JP2013227488A - エンジンカバー - Google Patents

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Masayoshi Nakano
正義 中野
Junichiro Suzuki
淳一朗 鈴木
Kazutaka Katayama
和孝 片山
Hiroyuki Kondo
裕之 近藤
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Abstract

【課題】フローマークや流れムラを改善でき、耐熱変形性(形状保持性)、耐熱変色性に優れたエンジンカバーの提供を目的とする。
【解決手段】下記の(A)および(B)を主成分とし、下記の(C)〜(E)を含有する樹脂組成物からなるエンジンカバーであって、上記(A)と(B)の重量混合比が(A)/(B)=90/10〜30/70で、かつ、上記樹脂組成物〔但し、(E)を除く〕からなる厚み2mmのシートの全光線透過率が15〜30%であることを特徴とする。
(A)ポリメチルペンテン。
(B)ポリプロピレン。
(C)成形後のアスペクト比が5〜200の繊維状充填剤。
(D)着色剤。
(E)光輝剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、自動車等の車両に用いられるメタリック調のエンジンカバーに関するものである。
エンジンカバーは、防音、遮熱のため、高級車を中心に装着されており、意匠性が求められることから、メタリック調の塗装が施されている。近年、自動車向けの内装部品においては、低コスト化の観点から、塗装を施さずに(塗装レス)、樹脂に光輝剤を直接混入した原着樹脂を用いた成形方法が見受けられるようになってきており、エンジンカバー等の外装部品においても原着樹脂を用いた成形方法が試みられている。例えば、特許文献1には、熱可塑性樹脂に光輝剤を添加してなる樹脂組成物を射出成形してなる樹脂成形品が提案されている。
特開2000−71274号公報
しかしながら、エンジンカバー等の外装部品においては、高い外観品質や耐熱変形性(形状保持性)が要求されるため、原着樹脂による射出成形は困難である。特にアルミフレーク等の光輝剤を、樹脂に添加して成形するメタリック調の部品においては、射出成形時における金型内での樹脂の衝突や乱流等の発生により、樹脂の流動性が悪化し、フローマークや流れムラが顕在化したり、塗装の場合に比べて熱変色が大きくなる等の難点がある。特に上記特許文献1の樹脂成形品は、熱可塑性樹脂としてポリアミド樹脂を使用するため、熱老化で変色し、耐熱変色性に劣るという難点がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、フローマークや流れムラを改善でき、耐熱変形性(形状保持性)、耐熱変色性に優れたエンジンカバーの提供をその目的とする。
本発明者らは、フローマークや流れムラを改善でき、耐熱変形性(形状保持性)、耐熱変色性に優れたエンジンカバーを得るため、鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、ポリメチルペンテン(A)とポリプロピレン(B)とに着目し、(A)と(B)の重量混合比を(A)/(B)=90/10〜30/70の範囲とし、これに成形後のアスペクト比が5〜200の繊維状充填剤(C)、着色剤(D)および光輝剤(E)を配合してなる樹脂組成物を用い、かつ、上記樹脂組成物〔但し、(E)を除く〕からなる厚み2mmのシートの全光線透過率が15〜30%である樹脂組成物からなるエンジンカバーを用いると、所期の目的が達成できることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち、本発明のエンジンカバーは、下記の(A)および(B)を主成分とし、下記の(C)〜(E)を含有する樹脂組成物からなるエンジンカバーであって、上記(A)と(B)の重量混合比が(A)/(B)=90/10〜30/70で、かつ、上記樹脂組成物〔但し、(E)を除く〕からなる厚み2mmのシートの全光線透過率が15〜30%であるという構成をとる。
(A)ポリメチルペンテン。
(B)ポリプロピレン。
(C)成形後のアスペクト比が5〜200の繊維状充填剤。
(D)着色剤。
(E)光輝剤。
