(実施例1)
以下、本発明の実施例1のスラリー供給装置を図1〜図9を参照しながら説明する。図1は本発明の実施例1のスラリー供給装置の基本構成図、図2は微生物検出手段の基本構成図、図3は純水供給による砥粒分散液を排出する洗浄時の第1ステップの状態を示すスラリー供給装置の構成図、図4はTMAH液を供給する洗浄時の第2ステップの状態を示すスラリー供給装置の構成図、図5は窒素ガス供給によるTMAH液を排出する洗浄時の第3ステップの状態を示すスラリー供給装置の構成図、図6は過酸化水素水を供給する洗浄時の第4ステップの状態を示すスラリー供給装置の構成図、図7は純水供給による過酸化水素水を排出する洗浄時の第5ステップの状態を示すスラリー供給装置の構成図、図8は窒素ガス供給による純水を排出する洗浄時の第6ステップの状態を示すスラリー供給装置の構成図、図9は本発明の他のスラリー供給装置の基本構成図である。
図1において、先ずスラリー供給装置の基本的な構成を説明する。砥粒分散液容器1内に所定量の研磨原液である砥粒分散液2を貯留し、窒素ガス供給ライン3から開閉弁4を介して窒素ガスを砥粒分散液容器1内の砥粒分散液2の上面を加圧する。砥粒分散液容器1内に砥粒分散液供給管6を設け、砥粒分散液供給ライン7に連通している。また窒素ガス供給ライン3および砥粒分散液供給ライン7は、着脱部材5に固定し、砥粒分散液容器1と着脱自在に構成されている。なお砥粒分散液2は、シリカ、セリア、アルミナ、ジルコニア、二酸化マンガン等のいずれかの砥粒微粒子を含むスラリー用の研磨原液である。なお砥粒分散液供給管6は、砥粒分散液供給ライン7と一体として構成してもよい。
砥粒分散液供給ライン7の開閉弁8、三方切換弁10を介して混合貯留容器11に砥粒分散液2を供給する。なお砥粒分散液供給ライン7は実装状態においては、複数の屈曲部9有して設置される。混合貯留容器11内に砥粒分散液2、後述する過酸化水素水、純水の混合研磨液であるスラリー12を貯留する。
過酸化水素水容器13内に研磨原液である過酸化水素水(H2O2)14を貯留し、窒素ガス供給ライン15から開閉弁16を介して窒素ガスを過酸化水素水容器13内の過酸化水素水14の上面を加圧する。過酸化水素水容器13内に供給管18を設け、過酸化水素水供給ライン19に連通している。また窒素ガス供給ライン15および過酸化水素水供給ライン19は着脱部材17に固定し、過酸化水素水容器13と着脱自在に構成されている。過酸化水素水供給ライン19の開閉弁20を介して混合貯留容器11に過酸化水素水14を供給する。
純水供給ライン21から純水分岐ライン22、開閉弁23を介して希釈用の研磨原液である純水を混合貯留容器11に供給する。混合貯留容器11には循環ライン24が構成され、ポンプ25の駆動により混合貯留容器11内で混合を促進させるとともに、砥粒の沈降を防止する。
混合貯留容器11からスラリー供給ライン26、開閉弁27を介してスラリー12をスラリー混合貯留容器28に落差圧により供給し、スラリー29を所定量貯留する。スラリー混合貯留容器28には循環ライン30が構成され、ポンプ31の駆動によりスラリー混合貯留容器28で混合を促進させるとともに、砥粒の沈降を防止する。循環ライン30に接続したスラリー供給ライン32、35、ポンプ33、36の駆動により研磨装置34、37にスラリー29を供給する。
テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド液39(Tetra methyl ammonium hydroxide、以下、TMAH液と称す)をTMAH液容器38内に所定量貯留し、TMAH液容器38内に開口したTMAH液供給ライン40は、三方切換弁41、開閉弁42、三方切換弁43、洗浄液供給ライン44を経て三方切換弁10に接続している。TMAH液39は、有機の強アルカリ物質で、TMAH原液を超純水により25パーセント濃度に希釈調整したものを用いる。
窒素ガス供給ライン45から開閉弁46を介して窒素ガスをTMAH液容器38内のTMAH液39の上面を加圧する。窒素ガス供給ライン45から分岐した分岐ライン47は開閉弁48を介してTMAH液供給ライン40に接続している。
過酸化水素水容器49内に過酸化水素水50を所定量貯留し、過酸化水素水容器49内に開口した過酸化水素水供給ライン51は、三方切換弁41に接続されている。窒素ガス供給ライン52から開閉弁53を介して窒素ガスを過酸化水素水容器49内の過酸化水素水50の上面を加圧する。窒素ガス供給ライン52から分岐した分岐ライン54は開閉弁55を介して過酸化水素水供給ライン51に接続している。
純水供給ライン21から分岐した分岐ライン56は開閉弁57を介して純水を三方切換弁10に接続している。
また、図1の基本構成において、砥粒分散液供給ライン7、循環ライン24、30の各々に微生物検出手段200、および微生物検出手段200の下流側に位置して殺菌手段300を設けているものである。
図2は微生物検出手段200の基本構成図である。ガラス基板203上に一対の対向する薄膜電極201a、201bを有し、薄膜電極201a、201bを保護するようにして測定セル202が設置してある。そして、一方の端子より電流検出抵抗204と低電圧電源205が直列に接続されており、砥粒分散液供給ライン7から微生物検出対象液である砥粒分散液2が流入口206から供給され、流出口207から排出される構成となっている。また演算装置208、制御器208a、報知手段208bを備えている。
流入口206には、砥粒分散液供給ライン7から分岐した検出ライン209が接続されている。さらに検出ライン209には開閉弁210、三方切換弁211を備え、三方切換弁211には、洗浄液供給ライン212が接続されている。
ここで、砥粒分散液供給ライン7に設けた例において、微生物検出手段200の基本的な動作を説明する。先ず開閉弁210を開にし、三方切換弁211を介して検出ライン209から砥粒分散液2を流入口206から供給し、測定セル202内に満たす。測定セル202内が砥粒分散液2で満たされた時点で開閉弁210を閉とする。
次に低電圧電源205をオンにして、薄膜電極201a、201b間に電圧を印加すると、砥粒分散液2中の微生物は誘電泳動によって薄膜電極201a、201bのギャップ間の高電界部分に逐次移動し、薄膜電極201a、201bのギャップ間の高電界部分に濃縮されていく。このとき、回路全体にかかる電圧V、電流検出抵抗にかかる電圧Vo、既知の値である電流検出抵抗204より薄膜電極201a、201b間のインピーダンスZを計算できる。このインピーダンスZの変化から試料中の微生物数を測定することができる。計算方法は、第1ステップとして、演算装置208に入ったデータが次の式により計算される。すなわち、電流検出抵抗204にかかる電圧Voを電流検出抵抗RLで除した値から回路全体に流れる電流Iが算出される。
I=Vo/RLそして、回路全体にかかる電圧Vを検出電流値Iで除した値が次式で表される回路全体のインピーダンスZである。
Z=V/I第2ステップとして、回路全体のインピーダンスZは、微生物のインピーダンスZTと電極のインピーダンスZEとの並列回路であるから、微生物を含まないブランク液を流したときの測定値または微生物を含む試料でも通電開始直後で誘電泳動による微生物の濃縮がほとんど始まっていないと考えられる初期値を算出し、次式で電極のインピーダンスを算出することで、微生物のインピーダンスZTを算出することができる。
