JP6900429B2 - ベーンポンプ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ベーンポンプ装置に関する。
特許文献1に記載されたベーンポンプは、ハウジングの内部に枢支した回転軸に結合されて回転するロータと、ハウジングの内部でロータを囲むように配設されるカムリングと、ロータの放射方向に複数設けたベーン溝に摺動自在に配設された複数のベーンと、ロータの周囲で相隣るベーンにより区画される複数のポンプ室と、圧縮行程を行なうポンプ室に対応し、ロータの直径方向で対向して設けられる複数の吐出ポートとを有している。そして、特許文献1に記載されたベーンポンプにおいては、ロータに、外周面から回転中心方向に凹んだ凹部が形成されている。
特開2013−50067号公報
吐出工程において、高圧の作動流体が吐出しきらずに吐出工程が終了すると、吐出工程が終了したにもかかわらずポンプ室の圧力が高いままとなる。吸入工程が開始した時に、吸入ポートの圧力よりもポンプ室の圧力が高いと、ポンプ室の作動流体が吸入ポートに逆流してしまう。逆流が生じると、吸入ポートとポンプ室とが連通して直ちに吸入ポートからポンプ室へ作動流体が吸入されずに、ポンプ室への吸入開始が遅れるおそれがある。それゆえ、吸入工程が開始した時のポンプ室の圧力は低いことが望ましい。
本発明は、吸入工程開始時におけるポンプ室の圧力を低下させることが可能なベーンポンプ装置を提供することを目的とする。
かかる目的のもと完成させた本発明は、10枚のベーンを回転半径方向に移動可能に支持して回転するロータと、前記ロータの外周面に対向する内周面を有するカムリングと、を有し、前記ロータの回転中心から前記カムリングの内周面までの距離が前記ロータの回転角度に応じて変化することで、前記ロータの外周面、前記カムリングの内周面及び前記10枚のベーンの内の隣接する2枚のベーンにて区画されるポンプ室の容積が前記回転角度に応じて変化することにより、少なくとも前記ポンプ室に作動流体を吸入する吸入工程及び前記ポンプ室から作動流体を吐出する吐出工程に遷移し、前記距離が同じである区間が所定の前記回転角度に亘った後に前記距離が大きくなり始める前記回転角度である起点角度は、吐出ポートにおける下流側の端部が形成された前記回転角度と、吸入ポートにおける上流側の端部が形成された前記回転角度とを等分する角度を中央角度とするとき、前記中央角度に対して回転角度差2.5度以下であり、前記中央角度の回転角度を0度、回転方向の下流側の方向を正、回転方向の上流側の方向を負とした場合に、前記吐出ポートにおける下流側の端部が形成された前記回転角度は、前記距離が同じである区間が開始する前記回転角度以下であるベーンポンプ装置である。
本発明によれば、吸入工程が開始した時のポンプ室の圧力を低下させることができるベーンポンプ装置を提供することができる。
ベーンポンプの構成部品の一部をカバー側から見た斜視図である。 ベーンポンプの構成部品の一部をケース側から見た斜視図である。 ベーンポンプの高圧のオイルの流路を示すための断面図である。 ベーンポンプの低圧のオイルの流路を示すための断面図である。 ロータ、ベーン及びカムリングを回転軸方向の一方方向に見た図、及び、他方方向に見た図である。 カムリングのカムリング内周面における回転角度毎の回転中心からの距離を示す図である。 インナプレートを回転軸方向の一方方向、及び、他方方向に見た図である。 アウタプレートを回転軸方向の他方方向、及び、一方方向に見た図である。 ケースを回転軸方向の一方方向に見た図である。 カムリング及びインナプレートを一方方向に見た図である。 カムリング及びアウタプレートを他方方向に見た図である。 起点角度が異なるカムリング内周面の一部を示す図である。 起点角度を変えた場合の吐出流量を示すシミュレーション結果である。 異なる起点角度における、ポンプ室の容積の変化の一部を示す図である。 起点角度とポンプ容量との相関関係を示す図である。 第2変形例に係るカムリング内周面の一部を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、実施の形態に係るベーンポンプ装置1(以下、「ベーンポンプ1」と称す。)の構成部品の一部をカバー120側から見た斜視図である。
図2は、ベーンポンプ1の構成部品の一部をケース110側から見た斜視図である。
図3は、ベーンポンプ1の高圧のオイルの流路を示すための断面図である。図3は、図5のIII−III部の断面図でもある。
図4は、ベーンポンプ1の低圧のオイルの流路を示すための断面図である。図4は、図5のIV−IV部の断面図でもある。
ベーンポンプ1は、例えば車両のエンジンからの動力により駆動されて、作動流体の一例としてのオイルを、例えば油圧式無段変速機や油圧式パワーステアリングなどの機器に供給するためのポンプである。
また、ベーンポンプ1は、1つの吸入口116から吸入したオイルを、異なる2つの吐出口である第1吐出口117、第2吐出口118から吐出する。第1吐出口117、第2吐出口118から吐出するオイルの圧力は同じであっても良いし、異なっていても良い。より具体的には、ベーンポンプ1は、吸入口116から吸入されて第1吸入ポート2(図3参照)からポンプ室に吸入されたオイルを、ポンプ室にて圧力を高めて第1吐出ポート4(図3参照)から吐出して第1吐出口117から外部に吐出する。加えて、ベーンポンプ1は、吸入口116から吸入されて第2吸入ポート3(図4参照)からポンプ室に吸入されたオイルを、ポンプ室にて圧力を高めて第2吐出ポート5(図4参照)から吐出して第2吐出口118から外部に吐出する。なお、第1吸入ポート2、第2吸入ポート3、第1吐出ポート4及び第2吐出ポート5は、ポンプ室に臨む(面する)部分である。
ベーンポンプ1は、車両のエンジンまたはモータなどからの駆動力を受けて回転する回転軸10と、回転軸10とともに回転するロータ20と、ロータ20に形成された溝に組み込まれた10枚のベーン30と、ロータ20およびベーン30の外周を囲むカムリング40とを備えている。
また、ベーンポンプ1は、カムリング40よりも回転軸10の一方の端部側に配置された一方側部材の一例としてのインナプレート50と、カムリング40よりも回転軸10の他方の端部側に配置された他方側部材の一例としてのアウタプレート60とを備えている。
また、ベーンポンプ1は、ロータ20、10枚のベーン30、カムリング40、インナプレート50およびアウタプレート60を収容するハウジング100を備えている。ハウジング100は、有底筒状のケース110と、ケース110の開口部を覆うカバー120とを有している。
<回転軸10の構成>
回転軸10は、ケース110に設けられた後述のケース側軸受け111と、カバー120に設けられた後述のカバー側軸受け121とによって回転可能に支持される。回転軸10には、外周面にスプライン11が形成されており、スプライン11を介してロータ20と連結されている。本実施の形態においては、回転軸10は、例えば車両のエンジンなどのベーンポンプ1の外部に配置された駆動源により動力を受けることによって回転し、スプライン11を介してロータ20を回転駆動する。
