JP2013246151A - コイル形状測定装置及びコイル形状測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コイル形状測定装置10は、コイル1の端面に対して半径方向にスリット光11aを照射するレーザー光源11と、コイル1の端面に照射されたスリット光が形成する像を撮像するカメラ12とを備える。レーザー光源11及びカメラ12は、コイル1の中心軸Cから半径方向に所定距離だけ離れた測定位置で、アーム13によって保持される。そして、このアーム13を、コイル1の中心軸Cを中心に回転させながら、コイル端面をカメラ12で撮像し、撮像した画像に対して所定の画像処理を施す光切断法により、コイル1の端面形状を測定する。
【選択図】 図1
Description
ところが、オペレータがライン装入前に全ての鋼帯コイルの端面を目視で検査する方法を採用すると、小径コイル操業時のコイルピッチが短い場合等は、当該作業を含む入側段取り作業がネックとなり、ライン速度を低下せざるを得ない。
また、上記特許文献1に記載の記述では、鋼帯コイルを巻き解いて移動させた状態で鋼帯端部の欠陥を検出するものであり、欠陥検出装置の設置は製造ライン内に制約される。そのため、当該装置の鋼帯長手方向の分解能はライン速度に大きく左右され、冷間圧延ライン等の高速ラインでは微小欠陥の検出が困難となる。
そこで、本発明は、メンテナンス面で好適な構成で、鋼帯の欠陥を適切に検出するためのコイル形状測定装置及びコイル形状測定方法を提供することを課題としている。
また、鋼帯コイルを巻いたままの状態で測定するため、鋼帯の製造ライン外での測定が可能である。すなわち、製造ラインを移動中の鋼帯に対して測定を行うものではないため、装置の鋼帯長手方向の分解能がライン速度に左右されることがなく、微小欠陥を適切に検出することができる。さらに、製造ライン内の設置スペースが充分に無いラインであっても測定が可能であると共に、製造ライン外で測定することでメンテナンスも容易となる。
これにより、スリット光の長さが鋼帯コイルの外半径と内半径との差に満たない場合であっても、鋼帯コイルの端面全体を測定することが可能となる。そのため、カメラ台数を削減することができ、その分のコストを削減することができる。
このように、鋼帯コイルの内径部は外径部と比較して撮像するデータ数が少ないことを考慮し、回転速度を速く設定するので、全体の測定時間を短縮することができる。
また、上記において、前記形状測定手段で測定した前記鋼帯コイルの端面形状を表示する表示手段を備えることを特徴としている。
これにより、オペレータは、表示された鋼帯コイルの端面形状から欠陥発生の有無を判断することができる。さらに、鋼帯コイルの端面形状のパターンから、欠陥の種類を判別することも可能となる。
このように、メンテナンス面で好適な構成で鋼帯コイルの端面形状を測定することができるので、その測定結果をもとに鋼帯端部に発生している耳伸び、耳割れ、巻きずれ等の欠陥を適切に検出することができる。
(第1の実施形態)
(構成)
図1は、本実施形態におけるコイル形状測定装置の構成を示す図である。
図中、符号1は鋼帯コイル(以下、単にコイルという)である。このコイル1は、冷間圧延処理、焼鈍処理、メッキ処理等のラインに装入する前の鋼帯がコイル状に巻き取られたものである。なお、以下の説明では、コイル端面の円の半径にあたる軸を半径方向、コイル端面の円の角度にあたる軸を円周方向、コイル端面の凹凸方向にあたる軸を幅方向という。
図2は、鋼帯端部に発生する欠陥の種類について示す図である。図2において、(a)はヘゲ、(b)は耳伸び、(c)は巻きずれを示す図である。
レーザー光源11は、コイル端面に半径方向の測定幅Lrのスリット光11aを照射する。本実施形態では、測定幅Lrは、コイル1の外半径と内半径との差よりも短いものとする。ここで、測定幅Lrは、カメラ台数Nc(ここではNc=1)、半径方向のカメラ画素数Np及び半径方向のカメラ分解能Rrを用いて、次式で表される。
Lr=Nc・Np・Rr ………(1)
レーザー光源11及びカメラ12は、コイル1の中心軸Cから半径方向に所定距離だけ離れた測定位置に配置されるように、半径方向に延在するアーム13に保持されている。ここで、レーザー光源11及びカメラ12は、相対位置関係を保ったまま、アーム13の一端から中央位置までの間を移動可能に保持されている。つまり、レーザー光源11及びカメラ12の測定位置は、アーム13の一端から中央位置までの間で任意の位置に移動可能となっている。