1/Z=1/ZT+1/ZEまた、誘電泳動のための電圧印加によってこの薄膜電極201a,201b付近の電界がもっとも強くなるため、薄膜電極201a、201bが本発明における電界集中部になり、微生物は最も電界が集中するこの薄膜電極201a、201b付近に向かって電気泳動される。そして、微生物数は、演算装置208より電気信号が全体を制御する制御器208aに入力される。
また演算装置208から制御器208aを経て殺菌手段300および報知手段208bに電気信号を送出する。報知手段208bとしては、微生物数の検出値を画面、音声等により報知するものであり、さらに検出値が所定の微生物数より増加した場合等に警報を発するように構成している。
本発明における薄膜電極201a、201bの膜厚は約5nmである。5nmという膜厚は、薄膜電極201a、201bの間隔100μmに比較しても、また検出対象である微生物と比較しても非常に小さいので、薄膜電極201a、201bは事実上厚みの無視できる二次元的な広がりのみをもつ電極と考えることができる。そこで、すでに説明したように、測定電極のガラス基板203上で電極の密着している部分とガラス基板203がむき出しになっている部分の境界を端線と表現している。
本発明における薄膜電極201a、201bの膜厚は約5nmと薄いために、図2に示すように、二つの薄膜電極201a、201bの端線に挟まれた部分に最も電界が集中する。ここで、高周波の交流電圧を薄膜電極201a、201bに印加すると、これによって発生する交流電界の作用で、測定セル202内の微生物はその誘電的な性質によって最も電場が強くかつ不均一な部分、すなわち電界集中部に泳動される。なお、ここで交流電圧というのは、正弦波のほか、ほぼ一定の周期で流れの向きを変える電圧のことであり、かつ両方向の電流の平均値が等しいものである。
微生物の有無、微生物数を検出した後、開閉弁210を一旦閉とし、洗浄液供給ライン212、三方切換弁211、検出ライン209、流入口206を経て微生物を含まない純水または薬剤液の洗浄液を所定時間供給し、測定セル202内に満たすとともに、流出口207から排出する。これによって、薄膜電極201a、201b、測定セル202内、および検出ライン209、流入口206、流出口207内を洗浄して、微生物を確実に除去する。この洗浄動作後、再び開閉弁210を開にし、三方切換弁211を介して検出ライン209から砥粒分散液2を流入口206から供給し、測定セル202内に満たして微生物の検出を行うものである。なお前記洗浄液による洗浄動作中に、微生物を全く含まない状態(ブランク)における微生物検出手段200の初期値を算出(ゼロ点補正)の動作を行ってもよい。
微生物検出手段200における微生物の検出動作および洗浄動作を一サイクル(例えば)3〜5分)としてこれを繰り返す。なお、開閉弁210、三方切換弁211は制御器208aにより制御する。
砥粒分散液供給ライン7に設けた例において、微生物検出手段200の基本的な動作を説明したが、循環ライン24、30の各々に設けた微生物検出手段200の基本的な動作も同様である。循環ライン24に設けた微生物検出手段200には、スラリー混合貯留容器11内のスラリー(混合研磨液)12が、流入口206から供給され、流出口207から排出される構成となっている。また循環ライン30に設けた微生物検出手段200には、スラリー混合貯留容器28内のスラリー(混合研磨液)29が、流入口206から供給され、流出口207から排出される構成となっている。
なお、微生物検出手段200を設けた部位は、前記構成に限定されるものではなく、例えば、スラリー供給ライン26、32、35の各々にも設けてもよい。
また、微生物検出手段200には、図示はしないが、粒粒分散液2または混合研磨液であるスラリー12、29から、遠心分離手段等により砥粒分を取り除いた後、流入口206から微生物検出対象液として供給することが好ましい。
なお、微生物検出手段200は、前記した誘電泳動による手段に限定されるものでなく、例えば紫外線を用いた検出手段であってもよい。
また、殺菌手段300は、微生物の存在が検出された場合に、制御手段からの指示により殺菌手段300が動作する。殺菌手段300内に取り付けられた紫外線照射部から紫外線が照射されることによって殺菌が行われ、微生物が死滅する。なお、殺菌手段300としているが、本実施例においては、細菌類のみならず広く微生物全般を死滅させるものとして用いる。微生物が検知されない場合には、無駄な紫外線の照射によって電力浪費をさけるため、殺菌手段300には微生物検出手段200、制御器208aから紫外線照射の指示は与えられない。また、殺菌手段300は、微生物の増加を抑制、または微生物を死滅させる機能を有するもので、粒粒分散液2または混合研磨液であるスラリー中に紫外線をその強度を調節しながら照射するものである。殺菌手段300は、紫外線の照射に限らず、例えば所定温度への加温等の他の手段であってもよい。
次に、図1によりスラリーの作成および研磨装置34、37への供給動作について説明する。スラリー混合貯留容器11が空量の状態において、砥粒分散液容器1内の研磨原液である砥粒分散液2の上面に開閉弁4を開として窒素ガス供給ライン3から窒素ガスの所定圧力を加え、これによってスラリー中の混合比率に相当する量の砥粒分散液2を、砥粒分散液供給管6、開とした開閉弁8、三方切換弁10を介して砥粒分散液供給ライン7からスラリー混合貯留容器11内に供給する。
また、開閉弁4を閉とした後、過酸化水素水容器13内の研磨原液である過酸化水素水14の上面に開閉弁16を開として窒素ガス供給ライン15から窒素ガスの所定圧力を加え、これによってスラリー中の混合比率に相当する量の過酸化水素水14を、開とした開閉弁20を介して過酸化水素水供給ライン19からスラリー混合貯留容器11内に供給する。さらに開閉弁16を閉とした後、開閉弁23を開として純水供給ライン21、純水分岐ライン22からスラリー中の混合比率に相当する量の希釈用研磨原液である純水をスラリー混合貯留容器11内に供給する。前記各々の研磨原液をスラリー混合貯留容器11内に供給し、循環ライン24のポンプ25を駆動し、スラリー混合貯留容器11内での流動、攪拌により均一に混合されたスラリー12として所定量貯留する。
スラリー混合貯留容器11内に所定量貯留したスラリー12は、開閉弁27を開としてスラリー供給ライン26からスラリー混合貯留容器28に供給する。スラリー混合貯留容器28内のスラリー29はポンプ31の駆動により循環ライン30を循環し、さらにポンプ33、36の駆動によりスラリー供給ライン32、35から研磨装置34、37に供給される。
スラリー混合貯留容器28内のスラリー29の減少により開閉弁27を開閉制御して補充する。
さらに、スラリー混合貯留容器11内のスラリー12が空量となったときに、前記した動作を繰り返してスラリー混合貯留容器11内にスラリー12を貯留する。
スラリーの作成および研磨装置34、37への供給動作中に、前記したように、砥粒分散液供給ライン7、循環ライン24、30の各々に設けた微生物検出手段200により砥粒分散液2またはスラリー12、29中の微生物を検出する。先ず開閉弁210を開にし、三方切換弁211を介して検出ライン209から砥粒分散液2、スラリー12、29を流入口206から供給し、測定セル202内に満たす。測定セル202内が砥粒分散液2またはスラリー12、29で満たされた時点で開閉弁210を所定時間閉とし、微生物を検出する。
薄膜電極201a、201b間のインピーダンスZに変化のない、いわゆる微生物が検出されない場合は、これを報知手段208bにて報知する。また殺菌手段300は紫外線の照射を停止したままで、通常のスラリー供給装置の運転を継続する。
