JP2000002668A - 表面欠陥検出方法 - Google Patents

表面欠陥検出方法

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JP2000002668A
JP2000002668A JP10167129A JP16712998A JP2000002668A JP 2000002668 A JP2000002668 A JP 2000002668A JP 10167129 A JP10167129 A JP 10167129A JP 16712998 A JP16712998 A JP 16712998A JP 2000002668 A JP2000002668 A JP 2000002668A
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metal strip
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temperature
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JP10167129A
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Akira Kazama
彰 風間
Yasuo Kushida
靖夫 櫛田
Shinji Okazaki
慎二 岡崎
Takashi Mayahara
孝史 馬屋原
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱間圧延工程を含む製造ライン上を搬送され
る金属帯の表面欠陥を高い精度で検出する。 【解決手段】 本発明は、熱間圧延工程を含む製造ライ
ン上を搬送される金属帯1の表面画像を光学系20で撮
影して、この撮影した表面画像に基づいて金属帯の表面
に存在する欠陥を検出する表面欠陥検出方法に適用され
る。そして、金属帯の表面画像を撮像する光学系20の
製造ライン上における搬送方向の位置を、該当位置を搬
送される金属帯の表面温度がこの金属帯の表面酸化物の
変態温度以上である位置に設定している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間圧延工程を含
む製造ライン上を搬送される金属帯の表面欠陥を光学手
法を用いて検出する表面欠陥検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼、銅、アルミ等の製造ラインにおい
ては一般に熱間圧延工程が含まれる。このような製造ラ
インは、図6に示すように、圧延される金属帯1の搬送
路に沿って、粗圧延機2、スケールブレーカ3、複数の
圧延ロール4からなる仕上げ圧延機5、冷却用散水機
6、サイドガイド7及び巻取機8が配設されている。
【0003】このような製造ラインにおいて、外部から
搬入された例えば1000℃を越える高温の金属帯1は
粗圧延機2で圧延されて、スケールブレーカ3を通過し
て仕上げ圧延機5で所定の製品厚みに仕上げられた後、
冷却用散水機6で例えば300〜600℃まで冷却され
て、サイドガイド7を介して巻取機8でコイル9に巻取
られる。
【0004】このような熱間圧延工程を含む製造ライン
上を搬送される金属帯1においては、材料自体の内部に
存在する不純物の偏析や、粗圧延機2や仕上げ圧延機5
における圧延加工中に生じる疵によって、製品としての
金属帯1の表面に様々な欠陥が発生する。したがって、
製造ライン上を搬送中の金属帯1の表面欠陥の発生状況
を監視して、発生状況が悪化すると、悪化が発見された
時点で、対策を講じて、不良製品の発生を極力抑制する
必要がある。
【0005】従来、冷間圧延工程を含む製造ラインや亜
鉛メッキ工程を含む製造ライン等の室温に近い温度領域
で製造ラインを流れる金属帯1の表面欠陥を検出する方
法は数多く提案されかつ実用化されている。
【0006】一方、熱間圧延工程を含む製造ラインを流
れる金属帯1の表面欠陥を検出する方法については、冷
間圧延工程を含む製造ラインにおける表面欠陥の検出方
法を流用した形態が提案されている。しかし、現在時点
では普及には至っていない。
【0007】この普及しない原因は次のように考えられ
ている。すなわち、例えば、図6に示す熱間圧延工程を
含む製造ラインにおいては、検査対象の金属帯1の温度
が400℃〜1000℃以上の高温であり、かつ冷却用
散水機6で大量の水を散布するので、製造ライン中に水
や水蒸気が充満して、測定環境が非常に劣悪になる。
【0008】図7はこのような不都合を解消するための
対策が施された熱間表面検査装置の模式図である(特開
平6−102195号公報)。この熱間表面検査装置に
おいては、図示するように、光源用電源10から電源が