以上のように、本発明のエンジンカバーは、上記(A)および(B)を主成分とし、さらに上記(C)〜(E)を含有する樹脂組成物の射出成形品からなるものである。上記ポリメチルペンテン(A)およびポリプロピレン(B)は、射出成形時の温度域では安定で、酸化劣化後に窒化物やジエンを生成しないため、耐熱変色性に優れている。上記ポリメチルペンテン(A)は、耐熱変形性(形状保持性)にも優れ、ポレオレフィン系樹脂で融点が約230℃と高く、ポリアミド樹脂に比べて耐熱変色性に優れ、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のような加水分解も生じない。また、上記ポリメチルペンテン(A)単体では、耐衝撃性は低いが、上記ポリプロピレン(B)をブレンドすることにより、耐衝撃性が向上する。本発明においては、上記ポリメチルペンテン(A)とポリプロピレン(B)とを所定の割合でブレンドしているため、耐熱変形性(形状保持性)、耐熱変色性、耐衝撃性を有する。また、上記成形後のアスペクト比が5〜200の繊維状充填剤(C)を使用するため、樹脂組成物の射出成形品において、樹脂の流れを整流化することができ(整流効果)、フローマークも解消することができる。しかも、上記樹脂組成物〔但し、(E)を除く〕からなる厚み2mmのシートの全光線透過率が15〜30%であるため、必要以上の光の吸収、透過がなくなり、流れムラを解消することができる。
また、上記特定の繊維状充填剤(C)がガラス繊維であると、繊維自体が透明であるため、樹脂の色の変化がなく、物性面についても高弾性となり、形状保持性が向上する。
そして、上記着色剤(D)が、酸化チタンおよび炭酸カルシウムの少なくとも一方であると、白度が高くなり外観(メタリック感)が良好となる。
つぎに、本発明の実施の形態について詳しく説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
本発明のエンジンカバーは、下記の(A)および(B)を主成分とし、下記の(C)〜(E)を含有する樹脂組成物を用いて、射出成形等することにより得ることができる。
(A)ポリメチルペンテン。
(B)ポリプロピレン。
(C)成形後のアスペクト比が5〜200の繊維状充填剤。
(D)着色剤。
(E)光輝剤。
なお、本発明において主成分とは、樹脂組成物の主要成分の意味であり、通常、樹脂組成物全体の過半を占める成分を意味する。
本発明においては、上記(A)と(B)の重量混合比が(A)/(B)=90/10〜30/70で、かつ、上記樹脂組成物〔但し、(E)を除く〕からなる厚み2mmのシートの全光線透過率が15〜30%であることが最大の特徴である。
本発明においては、上記全光線透過率は、以下のようにして測定することができる。すなわち、上記(A)〜(D)を含有する樹脂組成物〔但し、(E)を除く〕を、射出成形機(住友重機械工業社製「SH100」、型締め力:100T)を用いて、厚み2mmのシートを作製する。このシートに光を照射したときの入射光量に対する出射光量の割合を、濁度計で測定し、全光線透過率を求める。本発明においては、この全光線透過率が15〜30%であり、好ましくは20〜25%である。全光線透過率が低すぎると、樹脂自体に光が吸収され、光輝剤(E)の金属光沢が失われ、輝度が低下し、全光線透過率が高すぎると、透過率が高いため、特定の繊維状充填剤(C)と配向した光輝剤(E)がスジ状のムラ(流れムラ)として発生する。
まず、上記樹脂組成物の各成分について説明する。
《ポリメチルペンテン(A)》
上記ポリメチルペンテン(A)は、融点が220〜240℃の高融点樹脂であり、メチル−1−ペンテン系重合体であって、例えば、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテンの単独重合体あるいはこれらの共重合体、もしくは4−メチル−1−ペンテンおよび3−メチル−1−ペンテンの少なくとも一方と、他のα−オレフィンとの共重合体が好ましい。上記α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数2〜20のα−オレフィンがあげられる。
上記ポリメチルペンテン(PMP)(A)のメルトフローレート(MFR)は、5〜200が好ましく、特に好ましくは、100〜180である。上記ポリメチルペンテン(A)のMFRが小さすぎると、フローマークが顕著化する傾向がみられ、大きすぎると、糸ひき等が発生し、加工性が悪くなる傾向がみられる。
《ポリプロピレン(B)》
上記ポリプロピレン(B)としては、例えば、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、無水マレイン酸等の酸無水物で変性した変性ポリプロピレン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記ポリプロピレン(B)のMFRは、60以下が好ましく、特に好ましくは、5〜50である。上記ポリプロピレン(B)のMFRが大きすぎると、樹脂の強度が低下する傾向がみられる。
