JP4038161B2 - 金属板材の表面欠陥の原因推定装置および原因推定プログラムならびに原因推定方法 - Google Patents
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Description
検査装置としては、例えば、CCDカメラを利用した装置や、レーザー光線を利用した装置等が用いられる。図6に、CCDカメラを利用した検査装置の一例を示す。この検査装置60にて金属板材61を検査する場合は、照明装置62によって照明された金属板材61の表面の画像をCCDカメラ63で撮像し、その画像データを欠陥判定器64に入力する。そして、予め設定された検査基準と比較することにより良否を判定し、表面欠陥の検出を行う。
また、請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の原因推定装置において、前記データベースには、過去に発生した金属板材の表面欠陥に関するデータとして、前記発生間隔に加えて、表面欠陥の長さ、面積、明強度および暗強度が登録され、前記検索部は、前記発生間隔との照合に加えて、前記データベースに登録された表面欠陥の長さ、面積、明強度および暗強度とも照合して、推定原因を検索することを特徴とする。
図4に示すように、原因推定装置10は、まず、検出部12(図2参照)によって、検査対象であるアルミニウム板材の表面欠陥を検出する(検出ステップS30)。この際、周期性欠陥が検出できる程度の長さ(例えば100m程度)を検査できるように、制御部18において制御するのが好ましい。
検出部12により、アルミニウム板材の所定の長さを検査した後、検出した全ての表面欠陥(推定対象欠陥)について、その位置(幅方向および長手方向)、長さ(幅方向および長手方向)、面積、明強度および暗強度のデータを記憶部13(図2参照)に送信する(送信ステップS31)。この際、判断項目のそれぞれにコード(アルファベット等)を付して送信すると、後記する分類ステップおよび検索ステップにおいて、それぞれのデータの区別を確実に行うことができるので、原因推定時間の短縮化が図れる。なお、本実施形態では、表面欠陥の幅方向の位置、長手方向の位置、幅方向の長さ、長手方向の長さ、面積、明強度および暗強度のそれぞれに対し、この順にA〜Gのコードを付して送信するものとする。
続いて、記憶部13に記憶された全ての推定対象欠陥について、分類部14(図2参照)により、それぞれの推定対象欠陥を周期性欠陥と非周期性欠陥とに分類する(分類ステップS32)。分類は、まず、記憶された全ての推定対象欠陥のうち、幅方向の位置、長さ(幅方向および長手方向)、面積、明強度および暗強度のいずれの判断項目のデータについても所定の基準により互いに合致する推定対象欠陥を、同一の原因によるものと判断し、それらの推定対象欠陥を抽出する。この際、判断項目のそれぞれに付されたコード(A,C〜G)を照合した後で、それぞれのデータを比較する。次に、抽出された推定対象欠陥について、それぞれの長手方向の位置(コードB)から、所定の基準によりそれらの推定対象欠陥が周期的に発生していると判断した場合は、周期性欠陥に分類し、その推定対象欠陥のそれぞれについて、周期性欠陥コードを付す。
ステップS33で、周期性欠陥であると判定された推定対象欠陥について、検索部15により、原因と推定される圧延ロール(設置位置)を検索する(第1の検索ステップS34)。検索は、周期性欠陥コードから認識した発生間隔を、第1のテーブル11a[図3(a)参照]の数値データエリア111aに登録された数値データと照合することにより行う。そして、原因と推定される圧延ロールを発見することができた場合(ステップS35のYes)は、第1の出力ステップS36へ進む。一方、原因と推定される圧延ロールを発見することができなかった場合(ステップS35のNo)は、第2の検索ステップS37へ進む。
第1の検索ステップS34で、原因と推定される圧延ロールを発見することができた(ステップS35のYes)推定対象欠陥について、出力部16(図2参照)により、その推定対象欠陥に関するデータと共に、原因と推定される圧延ロールの名称(設置位置)を出力する(第1の出力ステップS36)。例えば、前記した表面欠陥番号1,3,5,7(図5参照)の場合は、発生間隔がP5なので、原因と推定される圧延ロールとして、「熱間仕上げ圧延ロール(2段目)」と出力される。出力後、第2の検索ステップS37へ進む。
