JP2013231162A - 遅延ゲル化デンプン組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】遅延したゲル化を呈するデンプンの提供。
【解決手段】液体;約0.25〜6重量%の転換デンプンベース材料と安定化剤との反応生成物を含む遅延ゲル化デンプン;及び、約0〜5重量%の増粘剤を含むゲル化組成物であって、該ゲル化組成物が、安定化剤を含まない同一のゲル化組成物と比較して、少なくとも1時間のゲル化の遅延を呈し;そして、該遅延ゲル化デンプンおよび該増粘剤の総重量%が約6重量%を超えない、前記ゲル化組成物。架橋剤をさらに含んでもよい。天然デンプンを水に懸濁して懸濁液を形成し、塩基を加えて該懸濁液のpHを約11〜約11.5に上げて、第1の酸化剤を該懸濁液に加え、第2の酸化剤を該懸濁液に加えてデンプンベース材料を形成し、安定化剤を該デンプンベース材料に加えて安定化デンプンベース材料を形成すること、及び酸を加えることによって該安定化デンプンベース材料を中和することを含む方法。
【選択図】なし

Description

序論
本願は、遅延したゲル化を呈するデンプンに関する。1つの実施形態では、その適用は安定化基を有する分解されたゲル化デンプンの組成物に関する。
ヨーグルト、パイフィリング(pie filling)、プディング、乳製品デザート、またはゼリーなどの食品系は、調製された際に、増粘化、凝固した、またはゲルの食感を有する。例えば、カップセット(cup‐set)ヨーグルトまたはフルーツオンボトムタイプ(fruit‐on‐the‐bottom‐type)(FOB)ヨーグルトなどの製品は、ゲルの食感を有することができる。これらのタイプの食品系は、典型的にはゲル化剤を含有し、ゲル化をもたらすのに調理または少なくとも加熱されなければならない。この目的に使用される一般的なゲル化剤としては、寒天、ゼラチン、コーンスターチ、ペクチン、カラゲーニン、アルギン酸塩、またはローカストビーンガムおよびキサンタンガムの組み合わせが挙げられる。
デンプンおよびそれらの誘導体を使用して、それらのゲル化特性によって製品に食感を加味できることが知られている。例えば、ある特定の水流動性レベルに転換される、酸転換デンプン誘導体は、調理および冷却時にゲルに逆行する(retrogradre to a gel)。これらのものとしては、例えば、トウモロコシ、ジャガイモ、タピオカ、または小麦の誘導体が挙げられる。商業的には、デンプンは典型的に酸または酵素転換技術によって転換される。酸処理によって転換されるデンプンの調製には、粒状デンプンベースを酸の存在下で必要とする粘度に加水分解する。
酵素処理によるデンプンの転換では、粒状デンプンベースを、水でスラリー状にし、α‐アミラーゼなどの少量の酵素(例えば、デンプンに対して約0.02%)をスラリーに加える。次に、そのスラリーをデンプンの糊化点を超えて熱して、溶液を形成する。所望の転換に到達したとき、その溶液のpHを、例えば酸を用いて調整して、酵素を不活性化する。次に、pHを調整した溶液を、酵素を不活性化するのに必要なpHで、少なくとも10分間保持する。その後、pHを再調整してもよい。酵素の種類および濃度、転換条件、および/または転換の長さが、結果として得られる製品組成に寄与する。他の酵素または、酵素の組み合わせを使用することができる。
また、過酸化水素を使用して、デンプン単独か、または金属触媒とともに転換または薄化する(thining)ことができる。例えば、米国特許第3,655,644号は、過酸化水素および銅イオン触媒を使用して、誘導体化されたデンプンを薄化する方法について開示している。米国特許第3,975,206号は、酸性のpHで、鉄、コバルト、銅、またはクロムなどの重金属塩触媒と組み合わせて過酸化水素を用いてデンプンを薄化するする方法について開示している。米国特許第4,838,944号は、11〜12.5のpHで、水性スラリー中で、過酸化水素および触媒量のマンガン塩、または1つの実施形態では過マンガン酸カリウムを使用して粒状デンプンを分解する方法(「マノックス(Manox)」転換)について開示している。
ごく最近では、米国特許第5,833,755号は、過酸化水素で粒状デンプンを分解する方法について開示した。その方法は、デンプンの糊化温度より低い温度で行われる。その工程は、pH11〜12.5の粒状デンプンの水性スラリーを提供すること、有効触媒量の金属錯体触媒をその水性スラリーに添加すること、および粒状をデンプン分解するのに有効な量で過酸化水素をその水性スラリーに添加することを含む。このような方式で調整したデンプンは、1時間未満長くて3時間の範囲の、調理後高速ゲル化時間を有する。
流通および販売用のゲル化食品の調製において、製造業者は、製品をゲル化前に液体または溶液状態でカップに充てんしうる。そのような製品の製造業者は、典型的には、カップに充てんした後に食品のゲル化が起こるように、製造中の製品のゲル化時間を制御することを望む。ゲル化後に製品をポンプで注入することは不可逆的にゲルを損傷するために、カップへの充てんはゲル化前に行われる。
典型的なカップセットまたはFOBヨーグルト製造の場合、製造業者は、典型的には発酵室を必要とし、そこでヨーグルトを入れたカップを発酵が完了するまで保存する。カップは、そのような発酵の間、静止して保たれる。静置発酵の間、pHが等電点に達するときにカゼイン凝集によって、結果として生じたヨーグルのゲルの食感が形成される。さらに、製造業者が、発酵室の使用に代えて撹拌したヨーグルト装置を使用してカップセットヨーグルトを作りたい場合、ヨーグルトをカップにポンプ注入する前にこれらが凝固し終わるので、現在の高速または瞬間ゲル化デンプンまたは親水コロイドでは成功しないことになる。
従って、製造業者は、ヨーグルト作製および充てんの進行中にゲル化せず、製造業者がゲル形成を遅延/制御でき、カップへの充てん後のみにカップセット食感に達するゲル化組成物を使用することを望む。そのようなゲル化組成物なら、製造業者が、カップセット発酵室の必要性なしに、カップセットヨーグルト製造において撹拌したヨーグルト装置を使用することが可能になり、製造業者が、大量の発酵物を包装ラインに送る前にタンク中により長く保持し、デンプンのゲル化を心配することなく、調理した乳製品を発酵前により長く保持することができるという点で、製造業者のプロセスに柔軟性を提供するであろう。
1つの態様では、本出願は、液体;約0.25重量%〜約6重量%の転換デンプンベース材料の反応生成物および安定化剤を含む遅延ゲル化デンプン;ならびに約0重量%〜約5重量%の増粘剤(viscosifier)を含むゲル化組成物を提供し、そこにおいてゲル化組成物は、遅延ゲル化デンプンが同一転換デンプンベースで置換されているが安定化剤を含まない、同一ゲル化組成物と比較して、少なくとも1時間のゲル化の遅延を呈し;ならびに遅延ゲル化デンプンおよび増粘剤の総重量%が約6重量%を超えない。
従来のように作製されたデンプンと比較して、制御されて状況に応じたゲル化時間を呈する遅延ゲル化デンプンが、本明細書において提供される。遅延ゲル化デンプンは、ゲル化が開始または完了した後に、デンプンゲル網状組織または他のゲル化剤を破壊または分解することなく中間の加工処理工程、包装などを可能にする。よって、遅延ゲル化デンプンを有する製品を加工処理することには、製品がゲル化する容器への充てんが含まれうる。そのような遅延ゲル化デンプンは、例えば、撹拌したヨーグルトプロセスが使用され、そこにおいて、ヨーグルトは、カップ充てんの前に発酵するが、ヨーグルトはカップ充てん後にゲル化し、包装後にカップセット食感を提供しうる。
1つの態様では、安定化剤で置換された転換デンプンベース材料含む組成物が提供され、そこにおいて、その組成物は遅延ゲル化デンプンである。幾つかの実施形態では、安定化剤は、プロピレンオキシド、無水酢酸、オクトエニル無水コハク酸、無水コハク酸、オルトリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、またはそれらのいずれか2つ以上の混合物を含む。幾つかの実施形態では、転換デンプンベース材料は、塩基の存在下でのデンプンと酸化剤との反応生成物含む。
幾つかの実施形態では、転換デンプンベース材料は、デンプンと酵素との反応生成物を含む。幾つかの実施形態では、転換デンプンベース材料は、デンプンと酸との反応生成物を含み、そこにおいて、デンプンは、サゴ(sago)デンプン、緑豆(mung bean)デンプン、サツマイモデンプン、およびエンドウ豆(pea)デンプンからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、転換デンプンベース材料が、ボーリン(Bohlin)粘度試験で測定して、約20 mPa・s〜約80 mPa・sの粘度を有する。
幾つかの実施形態では、転換デンプンベース材料は、天然デンプンを水に懸濁して懸濁液を形成し、その懸濁液を加熱し、その懸濁液のpHを、9を超える値に調整してアルカリ性デンプン溶液を形成し、酸化剤をそのアルカリ性デンプン溶液に添加することにより調製される。
上記組成物のいずれにおいても、遅延ゲル化デンプンは、置換されていない同一のデンプンのゲル化時間より長いゲル化時間を呈する。幾つかの実施形態では、遅延ゲル化デンプンのゲル化時間は、非置換デンプンベース材料のゲル化時間より少なくとも2倍より長い。他の実施形態では、遅延ゲル化デンプンのゲル化時間は、非化学置換デンプンベース材料のゲル化時間より3倍〜30倍より長い。上記実施形態のいずれにおいても、遅延ゲル化デンプンは自立ゲルを作りうる。
また、上記組成物のいずれも、随意に架橋剤を含みうる。幾つかの実施形態では、架橋剤は、オキシ塩化リン、エピクロロヒドリン、直鎖ジカルボン酸無水物、アクロレイン、または可溶性メタリン酸塩を含む。
別の態様では、遅延ゲル化デンプンの上記組成物のいずれかを含む食物が提供される。幾つかの実施形態では、食物は、プディング配合組成物、ヨーグルト配合組成物、中性の乳製品デザート、発酵乳製品デザート、サワークリームまたはレトルト食品でありうる。