なお、第1の実施形態に係るベーンポンプ1では、回転軸10(ロータ20)は、図1で時計回転方向に回転するように構成されている。
<ロータ20の構成>
図5は、ロータ20、ベーン30及びカムリング40を回転軸方向の一方方向、及び、他方方向に見た図である。
ロータ20は、概形が円筒状の部材である。ロータ20の内周面には、回転軸10のスプライン11(図1参照)が嵌め込まれるスプライン21が形成されている。ロータ20は、外周部に、回転軸10の回転中心Cを中心とする円弧状の曲面部22を有している。また、ロータ20の外周部には、ロータ20の外周面から回転中心C方向に凹みベーン30を収容するベーン溝23が、周方向に等間隔に(放射状に)複数(本実施の形態においては10個)形成されている。また、ロータ20の外周部には、曲面部22から回転中心C側に凹んだ第1凹部の一例としてのロータ凹部24が形成されている。
曲面部22は、隣り合う2つのベーン溝23間に形成されている。
ベーン溝23は、ロータ20の外周面及び回転軸10の回転軸方向の両端面にそれぞれ開口する溝である。ベーン溝23は、回転軸方向に見た場合には、図5に示すように、外周部側が、回転半径方向が長手方向となる長方形であるとともに、回転中心C側が、この長方形の短手方向の長さよりも大きな直径の円形状である。つまり、ベーン溝23は、外周部側に直方体状に形成された直方体状溝231と、回転中心C側に円柱状に形成された中心側空間の一例としての円柱状溝232とを有している。
ロータ凹部24は、回転軸方向の両端部それぞれに形成されている。また、ロータ凹部24は、曲面部22における周方向の中央部に形成されている。ロータ凹部24は、回転軸方向の形状としては、回転軸方向の中央部側から端部に行くに従って徐々に回転中心C側に向かう面取り形状である。
<ベーン30の構成>
ベーン30は、直方体状の部材であり、ロータ20のベーン溝23それぞれに1枚ずつ組み込まれている。ベーン30は、回転半径方向の長さがベーン溝23の回転半径方向の長さよりも小さく、幅がベーン溝23の幅よりも小さい。そして、ベーン30は、回転半径方向に移動可能にベーン溝23に保持される。
<カムリング40の構成>
カムリング40は、概形が筒状の部材であり、カムリング外周面41と、カムリング内周面42と、回転軸方向におけるインナプレート50側の端面であるインナ端面43と、回転軸方向におけるアウタプレート60側の端面であるアウタ端面44とを有している。
カムリング外周面41は、回転軸方向に見た場合に、図5に示すように回転中心Cからの距離が全周(ただし一部を除く)に渡って略等しい略円形状である。
なお、ベーンポンプ1は、10枚のベーン30を有し、10枚のベーン30がカムリング40のカムリング内周面42に接触することで、隣接する2枚のベーン30、これら隣接する2枚のベーン30間のロータ20の外周面、これら隣接する2枚のベーン30間のカムリング内周面42、インナプレート50及びアウタプレート60とで、10個のポンプ室を形成する。以下の説明において、ポンプ室を構成する2枚のベーン30の内の回転方向の上流側のベーン30を上流側ベーン、回転方向の下流側のベーン30を下流側ベーンと称す。一例として、図5には、垂直軸上にあるポンプ室を構成する2枚のベーン30の内の上流側ベーンに「31」の符号を、下流側ベーンに「32」の符号を付している。
図6は、カムリング40のカムリング内周面42における回転角度毎の回転中心Cからの距離Lを示す図である。
カムリング40のカムリング内周面42は、回転軸方向に見た場合に、図6に示すように、回転角度毎の回転中心C(図5参照)からの距離L(言い換えればベーン30のベーン溝23からの突出量)に2つの凸部が存在するように形成されている。つまり、回転中心Cからの距離Lが、図5に示した一方方向に見た図における正の垂直軸を零度とした場合に、反時計回転方向に約20度から約90度にかけて徐々に大きくなるとともに約160度にかけて徐々に小さくなることで1つ目の凸部42aを形成し、約200度から約270度にかけて徐々に大きくなるとともに約340度にかけて徐々に小さくなることで2つ目の凸部42bを形成するように設定されている。本実施の形態に係るカムリング40においては、2つの凸部42a及び凸部42bの形状は同じである。
なお、以下の説明において、第1吐出ポート4における下流側の端部が形成された回転角度と、第2吸入ポート3における上流側の端部が形成された回転角度との中央の回転角度、及び、第2吐出ポート5における下流側の端部が形成された回転角度と、第1吸入ポート2における上流側の端部が形成された回転角度との中央の回転角度を、「中央角度」と称する場合がある。
カムリング40には、図5に示すように、インナ端面43から凹んだ複数の凹部であるインナ凹部430と、アウタ端面44から凹んだ複数の凹部であるアウタ凹部440とが形成されている。
インナ凹部430は、図5に示すように、第1吸入ポート2を構成する第1吸入凹部431と、第2吸入ポート3を構成する第2吸入凹部432と、第1吐出ポート4を構成する第1吐出凹部433と、第2吐出ポート5を構成する第2吐出凹部434とを有している。回転軸方向に見た場合には、第1吸入凹部431と第2吸入凹部432とは、回転中心Cに対して点対称となるように形成されており、第1吐出凹部433と第2吐出凹部434とは、回転中心Cに対して点対称となるように形成されている。また、第1吸入凹部431及び第2吸入凹部432は、回転半径方向にはインナ端面43の全域に渡って凹んでおり、周方向には所定角度だけインナ端面43から凹んでいる。第1吐出凹部433及び第2吐出凹部434は、回転半径方向には、カムリング内周面42から、カムリング外周面41に至るまでの所定範囲だけインナ端面43から凹んでおり、周方向には所定角度だけインナ端面43から凹んでいる。
アウタ凹部440は、図5に示した他方方向に見た図に示すように、第1吸入ポート2を構成する第1吸入凹部441と、第2吸入ポート3を構成する第2吸入凹部442と、第1吐出ポート4を構成する第1吐出凹部443と、第2吐出ポート5を構成する第2吐出凹部444とを有している。回転軸方向に見た場合には、第1吸入凹部441と第2吸入凹部442とは、回転中心Cに対して点対称となるように形成されており、第1吐出凹部443と第2吐出凹部444とは、回転中心Cに対して点対称となるように形成されている。また、第1吸入凹部441及び第2吸入凹部442は、回転半径方向にはアウタ端面44の全域に渡って凹んでおり、周方向には所定角度だけアウタ端面44から凹んでいる。第1吐出凹部443及び第2吐出凹部444は、回転半径方向には、カムリング内周面42から、カムリング外周面41に至るまでの所定範囲だけアウタ端面44から凹んでおり、周方向には所定角度だけアウタ端面44から凹んでいる。
