JP7468571B2 - 鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法、巻き形状判定方法および処置工程設定方法、ならびに鋼帯コイルの製造方法 - Google Patents

鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法、巻き形状判定方法および処置工程設定方法、ならびに鋼帯コイルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法、巻き形状判定方法および処置工程設定方法、ならびに鋼帯コイルの製造方法に関する。
鉄鋼製品である薄鋼板は、熱延ラインや冷延ラインなどにより板厚0.1~25mm程度の鋼帯として製造され、巻取機によりコイル状に巻かれた状態で製造工程間で搬送され、鋼帯製品として出荷されるのが一般的である。このようなコイル状に巻かれた鋼帯は、鋼帯コイルと呼ばれる。
薄鋼板の品質保証のための検査では、薄鋼板の機械的性質や表面品質等に加えて、鋼帯コイルの巻き形状も検査対象とされる。鋼帯コイルに巻かれた状態の薄鋼板に対する品質検査は、鋼帯コイルの側面を観察して、割れ、擦れ、折れ曲がり等の品質不良が生じていないか否かを判定することにより行われる。このように、鋼帯コイルの側面に生じる欠陥は、「耳痛み」等と呼ばれる。
ここで、熱延ラインで製造された鋼帯が幅方向で蛇行しながら巻取機に巻き取られると、鋼帯コイルの側面の一部がコイルの幅方向に突出することがあり、このような形状は「テレスコープ」と呼ばれる。このテレスコープも鋼帯コイルの品質不良となるため、検査対象とされる。テレスコープには、鋼帯コイルの内周部がコイル幅方向に突出する内周部テレスコープ状、鋼帯コイルの外周部がコイル幅方向に突出する外周部テレスコープ状、鋼帯コイルの内周部と外周部がコイル幅方向に突出する椀形テレスコープ状等の形態がある。例えば特許文献1には、熱延ラインで製造された鋼帯が幅方向で蛇行しないようにセンタリングしながらコイラーに巻き取ることによりテレスコープの発生を防ぐための、鋼帯の巻取り方法が開示されている。
鋼帯コイルにテレスコープが生じていると、コイルの軸心が上下方向を向く状態で鋼帯コイルが搬送されるとき、搬送装置に接触するコイル側面部に、割れ、擦れ、折れ曲がりなどの欠陥が発生しやすく、最終的に耳痛み等の欠陥となることがある。以下では、鋼帯コイルの品質検査において品質不良と判定される耳痛みやテレスコープ等の態様を含め、鋼帯がコイル状に巻かれた形態を「巻き形状」と呼ぶものとする。
特開2006-61934号公報 特開2010-210388号公報
ここで、鋼帯コイルの巻き形状の検査は、判定者が目視することにより行われるのが一般的である。具体的には、判定者が鋼帯コイルに近づき、その側面に懐中電灯等で光を照射しながら、巻き形状の良/不良を判定している。しかし、熱延ラインで巻き取られた直後の鋼帯コイルは高温であるため、判定者は鋼帯コイルからある程度離れた位置から巻き形状を判定しなければならず、検査結果のばらつきが大きいという問題があった。
このような問題に対応して、特許文献2には、鋼帯コイルの巻き形状の良/不良を判定しやすくするための、コイル状鋼帯の側面撮像方法および側面観察装置が開示されている。特許文献2に開示される技術では、鋼帯コイルの側面から光を照射する照射条件と、鋼帯コイルの側面部を撮像する撮像条件とを所定の関係に設定することで、鋼帯コイルの巻き形状の鮮明な画像を取得するようにしている。そして、判定者が、鮮明な画像を参照して、鋼帯コイルの巻き形状の良/不良を判定することで、高温の鋼帯コイルを直接目視で観察する必要が無くなる。
しかし、特許文献2に開示される技術によって、鋼帯コイルの巻き形状を撮像して鮮明な画像が得られるようになっても、巻き形状の良/不良の判定は、得られた画像を判定者が目視で観察することによって行われることに変わりはなかった。このため、巻き形状の良/不良の判定結果が判定者によってばらついており、鋼帯コイルの品質向上や製造トラブル防止を図る上で、鋼帯コイルの巻き形状の判定には、まだ改善の余地があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、鋼帯コイルが最終製品となった後に所定の品質基準を満たすようにする上で、鋼帯の各製造工程で鋼帯コイルの巻き形状の修正を行う必要があるか否かを自動的かつ的確に判定できる、鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法、巻き形状判定方法および処置工程設定方法、ならびに鋼帯コイルの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の特徴を有する。
[1] 鋼帯コイルが最終製品となった後に所定の品質基準を満たすようにする上で、製造途上の前記鋼帯コイルの巻き形状の修正が必要か否かの判定が行われる毎に、前記巻き形状の画像データと、前記品質基準の内容に関する品質基準データと、前記判定の結果に関する判定結果データとを含むデータセットを蓄積して判定実績データベースを形成し、前記判定実績データベースを用いて機械学習を行うことにより、前記画像データおよび前記品質基準データを入力すると前記判定結果データを出力する巻き形状判定モデルを生成する、鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法。
[2] 前記品質基準データは、鋼帯コイルの製品規格に関する情報、鋼帯コイルの形状または重量に関する情報、鋼帯コイルの出荷先に関する情報、および巻き形状の判定が行われた後の前記鋼帯コイルが最終製品になるまでに通過する製造工程に関する情報の少なくとも一つを含む、[1]に記載の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法。
[3] 前記機械学習では、ニューラルネットワーク、決定木学習、ランダムフォレスト、およびサポートベクター回帰の少なくとも一つを用いる、[1]に記載の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法。
[4] 前記機械学習では、ニューラルネットワーク、決定木学習、ランダムフォレスト、およびサポートベクター回帰の少なくとも一つを用いる、[2]に記載の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法。
[5] 製造途上の鋼帯コイルの巻き形状の画像データおよび前記鋼帯コイルが最終製品となった後に満たすべき品質基準に関する品質基準データを取得し、
取得した前記画像データおよび前記品質基準データを、[1]~[4]のいずれかに記載の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法によって生成された前記巻き形状判定モデルに入力して前記判定結果データを出力し、出力した前記判定結果データに基づいて、前記鋼帯コイルが最終製品となった後に前記品質基準を満たすようにする上で、製造途上の前記鋼帯コイルの前記巻き形状の修正が必要か否かを判定する、鋼帯コイルの巻き形状判定方法。
[6] 鋼帯コイルの最終製品が所定の品質基準を満たすようにする上で、製造途上の前記鋼帯コイルの巻き形状の修正が必要と判定された場合に、前記巻き形状の修正を行う処置工程の設定が行われる際に、前記巻き形状の画像データと、前記品質基準に関する品質基準データと、前記処置工程の内容に関する処置データとを含むデータセットを蓄積して処置実績データベースを形成し、[5]に記載の鋼帯コイルの巻き形状判定方法によって前記巻き形状の修正が必要と判定された、製造途上の前記鋼帯コイルの前記画像データおよび前記品質基準データとの類似度が最も高い前記画像データおよび前記品質基準データを含む前記データセットを前記処置実績データベースから検索し、検索した前記データセットに含まれる前記処置データに基づいて前記処置工程の設定を行う、鋼帯コイルの処置工程設定方法。
[7] 鋼帯コイルが最終製品となった後に所定の品質基準を満たすようにする上で、製造途上の前記鋼帯コイルの巻き形状の修正が必要か否かの判定が行われる毎に、前記巻き形状の画像データと、前記品質基準の内容に関する品質基準データと、前記判定の結果に関する判定結果データとを含むデータセットを蓄積して判定実績データベースを形成し、前記判定によって必要とされた前記巻き形状の修正を行う処置工程の設定が行われる毎に、前記巻き形状の画像データと、前記品質基準に関する品質基準データと、前記処置工程の内容に関する処置データとを含むデータセットを蓄積して処置実績データベースを形成し、前記判定実績データベースおよび前記処置実績データベースを用いて機械学習を行うことにより、前記画像データおよび前記品質基準データを入力すると、前記判定結果データと、前記巻き形状の修正が必要と判定される場合にはさらに前記処置データを出力する巻き形状判定モデルを生成する、鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法。
[8] 前記品質基準データは、鋼帯コイルの製品規格に関する情報、鋼帯コイルの形状または重量に関する情報、鋼帯コイルの出荷先に関する情報、および巻き形状の判定が行われた後の前記鋼帯コイルが最終製品になるまでに通過する製造工程に関する情報の少なくとも一つを含む、[7]に記載の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法。
