JP5218084B2 - 検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ディスプレイの目視検査や各種機械の異音検査などを自動で検査する技術に関するものである。
近年、様々な工業製品の製造工程で自動化が進んでおり、検査工程も例外ではない。しかし、一方でディスプレイのムラや機構部品の異音など、官能的な判断が必要とされる検査については、依然として作業者による目視や聴覚での検査に頼っている。しかし、作業者による検査では、「長時間の官能検査は作業者に負担がかかる」、「個人差や体調、時間帯などによるばらつきが大きい」、「正確な検査には熟練が必要で、熟練検査員を育てるには時間がかかる」、「処理能力が低い」といった問題があり、官能検査においても自動化が求められている。
この官能検査を自動化する手法として、パターン認識を用いたものがある。パターン認識を用いた検査について、図8を用いて説明する。
図8は、パターン認識を用いた検査の特徴量空間を示す図である。
パターン認識を用いた検査では、まず、検査対象を検出器で検出した情報からいくつかの特徴量を抽出し、図8に示すように、各特徴量を座標軸とした特徴量空間にプロットする。そして、図8において、どの領域に属するかにより検査対象の良品,不良品,グレー品(良品,不良品との判断がつかない品)に分類する。具体的には、どの領域が良品,不良品,グレー品かは、あらかじめ良否が分かっているサンプルを事前に用意し、それらを特徴量空間にプロットしたときの分布から学習を行うことで、分類を行なう。
この学習、分類する手法としては、ニューラルネットワークやサポートベクタマシン、自己組織化マップ、MT法などを用いたものがある。また、ニューラルネットワークを用いた手法で、良品、不良品のサンプルを基に擬似不良を発生させ、それらを学習用のサンプルとして利用することで、少ない学習用のサンプルで判定の精度を高める方法がある(例えば、特許文献1参照)。
図9は、特許文献1に記載された従来の検査装置のブロック図である。
図9において、ニューラルネットワーク101を用いて製品の良否を検査することが可能である。良品の学習は、良品画像入力部102にて、予め保存してある良品画像を読み込み、フィルタ処理や特徴量の抽出を行う前処理部107を経由してニューラルネットワーク101に入力され、良品データとして学習を行わせる。また、不良品の学習は、不良品の画像が必要とする学習数以上であれば、不良品画像入力部103にて、予め保存してある不良品画像を読み込み、前処理部17を経由してニューラルネットワーク101に入力し、不良品データとして学習を行わせる。
しかしながら、通常はオリジナルの不良データを必要学習数だけ入手することは困難であるため、不良品画像から良品との差分データ108を抽出する不良品画像抽出部104と、良品画像部102から良品画像を読み込み、差分データ108を合成して擬似不良品画像を生成する擬似不良品画像作成部106と、差分データ108を合成位置等の条件をどのようにして合成するかの条件を、乱数発生部109の乱数値を組み合わせて擬似不良品画像作成部106に指示する擬似データ条件設定部105を備えている。
その擬似不良品画像作成について、図10を用いて説明する。
図10(a)は、従来の検査での実際の画像の特徴量空間を示す図であり、図10(b)は、従来の検査で作成された擬似不良品画像の特徴量空間を示す図である。図10(a)、(b)に示すように、擬似不良品画像を作成する。
特許文献1に記載された従来の検査は、以上により、実際の不良品画像を基に、その付近に擬似不良品画像を多数作成し、学習用のサンプルを増加させることで、良否判定の精度を上げるものである。
特開2005−156334号公報
しかしながら、前記従来の構成においても、検査の自動化における課題を十分解決できていない。
