JP2013224617A - Dpfの再生方法及び排気ガス浄化システム - Google Patents

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Abstract

【課題】DPFの再生処理の終了時を正確に判定して燃費を低減することができるDPFの再生処理方法及び排気ガス浄化システムを提供する。
【解決手段】DPFの再生処理中にDPFから排出されるカーボン量を積算し、その積算値から再生処理中に投入された燃料に含まれるカーボン量を差し引くことでPM燃焼により発生したカーボン量を算出し、その算出したカーボン量が初期のPM堆積量以上になったときにDPFの再生処理を終了する。
【選択図】図1

Description

本発明はDPFの再生方法及び排気ガス浄化システムに関し、更に詳しくは、DPFの再生処理の終了時を正確に判定して燃費を低減することができるDPFの再生方法及び排気ガス浄化システムに関する。
自動車搭載の内燃機関等から排出される排気ガスの中には、粒子状物質と呼ばれるPM(パティキュレートマター)が含まれている。通常、このPMは、内燃機関の排気通路に配置される、種々の形状及び材質で構成されたDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)により捕集している。
このDPF内に捕集されたPMの捕集量は、圧力センサで検出されるDPFの前後の圧力差等によって管理されており、一定以上の圧力差が生じるとPMが所定量堆積したと判断して、再生処理が行われるようになっている。この再生処理は、PMが燃焼される温度にDPFを昇温して、予め設定された時間の間維持するという毎回同じ条件で、DPFに堆積したPMを燃焼除去している。このようにDPFを備えた内燃機関では、PMの捕集とDPFの再生処理を繰り返すことで、PMを大気に放出しないようにしている。
このDPFの再生処理は、DPFを毎回同じ条件の温度に同じ時間の間に維持することで行っているので、毎回一定量の燃料を消費することになる。その結果、PM堆積量が少ない時は、PM燃焼量に対する燃料使用量の一部が無駄になり、燃費の悪化につながるという問題がある。そのため、DPF再生に関わるパラメータを利用して燃料消費量が最小となるようなDPFの再生方法が必要とされている。
これに関連して、簡素な構成で精度よくフィルタの再生の終了タイミングを判定できるようにするために、フィルタの再生時に、フィルタが活性化してPMが効率的に燃焼する温度である所定温度(600℃)にフィルタ温度が達した時点からの酸素質量流量の積算値が、再生開始時のフィルタにおけるPM堆積量に相当する所定値に達すると再生終了と判定する排ガス浄化装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この排ガス浄化装置では、PMの燃焼量と酸素質量流量との関係を利用してPMの総燃焼量を、酸素質量流量の積算値に所定の係数Cを乗じた値に等しいとしているが、実際には、所定の温度に昇温するまでにもPMが燃焼除去されたり、再生制御中に維持されるフィルタ温度も内燃機関の状況によって完全に一定にすることは困難であったりするために、PMの完全除去の時点と再生終了と判断する時点とが必ずしも一致しない場合が発生する可能性がある。
そのため、本発明者らは、DPFを有して構成される排気ガス浄化システムで、PM堆積量が限界に達しているか否かを判定し、PM堆積量が限界に達している場合には、DPFの再生処理を行い、このDPFの再生処理時にDPFの昇温制御とDPFの温度維持制御を行うDPFの再生方法において、DPFの前後の圧力差が一定値以上になったときには、フィルタにPMが所定量堆積したものと判断して、再生処理を終了するようにしている。
しかしながら、PM堆積量とDPFの前後の圧力差(圧力損失)との間には、図2に示すように、ヒステリシスな関係が存在するため、圧力損失の値を基に再生処理が終了したと判断しても、実際には未だ相当量のPMが堆積していてDPF再生が不十分なケースがあることが予想される。そのような場合には、次回の再生処理のタイミングが短くなって、DPFの再生効率が低下して燃費が悪化してしまうおそれがある。このようなことから、DPFの再生処理の終了時の判定を正確に行うことが望まれている。
特開2004−293340号公報
本発明の目的は、DPFの再生処理の終了時を正確に判定して燃費を低減することができるDPFの再生処理方法及び排気ガス浄化システムを提供することにある。