[9] 前記機械学習では、ニューラルネットワーク、決定木学習、ランダムフォレスト、およびサポートベクター回帰の少なくとも一つを用いる、[7]に記載の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法。
[10] 前記機械学習では、ニューラルネットワーク、決定木学習、ランダムフォレスト、およびサポートベクター回帰の少なくとも一つを用いる、[8]に記載の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法。
[11] 製造途上の鋼帯コイルの巻き形状の画像データおよび前記鋼帯コイルが最終製品となった後に満たすべき品質基準に関する品質基準データを取得し、
取得された前記画像データおよび前記品質基準データを、[7]~[10]のいずれかに記載の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法によって生成された前記巻き形状判定モデルに入力して前記判定結果データを出力させ、
出力された前記判定結果データに基づいて、前記鋼帯コイルが最終製品となった後に前記品質基準を満たすようにする上で、製造途上の前記鋼帯コイルの前記巻き形状の修正が必要か否かを判定する、鋼帯コイルの巻き形状判定方法。
[12] [11]に記載の鋼帯コイルの巻き形状判定方法によって前記巻き形状が前記品質基準を満たさないと判定された前記鋼帯コイルに対し、前記処置データに基づいて前記処置工程を適用する、鋼帯コイルの処置工程設定方法。
[13] [5]に記載の鋼帯コイルの巻き形状判定方法によって前記巻き形状が前記品質基準を満たすと判定された前記鋼帯コイルを製造する、鋼帯コイルの製造方法。
[14] [11]に記載の鋼帯コイルの巻き形状判定方法によって前記巻き形状が前記品質基準を満たすと判定された前記鋼帯コイルを製造する、鋼帯コイルの製造方法。
[15] [6]に記載の鋼帯コイルの処置工程設定方法によって、製造途上の前記鋼帯コイルの前記巻き形状を修正して、最終製品となった後に前記品質基準を満たすようにした鋼帯コイルを製造する、鋼帯コイルの製造方法。
[16] [12]に記載の鋼帯コイルの処置工程設定方法によって、製造途上の前記鋼帯コイルの前記巻き形状を修正して、最終製品となった後に前記品質基準を満たすようにした鋼帯コイルを製造する、鋼帯コイルの製造方法。
本発明の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法、巻き形状判定方法および処置工程設定方法、ならびに鋼帯コイルの製造方法によれば、鋼帯コイルが最終製品となった後に所定の品質基準を満たすようにする上で、鋼帯の各製造工程で鋼帯コイルの巻き形状の修正を行う必要があるか否かを、自動的かつ的確に判定できる。
図1は、巻取機による鋼帯コイルの巻取りを含む巻取工程の一例を示す図である。 図2(a)および図2(b)は、鋼帯コイルの巻き形状不良の一例である耳痛みを示す写真である。 図3(a)~図3(d)は、鋼帯コイルの巻き形状不良の他の一例であるテレスコープを示す図である。 本発明の第一実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定方法の流れを示す図である。 本発明の第一実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定方法および鋼帯コイルの製造方法を実行する製造制御システムの全体構成を示す図である。 図6(a)は、鋼帯コイルの側面の突出量の測定位置の一例を示す図であり、図6(b)は、測定された鋼帯コイルの側面の突出量をチャート形式で表現した画像情報の一例を示す図である。 本発明の第一実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法の流れを示す図である。 本発明の第二実施形態の鋼帯コイルの処置工程設定方法の流れを示す図である。 本発明の第三実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定方法の流れを示す図である。 本発明の第三実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法の流れを示す図である。 本発明に係る鋼帯コイルの巻き形状判定方法における機械学習であるニューラルネットワークの一例を示す図である。 従来の鋼帯コイルの巻き形状判定方法の流れを示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法、巻き形状判定方法および処置工程設定方法、ならびに鋼帯コイルの製造方法の実施形態について、具体的に説明する。
<鋼帯の巻取工程>
まず、本実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法、巻き形状判定方法および処置工程設定方法、ならびに鋼帯コイルの製造方法の適用対象となる鋼帯コイルが製造される、薄鋼板の製造工程における鋼帯の巻取工程について説明する。
薄鋼板の製造工程では、まず熱延ラインでスラブを熱間圧延して薄鋼板とし、さらに熱延ラインの終端部に設けられた巻取機(コイラーともいう)によって熱間圧延後の薄鋼板をコイル状に巻き取って、鋼帯コイル(熱延コイル)にする。熱延ラインでは、熱間圧延後の薄鋼板の鋼帯を巻き取る際に、鋼帯コイルの巻き形状が悪化しやすいため、巻き形状の合否判定を適切に行うことが、品質管理上重要である。
また、熱延ラインで製造された鋼帯コイル(熱延コイル)は、そのまま製品として出荷することもあるが、鋼板製品の種類に応じて、さらに酸洗ライン、冷間圧延ライン、連続焼鈍ライン、表面処理ライン、調質圧延ライン等、種々の工程に分岐して処理することも多い。これらの各製造ラインでも、ラインの終端部に設けられた巻取機によって、ラインでの処理後の薄鋼板を再度コイル状に巻き取って、鋼帯コイルにした上で、次の製造ラインに搬送するか、または製品出荷のための出荷ヤードに搬送する。例えば、薄鋼板の冷間圧延ラインで巻き取られた鋼帯コイルは、次工程である連続焼鈍工程を行う連続焼鈍ラインに搬送される。そして、連続焼鈍工程が行われた後、連続焼鈍ラインに連続して設けられる調質圧延ラインで調質圧延工程が行われ、検査工程を経た後、再び巻き取られて鋼帯コイルとされる。製品出荷のための出荷ヤードでは、鋼帯コイルの巻き形状を含む薄鋼板の品質が、所定の基準を満たしているか否かを検査した後、鋼帯コイルの梱包等を行い、鋼帯製品として出荷する。
ここで、ある製造ラインで巻き取られた鋼帯コイルの巻き形状が不良となった場合に、次工程にそのまま搬送してしまうと、次工程で製造トラブルや鋼帯製品の品質トラブルを生じさせうる。よって、次の生産ラインまたは出荷ヤードに搬送される前に、鋼帯コイルの巻き形状の合否判定を適切に行うことが、品質管理上重要である。
例えば、熱延ラインで巻き取られた鋼帯コイルにテレスコープが生じており、このまま酸洗ラインに搬送して次工程となる酸洗工程を行うと、酸洗工程で鋼帯の蛇行等の製造トラブルが生じやすくなる。そこで、このような場合には、鋼帯コイルを当初の製造計画どおりに酸洗ラインに搬送するのではなく、その前にリコイル工程や調質圧延工程に送り、鋼帯コイルを巻き直して巻き形状を改善したのち、酸洗工程に移行することが好ましい。このように、複数の製造工程を経て鋼帯製品を製造する場合の、途中の工程における鋼帯コイルの巻き形状についても、鋼帯コイルの巻き形状の合否判定を適切に行うことにより、各製造ラインでの製造トラブルの発生を抑制できる。
本実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法、巻き形状判定方法、処置工程設定方法、および鋼帯コイルの製造方法は、このような複数の製造工程を経て鋼帯製品を製造する際に、各製造工程において巻取機で巻き取られた鋼帯コイルを対象として適用される。このうち、特に熱延ラインで巻き取られる鋼帯コイル(熱延コイル)は、上述のとおり巻き形状が悪化しやすいため、本実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法、巻き形状判定方法、処置工程設定方法、および鋼帯コイルの製造方法は、特に熱延ラインで製造される鋼帯コイル(熱延コイル)に適用することが好ましい。
図1に、巻取機による鋼帯コイルの巻取りを含む巻取工程の一例を示す。図1には、熱延ラインの出側で行われる巻取工程の例を示している。図1に示すように、熱延ラインの仕上圧延機を出て、ランアウトテーブルで冷却された鋼帯Sは、巻取機71によって巻き取られ、鋼帯コイルCとされる。巻き取られた鋼帯コイルCは搬送台車(図示せず)に移載されて移動され、バインダ72により鋼帯コイルCの外周部にバンド掛けが行われる。さらに、鋼帯コイルCの外面に、コイルマーカー73によって、鋼帯コイルの製造管理番号や製品番号等の情報が印字される。そして、秤量機74によって、鋼帯コイルCの重量が測定され、その後移載機76によって鋼帯コイルCがコイルヤード(図示せず)に移動される。
なお、薄鋼板の製造工程において、鋼帯コイルとして巻き取られる薄鋼板は、板厚0.1~25mm程度である。このうち、本実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法、巻き形状判定方法、処置工程設定方法、および鋼帯コイルの製造方法が主な対象とする鋼帯コイルを構成する薄鋼板の厚さは、0.1~8mmである。また、本実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法、巻き形状判定方法、処置工程設定方法、および鋼帯コイルの製造方法が主な対象とする鋼帯コイルの板幅は600~2400mm程度であり、鋼帯コイルの重量は2~40ton程度である。
