JP2013224371A - インクジェット記録用インク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】殆ど脱気されていないインク組成物(例えば、溶存窒素量は5ppm以上)又は全く脱気されていないインク組成物(例えば、溶存窒素量は7ppm以上)であっても、初期充填性及び連続印刷安定性に優れたインク組成物を提供する。
【解決手段】主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物と、主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールと、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルと、を含むインク組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用インク組成物に関する。
従来、インクジェット記録方式を用いた印刷方法は、インクの小滴をプリントヘッドから吐出し飛翔させて、紙などの被記録媒体上に付着させることにより行う。インクを吐出する際、インク中に発生した気泡により吐出不良が生じる傾向にある。そこで、脱気装置などを用いてインクを脱気することにより、気泡を除去して安定的に吐出させる技術が、種々提案されている。
例えば、特許文献1は、反応性水溶性染料(C.I Reactive Blue 72)13質量%、イオン交換水 60質量%、エチレングリコール23.7質量%、界面活性剤(オルフィンE1010:アセチレングリコール系界面活性剤、日信化学(株)製)0.3質量%、及び防黴剤(プロキセルGXL−S、アーチケミカルジャパン(株)製)2質量%からなるCyanインクを、膜脱気モジュール(外部還流型、DIC(株)製のEF−G3)を用いて脱気されたインク(膜脱気モジュールの空気減圧度は−90kPa、モジュール出口でのインクの溶存酸素量は1.86ppm(20℃))を開示している(特許文献1の段落0120及び0124)。
特開2011−42104号公報
しかしながら、市場に流通するインクタンクは、比較的安価であるものの、構造上インクと大気が接触してしまう。また、市場に流通するインクカートリッジとして一般的な開放系のカートリッジは、脱気したインクを充填しても、空気が当該インクに徐々に溶け込んでしまう。特許文献1が開示する脱気されたインクがこれらのインクタンクや開放系のインクカートリッジを経由すると、インク中に空気が溶け込むため、脱気が無意味となり吐出不良を生じるという問題が生じる。
そこで、本発明は、殆ど脱気されていないインク組成物(例えば、溶存窒素量は5ppm以上)又は全く脱気されていないインク組成物(例えば、溶存窒素量は7ppm以上)であっても、初期充填性及び連続印刷安定性に優れたインクジェット記録用インク組成物を提供することを目的の一つとする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した。その結果、主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物と、主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールと、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルと、を含むインクジェット記録用インク組成物により、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1]
主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物と、主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールと、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルと、を含む、インクジェット記録用インク組成物。
[2]
前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのHLB値が12〜16である、[1]に記載のインクジェット記録用インク組成物。
[3]
前記アルキレンオキサイド付加物がエチレンオキサイド付加物である、[1]又は[2]に記載のインクジェット記録用インク組成物。
[4]
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの含有量と、主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物及び主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールの総含有量と、の質量比は、0.10:1.0〜0.50:1.0の範囲である、[1]〜[3]のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物。
[5]
前記主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物のHLB値が、8〜15である、[1]〜[4]のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物。
[6]
前記主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールのHLB値が、4以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物。
[7]
