JP2013220623A - フィルム等の成形装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】押圧ロールおよび1つ以上の押圧ガイドロールに巻回されて走行する押圧ベルトと、2つ以上の受圧ロールに巻回されて走行する受圧ベルトと、からなり、前記押圧ロールは前記押圧ベルトを介して前記受圧ベルトを押圧し、前記押圧ロールの表面温度を調整する表面温度調整手段を具えるとともに、前記押圧ベルトおよび前記受圧ベルトの相互の面圧力を調整する押圧力調整手段を具え、ダイから押出された帯状の溶融樹脂帯が前記押圧ベルトおよび前記受圧ベルトの間に供給されて該押圧ベルトおよび該受圧ベルト間で挟持されながら走行する間にフィルム等に成形される構成とした。
【選択図】図1
Description
また、本願請求項2に係るフィルム等の成形装置は、請求項1に記載のフィルム等の成形装置であって、前記押圧ロールはその表面温度を調整する表面温度調整手段を具え、該表面温度調整は該押圧ロールの内部に配設された流通パイプを流通する冷却媒体または加熱媒体により行われ、前記押圧力調整は前記押圧ロールおよび該押圧ロールに押圧される前記受圧ベルトの上流側および下流側に位置する2つの前記受圧ロールの相対的な離反または接近により行われる、ことを特徴としている。なお、上流側および下流側とはベルトの走行方向に対する概念である。
そして、本願請求項3に係るフィルム等の成形装置は、請求項1または請求項2に記載のフィルム等の成形装置であり、前記押圧ベルトおよび/または前記受圧ベルトは、複数回の冷間圧延加工工程の中間に熱処理工程を介在させたスピニング加工法で製造されたステンレス鋼であって、その表面は鏡面またはエンボス状の転写模様となっている、ことを特徴している。なお、表面とは、ベルトの溶融樹脂帯に対面する面をいう。
さらに、本願請求項4に係るフィルム等の成形装置は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のフィルム等の成形装置であって、前記押圧ベルトは前記押圧ロールと該押圧ロールの上流側および下流側に配置された2つの前記押圧ガイドロールに巻回されて、該押圧ベルトおよび前記受圧ベルトは上流側と下流側で面接触し、面接触している前記押圧ロールの対面および面接触している上流側および/または下流側の両側には温度調整手段を具え該受圧ベルトおよび/または該押圧ベルトの走行に伴って従動する温度調整ガイドロールが配設されている、ことを特徴としている。
また、本願請求項5に係るフィルム等の成形装置は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のフィルム等の成形装置であって、前記押圧ベルトおよび/または前記受圧ベルトは走行方向の両側に所定間隔で貫穿された同一形状のパーフォレーション(送り孔)を具えるパーフォレーションベルトであって、前記押圧ロールの外周面には該パーフォレーションに嵌入・係合する複数のスプロケットの突起が突設されている、ことを特徴としている。
(1)押圧ロールの押圧により押圧ベルトと受圧ベルトが面接触し、押圧ロールから見てその上流側と下流側の2つの受圧ロールの位置を相対的に押圧ロール側に押しつけることにより押圧ベルトと受圧ベルトの押圧力(面圧)を調整でき、押圧ロールを包み込むようにして上流側と下流側の2つの受圧ロールの位置を接近させることにより押圧ベルトと受圧ベルトの面接触部分の長さを変えることができるため、押圧ベルトと受圧ベルトの押圧力や接触長さをそれぞれ独立して変えられる。
(2)押圧ロールはその表面温度を調整する表面温度調整手段を具えていて、押圧ベルトは押圧ロールに面接触しているので、押圧ロールの表面温度は押圧ベルトに伝わる。さらに、押圧ロールの対面および上流側および/または下流側の両側に温度調整手段を具える温度調整ガイドロールを配設することにより、成形速度に応じた温度調整が可能になって、成形速度を上げてもそれに見合った所定の冷却速度や加熱速度とすることができる。
(3)押圧ベルトと受圧ベルトに冷間圧延加工工程の中間に熱処理工程を介在させて製造されたステンレス鋼を使用することにより、溶接部分の盛り上がりがなく平滑で、溶接部の強度も母材部に比較して遜色のない引張強さのベルトとなる。フィルム等の成形では、加熱環境下で高速回転するベルトには、繰り返し曲げ応力が長時間作用してベルトの破断による寿命低下が問題となるが、本願発明で使用するステンレス鋼ベルトは、長期の寿命が確保できる。そして、ステンレス鋼の表面を鏡面または転写模様とすることにより、様々なニーズに応えるフィルム等が製造されるとともに、転写模様の摩耗がきわめて少なくランニングコストの低廉化を図ることができる。
(4)パーフォレーションベルトとスプロケットを採用することにより押圧ベルトや受圧ベルトと押圧ロールとの滑りを防ぐことができるので、押圧ロールの回転力を無駄なく押圧ベルトや受圧ベルトに伝えることができるとともに、駆動ロールを押圧ロールのみとすることができるので、装置のメンテナンスが容易になる。
本願発明で使用するベルトには完全に平滑で溶接部の強度と母材部の強度が同等であることが要求される。実施例で使用される押圧ベルト11および受圧ベルト21は、ステンレス製の無端ベルトであって、厚さが0.1mm〜0.8mm程度で、さらに、表面粗度が3.0μm以下、より好ましくは0.5μm以下の鏡面処理されたものを用いている。