供給される光源11で検査対象の金属帯1を照射し、ラ
インセンサカメラ13で金属帯1の表面を撮影して、画
像処理装置14で画像処理して、金属帯1の表面欠陥を
抽出して表示装置15に表示出力している。
【0009】この場合、前述した測定環境を改善するた
めに、金属帯1の自発光除去用のフィルタ12をライン
センサカメラ13の前面に配設し、さらに、水と水蒸気
を除去するための空気ジェット等を設置している。
【0010】しかしながら、熱間圧延工程を含む製造ラ
インを搬送中の金属帯1の表面には、スケールと呼ばれ
る鉄酸化物が生成している。さらに、その鉄酸化物の膜
は常に成長しており,時々刻々金属帯1の表面の状態が
変化している。
【0011】なお、ここで言う金属帯1の表面の状態と
は、主に、上記スケールの生成に伴う、表面における屈
折率、反射率といった光学物性値と、表面粗さや表面の
微細な構造等の性状の変化である。そのスケールの光学
物性値は観察に用いる波長にも依存している。
【0012】例えば、温度が約600℃以上ではスケー
ルの組成はFeOであり、その600℃以下の温度では
Fe24 に変化する。製造ラインを搬送中の金属帯1
に生成されるFeOとFe24 とでどの程度光学物性
値が異なるかは、製造ラインを搬送中での測定が困難な
ため、明確ではない。
【0013】発明者等は、実験において、金属帯1にお
ける温度がスケールの約600℃の変態点温度より高い
領域での可視光の反射率と、金属帯1における温度がス
ケールの変態点温度以下の領域での反射率とを比較し
た。その比較結果によると、スケールの変態点温度より
高い領域での可視光の反射率の方が変態点温度より低い
領域での可視光の反射率より高い。また、変態点温度よ
り高い領域の方が変態点温度より低い領域より反射率の
ムラも少ないことが確認された。
【0014】金属帯1における表面疵等の微細な欠陥を
高い精度で検出するためには、高い反射率でかつ反射率
のムラも少ない方が有利である。しかしながら、図7に
示す熱間表面検査装置においては、このような配慮が全
く払われていなくて、熱間圧延工程を含む製造ラインに
おける金属帯1の反射率などの表面物性の変化に注意を
払わなく光源11やラインセンサカメラ13等の各光学
部材が配設されていた。
【0015】なお、金属帯1自体が発光する自発光の影
響を除去するためのフィルタ12の波長を決定するため
に、スケールの温度と放射率のことが言及されている
が、スケールの温度に依存した金属帯1表面や欠陥の見
え方については何等注意が払われていない。
【0016】また、特願昭53−12378号公報にお
いては、図6に示すように、光源11とラインセンサカ
メラ13からなる光学系を熱間圧延工程を含む製造ライ
ンににおける冷却用散水機6の下流側に配設している。
【0017】すなわち、この検出装置においては、スケ
ールが充分成長すると、ムラが見えにくくなる点に注目
して、金属帯1が冷却用散水機6で冷却されて、表面の
温度がより低温になった時点で表面を撮影している。
【0018】しかし、図7に示した検出装置と同様に、
スケールの反射率などの温度変化については何等注意が
払われていない。一般的な熱間圧延工程を含む製造ライ
ンにおいては、金属帯1は、巻取機8に巻かれてコイル
9になっても、400℃〜600℃程度の温度を有して
おり、なおスケールは成長し続ける。したがって、巻取
機8の直前において、依然としてスケールの成長度合い
による反射率と色のムラは大きく、欠陥検出の障害とな
るため、有効な欠陥検査は望めない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】熱間圧延工程を含む製
造ラインにおいては、この製造ラインを流れる製品であ
る金属帯1は最終工程の仕上げ圧延機5前後において、
金属帯1の素材である例えば鉄の変態点温度の800℃
付近と、スケールの変態点温度である600℃付近との
温度履歴を経る。
【0020】製造ラインにおける、金属帯1がスケール
の各変態点温度の温度履歴を経る搬送方向の位置におい
ては、金属帯1の幅、厚み、成分、表面仕上げは、鋼板
種や運転条件に依存して大きく変動する。さらに、この
搬送方向位置においては、金属帯1の幅方向にも温度ム
ラが発生する。したがって、検査対象である金属帯1に
おける上述した各条件を全く考慮せずに、欠陥検出用の
光学系を設置したとしても、金属帯1の表面の諸条件が
非常に不安定な状態で表面画像を撮影することになり、
欠陥の検出精度が低下する。
【0021】表面欠陥検出装置においては、装置で捕ら
えられた欠陥と、鋼板を目視検査して種別や程度を判定
した結果との照合が重要である。たとえ装置で多くの欠
陥を検出していても、目視検査の結果と整合が取れなけ
れば実用には耐えない。材料の表面状態が刻々変化する
熱間ブロセスの欠陥検査では、特にこの点の克服が課題