着色剤をさらに含む、[1]〜[6]のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物。
[8]
有機溶剤をさらに含む、[1]〜[7]のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[インクジェット記録用インク組成物]
本発明の一実施形態は、インクジェット記録用インク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう。)に係る。当該インク組成物は、主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物と、主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールと、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルと、を含むものである。
以下、本実施形態のインク組成物に含まれるか、又は含まれ得る添加剤(成分)を説明する。
〔主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物〕
本実施形態のインク組成物は、主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物を含む(以下、アルキレンオキサイド付加物を「AO付加物」ともいう。)。当該主鎖の炭素数12以上のアセチレングリコールのAO付加物は、後述する主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールとともに、アセチレングリコール系界面活性剤に含まれるものである。なお、本明細書における「主鎖」とは、IUPAC命名法に基づく主鎖を意味する。
上記のアセチレングリコール系界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤に属する。ノニオン系界面活性剤は、被記録媒体上でインクを均一に拡げる作用がある。そのため、ノニオン系界面活性剤を含むインク組成物を用いてインクジェット記録を行った場合、滲みの少ない比較的高精細な画像が得られる。
アセチレングリコール系界面活性剤のうち、主鎖の炭素数が12以上のものは、インク流路を構成するゴムやプラスチック等の高分子部材及びインクにおける気泡発生の一因となり得る異物に対する濡れ性を優れたものとすることにより、インクタンクからヘッドまでの高分子部材の流路面に、発生した気泡が残留するのを抑制することができる。これにより、初期充填性が優れるとともに、残留した気泡の成長、及び流路面に付着していた気泡の離脱に起因するドット抜けを共に防止できることから、連続印刷安定性が良好となる。
主鎖の炭素数12以上のアセチレングリコールは、水を溶媒として含む水系インク中で安定に溶解(分散)できなくなる場合がある。これに対し、主鎖の炭素数12以上のアセチレングリコールのAO付加物は、上記水系インク中での溶解性が優れたものとなる。
なお、上記の事項は、本実施形態のインク組成物が主鎖の炭素数12以上のアセチレングリコールのAO付加物の代わりに主鎖の炭素数12以上のアセチレングリコールを含む場合について説明したものにすぎず、後述する主鎖の炭素数10以上のアセチレングリコールのうち炭素数が12以上のものとは何ら関係のない事項である。つまり、本実施形態のインク組成物が主鎖の炭素数12以上のアセチレングリコールのAO付加物と主鎖の炭素数10以上のアセチレングリコールのうち炭素数が12以上のものとを含む場合、これらの水系インク中での溶解性は優れたものとなる。
主鎖の炭素数が12以上のアセチレングリコールのAO付加物のHLB(Hydrophile - Lipophile Balance)値は、上記の濡れ性が一層優れたものとなるため、8〜15が好ましい。なお、本明細書におけるHLB値は、グリフィン法で定義されるHLB値とする。
主鎖の炭素数12以上のアセチレングリコールのAO付加物としては、以下に限定されないが、例えば、下記一般式(1)で表されるアセチレングリコールのエトキシル化物が挙げられる。
上記式(1)中、R1、R1'、R2、及びR2'は互いに独立して炭素数1〜5のアルキル基を表し、主鎖の炭素数は12以上であり、−OR3は−OH又は−O(C24O)mHを表し、−OR3'は−OH又は−O(C24O)nHを表す。その際、m及びnは互いに独立して0.5〜25の小数を含む値であり、m+nは1〜40の小数を含む値である(ただし、−OR3及び−OR3'が共に−OHである場合を除く。)。
主鎖の炭素数12以上のアセチレングリコールのAO付加物の具体例としては、以下に限定されないが、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールのエトキシル化物及び5,8−ジメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールのエトキシル化物が好ましく挙げられる。
上記アセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物の中でもアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物及びアセチレングリコールのプロピレンオキサイド付加物が好ましく、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物がより好ましい。アセチレングリコール中のエチレンオキサイド単位の付加モル数は、R3及びR3'それぞれにおいて、各1〜20モルであることが好ましく、当該付加モル数の総数(R3及びR3'の合計)は2〜40モルであることが好ましい。エチレンオキサイドの付加モル数の総数が40モル以下であると、静的及び動的表面張力を小さくすることができ、インクの吸収性能が良好となる。