また、回転軸方向に見た場合には、第1吸入凹部431と第1吸入凹部441とは、同じ位置に設けられ、第2吸入凹部432と第2吸入凹部442とは、同じ位置に設けられている。第2吸入凹部432及び第2吸入凹部442は、図5に示した一方方向に見た図における正の垂直軸を零度とした場合に、反時計回転方向に約20度から約90度にかけて設けられており、第1吸入凹部431及び第1吸入凹部441は、約200度から約270度にかけて設けられている。
また、回転軸方向に見た場合には、第1吐出凹部433と第1吐出凹部443とは、同じ位置に設けられ、第2吐出凹部434と第2吐出凹部444とは、同じ位置に設けられている。第2吐出凹部434及び第2吐出凹部444は、図5に示した一方方向に見た図における正の垂直軸を零度とした場合に、反時計回転方向に約130度から約175度にかけて設けられており、第1吐出凹部433及び第1吐出凹部443は、約310度から約355度にかけて設けられている。
また、カムリング40には、第1吐出凹部433と第1吐出凹部443とを連通するように回転軸方向に貫通する孔である第1吐出貫通孔45が2つ形成されている。また、カムリング40には、第2吐出凹部434と第2吐出凹部444とを連通するように回転軸方向に貫通する孔である第2吐出貫通孔46が2つ形成されている。
また、カムリング40には、第1吸入凹部431と第2吐出凹部434との間のインナ端面43と、第1吸入凹部441と第2吐出凹部444との間のアウタ端面44とを連通するように回転軸方向に貫通する孔である第1貫通孔47が形成されている。また、カムリング40には、第2吸入凹部432と第1吐出凹部433との間のインナ端面43と、第2吸入凹部442と第1吐出凹部443との間のアウタ端面44とを連通するように回転軸方向に貫通する孔である第2貫通孔48が形成されている。
<インナプレート50の構成>
図7は、インナプレート50を回転軸方向の一方方向、及び、他方方向に見た図である。
インナプレート50は、概形が中央部に貫通孔が形成された円板状の部材であり、インナ外周面51と、インナ内周面52と、回転軸方向におけるカムリング40側の端面であるインナカムリング側端面53と、回転軸方向におけるカムリング40側とは反対側の端面であるインナ非カムリング側端面54とを有している。
インナ外周面51は、回転軸方向に見た場合には、図7に示すように円形状であり、回転中心Cからの距離は、カムリング40のカムリング外周面41における回転中心Cからの距離と略同じである。
インナ内周面52は、回転軸方向に見た場合には、図7に示すように円形状であり、回転中心Cからの距離は、ロータ20の内周面に形成されたスプライン21(図5参照)の溝底までの距離と略同じである。
インナプレート50には、インナカムリング側端面53から凹んだ複数の凹部で構成されるインナカムリング側凹部530と、インナ非カムリング側端面54から凹んだ複数の凹部で構成されるインナ非カムリング側凹部540とが形成されている。
インナカムリング側凹部530は、カムリング40の第1吸入凹部431に対向する位置に形成されて第1吸入ポート2を構成する第1吸入凹部531と、カムリング40の第2吸入凹部432に対向する位置に形成されて第2吸入ポート3を構成する第2吸入凹部532とを有している。第1吸入凹部531と第2吸入凹部532とは、回転中心Cに対して点対称となるように形成されている。
第1吸入凹部531は、第1吸入ポート2の回転中心C側の部位を構成する第1吸入内側部538を有している。第2吸入凹部532は、第2吸入ポート3の回転中心C側の部位を構成する第2吸入内側部539を有している。これら第1吸入内側部538及び第2吸入内側部539については後で詳述する。
また、インナカムリング側凹部530は、カムリング40の第2吐出凹部434に対向する位置に形成された第2吐出凹部533を有している。
また、インナカムリング側凹部530は、周方向には第2吸入凹部532から第2吐出凹部533に対応する位置であって、回転半径方向にはロータ20のベーン溝23の円柱状溝232に対向する位置にインナ第2凹部534を有している。
また、インナカムリング側凹部530は、周方向には第1吐出凹部433に対応する位置であって、回転半径方向にはロータ20のベーン溝23の円柱状溝232に対向する位置にインナ第1凹部535を有している。
また、インナカムリング側凹部530は、カムリング40の第1貫通孔47に対向する位置に形成された第1凹部536と、第2貫通孔48に対向する位置に形成された第2凹部537とを有している。
インナ非カムリング側凹部540は、外周部に形成されて外周側Oリング57(図3参照)が嵌め込まれる溝である外周側溝541と、内周部に形成されて内周側Oリング58(図3参照)が嵌め込まれる溝である内周側溝542とを有している。外周側Oリング57及び内周側Oリング58は、インナプレート50とケース110との間の隙間をシールする。
また、インナプレート50には、カムリング40の第1吐出凹部443に対向する位置に、回転軸方向に貫通する孔である第1吐出貫通孔55が形成されている。第1吐出貫通孔55におけるカムリング40側の開口部と第2吐出凹部533の開口部とは、回転中心Cに対して点対称となるように形成されている。
また、インナプレート50には、周方向には第1吸入凹部531に対応する位置であって、回転半径方向にはロータ20のベーン溝23の円柱状溝232に対向する位置に、回転軸方向に貫通する孔であるインナ第1貫通孔56が形成されている。
<アウタプレート60の構成>
図8は、アウタプレート60を回転軸方向の他方方向、及び、一方方向に見た図である。
アウタプレート60は、概形が中央部に貫通孔が形成された板状の部材であり、アウタ外周面61と、アウタ内周面62と、回転軸方向におけるカムリング40側の端面であるアウタカムリング側端面63と、回転軸方向におけるカムリング40側とは反対側の端面であるアウタ非カムリング側端面64とを有している。
アウタ外周面61は、回転軸方向に見た場合には、図8に示すように、ベースの円形状から2箇所が切り欠かれた形状である。ベースの円形状の回転中心Cからの距離は、カムリング40のカムリング外周面41における回転中心Cからの距離と略同じである。2箇所の切り欠きは、第1吸入凹部441に対向する位置に形成されて第1吸入ポート2を構成する第1吸入切り欠き部611と、第2吸入凹部442に対向する位置に形成されて第2吸入ポート3を構成する第2吸入切り欠き部612とを有している。アウタ外周面61は、回転中心Cに対して点対称となるように形成されており、第1吸入切り欠き部611と第2吸入切り欠き部612とは、回転中心Cに対して点対称となるように形成されている。
アウタ内周面62は、回転軸方向に見た場合には、図8に示すように円形状であり、回転中心Cからの距離は、ロータ20の内周面に形成されたスプライン21の溝底までの距離と略同じである。
アウタプレート60には、アウタカムリング側端面63から凹んだ複数の凹部で構成されるアウタカムリング側凹部630が形成されている。
アウタカムリング側凹部630は、カムリング40の第1吐出凹部443に対向する位置に形成された第1吐出凹部631を有している。