であり、ブロセス中に可能な限り安定した欠陥画像を採
取することが重要である。こうした事柄に着目すると、
以下のことが言える。
【0022】すなわち、スケール変態点温度より低い個
所で画像を採取すると、鋼板の送り速度、仕上げロール
を出た時の鋼板温度といったわずかな操業条件の相違に
よつて、表面の状態が大きく変わるので、たとえ鋼板が
冷えてからの目視検査では同じ種類、同じ程度の欠陥と
認定される欠陥であっても、熱間プロセス中に撮影した
欠陥画像は、ブロセスの運転条件に依存して大きく変わ
ることがある。
【0023】例えば、ブロセス中に何らかの原因で鋼板
が部分的に重なり合い、圧延ロールに損傷を負わせ、こ
の損傷が鋼板に転写されて生じる「絞りキズ」という欠
陥がある.この欠陥は数mmないし数十cmに及ぷ模様
状の欠陥であるが、鋼板が700℃程度のスケール変態
点温度以上の個所で撮影すると、鋼板正常部に対して明
るい模様として安定して見える。これは別の言い方をす
れば、鋼板の正常部にムラが無く、欠陥部のS/N比が
高いということである。このとき正常部に対する明るさ
の程度が大きいほど重大な欠陥であり、この相関は鋼板
が冷えてからの目視検査の結果と良く一致する。一方、
鋼板温度が600℃以下のスケール変態点温度以下の個
所で撮影すると、画像で見られる欠陥の明るさと、目視
検査での欠陥の程度との相関がとれなくなる。この原因
は、スケールが変態点温度以下になったことでスケール
に覆われた鋼板表面の反射率、屈折率といった光学定数
が変わり、しかもその値の変わり方が場所ごとに大きく
異なっているために、鋼板の正常部であっても多くのム
ラが観察されることにある。
【0024】ムラは輝度の明暗として撮影されるので、
欠陥部のS/N比が低くなっており、欠陥が有っても検
出や弁別は困難な場合が多くなる。以上の状況は絞りキ
ズに限らず、鋼板正常部に対して暗く見える各種欠陥で
も同様である。
【0025】その他発明者等の実験では、例えば、50
0℃では正常部に対して明るく見えている欠陥でも、室
温では暗く見えることがあるという事実も確認してい
る。これは、スケール変態点温度以下では、欠陥部分自
身の光学定数の正常部に対する相対的な値の変化と予想
され、このような状況では目視検査との整合は非常に困
難である。
【0026】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、熱間圧延工程を含む製造ラインにおいて検
査対象である金属帯の表面を撮影する場合に、撮影位置
の温度が一定の条件を満たすように設定することによっ
て、金属帯の表面に生成している表面酸化物の光学物姓
値が最も安定している状態で金属帯の表面を撮影でき、
安定した高い欠陥検出精度を確保できる表面欠陥検出方
法を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱間圧延工程
を含む製造ライン上を搬送される金属帯の表面画像を光
学系で撮影して、この撮影した表面画像に基づいて金属
帯の表面に存在する欠陥を検出する表面欠陥検出方法に
適用される。
【0028】そして、上記課題を解消するために、本発
明においては、金属帯の表面画像を撮像する光学系の製
造ライン上における搬送方向の位置を、該当位置を搬送
される金属帯の表面温度がこの金属帯の表面酸化物の変
態温度以上である位置に設定している。
【0029】次に、この光学系の設置位置を金属帯の表
面温度がこの金属帯の表面酸化物の変態温度以上である
位置に設定する理由を図面を用いて説明する。発明者等
は、図4に示す実際の熱間圧延工程を含む製造ラインを
用いて種々の実験を実施した。この製造ラインにおいて
は、検査対象となる例えば鋼板からなる金属帯1の搬送
路に沿って、粗圧延機2、複数の圧延ロール4からなる
仕上げ圧延機5、冷却床6a及び巻取機8が配設されて
いる。仕上げ圧延機5は7台の圧延ロール4で構成され
ており、入り側最初の圧延ロール4をNo.1ロール、
最終の圧延ロール4をNo.7ロールとする。
【0030】このような製造ラインにおいて、この製造
ラインに搬入された約1100℃の温度を有する金属帯
1は粗圧延機2で粗圧延されて、仕上げ圧延機5に入力
される。そして、この仕上げ圧延機5を構成する7台の
圧延ロール4で順次圧延されて、No.7ロール4の出
口で1〜3mm程度まで圧延される。金属帯1の搬送速
度は最大で約25m/sである。また、金属帯1の幅は
例えば1500mmである。
【0031】この製造ラインに搬入され、粗圧延機2で
粗圧延された状態の金属帯1の表面には既にスケールが
生成されており、このスケールは仕上げ圧延機5に搬入
される前でも急速に生成し、金属帯1の表面から一部が
剥離する。そこで金属帯1の表面に水を高圧で噴射し、
金属帯1の表面からスケールを一旦除去してからNo.