<巻き形状の品質不良>
図2(a)および図2(b)に、鋼帯コイルの巻き形状不良の一例である、耳痛みの写真を示す。耳痛みは、鋼帯コイルCの状態に巻き取られた鋼帯の板幅方向端部に、割れ、擦れ、折れ曲がり等が発生した結果、鋼帯コイルを側面から観察したときに、巻き取られた鋼帯の層形状に乱れが観察される巻き形状不良である。
また、図3(a)~図3(d)を参照して、鋼帯コイルの巻き形状不良の他の一例であるテレスコープについて説明する。図3(a)は鋼帯コイルCの側面図であり、図3(b)~図3(d)は、図3(a)に示す鋼帯コイルCのIII-III断面図である。
鋼帯コイルの巻き形状が良好な場合は、図3(b)に示すように、鋼帯コイルCの断面形状は略矩形となる。これに対し、鋼帯コイルCにテレスコープが生じている場合は、図3(c)または図3(d)に示すように、鋼帯コイルCの断面形状は鋼帯の板幅方向に凹凸を有する。内周部テレスコープは、図3(c)に示すように鋼帯コイルCの内周側の断面に凹凸が生じる形態である。外周部テレスコープは、図3(d)に示すように鋼帯コイルCの外周側の断面に凹凸が生じる形態である。また、鋼帯コイルCの内周部および外周部の断面に凹凸が生じる、椀形テレスコープ等の形態もある。これらのテレスコープの凹凸の大きさは、鋼帯コイルCの側面を斜め方向から観察すると、視覚的に判定しやすい。
<従来の鋼帯コイルの巻き形状判定方法>
ここで、図12を参照して、従来の鋼帯コイルの巻き形状判定方法の手順について説明する。図12は、工程Aを行う製造ラインの終端部に設けられた巻取機で巻き取られた鋼帯コイルの巻き形状を判定する例を示す。
まず、工程Aで巻き取られた鋼帯コイルに対し、この製造ラインで巻き形状の一次判定が行われる。鋼帯コイルの巻き形状の一次判定は、巻き形状が良好であることを示す「合格」、または巻き形状が良好でないことを示す「不合格」のように、巻き形状の品質について合否を判定するものである。ただし、判定者の目視等による評価では、巻き形状の「合格」、「不合格」を必ずしも明確に判定できない場合もある。そこで、2段階の合否判定に代えて、「合格」、「保留」、「不合格」または「良」、「可」、「不可」のような3段階評価や、4段階以上での評価を行う場合もある。
例えば、熱延ラインで巻き取られた鋼帯コイルの場合、巻き形状の一次判定は、図1に示す秤量機74によって鋼帯コイルCの重量を測定するのと同時に、判定者が鋼帯コイルCの側面を目視により観察することにより行われることが多い。このとき、特許文献2に開示されるように、鋼帯コイルCに光を照射しつつその側面を撮像し、光の照射条件と撮像条件とを所定の関係に設定することで、鋼帯コイルCの巻き形状を鮮明な画像として取得する場合もある。この場合は、検査室等に設けられたモニター画面に画像を映写して、この画像を判定者が目視により観察することにより、一次判定が行われる。
また、巻取り後の鋼帯コイルCが秤量機74に積載された状態で、基準となる壁面から鋼帯コイルの一方の端面までの距離を、非接触式の距離計等からなる巻形状計75により測定して、鋼帯コイルCの側面の凹凸形状を数値情報として取得する場合もある。この場合は、巻形状計75により取得された凹凸形状の数値が、予め設定された閾値よりも大きいときに、巻き形状の一次判定結果を「不合格」とすることがある。しかし、このような巻形状計75による自動計測で取得される、鋼帯コイルの側面の凹凸形状の数値情報からは、耳痛みを検出することは困難である。そこで、巻形状計75によって鋼帯コイルCの側面の凹凸形状の数値を取得する場合も、判定者の目視による一次判定は省略しない。
鋼帯コイルの巻き形状の一次判定で「合格」と判定された鋼帯コイルは、当初予定されていた製造計画に従って、次工程または出荷工程に搬送される。一方、一次判定で「不合格」と判定された鋼帯コイルに対しては、二次判定が行われる。二次判定は、一次判定とは異なる判定者によって行われることが多い。
二次判定では、鋼帯コイルの巻き形状の一次判定の結果、次工程以降の製造計画、鋼帯コイルが最終製品となったときに満たすべき製品規格等を考慮し、当初予定されていた製造計画に従って鋼帯コイルの生産を継続して良いか否かを、総合的に判断する。当初予定されていた製造計画どおりの工程で鋼帯コイルの生産を継続しても、鋼帯コイルが最終製品となったときに所定の品質基準を満たすことが出来ると判断される場合は「合格」と判定し、そうでない場合は「不合格」と判定する。二次判定で「不合格」と判定された鋼帯コイルに対しては、二次判定を行った判定者が、当初予定されていた製造計画には含まれない処置工程(工程の追加や、当初予定されていた製造計画中の工程の一部変更等)を決定する場合もある。そして、このような処置工程を行うことにより、鋼帯コイルの巻き形状を修正してから、鋼帯コイルを次工程または出荷工程に搬送する。追加される処置工程としては、例えば、鋼帯コイルの巻き直しを行うリコイル工程、鋼帯の板幅端部を切り落とすトリミング工程、鋼帯コイルの長手方向の一部を切断して除去する切断工程等がある。
(第一実施形態)
以下、第一実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定方法および巻き形状判定モデルの生成方法、ならびに鋼帯コイルの製造方法について説明する。
図4に、本実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定方法の処理の流れを示す。また、図5に、本実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定方法および鋼帯コイルの製造方法を実行する巻き形状判定部1および鋼帯コイルの製造計画を統括する上位計算機6を含む製造制御システムの全体構成を、模式的に示す。
<鋼帯コイルの巻き形状判定方法>
本実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法により生成される巻き形状判定モデルは、鋼帯コイルが最終製品となった後に所定の品質基準を満たすようにする上で、製造途上の鋼帯コイルの巻き形状の修正を行う必要があるか否かの判定を、自動的に行うのに用いられる。
図4および図5に示すように、本実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定方法は、汎用コンピュータ等からなる巻き形状判定部1により実行される。図5に示すように、巻き形状判定部1は、例えば、上位計算機6と通信可能な汎用コンピュータまたはタブレット端末等により構成されている。または、これに代えて、巻き形状判定部1の機能を、上位計算機6の内部に設けてもよい。
以下、図4および図5を参照して、巻き形状判定部1によって実行される鋼帯コイルの巻き形状判定方法の処理について説明する。
まず、図5に示すように、鋼帯コイルの巻き形状の判定が行われる工程Aの終端部に設けられた巻取機によって鋼帯が巻き取られて、鋼帯コイルとなる。そして、この鋼帯コイルの側面がカメラ(図示せず)により撮影されて、鋼帯コイルの巻き形状の画像データ(詳しくは後述する)を取得され、上位計算機6に送信される。
上位計算機6には、各種鋼帯コイルが最終製品となった後に満たすべき品質基準に関する品質基準データ(具体的には後述する)が、予め格納されている。上位計算機6は、鋼帯コイルの巻き形状の画像データを受信すると、この鋼帯コイルが最終製品となった後に満たすべき品質基準に関する品質基準データを、鋼帯コイルに表示されたコイル番号等の識別情報を用いて特定する。鋼帯コイルの識別情報は、例えば鋼帯コイルの画像データから取得できる。そして、上位計算機6は、鋼帯コイルの画像データおよび特定した品質基準データを、巻き形状判定部1に送信する。このようにして、巻き形状判定部1が、鋼帯コイルの巻き形状の画像データおよび鋼帯コイルの品質基準データを受信すると、鋼帯コイルの巻き形状判定方法の処理が開始される。
巻き形状判定部1には、画像データおよび品質基準データを入力すると、この入力値に対応する判定結果データ(具体的には後述する)を出力する巻き形状判定モデルが、予め格納されている。巻き形状判定部1は、上位計算機6から鋼帯コイルの巻き形状の画像データおよび鋼帯コイルの品質基準データを受信すると、これら画像データおよび品質基準データを巻き形状判定モデルに入力する。この入力値に対応して、巻き形状判定モデルから、鋼帯コイルの巻き形状が最終製品となった後に所定の品質基準を満たすか否かの判定の結果に関する判定結果データが出力される。
巻き形状判定モデルから出力された判定結果データは、鋼帯コイルの巻き形状の画像データおよび鋼帯コイルの品質基準データとともに、巻き形状判定部1に備えられたモニターなどの出力装置に出力される。そして、判定者が、巻き形状判定部1から出力された判定結果データに基づいて、鋼帯コイルの巻き形状の修正を行う必要があるか否かを判定する。判定者は、出力された判定結果データに含まれる判定結果の内容にそのまま従って、鋼帯コイルの巻き形状の修正を行う必要があるか否かについて判定を行ってもよい。あるいは、判定者は、判定結果データとともに出力される鋼帯コイルの巻き形状の画像データおよび鋼帯コイルの品質基準データを総合的に考慮して、鋼帯コイルの巻き形状の修正を行う必要があるか否かについての二次判定を行ってもよい。
さらに、判定者は、巻き形状判定部1から出力された判定結果データに基づいて、鋼帯コイルの巻き形状の修正を行う必要があると判定する場合は、判定結果データとともに出力される鋼帯コイルの巻き形状の画像データおよび鋼帯コイルの品質基準データを参照して、鋼帯コイルの巻き形状の修正を行う処置工程を設定することができる。具体的には、判定者は、上位計算機6に対して処置データの入力操作を行うことにより、巻き形状の修正を行う必要があると判定した鋼帯コイルに対して設定する処置工程の内容を指定できる。
