JP2013036850A - 熱間鋼材表面疵の検査方法及び検査装置 - Google Patents

熱間鋼材表面疵の検査方法及び検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 搬送ライン上を搬送される熱間鋼材の表面からの放射光をセンサで受光して、その表面疵を検出する検査方法において、粉塵等によるセンサの汚損を防止して、ライン下側にもセンサを設置できる防汚手段を提供する。併せて微差な疵も見逃さず確実に検出し得る検出手段を提供する。
【解決手段】 搬送ラインの外周を遮光性カバーで多い、このカバーにスリットを設けて、スリットからの放射光をラインセンサに受光するとともに、センサ前方に防塵カバーを取り付ける。併せて、測定箇所上流の所定位置で、鋼材の被検査面を注水冷却(とくに気水噴霧冷却)して、鋼材表面の冷却条件をほぼ一定にした後、センサへの受光を行なう。
【選択図】図1

Description

本発明は、高速で圧延されている熱間鋼材の表面熱映像を光学式ラインセンサカメラで測定し、この熱映像を解析して鋼材の表面疵を検査する方法及び装置に関する。
近年、熱間圧延工程の省エネルギー、生産能率向上等の観点から、連鋳(連続鋳造)鋳片や熱延(熱間圧延)鋼材の表面疵を赤熱状態(熱間)で手入れすることが多くなった。これに伴い、赤熱した連鋳鋳片や熱延鋼材の表面疵を検査する技術の確立が必要になっている。
連鋳鋳片や熱延鋼材の熱間での表面疵検査方法としては、渦電流方式(下記特許文献1及び2等)と光学的方式とが提案されている。
渦電流方式は、鋼材に対向設置されたプローブコイルのインピーダンスが、鋼材表面の疵の有無により変化することを利用するものである。
しかし、条鋼圧延ラインで渦電流方式を適用しようとすると、以下の問題がある。
多くの場合、条鋼の熱間圧延ラインでは、異形棒鋼、丸棒鋼、等辺山形鋼、フラット鋼等様々な鋼材が一つのラインで圧延されている。渦電流方式では、コイルと鋼材の間の電磁的結合を一定に保持する必要があるが、多種類の鋼材を圧延するラインでは、鋼材の種類が変わるたびにコイルを交換して調整する必要があり、その手間が非常に大きい。その結果、渦電流方式の疵検査法は、少品種大量生産圧延等に用途が限定され、実際には検査装置を設置しても、使用されていないというケ−スが少なくない。
一方、光学的方式は、赤熱鋼材の自発光を利用する放射光方式(下記非特許文献1、特許文献3など)と、照明光を用いその反射光のみ選択的にセンサで捕らえる反射光方式(下記非特許文献2、特許文献4など)に大別される。
反射光方式の熱間鋼材の表面疵検査法では、赤熱した鋼材からの自発光の影響を避けるため、自発光より高輝度の光源で照明する必要がある。あるいは、自発光の波長と異なる波長域(例えば400〜500nm以下の短波長域)の光源で照明する必要がある。かかる光源として、レーザー光源、LED光源、ハロゲン光源、メタルハライド光源等が考えられる。
しかし、鋼材の表面疵検査では、広い視野を均等かつ適切に照明することが必要となるが、これが必ずしも容易ではない。そのため光の当り方でかえって疵が見え難くなる場合や、過検出になる場合が少なくなく、適用可能なケ−スが限定されている。
放射光方式の熱間鋼材の表面疵検査法は、赤熱鋼材の輝度分布(熱映像)をセンサで測定し、この熱映像を解析して、鋼材の表面疵を検出する方法である。すなわち、圧延中の鋼材に割れや押し疵等の表面疵が発生すると、疵の部分の温度が僅かに下がって輝度分布が変化する。また形状不良疵は輝度映像に変化を生ずるので、これら輝度映像の変化をセンサカメラで測定して、疵を検知する方法である。
この熱映像方式は設備が比較的簡単なため、古くから実用化されている。しかし、この方式には次のような問題点がある。まず第一に、割れなどの小さな疵は顕著な温度変化を生じないために、熱映像の解析の際に見逃してしまうおそれがあるという問題である。また第二に、搬送鋼材から、粉塵・スケールや水滴・油適などが飛散・落下するため、圧延ライン直下にはカメラを設置できず、鋼材下面側の検査ができないという問題である。かかる問題があるため、この熱映像方式の疵検査法はあまり普及していなかった。
そこで本発明は、この熱映像方式の熱間疵検査方法において、上記の問題を解決して、搬送中の熱延鋼材の全周を検査することができ、かつ微細な表面疵も見逃すおそれの無い熱間鋼材表面疵の検査手段を提供することを課題としている。