本発明においては、上記(A)と(B)の重量混合比が、(A)/(B)=90/10〜30/70であり、好ましくは(A)/(B)=70/30〜30/70である。(A)が少なすぎる〔(B)が多すぎる〕と、耐熱性が劣り、180℃雰囲気中において形状保持ができなくなり(形状保持性が劣る)、(A)が多すぎる〔(B)が少なすぎる〕と、耐衝撃性が悪くなる。
《特定の繊維状充填剤(C)》
上記特定の繊維状充填剤(C)は、成形後のアスペクト比(以下、単に「アスペクト比」と略す場合もある。)が5〜200であり、好ましくは10〜100である。繊維状充填剤のアスペクト比が小さすぎると、剛性が不足し、エンジンカバーとしての性能を得ることができなくなり、アスペクト比が大きすぎると、整流効果が低下し、外観が悪化する。
なお、成形後のアスペクト比は、以下のようにして測定することができる。すなわち、樹脂組成物を射出成形して、厚み2mmのシート(大きさ120mm×140mm)を作製する。そのシートの一部を燃焼して樹脂部を焼き飛ばした残渣を、マイクロスコープ(KEYENCE社製、VHX−1000)を用いて観察する。長軸長さと短軸長さとをそれぞれ計測し、500個のフィラーのアスペクト比を平均して、成形後のアスペクト比とする。
上記特定の繊維状充填剤(C)の平均直径(繊維径)は、通常5〜150μmであり、好ましくは10〜20μmである。また、上記特定の繊維状充填剤(C)の成形後の長さは、通常0.05〜4mmであり、好ましくは0.1〜2mmである。
上記特定の繊維状充填剤(C)としては、例えば、ガラス繊維(GF)、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維、炭化ケイ素繊維、石コウ繊維等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、透明で、高弾性となり、形状保持性が向上する観点から、ガラス繊維(GF)が好ましい。
なお、粉末状フィラー(粉末状GF)や板状フィラー(タルク等)は、整流効果が得られず、フローマークを解消することができない。
上記特定の繊維状充填剤(C)の含有量は、上記ポリメチルペンテン(A)とポリプロピレン(B)の合計100重量部に対して、5〜100重量部の範囲が好ましく、特に好ましくは10〜50重量部である。上記特定の繊維状充填剤(C)の含有量が少なすぎると、耐熱変形性(剛性)が不足する傾向がみられ、多すぎると流れムラが顕著化し、外観が悪化する傾向がみられる。
《着色剤(D)》
上記着色剤(D)としては、例えば、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、白色顔料であり、外観が良好となることから、酸化チタン、炭酸カルシウムが好ましい。なお、ごく少量であれば、白色以外の着色剤でもメタリック調の樹脂が成形可能であるため、全光線透過率の範囲内で添加してもかまわない。上記白色以外の着色剤としては、例えば、カーボンブラックのような黒色顔料や、ニグロシンのような黒色染料があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。このなかでも、ニグロシンを添加すると、金型内での樹脂の溶融粘度が下がり、キャビティ表面の転写性が良くなるため外観が良好となる。
上記着色剤(D)の含有量は、上記(A)〜(D)を含有する樹脂組成物〔但し、(E)を除く〕からなる厚み2mmのシートの全光線透過率が15〜30%となるように調整される。上記着色剤(D)の含有量は、着色剤の種類により異なるが、例えば、酸化チタンを使用する場合、上記ポリメチルペンテン(A)とポリプロピレン(B)の合計100重量部に対して、0.05〜3重量部が好ましく、特に好ましくは0.1〜0.3重量部である。上記着色剤(D)の含有量が少なすぎると、流れむらが発生する傾向がみられ、多すぎると透過性がなくなり、外観の輝きがなくなる傾向がみられる。
《光輝剤(E)》
上記光輝剤(E)としては、例えば、アルミニウム粉末、マイカ製パール顔料、真鍮粉末、ガラス粉末、金属メッキ粉末、金属コーティング粉末等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、金属光沢の観点から、アルミニウム粉末が好ましい。
上記光輝剤(E)の平均粒径は、通常3〜300μmであり、好ましくは5〜100μmである。
上記光輝剤(E)の含有量は、上記ポリメチルペンテン(A)とポリプロピレン(B)の合計100重量部に対して、1〜5重量部が好ましく、特に好ましくは1〜3.5重量部である。上記光輝剤(E)の含有量が少なすぎると、光沢が劣る傾向がみられ、多すぎると樹脂の強度が低下する傾向がみられる。