主鎖の炭素数12以上のアセチレングリコールのAO付加物の市販品としては、以下に限定されないが、例えば、オルフィンEXP4300(日信化学工業社(Nissin Chemical Industry CO.,Ltd.)製商品名、炭素数12、エチレンオキサイド付加物)が挙げられる。
主鎖の炭素数12以上のアセチレングリコールのAO付加物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
主鎖の炭素数12以上のアセチレングリコールのAO付加物の含有量は、後述する主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールの含有量との合計を考慮するのが好ましい。その上で、主鎖の炭素数12以上のアセチレングリコールのAO付加物の含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、例えば0.05〜0.30質量%であるとよい。
〔主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコール〕
本実施形態のインク組成物は、主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールを含む。アセチレングリコール系界面活性剤のうち、主鎖の炭素数10以上のアセチレングリコールは、インク中に発生した気泡を効果的に消泡させることができる。これにより、初期充填性及び連続印刷安定性が優れたものとなる。
主鎖の炭素数10以上のアセチレングリコールのHLB値は、消泡性に優れるため、7以下が好ましく、3〜5がより好ましい。
また、アセチレングリコールの主鎖の炭素数が10以上である場合に、アルキレンオキサイドが付加されないものであると、消泡性が優れたものとなる。主鎖の炭素数10以上のアセチレングリコールは、水に溶けにくい成分であることから消泡性に優れる。
主鎖の炭素数10以上のアセチレングリコールとしては、以下に限定されないが、例えば、下記一般式(2)で表されるアセチレングリコールが挙げられる。
上記式(2)中、R1、R1'、R2、及びR2'は互いに独立して炭素数1〜5のアルキル基を表し、主鎖の炭素数は10以上である。なお、当該式(2)中のR1、R1'、R2、及びR2'は、上述した式(1)中のR1、R1'、R2、及びR2'と関係のないものである。
主鎖の炭素数10以上のアセチレングリコールの具体例としては、以下に限定されないが、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール、5,8−ジメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び4,7−ジメチル−5−デシン−4,7−ジオールが好ましく挙げられる。
主鎖の炭素数10以上のアセチレングリコールの市販品としては、以下に限定されないが、例えば、サーフィノール104PG50(2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール)、サーフィノールDF110D(2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール)(以上、エアプロダクツ社製商品名)が挙げられる。
主鎖の炭素数10以上のアセチレングリコールは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
主鎖の炭素数10以上のアセチレングリコールの含有量は、上述した主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのAO付加物の含有量との合計を考慮するのが好ましい。その上で、主鎖の炭素数10以上のアセチレングリコールの含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、例えば0.05〜0.30質量%であるとよい。
主鎖の炭素数10以上のアセチレングリコール及び上述した主鎖の炭素数12以上のアセチレングリコールのAO付加物の総含有量は、0.1〜0.6質量%が好ましく、0.1〜0.5質量%がより好ましい。当該総含有量が前記範囲内にあることで、水への溶解性が良好となり、これらのアセチレングリコールを配合した際に凝集物が発生するのを効果的に防止できる。
また、主鎖の炭素数10以上のアセチレングリコールの含有量と、上述した主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのAO付加物の含有量との質量比は、0.5:1〜2.5:1であることが好ましく、0.5:1〜2.0:1であることがより好ましく、0.5:1〜1.5:1であることが一層好ましい。当該質量比が上記範囲内にあることで、初期充填性及び連続印刷安定性に優れたインクジェット記録用インク組成物とすることができる。
〔ポリオキシアルキレンアルキルエーテル〕