検査の自動化における課題は、良品と不良品の境界を決めるために有効なサンプルが少ないため、高精度な判定を行うための境界を学習することが難しいことである。詳しく説明すると、一般に製造工程において、良品のばらつきは正規分布をしているため、サンプルは平均値付近に多く存在することになり、境界付近の良品は少ない。また、不良品が発生する頻度は一般的に少なく、不良が発生しても大きく外れたサンプルになりやすい。これを特徴量空間にプロットすると、図11のようになる。このとき、良品と不良品を判別する境界線は数多く存在し、人間が感覚で行なっているような高精度な境界線を学習することはできない。
また、特許文献1に示す擬似不良画像自動作成装置及び画像検査装置に関する発明は、少ない不良品の数を補うものであり、特徴量空間で説明すると図10に示すように、発生した不良品のデータを基に、その付近の点を増やす方法である。しかしながら、増やせるサンプルは元のデータの周辺に限定される。また、良品に近づく特徴量で作成した擬似不良品が本当に不良品であるとは限らない。このため、検査精度が確実に向上しないという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、少ない数のサンプルで高精度な判定基準を定めることを可能とした検査を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の検査方法は、複数種類の特徴量を座標軸として定義された特徴量空間に第1擬似サンプルを生成する工程と、前記第1擬似サンプルに対して作業者が良否を判定した結果を記憶する工程と、第2擬似サンプルを、良品と判定された前記第1擬似サンプルの特徴量よりも原点に近い位置に生成する方法、不良品と判定された前記第1擬似サンプルの特徴量よりも前記原点から遠い位置に生成する方法、のいずれかで生成する工程と、前記第2擬似サンプルに対して前記作業者が良否を判定した結果を記憶する工程と、前記第1及び第2擬似サンプルの良否が異なる場合に、前記第1及び前記第2擬似サンプルの間に良品と不良品の境界を決定し、該境界の決定された前記特徴量空間を用いて検査対象の良否判定を行なう工程と、を含むことを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、少ない数のサンプルで高精度な判定基準を定めることが可能となる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明の実施の形態の説明において、同じ構成には同じ符号を付して、説明を省略している。
(実施の形態1)
図1(a)は、本発明の実施の形態1における官能検査装置の擬似サンプル発生システムを示すブロック図であり、図1(b)は、実施の形態1における官能検査装置の検査システムを示すブロック図である。
図1(a)において、良品データ入力部1にて、あらかじめ保存された良品の画像や音声(検査対象データ)を読み込み、フィルタ処理や特徴量の抽出を行う特徴量抽出部2を経由し、特徴量空間作成部3に入力する。特徴量空間作成部3は特徴量の分布を基に正規化や座標変換を行い、特徴量空間を作成し、特徴量空間記憶部4でその座標系を記憶する。また、初期サンプル特徴量生成部5では特徴量空間作成部3で作成された特徴量空間を基に初期サンプルの特徴量を生成し、特徴量空間記憶部4と擬似サンプル作成部6へ入力する。
擬似サンプル作成部6では、良品データ入力部1から入力された良品データに初期サンプル特徴量生成部5で生成された特徴量を合成して擬似サンプルを作成する。このとき、特徴量に自由度がある場合は、乱数発生部7によりその自由度の値を決定する。そして、擬似サンプル表示部8では、擬似サンプル作成部6で作成された擬似サンプルを表示する。判定入力部9では、検査員が表示された擬似サンプルの良否を入力することができ、その結果は特徴量空間記憶部4へ送られる。特徴量空間記憶部4では、初期サンプル特徴量生成部5から入力された特徴量の値と、それに対応する判定入力部9から入力された判定結果をセットで記憶する。
擬似サンプル特徴量生成部10は、特徴量空間記憶部4に記憶された特徴量空間と擬似サンプルの判定結果が入力され、パターン認識で境界線をひくのに有効なサンプルの特徴量を新たに生成し、擬似サンプル作成部6と特徴量空間記憶部4へ入力する。この特徴量は初期サンプルの特徴量と同様に処理される。
