手段 48 恒温化手段 62 外部流体供給手段 102 生育必須要素除去手段 130 保管装置 122 保管用媒体 140 循環系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B24B 57/02 B24B 57/02 (72)発明者 棚田 裕樹 新潟県新井市大字栗原字杉明696−1 松 下環境空調エンジニアリング株式会社新井 セクション内 (72)発明者 山田 一雅 富山県栃波市東開発271 松下環境空調エ ンジニアリング株式栃波セクション内 Fターム(参考) 3C047 FF08 GG15 3C058 AA07 AC04 CB06 DA17 4G075 AA02 AA37 BA10 BC10 CA02 CA03 CA23 CA26 CA33 DA02 EB31

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】CMPスラリー用材料を含む研磨用流体を
    研磨装置に供給するための装置であって、 第1の研磨用流体を貯留する第1の貯留手段と、 第2の研磨用流体を貯留する第2の貯留手段と、 前記第1の研磨用流体と前記第2の研磨用流体とを混合
    する手段と、 前記第1の貯留手段、前記第2の貯留手段、これらのい
    ずれかの貯留手段から前記混合手段への前記各研磨用流
    体の送液用配管、及び混合されて得られる研磨用流体の
    送液用配管のうちいずれかの部位に設けられる微生物汚
    染防止手段、とを備える、装置。
  2. 【請求項2】前記微生物汚染防止手段として、前記研磨
    用流体の冷却手段を備える、請求項1記載の研磨用流体
    の供給装置。
  3. 【請求項3】前記微生物汚染防止手段として、前記研磨
    用流体の加熱手段を備える、請求項1記載の研磨用流体
    の供給装置。
  4. 【請求項4】前記加熱手段には、マイクロ波照射源を備
    える、請求項3記載の研磨用流体の供給装置。
  5. 【請求項5】前記混合手段の下流側にあるいは前記混合
    手段に付随して、前記研磨用流体の恒温化手段を備え
    る、請求項1〜4記載の研磨用流体の供給装置。
  6. 【請求項6】前記加熱手段によって加熱された研磨用流
    体を、前記供給装置内の研磨用流体の送液用配管を介し
    て当該供給装置外へ排出するようになっている、請求項
    3又は4記載の研磨用流体の供給装置。
  7. 【請求項7】前記微生物汚染防止手段として、加熱され
    た洗浄用流体を、前記供給装置内の研磨用流体の通過経
    路に供給する手段を備える、請求項1記載の研磨用流体
    の供給装置。
  8. 【請求項8】第1の貯留手段から排出される第1の研磨
    用流体の送液用配管を、前記混合手段を供給するか、あ
    るいは、前記混合手段を経ることなく、供給装置外へ排
    出するかを切替可能に形成されている、請求項1記載の
    研磨用流体の供給装置。
  9. 【請求項9】前記第1の貯留手段を少なくとも2個備え
    た、請求項1〜8のいずれかに記載の研磨用流体の供給
    装置。
  10. 【請求項10】前記微生物汚染防止手段として、前記供
    給装置内の流体に対して細胞障害性の電磁波及び/又は
    音波を供給する手段を備える、請求項1記載の装研磨用
    流体の供給置。
  11. 【請求項11】前記微生物汚染防止手段は、紫外線およ
    び/または超音波である、請求項10記載の研磨用流体
    の供給装置。
  12. 【請求項12】前記微生物汚染防止手段として、さらに
    加熱手段を備える、請求項10又は11に記載の研磨用
    流体の供給装置。
  13. 【請求項13】前記微生物汚染防止手段として、前記研
    磨用流体を貯留する領域から微生物の必須生育要素を排
    除する手段を備える、請求項1記載の研磨用流体の供給
    装置。
  14. 【請求項14】前記第1の研磨用流体は、研磨砥粒と水
    溶化剤とを含有し、前記第2の研磨用流体は、酸化剤を
    含有する、請求項1〜13のいずれかに記載の研磨用流
    体の供給装置。
  15. 【請求項15】CMPスラリー用材料を含有する研磨用
    流体の供給装置の当該研磨用流体と接触する部材の保管
    装置であって、 微生物の汚染が防止された内部環境を有する前記接触部
    材の保管容器を備える、保管装置。
  16. 【請求項16】請求項15記載の保管装置を備える、研
    磨用流体の供給装置。
  17. 【請求項17】CMPスラリー用材料を含む研磨用流体
    を供給する方法であって、 前記研磨用流体の微生物の汚染を防止する工程を有す
    る、研磨用流体の供給方法。
  18. 【請求項18】前記微生物汚染防止工程は、研磨用流体
    の冷却工程を含む、請求項17記載の研磨用流体の供給
    方法。
  19. 【請求項19】前記微生物汚染防止工程は、研磨用流体
    の加熱工程を含む、請求項17記載の研磨用流体の供給
    方法。
  20. 【請求項20】前記加熱工程は、研磨用流体にマイクロ
    波を照射する、請求項19記載の研磨用流体の供給方
    法。
  21. 【請求項21】前記微生物汚染防止工程は、細胞障害性
    の電磁波および/または音波を供給する工程を含む、請
    求項17記載の研磨用流体の供給方法。
  22. 【請求項22】前記細胞障害波は、紫外線および/また
    は超音波である、請求項21記載の研磨用流体の供給方
    法。
  23. 【請求項23】前記微生物汚染防止工程は、さらに、加
    熱工程を含む、請求項21又は22記載の研磨用流体の
    供給方法。
  24. 【請求項24】前記微生物汚染防止工程は、貯留された
    研磨用流体に対して微生物の必須生育要素を排除する工
    程を含む、請求項17記載の研磨用流体の供給方法。
  25. 【請求項25】前記微生物汚染防止工程は、前記研磨用
    流体で繁殖しうる微生物を死滅させるのに有効な程度の
    熱を前記研磨用流体あるいはその供給ラインに供給する
    工程を含む、請求項17記載の研磨用流体の供給方法。
  26. 【請求項26】前記熱供給工程では、前記熱は、加熱さ
    れた流体が前記研磨用流体の供給ラインに供給される、
    請求項25記載の研磨用流体の供給方法。
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