特開平06ー347447号公報 特開平08ー105862号公報 特開平09−318557号公報 特開平09−152322号公報 岩崎全良他;鉄と鋼,65,No.4,S248 上杉満昭他;鉄と鋼,70,No.9,p1188〜
上記課題を解決するための本発明の熱間鋼材表面疵の検査方法は、
搬送ライン上を搬送される熱間鋼材から放出される放射光を所定の測定箇所で受光センサに受光して、該鋼材の表面疵を検査する検査方法において、
前記測定箇所上流の所定位置において前記鋼材の被検査部のほぼ全面を注水冷却した後、前記測定箇所に搬送して、前記受光センサによる表面疵の検査を行うことを特徴とするものである。
測定箇所上流の比較的近接した位置において、被検査部のほぼ全面を注水冷却することにより、疵の部分と健全部分との間に温度差が生じて、疵部分の熱映像が顕著に識別できるようになり、微細な表面疵を見逃す危険性を大幅に低減することができる。
上記の検査方法においては、前記の注水冷却を気水ノズルを用いた気水噴霧冷却により行うことが望ましい。
気水噴霧冷却は、広い冷却面を均等に冷却するのに適している。また気水噴霧ミストは細かく、局部的に水滴痕を残すことが少ないため、誤検出防止に有利である。
さらに、上記の検査方法においては、前記測定箇所の前後所定範囲の前記搬送ラインの四方を遮光性のカバーで覆い、該測定箇所において、前記カバーの少なくとも一方の壁面に、鋼材搬送方向と直交する方向に延在するスリットを設け、該スリットから放出される放射光を1次元ラインセンサで受光して、表面疵の検査を行うことが望ましい。
これにより、センサカメラが粉塵等で汚れるのを防止し、ライン直下にもカメラを設置することが可能になった。また、ラインの四方を遮光性のカバーで覆うことにより、外部照明等のノイズとなる光を遮断して、熱映像の解析精度を高めることができる。
本発明の熱間鋼材表面疵の検査装置は、
搬送ライン上を搬送される熱間鋼材から放出される放射光を所定の測定箇所で受光センサに受光して、該鋼材の表面疵を検査するための検査装置であって、
前記測定箇所の前後所定範囲の前記搬送ラインの四方を覆うように配置された遮光性のカバーと、
該カバーの少なくとも一方の壁面に設けられた、鋼材搬送方向と直交する方向に延在するスリットと、
該スリットから放出される放射光を受光する少なくとも1基のラインセンサと、
該ラインセンサの信号に基づいて、前記鋼材表面に存在する疵の位置及び大きさを解析する疵信号解析手段と、
前記測定箇所上流の所定位置において前記鋼材の被検査部のほぼ全面を注水冷却する注水ノズルとを備えたことを特徴とするものである。
上記の表面疵の検査装置においては、前記注水ノズルが気水噴霧ノズルであることが好ましい。
また、上記の検査装置においては、前記気水噴霧ノズルが、前記測定箇所の上流5〜10mの位置、又は前記鋼材が前記気水噴霧ノズルにより注水された後前記測定箇所に搬送されるまでの所要時間が0.5〜2.0秒となる位置に設置されていることが望ましい。
気水噴霧冷却後、熱映像撮影迄の時間が0.5秒以下では、冷却水が未蒸発で鋼材面全体の画像が暗くなる。一方、熱映像撮像迄の時間が2.0秒以上になると、冷却水が蒸発して鋼材表面の復熱が進み、健全部と疵部との明暗差が少なくなるためである。通常、条鋼熱延ラインの搬送速度は、5〜20m/sec程度なので、上記の時間を距離に換算すると5〜10m程度となる。
また上記の表面疵の検査装置においては、前記ラインセンサにその受光面が粉塵により汚れるのを防止するための防塵フードが設置されていることが好ましい。これにより、鋼材搬送ラインの下側にカメラを設置しても、その受光面が粉塵、水滴等で汚れるのを防止することができ、従来困難であった鋼材の下面側の疵検査も全く問題無く実施できるようになった。
上記の防塵フードは、その前面中央に長方形又はスリット状の開口部を有する筒状の本体と、該筒状本体内にその軸心方向に所定の間隔で取り付けられた、中央に長方形又はスリット状の開口部を有する多段の邪魔板とを有し、
前記筒状本体の開口部及び前記邪魔板の開口部は、ともに前記ラインセンサの受光面に入射する前記鋼材からの放射光の光路を妨げないような大きさ及び位置に形成されていることが好ましい。