1ロール4に挿入する。
【0032】そして、発明者等は図4に示す製造ライン
における、巻取機8の直前位置A、冷却床6a上の中間
位置B、冷却床6aの直前位置C、仕上げ圧延機5の直
後位置D、仕上げ圧延機5の直前位置Eに放射温度計を
設置して、この製造ラインを搬送される金属帯1の表面
温度を測定した。金属帯1の測定条件として、あらゆ
る、鋼種(材質)、厚み、幅、操業を設定して、全ての
条件を含む測定値を統計的にデータ処理した。そして、
その各条件を含む測定結果を図5のグラフに示した。
【0033】すなわち、巻取機8の直前位置Aにおいて
は、上述した測定条件により測定値が300℃〜650
℃の範囲に存在することを示し、冷却床6a上の中間位
置Bにおいては測定値が450℃〜750℃の範囲に存
在することを示し、冷却床6aの直前位置Cにおいては
測定値が650℃〜700℃の範囲に存在することを示
し、仕上げ圧延機5の直後位置Dにおいては測定値が7
50℃〜950℃の範囲に存在することを示し、仕上げ
圧延機5の直前位置Eにおいては測定値が1000℃〜
1150℃の範囲に存在することを示す。
【0034】なお、各条件におけるスケールの変態温度
の温度幅は予め別の装置で測定されており、580℃〜
610℃の狭い範囲であることが理解できる。そして、
発明者等は、巻取機8の直前位置Aと仕上げ圧延機5の
直後位置Dとにおいて、それそれ光源11aとラインセ
ンサカメラ13aとからなる光学系を設置して、この製
造ラインを搬送される金属帯1の表面を撮影して、表面
画像を観察した。
【0035】なお、光源11aにはシリンドリカルレン
ズ16を装着して、光を金属帯1の表面で集光させ、ラ
インセンサカメラ13aには熱線を遮断する熱遮断フィ
ルタ17及び金属帯1(鋼板)の自発光を遮光する色フ
ィルタ18を装着した。
【0036】但し、この色フィルタ18として、自発光
を遮光する青色フィルタの他に、ある程度自発光を透過
するグリーンフィルタを使用したり、色フィルタ18を
使用せずに自発光のみで観察したりした。
【0037】この観察の結果、色フィルタ18の使用の
有無又はフィルタの選択色の種類にも拘らず、巻取機8
の直前位置Aでは撮影された金属帯1の表面の画像に輝
度ムラが多く、それが障害となって,規模の大きな欠陥
以外は検出が困難であることが確認できた。
【0038】一方、仕上げ圧延機5の直後位置Dでは、
撮影された金属帯1の表面の画像の輝度が安定してい
て、欠陥のみを検出し易いことが確認できた。さらに、
どのような金属帯1の材質(鋼板種)、運転条件下で
も、金属帯1の表面温度がスケールの約600℃の変態
点温度より高いという条件下で検査すれば、より良好な
検査が可能であることを確認した。
【0039】なお、自発光を遮光する色フィルタ18を
採用した方が、より鮮明な画像を得ることができること
は言うまでもない。さらに、金属帯1の表面温度が10
00℃を越える仕上げ圧延機5の直前位置Eにおいて
は、測定環境が悪く、得られた画像も不鮮明であった。
【0040】そこで、本発明においては、金属帯1の表
面画像を撮像する例えば光源11aとラインセンサカメ
ラ13aからなる光学系の製造ライン上におけ搬送方向
の位置を、該当位置を搬送される金属帯1の表面温度が
この金属帯のスケール(表面酸化物)の例えば600℃
等の変態温度以上である位置に設定している。
【0041】したがって、製造ラインにおける各部を通
過するときの金属帯1の温度を予め測定した上で、その
温度がスケールの変態温度以上となる位置に光学系を設
置することによって、どのような金属帯1の材質(鋼板
種)、運転条件下でも、表面欠陥を高い精度で確実に検
出できる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下本発明の一実施形態を図面を
用いて説明する。図1は本発明の一実施形態の表面欠陥
検出方法が適用される製造ラインを示す図である。図4
で示した製造ラインと同一部分には同一符号が付してあ
る。したがって、重複する部分の詳細説明は省略する。
【0043】検査対象となる例えば鋼板からなる金属帯
1の搬送路に沿って、粗圧延機2、複数の圧延ロール4