本実施形態のインク組成物は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含む。上記した主鎖の炭素数12以上のアセチレングリコールのAO付加物と主鎖の炭素数10以上のアセチレングリコールとは、いずれも水又は水系有機溶媒への溶解性が良好でない。そこで、インク組成物がポリオキシアルキレンアルキルエーテルをさらに含むことにより、当該ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが上記のアセチレングリコールをインク中に溶解、又は分散させる可溶化剤として作用するものである。つまり、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは上記のアセチレングリコール系化合物の可溶化剤である。さらに、上記のアセチレングリコールはいずれも動的表面張力が低く、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルはこの低い動的表面張力に影響を及ぼさない可溶化剤ということができる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのHLB値は、初期充填性及び連続印刷安定性が一層優れたものとなるため、11〜16が好ましく、12〜15がより好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、以下に限定されないが、例えば、下記一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
4O(C24O)w(C36O)x(C24O)y(C36O)zH・・・(3)
上記式(3)中、R4は炭素数1〜20のアルキル基を表し、wは1〜20の範囲であり、x、y、及びzは互いに独立して0又は1〜20の範囲であるが、w+x+y+z=5〜30である。
上記一般式(3)において、R4は、炭素数5〜15のアルキル基が好ましく、炭素数10〜15のアルキル基がより好ましい。また、w+x+y+zは、5〜30が好ましく、5〜25がより好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの具体例を、以下、化学式で列挙する。なお、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが以下のものに限定されることはない。
1225O(C24O)6(C36O)2(C24O)6(C36O)8H、
1327O(C24O)6(C36O)2(C24O)6(C36O)8H、
1225O(C24O)w(C36O)x(C24O)y(C36O)z
(但し、w+y=15且つx+z=4)、
1327O(C24O)w(C36O)x(C24O)y(C36O)z
(但し、w+y=15且つx+z=4)、
1225O(C24O)8(C36O)2(C24O)6H、
1327O(C24O)8(C36O)2(C24O)6H、
1225O(C24O)12(C36O)2(C24O)12H、
1327O(C24O)12(C36O)2(C24O)12H、
CH3(CH29(CH3)CHO(C24O)7(C36O)4.5H、
CH3(CH211(CH3)CHO(C24O)7(C36O)4.5H、
CH3(CH29(CH3)CHO(C24O)5(C36O)3.5H、
CH3(CH211(CH3)CHO(C24O)5(C36O)3.5H、
1429O(C24O)14(C36O)2H、
1123O(C24O)8H、
1021O(C24O)11H、及び
1225O(C24O)15H、が挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの市販品としては、以下に限定されないが、例えば、ノイゲンDL−0415(RO(C24O)W(C36O)x(C24O)y(C36O)zH、「R」:炭素数12,13のアルキル、w+y=15、x+z=4、HLB値15.0)、ノイゲンET−116B(RO(C24O)W(C36O)xH、「R」:炭素数12,14のアルキル、w=7、x=4.5、HLB値12.0)、ノイゲンET−106A(RO(C24O)w(C36O)xH、「R」:炭素数12,14のアルキル、w=5、x=3.5、HLB値10.9)、ノイゲンDH−0300(RO(C24O)wH、「R」:炭素数14のアルキル、w=2、HLB値4.0)、ノイゲンYX−400(RO(C24O)wH、「R」:炭素数12のアルキル、w=40、HLB値18.1)、ノイゲンEA−160(C91964O(C24O)wH、w=16.8、HLB値15.4)(以上、第一工業製薬社製商品名)、エマルゲン1108(花王社製商品名、RO(C24O)wH、「R」:炭素数11のアルキル、w=8、HLB値13.4)が挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの含有量は、特に限定されるものではないが、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、例えば0.01〜0.50質量%とすればよい。
また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの含有量は、主鎖の炭素数12以上であるアセチレングリコールのAO付加物の含有量を考慮するのが好ましい。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの含有量(前者)と、主鎖の炭素数12以上であるアセチレングリコールのAO付加物の含有量(後者)と、の質量比(前者:後者)は、0.10:1.0〜1.0:1.0が好ましく、0.30:1.0〜0.70:1.0がより好ましい。当該質量比が上記範囲内にあることで、主鎖の炭素数12以上のアセチレングリコールのAO付加物が十分に可溶化し、水溶性が良好となるため、配合した際に凝集物が発生したりインクの吸収性にバラツキが発生したりすることを効果的に防止できる。