このように、レーザー光源11及びカメラ12は、コイル端面の円と同心円状の円周方向と半径方向に移動可能となっており、これにより、コイル端面全体を撮像可能となっている。
図3は、欠陥検出部21で実行する欠陥検出処理手順を示すフローチャートである。
先ず、ステップS1で、欠陥検出部21は、コイル端面の測定準備が完了しているか否かを判定する。ここでは、巻き取りが完了したコイル1が、コイル形状測定装置10による測定が開始可能な位置に配置された状態であるか否かを判定する。そして、コイル測定準備が完了していないと判定した場合にはそのまま待機し、コイル測定準備が完了していると判定した場合にはステップS2に移行する。
N=int{(Or−Ir)/Lr+1} ………(2)
ここで、int( )は、括弧内の演算結果の小数点以下を切り捨てる関数である。また、図4に示すように、Orはコイル外半径、Irはコイル内半径、Lrは上記(1)式で表されるスリット光11aの測定幅である。すなわち、ここでは、カメラ12によってコイル端面全体を撮像するのに要する回転回数を算出する。
ステップS4では、欠陥検出部21は、コイル1の中心軸Cからレーザー光源11及びカメラ12の測定位置までの半径方向の距離を示す測定半径Xr(K)を算出し、ステップS5に移行する。
Xr(K)=Ir+(K−1/2)Lr ………(3)
ステップS5では、欠陥検出部21は、アーム13を回転する速度である測定速度V(K)を算出し、ステップS6に移行する。
V(K)=f/Y(K)
=f・Rθ/{2π・Xr(K)} ………(4)
次にステップS7では、欠陥検出部21は、回転軸14が前記ステップS5で算出した測定速度V(K)で回転するように、駆動部23を駆動制御して回転軸14を回転する。また、このとき、回転軸14を回転させながらカメラ12によってコイル端面画像を撮像する。
ステップS9では、欠陥検出部21は、測定カウントKをインクリメントし、ステップS10に移行する。
ステップS10では、欠陥検出部21は、測定カウントKが前記ステップS2で算出した最大測定回転回数Nに達しているか否かを判定する。そして、K<Nである場合には前記ステップS4に移行し、K=Nである場合にはステップS11に移行する。
なお、図1において、レーザー光源11が投光手段に対応し、カメラ12が撮像手段に対応し、アーム13が保持手段に対応し、回転軸14及び回転手段に対応し、駆動部23が移動手段に対応している。また、欠陥検出部21が形状測定手段に対応し、表示部22が表示手段に対応している。
次に、本実施形態の動作について説明する。
鋼帯をコイル状に巻き取ったコイル1は、先ず、製造ライン外に設置されたコイル形状測定装置10によるコイル端面測定位置へ運ばれる。そして、そのコイル端面測定位置にて、光切断法を利用したラインレーザー変位計を用いてコイル1の端面形状を測定する。
始めに、測定カウントK=1に設定し(図3のステップS3)、コイル端面の最内径部の測定を行う。このとき、測定半径Xr(1)は、上記(3)式をもとに、Xr(1)=Ir+(1/2)Lrに設定され(ステップS4)、測定速度V(1)は、上記(4)式をもとに、V(1)=f・Rθ/{2π・Xr(1)}に設定される(ステップS5)。
したがって、この測定1回目では、レーザー光源11及びカメラ12は、駆動部23によって、図5の点P1で示すコイル1の中心軸Cから半径方向にXr(1)だけ離れた位置に移動される(ステップS6)。
これにより、最内径部の1周分のデータ(斜線で示す測定領域E1のデータ)を取得することができる。そして、カメラ12によって撮像した画像を光切断法に従い解析すると、コイル端面の三次元形状が得られる(ステップS8)。この解析結果は、オペレータが視認可能なように表示部22に表示される。
このように、表示部22に表示された解析結果を確認することで、オペレータはコイル1の端面形状を認識することができる。
最内径部の測定が終了すると、測定カウントK=2とし(ステップS9)、1つ外側の測定半径Xr(2)と測定速度V(2)とを決定する(ステップS4,S5)。このとき、測定半径Xr(2)は、上記(3)式をもとに、Xr(2)=Ir+(3/2)Lrに設定され、測定速度V(2)は、上記(4)式をもとに、V(2)=f・Rθ/{2π・Xr(2)}に設定される。測定速度V(2)は、測定速度V(1)よりも遅い速度となる。
このように、最内径部から外径部へ向けて測定領域を移動させながら、コイル1の端面形状を測定する。そして、最外形部の測定が終了しK=Nとなると(ステップS10でYes)、コイル1の端面形状の測定を完了する(ステップS11)。