・鋼帯コイルの巻き形状の画像データ
巻き形状判定部1の巻き形状判定モデルに入力されるデータの一つである、鋼帯コイルの巻き形状の画像データとは、鋼帯コイルの巻き形状の判定に利用可能な、鋼帯コイルの外観に関する画像情報をいう。具体的には、鋼帯コイルの巻き形状の画像データとして、例えば、鋼帯コイルの外観をカメラにより静止画撮影して取得した写真、または動画撮影して取得した動画から切り取られた静止画等、鋼帯コイルの外観を直接撮像することによって得られる画像データを利用できる。
鋼帯コイルの外観を撮影して画像データを取得する際は、鋼帯コイルの巻き形状の判定に必要な視野および画像データの解像度が確保されるようにする。鋼帯コイルの巻き形状の画像データは、必ずしも一回の撮影で取得されたものでなくてもよく、例えば、鋼帯コイルの側面を異なる視野で複数回撮影して得られた複数の画像データを組み合わせたものであってもよい。
また、鋼帯コイルの巻き形状の画像データは、必ずしも鋼帯コイルの側面全体が一つの画像データに含まれるように撮影されたものでなくてもよい。例えば、鋼帯コイルにおける鋼帯の層形状の乱れに着目して、鋼帯コイルの側面の一部を高倍率で撮影して得られた画像データを用いてもよい。このような画像データを用いると、鋼帯の層形状の乱れを識別しやすくなり、鋼帯コイルの巻き形状の品質不良のうち、図2(a)および図2(b)に示すような耳痛みの判定を、容易かつ高精度に行うことができる。
また、鋼帯コイルの巻き形状の画像データには、鋼帯コイルの側面を、正面からではなく斜め方向から撮影したものを用いることが好ましい。このような画像データを用いると、鋼帯コイルの巻き形状の品質不良のうち、図3(c)および図3(d)に示すようなテレスコープの判定を、容易かつ高精度に行うことができる。さらに、特許文献2に開示されるような撮像方法を適用して、鋼帯コイルの側面に光を照射しながら鋼帯コイルの外観を撮影することで、鮮明な画像データを取得することが、さらに好ましい。
また、鋼帯コイルの側面を正面から撮影して得られた画像データと、鋼帯コイルの側面を斜め方向から撮影して得られた画像データとを組み合わせて用いることが、さらに好ましい。このようにすると、鋼帯コイルの側面を正面から撮影して得られた画像データおよび鋼帯コイルの側面を斜め方向から撮影して得られた画像データによって、鋼帯コイルの巻き形状の品質不良のうち、耳痛みおよびテレスコープの双方の判定を、容易かつ高精度に行うことができる。
また、鋼帯コイルの巻き形状の外形を測定装置等によって測定し、この測定結果を図、グラフ等の画像データの形式で表現したものも、鋼帯コイルの巻き形状に関する特徴量を含むため、鋼帯コイルの巻き形状の画像データとして利用できる。
例えば、図6(a)中に直線で示すように、鋼帯コイルの側面を径方向にスキャンする。そして、この測定結果から、鋼帯コイルの側面の突出量(鋼帯の板幅方向の変位)、すなわち鋼帯コイルのテレスコープの凹凸の大きさを、図6(b)に示すような図、グラフ等の画像データの形式で表現する。このようにして作成された画像データも、鋼帯コイルの巻き形状の画像データとして利用できる。
また、鋼帯コイルの巻き形状の画像データとして、鋼帯コイルの外観を撮影することによって得られた画像データと、鋼帯コイルの巻き形状の外形の測定結果を図、グラフ等の画像データの形式で表現したものとを組み合わせて用いることが、さらに好ましい。このようにすると、巻き形状判定モデルに入力される、鋼帯コイルの巻き形状に関する情報量が増加して、鋼帯コイルの巻き形状の判定を、さらに高精度に行うことができる。
・鋼帯コイルの品質基準データ
鋼帯コイルの巻き形状の画像データとともに、巻き形状判定部1の巻き形状判定モデルに入力されるデータである、鋼帯コイルの品質基準データは、鋼帯コイルの製品規格に関する情報、鋼帯コイルの形状または重量に関する情報、鋼帯コイルの出荷先に関する情報、および巻き形状の判定が行われた後の前記鋼帯コイルが最終製品になるまでに通過する製造工程に関する情報の少なくとも一つを含むものとする。
鋼帯コイルの製品規格に関する情報とは、具体的には、鋼帯コイルが最終製品になった状態で、規格品として満たすべき製品規格(日本産業規格JIS、米国材料試験協会規格ASTM、ドイツ工業規格DIN等)をいう。鋼帯コイルの製品規格によって最終製品に求められる品質の厳格さが異なるため、鋼帯コイルの製品規格に関する情報を鋼帯コイルの品質基準データとして用いることにより、製造途上の鋼帯コイルの巻き形状の修正が必要か否かの判定を適切に行える。
鋼帯コイルの形状または重量に関する情報とは、具体的には、鋼帯コイルを構成する鋼帯の板厚、板幅、長さや、鋼帯コイルの重量等をいう。鋼帯コイルの板厚が小さいほど、鋼帯の板幅方向端部で割れや折れ曲がりが発生しやすく、鋼帯コイルの巻き形状不良が発生しやすい。また、鋼帯コイルの板幅が狭いほど、テレスコープによる鋼帯コイルの側面の凹凸量が同一であっても、鋼帯コイルが最終製品になるまでに通過する製造ラインにおいて蛇行が発生しやすくなり、最終製品となった後の巻き形状不良が発生しやすい。さらに、鋼帯コイルの長さが長いほど、テレスコープが生じやすく、鋼帯コイルの重量が大きいほど、鋼帯コイルが搬送される際に自重の影響により耳痛みが発生しやすい。よって、鋼帯コイルの形状または重量に関する情報を鋼帯コイルの品質基準データとして用いることにより、製造途上の鋼帯コイルの巻き形状の修正が必要か否かの判定を適切に行える。
鋼帯コイルの出荷先に関する情報とは、具体的には、鋼帯コイルの納入先、鋼帯コイルの出荷委託先等をいう。鋼帯コイルの納入先によって鋼帯コイルが最終製品となった状態での品質要求基準が異なり、また、鋼帯コイルの出荷委託先であるコイルセンターによって鋼帯コイルの加工設備が異なりその品質要求水準が異なる。よって、鋼帯コイルの出荷先に関する情報を鋼帯コイルの品質基準データとして用いることにより、製造途上の鋼帯コイルの巻き形状の修正が必要か否かの判定を適切に行える。
巻き形状の判定が行われた後の鋼帯コイルが最終製品になるまでに通過する製造工程に関する情報とは、具体的には、巻き形状の判定が行われた後の鋼帯コイルが最終製品になるまでに通過する製造ラインの数や種類、製造ラインの通過順序、またはこれらに関する識別記号等をいう。巻き形状の判定が行われる製造工程から、鋼帯コイルが最終製品になるまでの間で、鋼帯コイルの巻き形状不良が矯正されて、巻き形状不良が解消される場合がある。また、判定を行う製造工程で発生した巻き形状不良が原因となって、その後の通過工程において巻き形状不良が悪化する場合もある。よって、巻き形状の判定が行われた後の前記鋼帯コイルが最終製品になるまでに通過する製造工程に関する情報を鋼帯コイルの品質基準データとして用いることにより、製造途上の鋼帯コイルの巻き形状の修正が必要か否かの判定を適切に行える。
・判定結果データ
本実施形態では、巻き形状判定モデルから出力される判定結果データとは、鋼帯コイルが最終製品となった後に所定の品質基準を満たすようにする上で、製造途上の鋼帯コイルの巻き形状の修正を行う必要があるか否かの判定の内容に関する情報をいう。判定結果データは、例えば、製造途上の鋼帯コイルの巻き形状の修正を行う必要がないことを示す「合格」、または巻き形状の修正を行う必要があることを示す「不合格」のように、2区分で出力する。この場合は、判定者は、巻き形状判定部1から2区分で出力される判定結果データに基づいて、製造途上の鋼帯コイルの巻き形状の修正を行う必要があるか否かを判定することになる。よって、判定者は、必ずしも二次判定を行う必要が無く、上述の従来の鋼帯コイルの巻き形状判定方法のような、一次判定および二次判定からなる2段階の判定を、一段階に簡略化できる。
あるいは、巻き形状判定モデルから出力される判定結果データを、「合格」、「保留」、「不合格」等の3段階、または4段階以上に細分化して出力するようにしてもよい。この場合は、3段階または4段階以上の各区分を、巻き形状の修正を行う処置工程の適用対象とはしないものと、するものとに、予め分類しておくものとする。
3段階または4段階以上の各区分のうち、巻き形状の修正を行う処置工程の適用対象とはしない区分の判定結果データが出力された場合には、判定者は、この判定結果データに基づいて、鋼帯コイルを当初予定されていた製造計画に従って次工程または出荷工程に搬送する指示を行う。具体的には、判定者は、上位計算機6に対して次工程指示情報の入力操作を行うことにより、鋼帯コイルを当初予定されていた製造計画に従って次工程または出荷工程に搬送する指示を行う。
また、3段階または4段階以上の各区分のうち、巻き形状の修正を行う処置工程の適用対象とする区分の判定結果データが出力された場合には、判定者は、この判定結果データに基づいて、鋼帯コイルに対し、当初予定されていた製造計画には含まれない処置工程(工程の追加や、当初予定されていた製造計画中の工程の一部変更等)を設定する。具体的には、判定者は、上位計算機6に対して処置データの入力操作を行うことにより、巻き形状の修正を行う必要があると判定した鋼帯コイルに対して設定する処置工程の内容を指定できる。
本実施形態の巻き形状判定方法では、巻き形状判定モデルへの入力データとして、鋼帯コイルの巻き形状の画像データと、鋼帯コイルの品質基準データとを組み合わせて用いている。このようにすることで、鋼帯コイルの巻き形状が同様であっても、鋼帯コイルの製品規格、形状または重量、出荷先、巻き形状の判定が行われた後の鋼帯コイルが最終製品になるまでに通過する製造工程等に応じて、製造途上の鋼帯コイルの巻き形状の修正を行う必要があるか否かを、自動的かつ的確に判定できる。