スラリー供給装置の運転を継続する過程において、例えば砥粒分散液供給ライン7に設けた微生物検出手段200が所定数の微生物を検出した場合は、これを報知手段208bにて報知する。さらに微生物検出手段200の下流側に設けた殺菌手段300により、ここを通過する砥粒分散液2に紫外線を照射し、微生物を死滅させる。これにより、殺菌手段300の下流域への微生物の流動を防止することができる。
微生物検出手段200の所定範囲の微生物数の検出レベルに応じて、殺菌手段300での微生物を死滅させるに必要な紫外線の照射強度を変化させることによって、微生物数が変動しても微生物を死滅させることができる。また、砥粒分散液供給ライン7に設けた殺菌手段300による微生物の死滅効果は、循環ライン24、30の各々に設けた微生物検出手段200による微生物の検出により確認することができる。
また、循環ライン24、30の各々に設けた微生物検出手段200によりスラリー12、29中の所定数の微生物を検出した場合には、これを報知手段208bにて報知する。さらに微生物検出手段200の下流側に設けた殺菌手段300により、ここを通過するスラリー12、29に紫外線を照射し、微生物を死滅させる。
殺菌手段300を微生物検出手段200の下流側に設けたが、殺菌手段300を挟んでこの近傍の下流側、上流側に複数の微生物検出手段200を設けてもよい。この場合には、上流側の微生物検出手段200のより微生物を検出し、殺菌手段300を経た後の前記下流側の微生物検出手段200により、殺菌手段300による殺菌効果を確認することができる。
なお、実施例1にいては、微生物検出手段200を、研磨原液の供給ラインから前記複数の研磨原液の混合液であるスラリーの研磨装置への供給ラインに至る部位に複数設けたが、一つであってもよい。例えば最も微生物の混入または繁殖のしやすい部位を特定できればここに微生物検出手段200を設ければよい。また研磨装置34、37の直前の上流側に位置する循環ライン30に微生物検出手段200を設けてもよい。
以上のように、本発明の実施例においては、研磨原液の供給ラインから前記複数の研磨原液の混合液であるスラリーの研磨装置への供給ラインに至るいずれかの部位に、微生物を検出する微生物検出手段を備えたものである。
これによって、研磨原液の供給ラインから前記複数の研磨原液の混合液であるスラリーの供給ライン中の微生物を常に連続的に検出することができ、微生物検出手段200により微生物を検出した場合には、研磨装置の停止、微生物を死滅させる殺菌手段の駆動、微生物の除去を行う洗浄等の迅速な対応を可能とするものである。したがって、安定した研磨を行うことを可能としたスラリー供給装置を提供することができる。
また、研磨原液の供給ラインから前記複数の研磨原液の混合液であるスラリーの研磨装置への供給ラインに至る複数の部位に、微生物検出手段を備えることによって、研磨原液の供給ラインから前記複数の研磨原液の混合液であるスラリーの研磨装置への供給ラインにおいて、微生物の存在する部位または繁殖部位を特定することができる。
さらに、微生物検出手段による検出値を報知する報知手段を備えることによって、常に研磨原液の供給ラインから前記複数の研磨原液の混合液であるスラリーの研磨装置への供給ラインにおける、微生物の存在の有無、微生物数のレベルを、常時、確実に把握し、これに対応した迅速な処置を実施することができる。
また、研磨原液の供給ラインから前記複数の研磨原液の混合液であるスラリーの研磨装置への供給ラインに至る少なくとも一部の部位に、微生物を殺菌する殺菌手段を備え、微生物検出手段による微生物の検出に基づき、前記殺菌手段を駆動する。
これによって、研磨装置への微生物の吐出を防止してウエハの研磨を安定化させるとともに、微生物の繁殖による研磨用流体の供給路における流路抵抗の増加による流量変化を防止し、混合比率の安定化を図ることができる。また研磨装置へのスラリー供給量の精度の向上と安定化を図ることができる。
スラリー供給装置を連続して運転していく過程において、微生物の継続した増加傾向を、微生物検出手段200により検出する場合がある。これは研磨原液の供給ラインから前記複数の研磨原液の混合液であるスラリーの研磨装置への供給ラインに至るいずれかの部位において、微生物が付着、繁殖している可能性がある。
微生物が付着、繁殖した場合には、複数の研磨原液の混合比率の変動、または研磨装置へのスラリー供給量が変化し、研磨装置における研磨性能に悪影響を与える恐れがある。
このため付着、繁殖した微生物を取り除く必要が生じる。
このため、微生物検出手段200により検出した微生物数が所定値以上のとき、または微生物が長期間継続して検出されたとき、微生物数の増加傾向が一定期間確認されたときに付着、繁殖した微生物を取り除く洗浄を行う。この洗浄手段および洗浄時の各ステップを砥粒分散液供給ライン7の微生物を除去する場合を例として、図3〜図8を用いて順に説明する。
なお、微生物の除去、洗浄動作は、スラリー混合貯留容器11内に、スラリー12を作成した後、スラリー混合貯留容器11内のスラリー12が空量となるまでの時間内に行うもので、研磨装置34、37へのスラリー12、29の供給は継続した状態となっている。
図2は、純水供給による砥粒分散液供給ライン7内の砥粒分散液2を排出する状態である洗浄時の第1ステップの状態を示すもので、図2において、図1と同一箇所は同一番号を付し説明を省略する。図1と異なるところは、砥粒分散液容器1を着脱部材5の部分において切り離して移動させ、砥粒分散液供給管6から排出される砥粒分散液2を受ける受け容器58を位置させた構成としたものである。なお図中の実線矢印は純水の流れを示す。
純水供給ライン21から分岐ライン56、開とした開閉弁57、三方切換弁43、10を介して、純水を砥粒分散液供給ライン7内に供給する。純水は砥粒分散液供給ライン7を開とした開閉弁8、砥粒分散液供給管6を流れ、これによって砥粒分散液供給ライン7内の砥粒分散液2を受け容器58に排出するとともに、砥粒分散液供給ライン7、砥粒分散液供給管6内を純水によって一旦洗浄するする。砥粒分散液供給ライン7、砥粒分散液供給管6内が純水に置換され、さらに純水を所定量受け容器58に流出させた段階で、開閉弁57を閉として純水の供給を停止する。このとき、関連する流路の開閉弁42は閉とし、三方切換弁43、10の各々は、図中の実線矢印に示す方向に流路を制御しているものである。
図3は、砥粒分散液供給ライン7内へTMAH液39を供給する洗浄時の第2ステップの状態を示すもので、図3において、図1、2と同一箇所は同一番号を付し説明を省略する。図1、2と異なるところは、砥粒分散液供給管6から排出されるTMAH液を受ける受け容器59を位置させた構成としたものである。なお図中の実線矢印はTMAH液の流れを、また破線矢印は窒素ガスの流れを示す。
前記したように、TMAH液容器38内にTMAH液39を所定量貯留し、TMAH液容器38内に開口したTMAH液供給ライン40は、三方切換弁41、開閉弁42、三方切換弁43、洗浄液供給ライン44を経て三方切換弁10に接続されている。このとき、開閉弁8は開とし、TMAH液39の流路に関連する開閉弁48、57は閉とし、三方切換弁41、43、10の各々は、図中の実線矢印に示す方向に流路を制御しているものである。
窒素ガス供給ライン45から開閉弁46を開として、窒素ガスの供給圧力をTMAH液容器38内のTMAH液39の上面に加える。TMAH液容器38内のTMAH液39は、TMAH液供給ライン40に押し出され、三方切換弁41、開とした開閉弁42、三方切換弁43、洗浄液供給ライン44、三方切換弁10を介して、砥粒分散液供給ライン7、砥粒分散液供給管6に流れる。これによって、砥粒分散液供給ライン7、砥粒分散液供給管6内の純水は、押し出され、TMAH液39に置換される。純水およびTMAH液39は、砥粒分散液供給管6から受け容器59に流出する。