また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの含有量は、主鎖の炭素数12以上であるアセチレングリコールのAO付加物及び主鎖の炭素数10以上であるアセチレングリコールの総含有量を考慮するのが好ましい。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの含有量(前者)と、主鎖の炭素数12以上であるアセチレングリコールのAO付加物及び主鎖の炭素数10以上であるアセチレングリコールの総含有量(後者)と、の質量比(前者:後者)は、0.10:1.0〜0.5:1.0が好ましく、0.10:1.0〜0.40:1.0がより好ましい。当該質量比が上記範囲内にあることで、アセチレングリコール系化合物が十分に可溶化して水溶性が良好となるため、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及びアセチレングリコール系化合物を配合する際に凝集物が発生したり、インクの吸収性にバラツキが発生したりすることを効果的に防止できる。
〔上記以外の界面活性剤〕
本実施形態におけるインクは、上記以外の界面活性剤(以下、「その他の界面活性剤」と言う。)を含んでもよい。
〔着色剤〕
本実施形態におけるインクは、着色剤をさらに含むことが好ましい。当該着色剤としては、特に限定されず、染料及び顔料のいずれも用いることができる。着色剤が呈する色としては、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、ホワイト、グリーン、オレンジ、レッド、ブルー、ライトイエロー、ライトマゼンタ、ライトイエロー、ライトブラック、ライトグリーン、ライトオレンジ、ライトレッド、及びライトブルーが挙げられる。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料のうち少なくともいずれかを用いることが可能であり、このうち、無機顔料としては、以下に限定されないが、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、紺青、及び金属粉が挙げられる。
上記有機顔料としては、以下に限定されないが、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、及びアニリンブラックが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料及び多環式顔料のうち少なくともいずれかが好ましい。これらのうち、アゾ顔料としては、以下に限定されないが、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、及びキレートアゾ顔料が挙げられる。多環式顔料としては、以下に限定されないが、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、アゾメチン系顔料、及びローダミンBレーキ顔料が挙げられる。
着色剤として顔料を用いる場合における顔料の分散形態は、特に限定されないが、表面処理を施した顔料及び分散剤を利用した顔料のうち少なくともいずれかを用いることが好ましい。上記の表面処理を施した顔料とは、物理的処理または化学的処理によって顔料表面に親水性基(カルボキシル基、スルホン酸基等)を、直接または間接的に結合させて水性溶媒中に分散可能としたものである(以下、「自己分散型顔料」ともいう。)。上記の分散剤を利用した顔料とは、界面活性剤や樹脂により顔料を分散させたものであり(以下、「ポリマー分散型顔料」ともいう。)、界面活性剤や樹脂としてはいずれも公知の物質を使用することが可能である。また、「ポリマー分散型顔料」の中には、樹脂により被覆された顔料も含まれる。樹脂により被覆された顔料は、酸析法、転相乳化法、及びミニエマルション重合法などにより得ることができる。
また、染料としては、油溶性染料又は水溶性染料を用いることができる。これらのうち、油溶性染料としては、以下に限定されないが、例えば、カラーインデックスにおいて分散染料に分類される染料が挙げられる。水溶性染料としては、以下に限定されないが、例えば、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、及び食用染料に分類される各染料が挙げられる。
上記の酸性染料及び食用染料としては、以下に限定されないが、例えば、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142;C.I.アシッドレッド1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,289;C.I.アシッドブルー9,29,45,92,249;C.I.アシッドブラック1,2,7,24,26,94;C.I.フードイエロー3,4;C.I.フードレッド7,9,14;C.I.フードブラック1,2などが挙げられる。
上記直接性染料としては、以下に限定されないが、例えば、C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,26,33,44,50,86,120,132,142,144;C.I.ダイレクトレッド1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,81,83,89,225,227;C.I.ダイレクトオレンジ26,29,62,102;C.I.ダイレクトブルー1,2,6,15,22,25,71,76,79,86,87,90,98,163,165,199,202;C.I.ダイレクトブラック19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,154,168,171などが挙げられる。