例えば、製造途上の鋼帯コイルに観察された耳痛みが軽微であっても、鋼帯コイルの形状または重量によって、この鋼帯コイルが最終製品になるまでに通過する各製造工程や、最終製品となった後の出荷中に、鋼帯の幅方向端部での亀裂にまで進展することがある。この場合、最終製品になるまでに通過する各製造工程で製造トラブルを生じたり、鋼帯コイルが最終製品となった後実際に使用される時点までに欠陥が生じて、各種製品規格等の品質基準を満たすことが出来なくなったりする。または、これとは逆に、製造途上の鋼帯コイルに観察された耳痛みが軽微であれば、この鋼帯コイルが最終製品になるまでにさらに通過する各製造工程の種類や順序によっては、鋼帯コイルの巻き形状が矯正されて改善することもある。すなわち、鋼帯コイルに観察された耳痛みが同程度であっても、鋼帯コイルが最終製品となった後に所定の品質基準を満たすようにする上で、製造途上の鋼帯コイルの巻き形状の修正を行う必要があるか否かの判断は、鋼帯コイルの製品規格、形状または重量、出荷先、巻き形状の判定が行われた後の鋼帯コイルが最終製品になるまでに通過する製造工程等に応じて変わってくる。
本実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定方法では、製造途上の鋼帯コイルに観察された耳痛みが同程度であっても、鋼帯コイルが最終製品となった後に所定の品質基準を満たすようにする上で、この鋼帯コイルの巻き形状の修正を行う必要があるか否かを、上述の各種条件に応じて、自動的かつ的確に判定できる。
以下では、巻き形状判定モデルから出力される判定結果データが、「合格」または「不合格」の2区分で出力される場合について説明する。
<鋼帯コイルの製造方法>
上述の鋼帯コイルの巻き形状判定方法によって、巻き形状判定部1の巻き形状判定モデルから「合格」の判定結果データが出力された場合は、上述のとおり、判定者によって上位計算機6に入力される次工程指示情報を受けて、鋼帯コイルは、当初予定されていた製造計画に従って次工程または出荷工程に搬送される。このようにして、鋼帯コイルが最終製品となった後に所定の品質基準を満たす鋼帯コイルが製造される。
また、上述の鋼帯コイルの巻き形状判定方法において、巻き形状判定部1の巻き形状判定モデルから「不合格」の判定結果データが出力された場合は、上述のとおり、判定者によって上位計算機6に入力される処置データを受けて、鋼帯コイルに対し、当初予定されていた製造計画には含まれない処置工程が設定される。処置工程の内容は、判定者が、判定結果データとともに出力される鋼帯コイルの巻き形状の画像データおよび鋼帯コイルの品質基準データを参照して、設定すべき処置工程の内容を判断することによって指定される。この場合も、判定者は、巻き形状判定部1から2区分で出力される判定結果データに基づいて、「不合格」の判定結果データが出力された鋼帯コイルに対して、巻き形状の修正を行う処置データを設定すればよい。よって、判定者は、必ずしも二次判定を行う必要が無く、上述の従来の鋼帯コイルの巻き形状判定方法のような、一次判定および二次判定からなる2段階の判定を、一段階に簡略化でき、判定者による一段階の判定で鋼帯コイルに適切な処置工程を設定することが可能となる。このようにして、製造途上の鋼帯コイルの巻き形状が修正され、修正鋼帯コイルが最終製品となった後に所定の品質基準を満たす鋼帯コイルが製造される。
このように、本実施形態の鋼帯コイルの製造方法では、鋼帯コイルの巻き形状の画像データと、鋼帯コイルの品質基準データとを組み合わせて、巻き形状判定モデルに入力し、鋼帯コイルの巻き形状を判定することによって、鋼帯コイルの製造計画を適切に変更して、鋼帯コイルの巻き形状を修正できる。
<鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法>
本実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法は、鋼帯コイルが最終製品となった後に所定の品質基準を満たすようにする上で、製造途上の鋼帯コイルの巻き形状の修正を行う必要があるか否かの判定を、自動的に行うための巻き形状判定モデルを生成するものである。
図7に、本実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法の流れ、および本実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法を実行する、巻き形状判定モデル生成部3の構成を、模式的に示す。巻き形状判定モデル生成部3は、汎用コンピュータ等からなり、図7に示すように、データベース部31および機械学習部32を備えている。
・判定実績データベース
本実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法では、まず、鋼帯コイルが最終製品となった後に所定の品質基準を満たすようにする上で、製造途上の鋼帯コイルの巻き形状の修正を行う必要があるか否かの判定が行われる際に、鋼帯コイルの巻き形状の画像データ、鋼帯コイルの品質基準データ、および上記判定の結果に関する判定結果データを含むデータセットを取得する。そして、この判定が行われる毎に取得されるデータセットを蓄積して、データベース部31内に判定実績データベースを形成する。
具体的には、判定実績データベースは、次のようにして形成される。まず、判定者の目視等による一次判定により「合格」と判定されたもの、および判定者の目視等による一次判定により「不合格」と判定されたが、この判定結果に基づいて二次判定の判定者が二次判定を行って「合格」と判定されたものを、「最終合格」の判定結果データとする。また、判定者の目視等による一次判定により「不合格」と判定され、この判定結果に基づいて二次判定の判定者が二次判定を行って「不合格」と判定されたものを、「最終不合格」の判定結果データとする。
そして、図7に示すように、巻き形状判定モデル生成部3は、上述の判定が行われる毎に、鋼帯コイルの巻き形状の画像データ、鋼帯コイルの品質基準データ、および「最終合格」または「最終不合格」の判定結果データを含むデータセットを取得する。そして、上述の判定が行われる毎に取得されるデータセットを蓄積して、データベース部31内に判定実績データベースを形成する。
判定実績データベースの各データセットに含まれる、鋼帯コイルの画像データは、鋼帯コイルの巻き形状の判定が行われる製造工程で上述のようにして取得されて上位計算機6(図5を参照)に送信されたものが用いられる。また、判定実績データベースの各データセットに含まれる、鋼帯コイルの品質基準データは、上述のとおり、上位計算機6に予め格納され、上位計算機6により特定されたものが用いられる。
判定実績データベースは、巻き形状判定モデル生成部3のデータベース部31内に代えて、上位計算機6内に格納するようにしてもよい。この場合、巻き形状判定モデル生成部3は、必要時に上位計算機6との間でデータの送受信を行うことで、上位計算機6内に格納された判定実績データベースにアクセスするようにする。
データベース部31内の判定実績データベースには、鋼帯コイルの製品規格、形状または重量、出荷先、および巻き形状の判定が行われた鋼帯コイルが最終製品になるまでに通過する製造工程が共通する鋼帯コイルの種類毎に、50組以上のデータセットを蓄積することが好ましい。このようにすると、後述する機械学習を適切に行うことができる。データベース部31内の判定実績データベースに蓄積されるデータセット数は、より好ましくは100組以上、さらに好ましくは500組以上である。また、鋼帯コイルの巻き形状の判定を行う製造工程毎に、2000組以上のデータセットを蓄積することが好ましい。
また、データベース部31内の判定実績データベースに蓄積されるデータセットのうち、鋼帯コイルの巻き形状の画像データに対しては、必要に応じてスクリーニングを行い、不鮮明な画像データを取り除くようにしてもよい。このようにすると、判定実績データベースに蓄積されるデータセットから、信頼性の低いデータが除外されて、後述する機械学習を適切に行うことができる。
また、データベース部31内の判定実績データベースに蓄積されるデータセット数に、一定の上限を設け、この範囲内で判定実績データベースに蓄積されるデータセットを適宜更新するようにしてもよい。
さらに、図7に示すように、巻き形状判定モデル生成部3の機械学習部32は、データベース部31に蓄積された判定実績データベースを用いて機械学習を行うことにより、画像データおよび品質基準データを入力すると、この入力値に対応して判定結果データを出力する巻き形状判定モデルを生成する。
機械学習部32によって行われる機械学習は、この機械学習によって生成される巻き形状判定モデルから、実用上十分な判定精度を有する判定結果データを出力可能とするものであれば、どのような機械学習モデルを用いてもよい。例えば、機械学習で一般的に用いられるニューラルネットワーク(深層学習、畳み込みニューラルネットワーク等を含む)、決定木学習、ランダムフォレスト、サポートベクター回帰等を用いることができる。また、複数の学習モデルを組み合わせたアンサンブルモデルを用いてもよい。また、k-近傍法やロジスティック回帰等の分類モデルを用いてもよい。ただし、鋼帯コイルの巻き形状の画像データを入力とするため、画像認識の機能に優れ、ネットワーク構造に畳込み層とプーリング層とを含む、畳み込みニューラルネットワークの手法を用いるのが好ましい。画像データが有する特徴量を抽出する能力に優れ、耳痛みやテレスコープなどの巻き形状を識別させるのが容易になるからである。