砥粒分散液供給ライン7、砥粒分散液供給管6内がTMAH液39に置換された段階で、開閉弁46、42を閉として、TMAH液39の供給を停止するとともに、砥粒分散液供給ライン7、砥粒分散液供給管6内にTMAH液を所定時間(例えば5〜10分間)滞留保持する。このとき、砥粒分散液供給ライン7、砥粒分散液供給管6の内壁に付着、繁殖した微生物に有機の強アルカリ物質であるTMAH液が接触している過程で、微生物の細胞を溶解、殺菌する。これによって、屈曲部を有する供給ラインの内壁に付着、繁殖し、一部が塊状となった微生物に、有機の強アルカリ物質であるTMAH液85が十分に接触、浸透し、より確実に微生物の細胞を溶解、殺菌することができる。またTMAH液の供給によるpHのアルカリ側への変化で、微生物がマイナス帯電し、樹脂材料からなる粒分散液供給ライン7、砥粒分散液供給管6の内壁との電気的反発作用による微生物の物理的剥離も生じる。なお、TMAH液39は、特に限定はしないが、濃度を25パーセントに超純水により希釈調整して用いる。半導体工場で現像液の主流として使用されているもので、半導体製造設備全体として共用することができる。
前記したように、砥粒分散液供給ライン7内、砥粒分散液供給管6内からの砥粒分散液2の排出および純水による洗浄を行うことによって、砥粒分散液供給ライン7、砥粒分散液供給管6の内壁および内壁に付着、繁殖した微生物の表面から砥粒分散液2の成分が除去され、TMAH液39が直接、微生物に接触、浸透し、より短時間で微生物の細胞を溶解、殺菌することができる。
なお、砥粒分散液供給ライン7内、砥粒分散液供給管6内の純水を、TMAH液39を供給して押し出し、TMAH液39に置換するようにしたが、窒素ガス供給による砥粒分散液供給ライン7内、砥粒分散液供給管6内の純水を排出させた後、TMAH液供給してもよい。
図4は、窒素ガス供給による砥粒分散液供給ライン7内のTMAH液39を排出する洗浄時の第3ステップの状態を示すもので、図4において、図1、3と同一箇所は同一番号を付し説明を省略する。なお図中の破線矢印は窒素ガスの流れを示す。砥粒分散液供給ライン7、砥粒分散液供給管6内に所定時間、TMAH液を滞留保持させた後、開閉弁46、開閉弁57を閉状態、開閉弁42、開閉弁48、開閉弁8を開状態とする。また三方切換弁41、43、10は、図4に示す窒素ガスの流れ方向に流路を制御しているものである。窒素ガスを窒素ガス供給ライン45から分岐ライン47、開閉弁48、三方切換弁41、開閉弁42、三方切換弁43、三方切換弁10、洗浄液供給ライン44を介して、砥粒分散液供給ライン7内、砥粒分散液供給管6内に供給する。これによって、洗浄液供給ライン44、砥粒分散液供給ライン7、砥粒分散液供給管6内に滞留したTMAH液39を、開閉弁8を介して受け容器59に排出する。
図5は、砥粒分散液供給ライン7内へ過酸化水素水を供給する洗浄時の第4ステップの状態を示すもので、図5において、図1、4と同一箇所は同一番号を付し説明を省略する。図1、4と異なるところは、砥粒分散液供給管6から排出される過酸化水素水を受ける受け容器60を位置させた構成としたものである。なお図中の実線矢印は過酸化水素水の流れを、また破線矢印は窒素ガスの流れを示す。
前記したように、過酸化水素水容器49内に過酸化水素水(H2O2)50を所定量貯留し、過酸化水素水容器49内に開口した過酸化水素水供給ライン51は、三方切換弁41、開閉弁42、三方切換弁43、洗浄液供給ライン44を経て三方切換弁10に接続されている。このとき、開閉弁8は開とし、過酸化水素水50の流路に関連する開閉弁55、57は閉とし、三方切換弁41、43、10の各々は、図中の実線矢印に示す方向に流路を制御しているものである。
窒素ガス供給ライン52から開閉弁53を開として、窒素ガスの供給圧力を過酸化水素水容器49内の過酸化水素水50の上面に加える。過酸化水素水容器49内の過酸化水素水50は、過酸化水素水供給ライン51に押し出され、三方切換弁41、開とした開閉弁42、三方切換弁43、洗浄液供給ライン44、三方切換弁10を介して、砥粒分散液供給ライン7、砥粒分散液供給管6に流れる。さらに開閉弁2を介して砥粒分散液供給管6から受け容器60に流出する。
砥粒分散液供給ライン7、砥粒分散液供給管6内が過酸化水素水50に満たされた段階で、開閉弁53、42を閉として、過酸化水素水50の供給を停止するとともに、砥粒分散液供給ライン7、砥粒分散液供給管6内に過酸化水素水50を所定時間(例えば5〜10分間)滞留保持する。
このとき、砥粒分散液供給ライン7、砥粒分散液供給管6内の内壁、微生物に付着残留する強アルカリ物質であるTMAH液39と過酸化水素水50が反応して発砲し、これによってTMAH液によって溶解した微生物の、砥粒分散液供給ライン7、砥粒分散液供給管6の内壁からの剥離および供給ラインの内壁の殺菌をより促進することができる。
なお、過酸化水素水50は半導体工場で使用されているもので、半導体製造設備全体として共用することができる。
図6は、純水供給による砥粒分散液供給ライン7内の過酸化水素水50を排出する状態である洗浄時の第5ステップの状態を示すもので、図6において、図1、5と同一箇所は同一番号を付し説明を省略する。なお図中の実線矢印は純水の流れを示す。
純水供給ライン21から分岐ライン56、開とした開閉弁57、三方切換弁43、10を介して、純水を砥粒分散液供給ライン7、砥粒分散液供給管6内に供給する。純水は砥粒分散液供給ライン7を、開とした開閉弁8、砥粒分散液供給管6を流れ、これによって砥粒分散液供給ライン7内の過酸化水素水50を受け容器60に排出するとともに、砥粒分散液供給ライン7、砥粒分散液供給管6内を純水によって洗浄する。砥粒分散液供給ライン7、砥粒分散液供給管6内から純水を所定量受け容器60に流出させた段階で、開閉弁57を閉として純水の供給を停止する。このとき、関連する流路の開閉弁42は閉とし、三方切換弁43、10の各々は、図中の実線矢印に示す方向に流路を制御しているものである。これによって砥粒分散液供給ライン7、砥粒分散液供給管6の内壁に付着していた微生物は、過酸化水素水50、純水とともに受け容器60に排出する。
図7は、窒素ガス供給による砥粒分散液供給ライン7内の純水を排出する洗浄時の第6ステップの状態を示すもので、図7において、図1、6と同一箇所は同一番号を付し説明を省略する。なお図中の破線矢印は窒素ガスの流れを示す。
砥粒分散液供給ライン7、砥粒分散液供給管6内の過酸化水素水50を排出し、純水により洗浄した後、開閉弁46、開閉弁57を閉状態、開閉弁42、開閉弁48、開閉弁8を開状態とする。また三方切換弁41、43、10は、図7に示す窒素ガスの流れ方向に流路を制御しているものである。窒素ガスを窒素ガス供給ライン45から分岐ライン47、開閉弁48、三方切換弁41、開閉弁42、三方切換弁43、三方切換弁10、洗浄液供給ライン44を介して、砥粒分散液供給ライン7内、砥粒分散液供給管6内に供給する。これによって、洗浄液供給ライン44、砥粒分散液供給ライン7、砥粒分散液供給管6内の純水を、開閉弁8を介して受け容器60に排出する。
前記した第1〜第6ステップにより微生物の除去、洗浄動作を終了する。再び砥粒分散液2を貯留する砥粒分散液容器1を着脱部材5に装着し、図1に示す状態として、スラリーの作成に入るものである。