上記の目的を達成する本発明のDPFの再生方法は、DPFを有して構成される排気ガス浄化システムで、PM堆積量が限界に達しているか否かを判定し、PM堆積量が限界に達している場合には、DPFの再生処理を行い、このDPFの再生処理時にDPFの昇温制御とDPFの温度維持制御を行うDPFの再生方法において、DPFの再生処理中に前記DPFから排出されるカーボン量を積算し、その積算値から再生処理中に投入された燃料に含まれるカーボン量を差し引くことでPM燃焼により発生したカーボン量を算出し、前記算出したカーボン量が前記PM堆積量以上になったときにDPFの再生処理を終了することを特徴とするものである。
上記の目的を達成する本発明の排気ガス浄化システムは、DPFを有して構成される排気ガス浄化システムにおいて、上記のDPFの再生方法を行う再生制御装置を備えたことを特徴とするものである。
本発明のDPFの再生方法及び排気ガス浄化システムによれば、再生処理におけるPM燃焼に由来するカーボン量の積算値が初期のPM堆積量以上になったときを再生処理の終了時と判定するようにしたので、実際のPM捕集量に応じた再生処理が可能となるため、燃費を低減することができる。
本発明に係る実施の形態のDPFの再生方法の制御フローの一例を示す図である。 DPFにおけるPM堆積量と圧力損失との関係を示すグラフである。
以下、本発明に係る実施の形態のDPFの再生方法及び排気ガス浄化システムについて説明する。最初に、本発明に係る実施の形態のDPFの再生方法を実施するための排気ガス浄化システムについて説明する。
このDPFを備えた排気ガス浄化システムは、上流側の酸化触媒(DOC:Diesel Oxidation Catalyst)の担体と下流側の酸化触媒が担持されているディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter:以下DPFという)を備えて構成され、内燃機関の排気通路に設けられる。なお、この排気ガス浄化システムは、上流に酸化触媒(DOC)の担体が付き、下流には、酸化触媒無しのDPFの担体が付く構成の排気ガス浄化システムであってもよい。
内燃機関の運転中においては、排気ガス中に含まれている粒子状物質(PM: Particulate Matter:以下PMという)は、排気ガスの温度や組成によっては、排気ガス中の酸素や二酸化窒素(NO2)により排気ガス中もしくはDPFで一部は酸化されるが、排気ガスの温度や組成によっては、排気ガス中もしくはDPFで酸化されずに、排気ガス浄化システムのDPFに捕集される。
このDPFに捕集されたPMの堆積量が増加してくると、DPFの圧力損失が大きくなり、内燃機関の運転に支障をきたすので、DPFの前後の差圧を計測したり、前回の再生処理からの走行距離や燃料消費量等からPMの堆積量を推定したりして、DPFの前後差圧やPMの堆積量がそれぞれの閾値を超えた場合に、DPFのフィルタ温度をPM燃焼温度まで高めて、その温度を維持して、DPFに捕集されているPMを燃焼除去するDPFの再生処理が行われる。このフィルタ温度の昇温と温度維持に際しては、シリンダ内のマルチ噴射(多段遅延噴射)やポスト噴射、排気管内直接燃料噴射、吸気絞り、排気絞り、EGR制御等を組み合わせて、排気ガスの昇温と高温維持が行われ、この高温の排気ガスでフィルタ温度を制御している。
本発明に係る実施の形態のDPFの再生方法においては、DPFを有して構成される排気ガス浄化システムで、DPFの前後差圧等からPM堆積量が限界に達しているか否かを判定し、PM堆積量が限界に達している場合には、DPFの再生処理を行い、このDPFの再生処理時にDPFの温度をモニターしながら、シリンダ内燃料噴射におけるマルチ噴射(多段遅延噴射)やポスト噴射等によるDPFの昇温制御とDPFの温度維持制御を行う。
そして、DPFの再生処理時に、DPF出口の排気ガスを計測し、排出された全カーボン量を求める。次に、その全カーボン量から再生時に投入されている燃料(エンジン駆動分+DPF昇温分)に含まれるカーボン量を差し引いて余剰カーボン量を推定する。再生時における余剰カーボン量の積算値が、DPF再生処理開始時の初期PM堆積量以上になったときに再生処理を終了するようにする。
このDPFの再生方法は、図1に示すような制御フローによって行われる。この制御フローでは、内燃機関の運転開始と共に、上位の制御フローから呼ばれてスタートし、ステップS11で、DPFの前後差圧の測定を行う。このとき、内燃機関の運転開始と共に、内燃機関で発生する排気ガス中のPMをDPFで捕集している。次のステップS12で、このDPFの前後差圧ΔPmが所定の判定用差圧(閾値)ΔPを超えているか否かを判定する。
このステップS12の判定で、DPFの前後差圧ΔPmが判定用差圧ΔPを超えていない場合(NO)は、DPFのPM捕集能力に余裕があるとして、ステップS11に戻り、PMの捕集を継続する。また、このステップS12の判定で、DPFの前後差圧ΔPmが判定用差圧ΔPを超えている場合(YES)は、DPFのPM捕集能力に余裕がなくなってきているとして、ステップS13に行き、DPFに捕集されたPMを燃焼除去するDPFの再生制御を開始する。