上記塩基性染料としては、以下に限定されないが、例えば、C.I.ベーシックイエロー1,2,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,64,65,67,70,73,77,87,91;C.I.ベーシックレッド2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,112;C.I.べーシックブルー1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,47,54,62,65,66,67,69,75,77,78,89,92,93,105,117,120,122,124,129,137,141,147,155;C.I.ベーシックブラック2,8などが挙げられる。
上記反応性染料としては、以下に限定されないが、例えば、C.I.リアクティブブラック3,4,7,11,12,17;C.I.リアクティブイエロー1,5,11,13,14,20,21,22,25,40,47,51,55,65,67;C.I.リアクティブレッド1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,60,66,74,79,96,97;C.I.リアクティブブルー1,2,7,14,15,23,32,35,38,41,63,80,95などが挙げられる。
着色剤の含有量は、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、発色性が良好となるため、2〜10質量%が好ましい。
なお、本実施形態のインク組成物は、着色剤を実質的に含まない透明のクリアインクであってもよい。
〔水〕
本実施形態におけるインクは、水を含有してもよい。特に、当該インクが水性インクである場合、水はインク組成物の主溶媒であり、インクジェット記録において被記録媒体が加熱される際、蒸発飛散する成分となる。
水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加などによって滅菌した水を用いると、顔料分散液及びこれを用いたインクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができる。
水の含有量は特に制限されず、必要に応じて適宜決定することができる。
なお、水又は水系有機溶媒を主溶媒として含有するインクは、水性インクに相当する。ここでいう「主溶媒」とは、インク組成物中のあらゆる溶媒のうち最も含有量の多い溶媒成分をいう。また、本明細書における「水系有機溶媒」とは、水と水溶性有機溶剤との混合溶媒を意味する。
〔有機溶剤〕
本実施形態におけるインクは、有機溶剤をさらに含むことが好ましい。当該有機溶剤の中でも、揮発性の水溶性有機溶剤がより好ましい。当該揮発性の水溶性有機溶剤としては、以下に限定されないが、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、及びtert−ペンタノール等のアルコール類又はグリコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、及び1,1,3,3−テトラメチル尿素が挙げられる。
有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。有機溶剤の含有量は特に制限されず、必要に応じて適宜決定することができる。例えば、被記録媒体へのインクの浸透性を優れたものとする場合には、1,2−ヘキサンジオール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノプロピルエーテルからなる群より選択される一種以上を用いることが好ましい。
なお、水及び有機溶剤の合計の含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、60〜98質量%とすればよい。
〔その他の成分〕
本実施形態のインク組成物は、上記の材料に加えて、トリエタノールアミン及びトリプロパノールアミン等のpH調整剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、並びにキレート化剤などをさらに含んでもよい。
〔インク組成物の製造方法〕
本実施形態のインク組成物は、上述の材料(成分)を任意の順序で混合し、必要に応じて濾過などを行い、不純物を除去することにより得ることができる。ここで、上記した主鎖の炭素数12以上のアセチレングリコールのAO付加物及び主鎖の炭素数10以上のアセチレングリコールと、上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルと、を混合する際の温度は10〜30℃が好ましい。
なお、顔料は、あらかじめ溶媒中に均一に分散させた状態に調製してから混合することが、取り扱いが簡便になるため好ましい。
各材料の混合方法としては、メカニカルスターラーやマグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合する方法が好適に用いられる。濾過方法として、例えば、遠心濾過やフィルター濾過などを必要に応じて行うことができる。
このように、本実施形態によれば、殆ど脱気されていないインク組成物(例えば、溶存窒素量は5ppm以上)又は全く脱気されていないインク組成物(例えば、溶存窒素量は7ppm以上)であっても、初期充填性及び連続印刷安定性に優れ、さらに溶解安定性及び保存安定性にも優れたインク組成物を提供することができる。つまり、脱気しなくても、吐出不良を抑えることができ、ひいては初期充填性及び連続印刷安定性に優れたインク組成物を提供することができる。換言すれば、たとえインク中に気泡が発生しても、消泡しやすいインク組成物を提供することができる。
[インクジェット記録方法]
本発明の一実施形態に係るインクジェット記録方法は、上記実施形態のインク組成物を用いて被記録媒体の被記録面に記録を行い、記録物を得るというものである。
