JP6779807B2 - 液封式真空ポンプ - Google Patents
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Description
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、排気ケーシングの分割化、主軸を細くする、羽根車ボス径を太くする、といった設計を行うことなく、軸封部品収容空間を介して各羽根室が互いに連通してしまうことを防止することができ、羽根車に密閉された空間としての羽根室を形成することができる液封式真空ポンプを提供することを目的とする。
である。
本発明の好ましい態様は、前記側板は、前記各羽根の幅方向端面および半径方向内端に接続されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ボス部と前記複数の羽根と前記側板とを有した前記羽根車は、鋳造により一体成形されることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記連結リングの幅は、前記各羽根の幅よりも小さいことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記連結リングは、前記各羽根の幅方向端部側から幅方向内方に向かって先細になった断面形状を有することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ボス部の外径は、前記軸封部品収容空間の内径より小さいことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記液封式真空ポンプは、吸気側の第1段羽根車と排気側の第2段羽根車とを備えた2段液封式真空ポンプからなり、前記側板は前記第2段羽根車に設けられていることを特徴とする。
図1は、本発明に係る液封式真空ポンプの実施形態を示す模式的断面図である。図1においては、液封式真空ポンプの一例として、2段液封式真空ポンプを図示している。図1に示すように、2段液封式真空ポンプは、第1段ポンプ室1と第2段ポンプ室2とを内部に形成するケーシング3を備えている。第1段ポンプ室1には吸気側の第1段羽根車4が設けられ、第2段ポンプ室2には排気側の第2段羽根車5が設けられている。第1段羽根車4と第2段羽根車5とは、直動型モータ6の同一の主軸(回転軸)7に固定されている。ケーシング3の中央部には、半径方向内方に延びる仕切壁3pが形成されており、この仕切壁3pによって第1段ポンプ室1と第2段ポンプ室2とを仕切っている。仕切壁3pには、第1段ポンプ室1の排気ポートPdと第2段ポンプ室2の吸気ポートPsとが形成されており、排気ポートPdと吸気ポートPsとにより第1段ポンプ室1と第2段ポンプ室2とを連通させている。
図3(a)に示すように、本発明の第2段羽根車5は、円筒形のボス部41と、ボス部41から等間隔に放射状に延びる複数の羽根42と、ボス部41から半径方向外方に延びる円環状の側板43とを備えている。ボス部41、複数の羽根42および側板43を備えた第2段羽根車5は、鋳造によって一体成形される。側板43は、軸封部品10の収容空間に面する側であってボス部41の端部に設けられており、また側板43は、各羽根42の幅方向端面42aおよび半径方向内端42bに接続されている(図1参照)。また、ボス部41には、主軸7を嵌合するための貫通孔41hやキーを挿入するためのキー溝41k等が形成されている。
従来の第2段羽根車5においては、連結リング44は各羽根42の剛性を高めるために設けられているが、本発明の第2段羽根車5においては、側板43により各羽根42の剛性を高めることができるために連結リング44を省略したものである。
図4(a)に示すように、本実施形態の第2段羽根車5は、隣接する2枚の羽根42同士を連結するために円環状に形成された連結リング44を備えている。すなわち、本実施形態の第2段羽根車5は、連結リング44と側板43とを併用している。連結リング44は、各羽根42の先端部で各羽根42の幅方向端部に位置し、かつ側板43の外周側に位置している。図4(a)に示す第2段羽根車5におけるその他の構成は、図3(a)に示す第2段羽根車5と同様である。
図4(b)は連結リング44の断面形状を示す図である。図4(b)に示すように、連結リング44の断面形状は、半円(左端)、三角(左から2番目)、台形(左から3番目)、鉛直方向に長軸がある半楕円(左から4番目)、水平方向に長軸がある半楕円(右端)等である。連結リング44の断面形状は、いずれも、羽根42の幅方向端部側(図4(b)において左側)から幅方向内方(図4(b)において右側)に向かって先細になっている。