別の態様では、遅延ゲル化デンプンを調製する方法が提供される。その方法は、天然デンプンを水に懸濁して懸濁液を形成すること;第1の酸化剤を該懸濁液に加えること;塩基を加えることによって該懸濁液のpHを約8〜約13に上げること;第2の酸化剤を該懸濁液に加えてデンプンベース材料を形成すること;安定化剤を該デンプンベース材料に加えて安定化デンプンベース材料を形成すること;および酸を加えることによって該安定化デンプンベース材料を中和することを含む。
別の態様では、天然デンプンを水に懸濁して懸濁液を形成すること;酸をその懸濁液に加えること;pHを約8〜約12に調整して、デンプンベース材料を形成すること;安定化剤を該デンプンベース材料に加えて安定化デンプンベース材料を形成すること;および酸を加えることによって該安定化デンプンベース材料を中和することを含む、遅延ゲル化デンプンを調製する方法が提供される。
1つの実施形態では、遅延ゲル化デンプンを調製する方法は、最初の酸を添加した後、pHを値を約8〜約12に調整する前に、保持時間をさらに含む。
別の態様では、ゲル化組成物は、液体;約0.25重量%〜約6重量%の遅延ゲル化デンプン;遅延ゲル化デンプンは、転換デンプンベース材料および安定化剤の反応生成物を含み、ならびに約0重量%〜約5重量%の増粘剤を含み、そこにおいて、ゲル化組成物が、同じ転換デンプンベース材料を有するが、安定化剤を含まないゲル化組成物と比較して少なくとも1時間のゲル化の遅延を呈し、そして遅延ゲル化デンプンおよび増粘剤の総重量%が約6重量%を超えない。幾つかの実施形態では、液体は、水、牛乳、乳清(ホエイ、whey)、スキムミルク粉末(SMP)、濃縮乳清タンパク質(WPC)、全乳粉末(WMP)、限定されないが、鶏肉もしくは牛肉もしくは野菜もしくは植物タンパク質などの他のタンパク質などのブイヨン(stock)またはブロスを含む。
上記実施形態のいずれかでは、ゲル化組成物が、約0重量%のデンプン増粘剤および約3重量%〜約6重量%の遅延ゲル化デンプンを含みうる。上記実施形態のいずれかでは、ゲル化組成物が、約0.25重量%〜約5重量%のデンプン増粘剤および約0.25重量%〜約4重量%の遅延ゲル化デンプンを含みうる。上記実施形態のいずれかでは、液体はまた、糖、高果糖コーンシロップ、高強度甘味料、着色剤、香味料、ヨーグルト培養物、クリーム、またはそのいずれか2つ以上の混合物を含みうる。
上記実施形態のいずれかでは、安定化剤は、プロピレンオキシドまたは無水酢酸を含む。上記実施形態のいずれかでは、転換デンプンベース材料は、酸と反応したデンプン、酵素と反応したデンプン、または酸化剤と反応したデンプンを含む。上記実施形態のいずれかでは、デンプンは、サゴ(サゴ)デンプン、緑豆(mung bean)デンプン、サツマイモデンプン、またはエンドウ豆デンプンを含む。
上記実施形態のいずれかでは、転換デンプンベース材料は、ボーリン粘度試験で測定して、約40 mPa・s〜約400 mPa・sの粘度を有する。上記実施形態のいずれかでは、デンプン増粘剤は、糯(ワキシー、waxy)デンプン、アセチル化デンプン、ヒドロキシプロピル化デンプン、または架橋糯(ワキシー、waxy)デンプンを含む。そのような実例となるデンプン増粘剤は、デントコーンスターチ、タピオカデンプン、米デンプン、糯米デンプン、ジャガイモデンプン、または糯(ワキシー、waxy)ジャガイモデンプンを含むが、これらに限定されない。
別の態様では、ゲル化組成物は食物である。幾つかの実施形態では、食物はヨーグルトまたはプディングである。
デンプンの転換は、デンプンのゲル強度を高める一方で、非化学的置換デンプンと比較して、化学的置換は、自立ゲルの形成における遅延を提供する。安定剤の量は、約0.5重量%〜約4重量%の範囲でありうる。1つの実施形態では、安定剤はプロピレンオキシドであり、約0.5重量%〜約2重量%で転換デンプンベース材料に加えられる。別の実施形態では、安定剤は無水酢酸であり、約1重量%〜約4重量%で転換デンプンベース材料に加えられる。
遅延ゲル化デンプンは、溶液中で非化学的置換デンプンと比較して比較的長いゲル化時間を呈する。例えば、遅延ゲル化デンプンは、転換デンプンベース材料のゲル化時間と比べて少なくとも2倍より長いゲル化時間を呈しうる。幾つかの実施形態では、これは、転換デンプンベース材料のゲル化時間と比べて少なくとも3倍より長いゲル化時間を含む。またこれは、転換デンプンベース材料のゲル化時間と比べて3倍〜30倍より長いゲル化時間を含む。またこれは、転換デンプンベース材料のゲル化時間と比べて2倍〜30倍より長いゲル化時間を含む。またこれは、転換デンプンベース材料のゲル化時間と比べて2倍〜20倍より長いゲル化時間を含む。
遅延ゲル化デンプンは、いつ食品がゲル化するかの制御を製造業者に与えるために、上述のようにカゼインなどの他の手段による食品またはデンプンを用いてゲル化される食品の調製に使用されうる。例えば、カゼイン網状組織が部分的/完全に破壊された場合、遅延ゲル化デンプンは、ゲル網状組織を再構築するのに使用することができる。遅延ゲル化デンプンを取り込んだ食品のゲル化の時間は、標準的なゲル化食品に対して典型的には1〜3時間遅延し、3時間、12時間、または実に24時間遅延しうる。
このことは食品製造業者に、操業時に大きな柔軟度を提供し、停電に対するダウンタイムを持たせ、生産実施中に設備を修理または入れ換える時間、または大きな生産バッチの状態で限られた包装容量の割合が占める時間を与える。要するに、そのような遅延ゲル化デンプンは、製造業者に食品がゲルに凝固するであろう時間を制御する能力を提供し、それにより利便性および柔軟性を製造業者にもたらす。
よって、第1の態様では、遅延ゲル化組成物が提供され、その組成物は、液体および遅延ゲル化デンプンを含み、遅延ゲル化デンプンは、安定化剤で置換された転換デンプンベース材料を含み、安定化剤で置換されていない、転換デンプンベース材料を含有する液体と比較してゲル化時間における遅延を呈する。転換デンプンベース材料は、随意に架橋されて架橋転換デンプンベース材料を形成しうる。安定化剤は、プロピレンオキシド、無水酢酸、オクトエニル無水コハク酸、無水コハク酸、オルトリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、または次亜塩素酸ナトリウムを含みうるが、これらに限定されない。液体は、食品の調製に使用される液体を含みうる。例えば、液体は、水、牛乳、乳清、スープ、ブイヨン、フルーツ抽出物、塩溶液、糖溶液などを含みうる。液体中の遅延ゲル化デンプンの量は、少し固まった(just set)ゲル(こくのある液体(a bodied fluid))から固い自立ゲルまで所望のゲル強度によって異なりうる。
ゲル化時間はまた、使用されるゲル化デンプンの量に依存している。組成物中の遅延ゲル化デンプンの量は、約0.25重量%〜約6重量%でありうる。上記実施形態のいずれかでは、組成物中の遅延ゲル化デンプンの量は、約3重量%〜約6重量%でありうる。上記実施形態のいずれかでは、組成物中の遅延ゲル化デンプンの量は、約3重量%〜約4重量%でありうる。
遅延ゲル化組成物は、随意に増粘剤を含みうる。そのような増粘剤としては、糯(ワキシー、waxy)デンプン、架橋糯(ワキシー、waxy)デンプン、架橋および置換糯(ワキシー、waxy)デンプン、nアセチル化デンプン、ヒドロキシプロピル化デンプン、または他の親水コロイドが挙げられうるが、これらに限定されない。例えば、実例となる増粘剤としては、デントコーンスターチ、タピオカデンプン、米デンプン、糯米デンプン、ジャガイモデンプン、糯(ワキシー、waxy)ジャガイモデンプン、グアーガム、ペクチン、ローカストビーンガム、またはキサンタンガムが挙げられるが、これらに限定されない。
増粘剤は、取扱の目的、配合組成の最適化、または遅延ゲル化デンプンの有効濃度の増加のために加えられうる。よって、幾つかの実施形態では、遅延ゲル化組成物は、約0重量%〜約5重量%の増粘剤を含みうる。増粘剤の量は、場合によっては随意であるので、遅延ゲル化組成物は約0重量%の増粘剤を含有する。他の場合では、遅延ゲル化組成物は、約0.25重量%〜約5重量%の増粘剤を含有する。例えば、これは、約0.5重量%〜約3重量%の増粘剤を含む。
遅延ゲル化組成物を含む食べ物の適切な稠度および口当たりを得るために、遅延ゲル化デンプンおよび増粘剤の合計量は、典型的には約6重量%未満である。よって、幾つかの実施形態では、ゲル化組成物は、約0重量%の増粘剤(随意)および約3重量%〜約6重量%の遅延ゲル化デンプンを含む。例えば、これは約0重量%の増粘剤および約3重量%〜約4重量%の遅延ゲル化デンプンを含む。他の実施形態では、ゲル化組成物は、約0.25重量%〜約5重量%の増粘剤および約0.25重量%〜約4重量%の遅延ゲル化デンプン含むが、増粘剤および遅延ゲル化デンプンの合計量は、約6重量%を超えない。他の実施形態では、ゲル化組成物は、約0.5重量%〜約3重量%の増粘剤および約0.25重量%〜約3重量%の遅延ゲル化デンプンを含む。
遅延ゲル化組成物は、ゲル化食感が味、包装、食感、または「口当たり」に望まれる、食品に使用されうる。例えば、組成物は、プディング、ヨーグルト、パイ、クリームなどの製品に使用されうる。遅延ゲル化デンプンは、低い初期粘度を有し、製品が自由に流れて液体状態である間に、デンプンを含有する製品をプロセスすること、および容器に充てんすることを可能にする。プロセスまたは容器に充てんした後、デンプンのゲル化が生じる。ゲル化の遅延は、時間に関連した現象であり、それにより安定化剤が作用して転換デンプンをゲル化から安定化する。最終的には、容器への充てんと、販売場所への製品の到着との間にゲル化が生じる。よって、遅延ゲル化組成物はまた、糖、高果糖コーンシロップ、高強度甘味料、着色剤、香味料、ヨーグルト培養物、クリームなどの添加物、またはそのような添加物のいずれか2つ以上の混合物を含みうる。