以下、本実施形態のインクジェット記録方法(以下、「記録方法」ともいう。)に用いられる被記録媒体を説明し、続いて当該記録方法の一例を説明する。
〔被記録媒体〕
被記録媒体として、特に限定されないが、例えば、インク吸収性の被記録媒体が挙げられる。吸収性被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、水性インクの浸透性が高い電子写真用紙などの普通紙、インクジェット用紙(シリカ粒子やアルミナ粒子から構成されたインク吸収層、あるいは、ポリビニルアルコール(PVA)やポリビニルピロリドン(PVP)等の親水性ポリマーから構成されたインク吸収層を備えたインクジェット専用紙)から、水性インクの浸透性が比較的低い一般のオフセット印刷に用いられるアート紙、コート紙、キャスト紙等が挙げられる。
〔吐出工程〕
本実施形態のインクジェット記録方法は吐出工程を含む。当該吐出工程は、インクジェット記録方式で、被記録媒体上にインク組成物の液滴を吐出して、画像を形成するものである。吐出の方法としては、従来公知の方式を使用でき、中でも圧電素子の振動を利用して液滴を吐出させる方法(電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するヘッドを用いた記録方法)を用いると優れた記録を行うことができる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[使用材料]
下記の実施例及び比較例において使用した主な材料は、以下の通りである。
〔染料〕
・C.I.ダイレクトブルー199(以下では「ブルー染料」と記載した。)
〔界面活性剤〕
(1.主鎖の炭素数12以上のアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物)
・界面活性剤1(主鎖の炭素数12、エチレンオキサイドの付加あり、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールエトキシレート)
(2.主鎖の炭素数10以上のアセチレングリコール)
・界面活性剤2(主鎖の炭素数12、エチレンオキサイドの付加なし、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール)
・界面活性剤3(主鎖の炭素数10、エチレンオキサイドの付加なし、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール)
(3.その他のアセチレングリコール系化合物)
・界面活性剤4(主鎖の炭素数10、エチレンオキサイドの付加モル数10、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエトキシレート)
・界面活性剤5(主鎖の炭素数10、エチレンオキサイド付加モル数4、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエトキシレート)
・界面活性剤6(主鎖の炭素数8、エチレンオキサイドの付加なし、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール)
〔ポリオキシアルキレンアルキルエーテル〕
・ポリオキシアルキレンアルキルエーテル1(HLB値15.0、以下「POAAE1」という。)
なお、POAAE1の化学式を以下に示す。
RO(C24O)w(C36O)x(C24O)y(C36O)z
上記化学式中、Rは炭素数12のアルキル、w+y=15、x+z=4である。
・ポリオキシアルキレンアルキルエーテル2(HLB値12.0、以下「POAAE2」という。)
なお、POAAE2の化学式を以下に示す。
RO(C24O)w(C36O)x
上記化学式中、Rは炭素数12のアルキル、w=7、x=5である。
・ポリオキシアルキレンアルキルエーテル3(HLB値10.9、以下「POAAE3」という。)
なお、POAAE3の化学式を以下に示す。
RO(C24O)w(C36O)x
上記化学式中、Rは炭素数12のアルキル、w=5、x=4である。
〔有機溶剤〕
・トリエチレングリコール
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル(以下「TEGmBE」という。)
・プロピレングリコール
・ジプロピレングリコール
・グリセリン
・トリエタノールアミン
[実施例1〜9、比較例1〜8、参考例1〜2]
下記の表1及び表2に示す組成に従い、各成分の混合及び攪拌を行うことにより、各インク組成物を調製した。また、各インク組成物は、孔径1μmのメンブレンフィルターにて濾過することにより爽雑物を除いた。なお、下記の表1及び表2中、数値の単位は質量%であり、合計は100.00質量%である。
[測定及び評価の方法]
〔1.インクの溶存窒素量の測定〕
Agilent Technologies製の6890N ネットワークGCを用いて溶存窒素量を測定した。測定結果を下記表3に示す。
ここで、脱気処理は、参考例の各インク組成物についてのみ行い、実施例及び比較例の各インク組成物については行わなかった。参考例における当該脱気処理は、市販されているチャンバー方式の真空脱気装置を用いて、脱気時間を調整したものである。これにより、溶存窒素量が互いに異なる各インクを作製した。
なお、下記表3中の「溶存窒素量」は、インク組成物中に溶存する窒素の量を表し、単位はppmである。
〔2.溶解安定性の評価〕
調製した各インク組成物について、材料成分が均一に溶解(分散)できているかどうか、目視観察を行った。
評価基準は以下のとおりである。評価結果を下記表3に示す。
○:インクの原料成分が均一に溶解(分散)しており、溶け残った浮遊物は観察されなかった。