続いて、検索部15により、選択した推定対象欠陥の長さ(幅方向および長手方向)、面積、明強度および暗強度のデータのそれぞれを、第2のテーブル11b[図3(b)参照]の数値データエリア111bに登録された数値データと照合することにより、推定される原因を検索する(第2の検索ステップS37)。照合する際は、判断項目のそれぞれに付されたコード(C〜G)を照合した後で、それぞれのデータを照合する。そして、推定される原因を発見することができた場合(ステップS38のYes)は、第2の出力ステップS39へ進む。一方、推定される原因を発見することができなかった場合(ステップS38のNo)は、登録ステップS40へ進む。なお、前記した「第1の検索ステップS34」と、「第2の検索ステップS37」とが、特許請求の範囲にいう「検索ステップ」に相当し、前記した「原因と推定される圧延ロール」と、「推定される原因」とが、特許請求の範囲の「推定原因」に相当する。
第2の検索ステップS37で、推定される原因を発見することができた(ステップS38のYes)推定対象欠陥について、出力部16により、その推定対象欠陥に関するデータと共に、表面欠陥の種類、推定される原因および対策を出力する(第2の出力ステップS39)。例えば、推定対象欠陥に関するデータのうち、幅方向および長手方向の長さが共に1mm、面積が1mm2、明強度が250、暗強度が80である場合は、表面欠陥の種類として「凹み疵」、推定される原因として「圧延ロール表面の突起物が転写した欠陥」、対策として「ロールの交換」と出力される。出力後、ステップS41へ進む。なお、前記した「第1の出力ステップS36」と、「第2の出力ステップS39」とが、特許請求の範囲にいう「出力ステップ」に相当する。
第2の検索ステップS37で、推定される原因を発見することができなかった(ステップS38のNo)推定対象欠陥については、検索部15により、その推定対象欠陥に関するデータを、第2のテーブル11bの数値データエリア111bに、それぞれの判断項目に対応するように登録し(登録ステップS40)、ステップS41へ進む。この際、出力部16として、例えばディスプレイを用いた場合は、ディスプレイ画面に「原因推定不能」と出力できるように、制御部18において制御してもよい。また、推定される原因を発見することができなかった推定対象欠陥をサンプリングし、各種分析装置により原因が明らかになった場合は、データベース登録部17(図2参照)から、その原因を第2のテーブル11bのテキストデータエリア112bに登録すればよい。
11 データベース
12 検出部
13 記憶部
14 分類部
15 検索部
16 出力部
Claims (9)
- 過去に発生した金属板材の表面欠陥に関するデータと、それに対応する原因とが予め登録されたデータベースを備えた、複数の圧延ロールにより圧延した金属板材の表面欠陥の原因推定装置であって、
原因推定対象の表面欠陥に関するデータを受信し、そのデータを記憶する記憶部と、
前記記憶部により記憶された原因推定対象の表面欠陥に関するデータを基に、前記原因推定対象の表面欠陥を、金属板材の長手方向に周期的に発生する周期性欠陥と非周期性欠陥とに分類する分類部と、
前記分類部により分類された前記原因推定対象の表面欠陥について、前記データベースから、前記原因推定対象の表面欠陥に関するデータに対応する推定原因を検索する検索部と、
前記検索部により発見された推定原因を出力する出力部とを備え、
前記データベースには、過去に発生した金属板材の表面欠陥に関するデータとして、各圧延ロールの径と各圧延ロールによる圧下率とから算出された周期性欠陥の発生間隔が予め登録され、
前記検索部は、前記原因推定対象の表面欠陥が周期性欠陥に分類された場合に、前記データベースに登録された周期性欠陥の発生間隔と照合して、推定原因とされる圧延ロールを検索することを特徴とする原因推定装置。 - 前記データベースには、過去に発生した金属板材の表面欠陥に関するデータとして、前記発生間隔に加えて、表面欠陥の長さ、面積、明強度および暗強度が登録され、
前記検索部は、前記発生間隔との照合に加えて、前記データベースに登録された表面欠陥の長さ、面積、明強度および暗強度とも照合して、推定原因を検索することを特徴とする請求項1に記載の原因推定装置。 - 前記検索部により、前記原因推定対象の表面欠陥に関するデータに対応する推定原因を検索した結果、推定原因を発見することができなかった場合に、前記原因推定対象の表面欠陥に関するデータが、前記データベースに登録されるように構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の原因推定装置。