(第二実施形態)
以下、本発明の第二実施形態の鋼帯コイルの処置工程設定方法について説明する。
<鋼帯コイルの処置工程設定方法>
本実施形態の鋼帯コイルの処置工程設定方法は、第一実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定方法によって、巻き形状の修正が必要と判定された鋼帯コイルに対し、この巻き形状を修正して品質基準を満たすようにするために適用するべき処置工程を自動的に設定するものである。
図8に、本実施形態の鋼帯コイルの処置工程設定方法の流れを示す。
図8に示すように、本実施形態の鋼帯コイルの処置工程設定方法では、第一実施形態の巻き形状判定方法において、巻き形状判定部1の巻き形状判定モデルから「合格」の判定結果データが出力された場合は、当初予定されていた製造計画に従って、鋼帯コイルが次工程または出荷工程に搬送される。
一方、巻き形状判定部1の巻き形状判定モデルから「不合格」の判定結果データが出力された場合は、この判定結果データが処置データ設定部5に送信される。処置データ設定部5は、この判定結果データを受信すると、「不合格」の判定結果データに対応する鋼帯コイルの画像データおよび品質基準データを、上位計算機6から取得する。そして、処置データ設定部5は、鋼帯コイルの巻き形状の修正を行う処置工程の内容に関する処置データを、処置データ設定部5内に形成される処置実績データベース(具体的には後述する)から検索する。
具体的には、処置データ設定部5は、判定対象となった鋼帯コイルの画像データおよび品質基準データを、処置実績データベースに蓄積されているデータセットに含まれる画像データおよび品質基準データと比較対照して、類似度が最も高い画像データおよび品質基準データを含むデータセットを検索する。
類似度とは、比較対照される画像データおよび品質基準データがどれだけ類似しているかを数値化したものであり、具体的には距離情報や相関係数等である。類似度の評価には、種々の手法を用いることができる。例えば、比較対照される画像データの対応する各画素における輝度値、または比較対照される品質基準データの対応する項目のデータ値の差分二乗和を用いる方法、差分絶対値和を用いる方法、正規化相互相関を用いる方法などを用いることができる。また、類似度の評価方法として、比較対照される画像データまたは品質基準データの特徴点と特徴量とを抽出して特徴点マッチングを行う方法を用いてもよい。あるいは、深層学習によって学習済の一般に利用可能な類似画像検索ツールを用いて、類似度を評価してもよい。
本実施形態における類似度も、「不合格」の判定結果データに対応する鋼帯コイルの画像データまたは品質基準データと、処置実績データベース中の画像データまたは品質基準データとの距離情報や相関係数等を用いることによって、評価できる。品質基準データが数値情報でなく文字情報である場合は、文字情報を数値情報に変換して、類似度を算出してもよい。
そして、処置実績データベースから上述のようにして検索されたデータセットに含まれる処置データに基づいて、「不合格」の判定結果データに対応する鋼帯コイルに対し、巻き形状の修正を行う処置工程を設定する。
・処置実績データベース
処置実績データベースは、次のようにして形成される。まず、上述の鋼帯コイルの巻き形状判定方法において、巻き形状判定モデルから「不合格」の判定結果データが出力され、この判定結果データに基づいて判定者が二次判定を行って「不合格」と判定されたものを、「最終不合格」とする。そして、判定者は、「最終不合格」と判定した鋼帯コイルに対して、巻き形状の修正を行う処置工程の内容を、判定結果データとともに出力される鋼帯コイルの巻き形状の画像データおよび鋼帯コイルの品質基準データを参照して判断し、設定する。
このように、巻き形状が「最終不合格」とされた鋼帯コイルに対して、判定者によって処置工程の設定が行われる毎に、この鋼帯コイルの巻き形状の画像データ、鋼帯コイルの品質基準データ、および判定者により設定された処置工程の内容に関する処置データを含むデータセットが取得され、このデータセットが蓄積されることによって、処置実績データベースが形成される。
処置実績データベースに含まれる鋼帯コイルの品質基準データには、鋼帯コイルの製品規格や出荷先等の情報が含まれるため、鋼帯の製品規格の改訂や追加が発生した場合や、新たな出荷先が設定される場合等には、処置実績データベースに蓄積されるデータセットの内容を更新する必要が生じる。特に、鋼帯コイルの品質基準データの中には、比較的短期間で変更されるものもある。
このように、データセットの内容を更新する必要が生じる場合は、後述する第三実施形態のように、巻き形状判定モデルによって判定結果データとともに処置データも出力する構成では、データセットを更新する度に巻き形状判定モデルの機械学習をやり直す必要が生じてしまう。そこで、本実施形態では、巻き形状判定モデルを生成する際に、このような処置実績データベースを含まずに生成しておき、これとは別に生成した処置実績データベースを用いて、処置工程を設定するようにしている。
さらに、処置情報データベースは、鋼帯コイルの製品規格、形状または重量、出荷先、通過する製造工程等の属性情報が近いグループに分類(クラスタリングともいう)して、このグループ毎に処置情報データベースを生成するようにしてもよい。これらの属性情報や処置データ等は、文字情報であってもよく、予め割り当てられた数値や符号などの形式で処置実績データベースに蓄積するようにしてもよい。
・処置データ
巻き形状が「最終不合格」とされた鋼帯コイルに対して設定された処置工程の内容に関する処置データとは、当初予定されていた製造計画には含まれない、鋼帯コイルの巻き形状の修正を行う処置工程の内容を設定するためのデータである。具体的には、処置データは、例えば、鋼帯コイルの巻き直しを行うリコイル工程の内容を指定するデータ、鋼帯の板幅端部を切り落とすトリミング工程の内容を指定するデータ、鋼帯コイルの長手方向の一部を切断して除去する切断工程の内容を指定するデータ等である。このように、処置データは、当初予定されていた製造工程には含まれない、追加工程の内容を設定するための符号、数値等とすることができる。
また、処置データの内容は、必ずしも当初予定されていた製造計画に含まれない追加工程を新たに設定するものに限られず、当初予定されていた製造計画中の工程において、その一部を追加、変更等するものであってもよい。例えば、熱延ラインの終端部に設けられる巻取機で巻かれた熱延コイルの巻き形状を判定する場合に、当初予定されていた製造計画では、次の酸洗ラインでは鋼帯の板幅端部を切り落とすトリミング工程を行わないように生産指示が行われているとする。このような場合に、酸洗ライン内のトリミング装置を用いて、鋼帯のトリミング工程を実行する生産指示を追加する場合も、処置工程に含めてよい。すなわち、処置データには、当初の生産計画において特定の処置を実行するか否かが予め設定されていたのに対して、鋼帯コイルの巻き形状を判定することにより、その設定を変更する場合を含むものとする。
(第三実施形態)
以下、本発明の第三実施形態の鋼帯コイルの鋼帯コイルの巻き形状判定方法および巻き形状判定モデルの生成方法について説明する。
<鋼帯コイルの巻き形状判定方法>
図9に、本実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定方法の流れを示す。
図9に示すように、本実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定方法では、第一実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定方法と同様に、巻き形状判定部2は、判定対象となる鋼帯コイルの巻き形状の画像データおよび鋼帯コイルの品質基準データを上位計算機6から受信し、巻き形状判定部2に予め格納された巻き形状判定モデルに入力する。この入力値に対応して、巻き形状判定モデルから、鋼帯コイルの巻き形状が最終製品となった後に所定の品質基準を満たすか否かの判定の結果に関する判定結果データを出力する。
本実施形態では、巻き形状判定モデルはさらに、巻き形状が上述の品質基準を満たさないとの判定結果データを出力した鋼帯コイルに対し、巻き形状を修正する処置工程の内容に関する処置データを生成して出力する。このように、本実施形態では、巻き形状判定モデルからの出力値として、判定結果データに加えて、巻き形状が上述の品質基準を満たさないと判定された鋼帯コイルに対する処置工程の内容に関する処置データが含まれる点が、第一実施形態と相違する。このような巻き形状判定モデルは、次のようにして生成される。
<鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法>
本実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法は、第一実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法に、第二実施形態の鋼帯コイルの処置工程設定方法を組み合わせたものである。つまり、画像データおよび品質基準データを巻き形状判定モデルに入力すると、判定結果データを出力するとともに、巻き形状の修正が必要と判定される場合にはさらに処置データを出力するような、巻き形状判定モデルを生成する。