また、アウタカムリング側凹部630は、周方向には第1吸入切り欠き部611から第1吐出凹部631に対応する位置であって、回転半径方向にはロータ20のベーン溝23の円柱状溝232に対向する位置にアウタ第1凹部632を有している。
また、アウタカムリング側凹部630は、周方向にはカムリング40の第2吐出凹部444に対応する位置であって、回転半径方向にはロータ20のベーン溝23の円柱状溝232に対向する位置にアウタ第2凹部633を有している。
また、アウタカムリング側凹部630は、回転軸方向に平行であり、アウタ外周面61に直交する面で切断した断面がV字状であり、回転方向の上流側から下流側に行くに従って凹み深さが大きくなる第1V溝634を有している。第1V溝634における下流側の端部は、第1吐出凹部631における上流側の端部に接続している。
また、アウタカムリング側凹部630は、回転軸方向に平行であり、アウタ外周面61に直交する面で切断した断面がV字状であり、回転方向の上流側から下流側に行くに従って凹み深さが大きくなる第2V溝635を有している。第2V溝635における下流側の端部は、第2吐出貫通孔65における上流側の端部に接続している。
また、アウタプレート60には、カムリング40の第2吐出凹部444に対向する位置に、回転軸方向に貫通する孔である第2吐出貫通孔65が形成されている。第2吐出貫通孔65におけるカムリング40側の開口部と第1吐出凹部631の開口部とは、回転中心Cに対して点対称となるように形成されている。
また、アウタプレート60には、周方向には第2吸入切り欠き部612に対応する位置であって、回転半径方向にはロータ20のベーン溝23の円柱状溝232に対向する位置に、回転軸方向に貫通する孔であるアウタ第2貫通孔66が形成されている。
また、アウタプレート60には、カムリング40の第1貫通孔47に対向する位置に、回転軸方向に貫通する孔である第1貫通孔67が、カムリング40の第2貫通孔48に対向する位置に、回転軸方向に貫通する孔である第2貫通孔68が形成されている。
<ハウジング100の構成>
ハウジング100は、ロータ20、ベーン30、カムリング40、インナプレート50及びアウタプレート60を収容する。また、ハウジング100は、回転軸10の一方の端部を内部に収容し、他方の端部を突出させる。
ケース110とカバー120とはボルトにて締め付けられている。
(ケース110の構成)
図9は、ケース110を回転軸方向の一方方向に見た図である。
ケース110は、有底筒状の部材であり、底部の中央部には回転軸10の一方の端部を回転可能に支持するケース側軸受け111を有している。
また、ケース110は、インナプレート50が嵌め込まれるインナプレート嵌合部112を有している。インナプレート嵌合部112は、回転中心Cから近い位置(内径側)にある内径側嵌合部113と、回転中心Cから遠い位置(外径側)にある外径側嵌合部114とを有している。
内径側嵌合部113は、図3に示すように、ケース側軸受け111の外径側に設けられており、インナプレート50のインナ内周面52の一部の周囲を覆う内径側覆い部113aと、インナプレート50が底部側へ移動するのを抑制する内径側抑制部113bとを有している。内径側覆い部113aは、回転軸方向に見た場合に、回転中心Cからの距離が、インナ内周面52における回転中心Cからの距離よりも小さな円形状である。内径側抑制部113bは、回転軸方向に直交するドーナツ状の面であり、内側の円における回転中心Cからの距離は内径側覆い部113aにおける回転中心Cからの距離と同じであり、外側の円における回転中心Cからの距離はインナ内周面52における回転中心Cからの距離よりも小さい。
外径側嵌合部114は、図3に示すように、インナプレート50のインナ外周面51の一部の周囲を覆う外径側覆い部114aと、インナプレート50が底部側へ移動するのを抑制する外径側抑制部114bとを有している。外径側覆い部114aは、回転軸方向に見た場合に、回転中心Cからの距離が、インナ外周面51における回転中心Cからの距離よりも大きな円形状である。外径側抑制部114bは、回転軸方向に直交するドーナツ状の面であり、外側の円における回転中心Cからの距離は外径側覆い部114aにおける回転中心Cからの距離と同じであり、内側の円における回転中心Cからの距離はインナ外周面51における回転中心Cからの距離よりも小さい。
インナプレート50は、インナプレート50の内周側溝542に嵌め込まれた内周側Oリング58が内径側抑制部113bに突き当たるとともに、外周側溝541に嵌め込まれた外周側Oリング57が外径側抑制部114bに突き当たるまで底部側に挿入されている。そして、内周側Oリング58が、インナプレート50の内周側溝542、ケース110の内径側覆い部113a及び内径側抑制部113bに接触するとともに、外周側Oリング57が、インナプレート50の外周側溝541、ケース110の外径側覆い部114a及び外径側抑制部114bに接触することで、ケース110とインナプレート50とがシールされる。これにより、ケース110におけるインナプレート嵌合部112よりも開口部側の空間S1と、インナプレート嵌合部112よりも底部側の空間S2とが区画される。インナプレート嵌合部112よりも開口部側の空間S1は、第1吸入ポート2及び第2吸入ポート3から吸入されるオイルが流通する吸入流路R1を構成する。インナプレート嵌合部112よりも底部側の空間S2は、第1吐出ポート4から吐出されたオイルが流通する第1吐出流路R2を構成する。
また、ケース110には、ロータ20、ベーン30、カムリング40、インナプレート50及びアウタプレート60を収容する収容空間とは別に、この収容空間よりも回転半径方向の外側において開口部側から回転軸方向に凹んだケース外側凹部115が形成されている。ケース外側凹部115は、カバー120に形成された後述するカバー外側凹部123に対向し、第2吐出ポート5から吐出されたオイルが流通するケース第2吐出流路R3を構成する。
また、ケース110には、図1に示すように、インナプレート嵌合部112よりも開口部側の空間S1とケース110の外部とを連通する吸入口116が形成されている。吸入口116は、ケース110の側壁に形成された円柱状の孔であって回転軸方向に直交する方向を柱方向とする孔を含んで構成される。吸入口116は、第1吸入ポート2及び第2吸入ポート3から吸入されるオイルが流通する吸入流路R1を構成する。
また、ケース110には、図1に示すように、インナプレート嵌合部112よりも底部側の空間S2とケース110の外部とを連通する第1吐出口117が形成されている。第1吐出口117は、ケース110の側壁に形成された円柱状の孔であって回転軸方向に直交する方向を柱方向とする孔を含んで構成される。第1吐出口117は、第1吐出ポート4から吐出されたオイルが流通する第1吐出流路R2を構成する。
また、ケース110には、図1に示すように、ケース外側凹部115とケース110の外部とを連通する第2吐出口118が形成されている。第2吐出口118は、ケース110におけるケース外側凹部115の側壁に形成された円柱状の孔であって回転軸方向に直交する方向を柱方向とする孔を含んで構成される。第2吐出口118は、第2吐出ポート5から吐出されたオイルが流通するケース第2吐出流路R3を構成する。