- 検査対象の金属板材の表面欠陥を検出する検出部を備え、
前記検出部により検出された原因推定対象の表面欠陥に関するデータが、前記記憶部に送信されるように構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の原因推定装置。 - 過去に発生した金属板材の表面欠陥に関するデータと、それに対応する原因とが予め登録されたデータベースを備え、かつ、原因推定対象の表面欠陥に関するデータを受信し、そのデータを記憶する記憶部を備えた、複数の圧延ロールにより圧延した金属板材の表面欠陥の原因推定装置における原因推定プログラムであって、
前記記憶部により記憶された原因推定対象の表面欠陥に関するデータを基に、前記原因推定対象の表面欠陥を、金属板材の長手方向に周期的に発生する周期性欠陥と非周期性欠陥とに分類する分類ステップと、
前記分類ステップにより分類された前記原因推定対象の表面欠陥について、前記データベースから、前記原因推定対象の表面欠陥に関するデータに対応する推定原因を検索する検索ステップと、
前記検索ステップにより発見された推定原因を出力する出力ステップとをコンピュータに実行させるように構成され、
前記データベースには、過去に発生した金属板材の表面欠陥に関するデータとして、各圧延ロールの径と各圧延ロールによる圧下率とから算出された周期性欠陥の発生間隔が予め登録され、
前記検索ステップでは、前記分類ステップにより前記原因推定対象の表面欠陥を周期性欠陥に分類した場合に、前記データベースに登録された周期性欠陥の発生間隔と照合して、推定原因とされる圧延ロールを検索することを特徴とする原因推定プログラム。 - 前記検索ステップにより、前記原因推定対象の表面欠陥に関するデータに対応する推定原因を検索した結果、推定原因を発見することができなかった場合に、前記原因推定対象の表面欠陥に関するデータを前記データベースに登録する登録ステップを、コンピュータに実行させることを特徴とする請求項5に記載の原因推定プログラム。
- 過去に発生した金属板材の表面欠陥に関するデータと、それに対応する原因とが予め登録されたデータベースを備え、かつ、原因推定対象の表面欠陥に関するデータを受信し、そのデータを記憶する記憶部を備えた、複数の圧延ロールにより圧延した金属板材の表面欠陥の原因推定装置における原因推定方法であって、
前記記憶部により記憶された原因推定対象の表面欠陥に関するデータを基に、前記原因推定対象の表面欠陥を、金属板材の長手方向に周期的に発生する周期性欠陥と非周期性欠陥とに分類する分類ステップと、
前記分類ステップにより分類された前記原因推定対象の表面欠陥について、前記データベースから、前記原因推定対象の表面欠陥に関するデータに対応する推定原因を検索する検索ステップと、
前記検索ステップにより発見された推定原因を出力する出力ステップとを備え、
前記データベースには、過去に発生した金属板材の表面欠陥に関するデータとして、各圧延ロールの径と各圧延ロールによる圧下率とから算出された周期性欠陥の発生間隔が予め登録され、
前記検索ステップでは、前記分類ステップにより前記原因推定対象の表面欠陥を周期性欠陥に分類した場合に、前記データベースに登録された周期性欠陥の発生間隔と照合して、推定原因とされる圧延ロールを検索することを特徴とする原因推定方法。 - 前記検索ステップにより、前記原因推定対象の表面欠陥に関するデータに対応する推定原因を検索した結果、推定原因を発見することができなかった場合に、前記原因推定対象の表面欠陥に関するデータを前記データベースに登録する登録ステップを備えたことを特徴とする請求項7に記載の原因推定方法。
- 前記分類ステップの前に、検査対象の金属板材の表面欠陥を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにより検出された原因推定対象の表面欠陥に関するデータを、前記記憶部に送信する送信ステップとを備えたことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の原因推定方法。
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