図4(c)は側板43の断面形状を示す図である。図4(c)に示すように、側板43の断面形状は、長方形(左側)、台形(右側)等である。右側の図で示す側板43の断面形状は、ボス部41から羽根42の外周側に向かって先細になっている。
従来の羽根車は、図3(b)に示すように、主軸7の軸方向と直交する面と平行、かつ幅方向中心に連結リング44が配置されており、上型と下型の分割面をリング部に設定し鋳造を行っていた。
連結リング44と側板43を併用する場合、従来の羽根車のような幅方向中心に連結リングが形成されていると、型の分割面を設定できず製作が難しくなる。そこで、図4(a)に示す本発明の羽根車のように、側板43と連結リング44を第2段羽根車5の排気側に設け、かつ連結リング44の断面形状を半円にすることで、型の分割を行うことができる。連結リング44の断面形状は、図4(b)に示すように、三角,台形などの多角形、半楕円など、型の分割が可能となる断面形状であれば任意に設定可能である。
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内において、種々の異なる形態で実施されてよいことは勿論である。
2 第2段ポンプ室
3 ケーシング
3p 仕切壁
4 第1段羽根車
5 第2段羽根車
6 モータ
7 主軸
8 吸気側カバー
8s 吸気口
9 排気ケーシング
9d 排気口
10 軸封部品
12 モータフランジ
13 モータケーシング
14 軸受
41 ボス部
41h 貫通孔
41k キー溝
42 羽根
42a 幅方向端面
42b 半径方向内端
43 側板
44 連結リング
D1 軸封部品の収容空間の内径
D2 第2段羽根車のボス径
D3 側板の外径
LF 液膜(液環)
Pd 排気ポート
Ps 吸気ポート
Rb 羽根室
Claims (9)
- 封液を収容するケーシングと、前記ケーシング内に収容される少なくとも1つの羽根車と、前記ケーシングの後端部を閉塞する排気ケーシングとを備えた液封式真空ポンプにおいて、
前記羽根車を支持する主軸が前記排気ケーシングを貫通する部分に軸封部品を設け、
前記羽根車は、前記主軸が挿通される孔を有した円筒状のボス部と、前記ボス部から半径方向外方に延びる複数の羽根と、前記軸封部品に面する側において前記ボス部の外周から半径方向外方に延びる円環状の側板とを備え、
前記側板の外径は、前記ケーシングに形成された軸封部品収容空間の内径より大きく、前記側板の外周は、前記排気ケーシングに形成された排気ポートよりも、前記羽根車の半径方向において内側にあることを特徴とする液封式真空ポンプ。 - 前記側板は、端面の少なくとも一方が、前記主軸の軸方向と直交する面と平行になっていることを特徴とする請求項1記載の液封式真空ポンプ。
- 前記側板は、前記各羽根の幅方向端面および半径方向内端に接続されていることを特徴とする請求項1または2記載の液封式真空ポンプ。
- 前記ボス部と前記複数の羽根と前記側板とを有した前記羽根車は、鋳造により一体成形されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液封式真空ポンプ。
- 前記複数の羽根を隣接する羽根間で互いに連結する円環状の連結リングを備え、
前記連結リングは、前記各羽根の幅方向端部に位置し、かつ前記側板の外周側に位置していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液封式真空ポンプ。 - 前記連結リングの幅は、前記各羽根の幅よりも小さいことを特徴とする請求項5記載の液封式真空ポンプ。
- 前記連結リングは、前記各羽根の幅方向端部側から幅方向内方に向かって先細になった断面形状を有することを特徴とする請求項5または6記載の液封式真空ポンプ。
- 前記ボス部の外径は、前記軸封部品収容空間の内径より小さいことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液封式真空ポンプ。
- 前記液封式真空ポンプは、吸気側の第1段羽根車と排気側の第2段羽根車とを備えた2段液封式真空ポンプからなり、
前記側板は前記第2段羽根車に設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の液封式真空ポンプ。
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2017
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