本組成物のデンプンベース材料は、分解されたデンプン材料、または換言すれば、デンプン分子の分子量を減じる処理を受けた天然デンプンである。天然デンプンをデンプンベース材料に分解するには、天然デンプンは、典型的には水に懸濁されてスラリーを形成する。酸化剤を使用して分解するには、スラリーを熱し、塩基を加えることによって溶液をアルカリ性にしてアルカリ性溶液を形成する。次に、酸化剤をアルカリ性溶液に加えて、デンプンを酸化および部分的には加水分解する。くわえて、酸または酵素を用いた処理もまた利用することができる。この方法からの製品が、デンプンベース材料である。デンプンの分解が行われて所定の粘度または粘度範囲の転換デンプンベース材料を得る。天然デンプンのデンプンベース材料への実例となる転換の1つが、米国特許第4,838,944号に詳説されている。
上述のように、デンプンは所定の粘度の転換デンプンベース材料に分解または「薄化」(thinning)される。本明細書において言及され、記録される粘度におけるものである、ボーリン ヴィスコ(Bohlin Visco)88を使用して決定され、mPa・s(ミリパスカル・秒)の単位で報告される。例えば、転換デンプンベース材料は、約40 mPa・s〜約400 mPa・sの粘度を有しうる。幾つかの実施形態では、転換デンプンベース材料は、約100 mPa・s〜約250 mPa・sの粘度を有する。粘度は材料が形を変える必要がある抵抗であり、粘度が増加するにつれて材料が抵抗を増加することが認識されている。天然および変性デンプンの粘度は、加熱および冷却を制御した中で測定される。
mPa・sの単位の粘度測定には、マルバーン・インスツルメンツ社(Malvern Instruments Limited)、Worcestershire、英国より入手可能なボーリン ヴィスコ88粘度計を使用して粘度を測定する。ボーリン ヴィスコ88は、液体中の対象物、すなわち転換デンプンベース材料にある内筒を回転するのに必要なトルクを求めることによって粘度を測定する回転粘度計である。粘度を求めるには、所定の固形分%割合および温度を使用して、比較のための条件の一貫したセットを得る。例えば、粘度計は初めにウォータージャケットを使用して30℃に標準化され、100 mPa・sの粘度を有する標準油を用いて調整される。
転換デンプンベース材料の粘度を測定する手順は、必要量の転換デンプン(例えば、10g、乾燥基準)をステンレス製カップに加えること、および蒸留水(14g)を加えてペーストを作ることを含む。次に、20%のCaC12溶液(100グラム)をそのペーストに加え、混合物を100℃の水浴中で、最初の2分間は急速に撹拌して、30分間加熱する。次に、デンプン分散体を、90℃またはそれより熱い蒸留水で最終重量(124g)にする。サンプルを直ちに粘度計カップに移し、次にそれをボーリン ヴィスコ88ユニット内に置き、90℃でのその粘度を分析する。粘度は、mPa・sとして記録される。
デンプンベース材料の粘度は、天然デンプンの転換の度合いに依存している。転換の度合いは、酸化剤もしくは酸性処理の量、使用された温度、天然デンプンの特性、および/または溶液のpHに依存している。サゴデンプンについては、そのような転換デンプン(すなわちデンプンベース材料)は、米国特許第7,422,638号に記載されている。
デンプンベース材料を調製するのに使用されうる好適な天然または非変性デンプンは、約15重量%〜約80重量%のアミロースを有するそれらのデンプンを含む。幾つかの実施形態では、デンプンベース材料は、約18重量%〜約35重量%のアミロースを有するそれらのデンプンを含む。幾つかの実施形態では、天然デンプンは、サゴデンプン、緑豆デンプン、サツマイモデンプン、またはエンドウ豆デンプンである。幾つかの実施形態では、そのデンプンはサゴデンプンである。
天然サゴデンプンは、サゴヤシ木の髄から抽出され、他のデンプンは、緑豆、サツマイモ、またはエンドウ豆のそれぞれの対応する供給源からから抽出される。本明細書における使用に適した性質を有するいずれのデンプンまたはデンプン混合物は、任意の変性または転換の前または後のいずれかにて、当該技術分野において公知の任意の方法によって精製され、デンプン生来のまたはプロセス中に作られる味、臭気、または色を、デンプンから取り除きうる。デンプンを処理する好適な精製方法は、欧州特許第554818号で代表される一群の特許に開示されている。また、アルカリ洗浄技術も有用であり、米国特許第4,477,480号、および同第5,187,272号で代表される一群の特許に記載されている。デンプンは、水酸化ナトリウムなどのアルカリ土類金属水酸化物を用いてアルカリ洗浄されうる。そのような洗浄は、デンプンの分解前に起こる。
転換での使用に適した塩基は任意の公知の塩基を含み、それらとしては、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アミン、またはそのような塩基の任意の2つ以上の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、塩基としては、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどの塩基が挙げられるが、これに限定されない。遅延ゲル化デンプンが食物に使用される予定のとき、塩基は摂取に適したものであるべきである。
上述のように、組成物は、安定化剤と反応させた転換デンプンベース材料を含む。転換デンプンベース材料は、随意に架橋剤と反応させうる。安定化剤は、デンプンベース材料のゲル化を遅延するように作用するものである。安定化剤と反応させた転換デンプンベース材料は、「置換転換デンプン」または「置換転換デンプンベース材料」と呼ばれることがある。よって、自然な結果により、任意の架橋剤または安定化剤との反応前の転換デンプンベース材料は、「未置換転換デンプン」または「未置換転換デンプンベース材料」と呼ばれることもある。実例となる安定化剤としては、酸化エチレン、プロピレンオキシド、無水酢酸、オクトエニル無水コハク酸、無水コハク酸、オルトリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、または次亜塩素酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。安定化剤がプロピレンオキシドである場合、プロピレンオキシドとデンプンベース材料との反応のプロセスは、ヒドロキシプロピル化と呼ばれる。安定化剤が無水酢酸である場合、反応はアセチル化と呼ばれる。
デンプンベース材料の溶液が形成されたら、その溶液のpHは、安定化剤を加える前に好適な値に調整されうる。例えば、安定化プロセスがヒドロキシプロピル化を含む場合、好適なpHは塩基性である。好適な塩基性pHは約12でありうる。安定化プロセスがアセチル化、サクシニル化、オクトエニルサクシニル化を含む場合、好適なpHは、約8の値の塩基性である。安定化プロセスが次亜塩素酸酸化を含む場合、好適なpHは約11である。しかし、安定化プロセスがオルトリン酸塩またはトリポリリン酸ナトリウムを利用する場合、デンプンの乾式熱処理は、pH約3〜7でリン酸塩を用いて含浸することによって行われる。次いで、遅延ゲル化デンプンは回収される。
遅延ゲル化デンプンは、本明細書において記載されているように、それらが入っているか接触している流体溶液(fluid solution)のゲル化時間を、それらが作製された転換デンプンベース材料と比較して遅延するデンプン組成物である。上記のデンプンベース材料は、主として急速ゲル化デンプンであり、室温に冷却後最長3時間でゲル化を開始する時間を有する。よって、遅延ゲル化デンプンは、置換されなかった同じデンプンゲル化時間より長いゲル化時間を呈する。幾つかの実施形態では、遅延は、デンプンベース材料の冷却後、少なくとも1時間である。例えば、遅延ゲル化デンプンのゲル化における遅延は、デンプンベース材料の調理完了後、約1時間〜約48時間でありうる。
架橋剤もまた、遅延ゲル化デンプン組成物中に随意に含まれうる。架橋剤は、デンプン顆粒内で連結を形成することができ、それによりゲルが形成するにつれてさらなる構造的剛性を与える。架橋された顆粒は、ゲルを補強する微粒子材料を提供し、それは主としてデンプンの調理中に膨張した顆粒から放出されるアミロース分子の逆行(retrogradation)または再結晶化によって作り出される。架橋剤は、デンプンベース材料の転換の前または後、安定化剤を加える前、または安定化剤を加えた後に加えられうる。幾つかの実施形態では、架橋剤は、安定化剤を転換デンプンベース材料に加えた後、pHを酸性の値に調整する前に加えられうる。
架橋剤が使用される場合、好適なものは、限定されないが、エピクロロヒドリン、直鎖ジカルボン酸無水物、オキシ塩化リン、アクロレイン、または可溶性メタリン酸塩などの、食品への使用が認可されたものである。他の架橋剤としては、限定されないが、ホルムアルデヒド、塩化シアヌル、ジイソシアン酸エステル、ジビニルスルホンなどのものが挙げられ、製品が食品に使用されない場合はそれらも使用されうる。1つの実施形態では、架橋剤は、オキシ塩化リン、エピクロロヒドリン、トリメタリン酸ナトリウム(STMP)、または無水アジピン酸酢酸である。1つの実施形態では、架橋剤はオキシ塩化リンを含む。
1つの実施形態では、遅延ゲル化デンプンへの架橋剤の添加は、約5℃〜約60℃の温度で実施される。幾つかの実施形態では、遅延ゲル化デンプンの架橋は、約20℃〜約45℃の温度で実施される。約60℃を超える温度を使用することは望ましくない、なぜなら結果として、顆粒が膨張したり、ろ過が困難になったり、デンプンの糊化が起こりうるからである。さらに、遅延ゲル化デンプンは、食物または他の最終製品の加工処理中に糊化されるまで顆粒状の形態を保持することが望ましく、遅延ゲル化デンプンはプレゲル化されず、むしろ「即席(cook‐up)」型として維持される。即席(cook‐up)デンプンは、ヨウ素で染色し、平面偏光顕微鏡で見た際にその偏光十字を依然として保持するものとして定義される。反応時間は、架橋剤および使用温度に依存して異なることになり、典型的には、約0.2時間〜約16時間である。架橋反応の完了後、反応混合物を一般的な酸または塩基を必要に応じて使用して約5〜約6.5の値にpH調整する。顆粒状製品を、ろ過によって回収し、洗浄および乾燥することができる。