なお、実施例において、スラリー供給装置を構成する各々の開閉弁、三方切換弁、ポンプは、制御器(図示なし)によって個々に制御するものである。また砥粒分散液2、過酸化水素水14、50、TMAH液39を、窒素ガスにより加圧する手段にて供給するようにしたが、ポンプ、落差圧力等による供給手段であってもよい。さらに、スラリー用の研磨原液の数、成分、およびスラリー供給装置の構成は一例であってこれに限定されるものではない。また洗浄ステップにおいてTMAH液39、過酸化水素水50、純水、窒素ガスを、砥粒分散液2の流れと反対方向(逆方向)から砥粒分散液供給管6、砥粒分散液供給ライン7に供給して流すようにしたが、同方向であってもよい。砥粒分散液容器1は、砥粒分散液2が空量となった時点で、砥粒分散液2が入った新規の砥粒分散液容器1と着脱部材5を介して交換する。したがって洗浄時、砥粒分散液2、TMAH液39、過酸化水素水50、純水を受ける容器58、59、60も、砥粒分散液容器1と同様に着脱部材5を介して交換することによって全体の構成をより簡略させることができるので、TMAH液39、過酸化水素水50、純水、窒素ガスを、砥粒分散液62の流れと反対方向(逆方向)から砥粒分散液供給管6、砥粒分散液供給ライン7に供給して流すことが好ましい。
また、実施例においては、砥粒分散液供給ライン7内に付着した微生物の除去、洗浄を行う例として説明したが、研磨原液の供給ラインから前記複数の研磨原液の混合液であるスラリーの研磨装置への供給ラインに至る少なくとも一部の部位である、スラリー供給ライン26、32、36、35、および循環ライン24、30、スラリー混合貯留容器11、スラリー混合貯留容器28の各々の部位、経路においても、前記第1〜第6ステップの基本的な微生物の除去、洗浄動作を同様に実施することができる。
以上のように、研磨原液の供給ラインから前記複数の研磨原液の混合液であるスラリーの研磨装置への供給ラインに至る少なくとも一部の部位に、TMAH液39を供給して排出後、過酸化水素水50を供給して排出することを特徴とするスラリー供給装置の洗浄方法、およびこの洗浄方法を用いたスラリー供給装置としたものである。
これによって、TMAH液による付着、繁殖した微生物を溶解させ、さらにTMAH液と過酸化水素水との反応による微生物の剥離を促進させて、確実に除去、洗浄することができる。したがって、微生物の繁殖による研磨用流体の供給路における流路抵抗の増加による流量変化を防止し、混合比率の安定化を図ることができる。また研磨装置へのスラリー供給量の精度の向上と安定化を図ることができる。
また、TMAH液を供給し、所定時間供給ラインに滞留させることによって、供給ラインの屈曲部においても内壁に付着、繁殖し、一部が塊状となった微生物に、有機の強アルカリ物質であるTMAH液が十分に接触、浸透し、より確実に微生物の細胞を溶解、殺菌することができる。
また、過酸化水素水を供給し、所定時間供給ラインに滞留させることによって、供給ラインの内壁および微生物に付着残留する強アルカリ物質であるテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド液と過酸化水素水が反応して発砲し、TMAH液によって溶解した微生物の、内壁からの剥離および供給ラインの内壁の殺菌をより促進することができる。
スラリー混合貯留容器11内に、スラリー12を作成していく時間経過とともに、前記したように砥粒分散液供給管6、砥粒分散液供給ライン7に微生物が付着、繁殖していく。このため砥粒分散液供給ライン7に付着、繁殖した微生物の除去、洗浄を、複数の研磨原液の混合比率が研磨装置における研磨性能に悪影響を与えない許容範囲内の所定期間ごとに行ってもよい。
また、微生物の除去、洗浄動作は、砥粒分散液供給管6、砥粒分散液供給ライン7の上流側と下流側の圧力を検出(図示なし)し、これにより微生物の付着、繁殖による流路抵抗が所定値以上、増加したことによって微生物の除去、洗浄動作を実施する時期を判別してもよい。この場合には、微生物の除去、洗浄の必要時期をより確実に把握することができる。
次に、図9にて実施例1の他の構成を説明する。これは一つの微生物検出手段200に、研磨原液の供給ラインから前記複数の研磨原液の混合液であるスラリーの研磨装置への供給ラインに至る複数の部位から、前記研磨原液またはスラリーを微生物検出手段200に導出させて微生物を検出するものである。図1と同一符号は同一箇所を示し説明を省略する。
砥粒分散液供給ライン7から分岐した検出ライン209を切換弁400接続し、さらに切換弁400と微生物検出手段200を接続している。殺菌手段300は検出ライン209が分岐した砥粒分散液供給ライン7の下流側に設けている。
また、循環ライン24から分岐した検出ライン209を切換弁400接続し、さらに切換弁400と微生物検出手段200を接続している。殺菌手段300は検出ライン209が分岐した循環ライン24の下流側に設けている。
さらに、循環ライン30から分岐した検出ライン209を切換弁400接続し、さらに切換弁400と微生物検出手段200を接続している。殺菌手段300は検出ライン209が分岐した循環ライン30の下流側に設けている。
前記した構成において、切換弁400により流路を切り換えて、砥粒分散液供給ライン7からの砥粒分散液2、循環ライン24からのスラリー12、循環ライン30からのスラリー29を順次微生物検出手段200に導出させる。微生物検出手段200のおよび殺菌手段300の動作は前記した例と同様であり説明を省略する。
これによって、研磨原液の供給ラインから前記複数の研磨原液の混合液であるスラリーの研磨装置への供給ラインにおいて、微生物検出手段の数を削減して微生物の存在する部位または繁殖部位を特定することができる。
(実施例2)
以下、本発明の実施例2のスラリー供給装置を図10〜図16を参照しながら説明する。
実施例1と基本的に異なるところは、スラリーを所定量貯留する容器を備えないで、複数の研磨原液をできるだけ研磨装置の直前において混合し、研磨装置へ供給するものである。図10は本発明のスラリー供給装置の基本構成図、図11は純水供給による砥粒分散液を排出する洗浄時の第1ステップの状態を示すスラリー供給装置の構成図、図12はTMAH液を供給する洗浄時の第2ステップの状態を示すスラリー供給装置の構成図、図13は窒素ガス供給によるTMAH液を排出する洗浄時の第3ステップの状態を示すスラリー供給装置の構成図、図14は過酸化水素水を供給する洗浄時の第4ステップの状態を示すスラリー供給装置の構成図、図15は純水供給による過酸化水素水を排出する洗浄時の第5ステップの状態を示すスラリー供給装置の構成図、図16は窒素ガス供給による純水を排出する洗浄時の第6ステップの状態を示すスラリー供給装置の構成図、図17は実施例1の他の構成を示す図である。
図10において、先ず基本的な構成を説明する。砥粒分散液容器61内に所定量の砥粒分散液62を貯留し、窒素ガス供給ライン63から開閉弁64を介して窒素ガスを砥粒分散液容器61内の砥粒分散液62の上面を加圧する。砥粒分散液容器61内に供給管66を設け、砥粒分散液供給ライン67に連通している。また窒素ガス供給ライン63および砥粒分散液供給ライン67は、着脱部材65に固定し、砥粒分散液容器61と着脱自在に構成されている。
砥粒分散液供給ライン67の開閉弁69、流量計68を介して混合器70に砥粒分散液62を供給する。なお砥粒分散液供給ライン67は実装状態においては、複数の屈曲箇所有してして設置されるものである。混合器70内に砥粒分散液62、後述する過酸化水素水、必要に応じて純水を供給し、これらを混合促進して混合研磨液であるスラリーを作成する。