上記樹脂組成物には、上記(A)〜(E)以外に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、カップリング剤、分散剤(金属石鹸,低分子量ポリオレフィン等)、粘度低下剤等を必要に応じて適宜に配合しても差し支えない。上記ポリメチルペンテン(A)とポリプロピレン(B)とは、ともにポリオレフィン系樹脂で構造が類似しているため、相溶化剤は不要である。なお、上記樹脂組成物には、ポリプロピレン(B)としての変性PP以外に、他の変性オレフィンを適宜配合しても差し支えない。
本発明のエンジンカバーは、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、2軸押出機のホッパーに、ポリメチルペンテン(A)、ポリプロピレン(B)、着色剤(D)および光輝剤(E)を投入し、サイドフィーダー口から特定の繊維状充填剤(C)を仕込み、混融混練りして樹脂組成物を調製する。つぎに、この樹脂組成物を射出成形等して所定形状に成形することにより、本発明のエンジンカバーを製造することができる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
《ポリメチルペンテン(PMP)(A)》
〔PMP(A1)〕
三井化学社製、DX231(MFR:100)
《ポリプロピレン(B)》
〔PP(B1)〕
ブロックPP(住友化学社製、AZ864EA)
〔酸変性PP(B2)〕
無水マレイン酸変性PP(三井化学社製、アドマーQF500)
〔ポリアミド6(PA6)(B′1)〕
東レ社製、CM1026
〔ポリブチレンテレフタレート(PBT)(B′2)〕
ポリプラスチックス社製、ジュラネックス3300
《特定の繊維状充填剤(C)》
〔ガラス繊維(GF)(C1)〕
日本電気硝子社製、ECSO3T−480(平均繊維径13μm、繊維長さ約3mmのガラスチョップドストランド、成形後のアスペクト比20)
〔長繊維GF(C2)〕
ダイセルポリマー社製、長繊維PP−GF50−02(PP/長繊維GF50重量%のペレット、成形後のアスペクト比100)
〔粉末GF:ミルドファイバー(C′1)〕
日本電気硝子社製、EPG70M−10A(平均繊維径10μm、平均繊維長さ70μm、成形後のアスペクト比3)
〔タルク(含水珪酸マグネシウム)(C′2)〕
日本ミストロン社製、ミストロン850JS(平均粒径5μm)
《着色剤(D)》
〔酸化チタン(D1)〕
堺化学工業社製、R11P
〔炭酸カルシウム(D2)〕
白石カルシウム社製、白艶華CCR
〔ニグロシン(D3)〕
オリエント化学工業社製、NUBIAN BLACK TH−807
〔カーボンブラック(D4)〕
東海カーボン社製、シースト9H
《光輝剤(E)》
〔アルミニウム粉末(E1)〕
東洋アルミ社製(平均粒径20μm)
〔実施例1〕
下記の表1に示す各成分を同表に示す割合で配合し、樹脂組成物を調製した。すなわち、2軸押出機のホッパーに、PMP(A1)、PP(B1)、酸化チタン(D1)およびアルミニウム粉末(E1)を投入し、サイドフィード口からGF(C1)を仕込み、混融混練りして樹脂組成物を調製した。
〔実施例2〜9、比較例1〜10〕
各成分の種類や配合割合等を、下記の表1および表2に示すように変更する以外は、実施例1に準じて、樹脂組成物を調製した。
なお、実施例4については、PMP(A1)とPP(B1)のブレンド物にアルミニウム粉末(E1)を添加し混融混練した材料に、長繊維GF(C2)含有のマスターバッチをGFの含有量が樹脂組成物全体の20重量%になるよう配合し、ドライブレンドすることにより、樹脂組成物を調製した。
Figure 2013227488
Figure 2013227488
このようにして得られた実施例品および比較例品を用い、下記の基準に従って、各特性の評価を行った。その結果を、上記表1および表2に併せて示した。
〔全光線透過率〕
各種樹脂組成物について、光輝剤(E)のみを除いた樹脂組成物を射出成形して、シート(厚み2mm、大きさ120mm×140mm)を作製した。このシートに光を照射したときの入射光量に対する出射光量の割合を、濁度計(日本電色工業社製、NDH5000、光源:白色LED5V3W)で測定し、全光線透過率を求め、メタリック感の評価を行った。評価基準は、全光線透過率が15%以上で、外観の輝きが良好のものを○、全光線透過率が15%未満で、外観の輝きが劣るものを×とした。
〔流れムラ〕