架橋剤が遅延ゲル化デンプンに使用される場合、本明細書において定義される特徴を有する製品を与える架橋剤の量は、例えば、デンプンの転換の程度、使用される架橋剤の種類、架橋剤の濃度、反応条件、および/またはその粘度特性によって決められた特定の架橋結合の範囲に入る架橋デンプンを有する必要性に依存して異なるであろう。例えば粘度測定によって測定した際、最終製品の性質を決めるのは反応容器に加えた架橋剤の量ではなく、むしろ実際にデンプンと反応する試薬の量であることを、当業者なら理解するであろう。1つの実施形態では、反応に使用される架橋剤の量は、デンプンの転換の程度に依存して約0.01重量%から約0.5重量%までさまざまであろう。使用される架橋剤の種類により、結果としてより多い量またはより少ない量を用いることになりうる。しかし、架橋剤が使用される場合、架橋剤の量は、典型的には0.005重量%を超える。
別の態様では、遅延ゲル化デンプンを調製する方法が提供される。基本的な方法は、いくつかのセグメント中で上に説明したが、ここでは異なる詳細を説明する。その方法は、天然デンプンを水に懸濁することを含む。デンプンの水に対する比率は、重量基準でデンプン:水比で約1:3から約1:1までさまざまでありうる。1つの実施形態では、デンプンは、水相でスラリー化され、乾燥していないそのままのデンプン固形分で約40%(乾燥固形分で約35%)のスラリーを得る。次いで、公知のようにデンプンは転換される。
例えば、転換は米国特許第4,838,944号に記載されている方法などの酸化法を介してもよい。例えば、1つの実施形態では、次に、過酸化水素などの第1の酸化剤が室温より高い温度でスラリー化デンプンに加えられ、溶液を形成する。例えば、温度は約30℃〜約60℃でありうる。第1の酸化剤の量は、ヨウ化カリウムを加えた際に弱い陽性試験を提供するのに十分である。弱い陽性KI試験を達成した後、次に溶液のアルカリ度を、塩基を加えることによって約8〜約13のpHの塩基性状態に上げる。この混合物に、少なくとも、過マンガン酸カリウムおよび/または過酸化水素などの第2の酸化剤を加える。反応は、酸化剤が消費され、混合物がKIで陰性を得るまで続けられる。
製品は、粘度が適切であるならばこの時点でそのようなものとして使用され、またはさらなる酸化を行ってデンプンをさらに分解してもよい。所望の粘度のベースデンプン材料が、転換によって得られたら、混合物のpHを約9〜約13の値に調整し、安定化剤を加える。安定化剤は、典型的にはデンプン重量に対して約0.1重量%〜約5重量%加えられる。幾つかの実施形態では、安定化剤は、デンプン重量に対して約1重量%〜約2重量%加えられる。ベースデンプン材料と安定化剤との間の反応は、高温で行われうる。幾つかの実施形態では、高温は、約30℃〜約60℃である。酸または酸性pH塩を加えることによって混合物を中和または弱酸性にする前に、さらなる酸化剤が加えられうる。次に、結果として生じる遅延ゲル化デンプンをろ過、洗浄、乾燥しうる。
前の段落では、反応混合物を弱い陽性KIに至らせる手順は、20グラムの試料をガラスの即席(cook‐up)ビーカーに量り取ること、80 mLの蒸留水または脱イオン水を加えること、および20〜30秒間よく混ぜること含む。混合後、5滴の氷酢酸を加え、試料をさらに5〜10秒間混ぜた。5滴の15% KI溶液を加え、続いて、さらに5〜10秒間混ぜた。正確に10分間静置した後、溶液の着色が認められた。10分後に色が同じままなら、試料は「KI陰性」である。10分後に色が薄茶色、暗茶色、青、または紫に変化したら、試料は「KI陽性」である。10分後、色が淡い麦わら色になったら、試料は弱い陽性である。
酸処理による転換デンプンの調製では、顆粒状天然デンプンがスラリー化されて懸濁液を形成する。次に、デンプンは、デンプンの糊化点(通常50〜60℃)未満の温度で酸を加えることによって、必要とされる粘度に加水分解されて溶液を形成する。実例となる酸としては、硫酸および塩酸が挙げられるが、これらに限定されない。典型的には、8〜16時間にわたって反応は起こり、その後、酸はアルカリで(例えば、pH 5.5に)中和され、転換デンプンはろ過によって回収される。
上記および以下に例にある遅延ゲル化デンプンのいずれも、食品(すなわち食物)、パーソナルケア製品、医薬品、栄養補助食品、製紙、農業製品、または塗料を含む、多岐にわたる工業的な用途に使用されうる。1つの実施形態において、遅延ゲル化デンプンは、高固形分デンプン分散体にポンプ注入可能で作業可能な粘度を与えるのに低粘度デンプンが必要とされるそれらの用途に使用されうる。遅延ゲル化デンプンが望ましいまたは必要とされる工業的な用途としては、紙および板紙製造、乾式壁構造用石こうボードの製造、または繊維製品縦糸のり付けが挙げられる。
そのような使用の1つは、食物(すなわち食用製品)においてであり、食品および飲料の両方を意味する。この食物としては、デンプンガムキャンディー(starch gum candies)などの菓子類、麺、プディング、カスタード、フラン、パイフィリング(pie filling)などのフィリング(filling)、模造チーズおよびチーズ製品、マーガリンなどのスプレッド、トッピング、アイシング(icing)、模造魚(imitation fish)、鶏肉(poultry)および肉(meat)、デンプン玉(strach ball)、ヨーグルト、ゲル状デザート(gelled dessert)、ゼリー、または卵製品が挙げられるが、これらに限定されない。
遅延ゲル化デンプンが食物に使用されうる1つの状況は、液体製品が加工処理または包装充てんに望まれるが、より粘稠な(ゲル状の)材料が消費には望まれる場合である。例えば、遅延ゲル化デンプンは、プディング、ヨーグルト、ペットフードなどの缶詰食品、ディップ(dip)、マーガリンなどのスプレッド、トッピング、アイシング、模造魚、鶏肉および肉、デンプン玉、ゼリー、または卵製品、フロマージュ・フレ(fromage frais)、パンナ・コッタ(panna cotta)、サワークリーム、パイフィリング、フルーツフィリング(fruit filling)、カスタード、フラン(flan)、模造チーズおよびチーズ製品などの、発酵した中性の乳製品デザートなどに使用されうる。
ヨーグルトは、食物のなかで遅延ゲル化デンプンの有利さを際立たせる1つの例である。ヨーグルトには、セットタイプ(set‐type)と撹拌タイプ(stirred type)の主な2つのタイプがある。セットタイプヨーグルトは、典型的には、次の方法により調製される。未加工の成分(例えば、牛乳、クリーム、糖、香味料および/または他の添加物)を配合し、低温殺菌する。低温殺菌に必要とされる保持時間の後、成分をホモジナイゼーションし、細菌培養物を加える。次に、この混合物をカップに充てんし、発酵施設内で必要とされる温度でインキュベーションした後に、出荷および販売のために冷蔵温度に冷却する。しかし、必要とされる単独の発酵施設は、発酵の律速時間を提示するだけでなく、非常に高価でありうる資本支出である。
それに比較して、撹拌タイプヨーグルト法は、セットタイプと非常に類似しているが、培養物を加えた後に混合物は大量バッチでタンク発酵される(vat-fermented)。タンク発酵(vat-fermentation)に続いて、発酵したヨーグルトは破壊され(例えば全混合物は、再撹拌または配合され)、冷蔵温度に冷却され、カップに充てんされる。したがって、撹拌タイプヨーグルトは、発酵が大容量タンク内で起こるので単独の培養/発酵室の必要性を回避する。しかし、セットタイプヨーグルトのセットタイプ様の食感を達成するために、撹拌タイプの方法を使用しては、ゲルはカップに充てんされる前に形成することができない。したがって、本明細書において記載されている遅延ゲル化デンプンは、カップに充てんされてセットタイプ様の食感が得られるように、未加工の成分の添加から発酵したヨーグルトを破壊する間の添加までの過程のなかのどの時点においても加えられる方法に使用される成分の1つでありうる。
遅延ゲル化デンプンはまた、低脂肪および低タンパク質ヨーグルトに使用されうる。牛乳タンパク質含有物(最も顕著にはカゼイン)は、ヨーグルトの食感特性(textural properties)を決めるのに非常に大きな役割を果たす。ヨーグルトの発酵中、ヨーグルトのpHの落下は、牛乳タンパク質におけるカゼインミセルを引き起こし、ゲル網状組織を形成し、それがヨーグルトのゲル強度に大きく寄与する。ヨーグルトのタンパク質含有量が低いと、ゲルを形成するのに利用可能なカゼイン少なくなって、ゲル強度、不透明度および他の食感特性(textural properties)が減少する。このタンパク質を置換するか、ゲル化剤を添加しなければ、ゲル網状組織は弱くなる。本明細書において記載されている遅延ゲル化デンプンは、タンパク質を置換して、食感またはゲル強度性質を減少することなくヨーグルトを製造するのに使用されうる。
置換デンプンは、最終用途に望ましい特徴を得るために必要な任意の量で使用されうる。1つの実施形態では、デンプンは、製品の重量で少なくとも約1%の量で使用され、別の実施形態では、少なくとも約6%、別の実施形態では、少なくとも約7%で使用される。幾つかの実施形態では、デンプンは、製品の重量で約1%〜約7%の量で使用される。
定義
以下の定義は、文脈が他に指し示さない限り、本願に関連して使用される。特に指示がない限り、部および%割合はすべて、重量で与えられ、温度はすべてセ氏温度(℃)である。使用される百分率はすべて、重量/重量基準である。要素の説明の文脈(特に、以下の特許請求の範囲の文脈)における、用語「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」ならびに同様の指示語の使用は、本明細書中で特に指示されたり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、単数および複数の両方に及ぶものと解釈されるべきである。用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含む(containing)」などは、拡張的に制限なく読まれるものとする。