図10に、本実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法の流れを示す。図10に示すように、本実施形態では、第一の実施形態と同様に、巻き形状判定モデル生成部4は、判定者の目視等による一次判定の結果に基づいて二次判定の判定者により二次判定が行われる毎に、鋼帯コイルの巻き形状の画像データ、鋼帯コイルの品質基準データ、および「最終合格」または「最終不合格」の判定結果データを含むデータセットを取得する。そして、上述の判定が行われる毎に取得されるデータセットを蓄積して、データベース部41内に判定実績データベースを形成する。また、第一の実施形態の巻き形状判定モデルの生成方法により生成された巻き形状判定モデルから出力される、「最終合格」または「最終不合格」の判定結果データを取得して、データベース部41内に判定実績データベースを形成してもよい。
本実施形態ではさらに、上記で「最終不合格」とされた鋼帯コイルに対し、処置工程設定者によって処置工程の設定が行われる度に、鋼帯コイルの巻き形状の画像データ、鋼帯コイルの品質基準データ、および処置工程の内容に関する処置データを含むデータセットを取得する。そして、処置工程の設定が行われる毎に取得されるデータセットを蓄積して、データベース部41内に処置実績データベースを形成する。
具体的には、処置実績データベースに蓄積されるデータセットに含まれる処置データは、次のようにして取得される。判定者の目視等による一次判定の結果に基づいて二次判定の判定者により「最終不合格」とされた鋼帯コイルに対しては、処置工程設定者が処置工程を設定することにより処置データが取得される。また、第一実施形態に記載された巻き形状判定部1の巻き形状判定モデルから、「最終不合格」の判定結果データが出力された鋼帯コイルに対して、処置工程設定者が処置工程を設定することにより処置データが取得される。具体的には、処置工程設定者は、図5に示す上位計算機6に対して、処置工程を設定する指示データを送信することにより、上位計算機6に設定され、さらに巻き形状判定モデル生成部4のデータベース部41に処置データとして蓄積される。この処置データを、データベース部41に格納される処置実績データベースに用いる。ここで、処置工程設定者は、二次判定を行う判定者と同じ者でもよく、二次判定の判定者と異なる者でもよい。ただし、処置工程の設定は、鋼帯コイルの生産計画に影響を与えるため、処置工程設定者は、二次判定を行う判定者と同じ工場に所属する管理者等、生産工程全体に基づく総合的判断および決定を行うことができる者であることが好ましい。
そして、図10に示すように、巻き形状判定モデル生成部4の機械学習部42は、データベース部41に蓄積された判定実績データベースおよび処置実績データベースを用いて機械学習を行うことにより、画像データおよび品質基準データを入力すると、この入力値に対応して、「合格」の判定結果データ、または「不合格」の判定結果データおよびこの「不合格」の判定結果データが出力された鋼帯コイルに対して巻き形状の修正を行うための処置データを出力する巻き形状判定モデルを生成する。
判定実績データベースに蓄積されるデータセットに含まれる、判定結果データは、第一実施形態と同様に、鋼帯コイルが一次判定において「合格」とされたものと、二次判定において「不合格」とならなかったものを「合格」とし、判定者が「不合格」と判定したものを「最終不合格」とするデータである。
判定実績データベースおよび処置実績データベ-スは、巻き形状判定モデル生成部4のデータベース部41内に代えて、上位計算機6内に格納するようにしてもよい。この場合、巻き形状判定モデル生成部4は、必要時に上位計算機6との間でデータの送受信を行うことで、上位計算機6内に格納された判定実績データベースおよび処置実績データベ-スにアクセスするようにする。
このとき、巻き形状判定モデルからの処置データの出力は、巻き形状判定モデルから「不合格」の判定結果データが出力される場合に、これとともに行われるようにすればよい。「合格」の判定結果データが出力される場合には、この鋼帯コイルに対して設定すべき処置工程は発生しないためである。
本実施形態は、以上のようにして巻き形状判定モデルにより出力された処置データに基づいて、鋼帯コイルの処置工程を設定する。具体的には、巻き形状判定部2の巻き形状判定モデルから出力された処置データが、巻き形状判定部2から上位計算機6に送信され、この上位計算機6によって、鋼帯コイルに対して処置工程が設定される。
本実施形態の鋼帯コイルの処置工程設定方法では、処置実績データベースには、少なくとも鋼帯コイルの品質基準データが含まれるが、判定実績データベースに含まれる品質基準データとは必ずしも一致しなくてもよい。また、処置実績データベースは、表形式のデータベース等とすることができる。
また、巻き形状判定部2の巻き形状判定モデルから出力される処置データは、新たな製品規格や出荷先等に対応した処置データが処置実績データベースに一定量蓄積されてから用いることが好ましい。
このように、本実施形態では、巻き形状判定モデルから「不合格」の判定結果データを出力された場合、これとともに巻き形状の修正を行う処置工程の内容に関する処置データを出力することができるので、鋼帯コイルの巻き形状不良が発生することによる製造工程の進行遅延を最小限に抑えながら、巻き形状の修正を行う処置工程を適切に実施できる。
本発明の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法、巻き形状判定方法、処置工程設定方法、および鋼帯コイルの製造方法を適用して、鋼帯コイルを実際に製造する試験を行い、本発明の効果を検証した。この結果について、以下に説明する。
本実施例の試験では、図7に示す第一実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法によって、巻き形状判定モデルを生成した。巻き形状判定モデル生成部のデータベース部には、鋼帯コイルの画像データ、鋼帯コイルの品質基準データおよび巻き形状の判定結果データを含むデータセットを蓄積した。鋼帯コイルの画像データとしては、鋼帯コイルの側面の全体が撮影された画像データを用いた。なお、カメラ撮影で直接取得されるカラー画像を、256階調のグレースケール画像に変換して、データベース部31に蓄積することにより、画像データの情報量の圧縮を図った。また、鋼帯コイルの撮影は、鋼帯コイルが秤量機に積載された状態で、この鋼帯コイルの側面に所定位置に十分な照度を与えることのできる照明機器を配置して、所定の位置に固定されたカメラにより撮影して行った。鋼帯コイルの品質基準データとしては、鋼帯コイルの重量を用いた。また、図12に示す従来の巻き形状判定方法において、判定者の目視等による一次判定により鋼帯コイルの耳痛みに不良がなく「合格」と判定されたもの、および判定者の目視等による一次判定により「不合格」と判定されたが、この判定結果に基づいて二次判定の判定者が二次判定を行って「合格」とされたものを、「最終合格」の判定結果データとした。また、判定者の目視等による一次判定により「不合格」と判定され、この判定結果に基づいて二次判定の判定者が二次判定を行って「不合格」と判定されたものを、「最終不合格」の判定結果データとした。そして、巻き形状判定モデルの生成に用いる判定結果データは、このようにして取得された「最終合格」、「最終不合格」を、それぞれ「合格」、「不合格」とする2区分で判定した判定結果データを用いた。
本試験では、上述のデータセットが、巻き形状判定モデル生成部3のデータベース部31に48組蓄積された段階で、巻き形状判定モデル生成部3の機械学習部32で機械学習を行い、巻き形状判定モデルを生成した。機械学習のアルゴリズムはニューラルネットワークとし、ニューラルネットワークの中間層は3層、ノード数は5個ずつとした。活性化関数にはシグモイド関数を用いた。
さらに、図4に示す第一実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定方法により、巻き形状判定部1の巻き形状判定モデルから判定結果データを出力した。具体的には、上述のようにして生成した巻き形状判定モデルを、上位計算機6と通信可能なタブレット端末に記憶させ、このタブレット端末を巻き形状判定部1として用いることにより、巻き形状判定モデルから判定結果データを出力した。巻き形状判定モデルに入力される品質基準データとして、鋼帯コイルの重量を、判定対象となる鋼帯コイルのコイル番号に基づいて上位計算機6から取得した。
鋼帯コイルの画像データについては、上記判定実績データベースを形成する際に取得した画像データの撮影時と同じ撮影位置および撮影条件で写真を撮影し、写真データとして巻き形状判定モデルが格納されたタブレット端末からなる巻き形状判定部1に送信した。そして、巻き形状判定部1を構成するタブレット端末で、取得した画像データを256階調のグレースケール画像に変換し、鋼帯コイルの品質基準データとともに、巻き形状判定モデルに入力した。この入力データに基づいて、巻き形状判定モデルから、鋼帯コイルの耳痛みについて、「合格」または「不合格」の判定結果データを出力させ、これをタブレット端末の画面に表示した。なお、タブレット端末で鋼帯コイルのカラー写真を取得してから、巻き形状の判定結果データの表示までの一連の動作は、タブレット端末に設定したソフトウエアにより自動的に行われるようにした。
一方、図4に示す第一実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定方法による判定対象とした鋼帯コイルに対して、判定者の目視による鋼帯コイルの耳痛みの判定も同時に行い、上述のタブレット端末に表示された判定結果データと比較した。