さらに、この防塵フードにおいては、前記筒状本体側面の前記ラインセンサに近接した位置にパージガス導入用のノズルが設けられてなるこのが好ましい。
このように、防塵フード内部に多段の邪魔板を設けることにより、さらにカメラの防汚効果を高めることができ、また、防塵フード内部にパージガスを流通させることにより、防汚効果がより一層高くなる。
本発明は、放射光(熱映像)方式の熱間鋼材の表面疵検査方法において、熱映像測定の所定時間前に被測定面を注水冷却することを特徴とするもので、これにより、健全部と疵部の輝度の差をより鮮明にして、検査ミスを少なくすることが可能になった。
また、搬送ラインのカバーに設けたスリットから放射光を受光するとともに、カメラの前面に防塵フードを設置することにより、搬送鋼材の下側にもカメラを設置することができ、高速移動中の熱間鋼材の全周囲の表面疵を検査することが可能になった。さらに実ラインで長期間使用しても、カメラの汚損が無いため、ほとんどメンテナンス無しに長期間継続して表面疵検査を行なうことが可能になった。
以下、実施例の図面を参照して本発明について詳細に説明する。図1は、本発明の実施例である熱間鋼材表面疵の検査装置の外観を示す斜視図である。本図において、搬送ラインを構成する搬送ロール2により、赤熱した鋼材(熱間鋼材)1が矢印X方法に搬送されている。鋼材1及び搬送ロール2は、その全周を遮光性のカバー3で覆われている。図中矢印Aは測定箇所を、矢印Bはその上流にある注水冷却の位置を示している。測定箇所Aにおいて、カバー3の周囲4面にスリット4が形成されている。熱間の鋼材1の表面から放射される放射光は、このスリット4を通してラインセンサカメラ5により受光される。図中カバー3の下面側及び奧側側面のスリット及びラインセンサカメラは図示していない。また、ラインセンサカメラ5の前方には、防塵フード6が取り付けられているが、その詳細は後述する。
図2は、上記実施例におけるラインセンサカメラの配置を示す断面概要図である。断面が長方形の鋼材1の4面に対応して左右の水平カメラ5a,上下の垂直カメラ5bが配置され、カバー3のスリット4を通して鋼材1からの放射光を受光する。各カメラ5a,5bの前面には防塵フード6が取り付けられている
図3は、本実施例で用いたカメラの構造を示す側面図及び正面図である。ラインセンサカメラ5の前方には、レンズセット8が配置され、これら両者は冷却ボックス9の内部に配設されている。冷却ボックス9は取付け脚10で支持台(図示していない)に固定される。冷却ボックス9の前面及び後面にはフランジ11が設けられ、内部のカメラ5の点検・交換を自在に行なうことができる。また、冷却ボックス9は水冷構造になっている。
すなわち、冷却ボックス9の側面には、円環状の冷却水流路12が設けられ、冷却水の導入管13から入った冷却水は排出管14から排出される。また、冷却ボックス9の前方には、円筒状の防塵フード6が取り付けられ、冷却ボックス9内部に粉塵、水滴、油滴等が侵入するのを防止する。
冷却ボックス9の前面にはスリット状の開口部15が設けられ、この開口部から入射する鋼材の放射光をカメラ5で受光する。開口部15は、カメラ5の受光面と相似の形状で、これと同じ大きさか又はこれより大きいことが好ましく、かつ両者の長手方向が一致していることが必要である。また、防塵フード6の開口部20の前方には、エヤパージノズル16が配されている。エヤパージノズル16は、先端にスリット状の吹出し部17を有する偏平なパージボックス18とエヤ供給管19とから構成されている。
図4は本実施例で用いた防塵フードの断面図及び正面図である。この防塵フードは筒状本体21と、その内部には配設された多段の(本実施例では7枚の)邪魔板24からなっている。邪魔板24は筒状本体21の軸心方向にほぼ等間隔で取り付けられている。筒状本体21の前面及び邪魔板24の中央には、ともに長方形又はスリット状の開口部20を有する。両者の開口部はほぼ同じ形状及び大きさであり、カメラの冷却ボックスの開口部15と相似の形状で、これと同じ大きさか又はこれより大きいことが好ましく、かつ両者の長手方向が一致していることが必要である。これにより鋼材1の被検査部から放射された放射光がラインセンサカメラ5の受光面に入射する際に、その光路を妨げないようにすることができる。