くわえて、本明細書において採用された用語および表現は、説明の言い回しとして使用されたものであって、限定的なものではなく、そのような用語や表現の使用において、図示および説明された特徴の任意の等価物またはその一部を除外する意図はなく、本願の範囲内で各種の修正が可能であることが理解される。くわえて、「から本質的になる(consisting essentially of)」という語句は、具体的に列挙されている要素、ならびに本願の基本的なおよび新規な特徴に物質的に影響を及ぼさない付加的な要素を含むことが理解されるであろう。「からなる(consisting of)」という語句は、特定されていない要素のいずれも除外する。本明細書において使用する場合、「約」は、当業者によって理解され、それが使用されている文脈に依存してある程度変化することになる。当業者に明確でないその用語の使用が有る場合、それが使用されている文脈を前提として、「約」は、特定の用語の最大でプラスマイナス10%を意味することになる。
本明細書において使用する場合、「転換デンプンベース材料」は、酸と反応させたデンプン、酵素と反応させたデンプン、または酸化剤と反応させたデンプンである。「転換デンプンベース材料」としては、例えば、サゴデンプン、緑豆デンプン、サツマイモデンプン、またはエンドウ豆デンプンから調製されるものが挙げられるが、これらに限定されない。そのような転換は、当該技術分野において公知であり、例えば、O.B. Wurzburg ed.変性デンプン:性質と使用(Modified Starches:Properties and Uses),Boca Raton,フロリダ州:CRC出版(CRC Press),17〜29頁.1986年のなかのWurzburg、O.B.「転換デンプン(Converted Starches)」にある。
本明細書において使用する場合、「架橋剤」は、デンプン顆粒内で連結を形成することができ、それによりゲルが形成するにつれてさらなる構造的剛性を与える。食品への使用が認可されている架橋剤としては、例えば、エピクロロヒドリン、直鎖ジカルボン酸無水物、オキシ塩化リン、アクロレイン、可溶性メタリン酸塩、トリメタリン酸ナトリウム(STMP)、または無水アジピン酸酢酸が挙げられるが、これらに限定されない。製品が食品に使用される予定のない場合、「架橋剤」としては、例えば、ホルムアルデヒド、塩化シアヌル酸、ジイソシアン酸エステル、ジビニルスルホンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において使用する場合、「遅延ゲル化デンプン」は、安定剤なしの転換デンプンを流体溶液に加えた溶液のゲル化時間と比較して、流体溶液に加えたとき、結果として生じる置換デンプンまたは遅延ゲル化デンプンが、溶液のゲル化時間において遅延を呈するように安定剤とさらに反応させた転換デンプンである。ゲル化時間は、安定剤とのデンプンの化学的置換と組み合わせたデンプン(例えば、転換デンプンベース材料)の転換の条件の結果である。例えば、転換デンプンベース材料は、限定されないが、酸化プロピレンまたは無水酢酸などの安定剤と反応しうり、転換デンプンをゲル化に向けて一時的に安定化するように作用し、遅延ゲル化デンプンを生じる。
本明細書において使用する場合、「グルコノ‐デルタ‐ラクトン」または「GDL」は、金属イオン封鎖剤、酸性化剤、または硬化、ピクリング(pickling)、もしくは膨張剤として使用される食品添加剤である。そのIUPAC名は、(3R,4S,5S,6R)‐3,4,5‐トリヒドロキシ‐6‐(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ‐2H‐ピラン‐2‐オンである。
本明細書において使用する場合、「二重変性(double modified)デンプン」は、分解、次いで安定化剤と反応させたデンプンである。二重変性デンプンは、遅延ゲル化デンプンの1つの例である。
本明細書において使用する場合、「流体」は、流動でき、固定した形状を有さず、固体でも気体でもない物質である。「流体」としては、例えば、水、牛乳、乳清(ホエイ、whey)、スキムミルク粉末(SMP)、濃縮乳清タンパク質(WPC)、全乳粉末(WMP)、鶏肉ストック、牛肉ストック、野菜ストック、植物タンパク質などの他のタンパク質から調製されたストックなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において使用する場合、「ゲル」という用語は、単に増粘または溶液の粘度をゲル化していない溶液と比較して増加することから自立していると特性付けられるゲルを含むことまで広い範囲の物理的な属性を指しうる。ゲルは、液体またはペーストより粘稠で、支えなしに静かに置いたとき、その形状を保持する、すなわち自立する。本明細書において使用する場合、「ゲル化時間」は、デンプン、転換デンプン、化学的安定化転換デンプン、またはこれらのいずれかを含有する食品が調理される(cooked)時と、自立ゲルが形成される時との間の時間である。
本明細書において使用する場合、「酸化剤」は、化学反応で電子を獲得する物質または種である。「酸化剤」としては、例えば、過マンガン酸カリウム、過酸化水素、NaOCl、過硫酸アンモニウム、酸、またはそのような薬剤の2つ以上の任意の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において使用する場合、「自立ゲル」は、デンプンの調理(cooking)、冷却、ゲル化後に、ゲルが形成される容器の形状を実質的に保持するものである。自立である場合でも、ゲル自体の重量を受けて若干のゲルの広がりが発生することは理解されるであろう。例えば、本明細書において使用する場合、40gの7%無水のデンプン(調理および冷却された材料)を容器に置き、ゲル化させ、ゲルが深さ/高さ約2.3 cmおよび直径約4.5 cmを有し、容器から平面に放出した際、ゲルが少なくとも1.5 cmの深さ/高さを維持するか、ゲルが6.5 cm以下の直径に広がるとき、ゲルは自立する。
本明細書において使用する場合、「安定化剤」は、置換されたデンプンまたは遅延ゲル化デンプンの流体溶液に加えたとき、結果として生じる置換デンプンまたは遅延ゲル化デンプンは、安定剤を含まない転換デンプンを流体溶液に加えたときの溶液ゲル化時間と比較して、溶液のゲル化時間に遅延を呈する。「安定化剤」としては、例えば、酸化エチレン、酸化プロピレン、無水酢酸、オクトエニル無水コハク酸、無水コハク酸、オルトリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、またはそれらのいずれか2つ以上の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において使用する場合、「三重変性(triple modified)デンプン」は、分解、次いで安定化剤および架橋剤と反応させたデンプンである。三重変性は、遅延ゲル化デンプンの1つの例である。
本明細書において使用する場合、「増粘剤(viscosifier)」は、増粘剤(thickener)として機能し、ゲル化なしに液体および組成物の粘度を増加するデンプンまたは親水コロイド添加物である。「増粘剤」としては、例えば、糯(ワクシー、waxy)デンプン、架橋糯(ワクシー、waxy)デンプン、架橋置換糯(ワクシー、waxy)デンプン、アセチル化デンプン、ヒドロキシプロピル化デンプン、デント(dent)コーンスターチ、タピオカデンプン、米デンプン、糯米デンプン、ジャガイモデンプン、糯ジャガイモデンプン、グアーガム、ペクチン、ローカストビーン(locust bean)ガム、キサンタンガム、またはその他の親水コロイドが挙げられるが、これらに限定されない。
以下の例を参照して、さらに詳細に本願のある特定の態様および実施形態を説明する。それらの例は、例示の目的のみに提供され、どのような形ででも本願の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。記載されている手順の合理的な変形は、本発明の範囲内であることが意図される。本発明の特定の態様を説明及び記載してきたが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく他の様々な変更および修正を行えることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更および修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。以下の例では、「次に、アルカリ度をXX mLの0.1N HClに上げた」という表現は、反応混合物の50 mLの試料をXX mLの0.1N HClで処理することを意味する。結果として生じた混合物が中性のpHであったなら、最初の反応混合物は、XX mLの0.1N HClのアルカリ度であると見なされる。
実施例1. デンプン転換の測定
デンプン転換(粘度減少)の度合いを、粘度を以下の方法によってmPa・sの単位で決定することによって測定した。転換されたデンプン粘度をボーリン ヴィスコ88 ウォータージャケット付き回転粘度計(マルバーン・インスツルメンツ社(Malvern Instruments, Inc.)、Southborough、マサチューセッツ州より市販)を使用して、30℃で標準化して、100 mPa・sの粘度を有する標準油を用いて測定した。手順は、必要量のデンプン(例えば、10g、乾燥基準)をステンレス製カップに加えること、および、蒸留水(14g)を加えてペーストを作ることを含む。次に、20%のCaC12溶液(100グラム)をそのペーストに加え、混合物を100℃の水浴中で、最初の2分間は急速に撹拌して、30分間加熱する。次に、デンプン分散体を、90℃またはそれより熱い蒸留水で最終重量(124g)にする。次に、サンプルを直ちに粘度計カップに移し、それを次にボーリン ヴィスコ88ユニット内に置き、90℃でのその粘度(mPa・sで)を分析する。
実施例2. 「三重(triple)」変性サゴデンプンである遅延ゲル化デンプンの調製