(カバー120の構成)
図2に示すように、カバー120は、中央部に回転軸10を回転可能に支持するカバー側軸受け121を有している。
カバー120には、アウタプレート60の第2吐出貫通孔65及びアウタ第2貫通孔66に対向する位置に、ケース110側の端面から回転軸方向に凹んだカバー第2吐出凹部122が形成されている。
また、カバー120には、カバー第2吐出凹部122よりも回転半径方向の外側においてケース110側の端面から回転軸方向に凹んだカバー外側凹部123と、カバー第2吐出凹部122とカバー外側凹部123とをケース110側の端面よりも回転軸方向の他方方向において接続するカバー凹部接続部124とが形成されている。カバー外側凹部123は、ケース110に形成された上述した収容空間と対向しない位置で開口するように形成されており、ケース外側凹部115と対向する。カバー第2吐出凹部122、カバー凹部接続部124及びカバー外側凹部123は、第2吐出ポート5から吐出されたオイルが流通するカバー第2吐出流路R4(図4参照)を構成する。第2吐出ポート5から吐出されたオイルは、カバー凹部接続部124を介してケース第2吐出流路R3に流入するとともに、カバー第2吐出凹部122を介してアウタ第2貫通孔66に流入する。
また、カバー120には、アウタプレート60の第1吸入切り欠き部611及び第2吸入切り欠き部612に対向する部位、及び、ケース110のインナプレート嵌合部112よりも開口部側の空間S1であってカムリング40のカムリング外周面41よりも回転半径方向の外側の空間に対向する部位に、ケース110側の端面から回転軸方向に凹んだカバー吸入凹部125が形成されている。
カバー吸入凹部125は、吸入口116から吸入され、第1吸入ポート2及び第2吸入ポート3からポンプ室内に吸入されるオイルが流通する吸入流路R1を構成する。
また、カバー120には、アウタプレート60の第1貫通孔67、第2貫通孔68それぞれに対向する位置に、ケース110側の端面から回転軸方向に凹んだ第1カバー凹部127、第2カバー凹部128が形成されている。
<ベーンポンプ1の作用>
本実施の形態に係るベーンポンプ1は、10枚のベーン30を有し、10枚のベーン30がカムリング40のカムリング内周面42に接触することで、隣接する2枚のベーン30、これら隣接する2枚のベーン30間のロータ20の外周面、これら隣接する2枚のベーン30間のカムリング内周面42、インナプレート50のインナカムリング側端面53及びアウタプレート60のアウタカムリング側端面63とで形成されるポンプ室を10個備えている。1個のポンプ室に着目すると、回転軸10が1回転してロータ20が1回転することにより当該ポンプ室は回転軸10の周囲を1回転する。当該ポンプ室が1回転する過程で、第1吸入ポート2から吸入したオイルを圧縮して圧力を高めて第1吐出ポート4から吐出するとともに、第2吸入ポート3から吸入したオイルを圧縮して圧力を高めて第2吐出ポート5から吐出する。
<起点角度について>
以下に、カムリング40のカムリング内周面42の回転中心Cからの距離Lが大きくなり始める回転角度(以下、「起点角度」と称す。)について説明する。この起点角度は、距離Lが最小である区間が所定回転角度に亘った後に距離Lが大きくなり始める回転角度である。所定回転角度は、例えば9度である。所定回転角度が9度である場合、所定回転角度の、ポンプ室を構成する2枚のベーン30間の回転角度(ベーン間回転角度)に対する割合は、9/(360/10)=0.25である。なお、ベーン間回転角度に対する所定回転角度の割合は、0.11以上であることを例示することができる。距離Lが最小である所定回転角度の区間、及び、起点角度は、吐出ポートと吸入ポートとの間に設けられている。
ここで、第1吸入ポート2は、カムリング40に形成された第1吸入凹部431及び第1吸入凹部441、インナプレート50に形成された第1吸入凹部531、及び、アウタプレート60に形成された第1吸入切り欠き部611にて構成される。
第2吸入ポート3は、カムリング40に形成された第2吸入凹部432及び第2吸入凹部442、インナプレート50に形成された第2吸入凹部532、及び、アウタプレート60に形成された第2吸入切り欠き部612にて構成される。
第1吐出ポート4は、カムリング40に形成された第1吐出凹部433及び第1吐出凹部443、インナプレート50に形成された第1吐出貫通孔55、及び、アウタプレート60に形成された第1吐出凹部631にて構成される。
第2吐出ポート5は、カムリング40に形成された第2吐出凹部434及び第2吐出凹部444、インナプレート50に形成された第2吐出凹部533、アウタプレート60に形成された第2吐出貫通孔65にて構成される。
以下の説明において、第1吸入ポート2と第2吸入ポート3とを区別する必要がない場合には、第1吸入ポート2と第2吸入ポート3とをまとめて「吸入ポート」と称する場合がある。また、第1吐出ポート4と第2吐出ポート5とを区別する必要がない場合には、第1吐出ポート4と第2吐出ポート5とをまとめて「吐出ポート」と称する場合がある。
上述した実施の形態に係るベーンポンプ1は、10枚のベーン30を回転半径方向に移動可能に支持して回転するロータ20と、ロータ20の外周面に対向する内周面を有するカムリング40とを有し、ロータ20の回転に応じて、ポンプ室の容積が変化する。ポンプ室の容積が変化することにより、少なくとも吸入工程及び吐出工程に遷移する。
吸入工程は、吸入ポートを介してオイルを吸入する工程である。吸入工程の区間は、吸入ポートを介してオイルを吸入する区間である。吐出工程は、吐出ポートを介してオイルを吐出する工程である。吐出工程の区間は、吐出ポートを介してオイルを吐出する区間である。
以下に、吐出工程が終了する回転角度及び吸入工程が開始する回転角度について説明する。
以下の説明において、ポンプ室を構成する2枚のベーン30の内の上流側のベーン30を上流側ベーン、下流側のベーン30を下流側ベーンと称す。
吐出工程が終了する回転角度は、上流側ベーンが、吐出ポートの下流側の端部(以下、「下流端」と称する場合もある。)を通過する回転角度である。上流側ベーンが、吐出ポートの下流端を通過することで、吐出ポートを介してポンプ室内にオイルを吐出しなくなる。
吸入工程が開始する回転角度は、下流側ベーンが、吸入ポートの上流側の端部(以下、「上流端」と称する場合もある。)を通過した回転角度である。下流側ベーンが、吸入ポートの上流端を通過することで、吸入ポートを介してポンプ室からオイルを吸入し始める。
図10は、カムリング40及びインナプレート50を一方方向に見た図である。
図11は、カムリング40及びアウタプレート60を他方方向に見た図である。
以下に、吐出工程が終了する回転角度、及び、吸入工程が開始する回転角度について説明する。なお、第1側と第2側とは点対称であるので、以下では、第1側について詳細に説明し、第2側についての詳細な説明は省略する。