からなる仕上げ圧延機5、冷却床6a及び巻取機8が配
設されている。仕上げ圧延機5は7台の圧延ロール4で
構成されており、入り側最初の圧延ロール4をNo.1
ロール、最終の圧延ロール4をNo.7ロールとする。
【0044】そして、仕上げ圧延機5の直後位置Dに表
面欠陥検出装置の光学系20が設置され、この光学系2
0で撮影された金属帯1の表面の画像は欠陥検出部21
で画像処理される。仕上げ圧延機5から5m下流の位置
Dにおける金属帯1の表面温度は、図5に示すように、
750℃〜950℃の範囲に入る。この温度範囲は、金
属帯1の表面に生成される約600℃のスケールの変態
点温度より高い。
【0045】なお、図5に示す測定結果によると、冷却
床6aの直前位置Cの650℃〜700℃の温度範囲も
約600℃のスケールの変態点温度より高いので、設置
条件を満たす。しかし、冷却床6aの直前位置のため、
金属帯1の表面に水滴が付着しやすく測定環境としては
仕上げ圧延機5の直後位置Dより不利である。よって、
この実施形態においては、仕上げ圧延機5から5m下流
の位置Dに、表面欠陥検出装置の光学系20を設定して
いる。
【0046】図2は光学系20及び欠陥検出部21の概
略構成を示す模式図である。光学系20内において、光
源としての直流点灯方式のメタルハライドランプ22か
ら出射された光はバンドルファイバー23で線状に形成
されて投光器24に導かれる。投光器24から出射され
た光26はシリンドリカルレンズ25で検査対象として
の金属帯1の表面に集光される。よつて、この金属帯1
の表面は投光器24から出射された光26で照明され
る。具体的には、金属帯1の幅方向に配列された定格2
50Wの6台のメタルハライドランプ22で1500m
m幅を有する金属帯1の幅方向に約2000mmの範囲
に亘って照射する。
【0047】金属帯1の表面で反射された光26は、自
発光・発熱カットファイルタ27を介して金属帯1の幅
方向に配設された2台のラインセンサカメラ28へ入射
される。自発光・発熱カットファイルタ27は、赤熱し
ている金属帯1から放射される熱線を遮断するととも
に、入射光成分に含まれる波長が600nm以上の可視
光を除去する。
【0048】自発光・発熱カットファイルタ27で金属
帯1の表面で反射された光のみとなった光26を受光す
るラインセンサカメラ28は、1台当たり1000mm
の幅を受光可能である。また、ラインセンサカメラ28
のは画素数は1024である。したがって、幅方向の画
素分解能はlmmである.前述したように、ラインセン
サカメラ28は金属帯1の幅方向に2台配設されている
ので、2台のラインセンサカメラ28で幅が2000m
mまでの金属帯1を画像を読取ることができる。
【0049】各ラインセンサカメラ28は周波数20M
Hzの読取クロックで金属帯1の幅方向の画像を1ライ
ン毎に読取っていき、読取った各ライン毎の画像データ
を欠陥検出部21内のカメラコントローラ30へ送出す
る。
【0050】カメラコントローラ30は、仕上げ圧延機
5の最終の圧延ロール4に設けられたロータリエンコー
ダ29より回転信号を受領して、金属帯1がlmm進む
毎に各ラインセンサカメラ28から入力された各102
4画素の輝度信号を画像メモリ11に書込む。したがっ
て、たとえ、金属帯1の搬送速度が変化しても、画像メ
モリ11内においては、常に1画素が実際の金属帯1に
おける縦横1mm四方の単位面積に対応している。この
ようにして、画像メモリ31内に、2次元の金属帯1の
表面画像が展開されていく。
【0051】画像メモリ31内に展開された金属帯1の
2次元の表面画像はマイクロコンピュータで構成された
次の欠陥解析部32へ入力される。この欠陥解析部32
においても、ロータリエンコーダ29より回転信号を受
領して、金属帯1の進んだ距離を測定し、指定された時
刻から指定された距離の表面画像を画像メモリ31から
取込む。
【0052】この欠陥解析部32は、例えば図3に示す
ように構成されている。画像メモリ31から取込まれた
表面画像は、先ず、シェーディング補正部34でシェー
ディング補正される。シェーディング補正された表面画
像は2値化処理部35へ入力される。2値化処理部35