この調整は、(i)このデンプンを123 mPa・sの転換デンプンベース材料に転換すること、(ii)その転換デンプンベース材料をプロピレンオキシドで安定化すること、および(iii)次に結果として生じたデンプンをオキシ塩化リンで架橋することによってなされる。サゴデンプン(1000g)を水道水(1500 mL)に懸濁することによって、スラリーを調製した。そのスラリーの温度を、湯浴で42℃に調整した。次に、3%NaOH水溶液をゆっくりと加えることによって、アルカリ度を、30 mLの0.1N HClに上げた(50 mLの試料の中性に対する滴定)。過マンガン酸カリウム(2.5gの2%水溶液)をその溶液に加え、続いて過酸化水素(2.25gの30%過酸化水素)を加えた。反応混合物を、過酸化水素QUANT(商標)細片(strip)上での陰性試験によって示されるように、過酸化水素が残らなくなるまで3時間保った。結果として生じたデンプンは、123 mPa・sの粘度を有することがわかった。
次に、3%NaOHを使用して、アルカリ度を64 mLに増加した。硫酸ナトリウム(60g、デンプン重量に対して6重量%)、およびプロピレンオキシド(20g、デンプン重量に対して2重量%)を加え、スラリーを3.78リットルのプラスチック瓶に加えた。次に、その瓶を、熱したタンブラー内に置き、16時間、40℃で回転した。次に、デンプンスラリーの温度を30℃に下げ、POCl3(0.16g;デンプン重量基準で0.016%)をデンプンスラリーに加え、0.5時間反応してデンプンを架橋した。次に、硫酸(25重量%水溶液)を加えることによってデンプンスラリーのpHを5.5に調整した。25重量%の濃硫酸を水に溶かすこと、例えば100gの濃H2SO4を300gの水に溶かすことによって、硫酸の25重量%水溶液を調製する。三重変性サゴデンプンをろ過によって回収し、水で洗浄し、風乾した。
実施例3. 減少したレベルの過酸化水素による「三重」変性サゴデンプンである遅延ゲル化デンプンの調製
減少したレベルの過酸化水素(0.2g、30%)を用いた以外は、実施例2に記載のように行い、プロピレンオキシドとの反応前に231 mPa・sの粘度を得た。
実施例4. モデルヨーグルト模擬実験を利用したゲル化遅延の測定
ヒドロキシプロピル化架橋糯コーンスターチ(PO/POC13糯コーンスターチ)および2つの異なる「三重変性」サゴデンプンのブレンドを調製した(実施例2および3)。1.5重量%PO/POC13糯コーンスターチ、0.3重量%ゼラチン(ゲリタ社(Gelita)より入手可能)および98.2重量%全乳からの各日の調製実行(run)について対照を作製した。乾燥デンプン(もしあるなら、ゼラチン)を計量し、500 mL容パイレックス(Pyrex)ビーカー中の全乳に加えて混合し、完全な分散を確保した。
次に、混合物を湯浴(100℃)で、最初の3分間は手でかき混ぜて20分間調理した。調理後、ビーカーを氷水浴に置き、断続的にかき混ぜながら25℃に冷やした。グルコノ‐デルタ‐ラクトン(6.75g)を、各ビーカーに加え、試料を2分間手でかき混ぜた。試料を4時間、室温で静置し、グルコノ‐デルタ‐ラクトンが加水分解してpHが4.3〜4.6に下がる時間を与えた。次に、試料を、注射器を使用して300マイクロメートルスクリーンに押して通して、2オンスのプラスチック瓶に入れた。
次に、その瓶を冷蔵庫に置いた。試料を24時間にわたってモニターして、ゲル形成を検出した。ゲル形成は、瓶をプラスチックトレイにひっくり返して、自立構造が存在するか否かをみることによって決定した。結果を表1に提示する。表1において、日/試料は、異なる日および異なる群(groupings)で実行された試料を指す。対照は3〜5時間後に自立ゲルを形成した一方で、三重変性サゴタイプを含有する配合の多くは、ゼラチンを加えない場合であっても24時間までゲル化を遅延した。
Figure 2013231162
実施例5. 「二重(double)」変性サゴデンプンである遅延ゲル化デンプンの調製
この調製を、(i)110 mPa・sの粘度への転換および(ii)2%プロピレンオキシドでの安定化によって行った。サゴデンプン(1000g)を水道水(1500 mL)に懸濁することによって、スラリーを調製した。このスラリーの温度を、湯浴で42℃に調整した。次に、3%NaOH水溶液をゆっくりと加えることによって、アルカリ度を、30 mLの0.1N HClに上げた(50 mLの試料の中性に対する滴定)。過マンガン酸カリウム(2.5gの2%水溶液)をその溶液に加え、続いて過酸化水素(2.25gの30%過酸化水素)を加えた。反応混合物を、過酸化水素QUANT(商標)細片(strip)上での陰性試験によって示されるように、過酸化水素が残らなくなるまで3時間保った。結果として生じたデンプンは、110 mPa・sの粘度を有することがわかった。
次に、3重量%NaOHを使用して、アルカリ度を64 mLに増加した。硫酸ナトリウム(60g、デンプン重量に対して6重量%)、およびプロピレンオキシド(20g、デンプン重量に対して2%)を加え、スラリーを1ガロンのプラスチック瓶に加えた。次に、その瓶を、熱したタンブラー内に置き、16時間、40℃で回転した。次に、硫酸(25重量%)を加えることによってデンプンスラリーのpHを5.5に調整した。結果として生じた二重変性デンプン生成物をろ過によって回収し、水で洗浄し、風乾した。
実施例6. 1.5重量%プロピレンオキシドを使用した、「二重(double)」変性サゴデンプンである遅延ゲル化デンプンの調製
この調製を、2重量%に代えて1.5重量%プロピレンオキシド使用した以外は、実施例5と同じ手順で行った。生成物は、116 mPa・sの粘度を有した。
実施例7. モデルヨーグルト模擬実験における二重変性サゴデンプン(実施例5および6)を利用したゲル化遅延の測定
ヒドロキシプロピル化架橋糯スターチ(PO/POC13糯コーンスターチ)および2つの異なる「二重変性」サゴデンプンのブレンドを調製した(実施例5および6)。1.5重量%PO/POCi3糯コーンスターチ、0.3重量%ゼラチン(ゲリタ社)および98.2重量%全乳からの各日の調製実行(run)について対照を作製した。乾燥デンプン(およびもしあるなら、ゼラチン)を計量し、500 mL容パイレックスビーカー中の全乳に加えて混合し、完全な分散を確保した。
次に、混合物を湯浴(100℃)で、最初の3分間は手でかき混ぜて20分間調理した。調理後、ビーカーを氷水浴に置き、断続的にかき混ぜながら25℃に冷やした。グルコノ‐デルタ‐ラクトン(6.75g)を、各試料に加え、試料を2分間手でかき混ぜた。試料を4時間、室温で静置し、グルコノ‐デルタ‐ラクトンが加水分解してpHが4.3〜4.6に下がる時間を与えた。次に、試料を、注射器を使用して300マイクロメートルスクリーンに押して通して、2オンスのプラスチック瓶に入れた。
次に、その瓶を冷蔵庫に置いた。試料を24時間にわたってモニターして、ゲル形成を検出した。ゲル形成は、瓶をプラスチックトレイにひっくり返して、自立構造が存在するか否かをみることによって決定した。結果を表2にまとめる。対照は3時間後に自立ゲルを形成した一方で、二重変性サゴタイプを含有する多くのブレンドは、ゼラチンを加えない場合であっても8〜24時間までゲル化を遅延した。
Figure 2013231162
実施例8. プディング配合組成におけるゲル化の遅延に関する三重変性サゴ誘導体の評価
2つの三重変性サゴ誘導体を、実施例2に従って調製した。1つは、0.005%の30%過酸化水素を使用して、322 mPa・sの粘度に転換し、2%プロピレンオキシドおよび0.016重量%POC13と反応させた(実施例2a)。もう1つは(実施例2b)、0.225%の30%過酸化水素を使用して、114 mPa・sの粘度に転換し、2%プロピレンオキシドおよび0.016重量%POC13と反応させた。次に、表3にまとめた配合組成に従って、プディングを調製した。
乾燥成分、例えば市販の糯コーンスターチ、実施例2aまたは2b、および糖をよく配合した。配合した乾燥成分を中程度に攪拌しながらスキムミルクに加え、スラリーにした。スラリーをアルミホイルで被ったグローエンケトル(Groen Kettle)に移し、25 rpmで攪拌しながら93℃に熱した。温度を93℃±2℃で25分間保ち;保持した後、プディングを5分間冷やし、カップに57〜63℃で充てんし、次に氷の上で冷却し、4.4℃で冷蔵した。
ゲル化時間評価用の試料を、生成物をカップから簡単に取り出しやすりようにして、ゲルがその形を保つ能力を評価できるように、パム(商標)クッキングスプレー(PAM‐cooking spray)を吹き付けたカップに集めた。生成物は、一晩にわたった試料を除いて、4時間間隔で評価した。カップを平面にひっくり返し、ゲルがその形を保持し、自立ゲルとして残る能力を評価した。実施例2aの条件下で作製したプディングが、20時間(実施例8a)遅延した凝固(set)を呈した一方で、対照は4時間でゲル化した。実施例2bは、やや低いベース粘性を有し、同様の条件下でゲルを形成しなかった(実施例8i)。このことは、ベース粘度の遅延したゲルを形成する能力への影響を示す。
Figure 2013231162
Figure 2013231162
実施例9. 「二重変性」サゴデンプンである遅延ゲル化デンプンの調製
この調製を、(i)このデンプンを必要とされる粘度に転換すること、および(ii)デンプンを酸化プロピレンで安定化することによって行った。そのデンプンは、オキシ塩化リンで架橋しない。サゴデンプン(6500g)を水道水(9750 mL)に懸濁することによって、スラリーを調製した。そのスラリーの温度を、湯浴で42℃に調整した。次に、3%NaOH水溶液をゆっくりと加えることによって、アルカリ度を、30mLの0.1N HClに上げた(50 mLの試料の中性に対する滴定)。過マンガン酸カリウム(16.25 mLの0.005重量%水溶液)をその溶液に加え、続いて過酸化水素(15.6gの30%過酸化水素)を加えた。反応混合物を、過酸化水素QUANT(商標)細片(strip)上での陰性試験によって示されるように、過酸化水素が残らなくなるまで3時間保った。結果として生じたデンプンは、50m Pa・sの粘度を有することがわかった。