第1吐出ポート4の下流側の端部(下流端)となる回転角度は、第1吐出ポート4を構成するカムリング40に形成された第1吐出凹部433及び第1吐出凹部443、インナプレート50に形成された第1吐出貫通孔55、及び、アウタプレート60に形成された第1吐出凹部631の下流端の回転角度が全て同一であるため、これらの部位の下流端の回転角度となる。例えば、カムリング40の下流端としては、図10及び図11に示す、カムリング40に形成された第1吐出凹部433(443)における下流端である第1吐出凹部下流端433f(443f)である。また、インナプレート50の下流端としては、例えば、図10に示す、インナプレート50に形成された第1吐出貫通孔55における下流端である第1吐出貫通孔下流端55fである。また、アウタプレート60の下流端としては、図11に示す、アウタプレート60に形成された第1吐出凹部631における下流端である第1吐出凹部下流端631fである。
第2吐出ポート5の下流側の端部(下流端)となる回転角度は、第2吐出ポート5を構成するカムリング40に形成された第2吐出凹部434及び第2吐出凹部444、インナプレート50に形成された第2吐出凹部533、及び、アウタプレート60に形成された第2吐出貫通孔65の下流端の回転角度が全て同一であるため、これらの部位の下流端の回転角度となる。例えば、カムリング40の下流端としては、図10及び図11に示す、カムリング40に形成された第2吐出凹部434(444)における下流端である第2吐出凹部下流端434f(444f)である。また、インナプレート50の下流端としては、例えば、図10に示す、インナプレート50に形成された第2吐出凹部533における下流端である第2吐出凹部上流端533fである。また、アウタプレート60の下流端としては、図11に示す、アウタプレート60に形成された第2吐出貫通孔65における下流端である第2吐出貫通孔65fである。
第1吸入ポート2の上流端となる回転角度は、第1吸入ポート2を構成するカムリング40に形成された第1吸入凹部431及び第1吸入凹部441、インナプレート50に形成された第1吸入凹部531、及び、アウタプレート60に形成された第1吸入切り欠き部611の上流端の回転角度が全て同一であるため、これらの部位の上流端の回転角度となる。例えば、カムリング40の上流端としては、図10及び図11に示す、カムリング40に形成された第1吸入凹部431(441)における上流端である第1吸入凹部上流端431e(441e)である。また、インナプレート50の上流端としては、例えば、図10に示す、インナプレート50に形成された第1吸入凹部531における上流端である第1吸入凹部上流端531eである。また、アウタプレート60の上流端としては、図11に示す、アウタプレート60に形成された第1吸入切り欠き部611における上流端である第1吸入切り欠き部上流端611eである。
第2吸入ポート3の上流端となる回転角度は、第2吸入ポート3を構成するカムリング40に形成された第2吸入凹部432及び第2吸入凹部442、インナプレート50に形成された第2吸入凹部532、及び、アウタプレート60に形成された第2吸入切り欠き部612の上流端の回転角度が全て同一であるため、これらの部位の上流端の回転角度となる。例えば、カムリング40の上流端としては、図10及び図11に示す、カムリング40に形成された第2吸入凹部432(442)における上流端である第2吸入凹部上流端432e(442e)である。また、インナプレート50の上流端としては、例えば、図10に示す、インナプレート50に形成された第2吸入凹部532における上流端である第2吸入凹部上流端532eである。また、アウタプレート60の上流端としては、図11に示す、アウタプレート60に形成された第2吸入切り欠き部612における上流端である第2吸入切り欠き部下流端612eである。
ここで、通常、吸入ポートと吐出ポート間の回転角度は、隣接する2枚のベーンの回転角度と略同角度であり、例えば、10枚ベーン仕様のベーンポンプ装置であれば、隣接する2枚のベーン30の回転角度が36度(360度/10=36度)となり、吸入ポートと吐出ポート間の角度も略36度となる。
さらに、上記10枚ベーン仕様のベーンポンプ装置について詳述する。
通常、複数枚のベーンを回転半径方向に移動可能に支持して回転するロータと、前記ロータの外周面に対向する内周面を有するカムリングと、を有し、前記ロータの回転中心から前記カムリングの内周面までの距離が前記ロータの回転角度に応じて変化することで、前記ロータの外周面、前記カムリングの内周面及び前記複数枚のベーンの内の隣接する2枚のベーンにて区画されるポンプ室の容積が前記回転角度に応じて変化する。
そして、前記ポンプ室の容積は、前記カムリングの内周面までの距離が最小となる吸入ポートと吐出ポート間に、隣接する2枚のベーンが重なったとき(例えば図5は、吸入ポートと吐出ポート間に、隣接する2枚のベーンが重なった状態を示しており、上流側ベーン31が吐出ポートにおける下流側の端部に位置し、下流側ベーン32が吸入ポートにおける上流側の端部に位置している)、容積が最小となる。
さらに、前記距離が最小である区間が所定の前記回転角度に亘った後に前記距離が大きくなり始める前記回転角度である起点角度は、吸入ポート開始点(吸入工程が開始する回転角度)に合致し、前記距離が最大となる前記回転角度から前記距離が最小となる前記回転角度は、吐出ポート終了点(吐出工程が終了する回転角度)に合致する。
上記ベーンポンプ装置では、吸入開始時のポンプ室の容積が最小となり、その地点より回転することにより、ポンプ室の容積が増えていく。そして、2枚のベーンの上流側のベーンが吸入ポートの下流側に合致した時にポンプ室の前記カムリングの内周面までの距離が最大となり、容積も最大となる。その後、前記カムリングの内周面までの距離が減少し、前記カムリングの内周面までの距離が最小となる吸入ポートと吐出ポート間に、隣接する2枚のベーンが重なったとき、容積が最小となる工程をくりかえす。
ベーンポンプ装置においては、吐出流量が減ることにより、見掛け上のポンプの性能が低下する。ポンプの性能低下を避けるために、これまでは、起点角度を回転方向の上流側にずらさなかった。ところが発明者が検討した結果、起点角度を従来よりも回転方向の上流側にずらすことにより、吸入工程の開始時におけるポンプ室の圧力を低下させることが可能なベーンポンプ装置を提供可能であることを知見した。本発明は、このような知見に基づいて完成させた。
本実施の形態に係るベーンポンプ1においては、起点角度は、吐出ポートにおける下流側の端部(下流端)が形成された回転角度と吸入ポートにおける上流側の端部(上流端)が形成された回転角度との中央の回転角度(中央角度)(図13参照)よりも回転方向の上流側であって中央角度との回転角度差が2.5度の位置から、中央角度よりも回転方向の下流側であって回転角度差が2.5度の位置までの範囲内となるように設定されている。言い換えれば、起点角度は、吐出ポートにおける下流側の端部が形成された回転角度と、吸入ポートにおける上流側の端部が形成された回転角度とを等分する角度を中央角度とするとき、中央角度に対して回転角度差2.5度以下となるように設定されている。これは、以下の理由による。
