JP2013238210A - 多段オイルポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の多段オイルポンプでは、圧力、温度が高い場合には用いることは出来なかった。ローターケースをハウジングに収納することにより、圧力、温度が高い場合にも用いること出来る多段オイルポンプを提供する。
【解決手段】オイルポンプは、２つのローター６，７が回転軸方向に直列接続されている。各ローター６，７は、内部がスぺーサー５で仕切られたローターケース４に、スペーサー５を介して各別に収納されている。ローターケース４は一筒状をなし、スペーサー５はローターケース４と一体である。ローター６，７及びローターケース４は鉄系で、位置決めピンでハウジング２に固定されている。
【選択図】図２

Description

本発明は、特に自動車等に用いられる多段オイルポンプに関する。
従来より、複数のローターが直列接続された多段オイルポンプが提供されている（例えば、特許文献１）。当該図１に記載の如く、トロコイドポンプ（ローター）４，５は有底筒状のハウジング本体１に直接収納されている。
特開２００６−１６１６１４号公報
しかしながら、上記構造ではトロコイドポンプが、ケーシングされていないため、圧力、温度が高い場合には用いることは出来なかった。
本発明は、上記改題を解決できる多段オイルポンプを提供することを目的とする。
このような課題を解決するために、本発明の多段オイルポンプは、２つのローターが回転軸方向に直列接続された多段オイルポンプであって、前記各ローターは、内部がスぺーサー部で仕切られたローターケースに、該スペーサーを介して各別に収納され、前記ローターケースは一筒状をなし、前記スペーサー部は前記ローターケースと一体であることを特徴とする。
また、本発明は、前記ローター及び前記ローターケースは鉄系であることを特徴とする。
また、本発明は、前記ローターケースは、位置決めピンでハウジングに固定されていることを特徴とする。
本発明によれば、ローターを直接ハウジングの中に収納するのではなく、ローターケース内にローターを収納し、該当ローターケースをハウジング内に収納するので、圧力、温度が高い場合にも用いることは出来る。
本発明の一実施形態の多段オイルポンプの斜視図である。 図１の多段オイルポンプをカバー側から見た分解斜視図である。 図１の多段オイルポンプをハウジング側から見た分解斜視図である。 図１のＡ−Ａ矢視断面図である。 図１のＡ−Ａ矢視断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の最良の形態を説明する。
多段オイルポンプ１は、ハウジング２と、ハウジング２を塞ぐカバー３と、ハウジング２に収納されたロータケース４と、ロータケース４に収容されて互いが列接続された第１，第２ローター６，７とを備えている。
ハウジング２は、有底筒状を呈しており、ポンプ吐出ポート２１を備えている。ロータケース４は、一筒状をなしており、長さ方向の中央部がスペーサー５で仕切られている。ロータケース４は、スペーサー５で仕切られた一端側が第１ロータケース４１、他端側が第２ロータケース４２となっている。ロータケース４の一面及び他面からはそれぞれ位置決めピン８が突出している。ロータケース４の側面には、第１ロータ吸入ポート４３が設けられている。
第１ロータケース４１には第１ローター６が、第２ロータケース４２には第２ローター７がそれぞれ収容されている。第１ロータケース４１には、第１ロータケース４１に対して軸心を偏心させた円形の第１ロータ収容孔４１１が形成されている。第２ロータケース４２には、第２ロータケース４２に対して軸心を偏心させた円形の第２ロータ収容孔４２１が形成されている。第１ロータケース４１と第２ロータケース４２とは、第１ロータ収容孔４１１と第２ロータ収容孔４２１とが軸心をオフセットさせている。
スペーサー５は、鉄系の材料で形成されている。鉄系の材料としては、具体的には、鉄−銅−炭素系（ＪＰＭＡ規格）、ＳＭＦ４０３０等を用いることができる。
スペーサー５には、駆動軸１１の挿通孔５１、第１ロータ吐出ポート５２、及び第２ロータ吸入ポート５３が設けられている。第１ロータ吐出ポート５２はスペーサー５の一面に、第２ロータ吸入ポート５３はスペーサー５の他面にそれぞれ形成されており、互いに連通している。
第２ロータケース４２とハウジング２との間には、サイドプレート９が配置される。サイドプレート９は、第１ロータケース４１と同じ外径の円板に駆動軸１１の挿通孔９１、及び第２ロータ吐出ポート９２を設けて構成されている。
スペーサー５の一面から突出した位置決めピン８は、ハウジング２に嵌合し、図６に示すように、ローターケース４をハウジング２に接合している。スペーサー５の他面から突出した位置決めピン８は、カバー３に嵌合し、ローターケース４をカバー３に接合している。
第１ローター６は、第１アウターローター６１の内側に第１インナーローター６２を配置して構成されており、鉄系の材料で形成されている。鉄系の材料としては、具体的には、鉄−銅−炭素系（ＪＰＭＡ規格）、ＳＭＦ４０３０等を用いることができる。第１アウターローター６１は、第１ロータ収容孔４１１の内径とほぼ等しい外径を有した円板にオイル充填孔６１１を設けて構成されており、第１ロータ収容孔４１１内に回転自在に配置されている。オイル充填孔６１１は、第１アウターローター６１と軸心を一致させて配置されている。