図1(b)において、検出部11は、実サンプルや擬似サンプル発生システムの画像や音声を取得するもので、CCDカメラやマイクロフォンなどが用いられる。特徴量抽出部12は、検出部11で取得した画像や音声から特徴量を抽出して、パターン認識部13に入力する。また、判定結果入力部14は擬似サンプル発生システムの特徴量空間記憶部4に記憶された各サンプルの判定結果を読み取り、パターン認識部13に入力する。パターン認識部13はサポートベクタマシンやニューラルネットワークにより、擬似サンプルの特徴量と判定結果から学習を行い、実サンプルの特徴量からその良否を判定し、検査結果表示部15でその結果を表示する。
図2は、実施の形態1における擬似サンプル作成処理の流れを示すフローチャートである。
はじめに、良品データ入力部1において、あらかじめ保存してある検出部で検出した良品のデータを複数個読み出す(ステップS01)。
次に、特徴量抽出部2において、各良品データから特徴量を抽出する(ステップS02)。
そして、特徴量空間作成部3において各良品データの平均値とばらつきを基にマハラノビス距離を算出し、それにより正規化を行い、特徴量空間記憶部4でそれを記憶する(ステップS03)。
次に、初期サンプル特徴量生成部5において、原点からのマハラノビス距離が一定値であるサンプルを複数作成する(ステップS04)。
続いて、擬似サンプル作成部において、ステップS01で読み出した良品データの平均値で標準的な良品データを作成し、作成したサンプルの特徴量を合成して、擬似サンプルを作成する(ステップS05)。
次に、作成された擬似サンプルを擬似サンプル表示部8で表示させ、それを熟練した検査員や品質保証の責任者が良否判定を行い、判定結果入力部14にその結果を入力する(ステップS06)。
次に、入力された判定結果とそれに対応する擬似サンプルの特徴量を特徴量空間記憶部4で記憶された特徴量空間上に追加する(ステップS07)。
ここで、特徴量空間上のサンプル数が一定値N未満の場合は、記憶されているサンプルの特徴量から良品、不良品と推定される部分に新たな擬似サンプルの特徴量を生成する(ステップS08)。
生成した特徴量はステップS05に戻り、再び擬似サンプルが作成される。サンプル数が一定値N以上の場合は、今まで生成した擬似サンプルを用いて、パターン認識部13の学習を行う(ステップS09)。
以上で、パターン認識の学習が終了し、検査システムで検査を行える状態になる。
次に、具体例を用いて本実施の形態の動作を説明する。
図3は、LCD(液晶ディスプレイ)をカメラで撮像した画像の例であり、その一部を断面にした図である。図3(a)は、実施の形態1におけるLCDの良品の画像を示す図であり、図3(b)は、図3(a)のX方向のシェーディングを示す図であり、図3(c)は、図3(a)のY方向のシェーディングを示す図であり、図3(d)は、実施の形態1におけるLCDにムラがある場合の不良品画像を示す図であり、図3(e)は、図3(d)のX方向のシェーディングを示す図であり、図3(f)は、図3(d)のY方向のシェーディングを示す図である。図3(a)〜(c)に示す良品画像の場合は、大きく滑らかなシェーディングはあるが、局所的な変動は小さい。一方で、図3(d)〜(f)に示す不良品画像の場合は、良品画像と同様なシェーディングに加え、局所的な変動があり、これがムラとして不良になる。
本実施の形態の動作として、はじめに、標準的な良品の平均値とばらつきを求めるため、n個の良品から取得した画像を読み込む。平均値とばらつきを求めるためには良品の個数は多いほど良いが、立ち上げ当初はサンプルを準備するのが難しく、また、時間もかかるため、20個程度あればよい(図2のステップS01参照)。
次に、良品のムラの特徴量を抽出する。
図4は、実施の形態1における特徴量を抽出するためのブロック図である。