このDPFの再生制御が開始されると、ステップS20の制御フローとステップS14以下の制御フローとが並行して行われる。一方のステップS20の制御フローでは、DPFに堆積されたPMの燃焼除去のために、排気ガス浄化装置に流入する排気ガスの昇温制御と排気ガスの温度維持制御が行われる。この排気ガス昇温制御と排気ガスの温度維持制御は従来技術における周知の技術を用いて行うことができるので、ここでは、詳細は述べない。
他方のステップS14から始まる制御フローでは、ステップS14においてDPF出口の排気ガスの計測を開始して、全排出カーボン量[Ct]を求める。次に、ステップ15では、全排出カーボン量から再生時に投入されている燃料に含まれるカーボン量[CF]を差し引いて余剰カーボン量[CIN(PM)]を推定する。この投入された燃料は、エンジンの駆動と、ポスト噴射などによるフィルタの昇温とに用いられたものである。従って、余剰カーボン量[CIN(PM)]はPM燃焼に由来することになる。そして、ステップS16において、再生処理中における余剰カーボンの積算値Csuが初期のPM堆積量[CO]以上であるかを判断する。余剰カーボンの積算値Csuが、初期のPM堆積量[CO]未満である場合(NO)は、DPFに堆積したPMを完全に除去できていないとして、ステップS17で予め設定した時間(ステップS16の判定のインターバルに関係する時間)の間待機して、ステップS15に戻る。ステップS16の判定で、余剰カーボンの積算値Csuが、初期のPM堆積量CO以上である場合(YES)は、DPFに堆積したPMを完全に除去できているとして、ステップS18に行く。
ステップS18では、再生制御が完了したとして、並行して実施されているステップS20の制御フローに対して、再生制御終了の信号の発信を行い、ステップS20の制御フローを停止させて、ステップS11に戻る。一方、再生制御終了の信号を受けたステップS20の制御フローでは、再生処理の終了処理を行ってステップS20の制御フローを終了させて、ステップS11に戻る。
上記の図1に示す制御フローでは、ステップS11に戻ると、内燃機関の通常運転によるPMの捕集を再開し、ステップS11からステップS18を繰り返して実施する。そして、内燃機関の運転を終了するときには、割り込みが生じて、ステップS19で、終了処理をした後、上位の制御フローに戻り、上位の制御フローの終了と共に、図1の制御フローも終了する。
このように、PM燃焼に由来するカーボン量を基にして、DPFの再生処理の終了時を正確に判定することで、DPFの再生処理の開始時における実際のPM堆積量に応じて再生処理を行うことが可能となるため、燃費の悪化を抑制することができる。
なお、全排出カーボン量[Ct]及び再生時に投入された燃料に含まれるカーボン量[CF]は、それぞれのガスをセンサで測定し、以下の式によって算出することができる。但し、[Fuel]は投入燃料量を示す。
Figure 2013224617
Figure 2013224617
そして、本発明の実施の形態の排気ガス浄化システムは、上流側の酸化触媒と下流側のDPFとを有して構成される排気ガス浄化システムにおいて、上記の実施の形態のDPFの再生方法を行う再生制御装置を備えて構成される。
ΔP 判定用差圧(閾値)
ΔPm DPFの前後差圧
[Ct] 全排出カーボン量
[CF] 再生時に投入された燃料に含まれるカーボン量
[CIN(PM)] 余剰カーボン量
Csu 余剰カーボン積算量
[CO] 初期のPM堆積量
[Fuel] 投入燃料量

Claims (2)

  1. DPFを有して構成される排気ガス浄化システムで、PM堆積量が限界に達しているか否かを判定し、PM堆積量が限界に達している場合には、DPFの再生処理を行い、このDPFの再生処理時にDPFの昇温制御とDPFの温度維持制御を行うDPFの再生方法において、
    DPFの再生処理中に前記DPFから排出されるカーボン量を積算し、その積算値から再生処理中に投入された燃料に含まれるカーボン量を差し引くことでPM燃焼により発生したカーボン量を算出し、
    前記算出したカーボン量が前記PM堆積量以上になったときにDPFの再生処理を終了することを特徴とするDPFの再生方法。
  2. DPFを有して構成される排気ガス浄化システムにおいて、請求項1に記載のDPFの再生方法を行う再生制御装置を備えたことを特徴とする排気ガス浄化システム。
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