またこの実施例では、筒状本体21後面にはフランジ22が設けられ、これをカメラ冷却ボックス(図3の9)に取り付ける。この取付けはネジ穴23にボルト(図示していない)を挿入して、着脱自在に取り付けられるようになっている。 邪魔板24は、これを連通する一対の支柱25でフランジ22に取り付けられている。また、筒状本体21の胴部のフランジ22の付近にパージエヤの導入管26が取り付けられ、これから導入されたパージエヤは本体の開口部20から流出して、粉塵等の侵入を防止するようになっている。
このように搬送ラインを覆うカバーと防塵フードで保護することにより、下側のカメラでも粉塵や水滴・油滴等による汚れをほぼ完全に防止して、長時間安定に疵検査を行なうことが可能になった。
次に、注水冷却の位置Bには、鋼材1の全周4面のほぼ全体を冷却しうるように注水ノズル7が設置されている。注水ノズル7には気水噴霧ノズルを用いることが好ましい。気水噴霧は、均一な冷却が可能になるばかりでなく、直径数10μmの水滴が鋼材表面に衝突した瞬間に蒸発して鋼材表面を抜熱するので、薄い表面層のみを断熱的に冷却する効果があって、疵形状の顕在化に適している。
図5は、本実施例における注水ノズルの形状と配置を示す斜視図である。本実施例においては、気水噴霧ノズルが用いられ、鋼材1の4面を均等に冷却できるように、左右の気水噴霧ノズル7a,上下の気水噴霧ノズル7bの4個のノズルをほぼ一定距離鋼材表面から離して配置している。各ノズルは先端にスリット状の開口部30を有する偏平なノズル本体31と空気32及び水33を供給する供給パイプ34からなっている。
注水位置Bから測定箇所A迄の距離は、通常5〜10m程度とする。条鋼熱間圧延ライン出口側での鋼材搬送速度は、条鋼のサイズにもよるが、5〜20m/sec程度なので、注水冷却された鋼材は、約0.5〜2.0秒後に測定箇所Aに到達する。この間に鋼材表面が少し冷却され、表面欠陥のある部分と正常な部分での冷却の程度に差が生じるため、表面疵をより確実に検出できるようになる。一方、注水冷却の水滴は、この間に完全に蒸発するので、これが表面疵として誤検出されるおそれはない。
放射光方式の光学的表面疵検査法は、圧延スタンドでの注水により鋼材表面が冷却され、表面欠陥部と健全部での冷却のされ方の差によって明暗が生じるので、この明暗から表面疵を検出するという原理に基づくものである。しかし、圧延後の鋼材が搬送中に復熱(鋼材内部の熱で表面が再加熱される)するため、上記の明暗が不明確になり、表面疵の検出ミスを招くということが課題であった。とくに、搬送ラインをカバーで覆った場合には復熱が起こりやすく、検出ミスの可能性がより大きくなる懸念がある。
本発明は、測定箇所の上流で鋼材の被検査部のほぼ全面を一様に注水冷却した後、所定の時間経過後に測定箇所に搬送して、ラインセンサカメラで放射光を受光する手法をとることにより、上記のような復熱による検出ミスという問題を巧みに解決したことがポイントである。
図6は、本検査装置の信号処理システムの構成を示す図である。4台のラインセンサカメラ5の近傍に、カメラ用電源盤35が設けられ、この電源盤内には光ケーブル変換器36とカメラ電源37が収められている。カメラ5からカメラケーブル38で伝送された電気信号は、光ケーブル変換器36で光信号に変換され、光信号ケーブル40で制御盤41に伝送される。一方カメラ5には、電動ズームレンズが取り付けられており、カメラ電源37からカメラ電源ケーブル39を介して送られた電気信号により、ズームレンズが制御される。
制御盤41内にはパソコン42が収納され、光信号ケーブル40で伝送された熱映像画像を解析して、鋼材表面疵を検出し、これをディスプレイ43に表示する。
このように熱映像画像を光信号で伝送することにより、大量のデータを高速で伝送でき、疵検出に要する時間をより短縮することが可能になる。また、電動ズームレンズを用いることにより、疵検出に最も好適な焦点位置を検査員が判断して、熱映像画像を取得することが可能になる。
稼働中の条鋼熱延ラインに本発明を適用して、熱間鋼材の表面疵検査を実施した。条鋼熱延機の最終スタンド出口側にある切断機の下流にカメラを設置した。測定箇所は切断機から約6m下流とし、切断機出口から測定箇所下流1m迄の範囲の条鋼搬送ラインを全周を遮光性カバーで覆った。カバーは、鋼製枠に耐熱ボードを張付けて作成したものでる。