過酸化水素水容器71内に過酸化水素水72を貯留し、窒素ガス供給ライン73から開閉弁74を介して窒素ガスを過酸化水素水容器71内の過酸化水素水72の上面を加圧する。過酸化水素水容器71内に供給管76を設け、過酸化水素水供給ライン77に連通している。また窒素ガス供給ライン73および過酸化水素水供給ライン77は着脱部材75に固定し、過酸化水素水容器71と着脱自在に構成されている。過酸化水素水供給ライン77の開閉弁79を介して混合器70に過酸化水素水72を供給する。
混合器70からスラリー供給ライン80、三方切換弁81を介して混合後のスラリーをスラリー吐出ライン82を介して研磨部88に供給する。
TMAH液85をTMAH液容器84内に所定量貯留し、TMAH液容器84内に開口したTMAH液供給ライン90は、三方切換弁91、三方切換弁92、洗浄液供給ライン93を経て三方切換弁81に接続されている。窒素ガス供給ライン86から開閉弁87を介して窒素ガスをTMAH液容器84内のTMAH液85の上面を加圧する。窒素ガス供給ライン86から分岐した分岐ライン88は開閉弁89を介してTMAH液供給ライン90に接続されている。
過酸化水素水容器94内に過酸化水素水95を所定量貯留し、過酸化水素水容器94内に開口した過酸化水素水供給ライン96は、三方切換弁91に接続されている。窒素ガス供給ライン97から開閉弁98を介して窒素ガスを過酸化水素水容器94内の過酸化水素水95の上面を加圧する。窒素ガス供給ライン97から分岐した分岐ライン99は開閉弁100を介して過酸化水素水供給ライン96に接続され、三方切換弁91、三方切換弁92を介して洗浄液供給ライン93接続されている。純水供給ラインから分岐した分岐ライン99は、開閉弁102を介して三方切換弁10に接続されている。
スラリー供給ライン80の三方切換弁81と研磨装置83に至るスラリー供給ライン80に微生物検出手段200を設け、この微生物検出手段200の下流側に殺菌手段300を設けている。微生物検出手段200、殺菌手段300は、前記実施例1で用いたものと同様であり説明を省略する。
次に、スラリーの作成および研磨部83への供給動作について説明する。粒分散液容器61内の砥粒分散液62の上面に開閉弁64を開として窒素ガス供給ライン63から窒素ガスの所定圧力をかけ、これによってスラリー中の混合割合に相当する量の砥粒分散液62を、開とした開閉弁69として砥粒分散液供給ライン67から混合器70内に供給する。
また、砥粒分散液62の供給開始と同時に、過酸化水素水容器71内の過酸化水素水72の上面に開閉弁74を開として窒素ガス供給ライン73から窒素ガスの所定圧力をかけ、これによってスラリー中の混合割合に相当する量の過酸化水素水72を、開とした開閉弁20を介して過酸化水素水供給ライン77から混合器70内に供給する。前記砥粒分散液62、過酸化水素水72を混合器70内で均一に混合し、混合研磨液であるスラリーとして三方切換弁81を介してスラリー供給ライン80、スラリー吐出ライン82から研磨部83に供給する。砥粒分散液62および過酸化水素水の混合割合は、各々の流量計68、78で計測管理し、所定の成分比に制御する。
スラリーの作成および研磨装置83への供給動作中に、前記したように、スラリー供給ライン80に設けた微生物検出手段200によりスラリー中の微生物を検出する。先ず開閉弁210を開にし、三方切換弁211を介して検出ライン209からスラリーを流入口206から供給し、測定セル202内に満たす。測定セル202内が砥粒分散液2またはスラリー12、29で満たされた時点で開閉弁210を所定時間閉とし、微生物を検出する。
薄膜電極201a、201b間のインピーダンスZに変化のない、いわゆる微生物が検出されない場合は、これを報知手段208bにて報知する。また殺菌手段300は紫外線の照射を停止したままで、通常のスラリー供給装置の運転を継続する。
スラリー供給装置の運転を継続する過程において、例えばスラリー供給ライン80に設けた微生物検出手段200が所定数の微生物を検出した場合は、これを報知手段208bにて報知する。さらに微生物検出手段200の下流側に設けた殺菌手段300により、ここを通過するスラリーに紫外線を照射し、微生物を死滅させる。これにより、殺菌手段300の下流域への微生物の流動を防止することができる。
微生物検出手段200の所定範囲の微生物数の検出レベルに応じて、殺菌手段300での微生物を死滅させるに必要な紫外線の照射強度を変化させることによって、微生物数が変動しても微生物を死滅させることができる。
殺菌手段300を微生物検出手段200の下流側に設けたが、殺菌手段300を挟んでこの近傍の下流側、上流側に複数の微生物検出手段200を設けてもよい。この場合には、上流側の微生物検出手段200のより微生物を検出し、殺菌手段300を経た後の前記下流側の微生物検出手段200により、殺菌手段300による殺菌効果を確認することができる。
なお、実施例2にいては、微生物検出手段200を、前記複数の研磨原液の混合液であるスラリーの研磨装置への供給ラインに至る部位に一つ設けたが、スラリー供給ライン80および砥粒分散液供給ライン67の複数個所に設けてもよい。
スラリー供給装置を連続して運転していく過程において、微生物の継続した増加傾向を、微生物検出手段200により検出する場合がある。これは研磨原液の供給ラインから前記複数の研磨原液の混合液であるスラリーの研磨装置への供給ラインに至るいずれかの部位において、微生物が付着、繁殖している可能性がある。
微生物が付着、繁殖した場合には、複数の研磨原液の混合比率の変動、または研磨装置へのスラリー供給量が変化し、研磨装置における研磨性能に悪影響を与える恐れがある。
このため付着、繁殖した微生物を取り除く必要が生じる。
実施例1で説明したと同様に、微生物検出手段200により検出した微生物数が所定値以上のとき、または微生物が長期間継続して検出されたとき、微生物数の増加傾向が一定期間確認されたときに付着、繁殖した微生物を取り除く洗浄を行う。砥粒分散液供給ライン67、スラリー供給ライン80の微生物を除去する洗浄時の各ステップの状態を、図11〜図16を用いて順に説明する。
図11は、純水供給による砥粒分散液供給ライン7内の砥粒分散液2を排出する状態である洗浄時の第1ステップの状態を示すもので、図11において、図10と同一箇所は同一番号を付し説明を省略する。図10と異なるところは、砥粒分散液容器61を着脱部材65の部分において切り離して移動させ、供給管66から排出される砥粒分散液62を受ける受け容器103を位置させた構成としたものである。なお図中の実線矢印は純水の流れを示す。
純水供給ライン101から、開とした開閉弁102、三方切換弁92、81を介して、純水をスラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67内に供給する。純水はスラリー供給ライン80、混合器70、砥粒分散液供給ライン67、開とした開閉弁69、流量計68、砥粒分散液供給管6へと流れ、これによって砥粒分散液2を受け容器103に排出するとともに、純水によって一旦洗浄するする。さらに純水を所定量受け容器103に流出させた段階で、開閉弁102を閉として純水の供給を停止する。このとき、関連する流路の三方切換弁92、81の各々は、図中の実線矢印に示す方向に流路を制御しているものである。