その後、再結晶化し、母材部と溶接部の結晶組織の均一化が一層進む。この冷間加工で加工歪みを与えた金属を加熱していくと、原子の再配列が起こって歪みのない結晶に戻る。これを回復、再結晶といい、さらに加熱を続けると結晶粒の粗大化が進む。冷間加工率が大きいほど、低い温度から回復が始まり、また短時間に回復が終了する。原板を溶接しただけの素管では、溶接部と母材部の金属組織が明らかに異なっているが、冷間加工と熱処理によって溶接部と母材部の金属組織が同等にすることができるのである。
この複数の冷間加工の間に熱処理工程を介在させる。例えば内径500mm、厚さ0.8mmの円筒素材から内径500mm、厚さ0.2mmの金属円筒体を成形する場合に、1次加工で0.8mmから0.4mmまで圧延加工し、その後引き続き窒素雰囲気中において1050℃で10分間保持後急冷する。次いで2次加工で0.4mmから0.2mmまで圧延加工する。その後、必要であればなお、窒素雰囲気中において400℃で10分間保持後急冷する。
本願発明では、2次加工を施した材料から製作した優れた耐久性能のベルトを使用した。このベルトの最終段階での金属組織は、圧延されたままの状態であり、加工硬化と加工誘起マルテンサイトの生成で強度が極めて高くなっていることが特徴である。このようにして製作した高強度素材のベルトを使用することによって本願発明に係るフィルム等の成形装置でフィルム等を成形することが可能になるのである。
ダイ1から押し出される溶融樹脂帯Mは、所定押圧力に調整された押圧ロール13にバックアップされた押圧ベルト11および受圧ベルト21に挟持されて走行している間に所定の厚さに整えられると同時に押圧ベルト11の表面の鏡面あるいはエンボス状の模様が形成される。この押圧ロール11は直径が大きいものが好ましいが、実用上、直径が100mm〜1000mm程度のものが好適である。面圧は、好ましくは0.01MPa〜20.0MPa、より好ましくは0.01MPa〜0.5MPaである。面圧が0.01MPa以下では、成形時の厚さや温度の調整が不十分で好ましくない。また面圧20.0MPa以上では、後述する実施例4のパーフォレーションベルトを使用しないと押圧ベルト11および受圧ベルト21の間でスリップを生じ、成形形状に支障を来す。成形される樹脂の種類あるいはフィルムFに要求される品質によっては、溶融樹脂帯Mを加熱・保温しながら挟圧し、その後、徐冷・冷却が必要な場合もあれば、溶融樹脂帯Mを急速冷却しながら挟圧する場合がある。
2 実施例2に係るフィルム等の成形装置
3 実施例3に係るフィルム等の成形装置
4 実施例4に係るフィルム等の成形装置
11 押圧ベルト
13 押圧ロール
15 押圧ガイドロール
21 受圧ベルト
23 受圧ロール
31 温度調整ガイドロール
41 パーフォレーションベルト
43 パーフォレーション
45 スプロケットの突起
Claims (5)
- フィルム、シート、又は複合シートを成形する成形装置において、
押圧ロールおよび1つ以上の押圧ガイドロールに巻回されて走行する押圧ベルトと、2つ以上の受圧ロールに巻回されて走行する受圧ベルトと、からなり、
前記押圧ロールは前記押圧ベルトを介して前記受圧ベルトを押圧し、
前記押圧ベルトおよび前記受圧ベルトの相互の面圧力を調整する押圧力調整手段を具え、
ダイから押出された帯状の溶融樹脂帯が前記押圧ベルトおよび前記受圧ベルトの間に供給されて該押圧ベルトおよび該受圧ベルト間で挟持されながら走行する間に前記フィルム等に成形される、ことを特徴とするフィルム等の成形装置。 - 前記押圧ロールはその表面温度を調整する表面温度調整手段を具え、該表面温度調整は該押圧ロールの内部に配設された流通パイプを流通する冷却媒体または加熱媒体により行われ、
前記押圧力調整は前記押圧ロールおよび該押圧ロールに押圧される前記受圧ベルトの上流側および下流側に位置する2つの前記受圧ロールの相対的な離反または接近により行われる、ことを特徴とする請求項1に記載のフィルム等の成形装置。 - 前記押圧ベルトおよび/または前記受圧ベルトは、複数回の冷間圧延加工工程の中間に熱処理工程を介在させたスピニング加工法で製造されたステンレス鋼であって、その表面は鏡面またはエンボス状の転写模様となっている、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフィルム等の成形装置。
- 前記押圧ベルトは前記押圧ロールと該押圧ロールの上流側および下流側に配置された2つの前記押圧ガイドロールに巻回されて、該押圧ベルトおよび前記受圧ベルトは上流側と下流側で面接触し、
面接触している前記押圧ロールの対面および面接触している上流側および/または下流側の両側には温度調整手段を具え該受圧ベルトおよび/または該押圧ベルトの走行に伴って従動する温度調整ガイドロールが配設されている、ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のフィルム等の成形装置。 - 前記押圧ベルトおよび/または前記受圧ベルトは走行方向の両側に所定間隔で貫穿された同一形状のパーフォレーションを具えるパーフォレーションベルトであって、前記押圧ロールの外周面には該パーフォレーションに嵌入・係合する複数のスプロケットの突起が突設されている、ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のフィルム等の成形装置。
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