次に、3%NaOHを使用して、アルカリ度を64 mLに増加した。1000gのデンプンを含有するスラリーの一部を取り出し、10gの酸化プロピレン(デンプン重量に対して1重量%)を加え、このスラリーを1ガロンのプラスチック瓶に加えた。次に、その瓶を、熱したタンブラー内に置き、16時間、40℃で回転した。次に、硫酸(25重量%)を加えることによってデンプンスラリーのpHを5.5に調整した。デンプン生成物をろ過によって回収し、水で洗浄し、風乾した。
実施例10. ヨーグルトの方法で製作されるパンナ・コッタタイプ製品における二重変性サゴデンプンの遅延ゲル化
表5のデータは、粘度約26 mPa・sをもつサゴベースの酸転換ゲル化デンプンと、実施例9(「Exp Mod Sago」)の二重変性サゴデンプンを比較して、パンナ・コッタタイプ製品調製試験についてまとめている。両配合組成は、3.4%タンパク質および3%脂肪を有する。二重変性デンプンを使用したパンナ・コッタタイプ製品が、ゲル状の食感を生じた一方で、同じプロセス条件下で酸転換デンプンは、ゲル状の食感を生じなかった。
Figure 2013231162
実施例11.二重変性」エンドウ豆デンプンの調製の手順
この調製を、(i)デンプンを必要とされる粘度に転換すること、および(ii)デンプンをプロピレンオキシドで安定化することによって行った。デンプンをオキシ塩化リンで架橋しなかった。エンドウ豆デンプン(1500g)を水道水(2250 mL)に懸濁することによって、スラリーを調製した。そのスラリーの温度を、湯浴で42℃に調整した。次に、3%NaOH水溶液をゆっくりと加えることによって、アルカリ度を、28 mLの0.1N HClに上げた(50 mLの試料の中性に対する滴定)。過マンガン酸カリウム(3.75 mLの0.005重量%水溶液)をその溶液に加え、続いて過酸化水素(7.5gの30%過酸化水素)を加えた。反応混合物を、過酸化水素QUANT(商標)細片(strip)上での陰性試験によって示されるように、過酸化水素が残らなくなるまで3時間保った。
結果として生じたデンプンは、40 mPa・sの粘度を有することがわかった。次に、3重量%NaOHを使用して、アルカリ度を68 mLに増加した。1200gのデンプンを含有するスラリーの一部を取り出し、酸化プロピレン(18g、デンプン重量に対して1.5重量%)を加え、そのスラリーを1ガロンのプラスチック瓶に加えた。次に、その瓶を、熱したタンブラー内に置き、16時間、40℃で回転した。次に、硫酸(25重量%)を加えることによってデンプンスラリーのpHを5.5に調整した。デンプン生成物をろ過によって回収し、水で洗浄し、風乾した。
実施例12. 実施例11に関するゲル化遅延テスト
実施例11のデンプン(21g)をビーカー加え、蒸留水(289g)を加えた。次に、スラリーを沸騰水浴で、最初3分間はかき混ぜて20分間調理した。次に、付加の蒸留水を加えて、蒸発による重量損失を補正した。次に、調理したデンプンを、6つの2オンス広口瓶(jar)に注ぎ、室温で静置した。1時間後、広口瓶の1つをプラスチックの秤量皿にひっくり返して、注意深く垂直に持ち上げた。自立ゲルが得られた場合、そのデンプンは、「ゲル化された」として定義した。このプロセスを、2、3、5、8、および24時間後に繰り返した。3時間で、自立ゲルを得た。
実施例13. 対照についてのゲル化遅延試験
プロピレンオキシドと反応させなかった、過酸化物により薄化した豆デンプンについて、実施例12の試験と同様の試験を(他の点では実施例11に記載したように)行った。ゲルが1時間以内に形成した。よって、低レベルのプロピレンオキシドでの処理は、実施例12のようにゲルの形成に約2時間の遅延をもたらした。
実施例14. 二重変性サゴデンプンを用いる典型的な撹拌タイプヨーグルトプロセスを使用したカップセット様(cup‐set‐like)食感の製作
スキムミルク(85.5重量%)、ヘビー・クリーム(7.5重量%)、無脂肪粉乳(1重量%)、および二重変性サゴデンプン(6重量%;実施例5のように作った酸化プロピレン処理済み試料について下記の実施例15を参照されたい)を配合し、予め65℃に加熱した。次に予熱した配合物を、平方インチ当たり1740ポンドでホモジナイゼーションし、98℃に加熱し次に6分間、95℃で保持した。プロセスした後、ヨーグルトミックスに典型的なヨーグルトスターター培養物を植え付け、約4時間またpHが4.6に達するまで発酵させた。
pHが4.6に達したら、ヨーグルトを撹拌し、同時に4.4℃に冷やし、その後ヨーグルトをカップに充てんした。数日間、冷却保存した後、ヨーグルトは、典型的には発酵後の撹拌後に失われるであろう、自立した、切ることが可能なゲル食感を取り戻し、カップセットヨーグルトによく似たものになった。ここで作製したヨーグルトは、切ることが可能で、それ自体の重量を支えることができ、数日間、冷却保存した後にカップから取り出した際にその形状を保持するようになった。
実施例15. 二重変性サゴデンプンを使用した典型的なヨーグルトより低いタンパク質含有量をもつヨーグルト
「二重変性」サゴデンプンを、デンプンを50 mPa・sの粘度に転換し、1.5重量%プロピレンオキシド処理で安定化した以外は、実施例5に記載の手順と同じ手順を使用して調整した。スキムミルク(77.7重量%)、ヘビー・クリーム(7.5重量%)、無脂肪粉乳(0.8重量%)、糖(9重量%)、および二重変性サゴデンプン(5重量%)を使用した。ヨーグルトを実施例14で使用した条件と同じプロセス条件を使用して作製した。数日間、冷却保存した後、作製したヨーグルトは、低タンパク質(3重量%)にもかかわらず、典型的にはタンパク質含有量がかなり高いヨーグルトで見られるであろう非常に固い食感で、スプーンカット(spoon cut)や窪みを非常に多く有した。
実施例16. ヨーグルトにおけるゼラチン代用としての実施例15から二重変性サゴデンプンの使用
市販のヨーグルトでは、ゼラチンはゲル強度およびヨーグルトの固さを増やすことを可能にする役割を果たしている。以下の配合組成を使用して、ゼラチンを含まないヨーグルトを作製した:スキムミルク(78.8重量%)、ヘビー・クリーム(7.5重量%)、無脂肪粉乳(0.7重量%)、糖(9重量%)、および二重変性サゴデンプン(4重量%)。ヨーグルトを実施例14および15で使用した条件と同じプロセス条件を使用して作製した。ゼラチンを少しも含有しないにもかかわらず、そのヨーグルトは、ゼラチン無しで作られた標準的なヨーグルトに比較して、ゲル強度および固さの増加を呈した。
実施例17. 粘度(転換の度合い)およびプロピレンオキシド処理レベルの、実施例5のように二重変性したサゴへの影響
試料のすべてを、実施例11に与えられた手順によってゲル化率について分析した。非ヒドロキシプロピル化サゴはすべて、表6に示すように調理して1時間以内にゲル化した。
Figure 2013231162
これらのベースを低レベルの安定化剤と反応すること、すなわちヒドロキシプロピル化により、広範囲のゲル化時間(5時間〜56時間)を呈するサゴ組成物が作製された。
実施例18. 「二重変性」緑豆デンプンの調製
この調製を、(i)このデンプンを必要とされる粘度に転換すること、および(ii)デンプンをプロピレンオキシドで安定化することによって行った。このデンプンは、オキシ塩化リンで架橋しなかった。緑豆デンプン(1000g)を水道水(1250 mL)に懸濁することによって、スラリーを調製した。そのスラリーの温度を、湯浴で41.1℃に調整した。初期のpHは3.96と記録され、約2滴の30%過酸化水素を使用して、反応混合物を弱い陽性KIにした。
弱い陽性KIの結果を得た後、次に3%NaOH水溶液をゆっくりと加えることによって、アルカリ度を、33.17 mLの0.1N HClに上げた(50 mLの試料の中性に対する滴定)。この混合物に、過マンガン酸カリウム(2.5gの2重量%水溶液)を加え、結果として生じた混合物を15分間撹拌した。撹拌した混合物に、過酸化水素(12gの30%過酸化水素)を加え、陰性KIによって示されるように発生した過酸化水素の消費が完了するまでさらに2時間混合した。スラリーの分量(150 mL)を取り出し、中和、回収、乾燥し、粘度を測定したところ、159 mPa・sであった。アルカリ度を、65gの3重量%NaOH溶液を使用して再調整してpHを11.21にし、さらに3グラムの30%過酸化水素をデンプンスラリーに加え、酸化物質がなくなるまで反応させた。スラリーの分量(150 mL)を取り出し、中和、回収、乾燥し、粘度を測定したところ、62 mPa・sであった。
硫酸ナトリウム(180g)をデンプンスラリーに加えた。次に、反応混合物のアルカリ度を、3%NaOH溶液(300g)を使用して、0.1N HCLの71.39 mL滴定に上げた。約10滴のH2SO4(25重量%)を加えて、pHを11.2に調整した。次に、スラリーを1ガロンプラスチック瓶に移し、プロピレンオキシド15g、デンプンに対して1.50重量%)をスラリーに加えた。次に、その瓶を、熱したタンブラー内に置き、16時間、40℃で回転した。次に、スラリーをタンブラーから取り出し、H2SO4(25%)を用いてpHを3.25に調整し、1時間混合した。次に、反応混合物を、30%過酸化水素(1g、デンプンに対して0.1重量%)で処理し、1時間混合した。次に、混合物を二亜硫酸ナトリウム(1g)で中和し、最終pH 5.74に調整した。デンプンを真空ろ過によって回収し、水で洗浄し、オーブンで一晩29℃にて乾燥した。
実施例19. レモン風味パイフィリング
2つの「二重変性」サゴデンプンをそれぞれ粘度41および63 mPa・sに転換し、3重量%無水酢酸処理で安定化した。レモンジュース(19重量%)、糖(50.5重量%)、水(23.25重量%)、および二重変性サゴデンプン(7.25重量%)を使用した。また、対照として、試料を含有する7.25%市販薄糊化サゴデンプンも作製した。薄糊化サゴデンプンは、固いゲルを(冷却して)2時間で形成した一方で、実験用デンプンは遅延したゲル化を示した。24時間後および48時間後に、実験用試料は両方とも、著しく固い自立ゲルになった。
実施例20. 非サゴデンプンの遅延ゲル化