図12は、起点角度が異なるカムリング内周面42の一部を示す図である。図12は、図6のXII部を拡大したものである。
図13は、異なる起点角度における吐出流量比を示すシミュレーション結果である。
起点角度が、中央角度との回転角度差が回転方向の下流側に12.5度である構成を比較構成とし、起点角度を異ならせた4タイプの構成A〜Dの吐出流量を、比較構成の吐出流量と比較した。構成Aは、起点角度が、中央角度との回転角度差が回転方向の上流側に、2.5度である。構成Bは、起点角度が、中央角度との回転角度差が回転方向の上流側に、1.25度である。構成Cは、起点角度が、中央角度との回転角度差が零度(0度)、つまり、起点角度が、中央角度と同一である。構成Dは、起点角度が、中央角度との回転角度差が回転方向の下流側に、2.5度である。中央角度の回転角度を0度として、回転方向の下流側の方向を正、回転方向の上流側の方向を負とすると、構成A、B、C、D、比較構成の起点角度は、それぞれ、−2.5度、−1.25度、0度、2.5度、12.5度である。なお、構成A〜D及び比較構成においては、回転角度毎の距離Lが描く上記凸部の最高点及びその最高点となる回転角度を同一とし、起点角度を異ならせている。ゆえに、起点角度から最高点となる回転角度に至る過程で、単位回転角度当りの距離Lの変化量(図6における距離Lの傾斜角度)は、構成A、B、C、D、比較構成の順に小さい。
吐出流量は、第1吐出口117及び第2吐出口118から1分間に吐出されるオイルの容量であり、単位は、L/minである。
図13に示すように、構成Aの吐出流量は、比較構成の吐出流量の1.17倍、構成Bの吐出流量は、比較構成の吐出流量の1.18倍、構成Cの吐出流量は、比較構成の吐出流量の1.19倍、構成Dの吐出流量は、比較構成の吐出流量の1.15倍であった。
図13に示すように、起点角度を、比較構成の起点角度よりも回転方向の上流側にすることで、吐出流量が比較構成の吐出流量よりも多くなる。これは、以下の理由による。
吐出工程において高圧のオイルが吐出しきらずに吐出工程が終了すると、吐出工程が終了したにもかかわらずポンプ室の圧力が高いままとなる。そして、吸入工程が開始した時に、吸入ポートの圧力よりもポンプ室の圧力が高いと、ポンプ室のオイルが吸入ポートに逆流してしまう。逆流は、第1V溝634又は第2V溝635が形成されているとしても生じるおそれがある。逆流が生じると、吸入ポートとポンプ室とが連通して直ちに吸入ポートからポンプ室へオイルが吸入されずに、ポンプ室への吸入開始が遅れるおそれがある。ポンプ室へのオイルの吸入開始が遅れると、吸入工程にてポンプ室内に吸入されるオイルの容量が減少する。吸入されるオイルの容量が減少するのに従って吐出流量も減少する。その結果、ポンプ効率が低下する。また、逆流が生じると、逆流の際に発生する音や、逆流に伴ってオイルに含まれる気泡(エア)がつぶれる音が生じるおそれがある。
図14は、異なる起点角度における、ポンプ室の容積Vの変化の一部を示す図である。
ここで、ポンプ室を構成する2枚のベーン30の内の上流側ベーンの回転角度をこのポンプ室の回転角度とし、この上流側ベーンを含んで構成されるポンプ室の容積Vを、この回転角度における容積Vとする。つまり、上流側ベーンの回転角度が零度であるとき(上流側ベーンにおける回転方向の中心が図5に示した一方方向に見た図における正の垂直軸上に位置するとき)に、この上流側ベーンを含んで構成されるポンプ室の容積Vを、回転角度零度における容積Vとする。なお、ベーン30は回転方向に厚みがあるので、ベーン30の回転角度は、回転方向の中心を基準とする。
図14に示すように、比較構成においては、中央角度との回転角度差が回転方向の上流側に略19度である場合に容積Vが最小となる。また、構成Aにおいては、中央角度との回転角度差が回転方向の上流側に略30度である場合に容積Vが最小となる。また、構成Bにおいては、中央角度との回転角度差が回転方向の上流側に略29度である場合に容積Vが最小となる。また、構成Cにおいては、中央角度との回転角度差が回転方向の上流側に略27.5度である場合に容積Vが最小となる。また、構成Dにおいては、中央角度との回転角度差が回転方向の上流側に略25度である場合に容積Vが最小となる。
つまり、構成A〜D及び比較構成においては、距離Lは、距離Lが最小である区間よりも回転方向の上流側では、回転方向の上流側から下流側に行くに従って徐々に小さくなり、起点角度よりも回転方向の下流側では、回転方向の上流側から下流側に行くに従って徐々に大きくなっている。そして、距離Lが最小である区間に下流側ベーンがある場合であって、距離Lが徐々に小さくなる区間に上流側ベーンがある場合には、回転方向の上流側から下流側に行くに従ってポンプ室の容積Vが小さくなり、その後、下流側ベーンが、距離Lが徐々に大きくなる区間に移行することで、上流側ベーンが、距離が徐々に小さくなる区間にある場合であってもポンプ室の容積Vは大きくなっている。
本実施の形態に係るベーンポンプ1の起点角度が、比較構成の起点角度よりも回転方向の上流側に位置することで、吐出ポートの下流端の回転角度と吸入ポートの上流端の回転角度との間においては、回転角度が同じである場合には、本実施の形態の距離Lが比較構成の距離Lよりも大きい。そのため、吐出ポートの下流端の回転角度と吸入ポートの上流端の回転角度との間において、回転角度が同じである場合には、本実施の形態のポンプ室の容積Vが比較構成のポンプ室の容積Vよりも大きくなる。それゆえ、吸入工程が開始する回転角度となったときのポンプ室の圧力は、本実施の形態のベーンポンプ1の方が、比較構成のベーンポンプよりも低くなる。その結果、吸入工程が開始する回転角度となったときに、ポンプ室から吸入ポートへのオイルの逆流が生じ難くなり、ポンプ室へのオイルの吸入開始が遅れ難くなる。そのため、吸入工程にてポンプ室内に吸入されるオイルの容量が減少し難くなる。つまり、本実施の形態に係るベーンポンプ1の吸入工程にてポンプ室内に吸入されるオイルの容量は、比較構成に係るベーンポンプの吸入工程にてポンプ室内に吸入されるオイルの容量よりも多くなる。そして、吸入されるオイルの容量が多くなると、吐出流量も多くなる。その結果、ポンプ効率が高くなる。
そして、図13に示すように、起点角度が中央角度との回転角度差が零度、つまり、起点角度が中央角度と同一である構成Cにおける吐出流量が最も多く、起点角度が中央角度よりも離れるに従って吐出流量が徐々に少なくなる。ゆえに、起点角度が中央角度と同一であることが最も好ましい。
ただし、図13に示すように、例えば、起点角度が中央角度から2.5度離れているとしても、中央角度よりも回転方向の上流側である構成Aの吐出流量は、比較構成の吐出流量の1.17倍、中央角度よりも回転方向の下流側である構成Dの吐出流量は、比較構成の吐出流量の1.15倍であった。それゆえ、起点角度が中央角度よりも回転方向の上流側であって回転角度差が2.5度の位置から、起点角度が中央角度よりも回転方向の下流側であって回転角度差が2.5度の位置までの範囲内にある場合には、吐出流量が、比較構成の吐出流量の1.15倍以上となる。ゆえに、起点角度が中央角度から2.5度離れていても良い。