上述の方法によって、鋼帯コイル20個に対して、巻き形状の判定を行った。この結果、図4に示す第一実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定方法により「合格」と判定された16コイルについては、判定者も同様に「合格」と判定した。一方、図4に示す第一実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定方法により「不合格」とされた4コイルについては、判定者も「不合格」と判定し、本実施例による合否判定と、判定者による合否判定が一致した。これにより、本発明の鋼帯コイルの巻き形状判定方法では、巻き形状の判定を、判定者による判定と同様の精度で、自動的かつ的確に行えることが確認された。
本実施例では、上述の実施例1と同様に、図7に示す第一実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法によって、巻き形状判定モデルを生成した。巻き形状判定モデル生成部のデータベース部には、鋼帯コイルの画像データ、鋼帯コイルの品質基準データおよび巻き形状の判定結果データを含むデータセットを蓄積した。鋼帯コイルの画像データとして、鋼帯コイルの側面の全体が撮影された画像データと、鋼帯コイルの側面を正面から撮影して得られた画像データとの2種類を用いた。前者は主として鋼帯コイルのテレスコープの判定に寄与し、後者は主として鋼帯コイルの耳痛みの判定に寄与する。鋼帯コイルの撮影方法および画像データの情報量の圧縮方法は、実施例1と同様とした。鋼帯コイルの品質基準データとしては、鋼帯コイルの板厚、板幅および重量を用いた。また、図12に示す従来の巻き形状判定方法において、判定者の目視等による一次判定により鋼帯コイルのテレスコープおよび耳痛みのいずれにも不良がなく「合格」と判定されたもの、および判定者の目視等による一次判定により「不合格」と判定されたが、この判定結果に基づいて二次判定の判定者が二次判定を行って「合格」とされたものを、「最終合格」の判定結果データとした。また、判定者の目視等による一次判定により「不合格」と判定され、この判定結果に基づいて二次判定の判定者が二次判定を行って「不合格」と判定されたものを、「最終不合格」の判定結果データとした。そして、巻き形状判定モデルの生成に用いる判定結果データは、このようにして取得された「最終合格」、「最終不合格」を、それぞれ「合格」、「不合格」とする2区分で判定した判定結果データを用いた。
本実施例では、上述のデータセットが、巻き形状判定モデル生成部3のデータベース部31に100個蓄積された段階で、巻き形状判定モデル生成部3の機械学習部32で機械学習を行い、巻き形状判定モデルを生成した。機械学習のアルゴリズムはニューラルネットワークとし、図11に示すような畳み込みニューラルネットワークを含む構成とした。このとき、鋼帯コイルの側面の全体が撮影された画像データと鋼帯コイルの側面を正面から撮影して得られた画像データをそれぞれ入力する第1入力層に対して、畳み込み層およびプーリング層を各1層ずつ備える畳み込みニューラルネットワークを構成した。なお、プーリング層には最大プーリングを用いた。これにより、それぞれの画像データが有する特徴量が抽出され、全結合層で1次元の配列データに集約されるようにした。一方、第2入力層には、鋼帯コイルの側面の全体が撮影された画像データと鋼帯コイルの側面を正面から撮影して得られた画像データから集約された配列データに加え、品質基準データである鋼帯コイルの板厚、板幅および重量の数値データが入力されるようにして、通常のニューラルネットワークの構造に接続した。このときのニューラルネットワークは、中間層が3層、ノード数は5個ずつとし、活性化関数にはシグモイド関数を用いた。
そして、図4に示す第一実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定方法により、巻き形状判定部1の巻き形状判定モデルから判定結果データを出力した。すなわち、生成した巻き形状判定モデルを巻き形状判定部1に記憶させ、鋼帯コイルの巻き形状の修正が必要か否かを判定した。巻き形状判定モデルに入力する鋼帯コイルの巻き形状の画像データは、上記学習用データと同様に、鋼帯コイルの側面の全体が撮影された画像データと鋼帯コイルの側面を正面から撮影して得られた画像データを用いた。また、鋼帯コイルの品質基準データは、判定対象となる鋼帯コイルのコイル番号に基づいて上位計算機から取得し、鋼帯コイルの画像データとともにき形状判定モデルに入力した。この入力データに基づいて、巻き形状判定モデルから、鋼帯コイルのテレスコープおよび耳痛みについて、「合格」または「不合格」の判定結果データを出力させた。
一方、図4に示す第一実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定方法による判定対象とした鋼帯コイル20個に対して、二次判定の判定者の目視による鋼帯コイルのテレスコープおよび耳痛みの判定も同時に行い、上述の判定結果データと比較した。
上述の方法によって、鋼帯コイル20個に対して、巻き形状の判定を行った。この結果、図4に示す第一実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定方法により「合格」と判定された18コイルについては、二次判定の判定者も同様に「合格」と判定した。一方、図4に示す第一実施形態の鋼帯コイルの巻き形状判定方法により「不合格」とされた2コイルについては、二次判定の判定者も、テレスコープまたは耳痛みにより「不合格」と判定し、本実施例による合否判定と、二次判定の判定者による合否判定が一致した。これにより、本発明の鋼帯コイルの巻き形状判定方法では、巻き形状の判定を、二次判定の判定者による判定と同様の精度で、自動的かつ的確に行えることが確認された。
1、2 巻き形状判定部
3、4 巻き形状判定モデル生成部
5 処置データ設定部
31、41 データベース部
32、42 機械学習部
6 上位計算機
71 巻取機
72 バインダ
73 コイルマーカー
74 秤量機
75 巻形状計
76 移載機
C 鋼帯コイル
S 鋼帯

Claims (8)

  1. 鋼帯コイルが最終製品となった後に所定の品質基準を満たすようにする上で、製造途上の前記鋼帯コイルの巻き形状の修正が必要か否かの判定が行われる毎に、前記巻き形状の画像データと、前記品質基準の内容に関する品質基準データと、前記判定の結果に関する判定結果データとを含むデータセットを蓄積して判定実績データベースを形成し、
    前記判定によって必要とされた前記巻き形状の修正を行う処置工程の設定が行われる毎に、前記巻き形状の画像データと、前記品質基準に関する品質基準データと、前記処置工程の内容に関する処置データとを含むデータセットを蓄積して処置実績データベースを形成し、
    前記判定実績データベースおよび前記処置実績データベースを用いて機械学習を行うことにより、前記画像データおよび前記品質基準データを入力すると、前記判定結果データと、前記巻き形状の修正が必要と判定される場合にはさらに前記処置データを出力する巻き形状判定モデルを生成する、鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法。
  2. 前記品質基準データは、鋼帯コイルの製品規格に関する情報、鋼帯コイルの形状または重量に関する情報、鋼帯コイルの出荷先に関する情報、および巻き形状の判定が行われた後の前記鋼帯コイルが最終製品になるまでに通過する製造工程に関する情報の少なくとも一つを含む、請求項に記載の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法。
  3. 前記機械学習では、ニューラルネットワーク、決定木学習、ランダムフォレスト、およびサポートベクター回帰の少なくとも一つを用いる、請求項に記載の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法。
  4. 前記機械学習では、ニューラルネットワーク、決定木学習、ランダムフォレスト、およびサポートベクター回帰の少なくとも一つを用いる、請求項に記載の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法。
  5. 製造途上の鋼帯コイルの巻き形状の画像データおよび前記鋼帯コイルが最終製品となった後に満たすべき品質基準に関する品質基準データを取得し、
    取得された前記画像データおよび前記品質基準データを、請求項~請求項のいずれかに記載の鋼帯コイルの巻き形状判定モデルの生成方法によって生成された前記巻き形状判定モデルに入力して前記判定結果データを出力させ、
    出力された前記判定結果データに基づいて、前記鋼帯コイルが最終製品となった後に前記品質基準を満たすようにする上で、製造途上の前記鋼帯コイルの前記巻き形状の修正が必要か否かを判定する、鋼帯コイルの巻き形状判定方法。
  6. 請求項に記載の鋼帯コイルの巻き形状判定方法によって前記巻き形状が前記品質基準を満たさないと判定された前記鋼帯コイルに対し、前記処置データに基づいて前記処置工程を適用する、鋼帯コイルの処置工程設定方法。
  7. 請求項に記載の鋼帯コイルの巻き形状判定方法によって前記巻き形状が前記品質基準を満たすと判定された前記鋼帯コイルを製造する、鋼帯コイルの製造方法。
  8. 請求項に記載の鋼帯コイルの処置工程設定方法によって、製造途上の前記鋼帯コイルの前記巻き形状を修正して、最終製品となった後に前記品質基準を満たすようにした鋼帯コイルを製造する、鋼帯コイルの製造方法。
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