遅延ゲル化サゴタイプに施した処理に合わせて、非サゴデンプンの遅延ゲル化組成物を調製した。使用された非サゴデンプンは、エンドウ豆、サツマイモ、および緑豆であった。エンドウ豆デンプン誘導体は、実施例11に従って調製し、ゲル化遅延試験を、実施例12に従って行った。1時間以内にゲル化したプロピレンオキシドでの変性なしのエンドウ豆デンプンベースの試料と比較した時間で、分解エンドウ豆デンプンベース材料の低いレベルの酸化プロピレン(この場合、1.5重量%)での処理は、約2〜3時間ゲル化をもたらした。
サツマイモデンプンを、エンドウ豆デンプンと同様に作製した。ゲル化遅延について評価したとき、ゲルが24時間後に形成した。このことは、自立ゲルが約2時間で形成を開始するゲル化を呈するサツマイモ中間試料(すなわち、プロピレンオキシドなし)とは大きく異なる。
緑豆デンプン試料を、実施例18に従って調製した。次に、ゲル化遅延テストを前述と同じ方法で行った。1.50重量%プロピレンオキシドで(マナックス(Manox)を介して)62 mPa・sの粘度に調製した試料は、ゲル化を約24時間で呈し始め、プロピレンオキシド変性なし中間体は、1時間以内にほぼ即座のゲル形成を呈した。
実施例21. 遅延した増粘(thickening)
遅延ゲル化デンプンを、フルーツ調製モデルシステムで評価した。ヒドロキシプロピル化架橋糯コーンスターチとヒドロキシプロピル化二重変性サゴデンプンの混合物を、ヒドロキシプロピル化架橋糯コーンスターチ単独と比較して、遅延した増粘(thickening)が見られるかどうかを判断した。表7中の成分を次のように処理した。約1/3の水および2/3の糖を、ビーカー中で混合した。デンプンまたはデンプン混合物を、残りの水にスラリー化し、水/糖混合物に加えた。結果として生じた混合物を、サーモミックス(Thermomix)台所用器具に注ぎ、90℃に速度1で加熱し、200分間保った。残りの糖を加え、混合物を66℃に冷やし、ブルックフィールド(Brookfield)粘度計を使用して、粘度を測定した。室温で4時間冷却後に粘度を再び測定し、さらに再び24時間後に測定した。
Figure 2013231162
表7に示した結果は、二重変性デンプンは、冷却時に遅延した濃化を伴って薄糊化粘度を提供する。この遅延した濃化は、レトルトスープなどの食品系において有益であることになり、薄糊化粘度がより速い熱浸透を可能にし、結果として顧客にとって製造における節約(manufacturing savings)をもたらす。またそれは、粘度が高いフルーツ調製などの食品のポンプでの注入および充てんを可能にする。
比較例1. (i)40〜50 mPa・sの粘度への転換、および(ii)2%プロピレンオキシドを用いた安定化による「二重変性」コーンスターチ(非ゲル化)を調製する手順
コーンスターチ(1000g)を水道水(1500 mL)に懸濁することによって、スラリーを調製した。このスラリーの温度を、湯浴で42℃に調整した。次に、3%NaOH水溶液をゆっくりと加えることによって、アルカリ度を、30 mLの0.1N HClに上げた(50 mLの試料の中性に対する滴定)。過マンガン酸カリウム(2.5gの2%水溶液)をその溶液に加え、続いて過酸化水素(1.75gの30%過酸化水素)を加えた。反応混合物を、過酸化水素QUANT(商標)細片(strip)上での陰性試験によって示されるように、過酸化水素が残らなくなるまで3時間保った。結果として生じたデンプンは、40〜50 mPa・sの粘度を有することがわかった。
次に、デンプンの溶液のアルカリ度を、3重量%NaOHを使用して64 mLに増やした。硫酸ナトリウム(60g、デンプン重量に対して6重量%)、および酸化プロピレン(20g、デンプン重量に対して2%)を加え、スラリーを1ガロンのプラスチック瓶に加えた。次に、その瓶を、熱したタンブラー内に置き、16時間、40℃で回転した。次に、硫酸(25重量%)を加えることによってデンプンスラリーのpHを5.5に調整した。デンプン生成物をろ過によって回収し、水で洗浄し、風乾した。結果として生じた二重変性コーンスターチは、ゲル化しなかった。
比較例2.i)40〜50 mPa・sの粘度への転換、および(ii)2%酸化プロピレンを用いた安定化による「二重変性」タピオカデンプンを調製する手順
タピオカデンプン(1000g)を水道水(1500 mL)に懸濁することによって、スラリーを調製した。このスラリーの温度を、湯浴で42℃に調整した。次に、3%NaOH水溶液をゆっくりと加えることによって、アルカリ度を、30 mLの0.1N HClに上げた(50 mLの試料の中性に対する滴定)。過マンガン酸カリウム(2.5gの2%水溶液)をその溶液に加え、続いて過酸化水素(0.32gの30%過酸化水素)を加えた。反応混合物を、過酸化水素QUANT細片(strip)上での陰性試験によって示されるように、過酸化水素が残らなくなるまで3時間保った。結果として生じたデンプンは、40〜50 mPa・sの粘度を有することがわかった。
次に、3重量%NaOHを使用して、アルカリ度を64 mLに増加した。硫酸ナトリウム(60g、デンプン重量に対して6重量%)、および酸化プロピレン(20g、デンプン重量に対して2%)を加え、スラリーを1ガロンのプラスチック瓶に加えた。次に、その瓶を、熱したタンブラー内に置き、16時間、40℃で回転した。次に、硫酸(25重量%)を加えることによってデンプンスラリーのpHを5.5に調整した。デンプン生成物をろ過によって回収し、水で洗浄し、風乾した。結果として生じた二重変性タピオカデンプンは、ゲル化しなかった。
本願を通してさまざまな文献が参照されている。これらの文献の開示は、本明細書において記載および請求されている出願の日付における当業者に公知の技術分野の状況をさらに十分に記載するために、参照してその全体が本願に組み込まれる。
本願の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、他の様々な変更および修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本願の範囲内にあるそのようなすべての変更および修正を、本願で扱うものとする。

Claims (20)

  1. 液体;
    約0.25重量%〜約6重量%の、転換デンプンベース材料と安定化剤との反応生成物を含む遅延ゲル化デンプン;及び
    約0重量%〜約5重量%の増粘剤(viscosifier);
    を含むゲル化組成物であって、
    該ゲル化組成物が、前記遅延ゲル化デンプンが前記同一の転換デンプンベースで置換されているが安定化剤を含まない同一のゲル化組成物と比較して、少なくとも1時間のゲル化の遅延を呈し;そして
    該遅延ゲル化デンプンおよび該増粘剤の総重量%が約6重量%を超えない、
    前記ゲル化組成物。
  2. 前記遅延ゲル化デンプンが、架橋剤をさらに含む、請求項1のゲル化組成物。
  3. 前記架橋剤が、エピクロロヒドリン、直鎖ジカルボン酸無水物、オキシ塩化リン、アクロレイン、または可溶性メタリン酸塩を含む、請求項2のゲル化組成物。
  4. 前記ゲル化組成物が、約0重量%の前記増粘剤および約3重量%〜約4重量%の前記遅延ゲル化デンプンを含む、請求項1のゲル化組成物。
  5. 前記ゲル化組成物が、約0.25重量%〜約5重量%の前記増粘剤および約0.25重量%〜約4重量%の前記遅延ゲル化デンプンを含む、請求項1のゲル化組成物。
  6. 前記安定化剤が、プロピレンオキシドまたは無水酢酸を含む、請求項1のゲル化組成物。
  7. 前記転換デンプンベース材料が、酸と反応させたデンプンを含む、請求項1のゲル化組成物。
  8. 前記デンプンが、サゴ(sago)デンプン、緑豆(mung bean)デンプン、サツマイモデンプン、またはエンドウ豆デンプンを含む、請求項7のゲル化組成物。
  9. 前記デンプンが、サゴデンプンを含む、請求項7のゲル化組成物。
  10. 前記転換デンプンベース材料が、ボーリン(Bohlin)粘度試験で測定して、約20 mPa・s〜約400 mPa・sの粘度を有する、請求項1のゲル化組成物。
  11. 前記増粘剤が、糯(ワクシー)デンプン、架橋された糯(ワクシー)デンプン、架橋および置換された糯(ワクシー)デンプン、アセチル化デンプン、ヒドロキシプロピル化デンプン、または親水コロイドを含む、請求項1のゲル化組成物。
  12. 食用である請求項1のゲル化組成物。
  13. 転換デンプンベース材料および安定化剤の反応生成物を含む遅延ゲル化デンプンであって、ここで、該遅延ゲル化デンプンを含む組成物が、遅延ゲル化デンプンが同一の転換デンプンベースで置換されているが、安定化剤を含まない組成物と比較して少なくとも1時間のゲル化の遅延を呈する遅延ゲル化デンプン。
  14. 安定化剤が、プロピレンオキシドまたは無水酢酸を含む、請求項13の遅延ゲル化デンプン。
  15. 前記転換デンプンベース材料が、酸と反応させたデンプンを含む、請求項13の遅延ゲル化デンプン。
  16. 前記デンプンが、約15重量%〜約80重量%のアミロースを含む、請求項15の遅延ゲル化デンプン。
  17. 前記デンプンが、サゴデンプン、緑豆デンプン、サツマイモデンプン、またはエンドウ豆デンプンを含む、請求項15の遅延ゲル化デンプン。
  18. 前記転換デンプンベース材料が、ボーリン粘度試験で測定して、約20 mPa・s〜約400 mPa・sの粘度を有する、請求項13の遅延ゲル化デンプン。
  19. 前記請求項13の遅延ゲル化デンプンを含む食物。
  20. 天然デンプンを水に懸濁して懸濁液を形成すること;
    塩基を加えることによって該懸濁液のpHを約11〜約11.5に上げること;
    第1の酸化剤を該懸濁液に加えること;
    第2の酸化剤を該懸濁液に加えてデンプンベース材料を形成すること;
    安定化剤を該デンプンベース材料に加えて安定化デンプンベース材料を形成すること;および
    酸を加えることによって該安定化デンプンベース材料を中和すること、
    を含む方法。
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