一方、起点角度が、中央角度よりも回転方向の上流側に、中央角度よりも離れすぎていると、言い換えると、起点角度が、吐出ポートの下流端の回転角度に近過ぎると、ポンプ容量が低下する。ポンプ容量は、1個のポンプ室において、1回転間に吸入し、吐出可能なオイルの容量であり、単位は、cc/revである。
図15は、起点角度とポンプ容量との相関関係を示す図である。
図15に示すように、構成Aのポンプ容量は、比較構成のポンプ容量の1.00倍、構成Bのポンプ容量は、比較構成のポンプ容量の1.005倍であった。また、構成Cのポンプ容量は、比較構成のポンプ容量の1.006倍、構成Dのポンプ容量は、比較構成のポンプ容量の1.009倍であった。ゆえに、起点角度が、中央角度よりも回転方向の上流側に2.5度(構成A)よりも離れていると、比較構成のポンプ容量よりも少なくなると考えられる。これは、以下の理由による。
上流側ベーンが吐出ポートの下流端を通過する回転角度にて吐出工程が終了するが、起点角度が回転方向の上流側に位置するほど、吐出工程が終了する前の早い回転角度でポンプ室の容積Vが大きくなり始める。それゆえ、起点角度が回転方向の上流側に位置するほど、吐出工程が終了する前の早い回転角度でポンプ室の圧力が小さくなり始めるため、吐出工程にて吐出すべきオイルが吐出ポートから吐出され難くなる。その結果、起点角度が回転方向の上流側に位置するほど、ポンプ容量が少なくなる。ゆえに、起点角度が、中央角度との回転角度差が中央角度よりも回転方向の上流側に、2.5度よりも大きくなると、吐出流量が、比較構成の吐出流量よりも小さくなると考えられる。
以上のことより、起点角度は、中央角度よりも回転方向の上流側の位置である場合には、回転角度差が2.5度以下にあることが望ましい。
本実施の形態に係るベーンポンプ1においては、10枚のベーン30を有するポンプである。回転角度差2.5度の、ポンプ室を構成する2枚のベーン30間の回転角度(以下、「ベーン間回転角度」と称する場合もある。)に対する割合は、2.5/(360/10)=0.07である。
それゆえ、本実施の形態に係るベーンポンプ1は、起点角度が中央角度よりも回転方向の上流側である場合には、回転角度差が0.07×(360/10(ベーン枚数))度以下に設定されていることを特徴とする。
<第1変形例>
第1変形例に係るベーンポンプ1は、起点角度と吐出ポートの下流端の回転角度との吐出側回転角度差が、起点角度と吸入ポートの下流端の回転角度との吸入側回転角度差以下であることを特徴とする。言い換えれば、第1変形例に係るベーンポンプ1は、起点角度が、吐出ポートの下流端の回転角度と吸入ポートの下流端の回転角度との中央の回転角度である中央角度と同一又は中央角度よりも回転方向の上流側であることを特徴とする。
ただし、起点角度は、中央角度よりも回転方向の上流側であって中央角度との回転角度差が2.5度の位置よりも、回転方向の下流側であると良い。回転角度差2.5度の、ベーン間回転角度に対する割合は0.07であるので、起点角度は、中央角度よりも回転方向の上流側であってベーン間回転角度に対する割合が0.07の位置よりも回転方向の下流側であると良い。
図13に示すように、中央角度の回転角度を0度として回転方向の上流側の方向を負とすると、起点角度がそれぞれ、−2.5度、−1.25度、0度である、構成A、B、Cの吐出流量は、いずれも、比較構成の吐出流量の1.17倍以上である。それゆえ、起点角度と吐出ポートの下流端の回転角度との吐出側回転角度差が、起点角度と吸入ポートの下流端の回転角度との吸入側回転角度差以下であることで、ポンプ効率を、比較構成に比べて向上させることが可能となる。また、逆流に起因して生じる音を抑制することが可能となる。
<第2変形例>
上述した実施の形態においては、回転角度毎の距離Lが描く上記凸部の最高点及びその最高点となる回転角度を同一とし、起点角度を異ならせるとともに、起点角度から最高点の回転角度に至る過程の、単位回転角度当りの距離Lの変化量を異ならせている。例えば、起点角度から最高点の回転角度に至る過程の、単位回転角度当りの距離Lの変化量(図6における距離Lの傾斜角度)を、構成A、B、C、D、比較構成の順に小さくしている(図12参照)。しかしながら、実施の形態に係るベーンポンプ1のポンプ室の容積が比較構成のポンプ室の容積よりも早期に大きくなり始めるのであれば、特にかかる態様に限定されない。
図16は、第2変形例に係るカムリング内周面42の一部を示す図である。
図16に示すように、距離Lが描く上記凸部の最高点となる回転角度と起点角度との間の回転角度の内の、最高点となる回転角度側の、例えば約8割を比較構成と同じにし、起点角度側の約2割の回転角度において、第2変形例に係るカムリング内周面42の距離Lが比較構成の距離Lよりも大きくなるように、基端部の曲率半径Rを大きくしても良い。かかる構成においても、比較構成よりも、早期にポンプ室の容積を大きくし始めることができ、比較構成に比べて、ポンプ効率を向上させることが可能となるとともに、逆流に起因して生じる音を抑制することが可能となる。
なお、図16には、起点角度が中央角度と同一である場合を例示している。起点角度が回転方向の上流側に位置するほど、曲率半径Rを大きくすると良い。
1…ベーンポンプ、2…第1吸入ポート、3…第2吸入ポート、4…第1吐出ポート、5…第2吐出ポート、10…回転軸、20…ロータ、30…ベーン、40…カムリング、50…インナプレート、60…アウタプレート、100…ハウジング、110…ケース、120…カバー

Claims (1)

  1. 10枚のベーンを回転半径方向に移動可能に支持して回転するロータと、
    前記ロータの外周面に対向する内周面を有するカムリングと、
    を有し、
    前記ロータの回転中心から前記カムリングの内周面までの距離が前記ロータの回転角度に応じて変化することで、前記ロータの外周面、前記カムリングの内周面及び前記10枚のベーンの内の隣接する2枚のベーンにて区画されるポンプ室の容積が前記回転角度に応じて変化することにより、少なくとも前記ポンプ室に作動流体を吸入する吸入工程及び前記ポンプ室から作動流体を吐出する吐出工程に遷移し、前記距離が同じである区間が所定の前記回転角度に亘った後に前記距離が大きくなり始める前記回転角度である起点角度は、吐出ポートにおける下流側の端部が形成された前記回転角度と、吸入ポートにおける上流側の端部が形成された前記回転角度とを等分する角度を中央角度とするとき、前記中央角度に対して回転角度差2.5度以下であり、
    前記中央角度の回転角度を0度、回転方向の下流側の方向を正、回転方向の上流側の方向を負とした場合に、前記吐出ポートにおける下流側の端部が形成された前記回転角度は、前記距離が同じである区間が開始する前記回転角度以下であるベーンポンプ装置。
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