各種樹脂組成物を射出成形して、シート(厚み2mm、大きさ120mm×140mm)を作製した。そして、ゲートから樹脂の流れに沿って発生するスジ模様(流れムラ)の有無を目視で評価した。評価基準は、流れムラが発生しなかったものを○、流れムラが発生したものを×とした。
〔フローマーク〕
各種樹脂組成物を射出成形して、シート(厚み2mm、大きさ120mm×140mm)を作製した。そして、ゲートからの樹脂の流れ方向と直交する方向に形成される縞模様(フローマーク)の有無を目視で評価した。評価基準は、フローマークが発生しなかったものを○、フローマークが発生したものを×とした。
〔耐熱変色性〕
各種樹脂組成物を射出成形して、シート(厚み2mm、大きさ120mm×140mm)を作製した。そして、上記シートをオーブンで150℃×800時間静置した後の色差(ΔE)を、色差計(コニカミノルタ社製、CR−200)により測定した。評価基準は、ΔEが10以下のものを○、10を超えるものを×とした。
〔形状保持性〕
各種樹脂組成物を用いて、ISO3167に準拠したISOTypeAダンベル(標線間距離80mm)をオーブンで180℃×1時間静置した後、変形試験を行い、目視により形状保持性を評価した。評価基準は、形状を保持したものを○、形状が変化したものを×とした。
〔耐衝撃性〕
各種樹脂組成物を用いてISO179に準拠し、シャルピー試験を行い衝撃値を測定した。評価基準は、衝撃値が6kJ/m2以上のものを○、6kJ/m2未満、4kJ/m2以上のものを△、4kJ/m2未満のものを×とした。
〔加水分解性〕
各種樹脂組成物を用いてASTM D1822に準拠し、タイプSダンベル(厚み3.18mm)を作製し、121℃×2atm×100%RH×120時間の高温高湿下環境でプレッシャークッカー試験(PCT)を行った。評価基準は、手で容易に折れなかったものを○、手で容易に折れたものを×とした。
上記表の結果から、全実施例品は、流れムラやフローマークが発生せず、耐熱変色性、形状保持性、耐衝撃性、加水分解性に優れていた。
これに対して、比較例1品は、PMP(A1)のみを使用し、PP(B1,B2)をブレンドしていないため、耐衝撃性が劣っていた。
比較例2品は、PMP(A1)のブレンド比が小さすぎるため、形状保持性が劣っていた。
比較例3品は、PMP/PPに代えてPA6(B′1)を使用しているため、黄色に変色し、耐熱変色性が劣っていた。
PMP/PPに代えてPBT(B′2)を使用した比較例4品は、透過性が小さく、メタリック感が劣るとともに、高温高湿下環境での使用により、加水分解による脆性劣化が生じた。
比較例5品は、アスペクト比3のミルドファイバー(C′1)を使用しているため、耐衝撃性が劣っていた。
比較例6品は、タルク(板状フィラー)を使用しているため、フローマークが発生し、耐衝撃性が劣っていた。
比較例7品は、アスペクト比が5〜200の繊維状充填剤(C)を使用していないため、フローマークが発生し、耐衝撃性が劣っていた。
比較例8品は、着色剤(D)を使用していないため、全光線透過率が高く、流れムラが発生した。
比較例9品は、着色剤(D)を過剰に添加しているため、透過性がなくなり、メタリック感が劣っていた。
比較例10品も、透過性が低く、メタリック感が劣っていた。
本発明のエンジンカバーは、自動車等の車両に用いられ、なかでもメタリック調の高級感が求められる自動車等に好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. 下記の(A)および(B)を主成分とし、下記の(C)〜(E)を含有する樹脂組成物からなるエンジンカバーであって、上記(A)と(B)の重量混合比が(A)/(B)=90/10〜30/70で、かつ、上記樹脂組成物〔但し、(E)を除く〕からなる厚み2mmのシートの全光線透過率が15〜30%であることを特徴とするエンジンカバー。(A)ポリメチルペンテン。
    (B)ポリプロピレン。
    (C)成形後のアスペクト比が5〜200の繊維状充填剤。
    (D)着色剤。
    (E)光輝剤。
  2. (C)が、ガラス繊維である請求項1記載のエンジンカバー。
  3. (C)の含有量が、上記ポリメチルペンテン(A)とポリプロピレン(B)の合計100重量部に対して、5〜100重量部である請求項1または2記載のエンジンカバー。
  4. (D)が、酸化チタンおよび炭酸カルシウムの少なくとも一方である請求項1〜3のいずれか一項に記載のエンジンカバー。
  5. (A)〜(E)を含有する樹脂組成物の射出成形品からなる請求項1〜4のいずれか一項に記載のエンジンカバー。
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