図12は、スラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67内へTMAH液85を供給する洗浄時の第2ステップの状態を示すもので、図12において、図10、11と同一箇所は同一番号を付し説明を省略する。図10、11と異なるところは、供給管66から排出されるTMAH液を受ける受け容器104を位置させた構成としたものである。なお図中の実線矢印はTMAH液の流れを、また破線矢印は窒素ガスの流れを示す。
前記したように、TMAH液容器84内にTMAH液85を所定量貯留し、TMAH液容器84内に開口したTMAH液供給ライン90は、三方切換弁91、92、洗浄液供給ライン93を経て三方切換弁81に接続されている。このとき、開閉弁69は開とし、TMAH液85の流路に関連する開閉弁89は閉とし、三方切換弁91、92、81の各々は、図中の実線矢印に示す方向に流路を制御しているものである。
窒素ガス供給ライン86から開閉弁87を開として、窒素ガスの供給圧力をTMAH液容器84内のTMAH液85の上面に加える。TMAH液容器84内のTMAH液85は、TMAH液供給ライン90に押し出され、三方切換弁91、92、洗浄液供給ライン93、三方切換弁81を介して、スラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67、供給管66に流れる。これによってスラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67、砥粒分散液供給管6内の純水は、押し出され、TMAH液85に置換される。純水およびTMAH液85は、供給管66から受け容器104に流出する。
スラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67、供給管66内がTMAH液85に置換された段階で、開閉弁87を閉として、TMAH液85の供給を停止するとともに、スラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67、供給管66内にTMAH液85を所定時間(例えば5〜10分間)滞留保持する。このとき、スラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67、供給管66の内壁に付着、繁殖した微生物に有機の強アルカリ物質であるTMAH液85が接触している過程で、微生物の細胞を溶解、殺菌する。これによって、屈曲部を有する供給ラインの内壁に付着、繁殖し、一部が塊状となった微生物に、有機の強アルカリ物質であるTMAH液85が十分に接触、浸透し、より確実に微生物の細胞を溶解、殺菌することができる。またTMAH液の供給によるpHのアルカリ側への変化で、微生物がマイナス帯電し、砥樹脂材料からなるスラリー供給ライン80、粒分散液供給ライン67、供給管66の内壁との電気的反発作用による微生物の物理的剥離も生じる。なお、TMAH液85は、特に限定はしないが、濃度を25パーセントに超純水により希釈調整して用いる。半導体工場で現像液の主流として使用されているもので、半導体製造設備全体として共用することができる。
前記したように、砥粒分散液供給ライン7内、砥粒分散液供給管6内からの砥粒分散液2の排出および純水による洗浄を行うことによって、砥粒分散液供給ライン7、砥粒分散液供給管6の内壁および内壁に付着、繁殖した微生物の表面から砥粒分散液2の成分が除去され、TMAH液39が直接、微生物に接触、浸透し、より短時間で微生物の細胞を溶解、殺菌することができる。
なお、スラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67内、供給管66内の純水を、TMAH液85を供給して押し出し、TMAH液85に置換するようにしたが、窒素ガス供給によるスラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67内、供給管66内の純水を排出させた後、TMAH液85供給してもよい。
図13は、窒素ガス供給によるスラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67内のTMAH液85を排出する洗浄時の第3ステップの状態を示すもので、図13において、図10、11と同一箇所は同一番号を付し説明を省略する。なお図中の破線矢印は窒素ガスの流れを示す。スラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67、供給管66内に所定時間、TMAH液85を滞留保持させた後、開閉弁87を閉状態、開閉弁89、開閉弁69を開状態とする。また三方切換弁91、92、81は、図11に示す窒素ガスの流れ方向に流路を制御しているものである。窒素ガスを窒素ガス供給ライン86から開閉弁89、三方切換弁91、92、81、洗浄液供給ライン93を介して、スラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67内、供給管66内に供給する。これによって、洗浄液供給ライン93、スラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67、供給管66内に滞留したTMAH液85を、開閉弁69、流量計68を介して受け容器104に排出する。
図14は、スラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67内へ過酸化水素水を供給する洗浄時の第4ステップの状態を示すもので、図14において、図10、11と同一箇所は同一番号を付し説明を省略する。図10、11と異なるところは、供給管66から排出される過酸化水素水を受ける受け容器105を位置させた構成としたものである。なお図中の実線矢印は過酸化水素水の流れを、また破線矢印は窒素ガスの流れを示す。
前記したように、過酸化水素水容器94内に過酸化水素水(H2O2)95を所定量貯留し、過酸化水素水容器94内に開口した過酸化水素水供給ライン96は、三方切換弁91、92、洗浄液供給ライン93を経て三方切換弁81に接続されている。このとき、開閉弁69は開とし、過酸化水素水95の流路に関連する開閉弁100は閉とし、三方切換弁91、92、81の各々は、図中の実線矢印に示す方向に流路を制御しているものである。
窒素ガス供給ライン97から開閉弁98を開として、窒素ガスの供給圧力を過酸化水素水容器94内の過酸化水素水95の上面に加える。過酸化水素水容器94内の過酸化水素水95は、過酸化水素水供給ライン96に押し出され、三方切換弁91、92、洗浄液供給ライン93、三方切換弁81を介して、スラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67、供給管66に流れる。さらに開閉弁69、流量計68を介して供給管66から受け容器105に流出する。
スラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67、供給管66内が過酸化水素水95に満たされた段階で、開閉弁98を閉として、過酸化水素水95の供給を停止するとともに、スラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67、供給管66内に過酸化水素水95を所定時間(例えば5〜10分間)滞留保持する。このとき、スラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67、供給管66の内壁、微生物に付着残留する強アルカリ物質であるTMAH液85と過酸化水素水95が反応して発砲し、これによってTMAH液85によって溶解した微生物の、スラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67、供給管66の内壁からの剥離および供給ラインの内壁の殺菌をより促進することができる。