図4において、良品画像はローパスフィルタをかけることで、局所的な変動を除いた画像を得ることができる。これを元の良品画像から差し引くことで、シェーディングの影響を取り除き、局所的な変動のみ画像を得ることができる。そして、これを一定の閾値で2値化し、ムラがある部分をラベリングする。次にラベリングした各部分で面積と縦軸を差分値とした体積を算出する。このうち最も体積が大きいものを最大のムラとしてこれの面積Si(i=1,2,…,n)と体積Vi(i=1,2,…,n)を特徴量として出力する。ここで、最も大きいムラだけにしたのは、それが良品レベルであれば、他の小さいムラでも良品であるし、それが不良品レベルであれば不良と判定できるからである(図2のステップS02参照)。
次に、特徴量空間作成部3にてマハラノビス距離を元に特徴量空間を作成する。この作成方法について説明する。図2のステップS02で求めた面積Siと体積Viの平均値をそれぞれms、mvとし、標準偏差をそれぞれσs、σvとし、面積Siと体積Viの正規化した特徴量をそれぞれsi、viとすると、si、viは次式(式1)で求める。
Figure 0005218084
次に、正規化した特徴量の相関行列Rを次式(式2)で求める。
Figure 0005218084
ここで、(式2)のr12、r21は次式で定義される。
Figure 0005218084
そして、次式(式4)にて相関行列Rの逆行列Aを求める。
Figure 0005218084
このとき、相関行列Rは対称行列のため、逆行列Aも対称行列である。そのため、行列Aを固有値分解すると、次式(式5)で表すことができる。
Figure 0005218084
ここで、Λは固有値を対角上に並べた対角行列であり、X’はXの転置行列である。次に、Λ1/2をΛの各要素を1/2乗したものとして、特徴量si、viを次式(式6)で変換する。
Figure 0005218084
そして、この変換した特徴量si’、vi’により特徴量空間とする。このとき、原点からの距離||x’||がマハラノビス距離となっている(図2のステップS03参照)。
変換した特徴量による特徴量空間を、図5(a)〜(d)に示す。図5(a)は、実施の形態1における特徴量空間の第1の結果を示す図であり、図5(b)は、実施の形態1における特徴量空間の第2の結果を示す図であり、図5(c)は、実施の形態1における特徴量空間の第3の結果を示す図であり、図5(d)は、実施の形態1における特徴量空間の第4の結果を示す図である。
図5(a)〜(d)を用いて、特徴量空間を基に初期サンプルの特徴量を生成する方法について説明する。
まず、図5(a)に示すように、原点からの距離が定数aとなるようなサンプルを複数生成する。工程の不良率が既知である場合は、aはその不良率となる標準偏差の倍数とする。例えば、不良率が0.3%であれば、a=3、不良率が4.6%であれば、a=2である。工程の不良率が未知である場合は、推定される不良率を用いるか、標準的な工程能力としてa=3とする。これにより、原点からの距離がマハラノビス距離となっており、不良率に対応した距離に初期サンプルを生成するため、初期サンプルは良品と不良品の境界付近のサンプルに近いものとなり、学習に必要なサンプル数を低減できる(図2のステップS04参照)。
次に、生成した特徴量を基に擬似サンプルを作成する。図6は、実施の形態1における擬似サンプルを作成するためのブロック図である。
図6において、良品画像入力部16でn枚の良品画像を入力し、平均画像作成部17でn枚の良品画像を平均し、良品の平均画像を作成する。特徴量入力部18により、初期サンプル特徴量生成部5や擬似サンプル特徴量生成部10で生成された特徴量si’、vi’が入力される。特徴量si’、vi’は特徴量変換部19において、次式(式7)、(式8)で面積Si、体積Viに変換される。
Figure 0005218084
Figure 0005218084
特徴量は面積Siと体積Viのみしか決まっていないため、ムラの位置や形状には自由度がある。そこで、乱数発生部7で発生した乱数が乱数入力部20に入力され、パラメータ決定部21でムラの位置、形状を決定する。最後に、画像合成部22で、良品の平均画像にムラを合成して擬似サンプルを作成する(図2のステップS05参照)。