測定箇所に該当する位置で、カバーの4面にスリット状の切欠きを設けた。切欠きは条鋼搬送方向に直交するように設け、その大きさは、いずれも幅50×長さ300mmとした。
ラインセンサカメラは、Basler社製の型式ruL1024−57gmのカメラを4台使用した。このカメラを、外径約190mmの鋼製冷却ボックス(図3の符号9)に収容し、図2に示すように鋼材1の4面から放射光を受光した。その際カメラの汚損を防ぐため、カメラ前面に図4に示す構造の防塵フードを取り付けた。防塵フードは外径約115mm×長さ約500mmの筒状体からなり、その内部に14枚の邪魔板が等間隔に配置されている。筒状体前面及び邪魔板の中央に幅15×長さ90mmの長方形の切欠き(開口部)が設けられ、カメラへの入射光の光路を確保している。なお、防塵フードの外径や邪魔板の切欠き寸法は、圧延される鋼材の寸法等によって適切に選ばれる。カメラから鋼材表面迄の距離はおおよそ1mとした。また防塵フードのパージエヤの流量は約50l/minとした。
また、測定箇所の上流約5mの位置に鋼材の4面を気水噴霧冷却する気水噴霧ノズルを4個配置した。気水噴霧ノズルは、図5に示すような形状のもので、ノズル先端の開口部の大きさは幅2×長さ150mm程度のものである。ノズル先端から鋼材までの距離は、0.5〜0.8m程度とした。各ノズルの気水流量は、空気が200l/min、水が30l/min程度とした。
このような条件で計測したフラットバー(幅100×厚み12mm)における鋼材表面疵の熱映像の例を図7に示す。カメラの走査速度は50kHzで、輝度信号が毎秒5×105ライン測定される。輝度レベルは256レベル(8バイト)の分解能で、幅方向の画素数は1024である。図7において、横軸は画素番号、すなわち鋼材の幅方向の位置を示し、縦軸は輝度レベルを示す。
図7の(a)〜(d)は、一定の時間間隔で連続的に測定された輝度信号を示す。鋼材の移動速度が5m/secなので、各図は鋼材表面上の距離で20mm毎の幅方向輝度分布を示している。
図7(a)は、疵の無い部分の熱映像で、健全部の輝度レベルが200〜210程度であることが分かる。図7(b)及び(c)では幅方向中央付近に輝度の著しく低い部分があり、これが表面疵の存在を示すものである。この輝度の低い部分の幅から、表面疵の幅を計測することができる。また、疵の存在する画像の枚数から、表面疵の長さを計測することができる。図7の例では2〜3枚の画像に疵が存在するので、疵の長さは40〜60mmと推測される。
次ぎに、上記のように本発明の方法で表面疵を自動検出すると同時に、測定箇所より後方の検査ヤードにおいて、冷却された鋼材の表面疵を検査員が目視検査し、双方の検査結果を対比した。この対比は、本発明の方法で気水噴霧冷却を行なった場合(本発明)と、従来の気水噴霧冷却の無い場合(従来法)の両方で行い、その結果を比較した。
目視検査で検出した表面疵の数をNt、自動検出された表面疵の数をNmとして、100本の熱延フラットバーについて調査を行った結果、Nt/Nm×100が、従来法では20%程度であったのに対して、本発明では90%と大幅に向上した。この結果、気水噴霧冷却を行なう本発明の方法により放射光測定による表面疵の検出ミスが大幅に改善されることが確かめられた。なお、目視検査では一定寸法の鋼材が横に並んで搬送されてくるので、裏面の検査は行なっていない。
また、実操業中の条鋼熱延ラインで、上記実施例の条件による熱間鋼材表面疵の検査を10ケ月間継続して行なった。その結果、4台のラインセンサカメラは全く汚染も破損もすることなく、無事に検査を継続することができた。現在も全くメンテナンスすることなく正常に作動している。
さらに、疵の判定精度が改善されたために、製鋼過程での連続鋳造ラインで発生するビレットエッジの割れと鋼材表面疵の関連が明確にされ、製鋼過程の品質管理の改良にまで本発明の効果が及んでいる。
本発明の実施例である熱間鋼材表面疵の検査装置の外観を示す斜視図である。 本発明の実施例におけるラインセンサカメラの配置を示す断面概要図である。 本発明の実施例で用いたカメラの構造を示す側面図及び正面図である。 本発明の実施例で用いた防塵フードの断面図及び正面図である。 本発明の実施例における注水ノズルの形状と配置を示す斜視図である。 本発明の実施例における信号処理システムの構成を示す図である。 本発明の実施例における鋼材表面疵の熱映像の例を示す図である。