は、入力された表面画像に対して輝度の正規化を行い、
しきい値メモリ36に記憶された経験的に求められたし
きい値を用いて2値化処理を行う。欠陥候補抽出部37
は2値化された表面画像の各画素値から欠陥候補の各画
素を抽出して次の欠陥判定部38へ送出する。
【0053】欠陥判定データベース39内には、欠陥と
判定できる幾何学的形状や、欠陥と判定できる形状の周
期性の有無等が記憶さている。欠陥判定部38は、この
欠陥判定データベース39に記憶された情報を用いて、
入力された各欠陥候補が最終的に欠陥であるか否かの判
定と、どのような種類のどの程度の欠陥がどの位置に発
生しているかを判定する。
【0054】欠陥映像作成部40は、欠陥と判定された
各画素で構成される画像を欠陥映像として編集して、表
示バッファ41へ書込む。表示ハッファ41に書込まれ
た欠陥映像は表示部33へ表示出力される。また、必要
に応じて、警報装置にてオペレータに欠陥発生を伝え
る。
【0055】オペレータは、欠陥または欠陥候補の画像
を表示部33で確認し、場合によっては実際に当該金属
帯1のコイル9を別途目視検査した上で、欠陥が発生し
た製品(コイル9)の処置や、製造ラインに組込まれた
各圧延機2,5を含む各部の点検を行う。次に、このよ
うに構成された実施形態の欠陥検出方法の特徴を説明す
る。
【0056】
【表1】
【0057】表1に、実施形態方法の特徴を説明するた
めに、実施形態方法と目視による方法と従来方法との対
比を示した。すなわち、試験用の金属帯1に故意に5種
類の欠陥を作成した。対象とした欠陥はロール疵であ
る。このロール疵は、周期性を有しており、金属帯1
(鋼板)の全長に渡って発生する。そして、欠陥は最も
軽度のものをa級,最も重度のものをe級として,a,
b,c,d,eの5段階で評価しており,c,d,e級
の欠陥は製品のユーザや下流工程の作業者からの返却
(クレーム)対象となる重大欠陥である。
【0058】これらの各欠陥の評価方法として、 (1) 熟練者の目視検査 (2) 光学系を巻取機8の直前位置Aに設定 (3) 光学系を仕上げ圧延機5の直後位置Dに設定(実施
形態方法) の3方法を評価した。
【0059】この表1に示すように、(3) の実施形態方
法において、a級,b級,c級の各欠陥において検出率
が100%であり、目視方法及び巻取機8の直前位置A
による各検出率を凌いでいる。
【0060】なお、d級、eE級の欠陥検出において、
目視方法が最も検出率が良い理由は、金属帯1の全面に
欠陥が多発して、装置よる自動検出では画像処理が飽和
したため、見逃しが生じたためである。但し、このよう
な状態そのものを欠陥解析部32は金属帯1の表面の異
常として別途通知するので、特に実際問題として支障は
ない。
【0061】この表1に示す比較結果から明らかのよう
に、光学系20を巻取機8の直前位置Aに設定した場合
等のスケールの変態温度より低い位置で欠陥を検査する
と、目視方法とほぼ同等かそれ以下の検出率しか得られ
ず、c級の欠陥でも見逃しが生じる。例えばc級の欠陥
について、光学系を巻取機8の直前位置Aに設定した場
合の検出率が61%程度である主な理由は、 (1) スケールのムラによって撮影した表面画像における
欠陥近傍のS/Nが低く、欠陥判定の精度が低下する。
【0062】(2) 同じ程度のロール疵であっても、検出
時のスケールの状態に依存して、金属帯(鋼板)1の地
肌に対する欠陥部の相対的な輝度が変動する。ことによ
り,欠陥検出部21における欠陥判定の精度が低下する
からである。
【0063】これに対して、実施形態方法においては、
c級以下の微細な欠陥を確実に検出することが可能であ
ることが理解できる。すなわち、実施形態方法において
は、スケールの変態温度を越える温度領域で欠陥検出を
実施しているので、撮影された画像に含まれる欠陥の正
常部分に対する相対輝度が高くS/Nが向上することに
加えて、輝度が安定しているため、欠陥検出の確度が向
上する。
【0064】このように、この実施形態方法は、熱間圧
延工程を含む製造ラインで熱間圧延中の金属帯1の表面
欠陥を、目視による検査や、スケールの変態温度域に配
慮せずに設置した欠陥検出装置に対してより確実に、か