次に、作成した擬似サンプルを擬似サンプル表示部8で表示し、それを検査員が良品、境界付近の良品、境界付近の不良品、不良品の4段階に分けて評価を行い、判定入力部9へその結果を入力する(図2のステップS06参照)。
続いて、図2のステップS04で生成した特長量si’、vi’とステップS06で判定した判定結果を特徴量空間記憶部4に保存する。このときの結果は、図5(b)のようになる(図2のステップS07参照)。
ここで、生成した擬似サンプルの数がN個未満の場合は、擬似サンプルの数が一定以上となるように、新たな擬似サンプルを生成する。新たな擬似サンプルは、まず擬似サンプル特徴量生成部10でその特徴量を生成するが、特徴量の生成方法は3つある。この方法を図5(c)に示す。1つ目は、良品と判定されたサンプルから原点へ近づく方向へ進んだ特長量、2つ目は、不良品と判定されたサンプルから原点から遠ざかる方向へ進んだ特長量、3つ目は、境界付近の良品、境界付近の不良品と判定されたサンプルのうち2つを選択し、そのベクトルの大きさと方向をそれぞれ平均する方法である。これにより、良品と不良品の境界付近の擬似サンプルを重点的に増やすことができる(図2のステップS08参照)。
以上のサイクルを擬似サンプルの数がN個以上になるまで繰返す。その結果、図5(d)のようになり、良品と不良品の境界付近のサンプルが多くなるため、破線のような良品、不良品の境界線が精度よく決めることができるようになる。
最後に、発生した擬似サンプルの全てを再度擬似サンプル表示部8に表示し、図1(b)の検査システムでそれを検出する。同時にその擬似サンプルに対応する判定結果を入力して、その結果をパターン認識部13で学習することで、検査システム学習を完了させる(図2のステップS09参照)。検査システムでは、実際の検査時に検査対象を検出部11で検出し、この学習結果を用いて検査を行う。
なお、本実施の形態において、特徴量を面積と体積の2次元で説明したが、特に2次元に限定するものではなく、m次元としてもよい。このとき、m個の正規化した特徴量をyji(j=1,2,…,m、i=1,2,…,n)とすると、上記(式2)、(式3)は次式(式9)、(式19)で表される。
Figure 0005218084
Figure 0005218084
なお、本実施の形態において、初期サンプルの特徴量を生成時の原点からの距離を一定値aとしたが、ある程度の範囲のばらつきを持たせても良い。そうすることで、サンプル発生時の計算は複雑になるが、擬似サンプル生成時に異なるマハラノビス距離のサンプルを発生させやすくなる。
(実施の形態2)
図7(a)は、本発明の実施の形態2における特徴量空間の第1の結果を示す図であり、図7(b)は、実施の形態2における特徴量空間の第2の結果を示す図であり、図7(c)は、実施の形態2における特徴量空間の第3の結果を示す図であり、図7(d)は、実施の形態2における特徴量空間の第4の結果を示す図である。
本実施の形態の実施の形態1との違いは、初期サンプルおよび擬似サンプルの生成方法である。すなわち、本実施の形態においては、その構成は実施の形態1と同様である。
図7(a)は初期サンプルの特徴量である。実施の形態1においては、原点からの距離をaとし、方向はランダムとしたが、本発明の実施の形態2では原点からの距離aの円上に等間隔に設定している。図7(b)は、実施の形態2における初期サンプルの判定結果である。図7(c)は、擬似サンプル特徴量生成部10で特徴量を生成する方法を示すものである。ここで、原点からの直線に沿って新たな擬似サンプルを生成するが、判定結果が良品であれば原点に遠い位置に、不良品であれば原点に近い位置に新たな擬似サンプルを生成する。そして、完了条件として擬似サンプルの個数ではなく、境界付近の良品、境界付近の不良品が検出するまで繰返すと、図7(d)が得られる。
本実施の形態における官能検査では、実施の形態1と異なり、乱数を使用しないため、無駄なサンプルを減らせる可能性がある。