1;鋼材、2;搬送ロール、3;カバー、4;スリット、5,5a,5b;ラインセンサカメラ、6;防塵フード、7;注水ノズル、8;レンズセット、9;冷却ボックス、10;取付け脚、11;フランジ、12;冷却水流路、13;導入管、14;排出管、15;開口部、16;エヤパージノズル、17;吹出し部、18;パージボックス、19;エヤ供給管、20;開口部、21;筒状本体、22;フランジ、23;ネジ穴、24;邪魔板、25;邪魔板の支柱、26;パージエヤ導入管、30;開口部、31;ノズル本体、32;空気、33;水、34;供給パイプ、35;カメラ用電源盤、36;光ケーブル変換器、37;カメラ電源、38;カメラケーブル、39;カメラ電源ケーブル、40;光信号ケーブル、41;制御盤、42;パソコン、43;ディスプレイ

Claims (9)

  1. 搬送ライン上を搬送される熱間鋼材から放出される放射光を所定の測定箇所で受光センサに受光して、該鋼材の表面疵を検査する検査方法において、
    前記測定箇所上流の所定位置において前記鋼材の被検査部のほぼ全面を注水冷却した後、該鋼材を前記測定箇所に搬送して、前記受光センサによる表面疵の検査を行うことを特徴とする熱間鋼材表面疵の検査方法。
  2. 前記の注水冷却を気水ノズルを用いた気水噴霧冷却により行うことを特徴とする請求項1記載の熱間鋼材表面疵の検査方法。
  3. 前記測定箇所の上流及び下流の所定範囲において、前記搬送ラインの四方を遮光性のカバーで覆うとともに、該測定箇所において前記カバーの少なくとも一方の壁面に、鋼材搬送方向と直交する方向に延在するスリットを設け、該スリットから放出される放射光を1次元ラインセンサで受光して、表面疵の検査を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱間鋼材表面疵の検査方法。
  4. 搬送ライン上を搬送される熱間鋼材から放出される放射光を所定の測定箇所で受光センサに受光して、該鋼材の表面疵を検査するための検査装置であって、
    前記測定箇所の上流及び下流の所定範囲において前記搬送ラインの四方を覆うように配置された遮光性のカバーと、
    該カバーの少なくとも一方の壁面に設けられた、鋼材搬送方向と直交する方向に延在するスリットと、
    該スリットから放出される放射光を受光する少なくとも1基の1次元ラインセンサと、
    該ラインセンサの信号に基づいて前記鋼材表面に存在する疵の位置及び大きさを解析する疵信号解析手段と、
    前記測定箇所上流の所定位置において前記鋼材の被検査部のほぼ全面を注水冷却する注水ノズルとを備えたことを特徴とする熱間鋼材表面疵の検査装置。
  5. 前記注水ノズルが気水噴霧ノズルである請求項4に記載の熱間鋼材表面疵の検査装置。
  6. 前記気水噴霧ノズルが、前記測定箇所の上流5〜10mの位置、又は前記鋼材が前記気水噴霧ノズルにより注水された後前記測定箇所に搬送されるまでの所要時間が0.5〜2.0秒となる位置に設置されていることを特徴とする請求項5に記載の熱鋼材表面疵の検査装置。
  7. 前記ラインセンサに、その受光面が粉塵により汚れるのを防止するための防塵フードが設置されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の熱間鋼材表面疵の検査装置。
  8. 前記防塵フードが、その前面中央に長方形又はスリット状の開口部を有する筒状の本体と、該筒状本体内にその軸心方向に所定の間隔で取り付けられた、中央に長方形又はスリット状の開口部を有する多段の邪魔板とを有し、
    前記筒状本体の開口部及び前記邪魔板の開口部は、ともに前記ラインセンサの受光面に入射する前記鋼材からの放射光の光路を妨げないような大きさ及び位置に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の熱間鋼材表面疵の検査装置。
  9. 前記筒状本体側面の前記ラインセンサに近接した位置にパージガス導入用のノズルが設けられてなる請求項9に記載の熱間鋼材表面疵の検査装置。
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