つより高感度に検出できることが確認され、十分実用に
耐える。
【0065】また、金属帯1における欠陥の発性状況に
よっては、微細なa級及びb級欠陥のなかに点状のc級
欠陥が存在している場合もある。従来方法においては、
それにもかかわらず製造ラインを調整せずに生産を続行
してしまって、大量の不良品を製造してしまう場合もあ
つた。しかし、この実施形態方法においては、微細なa
級及びb級欠陥の発生をも高い確度で検出できるので、
例えば従来の目視検査と併用することで、このような事
故を未然に防ぐことが可能になった。
【0066】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れるものではない。例えば、金属帯1の表面画像を撮影
する光学系として、メタルハライドランプ22とライン
センサカメラ28を用いたが、ストロボと通常のテレビ
カメラを用いてもよい。また、冷間圧延工程が含まれる
製造ラインにおける欠陥検出でよく用いられているレー
ザビームを走査する形態の光学系を用いてもよい。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の表面欠陥
検出方法においては、金属帯の表面画像を撮像する光学
系の製造ライン上におけ搬送方向の位置を、該当位置を
搬送される金属帯の表面温度がこの金属帯の表面酸化物
の変態温度以上である位置に設定している。
【0068】したがって、金属帯の表面に生成している
表面酸化物の光学物姓値が最も安定している状態で金属
帯の表面を撮影でき、安定した高い欠陥検出精度を確保
できる。また、目視及びこれまでの設置方法では検出困
難であった軽度の欠陥も検出できようになり,製造され
る製品の品質レベルが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の表面欠陥検出方法が適
用される製造ラインを示す模式図
【図2】 同製造ラインに組込まれた表面欠陥検出装置
の概略構成を示すブロック図
【図3】 同表面欠陥検出装置における欠陥解析部の詳
細構成を示すブロック図
【図4】 本発明の表面欠陥検出方法の動作原理を説明
するための図
【図5】 製造ラインを流れる金属帯の各位置における
温度範囲を示す図
【図6】 従来の表面欠陥検出方法が適用される製造ラ
インを示す模式図
【図7】 従来の表面欠陥検出装置の概略構成を示す模
式図
【符号の説明】
1…金属帯 2…粗圧延機 5…仕上げ圧延機 6…冷却床 8…巻取機 9…コイル 20…光学系 21…欠陥検出部 22…メタルハライドランプ 28…ラインセンサカメラ 32…欠陥解析部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡崎 慎二 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 馬屋原 孝史 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 2G051 AA37 AB07 AC15 BB01 CA04 CA06 DA06 FA04

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間圧延工程を含む製造ライン上を搬送
    される金属帯の表面画像を光学系で撮影して、この撮影
    した表面画像に基づいて前記金属帯の表面に存在する欠
    陥を検出する表面欠陥検出方法において、 前記金属帯の表面画像を撮像する光学系の製造ライン上
    における搬送方向の位置を、該当位置を搬送される前記
    金属帯の表面温度がこの金属帯の表面酸化物の変態温度
    以上である位置に設定したことを特徴とする表面欠陥検
    出方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102608127A (zh) * 2012-04-09 2012-07-25 杭州智感科技有限公司 基于机器视觉的金属盖表面缺陷检测设备
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