図15は、純水供給によるスラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67内の過酸化水素水95を排出する状態である洗浄時の第5ステップの状態を示すもので、図15において、図10、14と同一箇所は同一番号を付し説明を省略する。なお図中の実線矢印は純水の流れを示す。
純水供給ライン101から開とした開閉弁102、三方切換弁92、洗浄液供給ライン93を介して、純水をスラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67、供給管66内に供給する。純水は純水をスラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67を、開とした開閉弁69、流量計68、供給管66を流れ、受け容器105に排出するとともに、砥粒分散液供給ライン7、砥粒分散液供給管6内を純水によって洗浄する。供給管66内から純水を所定量受け容器105に流出させた段階で、開閉弁102を閉として純水の供給を停止する。このとき、関連する三方切換弁92、81の各々は、図中の実線矢印に示す方向に流路を制御しているものである。これによって、スラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67、供給管66の内壁に付着していた微生物は、過酸化水素水95、純水とともに受け容器105に排出する。
図16は、窒素ガス供給によるスラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67、供給管66内の純水を排出する洗浄時の第6ステップの状態を示すもので、図16において、図10、15と同一箇所は同一番号を付し説明を省略する。なお図中の破線矢印は窒素ガスの流れを示す。
スラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67、供給管66内の過酸化水素水95を排出し、純水により洗浄した後、開閉弁87を閉状態、開閉弁69を開状態とする。また三方切換弁91、92、81は、図16に示す窒素ガスの流れ方向に流路を制御しているものである。窒素ガスを窒素ガス供給ライン86から分岐ライン88、開閉弁89、三方切換弁91、92、81、洗浄液供給ライン93を介して、スラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67、供給管66内に供給する。これによって純水を、受け容器105に排出する。
前記した第1〜第6ステップにより微生物の除去、洗浄動作を終了する。再び砥粒分散液62を貯留する砥粒分散液容器61を着脱部材65に装着し、図10に示す状態として、スラリーの作成、研磨装置83への供給動作に入るものである。
なお、実施例において、スラリー供給装置を構成する各々の開閉弁、三方切換弁、ポンプは、制御器(図示なし)によって個々に制御するものである。また砥粒分散液62、過酸化水素水72、95、TMAH液85を、窒素ガスにより加圧する手段にて供給するようにしたが、ポンプ、落差圧力等による供給手段であってもよい。さらに、スラリー用の研磨原液の数、成分、およびスラリー供給装置の構成は一例であってこれに限定されるものではない。またスラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67、供給管66とともに、混合器70、流量計68も同時に洗浄できるものである。
また、実施例2においては、スラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67、供給管66内に付着した微生物の除去、洗浄を行う例として説明したが、研磨原液の供給ラインから前記複数の研磨原液の混合液であるスラリーの研磨装置への供給ラインに至る少なくとも一部の部位である、スラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67、および混合器70の各々の部位、経路においても、前記第1〜第6ステップの基本的な微生物の除去、洗浄動作を個別に実施してもよい。
また、スラリー供給ライン80に設けた三方切換弁81からTMAH液39、過酸化水素水50、純水、窒素ガスを供給するようにしたが、スラリー供給ライン80の研磨装置83へのスラリーの吐出口から供給するようにしてもよい。さらに洗浄ステップにおいてTMAH液85、過酸化水素水95、純水、窒素ガスを、スラリー、砥粒分散液62の流れと反対方向(逆方向)からスラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン7、供給管66に供給して流すようにしたが、同方向であってもよい。砥粒分散液容器61は、砥粒分散液62が空量となった時点で、砥粒分散液62が入った新規の砥粒分散液容器61と着脱部材65を介して交換する。したがって洗浄時、砥粒分散液62、TMAH液85、過酸化水素水95、純水を受ける容器103、104、105も、砥粒分散液容器61と同様に着脱部材65を介して交換することによって全体の構成をより簡略させることができるので、TMAH液85、過酸化水素水95、純水、窒素ガスを、砥粒分散液62、スラリーの流れと反対方向(逆方向)からスラリー供給ライン80、砥粒分散液供給ライン67、砥粒分散液供給管6に供給して流すことが好ましい。
また、実施例2においては、洗浄時に研磨装置83を停止して行うことになるが、スラリー供給装置または研磨装置83の定期的なメンテナンス時に洗浄を実施すればよい。他に一つの研磨層装置83に対して二つのスラリー供給装置を備えることによって、研磨層装置83を停止させずに洗浄を行うこともできる。
次に、図17にて実施例2の他の構成を説明する。これは一つの微生物検出手段200に、研磨原液の供給ラインから前記複数の研磨原液の混合液であるスラリーの研磨装置への供給ラインに至る複数の部位から、前記研磨原液またはスラリーを微生物検出手段200に導出させて微生物を検出する構成、動作を図17にて説明する。図10と同一符号は同一箇所を示し説明を省略する。
砥粒分散液供給ライン67から分岐した検出ライン209を切換弁400接続し、さらに切換弁400と微生物検出手段200を接続している。殺菌手段300は検出ライン209が分岐した砥粒分散液供給ライン67の下流側に設けている。
また、スラリー吐出ライン82から分岐した検出ライン209を切換弁400接続し、さらに切換弁400と微生物検出手段200を接続している。殺菌手段300は検出ライン209が分岐した循環ライン24の下流側に設けている。
前記した構成において、切換弁400により流路を切り換えて、砥粒分散液供給ライン67からの砥粒分散液62、スラリー吐出ライン82からのスラリーを順次微生物検出手段200に導出させる。微生物検出手段200のおよび殺菌手段300の動作は前記した例と同様であり説明を省略する。
これによって、研磨原液の供給ラインから前記複数の研磨原液の混合液であるスラリーの研磨装置への供給ラインにおいて、微生物検出手段の数を削減して微生物の存在する部位または繁殖部位を特定することができる。
以上のように、実施例2においても、実施例1と同様の効果が得られるものである。