次に、実施例により本発明の効果を具体的に説明する。
ここでは、実施例として、冷間圧延設備の出側に本コイル形状測定装置10を適用し、コイル1の端面形状を測定した。すなわち、冷間圧延設備による圧延後にコイル1を抜き出し、コイル形状測定装置10によるコイル端面検査を行った。
その結果、凹ヘゲ(耳割れ)2については、幅方向2.5mm×円周方向4.0mmの欠陥サイズのものまで検出することができた。また、凸ヘゲ3については、幅方向1.0mm×円周方向1.0mmの欠陥サイズのものまで検出することができた。さらに、耳伸び3については、半径方向1.8mm×円周方向62mmの欠陥サイズのものまで検出することができた。
このように、本コイル形状測定装置10は、製造ラインを移動中の鋼帯に対して測定を行うものではないため、装置の鋼帯長手方向(円周方向)の分解能がライン速度に左右されることがなく、微小欠陥を適切に検出することができる。
さらに、オペレータがライン装入前にコイル端面を目視で検査する必要がないため、検査に要する時間や人員を削減することができる。そのため、小径コイル操業時のコイルピッチが短い場合であっても、入側段取り作業のネックによるライン速度低下を防止することができるなど、ラインの増産が可能となる。
さらに、レーザー光源及びカメラの回転速度を、撮像するデータ数が少ない内径側ほど速く設定するので、全体の測定時間を短縮することができる。
なお、上記実施形態においては、表示部22に表示された解析結果から、オペレータが目視により欠陥発生の有無を判断する場合について説明したが、コイル形状測定装置10が撮像画像の解析結果と正常時のデータとを比較することで、欠陥発生の有無を自動的に判断し、その判断結果を表示部22に表示するようにしてもよい。更には、欠陥の種類(ヘゲ、耳伸び、巻きずれ等)に応じて解析結果のパターンが異なることを利用し、解析結果に基づいて欠陥の種類を判別し、これを表示部22に表示することもできる。
さらに、上記実施形態においては、コイル端面全体を測定対象とする場合について説明したが、コイル端面の特定領域(例えば、外径部側の一定領域)のみを測定対象とすることもできる。
Claims (5)
- 光切断法により鋼帯コイルの端面形状を測定するコイル形状測定装置であって、
前記鋼帯コイルの端面に対して、当該鋼帯コイルの半径方向にスリット光を照射する投光手段と、
前記投光手段により前記鋼帯コイルの端面に照射されたスリット光が形成する像を、前記スリット光の照射方向とは異なる角度から撮像する撮像手段と、
前記投光手段及び前記撮像手段を、前記鋼帯コイルの中心軸から当該鋼帯コイルの半径方向に所定距離だけ離れた測定位置で保持する保持手段と、
前記保持手段を、前記鋼帯コイルの中心軸を中心に回転する回転手段と、
前記回転手段で前記保持手段を回転させながら前記撮像手段で撮像した画像に対して所定の画像処理を施す光切断法により、前記鋼帯コイルの端面形状を測定する形状測定手段と、を備えることを特徴とするコイル形状測定装置。 - 前記投光手段が、前記鋼帯コイルの端面に対して、前記鋼帯コイルの外半径と内半径との差よりも短い前記スリット光を照射するように構成される場合、
前記投光手段と前記撮像手段との相対位置関係を保ったまま、前記保持手段を異なる前記測定位置に移動可能な移動手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のコイル形状測定装置。 - 前記回転手段は、前記測定位置が前記鋼帯コイルの端面の内径部側であるほど、前記保持手段の回転速度を速くすることを特徴とする請求項2に記載のコイル形状測定装置。
- 前記形状測定手段で測定した前記鋼帯コイルの端面形状を表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のコイル形状測定装置。
- 光切断法により鋼帯コイルの端面形状を測定するコイル形状測定方法であって、
前記鋼帯コイルの端面に対して、当該鋼帯コイルの半径方向にスリット光を照射する光源と、前記鋼帯コイルの端面に照射されたスリット光が形成する像を、前記スリット光の照射方向とは異なる角度から撮像するカメラとを、前記鋼帯コイルの中心軸から当該鋼帯コイルの半径方向に所定距離だけ離れた測定位置で保持した状態で、前記鋼帯コイルの中心軸を中心に回転させ、このときカメラで撮像した画像に対して所定の画像処理を施す光切断法により、前記鋼帯コイルの端面形状を測定することを特徴とするコイル形状測定方法。
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