第１アウターローター６１と第１インナーローター６２との間には、オイル充填孔６１１の内周面と、第１インナーローター６２の外周面と、スペーサー５及びカバー３とで仕切られた４つのオイル収容室が構成されている。
第１インナーローター６２は、駆動軸１１に固定されており、駆動軸１１の軸心を第１ロータケース４１の軸心と一致させて、第１アウターローター６１内に配置されている。
第２ローター７は、第２アウターローター７１の内側に第２インナーローター７２を配置して構成されている。第２アウターローター７１は、第１アウターローター６１と同様の形状を有しており、第２ロータ収容孔４２１内に回転自在に配置されている。第２インナーローター７２は、第１インナーローター６２と同様の形状を有しており、駆動軸１１の軸心を第２ロータケース４２の軸心と一致させて、第２アウターローター７１内に配置されている。
第２アウターローター７１と第２インナーローター７２との間には、オイル充填孔６１１の内周面と、第２インナーローター７２の外周面と、サイドプレート９とで仕切られた４つのオイル収容室が構成されている。
次に、多段オイルポンプ１の動作を説明する。
第１ローター６のオイル収容室には、第１ロータ吸入ポート４３からオイルが供給されている。駆動軸１１が回転すると、第１アウターローター６１が第１インナーローター６２により駆動軸１１の回転方向に回転させられ、オイル収容室も駆動軸１１の回りを移動する。オイル収容室は、駆動軸１１から遠ざかるのに伴い容積を増大させ、その分のオイルを第１ロータ吸入ポート４３から吸入する。また、オイル収容室は、駆動軸１１に近づくのに伴い容積を減少させ、その分のオイルを第１ロータ吐出ポート５２から吐出する。
第２アウターローター７１のオイル収容室には、第２ロータ吸入ポート５３からオイルが供給されている。駆動軸１１が回転すると、第２アウターローター７１が第２インナーローター７２により駆動軸１１の回転方向に回転させられ、オイル収容室も駆動軸１１の回りを移動する。オイル収容室は、駆動軸１１から遠ざかるのに伴い容積を増大させ、第２ロータ吸入ポート５３からその分のオイルを吸入する。また、オイル収容室は、駆動軸１１に近づくのに伴い容積を減少させ、その分のオイルを第２ロータ吐出ポート９２から吐出する。
第１ローター６のオイル収容室が第１ロータ吐出ポート５２から吐出させたオイルは、第２ローター７のオイル収容室に第２ロータ吸入ポート５３から吸入される。第１ロータ収容孔４１１が第２ロータ収容孔４２１に対してオフセットされていることから、第１ローター６のオイル収容室が容積を増大させるのに伴い、第２ローター７のオイル収容室が容積を減少させる。このため、第１ロータ吐出ポート５２から吐出されたオイルは、容積をを増大させる第２ローター７のオイル収容室により、そのまま第２ロータ吸入ポート５３から吸入される。
本実施形態によれば、ローター６，７を直接ハウジング２の中に収納するのではなく、ローターケース４内にローター６，７を収納し、該当ローターケース４をハウジング２内に収納するので、圧力、温度が高い場合にも用いることは出来る。
また、本実施形態によれば、ローター６，７及びローターケース４が鉄系であることから、熱膨張を抑えてオイルの流量精度を向上させられる。
上記実施形態では、ローター６，７及びローターケース４が鉄系の材料で形成されていた場合について説明したが、一方のみが鉄系の材料で形成されていてもよい。また、ローターケース４の接合方法は任意であり、位置決めピン８を用いたものには限定されない。
また、上記実施形態では、ロータケース４の側面のスペーサー５側から第１アウターローター６１内のオイル収容室にオイルが供給された場合について説明したが、カバー３側から供給される構成としても良い。また、カバー３からハウジング２を通してオイルがオイル収容室内に供給される構成としてもよい。
１ 多段オイルポンプ
１１ 駆動軸
１２ シール材
２ ハウジング
２１ ポンプ吐出ポート
２２ 嵌合孔
３ カバー
３１ 嵌合孔
４ ロータケース
４１ 第１ロータケース
４１１ 第１ロータ収容孔
４１２ 嵌合孔
４２ 第２ロータケース
４２１ 第２ロータ収容孔
４２２ 嵌合孔
４３ 第１ロータ吸入ポート
５ スペーサー
５１ 挿通孔
５２ 第１ロータ吐出ポート
５３ 第２ロータ吸入ポート
６ 第１ローター
６１ 第１アウターローター
６１１ オイル充填孔
６２ 第１インナーローター
７ 第２ローター
７１ 第２アウターローター
７１１ オイル充填孔
７２ 第２インナーローター
８ 位置決めピン
９ サイドプレート
９１ 挿通孔
９２ 第２ロータ吐出ポート
９４ 嵌合孔

Claims (3)

  1. ２つのローターが回転軸方向に直列接続された多段オイルポンプであって、
    前記各ローターは、内部がスぺーサー部で仕切られたローターケースに、該スペーサーを介して各別に収納され、
    前記ローターケースは一筒状をなし、
    前記スペーサー部は前記ローターケースと一体であることを特徴とする多段オイルポンプ。
  2. 前記ローター及び前記ローターケースは鉄系であることを特徴とする請求項１記載の多段オイルポンプ。
  3. 前記ローターケースは、位置決めピンでハウジングに固定されていることを特徴とする請求項1又は２に記載の多段オイルポンプ。
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