×:インクの原料成分が溶解(分散)せずに、溶け残りが浮遊物として観察された。
〔3.保存安定性の評価〕
調製した各インク組成物を、20ml容の蓋付きガラス瓶に取り分け、70℃で1週間放置した。インクの液面を観察し、浮遊物の有無を目視で確認した。さらに、孔径10μmのフィルターでインクをろ過したときに、捕集物(ろ集物)の有無を確認した。
評価基準は以下のとおりである。評価結果を下記表3に示す。
○:インク成分由来の浮遊物は観察されず、捕集物も得られなかった。
△:インク成分由来の浮遊物が観察されたが、捕集物は得られなかった(実用上の問題なし)。
×:捕集物が得られた。
〔4.初期充填性の評価〕
調製した各インク組成物を、インクジェットプリンター(L100〔製品名〕、セイコーエプソン社製)のインクタンクに充填した。L100の定める初期充填シーケンスに従い、ヘッドへの初期充填動作を行った。この後、ヘッドの全ノズルからインクが吐出できるかどうかを確認するため、ノズルチェックを実施した。インクが吐出できないノズルがある場合には、ヘッドのクリーニング(ノズル内のインクの吸引)を行い、その後再度ノズルチェックを実施した。全ノズルからインクが吐出できるまでに要したクリーニングの回数に基づき、以下の評価基準により初期充填性を評価した。評価結果を下記表3に示す。
○:初期充填シーケンスのみで全ノズルから吐出した。
△:全ノズルからインクが吐出できるまでに要したクリーニング回数が1回であった。
×:全ノズルからインクが吐出できるまでに要したクリーニング回数が2回以上であった。
〔5.連続印刷安定性の評価〕
上記「4.初期充填性の評価」によって、ヘッドの全ノズルからインクが吐出できることを確認した後、各インク組成物及びA4サイズの普通紙(P紙〔製品名〕、富士ゼロックス社製)を用いて、70%Dutyの画像を印刷することにより、連続印刷安定性の評価を行った。印刷枚数は、500枚の連続印刷を2回行い、合計で1,000枚とした。その後、ノズルチェックを実施し、ノズル抜けの本数に基づき、以下の評価基準により連続印刷安定性を評価した。評価結果を下記表3に示す。
○:ノズル抜けが発生した回数が1本以下であった。
△:ノズル抜けが発生した回数が2本であった。
×:ノズル抜けが発生した回数が3本以上であった。
上記表3の結果より、主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物と、主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールと、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルと、を含むインク組成物(各実施例)は、そうでないインク組成物(各比較例)と比較して、初期充填性及び連続印刷安定性に優れ、さらに溶解安定性及び保存安定性にも優れることが分かった。また、上記の実施例はいずれも全く脱気しなかったが、当該インク組成物(各実施例)は、脱気処理を行ったインク組成物(各参考例、インク組成自体は比較例に相当する。)と比較して、初期充填性、連続印刷安定性、溶解安定性、及び保存安定性のいずれにおいても同等以上に優れることが分かった。

Claims (8)

  1. 主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物と、主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールと、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルと、を含む、インクジェット記録用インク組成物。
  2. 前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのHLB値が12〜16である、請求項1に記載のインクジェット記録用インク組成物。
  3. 前記アルキレンオキサイド付加物がエチレンオキサイド付加物である、請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インク組成物。
  4. ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの含有量と、主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物及び主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールの総含有量と、の質量比は、0.10:1.0〜0.50:1.0の範囲である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
  5. 前記主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物のHLB値が、8〜15である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
  6. 前記主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールのHLB値が、4以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
  7. 着色剤をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
  8. 有機溶剤をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
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