本発明の検査は、擬似サンプルにより境界付近のサンプルを重点的に生成する特徴を有し、文字認識、音声認識等のパターン認識の用途にも適用できる。
(a)実施の形態1における官能検査装置の擬似サンプル発生システムを示すブロック図、(b)実施の形態1における官能検査装置の検査システムを示すブロック図 実施の形態1における擬似サンプル作成処理の流れを示すフローチャート (a)実施の形態1におけるLCDの良品画像を示す図、(b)図3(a)のX方向のシェーディングを示す図、(c)図3(a)のY方向のシェーディングを示す図、(d)実施の形態1におけるLCDにムラがある場合の不良品画像を示す図、(e)図3(d)のX方向のシェーディングを示す図、(f)図3(d)のY方向のシェーディングを示す図 実施の形態1における特徴量を抽出するためのブロック図 (a)実施の形態1における特徴量空間の第1の結果を示す図、(b)実施の形態1における特徴量空間の第2の結果を示す図、(c)実施の形態1における特徴量空間の第3の結果を示す図、(d)実施の形態1における特徴量空間の第4の結果を示す図 実施の形態1における擬似サンプルを作成するためのブロック図 (a)実施の形態2における特徴量空間の第1の結果を示す図、(b)実施の形態2における特徴量空間の第2の結果を示す図、(c)実施の形態2における特徴量空間の第3の結果を示す図、(d)実施の形態2における特徴量空間の第4の結果を示す図 パターン認識を用いた検査の特徴量空間を示す図 特許文献1に記載された従来の検査装置のブロック図 (a)従来の検査での実際の画像の特徴量空間を示す図、(b)従来の検査で作成された擬似不良品画像の特徴量空間を示す図 従来のパターン認識を用いた官能検査の特徴量空間を示す図
1 良品データ入力部
2 特徴量抽出部
3 特徴量空間作成部
4 特徴量空間記憶部
5 初期サンプル特徴量生成部
6 擬似サンプル作成部
7 乱数発生部
8 擬似サンプル表示部
9 判定入力部
10 擬似サンプル特徴量生成部
11 検出部
12 特徴量抽出部
13 パターン認識部
14 判定結果入力部
15 検査結果表示部
16 良品画像入力部
17 平均画像作成部
18 特徴量入力部
19 特徴量変換部
20 乱数入力部
21 パラメータ決定部
22 画像合成部

Claims (5)

  1. 複数種類の特徴量を座標軸として定義された特徴量空間に第1擬似サンプルを生成する工程と、
    前記第1擬似サンプルに対して作業者が良否を判定した結果を記憶する工程と、
    第2擬似サンプルを、良品と判定された前記第1擬似サンプルの特徴量よりも原点に近い位置に生成する方法、不良品と判定された前記第1擬似サンプルの特徴量よりも前記原点から遠い位置に生成する方法、のいずれかで生成する工程と、
    前記第2擬似サンプルに対して前記作業者が良否を判定した結果を記憶する工程と、
    前記第1及び第2擬似サンプルの良否が異なる場合に、前記第1及び前記第2擬似サンプルの間に良品と不良品の境界を決定し、該境界の決定された前記特徴量空間を用いて検査対象の良否判定を行なう工程と、を含むこと
    を特徴とする検査方法。
  2. 前記第1擬似サンプルは、前記原点からの距離がマハラノビス距離かつ一定値となるように複数配置されること
    を特徴とする請求項1記載の検査方法。
  3. 複数の前記第1擬似サンプルは前記原点からの距離が前記検査対象を製造する際の不良率となる標準偏差の倍数となるように配置されること
    を特徴とする請求項2記載の検査方法。
  4. 前記第1及び第2擬似サンプルの良否は、良品,境界付近の良品,境界付近の不良品,不良品の4段階に分かれていること
    を特徴とする請求項1からいずれか記載の検査方法。
  5. 複数の前記第1擬似サンプルは等間隔に配置されること
    を特徴とする請求項2から4いずれか記載の検査方法。
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